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生きのびるための事務
¥1,760
芸術家でも誰でも、事務作業を疎かにしては何も成し遂げられない。夢を現実にするたった一つの技術、それが《事務》です。 この作品は作家、建築家、画家、音楽家、「いのっちの電話」相談員として活動する坂口恭平が若い頃に出会った優秀な事務員・ジムとの対話で学び、人生で実践した方法を記したテキストを原作にコミカライズして、《事務》ってめちゃくちゃ大事! ってことが漫画でわかる本です。 「自分に自信がない」「ハードルを高く設定しがち」「悩んで行動に移せない」 ——足らないことは《事務》でした。 [出版社より] 著 者|坂口恭平[原作]・道草晴子[画] 出版社|マガジンハウス 定 価|1,600円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|224 ISBN|9784838732708 発 行|2024年05月 Contents はじめに ジムとの出会い 第1講 事務は『量』を整える 第2講 現実をノートに描く 第3講 未来の現実をノートに描く 第4講 事務の世界には失敗がありません 第5講 毎日楽しく続けられる事務的『やり方』を見つける 第6講 事務は『やり方』を考えて実践するためにある 第7講 事務とは好きとは何か?を考える装置でもある 第8講 事務を継続するための技術 第9講 事務とは自分の行動を言葉や数字に置き換えること 第10講 やりたいことを即決で実行するために事務がある 第11講 どうせ最後は上手くいく あとがき Author 坂口 恭平 Kyohei Sakaguchi 1978年、熊本県生まれ。2001年、早稲田大学理工学部建築学科を卒業。作家、画家、音楽家、建築家など多彩な活動を行なう。2004年に路上生活者の家を収めた写真集『0円ハウス』(リトルモア)を刊行。著作は『ゼロから始める都市型狩猟採集生活』(太田出版)、『独立国家のつくりかた』『苦しい時は電話して』(講談社)、『モバイルハウス 三万円で家をつくる』『TOKYO一坪遺産』(集英社)、『家族の哲学』(毎日新聞出版)、『継続するコツ』『幸福人フー』(祥伝社)、『TOKYO 0円ハウス 0円生活』(河出書房新社)、『躁鬱大学』(新潮社)、『発光』『よみぐすり』(東京書籍)、『自分の薬をつくる』『お金の学校』『中学生のためのテストの段取り講座』(晶文社)、『土になる』(文藝春秋)『まとまらない人』(リトルモア)など。 小説家として『幻年時代』(幻冬舎)、『徘徊タクシー』(新潮社)、『けものになること』(河出書房新社)を発表。ほか画集や音楽集、料理書など、多数の著作がある。 自ら躁鬱(そううつ)病であることを公言。2012年から死にたい人であれば誰でもかけることができる電話サービス「いのっちの電話」を自身の携帯電話(090-8106-4666)で続けている。2023年2月には熊本市現代美術館にて個展「坂口恭平日記」を開催。 道草 晴子 Haruko Michikusa 13歳でちばてつや賞ヤング部門優秀新人賞を受賞するが、14歳で精神科病院に入院。「トーチweb」で連載した山あり谷ありな半生を綴った漫画『みちくさ日記』(リイド社)を2015年に刊行。 「小説新潮」で連載した『よりみち日記』(新潮社)を2020年に刊行。『よりみち日記2』を「考える人」で連載した。2023年に『みちくさ日記』『よりみち日記』『よりみち日記2』を収録した『完本 みちくさ日記』(リイド社)を刊行。漫画や、絵やグッズなどを制作を行い、ギャラリーで絵の個展も精力的に開催している。
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自己否定をやめるための100日間ドリル
¥1,760
