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それでも、安楽死の話をするのなら
¥1,760
わたしは安らかな死を迎えられるだろうか——。 臨床経験から導き出された15の論点から、「安楽死」「終末期医療」「緩和ケア」について問い直し、「日本人は生きる/死ぬをどう考えるべきなのか」という社会的な問題である安楽死制度をわかりやすく、かつ、徹底的に考える。 もし、未来に安楽死制度を作るならば、考えなければならないこととは。安楽死制度に対する反対派も賛成派も、どちらもが納得できる議論はどのように可能か。制度の設立・実施に慎重な立場を取る現役の緩和ケア医が、臨床経験と詳細な分析により、錯綜する問題の論点を整理し誰にでもわかりやすく解説する。 いずれは死を迎える、すべての人へ。 [出版社より] 著 者|西智弘 出版社|晶文社 定 価|1,600円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|200 ISBN|978-4-7949-7460-0 発 行|2025年02月 Contents はじめに:苦しみのすべてをゼロにできるのか 1:「死を選ぶ生き方」は正しい生き方か? 2:安楽死制度を求めていくために必要な3つの要素 3:安楽死と余命の関係 4:安楽死を行うのは誰か 5:個人的信条を安楽死制度の議論に持ち込まない 6:逆算で考える 7:子どもの安楽死は認められるか 8:緩和的鎮静は安楽死の代替となり得るか 9:間接的安楽死と終末期の鎮静 10:人生会議をすれば患者の尊厳は守られるのか 11:認知症と安楽死 12:すべり坂は止められるのか 13:それは実質安楽死の容認なのでは 14:分母を増やすのは無駄にならない 15:安楽死報道のあり方 Author 西 智弘 Tomohiro Nishi 川崎市立井田病院 医師/一般社団法人プラスケア代表理事。2005年、北海道大学卒。室蘭日鋼記念病院で家庭医療を中心に初期研修後、川崎市立井田病院で総合内科/緩和ケアを研修。その後2009年から栃木県立がんセンターにて腫瘍内科を研修。2012年から現職。現在は抗がん剤治療を中心に、緩和ケアチームや在宅診療にも関わる。一方で、一般社団法人プラスケアを2017年に立ち上げ代表理事に就任。「暮らしの保健室」や「社会的処方研究所」の運営を中心に、「病気になっても安心して暮らせるまち」をつくるために活動。日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医。著書に『だから、もう眠らせて欲しい』(晶文社)、『社会的処方』『みんなの社会的処方』(学芸出版社)、『がんになった人のそばで、わたしたちにできること』(中央法規出版)他多数。
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バルセロナで豆腐屋になった——定年後の「一身二生」奮闘記
¥1,056
異国での苦労、カミさんとの二人三脚の日々──定年後の新たな挑戦をめざす全ての人へ、元朝日新聞記者が贈る小気味よいエッセイ。 元朝日新聞の記者が定年後、バルセロナで豆腐店を開業した。修業の日々、異国での苦労、新しい出会いと交流、ヨーロッパから見た日本の姿──ジャーナリストならではの洞察力で、「蛮勇」のカミさんと二人三脚の日々を綴った小気味よいエッセイ。一身にして二生を経る──人生後半の新たな挑戦をめざす全てのひとに贈ります。 [出版社より] 著 者|清水建宇 出版社|岩波書店[岩波新書] 定 価|960円+税 判 型|新書判/並製 頁 数|254 ISBN|9784004320517 発 行|2025年01月 Contents はじめに 第1章 一身にして二生を経る 第2章 「失敗したって、たいしたこたぁないよ」 第3章 不況のどん底こそ起業のチャンス 第4章 崖っぷちに舞い降りた天使たち 第5章 うれしい誤算、うれしくない誤算 第6章 我が家はバルセロナ市の文化財 第7章 忙人不老 第8章 異国の文化は「新しい、良い」 第9章 日本食ブームは、より広く、より深く 第10章 「どちらから来られました?」「北極から」 第11章 南仏プロヴァンスと比べたら 第12章 コロナ禍、お客は半径五〇〇メートルの住民だけ 第13章 欧州はプラスチックを規制し、検査ビジネスを育てる 第14章 事業の継承は険しい山道を登るが如し 第15章 カミさんと私 おわりに Author 清水建宇 Tateo Shimizu 1947年生まれ. 神戸大学経営学部卒.1971年,朝日新聞社入社.東京社会部で警視庁,宮内庁などを担当.出版局へ異動し,『週刊朝日』副編集長,『論座』編集長.2000年1月から2003年3月までテレビ朝日「ニュースステーション」でコメンテーター.2007年,論説委員を最後に定年退職.この間,『大学ランキング』創刊の1995年版から2008年版まで13冊の編集長を務めた. これまでたずさわった本に『ふぐ』『世界名画の旅 1〜3』(いずれも朝日新聞社),『就職お悩み相談室』(森永卓郎氏との共著,講談社)などがある.
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生きのびるための事務
¥1,760
芸術家でも誰でも、事務作業を疎かにしては何も成し遂げられない。夢を現実にするたった一つの技術、それが《事務》です。 この作品は作家、建築家、画家、音楽家、「いのっちの電話」相談員として活動する坂口恭平が若い頃に出会った優秀な事務員・ジムとの対話で学び、人生で実践した方法を記したテキストを原作にコミカライズして、《事務》ってめちゃくちゃ大事! ってことが漫画でわかる本です。 「自分に自信がない」「ハードルを高く設定しがち」「悩んで行動に移せない」 ——足らないことは《事務》でした。 [出版社より] 著 者|坂口恭平[原作]・道草晴子[画] 出版社|マガジンハウス 定 価|1,600円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|224 ISBN|9784838732708 発 行|2024年05月 Contents はじめに ジムとの出会い 第1講 事務は『量』を整える 第2講 現実をノートに描く 第3講 未来の現実をノートに描く 第4講 事務の世界には失敗がありません 第5講 毎日楽しく続けられる事務的『やり方』を見つける 第6講 事務は『やり方』を考えて実践するためにある 第7講 事務とは好きとは何か?を考える装置でもある 第8講 事務を継続するための技術 第9講 事務とは自分の行動を言葉や数字に置き換えること 第10講 やりたいことを即決で実行するために事務がある 第11講 どうせ最後は上手くいく あとがき Author 坂口 恭平 Kyohei Sakaguchi 1978年、熊本県生まれ。2001年、早稲田大学理工学部建築学科を卒業。作家、画家、音楽家、建築家など多彩な活動を行なう。2004年に路上生活者の家を収めた写真集『0円ハウス』(リトルモア)を刊行。著作は『ゼロから始める都市型狩猟採集生活』(太田出版)、『独立国家のつくりかた』『苦しい時は電話して』(講談社)、『モバイルハウス 三万円で家をつくる』『TOKYO一坪遺産』(集英社)、『家族の哲学』(毎日新聞出版)、『継続するコツ』『幸福人フー』(祥伝社)、『TOKYO 0円ハウス 0円生活』(河出書房新社)、『躁鬱大学』(新潮社)、『発光』『よみぐすり』(東京書籍)、『自分の薬をつくる』『お金の学校』『中学生のためのテストの段取り講座』(晶文社)、『土になる』(文藝春秋)『まとまらない人』(リトルモア)など。 小説家として『幻年時代』(幻冬舎)、『徘徊タクシー』(新潮社)、『けものになること』(河出書房新社)を発表。ほか画集や音楽集、料理書など、多数の著作がある。 自ら躁鬱(そううつ)病であることを公言。2012年から死にたい人であれば誰でもかけることができる電話サービス「いのっちの電話」を自身の携帯電話(090-8106-4666)で続けている。2023年2月には熊本市現代美術館にて個展「坂口恭平日記」を開催。 道草 晴子 Haruko Michikusa 13歳でちばてつや賞ヤング部門優秀新人賞を受賞するが、14歳で精神科病院に入院。「トーチweb」で連載した山あり谷ありな半生を綴った漫画『みちくさ日記』(リイド社)を2015年に刊行。 「小説新潮」で連載した『よりみち日記』(新潮社)を2020年に刊行。『よりみち日記2』を「考える人」で連載した。2023年に『みちくさ日記』『よりみち日記』『よりみち日記2』を収録した『完本 みちくさ日記』(リイド社)を刊行。漫画や、絵やグッズなどを制作を行い、ギャラリーで絵の個展も精力的に開催している。
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自己否定をやめるための100日間ドリル
¥1,760
