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知覚の宙吊り——注意、スペクタクル、近代文化
¥3,300
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アテンション・プリーズ! 人間の「注意」はいかに構築され、「散漫」はいかに管理されてきたのか。モダニズム絵画から実験心理学、スペクタクル産業から注意多動性障害まで、社会、産業、科学、芸術にまたがるさまざまな言説と技術を横断し、近代における知覚の条件を問い直す。 [出版社より] 著 者|ジョナサン・クレーリー 監 訳|岡田温司 訳 者|石谷治寛・大木美智子・橋本梓 出版社|平凡社[平凡社ライブラリー] 定 価|3,000円+税 判 型|B6変型判/並製 頁 数|688 ISBN|9784582769869 発 行|2025年04月 Contents 序 第1章 近代性と注意の問題 第2章 1879年――拘束なき視覚 第3章 1888年――脱魔術化のイルミネーション 第4章 1900年――綜合(ジンテーゼ)の再創出 エピローグ 1907年――ローマの魔法 原注 訳者あとがき 平凡社ライブラリー版 訳者あとがき 文献一覧 事項索引 人名索引 Author ジョナサン・クレーリー Jonathan Crary 1951年、アメリカのコネチカット州ニューヘイヴンに生まれる。視覚文化に関する系譜学的な研究で知られ、Zone Booksの創業者のひとりとして長らく編集委員を務める。現在、コロンビア大学教授。 Translator 岡田 温司 Atsushi Okada 1954年生まれ。京都大学大学院博士課程修了。京都大学名誉教授。専門は西洋美術史・思想史。著書に『モランディとその時代』(人文書院、2003、吉田秀和賞受賞)、『フロイトのイタリア―旅・芸術・精神分析』(平凡社、2008、読売文学賞受賞)などがある 石谷 治寛 Haruhiro Ishitani 1977年生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。現在、広島市立大学芸術学部准教授。専門は美学・美術史・視覚文化論 大木 美智子 Michiko Oki 1979年生まれ。ロンドン大学UCL西欧言語文化社会研究科博士課程修了。現在、ロンドン芸術大学セントラル・セント・マーチンズ校専任上級講師。専門は美学・美術史 橋本 梓 Azusa Hashimoto 1978年生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程指導認定退学。現在、国立国際美術館主任研究員。専門は現代美術。展覧会企画に「Viva Video! 久保田成子展」(共同企画、国立国際美術館ほか、2021、倫雅美術奨励賞受賞)などがある
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バンクシー 壁に隠れた男の正体[OUTLET]
¥1,100
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バンクシーの半生を描く待望の評伝。 緻密な取材が人物像を浮き彫りにする世界でも貴重なルポルタージュ。 ー バンクシーをイギリスの新聞記者が追った評伝。 世の中の常識を軽やかにひっくり返す覆面芸術家・バンクシー。 故郷のこと、お金のこと、協力者のことなど、ひとりの少年がどのように匿名のまま世界的なアーティストになっていったのか、その実像に迫る。緻密な取材を元に書かれた、世界でも貴重なルポルタージュの日本語版。 [出版社より] 著 者|ウィル・エルスワース=ジョーンズ 翻 訳| 「バンクシー 壁に隠れた男の正体」翻訳チーム 出版社|PARCO出版 定 価|2,000円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|484 ISBN|978-4-86506-334-9 初 版|2020年6月
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経済の本質——自然から学ぶ
¥1,540
生態学(エコロジー)と経済学(エコノミクス)は、同じ問題を扱う「双子」だ。経済の成長は自然と反目するものでなく、二つは共通の法則に従う。それを自覚することで、人間は自然と調和しつつ経済を営むことができるのだ──。 市民生活から乖離していく都市計画や市場経済へ、批判の対象をひろげてきたジェイコブズ。人間のモラルを二体系にわけ相対する立場をどう調整できるか探った前著『市場の倫理 統治の倫理』から、本書は更に発展して、生物学的な視点を取り入れる。進化論や複雑系理論などの知見を引きつつ、共発展・協力・共生・相互依存など、経済と生態系に共通するメカニズムを探り出す。 解説=平尾昌宏。 [出版社より] 著 者|ジェイン・ジェイコブズ 訳 者|香西泰・植木直子 出版社|筑摩書房[ちくま学芸文庫] 定 価|1,400円+税 判 型|文庫判/並製 頁 数|320 ISBN|978-4-480-51289-5 発 行|2025年02月 Contents まえがき 第1章 なんと、またエコロジストだって 第2章 発展の本質 第3章 拡大の本質 第4章 活力自己再補給の本質 第5章 崩壊を避ける 第6章 適者生存の二重の法則 第7章 予測不可能性 第8章 アームブラスターの約束 エピローグ 文庫版解説 そろそろ本気でジェイコブズを 平尾昌宏 Author ジェイン・ジェイコブズ Jane Jacobs 1916 -2006年。ペンシルベニア州スクラントン生まれ。都市活動家、都市研究家、ジャーナリスト。邦訳されたものに『発展する地域 衰退する地域』『アメリカ大都市の生と死』『市場の倫理 統治の倫理』『壊れゆくアメリカ』がある。 Translator 香西 泰 Yutaka Kosai 1933-2018年。経済企画庁経済研究所総括主任研究官、東京工業大学教授、日本経済研究センター会長、内閣府経済社会総合研究所所長、政府税制調査会会長などを歴任。著書に『高度成長の時代』『日本経済展望』(共著)など、訳書に『市場の倫理 統治の倫理』(ジェイン・ジェイコブズ著)などがある。 植木 直子 Naoko Ueki 明治学院大学英文科卒。日本経済研究センターにて、研究開発部長、総務部総務・広報担当部長などを歴任。
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Y字路はなぜ生まれるのか?