あなたを否定するのは誰か? 自身も長らく躁鬱病をわずらい、「いのっちの電話」で死にたいと悩む人たちの声を聞き続けてきた、坂口恭平さん。誰もが一度は経験のある「自己否定」を8つのステップで解明します。自分で自分をいじめない方法を伝授します。 [出版社より] 「坂口くんのオモテ面の活動からは知り得ない試行錯誤、思索、苦しみ、想像と創造の記録。導き出されたのは、自分と対話し、自分を感じ、自分のバディになり、自分を助ける指南のマスターピース。僕も自己否定を減らすことに取り組み続けているけどまだまだ不安定。深く明快なコツでぎっしりな本書は、さらなる安心の書となりました」 ——星野概念(精神科医・文筆家) 「坂口恭平さんの本にさんざん救われてきたけれど、これこそが生きのびるための技術書だ。休んでいても休まらない人に読んでほしい」 ——朱野帰子(『わたし、定時で帰ります。』著者) 著 者|坂口恭平 出版社|アノニマ・スタジオ 定 価|1,600円+税 判 型|四六判/上製 頁 数|312 ISBN|978-4-87758-865-6 発 行|2024年10月 Contents はじめに STEP 1 自己否定とはなにか STEP 2 自己否定を書き出す STEP 3 第三者を登場させる STEP 4 あなたを否定するのは誰か? STEP 5 元気な時の自己否定 STEP 6 自己否定と葛藤 STEP 7 自己否定の正体 STEP 8 一人ではなくなる おわりに [日記]自己否定をやめる100日 Author 坂口 恭平 Kyohei Sakaguchi 1978年、熊本県⽣まれ。2001年、早稲⽥⼤学理⼯学部建築学科を卒業。作家、画家、⾳楽家、建築家など多彩な活動を行う。2004年に路上生活者の家を収めた写真集『0円ハウス』(リトルモア)を刊行。 著作は『生きのびるための事務』(マガジンハウス)、『ゼロから始める都市型狩猟採集生活』(太田出版)、『独立国家のつくりかた』『苦しい時は電話して』(講談社)、『モバイルハウス 三万円で家をつくる』『TOKYO⼀坪遺産』(集英社)、『家族の哲学』(毎⽇新聞出版)、『継続するコツ』『幸福人フー』(祥伝社)、『TOKYO0円ハウス 0円⽣活』(河出書房新社)、『躁鬱大学』(新潮社)、『発光』『よみぐすり』(東京書籍)、『自分の薬をつくる』『お金の学校』『中学生のためのテストの段取り講座』(晶文社)、『土になる』(文藝春秋)『まとまらない人』(リトルモア)など。 小説家として『幻年時代』(幻冬舎)、『徘徊タクシー』(新潮社)、『けものになること』(河出書房新社)を発表。ほか画集や音楽集、料理書など、多数の著作がある。自ら躁鬱(そううつ)病であることを公言。2012年から死にたい人であれば誰でもかけることができる電話サービス「いのっちの電話」を自身の携帯電話(090-8106-4666)で続けている。2023年2⽉には熊本市現代美術館にて個展「坂口恭平日記」を開催。
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武器としての土着思考
¥1,980
奈良県東吉野村への移住実践者で、人文系私設図書館「ルチャ・リブロ」主催者による「土着」論。「都市の原理」と「村の原理」に折り合いを付けながら、いかに世間へ「ルチャ」(格闘)を仕掛けるか。若き在野研究者が綴る、生きる勇気が湧いてくる「逆」自己啓発書。 「相手と関係をつくり、その関係の中でいかに生きていくか。この「相手」には、自分の中の「うまくコントロールできない自分」も含まれています。この相手とともにどう生きていくか。それこそ、僕が考える「闘い」(スペイン語でルチャ)です。だから本書で述べている武器とは、相手の技を受け、さらに強い技で返すことで生命力を高め合うような、「相手がワルツを踊ればワルツを、ジルバを踊ればジルバを」というかの名言にもあるような、「相手があってこその生」を築いていくための思考法のことなのです。本書では、相手との競争に勝つための武器を個別具体的に提示するのではなく、さまざまな事例を取り上げながら、「僕たちの闘い方」を一緒に考えていくことを目的としています。」――「はじめに」より [出版社より] 「青木君の文章と思考はつねに揺らぎ、葛藤している。決して単一原理に執着すまいというつよい決意が彼の文体に『過剰なまでの節度』(そんなものがあるのだ)を与えている。」 ――内田 樹 著 者|青木真兵 出版社|東洋経済新報社 定 価|1,800円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|218 ISBN|9784492224205 発 行|2024年07月 Contents 第1章 僕たちはどう生きづらいのか 1.僕たちが「資本の原理」から逃げ出すべき理由:奈良県東吉野村で生まれた「土着の知」の行き先 2.