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エッシャーの代表作である《物見の塔》《滝》《上昇と下降》などのだまし絵。これらの作品は、一見しただけではそこに錯視図形があるとわからないほど自然に見える。しかし、少しの間をおいて「これはありえない立体だ」と気付いた瞬間、鑑賞者に大きな驚きをもたらす。
この劇的な鑑賞体験はどのようにして作られたのか。エッシャーはまず、絵のあちこちに鑑賞者を誘導するトリックを仕掛け、さらにそれらを手品師さながらに覆い隠していった。そしてトリックの存在を生涯隠し通し、決して語らなかったのだ。
本書は100点を超える図版でだまし絵の制作過程を分解し、エッシャーがかつて5つの作品に仕掛けた視覚のトリックを明らかにしている。エッシャーが制作中に何に悩み、何を大切にしていたかにまで踏み込んでいく。謎解きの楽しさに満ちた1冊。
著者からの7つのヒント
・《物見の塔》 なぜ、1階に囚人がいるのか?
・《物見の塔》 なぜ、一部の屋根だけが高いのか?
・《描く手》 中央の斜めの影は何のためにある?
・《上昇と下降》 階段の周りの屋根や塔の役割は何か?
・《画廊》 中央の空白は何を隠している?
・《滝》 滝壺の位置に何の意味があるのか?
・作中の人物のほとんどが、だまし絵のトリックに加担している
[出版社より]
著 者|近藤滋
解 説|趙慶喜
出版社|みすず書房
定 価|2,700円+税
判 型|四六判/上製
頁 数|208
ISBN|978-4-622-09731-0
初 版|2024年12月
Contents
第1章 見過ごされていたトリック
第2章 《物見の塔》――演技する人々
第3章 《描く手》――できるはずのない影
第4章 消えた風景画
第5章 《上昇と下降》――見えない継ぎ目
第6章 《画廊》――異世界のつなぎ方
第7章 遠近法の弱点
第8章 《滝》――遠近法の限界を超える
あとがき
画像出典
参考文献
Author
近藤 滋 Shigeru Kondo
1959年生まれ。1988年、京都大学医学研究科博士課程修了。大阪大学大学院生命機能研究科教授をへて、2024年から国立遺伝学研究所所長。専門は発生学、理論生物学。生物の縞模様が、分子の反応が作る「波」であるというアラン・チューリングの予測を実証した。著書に『波紋と螺旋とフィボナッチ』(学研メディカル秀潤社、2013)、『いきもののカタチ』(学研プラス、2021)がある。
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