¥2,090
「空間の歴史」を堆積した〈Y字路〉の謎を解く。 日常に残された最後の魔境、Y字路。各界の著名人をも虜にする「分かれ道」のすべてを、国内初の若きY字路専門家が語り尽くす。 散歩者、地理マニアにとって基礎教養とも言えるY字路、その成り立ちを紐解いてみると、町の様相が見えてくる。ひとりで歩いて見るだけではわからないY字路の楽しみ方を全国各地の事例とともに紹介。地形・地図・フィールドワークの探究から明らかになる、Y字路誕生の秘密とは。 [出版社より] 著 者|重永瞬 出版社|晶文社 定 価|1,900円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|208 ISBN|978-4-7949-7445-7 発 行|2024年10月 Contents はじめに 一章 Y字路へのいざない Y字路とは? Y字路鑑賞の3つの視点 路上観察と地形散歩 Y字路趣味の先達 Y字路探しのツール コラム① Y字路が生まれるとき 二章 Y字路のすがた——路上の目 1 Y字路の角には何がある? 2 角はY字路の顔である 看板・広告 ファサード 掲示板 ただの壁 階段 エレベーター 3 角地のオブジェたち 樹木 道標 社・祠 常夜灯 時計 安全用品:道路標識、カーブミラーなど 置き物:植木鉢、いけず石など その他:ポスト、自販機など 4 「余った」からこその空間利用 広場・テラス席 ゴミ置き場 駐輪場・駐車場 花壇・植え込み 空き地 5 角地利用のマトリクス 6 Y字路の角度は何度が理想か? 鈍めのY字路 標準的なY字路 鋭いY字路 鈍角Y字路 7 角壁面の長さ 3メートル以上 1~3メートル 1メートル以下 隅切りなし 8 Y字路の調査票 コラム② Y二郎 三章 Y字路はなぜ生まれるのか ——地図の目 1 Y字路の形成類型 2 街道系Y字路——異なる目的地に向かう道が交わる点にできるY字路 追分型Y字路 参道型Y字路 高速交通型Y字路 3 地形系Y字路——地形の起伏によって生まれるY字路 立体Y字路 両上り/両下り型Y字路 水路型Y字路 4 開発系Y字路——新しい道の開通や路線変更によってできるY字路 新道型Y字路 食い違い型Y字路 貫通型Y字路 5 グリッド系Y字路——格子状街路のゆがみによって生まれるY字路 横断型Y字路 放射型Y字路 境界型Y字路 6 Y字路分類図 コラム③ 古代のY字路遺跡 四章 Y字路が生むストーリー——表象の目 1 選択・迷い・別れ——Y字路の歌 2 時間の空間化――Y字路のマンガ・アニメ 3 Y字路の巨匠、横尾忠則 4 Y字路はフォルムだ 5 Y字路で起こった事件 6 報道されるY字路 コラム④ 「川」字路 五章 Y字路から都市を読む——吉田・渋谷・宮崎 1 京都・吉田――Y字路と碁盤の目 Y字路の街、吉田 碁盤の目の形成 近郊農村としての吉田村 川がつくった土地の傾き 土地区画整理のグリッド 学生街になった吉田の街 Y字路はスキマにできる 2 東京・渋谷――せめぎ合うY字路 Y字路の街、渋谷 渋谷の高低差Y字路 宇田川のY字路 道玄坂と宮益坂 エネルギッシュな三角地帯 Y字路の東急、高低差の西武 渋谷再開発とY字路のゆくえ 3 宮崎――Y字路の破壊と創造 異色の県都、宮崎 県庁の設置 2つのグリッド 「神都」の都市計画 広がるグリッド、消えるY字路 斜めの道と「未成Y字路」 4 Y字路の地誌 コラム⑤ 川のY字路 六章 Y字路とは何か Y字路は分かれ道か 鋭角であること 平地“も”おもしろい! Y字路はなぜ生まれるのか? おわりに 主要参考文献・出典 Author 重永 瞬 Shun Shigenaga 京都府出身。京都大学大学院文学研究科行動文化学専攻地理学専修。まち歩き団体「まいまい京都」でツアーガイドを務める。京都大学地理学研究会第7代会長。著作に『大阪市天王寺区生玉町におけるラブホテル街の形成と変容』(志学社論文叢書)、『統計から読み解く色分け日本地図』(彩図社)など。X:永太郎(@Naga_Kyoto)
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限局性激痛
¥11,000
写真とテキストによる独特の物語世界を構築したフランスを代表する現代アーティスト、ソフィ・カルの痛みと治癒の物語、待望の邦訳。 1999~2000年、2019年に東京・原美術館で展示された「ソフィ・カル―限局性激痛」に未邦訳分を新たに訳出した完全版。ソフィ・カルの希望により、日本語版の造本は布張りのカバーに箔押しのタイトル、赤金のインクで三方を塗り上げた。近現代美術キュレーター・岡部あおみによる日本語版解説を付す。 [出版社より] 著 者|ソフィ・カル 訳 者|青木真紀子・佐野ゆか 出版社|平凡社 定 価|10,000円+税 判 型|B6変形判/上製 頁 数|304 ISBN|9784582839722 発 行|2024年11月 【本書より】 限局性激痛:(医学用語)局所の鋭い痛みのこと。 10月25日に出発したときは、この日が92日のカウントダウンへの始まりになるとは思いもよらなかった。その果てに待っていたのはありふれた別れだったが、とはいえ私にとってそれは、人生で最大の苦しみだった。私はこの滞在のせいにした。 フランスに帰国した1985年1月28日、厄払いのために、滞在中の出来事よりも私の苦しみを語ることにした。そのかわりに、話し相手になってくれた友人や偶然出会った人たちにこう尋ねた。 「あなたがいちばんつらかったのはいつですか?」 このやりとりは、自分自身の話をさんざん人に話して聞かせて、もう語りつくしたと感じるか、他の人たちの苦しみと向き合って、自分の痛みが相対化されるまで、続けることにした。この方法には、根治させる力があった。 Author ソフィ・カル Sophie Calle 1953年、フランス・パリ生まれ。大学を中退して世界各地を旅した後パリに戻り作家活動に入る。テキストと写真、時にはオブジェや映像を組み合わせた独自のインスタレーション作品を発表し、1999~2000年に本書と同名の「限局性激痛」展を東京・原美術館で行う。著書にBlind(Actes Sud)、The Address Book(Siglio Press)、Double Game(Violette Editions)、邦訳に『本当の話』(平凡社)、『なぜなら』(青幻舎)がある。2024年高松宮殿下記念世界文化賞絵画部門を受賞。
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なぜなら/ソフィ・カル作品集
¥9,900
SOLD OUT
世界中から注目されるフランスの女性現代アーティスト、ソフィ・カル『なぜなら』日本語版、ついに登場。 なぜなら、赤ちゃんにほれぼれと見とれる 通りすがりの人に、その母親が 「だけどこの子の写真、見てませんよね!」と叫んだ、 あのストーリーを読んだから 2018年にソフィ・カルが作品シリーズ『Parce que』(なぜなら)を発表した際、フランス語と英語で書籍『Parce que』『Because』が刊行された。ギャラリーで展示された作品は、「なぜなら」から始まるテキストが刺繍された布がフレームを覆い、鑑賞者はテキストを読んだ後で布をめくり、そこにある写真と向き合うことで、言葉から受けたそれぞれのイメージを写真と重ね合わせるというもの。 書籍では、作品と同様にまず言葉を読み、その後で自ら写真を取り出すことでイメージを探るという構成を“本”という形で表現。ソフィ・カルの作品を本の形で追体験する実験的な作品集。 ソフィ・カル本人の希望により、初となる日本語版を刊行。仏英新版と同内容、新作6作を収録。近現代美術キュレータ岡部あおみの監修により、ソフィ・カルの作品世界を美しい日本語で示した。 [出版社より] 著 者|ソフィ・カル 翻訳監修|岡部あおみ 訳 者|ヤナガワ智予 出版社|青幻舎 定 価|9,000円+税 判 型|B5変形判/上製・布貼 頁 数|128 ISBN|978-4-86152-964-1 発 行|2025年01月 Author ソフィ・カル Sophie Calle 1953年、フランス生まれ。極めて日常的かつ私的な営みをベースに、写真や言葉を通じた物語性の高い作品を制作するコンセプチュアル・アーティスト。1980年代より現代美術作家として活動。日本国内では、2013年~2016年に原美術館・豊田市美術館・長崎県立美術館で巡回展、2019年には原美術館で個展を開催。2024年11月下旬より、三菱一号館美術館再開館記念として『「不在」―トゥールーズ=ロートレックとソフィ・カル』展を開催。2024年高松宮殿下記念世界文化賞 絵画部門を受賞。
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不在/ソフィ・カル作品集
¥4,950