「生きづらさ」感じる社会をつくる一つの価値観:自分の価値を見失わず、生き抜くための思考法 3.「コスパ」と「スマート」の行き着く先にある「疎外」:「他人から必要とされているのか否か」をやめる 第2章 僕たちが図書館をする理由 4.僕たちが「利益を生まない図書館」を続ける理由:「他者の欲望」模倣より「ちょうどよい」身体実感 5.「風呂なし賃貸物件」は「失われた30年の帰結」だった:社会的貧困を踏まえて「借り」を生活に取り戻す 6.地域社会の「しがらみ」と折り合いをつける思考法:「土着」と「離床」のちょうどいいリアリティ 第3章 東吉野村で「二つの原理」を考える 7.「村の原理」と「都市の原理」に折り合いをつける:実は大事な「昔から続いてきた」「めんどくさい」 8.「もちつもたれつ」で生きのびてきた「神仏習合」:「2つの原理」で此岸と彼岸を行ったり来たり 9.「人間一人では生きていけない」を正面から考える:「個人の原理」と「共同体の原理」の決定的違い 10.『もののけ姫』が描いた「結果より過程」の哲学:目的なく「顔を出す」行為に支えられている社会 第4章 渡世人として生きていく 11.「若者の邪魔」をしてはいけない人口減少社会:年長者は「仕方ねぇなぁ」と待ち続けるしかない 12.寅さんが「何度でも失敗が許される」本当の理由:渡る世間には「ケアと就労」2つの原理が必要だ 13.「ワーク・ライフ・バランス」は「無理ゲー」です:「いい子」を生む経済成長前提の社会構造の限界 14.「リスキリングせよ、さもなくば自己責任」の未来:「ガンダム」が描いた「デジタル社会」への適応 第5章 土着人類学を通してこれからを考える 15.「心は売っても魂は売らない」ファンキーな土着:「逃れられない病」を土臭く泥臭く生きていく 16.「数値化」では世界の本質を理解できない:土着人類学で考える社会との折り合いの付け方 17.「ホラーの帝王」が描いた「選択と集中」が招く悲劇:「話半分に聞く」姿勢で新自由主義を生き抜く 18.「国富でなく民富こそ国力」と喝破した孟子の真意:「実質賃金マイナス」時代に必要な王道政治と士 Author 青木 真兵 Shinpei Aoki 1983年生まれ、埼玉県浦和市(現さいたま市)に育つ。「人文系私設図書館ルチャ・リブロ」キュレーター。古代地中海史(フェニキア・カルタゴ)研究者。博士(文学)。社会福祉士。2014年より実験的ネットラジオ「オムライスラヂオ」の配信をライフワークとしている。2016年より奈良県東吉野村に移住し自宅を私設図書館として開きつつ、現在はユース世代への支援事業に従事しながら執筆活動などを行っている。 著書に『手づくりのアジールーー「土着の知」が生まれるところ』(晶文社)、妻・青木海青子との共著『彼岸の図書館ーーぼくたちの「移住」のかたち』(夕書房)、『山學ノオト』シリーズ(エイチアンドエスカンパニー) 、『つくる人になるためにーー若き建築家と思想家の往復書簡』(光嶋裕介との共著、灯光舎)などがある。
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山岳新校、ひらきました——山中でこれからを生きる「知」を養う
¥1,980
SOLD OUT
一度走り出したものは、止められない止まらない。今必要なのは、惰性に流されず、慣性に埋没しない力ではないか? 「加速する社会からの撤退」をキーワードに、豊かな自然と歴史文化が根づく奈良・奥大和の地で、これからの人生を考える学びの場「山岳新校」。この取り組みを支える現状分析と思想=論考に加え、学校での実践の様子を収めた、記録集。 [出版社より] 編 者|奈良県立大学地域創造研究センター撤退学研究ユニット 出版社|H.A.B 定 価|1,800円+税 判 型|B5変型判/並製・コデックス装 頁 数|208 ISBN|978-4-910882-03-1 発 行|2023年05月 Contents はじめに 学びの究極ー鬼を脱落させる術の修得(堀田新五郎) 地域の縮小にどう向き合うかー「縮充社会」の実現にむけて(作野広和) how toではなく、実質的な学びを(対談:作野広和×堀田新五郎) 若者と文化的撤退ー都市から撤退できない私たちの小さな実践(松岡慧祐) [PROGRAM1]みちのり 撤退的に生きること、創造的に生きること(梅田直美) 