あなたを否定するのは誰か? 自身も長らく躁鬱病をわずらい、「いのっちの電話」で死にたいと悩む人たちの声を聞き続けてきた、坂口恭平さん。誰もが一度は経験のある「自己否定」を8つのステップで解明します。自分で自分をいじめない方法を伝授します。 [出版社より] 「坂口くんのオモテ面の活動からは知り得ない試行錯誤、思索、苦しみ、想像と創造の記録。導き出されたのは、自分と対話し、自分を感じ、自分のバディになり、自分を助ける指南のマスターピース。僕も自己否定を減らすことに取り組み続けているけどまだまだ不安定。深く明快なコツでぎっしりな本書は、さらなる安心の書となりました」 ——星野概念(精神科医・文筆家) 「坂口恭平さんの本にさんざん救われてきたけれど、これこそが生きのびるための技術書だ。休んでいても休まらない人に読んでほしい」 ——朱野帰子(『わたし、定時で帰ります。』著者) 著 者|坂口恭平 出版社|アノニマ・スタジオ 定 価|1,600円+税 判 型|四六判/上製 頁 数|312 ISBN|978-4-87758-865-6 発 行|2024年10月 Contents はじめに STEP 1 自己否定とはなにか STEP 2 自己否定を書き出す STEP 3 第三者を登場させる STEP 4 あなたを否定するのは誰か? STEP 5 元気な時の自己否定 STEP 6 自己否定と葛藤 STEP 7 自己否定の正体 STEP 8 一人ではなくなる おわりに [日記]自己否定をやめる100日 Author 坂口 恭平 Kyohei Sakaguchi 1978年、熊本県⽣まれ。2001年、早稲⽥⼤学理⼯学部建築学科を卒業。作家、画家、⾳楽家、建築家など多彩な活動を行う。2004年に路上生活者の家を収めた写真集『0円ハウス』(リトルモア)を刊行。 著作は『生きのびるための事務』(マガジンハウス)、『ゼロから始める都市型狩猟採集生活』(太田出版)、『独立国家のつくりかた』『苦しい時は電話して』(講談社)、『モバイルハウス 三万円で家をつくる』『TOKYO⼀坪遺産』(集英社)、『家族の哲学』(毎⽇新聞出版)、『継続するコツ』『幸福人フー』(祥伝社)、『TOKYO0円ハウス 0円⽣活』(河出書房新社)、『躁鬱大学』(新潮社)、『発光』『よみぐすり』(東京書籍)、『自分の薬をつくる』『お金の学校』『中学生のためのテストの段取り講座』(晶文社)、『土になる』(文藝春秋)『まとまらない人』(リトルモア)など。 小説家として『幻年時代』(幻冬舎)、『徘徊タクシー』(新潮社)、『けものになること』(河出書房新社)を発表。ほか画集や音楽集、料理書など、多数の著作がある。自ら躁鬱(そううつ)病であることを公言。2012年から死にたい人であれば誰でもかけることができる電話サービス「いのっちの電話」を自身の携帯電話(090-8106-4666)で続けている。2023年2⽉には熊本市現代美術館にて個展「坂口恭平日記」を開催。
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武器としての土着思考
¥1,980
奈良県東吉野村への移住実践者で、人文系私設図書館「ルチャ・リブロ」主催者による「土着」論。「都市の原理」と「村の原理」に折り合いを付けながら、いかに世間へ「ルチャ」(格闘)を仕掛けるか。若き在野研究者が綴る、生きる勇気が湧いてくる「逆」自己啓発書。 「相手と関係をつくり、その関係の中でいかに生きていくか。この「相手」には、自分の中の「うまくコントロールできない自分」も含まれています。この相手とともにどう生きていくか。それこそ、僕が考える「闘い」(スペイン語でルチャ)です。だから本書で述べている武器とは、相手の技を受け、さらに強い技で返すことで生命力を高め合うような、「相手がワルツを踊ればワルツを、ジルバを踊ればジルバを」というかの名言にもあるような、「相手があってこその生」を築いていくための思考法のことなのです。本書では、相手との競争に勝つための武器を個別具体的に提示するのではなく、さまざまな事例を取り上げながら、「僕たちの闘い方」を一緒に考えていくことを目的としています。」――「はじめに」より [出版社より] 「青木君の文章と思考はつねに揺らぎ、葛藤している。決して単一原理に執着すまいというつよい決意が彼の文体に『過剰なまでの節度』(そんなものがあるのだ)を与えている。」 ――内田 樹 著 者|青木真兵 出版社|東洋経済新報社 定 価|1,800円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|218 ISBN|9784492224205 発 行|2024年07月 Contents 第1章 僕たちはどう生きづらいのか 1.僕たちが「資本の原理」から逃げ出すべき理由:奈良県東吉野村で生まれた「土着の知」の行き先 2.「生きづらさ」感じる社会をつくる一つの価値観:自分の価値を見失わず、生き抜くための思考法 3.「コスパ」と「スマート」の行き着く先にある「疎外」:「他人から必要とされているのか否か」をやめる 第2章 僕たちが図書館をする理由 4.僕たちが「利益を生まない図書館」を続ける理由:「他者の欲望」模倣より「ちょうどよい」身体実感 5.「風呂なし賃貸物件」は「失われた30年の帰結」だった:社会的貧困を踏まえて「借り」を生活に取り戻す 6.地域社会の「しがらみ」と折り合いをつける思考法:「土着」と「離床」のちょうどいいリアリティ 第3章 東吉野村で「二つの原理」を考える 7.「村の原理」と「都市の原理」に折り合いをつける:実は大事な「昔から続いてきた」「めんどくさい」 8.「もちつもたれつ」で生きのびてきた「神仏習合」:「2つの原理」で此岸と彼岸を行ったり来たり 9.「人間一人では生きていけない」を正面から考える:「個人の原理」と「共同体の原理」の決定的違い 10.『もののけ姫』が描いた「結果より過程」の哲学:目的なく「顔を出す」行為に支えられている社会 第4章 渡世人として生きていく 11.「若者の邪魔」をしてはいけない人口減少社会:年長者は「仕方ねぇなぁ」と待ち続けるしかない 12.寅さんが「何度でも失敗が許される」本当の理由:渡る世間には「ケアと就労」2つの原理が必要だ 13.「ワーク・ライフ・バランス」は「無理ゲー」です:「いい子」を生む経済成長前提の社会構造の限界 14.「リスキリングせよ、さもなくば自己責任」の未来:「ガンダム」が描いた「デジタル社会」への適応 第5章 土着人類学を通してこれからを考える 15.「心は売っても魂は売らない」ファンキーな土着:「逃れられない病」を土臭く泥臭く生きていく 16.「数値化」では世界の本質を理解できない:土着人類学で考える社会との折り合いの付け方 17.「ホラーの帝王」が描いた「選択と集中」が招く悲劇:「話半分に聞く」姿勢で新自由主義を生き抜く 18.「国富でなく民富こそ国力」と喝破した孟子の真意:「実質賃金マイナス」時代に必要な王道政治と士 Author 青木 真兵 Shinpei Aoki 1983年生まれ、埼玉県浦和市(現さいたま市)に育つ。「人文系私設図書館ルチャ・リブロ」キュレーター。古代地中海史(フェニキア・カルタゴ)研究者。博士(文学)。社会福祉士。2014年より実験的ネットラジオ「オムライスラヂオ」の配信をライフワークとしている。2016年より奈良県東吉野村に移住し自宅を私設図書館として開きつつ、現在はユース世代への支援事業に従事しながら執筆活動などを行っている。 著書に『手づくりのアジールーー「土着の知」が生まれるところ』(晶文社)、妻・青木海青子との共著『彼岸の図書館ーーぼくたちの「移住」のかたち』(夕書房)、『山學ノオト』シリーズ(エイチアンドエスカンパニー) 、『つくる人になるためにーー若き建築家と思想家の往復書簡』(光嶋裕介との共著、灯光舎)などがある。
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舌の上の階級闘争——「イギリス」を料理する
¥1,980