フランスの現代アーティスト、ソフィ・カル、「不在」を見つめた日本初の作品集。 画家オディロン・ルドンの壁画『グラン・ブーケ』(三菱一号館美術館所蔵)に着想を得てソフィ・カルが製作した《グラン・ブーケ》(2020年)をはじめ、テキストと写真の作品群『なぜなら』、盗難された絵画の額縁を見つめる人々が語る『あなたには何が見えますか』、ピカソ作品の不在を示す『監禁されたピカソ』、映像作品《海を見る》など、ソフィ・カルの名作と代表作を収録した日本初の作品集。 作品の一部ともいえるフランス語テキストを日本語に翻訳し、巻末に収録。作家の世界観を美しい装丁でも表現した、世界的現代アーティスト、ソフィ・カルへの理解が深まる一冊。2024年11月23日〜2025年1月26日 三菱一号館美術館で開催の『「不在」―トゥールーズ=ロートレックとソフィ・カル』展公式図録兼書籍として刊行。 [出版社より] 著 者|ソフィ・カル 翻訳監修|岡部あおみ 出版社|青幻舎 定 価|4,500円+税 判 型|A4変形判/並製 頁 数|128 ISBN|978-4-86152-977-1 発 行|2024年11月 Author ソフィ・カル Sophie Calle 1953年、フランス生まれ。極めて日常的かつ私的な営みをベースに、写真や言葉を通じた物語性の高い作品を制作するコンセプチュアル・アーティスト。1980年代より現代美術作家として活動。日本国内では、2013年~2016年に原美術館・豊田市美術館・長崎県立美術館で巡回展、2019年には原美術館で個展を開催。2024年11月下旬より、三菱一号館美術館再開館記念として『「不在」―トゥールーズ=ロートレックとソフィ・カル』展を開催。2024年高松宮殿下記念世界文化賞 絵画部門を受賞。
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機械状エロス 日本へのまなざし
¥3,740
日本に深く魅了され、じつに8度来日したフェリックス・ガタリ。現代日本の芸術家たちとの出会いと対話は、その思想に何をもたらしたのか――。ガタリの日本をめぐるテクストを精選・読解。 日本に深く魅了された稀代の思想家による日本社会のスキゾ分析。誰も気づかなかった日本がここにある。 田中泯、田原桂一、今井俊満、高松伸、草間彌生……。日本の芸術家たちとの出会いと対話は、何をもたらしたのか? 田原桂一『顔貌』よりガタリの肖像写真を掲載。粉川哲夫の導入的インタビュー、欧米の代表的ガタリ研究者による秀逸な解説も。 [出版社より] 著 者|フェリックス・ガタリ 編 者|ギャリー・ジェノスコ、ジェイ・ヘトリック 訳 者|杉村昌昭、村澤真保呂 出版社|河出書房新社 定 価|3,400円+税 判 型|四六判/上製 頁 数|242 ISBN|978-4-309-20912-8 発 行|2024年12月 Contents Ⅰ フェリックス・ガタリの日本論 誇らしげな東京 粉川哲夫によるインタビュー──〈トランスローカル〉をめぐって 舞踏 田中泯との対話──身体の動的編成をめぐって 田原桂一の顔貌機械 田原桂一の〈未視感〉 〈カオスモーズ〉の画家、今井俊満 草間彌生の〈豊かな情動〉 高松伸の〈建築機械〉 高松伸との対話──特異化とスタイル エコゾフィーの実践と主体的都市の復興 Ⅱ ガタリにとって日本とは何か 情動的転移と日本の現代アート(ギャリー・ジェノスコ) 批判的ノマディズム?──日本におけるフェリックス・ガタリ(ジェイ・ヘトリック) 訳者解説 ガタリの「日本論」について(杉村昌昭) 編者の二論文について(村澤真保呂) Author フェリックス・ガタリ Pierre-Félix Guattari 1930-1992年。哲学者・精神分析家。ドゥルーズとともに『アンチ・オイディプス』『千のプラトー』『哲学とは何か』などの歴史的名著を遺す。単著も『分子革命』『三つのエコロジー』など多数。 Translator 杉村 昌昭 Masaaki Sugimura 1945年生まれ。龍谷大学名誉教授。フランス現代思想専攻。 村澤 真保呂 Mahoro Murasawa 1968年生まれ。龍谷大学社会学部教授。
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エッシャー完全解読——なぜ不可能が可能に見えるのか
¥2,970
エッシャーの代表作である《物見の塔》《滝》《上昇と下降》などのだまし絵。これらの作品は、一見しただけではそこに錯視図形があるとわからないほど自然に見える。しかし、少しの間をおいて「これはありえない立体だ」と気付いた瞬間、鑑賞者に大きな驚きをもたらす。 この劇的な鑑賞体験はどのようにして作られたのか。エッシャーはまず、絵のあちこちに鑑賞者を誘導するトリックを仕掛け、さらにそれらを手品師さながらに覆い隠していった。そしてトリックの存在を生涯隠し通し、決して語らなかったのだ。 本書は100点を超える図版でだまし絵の制作過程を分解し、エッシャーがかつて5つの作品に仕掛けた視覚のトリックを明らかにしている。エッシャーが制作中に何に悩み、何を大切にしていたかにまで踏み込んでいく。謎解きの楽しさに満ちた1冊。 著者からの7つのヒント ・《物見の塔》 なぜ、1階に囚人がいるのか? ・《物見の塔》 なぜ、一部の屋根だけが高いのか? ・《描く手》 中央の斜めの影は何のためにある? ・《上昇と下降》 階段の周りの屋根や塔の役割は何か? ・《画廊》 中央の空白は何を隠している? ・《滝》 滝壺の位置に何の意味があるのか? ・作中の人物のほとんどが、だまし絵のトリックに加担している [出版社より] 著 者|近藤滋 解 説|趙慶喜 出版社|みすず書房 定 価|2,700円+税 判 型|四六判/上製 頁 数|208 ISBN|978-4-622-09731-0 初 版|2024年12月 Contents 第1章 見過ごされていたトリック 第2章 《物見の塔》――演技する人々 第3章 《描く手》――できるはずのない影 第4章 消えた風景画 第5章 《上昇と下降》――見えない継ぎ目 第6章 《画廊》――異世界のつなぎ方 第7章 遠近法の弱点 第8章 《滝》――遠近法の限界を超える あとがき 画像出典 参考文献 Author 近藤 滋 Shigeru Kondo 1959年生まれ。1988年、京都大学医学研究科博士課程修了。大阪大学大学院生命機能研究科教授をへて、2024年から国立遺伝学研究所所長。専門は発生学、理論生物学。生物の縞模様が、分子の反応が作る「波」であるというアラン・チューリングの予測を実証した。著書に『波紋と螺旋とフィボナッチ』(学研メディカル秀潤社、2013)、『いきもののカタチ』(学研プラス、2021)がある。
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神戸——戦災と震災
¥1,320
震災から30年、空襲から80年。 危機からの復興を軸に、明治期から現代までを描く。貴重な図版を多数収録した、都市史の決定版。 1868年の神戸港開港後、1889年の市制施行で「神戸市」が成立する。以降、神戸というまちは、1938年の阪神大水害、1945年の神戸大空襲、1995年の阪神・淡路大震災と、災害や戦争の影響を大きく受けながら発展していく。本書は、こうした危機からの復興を軸に、明治期から現代までの都市史を描く。貴重な図版を多数収録した、神戸都市史の決定版である。 [出版社より] 著 者|村上しほり 出版社|筑摩書房[ちくま新書] 定 価|1,200円+税 判 型|新書判 頁 数|376 ISBN|978-4-480-07661-8 発 行|2024年12月 Contents はじめに 神戸というまちの魅力 第1部 近代 第1章 開港による都市形成 1 兵庫県の成り立ちと旧五国 旧五国と神戸(摂津) 2 神戸開港の前史――兵庫津のはじまり 近世の兵庫津 3 近世から近代へ――神戸港の開港 神戸港の誕生 4 開港に伴う都市形成 神戸外国人居留地の造成/神戸外国人居留地計画図/居留地の下水道布設とコレラの流行/雑居地の形成 5 神戸市域の成立と拡張 第2章 近代都市計画と水害の克服 1 地形とのつきあい方――河川改修の必要性 生田川の付け替えとフラワーロード/湊川の付け替えと新開地本通り 2 近代都市計画事業によるまちづくり・みちづくり 旧都市計画法による神戸の都市計画/神戸における鉄道敷設と街路事業/土地区画整理事業のはじまり 3 阪神大水害による被害と復興 阪神大水害と河川流域の被害/阪神大水害からの復旧・復興/湊川流域の氾濫と痕跡/戦後の水害と都市小河川改修事業の創設 第2部 1945~1995 第3章 戦時下神戸の市民生活と被災 1 防空啓発と市民の防空活動 開戦と言論統制下の地方紙/『神戸市公報』から『神戸市民時報』へ/『神戸市民時報』にみる防空のプロパガンダ 2 配給の滞りと食糧増産・農園化奨励 『神戸市民時報』にみる空閑地利用菜園/公有地の無断使用への注意/戦時下の戦災跡地利用と土地所有者の「協力」/戦後も続いた戦災跡地農園の終わり 3 