不登校の歴史と撤退ー語る言葉と生のあり処を探す場所をつくる(林尚之) 撤退的に生きるためにーオルタナティブな学びの場の可能性(対談:林尚之× 梅田直美) つまらないゲームに乗らないための術ーただ正面対決だけしている場合ではないが逃げるだけでも息切れする(伊藤洋志) みちのりレポート 「みちのり」とは? 2022年開講レポート [PROGRAM2]山學院 山村で気づく「クリエイティブ」と「アニミズム」(対談:坂本大祐×青木真兵) 山學院レポート 「山學院」という場 2022年開講レポート [PROGRAM3]芸術学校 つながりの中で捉える「芸術学校」(西尾美也) 奥大和における芸術実践と「最後」の練習(西尾美也) おわりに Editor 奈良県立大学地域創造研究センター撤退学研究ユニット 「知的撤退の研究―慣性の力学からの撤退可能性を探る」研究ユニット。日本の現況の諸問題、急速な人口減少、地方消滅、財政赤字、年金崩壊、環境激変……。これらを生活習慣病、慣性の力学として捉え、知的撤退の可能性を研究と実践を通じて提起する。 山岳新校 「加速する社会からの撤退」をキーワードに、豊かな自然と歴史文化が根づく奈良・奥大和の地で、これからの人生を考える学びの場。 堀田新五郎,作野広和,林尚之,坂本大祐,青木真兵,松岡慧祐,西尾美也,梅田直美(寄稿)伊藤洋志,仲子秀彦,中森一輝,八神実優,「みちのり」参加者のみなさん。
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壇蜜的人間学。
¥1,980
「なぜ人間は病気になるのだろう?」「運がいいってどういうこと?」壇蜜さんと8人の専門家による知的好奇心が刺激される対談集。 ここ数年、私たちは混沌とした世の中を生きている。そのような状況下、私たちは「病気になるということはどんなこと?」「なぜ占いにすがるのだろう」などといった、人間が本来備えている感情や欲望とは何かというところにまで考えが及ぶようになったのではなかろうか。 人間の中に湧き上がってくるさまざまな感情や欲望……。それらは人間が生きる意味を考えるうえで非常に大切なことだ。そしてその考えるという行為を通してみえてくるものは、わたしたちが本当に大切にしたいものなのではなかろうか。 本書では、人間のあらゆる感情や欲望の中から特に重要な要素を選び、壇蜜氏が各方面の専門家、研究者らに話を伺う。対談を通じて、壇蜜氏ならではの視点で人間とは何かを見つめ直し、読み手に新たな発見をもたらす内容とする。 [出版社より] 著 者|壇蜜 出版社|平凡社 定 価|1,800円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|248 ISBN|9784582839364 発 行|2024年07月 Contents はじめに もう一度授業に出たくなった 「病気」になるってどういうこと? 仲野 徹 対談を終えて「思春期レモン水事件」の記憶 「セックス」について考えてみた。 奥野克巳 対談を終えて「戒名」よりも「鼻笛」のほうがいい なぜ「老い」、なぜ「死ぬ」のか 小林武彦 対談を終えて「老い」と「死」の中間地点を「楽しむ」 「アート」は難しい!? 南條史生 対談を終えて「アート海原遭難者」からの脱却 「占い」って何だろう 鏡リュウジ 対談を終えて 歴史は今と未来を生きるためにある 「科学技術」は何のためにある? 佐倉 統 対談を終えて 昔の部分も残して暮らそう 「宗教」について考えてみた。 島薗 進 対談を終えて ヘレン・ケラーの死と曾祖父の死 おわりに 学ぶということは暮らしの中に溢れている Author 壇蜜 Danmitsu 1980年秋田県生まれ。昭和女子大学卒業後、日本舞踊師範、調理師など数々の資格を取得。29歳でグラビアアイドルとしてデビュー。現在、ラジオやWEB連載などで活躍中。主な著書に『壇蜜日記』(文春文庫)、『エロスのお作法』(だいわ文庫)、『どうしよう』(マガジンハウス)、『三十路女は分が悪い』(中央公論新社)など。 壇蜜オフィシャルブログ「黒髪の白拍子。」https://ameblo.jp/sizuka-ryu/
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ぼくらの「アメリカ論」
¥2,200