階級も格差も噛み砕き、胃袋で掴め! パン屋と農家と大学教授の3人によるコレクティブ「コモナーズ・キッチン」が、料理を作って、食べて、考える。 ベイクドビーンズ、フィッシュ&チップス、イングリッシュブレックファスト、マーマレード、ローストビーフ、キュウリのサンドウィッチ……。 料理ごとに章立てされた12の食エッセイに、それぞれのレシピも収録。 まさに定番中の定番といえるイギリス料理の、歴史や文化的な背景を掘り下げながら、実際に作って食べてみることで、「階級」や「貧富の差」により分断された社会の現実を胃袋から思い知る。 「誰が」「何を」「どこで」作り、「どのように」食べるのか。食文化をとおして社会を知り、社会的背景を知ったうえで料理を食べれば、これまで知らなかった「イギリス」の姿が見えてくる。イギリス料理が不味いだなんて、もう言えなくなる! [出版社より] 著 者|コモナーズ・キッチン 出版社|リトルモア 定 価|1,800円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|232 ISBN|978-4-89815-595-0 発 行|2024年10月 Contents 1 ベイクドビーンズ―素朴であたたかいセーフティーネット料理 2 フィッシュ&チップス―コロモさっくり臭みなし、それでもしつこい階級の味 3 バンガーズ&マッシュ―飛び散る肉汁の中毒性 4 クリスマスプディング―年に一度の悪魔的幸福感 5 ローストビーフ―「自由」の味と貧者の生活 6 マーマレード―パディントンはなぜマーマレードを持っていたのか? 7 イングリッシュブレックファスト―誰もがそれを(朝に)食べるわけではない 8 ジェリードイールとミートパイ―下町の香りの今昔物語 9 ロールモップとキッパー―巻かれて燻される「春告魚」 10 グリーンピースのスープとシェパーズパイ―慎ましやかな「普通」の味 11 キュウリのサンドウィッチとポークパイ―ピクニックのお供、でも少し手間がかかります 12 サマープディング―甘酸っぱさと苦々しさと Author コモナーズ・キッチン パン屋と農家と大学教授の3名からなるコレクティヴ。料理を作って、食べて、考えることでイギリス社会の階級について理解を深め、あわよくばその分断を破壊する目論見で2020年秋、結成された。2021年から2022年を通じて毎月一度料理を作り、食べ、食が作り出す豊かだが同時に残酷な階級社会の有り様を、脳みそと同時に舌と胃袋で掴み取ろうと試みてきた。その経験をもとに、2022年12月から2023年11月までの1年間noteにて「Bake up Britain(イギリスを焼き上げろ)」を連載。毎月一つのイギリス料理を選び、そのレシピと歴史を通じて食と階級の関係を考える機会を提供してきた。3人それぞれ独自にイギリスとの関わりを持っていること、そして食べることをおろそかにする人間への不信感を共有していることだけで保たれているゆるいつながりである。 小笠原博毅(おがさわら ひろき) 神戸大学国際文化学研究科教授。カルチュラル・スタディーズ。著書に『真実を語れ、そのまったき複雑性において──スチュアート・ホールの思考』など。 ミシマショウジ パン屋アミーンズオーヴン店主、黒パン文庫主宰、詩人。詩集に『パンの心臓』など。 栢木清吾(かやのき せいご) 農家、翻訳家。訳書にパニコス・パナイー『フィッシュ・アンド・チップスの歴史──英国の食と移民』など。
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イスラエルについて知っておきたい30のこと
¥2,090
ユダヤ教とシオニズム、ホロコーストの政治利用、欧米のイスラエル支持……。パレスチナ/イスラエル問題の根っこがわかる。 ー 2023年10月7日に起きたハマースの蜂起から約15カ月半後の2025年1月19日、イスラエルとハマースの間で6週間の「停戦」合意がなされた。イスラエルの一方的な爆撃によりガザ地区の公共施設や主要インフラは壊滅的な状況に陥り4万人超が死亡、その大半は子どもや女性だったとされる。 だが、イスラエルによる暴力はいまに始まったことではない。1948年のイスラエル建国前からシオニストたちはパレスチナの地の略奪を目標に、欧米や周辺諸国を巻き込み、暴力を繰り返してきた。 キリスト教福音派のシオニズムへの接近、ホロコーストの政治利用、ユダヤ教とシオニズムの対立、PLOの挫折、オスロ合意の欺瞞、〈10・7〉蜂起、そしてイスラエルが描く「ガザ2035」の未来図とは? いま私たちがパレスチナ問題を考えるための基本書。 「「停戦」は、一般的な国家戦争の停戦とは全く異なり、イスラエルによる一方的なガザ地区でのジェノサイドの「一時停止」にすぎません。ガザ地区の占領も封鎖も変わらず、またやはり占領下のヨルダン川西岸地区で続いているイスラエル軍の侵攻と入植者による襲撃・収奪も止まることがないのです。」――「あとがき」より [出版社より] 著 者|早尾貴紀 出版社|平凡社 定 価|1,900円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|256 ISBN|9784582839746 発 行|2025年02月 Contents 前史|ユダヤ人はなぜ差別されてきたのか 第1部|19世紀~1948年| イスラエルはどのようにしてつくられたのか ◆1.シオニズムはどのように誕生したのか ◆2.植民地主義とシオニズムの関係とは ◆3.シオニズムの物語とは ◆4.イスラエルはどのように建国されたのか(1) ◆5.イスラエルはどのように建国されたのか(2) ◆6.イスラエルはどのように建国されたのか(3) ◆7.国際社会の責任とは ◆8.イスラエル建国に対する世界の思想は 第2部|1948年~90年代| イスラエルはどんな国か――占領政策、オスロ合意まで ◆1.建国されたイスラエルはどんなところか ◆2.イスラエルの産業とは ◆3.イスラエルには誰が住んでいるのか ◆4.イスラエルはどのように国民統合を図ったのか ◆5.ホロコーストと宗教の利用 ◆6.1967年以降の占領政策とは ◆7.パレスチナの抵抗運動とは ◆8.オスロ合意とはなにか(1) ◆9.オスロ合意とはなにか(2) ◆10.オスロ合意に対する世界の思想は 第3部|2000年代~| オスロ合意後のイスラエルはどうなっているか ◆1.第2次インティファーダ後の一方的政策とは ◆2.イスラエルはなぜハマースを敵視するのか ◆3.パレスチナの民意へのイスラエルの反応は ◆4.〈10・7〉蜂起とは ◆5.〈10・7〉とは何だったのか ◆6.ガザ侵攻でなにか起きているのか ◆7.ガザ侵攻でイスラエルが得る利益とは ◆8.イスラエル国内でのガザ侵攻の受けとめ方は ◆9.イスラエルはガザ侵攻後をどのように考えているのか ◆10.世界の反応は ◆11.ガザ侵攻に対する世界の思想は ◆12.私たちになにができるのか Author 早尾 貴紀 Takanori Hayao 1973年生まれ。東京経済大学教員。専門は社会思想史。2002〜04年、ヘブライ大学客員研究員として東エルサレムに在住し、西岸地区、ガザ地区、イスラエル国内でフィールドワークを行う。著書に『国ってなんだろう?』『パレスチナ/イスラエル論』『ユダヤとイスラエルのあいだ』、訳書にイラン・パぺ『パレスチナの民族浄化』(田浪亜央江との共訳)、サラ・ロイ『ホロコーストからガザへ』(岡真理、小田切拓との共編訳)、ジョー・サッコ『ガザ 欄外の声を求めて』などがある。
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日本料理史
¥1,408
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寿司も天ぷらも精進料理も、その起源は海外にあった。古代から現代まで、和食の料理体系の全貌を描く。 いまや世界中で愛される日本食は、どのように生まれ、現在の姿になったのか。本格的に米を採り入れた弥生時代、茶の湯と懐石料理の戦国時代、料理文化が花開いた江戸時代、西洋料理が入ってきた明治時代、そして国際化・多様化の進む現代へ――。 食器、調理法、食事作法から国家・社会・経済との関わりまで、沖縄・北海道を含むあらゆる日本の食文化を網羅する通史。増補決定版。 [出版社より] 著 者|原田信男 出版社|講談社[講談社学術文庫] 定 価|1,280円+税 判 型|文庫判/並製 頁 数|320 ISBN|978-4-06-535678-4 発 行|2024年07月 Contents はじめに――和食という料理 序 章 食の意義と日本料理 第一章 日本料理の前史と文化――先史時代の食文化 第二章 古代国家と食事体系――日本料理の源流 第三章 中世料理文化の形成と展開――大饗、精進、本膳そして懐石 第四章 近世における料理文化の爛熟――自由な料理と庶民の楽しみ 第五章 明治の開化と西洋料理――西洋料理の受容と変容 第六章 大正・昭和の市民社会と和食――日本料理の変容と展開 終 章 料理からみた日本文化 補 章 平成・令和の食――メモ風に コラム1 スシ コラム2 テンプラ コラム3 スキヤキ おわりに 学術文庫版あとがき 参考文献 参考史料 索 引 Author 原田 信男 Nobuo Harada 1949年生まれ。史学博士。明治大学大学院博士後期課程退学。現在,国士舘大学名誉教授。主な著書に『江戸の料理史』(サントリー学芸賞受賞),『歴史のなかの米と肉』(小泉八雲賞受賞),『中世村落の景観と生活』(学位論文)『江戸の食生活』『「共食」の社会史』『食の歴史学』『日本人はなにを食べてきたか』『義経伝説と為朝伝説』『豆腐の文化史』など多数。
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山岳新校、ひらきました——山中でこれからを生きる「知」を養う
¥1,980