戦争末期の都市疎開と神戸大空襲 都市疎開のはじまり/神戸市内の建物疎開事業/神戸大空襲の被害状況 第4章 闇市の発生と展開 1 走り出したそれぞれの「復興」 戦後の住宅難と都会地転入抑制/戦時下・戦後の移動と帰れない人びと/不作と配給統制の混迷による闇取引の発生 2 焼け跡の神戸に生まれた闇市 神戸の闇市と戦前三宮の場所性/大闇市「三宮自由市場」の生成と変容/神戸の闇市における経験 3 闇市からマーケット、商店街へ 中心市街地に定着した新興商業集積/拠りどころとしての戦時下の経験/鉄道高架下の商店街と料飲規制/元町高架通商店街の存続と業種 第5章 占領による場所性の喪失と発生 1 広域な連合国軍の駐留 占領のはじまりと神戸ベースの位置づけ/接収された土地・建物/〝KOBE〟の圏域と行政区域とのずれ 2 「接収」による生活環境の収奪 二つのキャンプの設置と経緯/キャンプ地返還と接収解除地整備事業/「接収」による場所性の変化と記録のつなぎ方/「進駐軍」と市民生活 3 旧神戸経済大学の接収と「六甲ハイツ」 占領軍家族住宅「六甲ハイツ」の立地選定/六甲ハイツの施設配置と建築の特徴/六甲ハイツの接収解除と神戸大学の統合 第6章 終わらない戦災復興事業 1 神戸市における復興構想と都市計画 描かれた都市空間の理想と現実/神戸市戦災復興基本計画の策定過程/戦災復興事業の見直しによる縮小/神戸市の戦災復興施策の特徴 2 戦災復興事業から都市改造事業へ 神戸国際港都建設法ができるまで/戦災復興事業の収束と土地区画整理の展開 第7章 伸びゆく神戸市の都市整備 1 都市改造事業の生みだした風景 戦災復興から都市改造へ/戦後神戸の都心形成/不燃防災建築物の建設促進/街路整備から「花と緑と彫刻」へ 2 「山、海へ行く」の都市開発 神戸港の築港から海面埋立てへ/山麓開発による団地造成/海上文化都市の誕生と「ポートピア´81」 第3部 1995~2025 第8章 阪神・淡路大震災と「復興」 1 震災の被害と復興 阪神・淡路大震災の被害/応急仮設住宅の設置/人びとの暮らしと復興 2 震災前後の連続/断絶 震災前の都市再開発/インナーシティエリアと震災/引き継がれた都市整備/震災復興再開発事業による復興 3 震災の記憶・記録 震災の記憶を伝える活動/触れづらい経験と時の経過/公共空間に託された出来事の記念/記録の役割と高まる存在感 第9章 新たな「神戸」へ 1 まちの更新と魅力向上 都心・三宮の再整備/暮らしの場を刷新し、守る 2 自然とともにある人間らしいまち 震災20年と「BE KOBE」/ニュータウンの再整備/海、山とともに生きる 3 「神戸」の記録をつなぐ取り組み 神戸市の収集する「資料」/後世に残すべき公文書の整理・保存/神戸市文書館から歴史公文書館へ おわりに 「神戸」を語るのは誰か 参考文献 図版出典 年表 索引 Author 村上 しほり Shihori Murakami 1987年生まれ、神戸育ち。神戸市役所職員(公文書専門職)。大阪公立大学特任准教授。2014年、神戸大学大学院人間発達環境学研究科修了、博士(学術)。専門は都市史・建築史。著書の『神戸 闇市からの復興』(慶應義塾大学出版会、2018)は日本都市計画学会、日本観光研究学会、日本建築学会で各賞を受賞。共著に『占領下日本の地方都市』(思文閣出版、2021)、『神戸スタディーズ#6 “KOBE”を語る』(デザイン・クリエイティブセンター神戸、2018)など。
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イラストで見るUFOの歴史
¥1,980
空に浮かぶ奇妙な光、畑に現れた謎のサークル……。未確認飛行物体やオーパーツ(場違いな人工物)は、何十年間にも渡って人々の関心を集め、時に世の中を熱狂や混乱の渦に巻き込んできました。 本書は、世界各地に残るUFO目撃談やエイリアンとの遭遇事件、エイリアンが登場する創作物などをイラストで紹介。UFO史の入門書として最適の1冊です。 「空飛ぶ円盤」や「エイリアン」のビジュアルの共通認識は、どこから始まったのか。エイリアン支持者と科学者、そして陰謀論者たちのあくなき戦い。各地で発生したアブダクション(エイリアンによる誘拐事件)、その顛末とは……。 英国人著者によるクールかつ軽快な語り口と、シンプルながら味わい深いイラストで、UFOを取り巻く世界の動向を図解します。 [出版社より] 原 書|An Illustrated History of UFOs 著 者|アダム・オールサッチ・ボードマン[絵と文] 訳 者|ナカイサヤカ 出版社|マール社 定 価|1,800円+税 判 型|A5変型判/並製 頁 数|128 ISBN|978-4-8373-6900-4 発 行|2022年06月 Contents はじめに UFO以前 古代の宇宙飛行士 謎の訪問者 宇宙から来た心霊 謎の飛行船 フー・ファイター 宇宙戦争 1940年代 サイエンスフィクションへの熱狂 空飛ぶ円盤 円盤が攻めてきた! ロズウェル事件 メン・イン・ブラック 政府の関与が始まる バミューダトライアングル 1950年代 コンタクティーの登場 映画の中の空飛ぶ円盤 太平洋のUFO 英国の空飛ぶ円盤専門調査委員会 ジャイアント・ロック宇宙船コンベンション スペースインベーダー 最初のアブダクティー 1960年代 ヒル夫妻誘拐事件 確認済み飛行物体 民間UFO研究団体 次元を越えて 軍の作戦行動 ケックスバーグ事件 アンドレアソン事件 1970年代 UFOカルト 薄気味悪い森 接近遭遇 トラヴィス・ウォルトン事件 ビッグフットはエイリアンなのか? ペトロザヴォーツク事件 ミステリーサークル 1980年代 カメラが捉えたUFO レンドルシャムの森事件 ホイットリー・ストリーバー ヘスダーレンの怪光 深い水の中に エリア51 1990年代 ダルシー基地 エイリアン・アジェンダ テレビのUFO アリエル学校事件 宇宙人解剖フィルム フェニックス・ライト 21世紀 政府の情報公開 米国国防省の円盤研究 SETI 現代のUFO研究 UFOに関わる人々 グロサリー(用語集) もっと詳しく知りたい人向けの参考文献 索引 Author アダム・オールサッチ・ボードマン Adam Allsuch Boardman イギリス、リーズを拠点に、イラストレーター、アニメーター、ライターとして活動する。細部への興味に突き動かされ、規則的な線とはっきりとした色遣いで物のディテールを描くのを得意とする。著書に、『イラストでわかる映画の歴史 いちばんやさしい映画教室』(フィルムアート社)(原題『An Illustrated History of Filmmaking』)がある。また、イギリス国立メディア博物館などイギリスの博物館でも数多く彼のイラストが使われている。アップル、デロイト、ジェットスターなど企業との仕事も多く、ダイレクトで分かりやすく情報を伝えるために、遊び心に溢れた作品を提供している。 Translator ナカイ サヤカ 翻訳家、ライター。ASIOS(超常現象の懐疑的調査のための会)運営委員。絵本翻訳者として出版翻訳をスタート。主な訳書に『探し絵ツアー』シリーズ(文溪堂)、『代替医療の光と闇』、『反ワクチン運動の真実』、『さらば健康食神話』(地人書館)。共著『科学リテラシーを磨くための7つの話』(あけび書房)。『超能力事件クロニクル』(彩図社)など、ASIOS名義の本にもライターとして参加している。
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イラストで見るゴーストの歴史
¥1,980
SOLD OUT
