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アミダクジ式ゴトウメイセイ[対談篇]
¥4,180
「千円札文学論」とは何か? 「分裂=混血の文学」とは何か? そして日本近代文学の「超ジャンル性」とは何か? ★没後18年・待望の新刊は初の対談集 名著『挾み撃ち』で知られる小説家・後藤明生——。電子書籍による復刊や選集『後藤明生コレクション』の刊行もスタートし再評価の機運が高まっている。収録した計22本の対談では、五木寛之、小島信夫、蓮實重彥、柄谷行人、島田雅彦らを相手に、敗戦による引揚体験や、小説の技法・文体・喜劇性、ゴーゴリやカフカなど海外文学からの影響、日本近代文学の起源などをテーマに、アミダクジのように話を脱線させながら饒舌に語り尽くす。後藤ファン必携の書。『座談篇』も同時刊行。 [出版社より] 著 者|後藤明生 出版社|つかだま書房 定 価|3,800円+税 判 型|A5判・函入 頁 数|448 ISBN|978-4-908624-00-1 初 版|2017年5月 Contents ❖文学における原体験と方法|一九九六年|五木寛之 ❖追分書下ろし暮し|一九七四年|三浦哲郎 ❖父たる術とは|一九七四年|黒井千次 ❖新聞小説『めぐり逢い』と連作小説をめぐって|一九七六年|三浦哲郎 ❖「厄介」な世代――昭和一ケタ作家の問題点|一九七六年|岡松和夫 ❖失われた喜劇を求めて|一九七七年|山口昌男 ❖文芸同人誌「文体」をめぐって|一九七七年|秋山駿 ❖ロシア文明の再点検|一九八〇年|江川卓 ❖〝女〟をめぐって|一九八一年|三枝和子 ❖「十二月八日」に映る内向と自閉の状況|一九八二年|三浦雅士 ❖何がおかしいの?――方法としての「笑い」|一九八四年|別役実 ❖文学は「隠し味」ですか?|一九八四年|小島信夫 ❖チェーホフは「青春文学」ではない|一九八七年|松下裕 ❖後藤明生と『首塚の上のアドバルーン』|一九八九年|富岡幸一郎 ❖小説のディスクール|一九九〇年|蓮實重彥 ❖疾走するモダン――横光利一往還|一九九〇年|菅野昭正 ❖谷崎潤一郎を解錠する|一九九一年|渡部直己 ❖文学教育の現場から|一九九二年|三浦清宏 ❖文学の志|一九九三年|柄谷行人 ❖親としての「内向の世代」|一九九三年|島田雅彦 ❖小説のトポロジー|一九九五年|菅野昭正 ❖現代日本文学の可能性――小説の方法意識について|一九九七年|佐伯彰一 Author 後藤 明生 Meisei Goto 一九三二年四月四日、朝鮮咸鏡南道永興郡永興邑生まれ。敗戦後、旧制福岡県立朝倉中学校に転入。早稲田大学第二文学部露文学科卒。在学中の一九五五年、「赤と黒の記録」が全国学生小説コンクールに入選、「文藝」に掲載。卒業後、博報堂を経て平凡出版に勤務。一九六二年、「関係」で文藝賞佳作。一九六七年、「人間の病気」で芥川賞候補。翌年、専業作家に。一九七七年、『夢かたり』で平林たい子文学賞、一九八一年、『吉野大夫』で谷崎潤一郎賞、一九九〇年、『首塚の上のアドバルーン』で芸術選奨文部大臣賞を受賞。一九八九年、近畿大学文芸学部の設立にあたり教授に就任。一九九三年より同学部長を務めた。一九九九年八月二日、逝去。
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アミダクジ式ゴトウメイセイ[座談篇]
¥4,180
「内向の世代」とはいったい何だったのか? すべて「単行本未収録」の近代文学史の貴重な証言が満載! ★全て単行本初収録・戦後文学の貴重な証言満載の座談集 後藤明生はじめ、阿部昭、黒井千次、坂上弘、古井由吉など、サラリーマンをしながら小説を執筆した「内向の世代」の作家たちが集結した「伝説」の連続座談会をはじめ、1970年代から1990年代に行われた、全て単行本初収録の座談集。また、実作者でありながら優れた理論家でもあった後藤が提唱した「小説を読まずに小説を書いた人はいない」という考えに基づく「千円札文学論」など独自の文学論を開陳。全ての文学ファン&研究者が必携の書。『対談篇』も同時刊行。 [出版社より] 著 者|後藤明生 出版社|つかだま書房 定 価|3,800円+税 判 型|A5判・函入 頁 数|448 ISBN|978-4-908624-01-8 初 版|2017年5月 Contents ❖現代作家の条件|一九七〇年三月|×阿部昭×黒井千次×坂上弘×古井由吉 ❖現代作家の課題|一九七〇年九月|×阿部昭×黒井千次×坂上弘×古井由吉×秋山駿 ❖現代文学の可能性――志賀直哉をめぐって|一九七二年一月|×阿部昭×黒井千次×坂上弘×古井由吉 ❖小説の現在と未来|一九七二年九月|×阿部昭×小島信夫 ❖飢えの時代の生存感覚|一九七三年三月|×秋山駿×加賀乙彦 ❖創作と批評|一九七四年七月|×阿部昭×黒井千次×坂上弘×古井由吉 ❖外国文学と私の言葉――自前の思想と手製の言葉|一九七八年四月|×飯島耕一×中野孝次 ❖「方法」としてのゴーゴリ|一九八二年二月|×小島信夫×キム・レーホ ❖小説の方法―現代文学の行方をめぐって|一九八九年八月|×小島信夫×田久保英夫 ❖日本文学の伝統性と国際性|一九九〇年五月|×大庭みな子×中村真一郎×鈴木貞美 ❖日本近代文学は文学のバブルだった|一九九六年一月|×蓮實重彥×久間十義 ❖文学の責任――「内向の世代」の現在|一九九六年三月|×黒井千次×坂上弘×高井有一×田久保英夫×古井由吉×三浦雅士 ❖われらの世紀の〈文学〉は|一九九六年八月|×小島信夫×古井由吉×平岡篤頼 Author 後藤 明生 Meisei Goto 一九三二年四月四日、朝鮮咸鏡南道永興郡永興邑生まれ。