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一度走り出したものは、止められない止まらない。今必要なのは、惰性に流されず、慣性に埋没しない力ではないか? 「加速する社会からの撤退」をキーワードに、豊かな自然と歴史文化が根づく奈良・奥大和の地で、これからの人生を考える学びの場「山岳新校」。この取り組みを支える現状分析と思想=論考に加え、学校での実践の様子を収めた、記録集。 [出版社より] 編 者|奈良県立大学地域創造研究センター撤退学研究ユニット 出版社|H.A.B 定 価|1,800円+税 判 型|B5変型判/並製・コデックス装 頁 数|208 ISBN|978-4-910882-03-1 発 行|2023年05月 Contents はじめに 学びの究極ー鬼を脱落させる術の修得(堀田新五郎) 地域の縮小にどう向き合うかー「縮充社会」の実現にむけて(作野広和) how toではなく、実質的な学びを(対談:作野広和×堀田新五郎) 若者と文化的撤退ー都市から撤退できない私たちの小さな実践(松岡慧祐) [PROGRAM1]みちのり 撤退的に生きること、創造的に生きること(梅田直美) 不登校の歴史と撤退ー語る言葉と生のあり処を探す場所をつくる(林尚之) 撤退的に生きるためにーオルタナティブな学びの場の可能性(対談:林尚之× 梅田直美) つまらないゲームに乗らないための術ーただ正面対決だけしている場合ではないが逃げるだけでも息切れする(伊藤洋志) みちのりレポート 「みちのり」とは? 2022年開講レポート [PROGRAM2]山學院 山村で気づく「クリエイティブ」と「アニミズム」(対談:坂本大祐×青木真兵) 山學院レポート 「山學院」という場 2022年開講レポート [PROGRAM3]芸術学校 つながりの中で捉える「芸術学校」(西尾美也) 奥大和における芸術実践と「最後」の練習(西尾美也) おわりに Editor 奈良県立大学地域創造研究センター撤退学研究ユニット 「知的撤退の研究―慣性の力学からの撤退可能性を探る」研究ユニット。日本の現況の諸問題、急速な人口減少、地方消滅、財政赤字、年金崩壊、環境激変……。これらを生活習慣病、慣性の力学として捉え、知的撤退の可能性を研究と実践を通じて提起する。 山岳新校 「加速する社会からの撤退」をキーワードに、豊かな自然と歴史文化が根づく奈良・奥大和の地で、これからの人生を考える学びの場。 堀田新五郎,作野広和,林尚之,坂本大祐,青木真兵,松岡慧祐,西尾美也,梅田直美(寄稿)伊藤洋志,仲子秀彦,中森一輝,八神実優,「みちのり」参加者のみなさん。
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14歳からの哲学
¥1,320
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人は14歳以降、一度は考えておかなければならないことがある。 [出版社より] 著 者|池田晶子 出版社|トランスビュー 定 価|1,200円+税 判 型|A5判/並製 頁 数|209 ISBN|9784901510141 発 行|2003年03月 Contents Ⅰ 14歳からの哲学[A] 1 考える[1] 2 考える[2] 3 考える[3] 4 言葉[1] 5 言葉[2] 6 自分とは誰か 7 死をどう考えるか 8 体の見方 9 心はどこにある 10 他人とは何か Ⅱ 14歳からの哲学[B] 11 家族 12 社会 13 規則 14 理想と現実 15 友情と愛情 16 恋愛と性 17 仕事と生活 18 品格と名誉 19 本物と偽物 20 メディアと書物 Ⅲ 17歳からの哲学 21 宇宙と科学 22 歴史と人類 23 善悪[1] 24 善悪[2] 25 自由 26 宗教 27 人生の意味[1] 28 人生の意味[2] 29 存在の謎[1] 30 存在の謎[2] Author 池田 晶子 Akiko Ikeda 1960年生まれ。慶応大学文学部哲学科卒業。専門用語による「哲学」についての論ではなく、哲学するとはどういうことかを日常の言葉を用いて示し、多くの読者を得る。2007年2月23日、没。
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壇蜜的人間学。
¥1,980
「なぜ人間は病気になるのだろう?」「運がいいってどういうこと?」壇蜜さんと8人の専門家による知的好奇心が刺激される対談集。 ここ数年、私たちは混沌とした世の中を生きている。そのような状況下、私たちは「病気になるということはどんなこと?」「なぜ占いにすがるのだろう」などといった、人間が本来備えている感情や欲望とは何かというところにまで考えが及ぶようになったのではなかろうか。 人間の中に湧き上がってくるさまざまな感情や欲望……。それらは人間が生きる意味を考えるうえで非常に大切なことだ。そしてその考えるという行為を通してみえてくるものは、わたしたちが本当に大切にしたいものなのではなかろうか。 本書では、人間のあらゆる感情や欲望の中から特に重要な要素を選び、壇蜜氏が各方面の専門家、研究者らに話を伺う。対談を通じて、壇蜜氏ならではの視点で人間とは何かを見つめ直し、読み手に新たな発見をもたらす内容とする。 [出版社より] 著 者|壇蜜 出版社|平凡社 定 価|1,800円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|248 ISBN|9784582839364 発 行|2024年07月 Contents はじめに もう一度授業に出たくなった 「病気」になるってどういうこと? 仲野 徹 対談を終えて「思春期レモン水事件」の記憶 「セックス」について考えてみた。 奥野克巳 対談を終えて「戒名」よりも「鼻笛」のほうがいい なぜ「老い」、なぜ「死ぬ」のか 小林武彦 対談を終えて「老い」と「死」の中間地点を「楽しむ」 「アート」は難しい!? 南條史生 対談を終えて「アート海原遭難者」からの脱却 「占い」って何だろう 鏡リュウジ 対談を終えて 歴史は今と未来を生きるためにある 「科学技術」は何のためにある? 佐倉 統 対談を終えて 昔の部分も残して暮らそう 「宗教」について考えてみた。 島薗 進 対談を終えて ヘレン・ケラーの死と曾祖父の死 おわりに 学ぶということは暮らしの中に溢れている Author 壇蜜 Danmitsu 1980年秋田県生まれ。昭和女子大学卒業後、日本舞踊師範、調理師など数々の資格を取得。29歳でグラビアアイドルとしてデビュー。現在、ラジオやWEB連載などで活躍中。主な著書に『壇蜜日記』(文春文庫)、『エロスのお作法』(だいわ文庫)、『どうしよう』(マガジンハウス)、『三十路女は分が悪い』(中央公論新社)など。 壇蜜オフィシャルブログ「黒髪の白拍子。」https://ameblo.jp/sizuka-ryu/
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ぼくらの「アメリカ論」
¥2,200
ぼくらのどこかに、いつも「アメリカ」がある——。 思想家、建築家、文学者。東吉野、神戸、高知--専門も居住地も違う3人が、互いの言葉に刺激されながら「アメリカ」「日本」、そして自らを見つめる、対話型リレーエッセイ。 分断が進み、ますます混沌とする世界情勢。11月のアメリカ大統領選が話題となる一方、「アメリカ」をどう捉えたらいいのかわからない状況が続いています。危機感を抱いた青木真兵さん(人文系私設図書館ルチャ・リブロキュレーター)の呼びかけに、米国で生まれ育った建築家の光嶋裕介さん、米文学を研究する白岩英樹さんが賛同。2023年10月、それぞれが自らの中の「アメリカ」を問い直すリレーエッセイが始まりました。 「生き直し」の先駆者、公平性にもとづく自由な社会、ヨーロッパの支流としての新しい国……3人が抱くアメリカのイメージは、対話を重ねるほどに深化し、ぶつかり、離れたかと思うとまた1つになっていきます。読むうちに、「自分にとってのアメリカ」がやさしく揺さぶられ、世界を見る目が更新される--今このときに多くの人に届けたい、真摯で率直な全18回の対話集です。 「ぼくたちの「未来を見る目」には、「アメリカ的なるもの」が標準装備されているのに、今、自分の中の「アメリカ」と現実の「アメリカ」は、あまりにかけ離れている」 ——青木真兵 「世界は今、空間的にも、時間的にも、引き裂かれている。2つの言語(自我)を往来しながら、跳躍を重ねる対話をしてみたい」 ——光嶋裕介 「なぜいまさらアメリカなのか。