夜中に聞こえる「ごとん」という音、床のきしみ、そしてただならぬ部屋の冷たさ……。幽霊は、世界各地に伝説や心霊スポットを生み出してきました。また映画や小説、ゲームといった創作物の題材としても、多く取り上げられています。 本書は、そんな幽霊たちの歴史とそれに関連した文化をイラストで解説。私たちを惹きつけてやまない、幽霊の「恐ろしい」魅力が詰まった、ホラー文化の入門書としておすすめの一冊です。 死後の世界、歴史に残る怪奇事件、有名な心霊スポット、幽霊信仰によるイカサマとそれを暴こうとする懐疑主義者たち……。 最古の心霊現象や、現代ならではのデジタルな幽霊なども紹介。味わい深いポップなイラストと著者の軽快な語り口とともに、幽霊の世界に一歩足を踏み入れてみませんか? [出版社より] 原 書|An Illustrated History of Ghosts 著 者|アダム・オールサッチ・ボードマン[絵と文] 訳 者|ナカイサヤカ 出版社|マール社 定 価|1,800円+税 判 型|A5変型判/並製 頁 数|128 ISBN|978-4-8373-6901-1 発 行|2023年06月 Contents はじめに 幽霊とは何か? ホーンティングとは何か? 懐疑的調査 近代以前 死後の世界 ハントゥ ダピー 幽霊の訪問 季節のお祝い 歴史に残るホーンティング 魔物 霊との交信 怪しい古城 護符 コック・レーンの幽霊 19世紀 心霊主義 降霊術 日本の幽霊 北アメリカの幽霊伝説 霊応盤 人里離れた怪しい場所 心霊写真 クラブと協会 超常現象を表現した建築 20世紀 インチキを暴く 想念形態 幽霊が出る廃墟 ゴーストハンター 心霊調査の道具 戦争と幽霊 最恐の心霊スポット リミナル・スペース お化けアトラクション タイムスリップ ドッペルゲンガー 20世紀中頃 乗り物の亡霊 不気味な人形たち 異次元 不快な渦 幻の動物 幽霊の出る病院と学校 メディアの中の幽霊 ポストモダン期 ハイゲイト墓地 取り憑かれた物 ゴーストタウン ホワイト・レディ アミティヴィルの幽霊屋敷 幽霊写真 悪魔パニック メディアに登場するゴーストハンター 21世紀 ゴーストハンティング テレビ番組 現代のホーンティング 幽霊が出るホテル インターネット幽霊 消えない伝説 世界の幽霊たち 現代の幽霊 幽霊伝説に関わる人々 グロサリー(用語集) もっと詳しく知りたい人向けの参考文献 もっと詳しく知りたい人向けの映像作品 索引 Author アダム・オールサッチ・ボードマン Adam Allsuch Boardman イギリス、リーズを拠点に、イラストレーター、アニメーター、ライターとして活動する。細部への興味に突き動かされ、規則的な線とはっきりとした色遣いで物のディテールを描くのを得意とする。著書に、『イラストでわかる映画の歴史 いちばんやさしい映画教室』(フィルムアート社)(原題『An Illustrated History of Filmmaking』)がある。また、イギリス国立メディア博物館などイギリスの博物館でも数多く彼のイラストが使われている。アップル、デロイト、ジェットスターなど企業との仕事も多く、ダイレクトで分かりやすく情報を伝えるために、遊び心に溢れた作品を提供している。 Translator ナカイ サヤカ 翻訳家、ライター。ASIOS(超常現象の懐疑的調査のための会)運営委員。絵本翻訳者として出版翻訳をスタート。主な訳書に『探し絵ツアー』シリーズ(文溪堂)、『代替医療の光と闇』、『反ワクチン運動の真実』、『さらば健康食神話』(地人書館)。共著『科学リテラシーを磨くための7つの話』(あけび書房)。『超能力事件クロニクル』(彩図社)など、ASIOS名義の本にもライターとして参加している。
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見るということ
¥1,540
SOLD OUT
すべての芸術は生の文脈とのかかわりを持つ——。 写真が発明されて以来、人間はさらに多くの膨大なイメージに取り囲まれてきた。そこでは、「見る」という行為が人間にとって不可避な事態として浮かび上がってくる。それは自らの生の経験の蓄積を、歴史・社会・文化と構造的に対峙させることでもあった。 ザンダー、ベーコン、マグリットらの作品を通して「見るということ」の地平から、人間の本性と文明にまで肉迫する。強い影響力を持つ新たな美術批評の形を模索していった著者による、写真を学ぶ人、美術を語る人、必携の美術評論集。 [出版社より] 著 者|ジョン・バージャー 監 修|飯沢耕太郎 訳 者|笠原美智子 出版社|筑摩書房[ちくま学芸文庫] 定 価|1,400円+税 判 型|文庫判/並製 頁 数|288 ISBN|978-4-480-08930-4 発 行|2005年08月 Contents なぜ動物を観るのか? なぜ動物を観るのか? ―—ジル・エローに捧ぐ 写真を使う スーツと写真 苦悩の写真 ポール・ストランド ほか 生きられた瞬間 素朴派と専門家 ミレーと農夫 シーカー・アーメットと森 ほか Author ジョン・バージャー John Berger 1926年、ロンドン生まれ。美術批評家、脚本家、小説家、ドキュメンタリー作家。美術教師などを経て著述業に入る。著書に『見るということ』(ちくま学芸文庫)『革命と芸術』『ピカソ/その成功と失敗』などの評論の他、多数の小説・脚本がある。
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図説 写真小史
¥1,320
芸術から「いま―ここ」という一回性の「アウラ」が消滅する複製技術の時代にあって、写真はどのような可能性をはらみ、どのような使命を課せられなければならなかったのか? 写真史を考えるとき、だれもが必ず引用する基本文献―ヴァルター・ベンヤミンの「写真小史」。初期写真から1930年代の作品までを通観したこの傑作エッセイに、そこで言及されているブロースフェルト、アジェ、ザンダーらの写真多数と、関連論文を加えて再編集。20世紀最高の批評家による写真論が目で見てわかる実証的な一冊。 [出版社より] 著 者|ヴァルター・ベンヤミン 訳 者|久保哲司 出版社|筑摩書房[ちくま学芸文庫] 定 価|1,200円+税 判 型|文庫判 頁 数|288 ISBN|978-4-480-08419-4 初 版|1998年04月 Contents 写真小史(ヴァルター・ベンヤミン) カール・ブロースフェルト『芸術の原形』への序(カール・ニーレンドルフ) ウジェーヌ・アジェ『写真集』への序(カミーユ・レヒト) 顔、映像、それらの真実について(アルフレート・デーブリーン) Author ヴァルター・ベンヤミン Walter Benjamin 1892(Berlin)~1940年(PortBou)。20世紀ドイツの最も異彩を放つ思想家・批評家。きわめて緻密で繊細な文体をもつ卓越した文章家。青年運動の只中で思想形成期を迎え、ユダヤ神秘主義、観念論的弁証法、マルクス主義的歴史哲学等の影響を受ける。激動の時代状況とアクチュアルにまたラディカルに切り結びながら、同時に近代もしくはモデルネの原史(Urgeschichte)を見据え続けた。亡命行の途上でみずから命を絶った。
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イメージ——視覚とメディア
¥1,540
イメージが氾濫する時代において、「ものを見る」とはどのような意味をもつのだろうか。今日もなお視覚論の中核でありつづけるこのテーマに、様々な角度から新たな問題提起をしたのが本書である。 メディアとしての油彩画のありよう、裸体の持つ意味と“富=所有”の関係、美術館の成立経緯、古典的絵画から現代のコマーシャル・フォトへとつながる系譜とは?美術史上の名画や巷に流布する広告など、多種多様なイメージ群を提示しつつ、それらを等価に論じ、「見ること」そのものの再検討を迫ったロングセラー。 [出版社より] 著 者|ジョン・バージャー 訳 者|伊藤俊治 出版社|筑摩書房[ちくま学芸文庫] 定 価|1,400円+税 判 型|文庫判/並製 頁 数|320 ISBN|978-4-480-09503-9 発 行|2013年01月 Contents 1 イメージの変容 2 社会空間になったイメージ 3 「見ること」と「見られること」 4 見られる女たち 取り囲む女たち 5 所有するタブロー 6 「見ること」のなかの「所有すること」 7 広告の宇宙 見ることのトポロジー(伊藤俊治) Author ジョン・バージャー John Berger 1926年、ロンドン生まれ。美術批評家、脚本家、小説家、ドキュメンタリー作家。美術教師などを経て著述業に入る。著書に『見るということ』(ちくま学芸文庫)『革命と芸術』『ピカソ/その成功と失敗』などの評論の他、多数の小説・脚本がある。 Translator 伊藤 俊治 Toshiharu Ito 1953年生まれ。美術史家/美術評論家。現在、東京藝術大学美術学部先端芸術表現科教授。著書に『ジオラマ論』『20世紀写真史』など多数ある。
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柚木沙耶郎 Tomorrow
¥1,100
SOLD OUT
