イメージは意味の極限である。映像=イメージをめぐる3つのテクスト(2篇の論文と1篇のインタヴュー)が1冊に。広告写真からいくつもの記号を掬い上げ、イコン的なメッセージと言語的メッセージを丹念に読み取ってみせる「イメージの修辞学」。報道写真やグラビア写真などを取り上げ、フォトジェニックな構図・手法、テクストとの関係を記号学的に論じる「写真のメッセージ」。作品の意味が宙吊りになる魅力についてブニュエルの「皆殺しの天使」を引きながら闊達に語る「映画について」。イメージから記号を読み取る鮮やかな手つき、言葉の持つ官能性を存分に味わえるロラン・バルトの独壇場。
[出版社より]
著 者|ロラン・バルト
訳 者|蓮實重彦・杉本紀子
出版社|筑摩書房[ちくま学芸文庫]
定 価|880円+税
判 型|文庫版/並製
頁 数|162
ISBN|9784480089366
初 版|2005年09月
Contents
イメージの修辞学―パンザーニの広告について
写真のメッセージ
映画について―「カイエ・デュ・シネマ」誌によるインタヴュー
ロラン・バルトまたは複数化する断片(蓮實重彦)
Author
ロラン・バルト Roland Barthes
1915‐80年。記号のシステムとしてのテクスト分析により、それまでの批評言語を刷新し、現代思想に計り知れない影響を与えたフランスの批評家。当初、“社会的神話学”から出発し、“記号学”“テクスト性”“モラリテ”の時代を経て、テクストの快楽の実践へと至った。1980年、名声の絶頂期に交通事故により死去
Translator
蓮實 重彦 Shigehiko Hasumi
東京大学大学院博士課程修了。東京大学名誉教授。
杉本 紀子 Noriko Sugimoto
東京大学大学院博士課程修了。和光大学表現学部教授。専攻、フランス文化。