それは、彼の地がいまなお「未完」の革命を繰り返す「生き直し・再生」の場であり続けているからである」 ——白岩英樹 [出版社より] 著 者|青木真兵・光嶋裕介・白岩英樹 組 版|川名潤 出版社|夕書房 定 価|2,000円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|280 ISBN|978-4-909179-11-1 初 版|2024年10月 Contents はじめに 青木真兵 1 「生き直し」のヒントを探す旅へ 白岩英樹 2 小さな跳躍を重ねて、獲得する大きな自由 光嶋裕介 3 僕の人生に「アメリカ」は関係がないと思っていた 青木真兵 4 「移民国家」アメリカ--「文明人」はどちらなのか 白岩英樹 5 「アメリカ」をどこから見るべきか 青木真兵 6 オフィスビルという欲望の建築の終焉 光嶋裕介 7 戦争と分断に抗って「線路」を延ばす 白岩英樹 8 アメリカの「自由と民主主義」が抱えるもの 青木真兵 9 フラーから考える建築家の倫理 光嶋裕介 10 What Are You Standing On? 白岩英樹 11 食糧から見る、アメリカの現在地 青木真兵 12 モグラの手つきで--抵抗と連帯の詩学へ 白岩英樹 13 自然と対峙した完全芸術家のまなざし 光嶋裕介 14 「ちょうどよく」とどめる精神で 青木真兵 15 沈黙と光を愛した遅咲きの建築家 光嶋裕介 16 同じ筏のうえで--あなたはわたしになったあなたを殺せない 白岩英樹 17 原爆、安保、沖縄 青木真兵 18 終わらない会話のために 光嶋裕介 おわりに 白岩英樹 Author 青木 真兵 Shinpei Aoki 1983年生まれ、埼玉県浦和市(現さいたま市)に育つ。「人文系私設図書館ルチャ・リブロ」キュレーター。博士(文学)。社会福祉士。2014年より実験的ネットラジオ「オムライスラヂオ」の配信をライフワークとしている。2016年より奈良県東吉野村で自宅を私設図書館として開きつつ、執筆活動などを行っている。著書に『武器としての土着思考』(東洋経済新報社)、『手づくりのアジール』(晶文社)、妻・青木海青子との共著に『彼岸の図書館』(夕書房)、『山學ノオト』シリーズ(エイチアンドエスカンパニー)、光嶋裕介との共著に『つくる人になるために』(灯光舎)がある。 光嶋 裕介 Yusuke Koshima 1979年、アメリカ・ニュージャージー州生まれ。建築家。一級建築士。博士(建築学)。早稲田大学理工学部建築学科修了。ドイツの建築設計事務所で働いたのち2008年に帰国、独立。建築作品に内田樹氏の自宅兼道場《凱風館》、《旅人庵》、《森の生活》、《桃沢野外活動センター》など。著書に『ここちよさの建築』(NHK出版 学びのきほん)、『これからの建築』『つくるをひらく』(ミシマ社)、『建築という対話』(ちくまプリマー新書)、『増補 みんなの家。』(ちくま文庫)などがある。 白岩英樹 Hideki Shiraiwa 1976年、福島県郡山市生まれ。高知県立大学文化学部/人間生活学研究科准教授。専門はアメリカ文学、比較思想、比較芸術。早稲田大学卒業後、AP通信などの勤務を経て、大阪芸術大学大学院芸術文化研究科博士後期課程修了。博士(芸術文化学)。2020年4月より高知市に在住。著書に『講義 アメリカの思想と文学』(白水社)、共著に『ユニバーサル文学談義』(作品社)、翻訳書にキャスリーン・マシューズ『祝福の種』(作品社)などがある。
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教室を生きのびる政治学
¥1,870
必要なのは、半径5メートルの安全保障だ! 国会でも会社でも商店街の会合でも、そして学校のなかでも、人間の行動には同じ力学=「政治」が働いている……。いまを生きるわたしたちに必要なのは半径5メートルの安全保障[安心して暮らすこと]だ! 学校生活のモヤモヤを政治学から見てみると、わたしたちはとっくに政治に巻き込まれていた! ・自治:女子の靴下だけ黒限定のトンデモ校則 ・議会:かみ合わなくてイライラがつのる学級会 ・多数決:むりやり感あふれる過半数ルール ・公平:不登校を「ズルい」と思ってしまう気持ち ・支持:意見を言えない人はどうする?問題 心をザワつかせる不平等も、友だち関係のうっとうしさも、孤立したくない不安も……。教室で起きるゴタゴタには、政治学の知恵が役に立つ。学校エピソードから人びとのうごめきを読みといて、社会生活をくぐりぬけていこう。人が、社会が、政治が、もっとくっきり見えてくる。 [出版社より] 著 者|岡田憲治 出版社|晶文社[犀の教室] 定 価|1,700円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|304 ISBN|978-4-7949-7359-7 初 版|2023年04月 Contents はじめに 序章 大前提――力を抜いて自分を守る ――善・悪・社会 教室のなかの安全保障/だれも立派にはなれません/友だちが一〇〇人も必要なワケがない/世界史に一度しか登場しない僕たち 第1章 言うことを聞く/聞かせるということ ――権力・合意・自治 政治とは「選ぶ」こと/僕たちの心の習慣――理由を放置したまま従う/トンデモ校則は守るべき?/「みんなで決めた」というフィクション 第2章 どうして「話し合い」などするのか ――議論・中立・多数決 話し合いは失敗する/偏りを確認するために/「論破」に含まれているもの/多数決=民主主義?――とりあえずの風速計/黙っているが考えている/言い出せない人のための政治 第3章 仲間をつくるということ ――対立・支持・連帯 友だちより「仲間」を/対立を恐れず、やみくもに戦わず/上も下もない対等な僕たち――協力関係の組み立て 第4章 平等をめぐるモヤモヤ ――公平・公正・分配 心がザワつく厄介な「平等」/平等を切り分けてみる/平等でないと困る理由 第5章 政治は君たちの役に立つ ――責任・民主主義・政治 自己責任論なんて無視してよいのだ/やり直しが前提のシステム――民主主義/学校でも家でもない場所へ おわりに 大人はなかなか変わりにくい/こんな世の中にしてしまった/政治学は教室を放置してきた/僕たちもかつては君たちだった Author 岡田 憲治 Kenji Okada 政治学者、専修大学法学部教授。1962年、東京生まれ。著書に『政治学者、PTA会長になる』(毎日新聞出版)、『なぜリベラルは敗け続けるのか』(集英社インターナショナル)、共著に『転換期を生きるきみたちへ』(内田樹編、晶文社)など多数。愛称オカケン。広島カープをこよなく愛する2児の父。
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ええかげん論
¥1,980
コロナ、政治、気候…不安は尽きねどもまずは日常を整える。その智恵がここに。 正解は、いつも同じではない。けれど、自分のコンディションを整え、「今・ここ」を感じていれば、おのずと「ある一点」がわかるようになる。 料理から、そして保守や仏教の思想から、それぞれに「ええかげん」を探求してきた二人による、自立して豊かに生きるための「ええかげん」論。フキノトウの天ぷら、ほんれんそうのおひたしの実演(写真入り)やインド珍道中のおまけコラムも。『料理と利他』深化版。 [出版社より] 「ええかげん」の中に、ええことも、わるいこともぜんぶあるんです。……一生懸命の道中楽しみましょ」――土井 「(リベラル保守の)考え方と、土井先生がおっしゃる「ええかげん」は、つながっているんじゃないか、と思っていたんです」――中島 著 者|土井善晴・中島岳志 出版社|ミシマ社 定 価|1,800円+税 判 型|四六判・並製 頁 数|192 ISBN|978-4-909394-45-3 発 行|2022年10月 Contents 第1回 利他のコンディション 第2回 「ええかげん」に気づく人になる 第3回 ふつうはえらい Author 土井 善晴 Yoshiharu Doi 料理研究家。1957年、大阪生まれ。フランス料理や日本料理を学んだ後、土井勝料理学校講師を経て、1992年に「おいしいもの研究所」を設立。十文字学園女子大学招聘教授、東京大学先端科学研究センター客員研究員。NHK「きょうの料理」、テレビ朝日「おかずのクッキング」の講師を各30年務めている。著書に『一汁一菜でよいという提案』『おいしいもののまわり』『土井善晴の素材のレシピ』などがある。 中島 岳志 Takeshi Nakajima 1975年大阪生まれ。大阪外国語大学卒業。京都大学大学院博士課程修了。北海道大学大学院准教授を経て、東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授。専攻は南アジア地域研究、近代日本政治思想。2005年、『中村屋のボース』で大佛次郎論壇賞、アジア・太平洋賞大賞受賞。著書に『思いがけず利他』『パール判事』『朝日平吾の鬱屈』『保守のヒント』『秋葉原事件』『「リベラル保守」宣言』『血盟団事件』『岩波茂雄』『アジア主義』『保守と立憲』『親鸞と日本主義』、共著に『料理と利他』『現代の超克』などがある。
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家庭料理の窓
¥1,980