染色家・柚木沙弥郎とイデー・大島忠智。二人の「草の根運動」のこれまでと明日。 工芸とアートを横断する独自の作品で知られる染色家・柚木沙弥郎と、インテリアブランド「イデー」でディレクターを務める大島忠智。二人は2012年に出会い意気投合し、足掛け10年の間、物やアートを通して暮らしをよくしようと考えてきました。柚木の型染め作品をインテリアとあわせて展示したり、パリの工房でリトグラフを制作したり、デイリークロスやトートバッグなど手に取りやすいプロダクツを開発したり。柚木作品を通じて豊かな暮らしを提案することを二人は「草の根運動」と呼び、活動の幅を広げています。 本書は、柚木と大島がこれまで見出し、これから目指すものを、ライターの森本俊司が取材しまとめたものです。アートと暮らしのよりよい関係を、二人の実践から共に考えてみる一冊です。 [出版社より] 著 者|柚木沙弥郎・大島忠智 取材・文|森本俊司 出版社|ブルーシープ 定 価|1,000円+税 判 型|A6変形判・並製 頁 数|144 ISBN|978-4-908356-32-2 発 行|2022年02月 Author 柚木 沙弥郎 Samiro Yunoki 染色家・アーティスト。1922年、東京都生まれ。 1942年、東京帝国大学文学部美学・美術史科に入学。1946年、岡山県の大原美術館に勤め、柳宗悦の「民藝」に出会い、芹沢銈介に師事し染色家に。染色のほか、版画、人形、絵本などさまざまな作品を制作・発表。国内の公立美術館の他、フランス国立ギメ東洋美術館でも展覧会を開催。 大島 忠智 Tadatomo Oshima 1998年イデー入社。カフェマネージャー、広報担当を経て、2011年よりバイヤーとして国内外で家具や雑貨の買い付けを行う。ウェブマガジン「LIFECYCLING interview&photo」の企画運営、音楽レーベル「IDÉE Records」を主宰。現在はイデーーのディレクターとして、イデーのブランドディレクションも手がけている。
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ヨコとタテの建築論——モダン・ヒューマンとしての私たちと建築をめぐる10講
¥2,970
いま建築を考える上での基本を、講義形式でわかりやすく語る入門書。より広く、発展的に学ぶための分野横断的な文献案内も充実。初学者から大学院生、他分野の読者まで幅広い層に開かれたオリジナルな建築論。 「建築家は家屋の海原の中に聖堂をつくる。ヨコの広がりの内に、タテの力が働く場をつくり出そうとするのです」──本書より 当たり前をじっくり考え直すこと、学び直すこと。私たち=現生人類の本性に立ち返り、建築の思考をいきいきと語る。相似の海としての「建物」の広がりから、「建築」はいかに世界と未来の幻視を立ち上げるか───。東京藝術大学大学院での講義から生まれた出色の入門書。 [出版社より] 著 者|青井哲人 出版社|慶應義塾大学出版会 定 価|2,700円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|304 ISBN|978-4-7664-2860-5 発 行|2023年01月 Contents 第1部 ヨコとタテ──ヒトは世界を組み上げる(モダン・ヒューマン論) ●第1講 互換と累進──モダン・ヒューマン、その力のぎこちなさ 1 アナロジーの曲芸/2 自他に橋を架ける/3 不気味な累進性/4 互換性の思想/5 ぎこちなく世界へ/ ●第2講 形態と内容──地上の幻 1 生き続けるデコル論/2 相似と類似、イメージとコトバ/3 むしろ「ふさわしい」こと/4 幻視絵画の窓/5 そこは相似の海だった ●第3講 相対と絶対──数と幾何学の魔法 1 逆立ちが起きる/2 「1」はのぞく、なぜなら……/3 拘束と自由/4 数の相対性と絶対性 第2部 ヨコにひろがる沃野──ありふれて、美しい(ビルト・ティシュー論) ●第4講 類型と組織──都市という織物の単位と積層 1 都市組織論と建物類型論/2 類型は少ないほどよい/3 モダン・ヒューマンの都市の建物/4 組織とは何か/5 都市の記憶/6 都市的事物 ●第5講 自然と人工──なること/つくることは不思議な関係 1 構法の類型学/2 工作から組織へ/3 進化のエージェント/4 自然と人工 ●第6講 平衡と進化──わたしたちは想念のなかで都市建築を分解する 1 かたい / やわらかい/2 あり方と動き方/3 平衡と進化/4 分解の宇宙/5 時間のカタチ 第3部 タテはいかに可能か──バラバラな世界に(アーキテクト論) ●第7講 饒舌と沈黙──喧騒のなかのサイレンス 1 19世紀ジャングル──社会の誕生/2 異形の都市と想像の共同体/3 内容のインフレーション/4 ポチョムキン都市/5 亡霊都市/6 バラバラゆえに ●第8講 過去と未来──世界が壊れ、組み変わっていくとき 1 前講のおさらい/2 過去の終わり/3 過去から未来を見通す──大理論の時代/4 未来の幻視──人間身体そのものの更新/5 伝統からの反転/6 伝統の創造/7 やっぱり世界はバラバラ ●第9講 単純と複雑──多元的な世界をそのままに 1 Bでもあり、13でもあり──アンビギュイティ/2 透明性―見えないものを見せる知覚の働き/3 ブリコラージュ/4 詩的言語/5 コーリン・ロウによるガルシュ/6 都市へ、社会へ 結語 ●第10講 能動と受動──むすびにかえて 1 海に潜るように/2 能動と受動だけではない/3 スピノザの外態と内態/4 都市・建築のリアリズム再論/5 創作行為と内態(中動態)/6 第1の社会性──巻き込みと成長/7 第2の社会性──開かれと堆積/8 第3の社会性──虚構すなわち幻視を ●抜き書きノート Author 青井 哲人 Akihito Aoi 明治大学理工学部建築学科教授、建築史・建築論 1970年生まれ。1995年京都大学大学院工学研究科建築学専攻博士課程中退。神戸芸術工科大学助手、人間環境大学准教授を経て、2008年明治大学理工学部建築学科准教授、2017年同教授。博士(工学)。主著に『彰化一九〇六年──市区改正が都市を動かす』(アセテート)、『植民地神社と帝国日本』(吉川弘文館)、『世界建築史15講』(共著、彰国社)『津波のあいだ、生きられた村』(共著、鹿島出版会)、『日本都市史・建築史事典』(共著、丸善)など。
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戦後空間史——都市・建築・人間
¥1,980
冷戦、高度経済成長、持家社会、革新自治体、バブル経済、アジア戦後賠償、農地の宅地化、東日本大震災……。終戦から二一世紀の現在まで、戦後の日本の都市・近郊空間はさまざまな出来事を経験し、大きく変容してきた。本書では、その戦後のあゆみを建築や都市の研究者が、社会や世界情勢、歴史的事件を含めて多角的に検討する。変質しながらも生き続ける戦後を思考する画期的試み。 [出版社より] 編 者|戦後空間研究会 出版社|筑摩書房[筑摩選書] 定 価|1,800円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|320 ISBN|978-4-480-01769-7 初 版|2023年03月 Contents 第1章 民衆・伝統・運動体―冷戦と復興、文学と建築、リアリズムとモダニズム 第2章 技術・政策・産業化―一九六〇年代、住宅の現実と可能性 第3章 革新・市民・広場―人間性の回復を目指した革新都市づくりのレガシー 第4章 バブル・震災・オウム真理教―二〇世紀末、流動する戦後空間と建築 第5章 賠償・援助・振興―戦後アジアにおける日本建築の広がり、およびそれを後押ししたもの 第6章 都心・農地・経済―土地にみる戦後空間の果て 終章 引き裂かれる戦後空間 Editor 戦後空間研究会 青井哲人 明治大学教授。著書に『植民地神社と帝国日本』(吉川弘文館)など。/市川紘司 東北大学助教。著書に『天安門広場』(筑摩書房)など。/内田祥士 東洋大学教授。建築家。著書に『営繕論』(NTT出版)など。/中島直人 東京大学准教授。著書に『アーバニスト』(ちくま新書)など。/中谷礼仁 早稲田大学教授。著書に『動く大地、住まいのかたち』(岩波書店)など。/日埜直彦 建築家。著書に『日本近現代建築の歴史』(講談社選書メチエ)など。/松田法子 京都府立大学准教授。著書に『絵はがきの別府』(左右社)など。
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空間〈機能から様相へ〉
¥1,672
SOLD OUT
現代世界を支配してきた機能的な均質空間の支配に抗して,著者は新しい「場」の理論を構想する.工学的な知識はもとより,哲学,現象学,仏教学などの知見を駆使,長年にわたる集落調査の成果にも依拠して,著者は設計の現場から21世紀の建築は「様相」に向かうというテーゼを発信する.著名な建築家の手になる野心的な哲学的著作.1988年サントリー学芸賞〔芸術・文学〕. [出版社より] 著 者|原広司 出版社|岩波書店[岩波現代文庫] 定 価|1,520円+税 判 型|文庫判・並製 頁 数|334 ISBN|9784006001902 発 行|2007年12月 Contents 序 均質空間論 〈部分と全体の論理〉についてのブリコラージュ 境界論 機能から様相へ 〈非ず非ず〉と日本の空間的伝統 岩波現代文庫版のためのあとがき 参考文献 人名索引・事項索引 Author 原 広司 Hiroshi Hara 1936年神奈川県に生まれる.建築家.東京大学名誉教授.1970年代に世界の集落調査に従事.また80年代以降の創作活動の中軸にある「多層構造モデル」は国の内外で大きな反響を呼んだ.主な著書に『建築に何が可能か』(学芸書林),『集落への旅』(岩波新書),『集落の教え 100』(彰国社),編著に『住居集合論I・II』(鹿島出版会)がある.