ぼくらのどこかに、いつも「アメリカ」がある——。 思想家、建築家、文学者。東吉野、神戸、高知--専門も居住地も違う3人が、互いの言葉に刺激されながら「アメリカ」「日本」、そして自らを見つめる、対話型リレーエッセイ。 分断が進み、ますます混沌とする世界情勢。11月のアメリカ大統領選が話題となる一方、「アメリカ」をどう捉えたらいいのかわからない状況が続いています。危機感を抱いた青木真兵さん(人文系私設図書館ルチャ・リブロキュレーター)の呼びかけに、米国で生まれ育った建築家の光嶋裕介さん、米文学を研究する白岩英樹さんが賛同。2023年10月、それぞれが自らの中の「アメリカ」を問い直すリレーエッセイが始まりました。 「生き直し」の先駆者、公平性にもとづく自由な社会、ヨーロッパの支流としての新しい国……3人が抱くアメリカのイメージは、対話を重ねるほどに深化し、ぶつかり、離れたかと思うとまた1つになっていきます。読むうちに、「自分にとってのアメリカ」がやさしく揺さぶられ、世界を見る目が更新される--今このときに多くの人に届けたい、真摯で率直な全18回の対話集です。 「ぼくたちの「未来を見る目」には、「アメリカ的なるもの」が標準装備されているのに、今、自分の中の「アメリカ」と現実の「アメリカ」は、あまりにかけ離れている」 ——青木真兵 「世界は今、空間的にも、時間的にも、引き裂かれている。2つの言語(自我)を往来しながら、跳躍を重ねる対話をしてみたい」 ——光嶋裕介 「なぜいまさらアメリカなのか。それは、彼の地がいまなお「未完」の革命を繰り返す「生き直し・再生」の場であり続けているからである」 ——白岩英樹 [出版社より] 著 者|青木真兵・光嶋裕介・白岩英樹 組 版|川名潤 出版社|夕書房 定 価|2,000円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|280 ISBN|978-4-909179-11-1 初 版|2024年10月 Contents はじめに 青木真兵 1 「生き直し」のヒントを探す旅へ 白岩英樹 2 小さな跳躍を重ねて、獲得する大きな自由 光嶋裕介 3 僕の人生に「アメリカ」は関係がないと思っていた 青木真兵 4 「移民国家」アメリカ--「文明人」はどちらなのか 白岩英樹 5 「アメリカ」をどこから見るべきか 青木真兵 6 オフィスビルという欲望の建築の終焉 光嶋裕介 7 戦争と分断に抗って「線路」を延ばす 白岩英樹 8 アメリカの「自由と民主主義」が抱えるもの 青木真兵 9 フラーから考える建築家の倫理 光嶋裕介 10 What Are You Standing On? 白岩英樹 11 食糧から見る、アメリカの現在地 青木真兵 12 モグラの手つきで--抵抗と連帯の詩学へ 白岩英樹 13 自然と対峙した完全芸術家のまなざし 光嶋裕介 14 「ちょうどよく」とどめる精神で 青木真兵 15 沈黙と光を愛した遅咲きの建築家 光嶋裕介 16 同じ筏のうえで--あなたはわたしになったあなたを殺せない 白岩英樹 17 原爆、安保、沖縄 青木真兵 18 終わらない会話のために 光嶋裕介 おわりに 白岩英樹 Author 青木 真兵 Shinpei Aoki 1983年生まれ、埼玉県浦和市(現さいたま市)に育つ。「人文系私設図書館ルチャ・リブロ」キュレーター。博士(文学)。社会福祉士。2014年より実験的ネットラジオ「オムライスラヂオ」の配信をライフワークとしている。2016年より奈良県東吉野村で自宅を私設図書館として開きつつ、執筆活動などを行っている。著書に『武器としての土着思考』(東洋経済新報社)、『手づくりのアジール』(晶文社)、妻・青木海青子との共著に『彼岸の図書館』(夕書房)、『山學ノオト』シリーズ(エイチアンドエスカンパニー)、光嶋裕介との共著に『つくる人になるために』(灯光舎)がある。 光嶋 裕介 Yusuke Koshima 1979年、アメリカ・ニュージャージー州生まれ。建築家。一級建築士。博士(建築学)。早稲田大学理工学部建築学科修了。ドイツの建築設計事務所で働いたのち2008年に帰国、独立。建築作品に内田樹氏の自宅兼道場《凱風館》、《旅人庵》、《森の生活》、《桃沢野外活動センター》など。著書に『ここちよさの建築』(NHK出版 学びのきほん)、『これからの建築』『つくるをひらく』(ミシマ社)、『建築という対話』(ちくまプリマー新書)、『増補 みんなの家。』(ちくま文庫)などがある。 白岩英樹 Hideki Shiraiwa 1976年、福島県郡山市生まれ。高知県立大学文化学部/人間生活学研究科准教授。専門はアメリカ文学、比較思想、比較芸術。早稲田大学卒業後、AP通信などの勤務を経て、大阪芸術大学大学院芸術文化研究科博士後期課程修了。博士(芸術文化学)。2020年4月より高知市に在住。著書に『講義 アメリカの思想と文学』(白水社)、共著に『ユニバーサル文学談義』(作品社)、翻訳書にキャスリーン・マシューズ『祝福の種』(作品社)などがある。