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食の道を探求してきた著者が、味噌汁の歴史、土井善晴などの料理本、春のパンまつりの皿、台所道具までを読み解く家庭料理今昔物語。 [出版社より] 著 者|木村衣有子 出版社|平凡社 定 価|1,800円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|224 ISBN|9784582839050 初 版|2022年08月 Contents 私の好きなお米 出汁遍歴とごはん茶碗 しるものがたり 朝は味噌汁と決まっていたわけじゃない 電気じかけの炊飯器 一九八一年の白いお皿 コーヒーから柳宗理へ ステンレスボウルとアルネ 君の名は肉じゃが、そしてポテサラ 野菜ぐらし ほか Author 木村 衣有子 Yuko Kimura 文筆家。主な守備範囲は食文化と書評。1975年栃木県生まれ。
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田舎の未来 手探りの7年間とその先について
¥1,540
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「父親が体調をくずして仕事をやめた。田舎でどんな仕事ができるのだろうか」。 2012年9月、教育実習で帰っていた北海道の実家のパソコンで書いたブログが大きな反響を呼んだ。それから7年、大学生、広告代理店、大学院、再び会社員、そしてフリーランスと立場を変えながら、ずっと「田舎の未来」のことを考え、実践し、試行錯誤し続けている若者の記録。「仕事文脈」創刊号からの長期連載まとめです。〈シリーズ3/4〉第4弾。 [出版社より] 著 者|さのかずや 出版社|タバブックス 定 価|1,400円+税 判 型|B6変型判/並製 頁 数|176 ISBN|978-4-907053-32-1 初 版|2019年04月 Contents 田舎だからできることと、その可能性について 最後尾から最先端へ。島根の離島、海士町で見たもの ぼくが1年考えた、「田舎の未来」について 都会から見る、田舎の未来について ステッカーを作って考えた、田舎におけるシンボルについて イベントを実施して考えた、田舎に埋もれる資産について 都会と田舎の家と仕事、その未来について さとり世代の将来の夢と、「仕事」を疑うことについて 文化のための「食っていく」コストと、 プラットフォームについて 修士論文と電通事件と、働きすぎないカルチャーについて 「ていねいな暮らし」がもたらす、 都市と地方、身体と精神の分断について 規模とお金、それでもやるべきことの境界について 生活の余裕と心の支え、フリーランス半年の悩みごとについて コミュニティの生きづらさとポジショントーク、 ぼくが目指す田舎の未来について Author さのかずや Kazuya Sano 1991年生まれ。北海道の右上のほう、遠軽町出身。工学部から広告代理店営業、大学院(IAMAS)などを経て、現在はフリーランスで地方にまつわる企画やプロジェクトマネジメントなどを行う。インターネット地域メディア「オホーツク島」を運営。
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西荻窪 日常軒のお弁当
¥1,650
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即完売! 大人気のお弁当店が、そのレシピを初公開。食べた人みんなを笑顔にするお弁当が今日から作れるようになる。 [出版社より] 著 者|嶋崎恵里奈 出版社|大和書房 定 価|1,500円+税 判 型|A5判・並製 頁 数|128 ISBN|9784479921578 発 行|2022年06月 Author 嶋崎 恵里奈 Erina Shimazaki 「日常軒」店主。奈良県出身。大学卒業後、スマイルズ入社。Soup Stock Tokyoなどの現場で勤務。将来自分の店を持ちたいとの思いから、服部栄養専門学校・夜間部に通い、卒業後、希須林 青山に調理師として勤務。友人のために作っていたお弁当が評判となり、西荻窪でお弁当と豚まんの店をはじめる。2020年9月に実店舗「日常軒」をオープン。季節の野菜を主体にしたからだにも心にもやさしいお弁当と豚まんは、幅広い世代から人気を集めている。
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言葉と歩く日記
¥946
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〈言葉と歩く〉旅の日々に,ふと見える世界とは? 現代を代表する作家が贈る,稀有な「自分観察日記」. 熊の前足と人の手,ドイツ語では単語が違う.では人の言葉で語る熊は,自分の手を何と表すだろう──.日独二カ国語で書くエクソフォニー作家が,「自分の観察日記」をつけた.各地を旅する日常はまさに言葉と歩く日々.言葉と出逢い遊び,言葉を考え生みだす,そこにふと見える世界とは? 作家の思考を「体感」させる必読の一冊.える時代に、言語を手がかりに人と出会い、言葉のきらめきを発見していく彼女たちの越境譚。 [出版社より] 著 者|多和田葉子 出版社|岩波書店[岩波新書] 定 価|860円+税 判 型|新書判 頁 数|238 ISBN|9784004314653 初 版|2013年12月 Author 多和田葉子 Yoko Tawada 1960年東京生まれ。作家。早稲田大学文学部露文科卒。1982年ドイツ・ハンブルグへ。ハンブルグ大学修士課程、チューリッヒ大学博士課程修了。2006年よりベルリン在住。日独二ヶ国語で作品を発表し、ドイツでもシャミッソー文学賞、ゲーテ・メダルを受章するなどの高い評価を得ている。著書に『かかとを失くして』(群像新人文学賞)、『犬婿入り』(芥川賞)、『ヒナギクのお茶の場合』(泉鏡花文学賞)、『球形時間』(ドゥマゴ文学賞)、『容疑者の夜行列車』(谷崎潤一郎賞、伊藤整文学賞)、『尼僧とキューピッドの弓』(紫式部文学賞)、『雪の練習生』(野間文芸賞)、『雲をつかむ話』(読売文学賞、文部科学大臣賞)他。
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ウクライナ・ファンブック——東スラヴの源泉・中東欧の穴場国
¥2,530
SOLD OUT
旧ソ連・共産主義体制。 チェルノブイリ・クリミア占領。 う、暗いな…。 素敵カフェ・お洒落レストラン。 カラフルな街並み・美男美女。 明るいな! 写真家としても活躍するウクライナ国営通信の日本人編集者がその魅力を余すこと無く伝えるフルカラー教養ガイドブック!! 一人あたりGDPがブータンやイラク、フィリピンよりも低い一方、外国人旅行客数はチェコやベルギーを超えて世界26位の人気渡航先に。 カラフルに塗り替えられたソ連式アパートの壁画やSNSで話題になった「愛のトンネル」、宮崎駿監督『ナウシカ』と繋がりのある腐海、そして一面のひまわり畑など想像以上に明るく、綺羅びやかな国ウクライナ。かねてから「欧州のパンかご」と呼ばれ、ボルシチ発祥の地であり、ウクライナ産ラーメンが登場するほどの美酒美肴なグルメ大国。子音・母音の連続を避ける音重視の響きが美しい言語。バンドゥーラやトレンビータで知られ、記録民謡数世界最大級の音楽大国。PayPalやWhatsAppの創始者を輩出するIT立国で、世界最大の輸送機ムリーヤを製造したアントノウ社の拠点。「自由の人」と呼ばれたコサックの末裔達はマイダン革命を成し遂げ、新大統領ゼレンシキーを選出後、いよいよ成長軌道に乗った! 直行便がないのが最大の欠点の、VISAなしで行ける格安天国! [出版社より] 著 者|平野高志 出版社|パブリブ 定 価|2,300円+税 判 型|A5判/並製 頁 数|224 ISBN|978-4-908468-41-4 初 版|2020年02月 Contents 2……はじめに 6……基本情報・旅行情報 8……ウクライナ地図 10……ウクライナへ行くには 12……ビザ・宿泊施設の探し方 13……空港からキーウ市中心部への移動 15……市内の移動 16……都市間の移動手段 18……キーウ(キエフ) 東スラヴの文化・宗教・歴史のはじまりの町 50……リヴィウ 諸民族が作った西ウクライナの中心地 60……オデーサ 黒海が香り、歴史建築が並び立つ国際都市 68……ハルキウ 産業と学術が盛んな北東部に位置する第二の都市 72……チェルニウツィー ルーマニアに近く、文化・言語の入り混じる街 76……チェルニヒウ ルーシ時代の建築物が残るウクライナ第二の古都 78……ルーツィク 城がシンボルの西ウクライナ最古の都市 80……リウネ州・愛のトンネル 愛とビールとお城の地方 82……ドニプロ ロケット・産業・アートのある川辺の大都市 86……ザポリッジャ 中洲の拠点で今も鍛えるコサック達 88……マリウポリ アゾフ海に面する宇露戦前線に近い港町 90……ヘルソン州 クリミアと隣接したスイカ名産の自然の宝庫 92……腐海・アラバト砂州・ピンクの湖 