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[図録]アブソリュート・チェアーズ——現代美術のなかの椅子なるもの展
¥3,300
2024年、埼玉県立近代美術館と愛知県美術館で開催の「アブソリュート・チェアーズ」展図録。フランシス・ベーコンや岡本太郎、工藤哲巳など、美術作品における椅子の表現に着目。 [出版社より] 編 者|埼玉県立近代美術館・愛知県美術館 出版社|平凡社 定 価|3,000円+税 判 型|B5変形判/並製 頁 数|184 ISBN|9784582207354 発 行|2024年03月 Contents 【第1章】 美術館の座れない椅子 マルセル・デュシャン《自転車の車輪》 高松次郎《複合体(椅子とレンガ)》 竹岡雄二《マルセル・デュシャン「自転車の車輪」(1913)へのオマージュ》 草間彌生《無題(金色の椅子のオブジェ)》 岡本太郎《坐ることを拒否する椅子》 ジム・ランビー《トレイン イン ヴェイン》 【第2章】 身体をなぞる椅子 工藤哲巳《愛》 フランシス・ベーコン《Triptych(三連画)1974-77》《座れる人物》 ハンス・オプ・デ・ビーク《眠る少女》 アンナ・ハルプリン《シニアズ・ロッキング》 檜皮一彦《walkingpractice/CODE: Evacuation_drills[SPEC_MOMAS]》 【第3章】 権力を可視化する椅子 工藤哲巳《イヨネスコの肖像》 ジョージ・シーガル《ロバート&エセル・スカルの肖像》 クリストヴァオ・カニャヴァート(ケスター)《肘掛け椅子》 ダラ・バーンバウム《座らされた不安:放埒》《座らされた不安:酩酊》《座らされた不安 補遺:自閉症》 アンディ・ウォーホル《電気椅子》 ミロスワフ・バウカ《φ51×4, 85×43×49》 渡辺眸《東大全共闘 1968-1969》 シャオ・イーノン(邵逸農)& ムゥ・チェン(慕辰)《集会所―高塘》《集会所―西安・大興善寺》 【第4章】 物語る椅子 宮永愛子《waiting for awakening chair》 潮田登久子《マイハズバンド》 名和晃平《PixCell-Tarot Reading (Jan.2023)》 YU SORA《my room》 石田尚志《椅子とスクリーン》 【第5章】 関係をつくる椅子 オノ・ヨーコ《白いチェス・セット/信頼して駒を進めよ》 ローザス《Re: ローザス!》 ミシェル・ドゥ・ブロワン《ブラック・ホール・カンファレンス》(参考作品)《樹状細胞》 スッティー・クッナーウィチャーヤノン《ステレオタイプなタイ》 ダイアナ・ラヒム《インターベンションズ》 副産物産店《Absolute Chairs》《Absolute Chairs #02_roofbase Chair》 アブソリュート・チェアーズ(建畠晢) アブソリュート・チェアーズ前史―19世紀後半のフランス絵画にみる椅子の諸相(佐伯綾希) なぜ椅子はアーティストをも魅了するのか?―1960年代以降の椅子表現小史(鵜尾佳奈) 椅子―グウェン・ジョンとフランシス・ベーコンの場合(山口惠里子) 車椅子の再組成(木下知威) [column]椅子が運びくるもの(木下知威) 作家解説 椅子の文化と美術をめぐるブックリスト 出品リスト ごあいさつ 謝辞
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[図録]モダン・タイムス・イン・パリ 1925——機械時代のアートとデザイン展
¥3,080
ヨーロッパ、アメリカ、そして日本。1920年代の機械と人間との関係を技術と美術でめぐる。 1920年代、フランスの首都パリをはじめとした欧米の都市では、第一次世界大戦からの復興によって工業化が進み、「機械時代」(マシン・エイジ)と呼ばれる華やかでダイナミックな時代を迎えました。 本書は、1920ー1930年代のパリを中心に、ヨーロッパやアメリカ、日本における機械と人間との関係をめぐる様相を紹介します。特にパリ現代産業装飾芸術国際博覧会(アール・デコ博)が開催された1925年は、変容する価値観の分水嶺となり、工業生産品と調和する幾何学的な「アール・デコ」様式の流行が絶頂を迎えました。 日本では1923年(大正12)に起きた関東大震災以降、東京を中心に急速に「モダン」な都市へと再構築が進むなど、世界は戦間期における繁栄と閉塞を経験し、機械や合理性をめぐる人々の価値観が変化していきました。 コンピューターやインターネットが高度に発達し、AI(人工知能)が人々の生活を大きく変えようとする現代において、本展覧会は約100年前の機械と人間との様々な関係性を問いかけます。 [出版社より] 編 著|ポーラ美術館 出版社|青幻舎 定 価|2,800円+税 判 型|B5変形判・並製 頁 数|224 ISBN|978-4-86152-942-9 発 行|2023年11月 Contents 第1章 機械と人間:近代性のユートピア 第2章 装う機械:アール・デコと博覧会の夢 第3章 役に立たない機械:ダダとシュルレアリスム 第4章 モダン都市東京:アール・デコと機械美の受容と展開 エピローグ 21世紀のモダン・タイムス 寄稿 河本真理(美術史学者、日本女子大学教授) 千葉真智子(豊田市美術館 学芸員) 白政晶子(小田原市立図書館 学芸員)
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東大ファッション論集中講義
¥990
SOLD OUT
東京大学文学部史上初の講義を書籍化。教養としてのファッション。 ファッションとは何か? 衣服とは? 12のテーマを通じて文化や芸術としてのファッションを学び、歴史と未来に問う。東大生の反響を呼んだ一度きりの特別講義がその熱を凝縮した一冊となってよみがえる。 「この教室にいる誰もが服を着ています。私たちの身体を通して文化を作り上げ、資本主義社会のすみずみまで浸透し、日本のみならず世界経済を動かしているのが、ファッションです。にもかかわらず私たちはなぜ、ファッションを「浅い」ものとして見過ごそうとするのでしょうか。それは、ファッションを問うことが、私たち自身の、そして現代社会の根幹を揺るがす問題を孕んでいるからかもしれません」——本文より [出版社より] 著 者|平芳裕子 出版社|筑摩書房[ちくまプリマー新書] 定 価|900円+税 判 型|新書判 頁 数|256 ISBN|978-4-480-68493-6 初 版|2024年09月 Contents それでもファッションを研究する――イントロダクション 集中講義1日目 西洋のパラダイム 第1講 裁断と縫製――衣服に起源はあるのか 第2講 言葉と学問――ファッションは何を意味するのか 第3講 作法と流行――ファッションはなぜ女性のものとなったのか 集中講義2日目 近代がもたらしたもの 第4講 自由と拘束――女性の身体は解放されるのか 第5講 モデルと複製――ファッションデザインの近代 第6講 メディアとイメージ――衣服がファッションになるとき 集中講義3日目 創造性への問いかけ 第7講 展示と鑑賞――ミュージアムのファッション展 第8講 身体と表象――ファッションとアートの接近 第9講 名と言説――シャネルはなぜ評価されるのか 集中講義4日目 歴史と未来をつなぐ 第10講 女性と労働――お針子像は消えたのか 第11講 日本と近代――洋服とはなんだったのか 第12講 批評と研究――ファッション学からファッションスタディーズへ Author 平芳 裕子 Hiroko Hirayoshi 神戸大学大学院人間発達環境学研究科准教授。1972年東京都生まれ。東京藝術大学美術学部芸術学科卒業。東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学。博士(学術)。専門は表象文化論、ファッション文化論。主な著作に『まなざしの装置――ファッションと近代アメリカ』(青土社)、『日本ファッション150年史』(吉川弘文館・近刊)などがある。
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服は何故音楽を必要とするのか?
