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「日本を変えるにはテロしかない」として三島は自決した。それは今のテロに被われる21世紀を正しく予見していた。村上春樹、村上龍、町田康、阿部和重……。文学者たちはなぜ執拗にもテロを描いてきたのか。
「自分の姿が澄んで消えてしまつたことに、そのとき独楽が気づいてゐないことも確実なら、その瞬間、何かが自分と入れかはつたことに気がつかないのも確実である」(本文より)。市ヶ谷台で自決したとき、三島由紀夫が誰かと入れ代わったことに、彼自身も、まわりの人も、後世も、だれ一人として気づいていない。村上春樹、村上龍、桐野夏生、車谷長吉、町田康、阿部和重、中村文則、上田岳弘……。本書は三島の〈輪廻転生〉の行方をこれらの作家たちに探る試みである。
[出版社より]
著 者|鈴村和成
出版社|太田出版
定 価|2,500円+税
判 型|四六判/上製
頁 数|352
ISBN|9784778314965
初 版|2016年03月
Contents
プロローグ テロのスパイラル――三島VSミシェル・ウエルベック
第1章 『人斬り』VS『大菩薩峠』、三島VS川端康成(テロ第一世代の文学史)
第2章 三島VS村上春樹、桐野夏生、髙村薫、車谷長吉(テロ第二世代の文学史)
第3章 三島VS町田康、辻仁成、阿部和重、中村文則、上田岳弘(テロ第三世代の文学史)
第4章 三島VS村上龍――『オールドテロリスト』まで
第5章 三島由紀夫と11・25の秘鑰――『金閣寺』、『美しい星』、『午後の曳航』、『奔馬』
エピローグ 生首考――三島VS大江健三郎、松浦寿輝
Author
鈴村 和成 Kazunari Suzumura
1944年名古屋市生まれ。東京大学仏文科卒。同修士課程修了。横浜市立大学教授を経て、同名誉教授。文芸評論家、フランス文学者、紀行作家、詩人。
評論に『バルト テクストの快楽』(講談社)、『小説の「私」を探して』(未來社)、『ランボー、砂漠を行く アフリカ書簡の謎』(岩波書店)、『愛について プルースト、デュラスと』(紀伊國屋書店)など。紀行に『ランボーのスティーマー・ポイント』(集英社)、『金子光晴、ランボーと会う マレー・ジャワ紀行』(弘文堂)、『ヴェネツィアでプルーストを読む』(集英社)、『アジア、幻境の旅 日野啓三と楼蘭美女』(同)、紀行小説『ランボーとアフリカの8枚の写真』(河出書房新社、藤村記念歴程賞)など。村上春樹論に『村上春樹とネコの話』(彩流社)、『紀行せよ、と村上春樹は言う』(未來社)ほか。翻訳に――ツァラ『ダダ宣言』(共訳、竹内書店)、デリダ『視線の権利』(哲学書房)、ドミニク・ノゲーズ『三人のランボー』(ダゲレオ出版)、『ランボー全集 個人新訳』(みすず書房)ほか。詩集に『ケルビンの誘惑者』(思潮社)、『黒い破線、廃市の愛』(書肆山田)など。
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