『風の谷のナウシカ』とクリミアの思わぬ繋がり 94……チョルノービリ(チェルノブイリ) 再注目されるダークツーリズム 98……村の生活 100……ウクライナ料理 肥沃な黒土を持つ農業大国の本領発揮 106……オデーサ料理 諸民族影響と黒海の恵みの魚介料理 108……クリミア・タタール料理 伝統と追放の中で維持・発展した味 110……ボルシチ 実はウクライナが発祥の代表的民族料理 112……ウクライナ・ビール 歴史と多様性を抱く東欧のビール天国 114……お土産 チョコやマグネットから陶器や民族衣装まで 116……音楽 バンドゥーラやトレンビータで知られ、記録民謡数世界最大級 118……ヴィシヴァンカ 現代も愛される華やかな刺繍の入った伝統服 120……ピサンカ(イースターエッグ) 卵に描かれる古来の色紋様 122……インタビュー ウクライナの現代芸術 イゾリャーツィヤ 126……インタビュー クリミア・タタール文化 クリミアの家 128……ウクライナ語 子音・母音の連続を避ける音重視の言語 130……観光会話帳 ウクライナ語・ロシア語・クリミア・タタール語 132……ウクライナ語とロシア語 並存する2つの異なる言語 136……スポーツ ビロディド、ブブカ、大鵬と多彩な顔ぶれ 138……ウクライナ人とは誰か 「自由の人」と呼ばれたコサックの末裔 141……民族マイノリティー 独自文化・歴史を持つ地域の隠れた主役達 146……クリミア・タタール語 クリミア・ハン国で発展した悠久の言葉 147……タタールと呼ばれる人々 ヴォルガ・タタールとクリミア・タタール ……特別寄稿『タタールスタンファンブック』櫻間瑞希 148……宗教 ウクライナ正教会、ギリシャ・カトリック、多神教の名残も 152……ウクライナ正教会の独立 キーウ・ルーシからの連続性の確認 156……ウクライナ史 様々な大国の間を生きた独自の歴史 156……・コサック時代 165……・ウクライナの民族意識 177……・ウクライナ化とスターリンによる大粛清 186……ロクソラーナ スルタン妃になった「スラヴの人」を意味する奴隷 188……ウクライナ史とロシア史 異なる視点が生む齟齬・対立 190……クリミア史 クリミア・ハン国、ロシアの南下、追放と移管 204……政治 権力者を嫌う、コサック由来の参加型・合議制との親和性 209……経済 一人辺りGDP地域最低水準だがとうとう成長の兆し 211……アントノウ社 現存1機の世界最大の輸送機ムリーヤを製造 212……IT大国 PayPalやWhatsApp、3D-Coatの創始者を輩出 214……模型 一向一揆のRed Boxや木造模型のUgears等個性メーカー 215……日宇関係 クリミア占領以降急接近、北方領土とサムライで親近感 221……参考文献 223……あとがき Author 平野高志 Takashi Hirano 1981年、鳥取県生まれ。東京外国語大学ロシア・東欧課程卒。2013年、リヴィウ国立大学修士課程修了(国際関係学)。2014~18年、在ウクライナ日本国大使館専門調査員。2018年より、ウクルインフォルム通信日本語版編集者。キーウ在住。写真家としても活動。
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ヘルシンキ 生活の練習
¥1,980
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「私たち女性は、すべてを手に入れたいのです」。 二人の小さな子どもと移住した社会学者による、おもしろくてためになる、フィンランドからの現地レポート。 [出版社より] 著 者|朴沙羅 出版社|筑摩書房 定 価|1,800円+税 判 型|四六版/並製 頁 数|288 ISBN|978-4-480-81562-0 刊 行|2021年11月 Contents 1 未知の旅へ―ヘルシンキ到着 2 VIP待遇―非常事態宣言下の生活と保育園 3 畑の真ん中―保育園での教育・その1 4 技術の問題―保育園での教育・その2 5 母親をする―子育て支援と母性 6 「いい学校」―小学校の入学手続き 7 チャイコフスキーと博物館―日本とフィンランドの戦争認識 8 ロシア人―移民・移住とフィンランド Author 朴 沙羅 パク・サラ 1984年生まれ。専攻は歴史社会学。立命館大学国際関係学部准教授を経て神戸大学大学院国際文化学研究科講師。単著に『外国人をつくりだす――戦後日本における「密航」と入国管理制度の運用』(ナカニシヤ出版)、編著に『最強の社会調査入門』(ナカニシヤ出版)、訳書にポルテッリ『オーラルヒストリーとは何か』(水声社)。
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ベンガル料理が食べたい
¥2,200
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ベンガル料理とは、インドの西ベンガル州からバングラデシュにかけた地域(ベンガル地方)の郷土料理のこと。本書は、インドの打楽器であるタブラの習得のため1997年からほぼ毎年インド・コルカタに通い続けたユザーンが、同じくコルカタでシタールを学んでいる石濱匡雄とタッグを組んで制作したベンガル料理レシピ集の第2弾。 前作『ベンガル料理はおいしい』は米飯に合う料理に特化していたが、今作はチャパティやパロタといった粉物の主食のレシピも掲載。もちろん、それらと相性のいい副菜も数多く紹介している。その他、とっておきのおもてなし料理から屋台飯までを網羅。海外へ行くのがなかなか難しい時期である今だからこそ食べたい、現地そのままのベンガル料理をぜひご家庭で楽しんでほしい。料理写真撮影=木寺紀雄。 [出版社より] 著 者|石濱匡雄 監 修|U-zhaan[ユザーン] 出版社|NUMABOOKS 定 価|2,000円+税 判 型|A4変型判/並製 頁 数|118 ISBN|978-4-909242-08-2 初 版|2022年6月 Contents ・プロローグ ・組み合わせを楽しむベンガル料理 ・ダール ムング豆とレンズ豆のスープ 苦瓜と豆のスープ ウラド豆のスープ ・野菜 焦がしナスの和え物 ジャガイモのマッシュ アルー・ダム 白い芋のトルカリ ジュリ・アルー・バジャ オクラのマスタード煮 ビーツとニンジンのトルカリ ラブラ ニュートレラのダルナ ・魚 鯛と野菜のジョル 鯉のヨーグルトカレー 鮎のマスタードジョル 鰆のパトゥリ ムリゴント 海老のココナッツ蒸し 海老とツルムラサキのチョッチョリ ワカサギのチョッチョリ 干し魚のトルカリ ・肉 赤いチキンカレー 鶏肉のレザラ マトン・ド・ピアザ キーマカレー エッグ・チキン・タルカ 鶏レバーのカレー チリ・チキン ・米・小麦 ルーティー(チャパティ) ルーチー パロタ グリーンピースのコチュリ ブナ・キチュリ バスマティ米の炊き方 ・スナック、サラダ 野菜のチョップ 魚のチョップ シャミ・ケバブ エッグ・チキン・ロール 卵トースト ミックスサラダ インドのサラダ ・スパイス紹介 ・対談 石濱匡雄×ユザーン Author 石濱 匡雄 Tadao Ishihama シタール奏者/1979年、大阪府生まれ。 15歳でインドの弦楽器シタールを習い始め97年渡印、モノジ・シャンカール氏に師事。在印中から様々なコンサート活動、帰国後もインド政府主催のイベント出演や数々のアーティストと共演するなど、国内外で幅広く活動している。 また、インド在住経験を生かし現地の家庭料理の紹介、自身の番組でのラジオパーソナリティなど多彩な側面を持つ。 Supervisor U-zhaan ユザーン タブラ奏者/1977年、埼玉県生まれ。オニンド・チャタルジー、ザキール・フセインの両氏にタブラを師事。坂本龍一、コーネリアス、ハナレグミらをゲストに迎えたソロアルバム『Tabla Rock Mountain』を2014年に発表。2021年にU-zhaan×環ROY×鎮座DOPENESSによるアルバム『たのしみ』をリリース。2022年には蓮沼執太との共作アルバム『Good News』をリリースしている。
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つながり過ぎないでいい——非定型発達の生存戦略
¥1,760