¥990
SOLD OUT
パリ、ミラノ、東京のファッション・ショーを、各メゾンのショーで流れる音楽=「ウォーキング・ミュージック」の観点から構造分析する、まったく新しいファッション批評。パリコレ以後を増補し文庫化。 [出版社より] 著 者|菊池成孔 出版社|河出書房新社[河出文庫] 定 価|900円+税 判 型|文庫判/並製 頁 数|344 ISBN|978-4-309-41192-7 初 版|2012年12月 Contents 服は何故音楽を必要とするのか? 初対面の挨拶。そしてマウリツィオペコラーロの成功 初めてのパリコレ そしてヴィクター&ロルフの惜敗 日本が世界で最初だった話 そして東京コレクション ほか 裸体に導かれて―パリコレクションの六日間+α 彼らは何故、服に必要とされているのか? ——ショー音楽家との対話 対談01 ヴェロニク・ブランキーノ 対談02 ジョン・ゴスリング;対談03 アリエル・ウィズマン ほか ブラック/ヲタク/モード——その後のファッションニュース ヨーロッパにとってのベートーヴェン そしてアップセットを遂げたグッチ 再考を迫る「若さと老い」 そしてランバンの氷結するクールネスとパワー 大トレンドとしてのアメトラ そしてヒップホップへのエレガントな意地悪 ほか Author 菊地 成孔 Naruyoshi Kikuchi 1963年、千葉県生まれ。音楽家、文筆家。ジャズに軸足を置きながら、ジャンルレスな音楽・執筆活動を展開。
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崇高と美の起源
¥1,870
美と崇高という観念が快と苦/恐怖を生じると論じ、ロマン派芸術への道を拓いた美学史上に残る不朽の名著、待望のコンパクト版。 「私の意図は、美を崇高と区別して考察することであり……どの程度まで美と崇高が一致するのかを検討することである」。巨大で危険な対象がもたらす感動「崇高」は恐怖と緊張を喚起して神経を運動させる。一方「美」は身体全体の組織を弛緩させて快を生じ、「愛」の情念を生み出し、社交をも促進する。崇高と美は市民社会構成のための主要な社会的原理であるとし、19世紀ロマン派への道を拓いた美学史上に残る不朽の名著。 [出版社より] 著 者|エドマンド・バーク 訳 者|大河内昌 出版社|平凡社[平凡社ライブラリー] 定 価|1,700円+税 判 型|B6変型判/並製 頁 数|272 ISBN|9784582769654 発 行|2024年04月 Contents 趣味に関する序論 第一部 第一節 目新しさ 第二節 苦と快 第三節 苦の除去と積極的な快の違い 第四節 お互いに対比されるものとしての悦びと快 第五節 嬉しさと悲しさ 第六節 自己保存に属する情念について 第七節 崇高について 第八節 社交に属する情念について 第九節 自己保存に属する情念と性的な社交に関する情念の差異の究極原因 第一〇節 美について 第一一節 社交と孤独 第一二節 共感、模倣、野心 第一三節 共感 第一四節 他人の苦痛への共感の効果 第一五節 悲劇の効果について 第一六節 模倣 第一七節 野心 第一八節 総括 第一九節 結論 第二部 第一節 崇高によって引き起こされる情念について 第二節 恐怖 第三節 曖昧さ 第四節 情念に関する明晰さと曖昧さの違いについて (第四節) 同じ主題のつづき 第五節 力 第六節 欠如 第七節 広大さ 第八節 無限 第九節 連続性と画一性 第一〇節 建築物の大きさについて 第一一節 快適な対象における無限 第一二節 困難さ 第一三節 壮麗さ 第一四節 光 第一五節 建築物の中の光 第一六節 崇高を生み出すものとしての色彩 第一七節 音と音量 第一八節 唐突さ 第一九節 中断 第二〇節 動物の叫び声 第二一節 臭いと味──苦みと悪臭 第二二節 触覚と苦 第三部 第一節 美について 第二節 均整は植物の美の原因ではない 第三節 均整は動物の美の原因ではない 第四節 人間の種において均整は美の原因ではない 第五節 均整に関するさらなる考察 第六節 合目的性は美の原因ではない 第七節 合目的性の本当の効果 第八節 要約 第九節 完全性は美の原因ではないということ 第一〇節 美の観念はどの程度まで精神の性質に適用できるのか 第一一節 美の観念はどの程度まで徳に適用できるのか 第一二節 美の本当の原因 第一三節 美しい対象は小さい 第一四節 滑らかさ 第一五節 漸進的変化 第一六節 繊細さ 第一七節 色彩における美 第一八節 要約 第一九節 顔立ち 第二〇節 目 第二一節 醜さ 第二二節 優雅さ 第二三節 気品ともっともらしさ 第二四節 触覚における美 第二五節 音の美 第二六節 味覚と臭覚 第二七節 崇高と美の比較 第四部 第一節 崇高と美の作用因について 第二節 観念連合 第三節 苦と恐怖の原因 第四節 同じ主題のつづき 第五節 いかに崇高が生み出されるのか 第六節 いかにして苦は悦びの原因となりうるのか 第七節 より精妙な器官に必要な運動 第八節 なぜ危険でないものが恐怖に似た情念を生み出すのか 第九節 なぜ巨大な視覚対象は崇高であるのか 第一〇節 巨大さにはなぜ統一性が必要なのか 第一一節 人為的無限 第一二節 振動は似かよっていなければならない 第一三節 視覚対象における連続の効果の説明 第一四節 暗闇に関するロックの見解についての考察 第一五節 暗闇はそれ自身の性質によって恐ろしい 第一六節 なぜ暗闇は恐ろしいのか 第一七節 黒色の効果 第一八節 黒の効果の緩和 第一九節 愛の身体的原因 第二〇節 滑らかさはなぜ美しいのか 第二一節 甘さ、その性質 第二二節 甘さは弛緩をもたらす 第二三節 変化はなぜ美しいのか 第二四節 小ささについて 第二五節 色彩について 第五部 第一節 言葉について 第二節 詩の一般的な効果は事物の観念を喚起することによるのではない 第三節 観念に先立つ一般語 第四節 言葉の効果 第五節 イメージを喚起することなく言葉が作用するいくつかの例 第六節 詩は厳密には模倣芸術ではない 第七節 いかにして言葉は情念に作用するのか 初版への序文 第二版への序文 訳者解題 大河内昌 平凡社ライブラリー版 訳者あとがき 解説 井奥陽子