敗戦後、旧制福岡県立朝倉中学校に転入。早稲田大学第二文学部露文学科卒。在学中の一九五五年、「赤と黒の記録」が全国学生小説コンクールに入選、「文藝」に掲載。卒業後、博報堂を経て平凡出版に勤務。一九六二年、「関係」で文藝賞佳作。一九六七年、「人間の病気」で芥川賞候補。翌年、専業作家に。一九七七年、『夢かたり』で平林たい子文学賞、一九八一年、『吉野大夫』で谷崎潤一郎賞、一九九〇年、『首塚の上のアドバルーン』で芸術選奨文部大臣賞を受賞。一九八九年、近畿大学文芸学部の設立にあたり教授に就任。一九九三年より同学部長を務めた。一九九九年八月二日、逝去。
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挟み撃ち[デラックス解説版]
¥2,420
SOLD OUT
「内向の世代」を代表する小説家・後藤明生の代表作にして「日本現代文学の傑作」とも評される小説『挾み撃ち』。しかし、「面白い!」と魅了される人々の一方で、「まったく理解できない!」と困惑する読者も少なくない。小説『挾み撃ち』の面白さの根源は何か? 本書では、本作とともに、蓮實重彦、平岡篤頼、奥泉光&いとうせいこう、多岐祐介といった文芸評論の重鎮が、それぞれの視点で『挾み撃ち』を解説。解説だけで約80ページも! 多様な角度からの読解で、この「日本現代文学の傑作」の魅力に迫る。 [出版社より] 著 者|後藤明生 解 説|蓮實重彦、平岡篤頼、奥泉光、いとうせいこう、多岐祐介 出版社|つかだま書房 定 価|2,200円+税 判 型|A5判 頁 数|288 ISBN|978-4-908624-07-0 初 版|2019年7月 Contents 挟み撃ち 後藤明生 解説 【1】多岐祐介:方法の解説 【2】奥泉光・いとうせいこう:文芸漫談『挟み撃ち』を読む 【3】平岡篤頼:行き場のない土着 【4】蓮實重彦:『挟み撃ち』または模倣の創意 Author 後藤 明生 Meisei Goto 1932年4月4日―1999年8月2日。「内向の世代」の作家として知られる後藤明生は、1932年4月4日、朝鮮咸鏡南道永興郡(現在の北朝鮮)に生まれる。13歳で敗戦を迎え、「38度線」を歩いて超えて、福岡県朝倉郡甘木町(現在の朝倉市)に引揚げるが、その間に父と祖母を失う。当時の体験は小説『夢かたり』などに詳しい。 旧制福岡県立朝倉中学校に転入後(48年に学制改革で朝倉高等学校に)、硬式野球に熱中するも、海外文学から戦後日本文学までを濫読し「文学」に目覚める。高校卒業後、東京外国語大学ロシア語科を受験するも不合格。浪人時代は『外套』『鼻』などを耽読し「ゴーゴリ病」に罹った。 53年、早稲田大学第二文学部ロシア文学科に入学。55年、小説「赤と黒の記憶」が第4回・全国学生小説コンクール入選作として「文藝」11月号に掲載。五七年、福岡の兄の家に居候しながら図書館で『ドストエフスキー全集』などを読み漁る。58年、学生時代の先輩の紹介で博報堂に入社。自信作だった「ドストエフスキーではありません。トリスウィスキーです」というコピーは没に。 59年、平凡出版(現在のマガジンハウス)に転職。62年3月、小説「関係」が第1回・文藝賞・中短篇部門佳作として「文藝」復刊号に掲載。67年、小説「人間の病気」が芥川賞候補となり、その後も「S温泉からの報告」「私的生活」「笑い地獄」が同賞の候補となるが、いずれも受賞を逃す。 68年3月、平凡出版を退社し執筆活動に専念。73年に書き下ろした長編小説『挾み撃ち』が柄谷行人や蓮實重彥らに高く評価され注目を集める。89年より近畿大学文芸学部の教授(のちに学部長)として後進の指導にあたる。99年8月2日、肺癌のため逝去。享年67。 小説の実作者でありながら理論家でもあり、「なぜ小説を書くのか? それは小説を読んだからだ」という理念に基づいた、「読むこと」と「書くこと」は千円札の裏表のように表裏一体であるという「千円札文学論」などを提唱。また、ヘビースモーカーかつ酒豪としても知られ、新宿の文壇バー「風花」の最長滞在記録保持者(一説によると48時間以上)ともいわれ、現在も「後藤明生」の名が記されたウイスキーのボトルがキープされている