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コミュニケーションで悩む人たちへ——。 コミュニケーションや感情表現が上手できないと悩んだ著者はやがて、当たり障りなく人とやり取りする技術を身につけていく。 だが、難なく意思疎通ができることは、本当に良いこと、正しいことなのか。 なめらかにしゃべれてしまうことの方が、奇妙なのではないか。 「言語とは何なのか」「自分を言葉で表現するとは、どういうことなのか」の深層に迫る、自身の体験を踏まえた「当事者研究」。 自分だけのものであるはずの感情を、多くの人に共通する「言葉で表す」ことなど、どうしてできるのだろうか。そして、人に「伝える」とはどういうことなのか――。言葉、存在、コミュニケーションをめぐる思考の旅が始まる。 [出版社より] 著 者|尹雄大 出版社|亜紀書房 定 価|1,600円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|216 ISBN|978-4-7505-1726-1 初 版|2022年05月 Contents はじめに 1章 それぞれのタイムラインを生きるしかない——定型発達という呪縛 2章 胚胎期間という冗長な生き延び方 3章 社会なしに生きられないが、社会だけでは生きるに値しない 4章 自律と自立を手にするための学習 5章 絶望を冗長化させる あとがき Author 尹 雄大 Yoon Woong-Dae 1970年神戸市生まれ。インタビュアー&ライター。政財界人やアスリート、アーティストなど約1000人に取材し、その経験と様々な武術を稽古した 体験をもとに身体論を展開している。主な著書に『さよなら、男社会』(亜紀書房)、『異聞風土記 1975-2017』『親指が行方不明』(以上、晶文社)、『モヤモヤの正体』(ミシマ社)、『脇道にそれる』(春秋社)など。
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猫コンプレックス母コンプレックス
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母の呪いを猫で解く!? いくら自分が歳を取っても、たとえ亡くなっていても、消えてなくならない存在をどうするのか。ともに猫好きなエッセイストと精神科医による切実真剣往復書簡。 「幼い頃に母を亡くした者は、埋まらない心の空洞を抱えたまま生きなければならないのでしょうか。それもマザコンというのでしょうか」(末井昭「母親の変形した投影」) 「確かに母はわたしが不細工だからとわたしを忌避したりはしませんでした。が、こちらが美しかったら、より本気で愛してくれたのは間違いない。そこが悔しいし悲しい」(春日武彦「隣の女」) [出版社より] 「融通無碍に出入りするかれらと、深部に居座って出て行かないあのひとと。大人の男の心の中は繊細で滋味豊か。いろいろしんどいものを抱えても、とりあえず長生きしようと思わせてくれました」 ──中島京子[小説家] 著 者|末井昭・春日武彦 出版社|イースト・プレス 定 価|1,500円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|312 ISBN|9784781620657 初 版|2022年03月 Contents まえがき 末井 昭 書くことがなくなってからが勝負 第1信 末井昭→春日武彦 猫と話す 第2信 春日武彦→末井昭 鼻ちょうちんや巻き舌のこと 第3信 末井昭→春日武彦 夫婦喧嘩は猫も食わないか? 第4信 春日武彦→末井昭 猫の舌 第5信 末井昭→春日武彦 母親の変形した投影 第6信 春日武彦→末井昭 猫嫌い 第7信 末井昭→春日武彦 キー坊の恋、母の恋 第8信 春日武彦→末井昭 隣の女 第9信 末井昭→春日武彦 結核のバリヤー 第10信 春日武彦→末井昭 罪悪感、その他 第11信 末井昭→春日武彦 壊れた母性本能と工場への失望 第12信 春日武彦→末井昭 漫画もどき 第13信 末井昭→春日武彦 野良たちに安泰はない 第14信 春日武彦→末井昭 一家団欒 第15信 末井昭→春日武彦 ラジオ体操と疥癬タヌキと老いた胎児 第16信 春日武彦→末井昭 覆面レスラーと大工の源さん 第17信 末井昭→春日武彦 ねじ曲がったマザコン 第18信 春日武彦→末井昭 母子像と父子像 第19信 末井昭→春日武彦 腹這いのキー坊と顔コンプレックス 第20信 春日武彦→末井昭 今日はいい日、楽しい日 あとがき 春日武彦 罪悪感といかがわしさと Author 末井 昭 Akira Suei 1948年岡山県生まれ。工員、キャバレーの看板描き、イラストレーターなどを経て、1975年にセルフ出版(現・白夜書房)設立に参加。『NEW SELF』『ウィークエンドスーパー』『写真時代』『パチンコ必勝ガイド』などの雑誌を次々創刊する。2012年に白夜書房を退社。現在はエッセイスト、平成歌謡バンド・ペーソスのテナーサックス奏者として活動。2014年、『自殺』で第30回講談社エッセイ賞受賞。著書に『素敵なダイナマイトスキャンダル』(ちくま文庫)、『結婚』(平凡社)、『末井昭のダイナマイト人生相談』(亜紀書房)、『生きる』(太田出版)、『自殺会議』(朝日出版社)、『100歳まで生きてどうするんですか?』(中央公論新社)ほかがある。 春日 武彦 Takehiko Kasuga 1951年京都府生まれ。日本医科大学卒業。医学博士。産婦人科医として6年間勤務したのち精神科医に転向。都立松沢病院精神科部長、都立墨東病院神経科部長等を経て、現在も臨床に携わる。著書に『不幸になりたがる人たち』(文春新書)、『無意味なものと不気味なもの』(文藝春秋)、『幸福論』(講談社現代新書)、『鬱屈精神科医、占いにすがる』(太田出版)、『猫と偶然』(作品社)、『援助者必携 はじめての精神科 第3版』(医学書院)、『無意味とスカシカシパン』(青土社)、『鬱屈精神科医、怪物人間とひきこもる』(キネマ旬報社) 、『あなたの隣の精神疾患』(インターナショナル新書)、『こころの違和感 診察室』(河出新書)ほか多数。
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ネコは言っている、ここで死ぬ定めではないと
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俺たちはどう死ぬのか? 数えきれぬ患者を診察した元・産婦人科医の精神科医と、数えきれぬ短歌を日々読み続ける歌人。万巻の書物を読んだ二人が、大きなモニターとソファのある精神科医の自宅で、猫を相手に語り尽くす、今考えられるもっとも考えなければならない死と生についてのすべてのこと。 [出版社より] 著 者|春日武彦/穂村弘/ニコ・ニコルソン 出版社|イースト・プレス 定 価|1,600円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|256 ISBN|9784781619972 初 版|2021年07月 Contents 俺たちはどう死ぬのか? 俺たちは死をどのように経験するのか? 俺たちは「死に方」に何を見るのか? 俺たちは「自殺」に何を見るのか? 俺たちは死を前に後悔するのか? 俺たちは死にどう備えるのか? 俺たちは「晩節」を汚すのか? 俺たちは「変化」を恐れずに死ねるのか? 俺たちは死を前に「わだかまり」から逃げられるのか? 俺たちは「死後の世界」に何を見るのか? 俺たちにとって死は「救い」になるのか? 俺たちは「他人の死」に何を見るのか? 俺たちは「動物の死」に何を見るのか? 俺たちは一生の大半を費やすことになる「仕事」に何を見るか? 俺たちは、死にどんな「幸福」の形を見るか? Author 穂村 弘 Hiroshi Homura 1962年、北海道生まれ。歌人。1990年、歌集『シンジケート』でデビュー。その後、短歌のみならず、評論、エッセイ、絵本、翻訳など幅広い分野で活躍。2008年、短歌評論集『短歌の友人』で伊藤整文学賞、連作『楽しい一日』で短歌研究賞を受賞。エッセイ集『鳥肌が』で第33回講談社エッセイ賞受賞。絵本『あかにんじゃ』で第4回ようちえん絵本大賞特別賞受賞。第4歌集『水中翼船炎上中』で第23回若山牧水賞受賞。他の著書に『世界音痴』『もうおうちへかえりましょう』『短歌ください』『ぼくの短歌ノート』『蚊がいる』など多数。 春日 武彦 Takehiko Kasuga 1951年京都府生まれ。日本医科大学卒業。医学博士。6年間産婦人科医として勤務したのち、障害児を産んだ母親のフォローを契機に精神科医となる。都立松沢病院精神科部長、都立墨東病院神経科部長、多摩中央病院院長、成仁病院名誉院長など歴任。著書に『幸福論』(講談社現代新書)、『無意味なものと不気味なもの』(文藝春秋)、『鬱屈精神科医、占いにすがる』(太田出版)、『はじめての精神科 第3版』(医学書院)、『鬱屈精神科医、怪物人間とひきこもる』(キネマ旬報社)など多数。穂村弘との共著に『秘密と友情』(新潮文庫)がある。 ニコ・ニコルソン 宮城県出身。マンガ家・イラストレーター。東日本大震災で全壊した実家を建て直すまでの道のりをコミックエッセイ『ナガサレール イエタテール』(太田出版・第16回文化庁メディア芸術祭マンガ部門審査委員会推薦作品)で描く。その後、祖母が認知症を発症。介護生活の様子を『婆ボケはじめ、犬を飼う』(ぶんか社)、『わたしのお婆ちゃん』(講談社)で描く。佐藤眞一との共著『マンガ 認知症』 (ちくま新書)が話題に。他の著書に『根本敬ゲルニカ計画』(美術出版社)、『アルキメデスのお風呂』 (ビーグリー)など多数。