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教室を生きのびる政治学
¥1,870
必要なのは、半径5メートルの安全保障だ! 国会でも会社でも商店街の会合でも、そして学校のなかでも、人間の行動には同じ力学=「政治」が働いている……。いまを生きるわたしたちに必要なのは半径5メートルの安全保障[安心して暮らすこと]だ! 学校生活のモヤモヤを政治学から見てみると、わたしたちはとっくに政治に巻き込まれていた! ・自治:女子の靴下だけ黒限定のトンデモ校則 ・議会:かみ合わなくてイライラがつのる学級会 ・多数決:むりやり感あふれる過半数ルール ・公平:不登校を「ズルい」と思ってしまう気持ち ・支持:意見を言えない人はどうする?問題 心をザワつかせる不平等も、友だち関係のうっとうしさも、孤立したくない不安も……。教室で起きるゴタゴタには、政治学の知恵が役に立つ。学校エピソードから人びとのうごめきを読みといて、社会生活をくぐりぬけていこう。人が、社会が、政治が、もっとくっきり見えてくる。 [出版社より] 著 者|岡田憲治 出版社|晶文社[犀の教室] 定 価|1,700円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|304 ISBN|978-4-7949-7359-7 初 版|2023年04月 Contents はじめに 序章 大前提――力を抜いて自分を守る ――善・悪・社会 教室のなかの安全保障/だれも立派にはなれません/友だちが一〇〇人も必要なワケがない/世界史に一度しか登場しない僕たち 第1章 言うことを聞く/聞かせるということ ――権力・合意・自治 政治とは「選ぶ」こと/僕たちの心の習慣――理由を放置したまま従う/トンデモ校則は守るべき?/「みんなで決めた」というフィクション 第2章 どうして「話し合い」などするのか ――議論・中立・多数決 話し合いは失敗する/偏りを確認するために/「論破」に含まれているもの/多数決=民主主義?――とりあえずの風速計/黙っているが考えている/言い出せない人のための政治 第3章 仲間をつくるということ ――対立・支持・連帯 友だちより「仲間」を/対立を恐れず、やみくもに戦わず/上も下もない対等な僕たち――協力関係の組み立て 第4章 平等をめぐるモヤモヤ ――公平・公正・分配 心がザワつく厄介な「平等」/平等を切り分けてみる/平等でないと困る理由 第5章 政治は君たちの役に立つ ――責任・民主主義・政治 自己責任論なんて無視してよいのだ/やり直しが前提のシステム――民主主義/学校でも家でもない場所へ おわりに 大人はなかなか変わりにくい/こんな世の中にしてしまった/政治学は教室を放置してきた/僕たちもかつては君たちだった Author 岡田 憲治 Kenji Okada 政治学者、専修大学法学部教授。1962年、東京生まれ。著書に『政治学者、PTA会長になる』(毎日新聞出版)、『なぜリベラルは敗け続けるのか』(集英社インターナショナル)、共著に『転換期を生きるきみたちへ』(内田樹編、晶文社)など多数。愛称オカケン。広島カープをこよなく愛する2児の父。
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田舎の未来 手探りの7年間とその先について
¥1,540
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「父親が体調をくずして仕事をやめた。田舎でどんな仕事ができるのだろうか」。 2012年9月、教育実習で帰っていた北海道の実家のパソコンで書いたブログが大きな反響を呼んだ。それから7年、大学生、広告代理店、大学院、再び会社員、そしてフリーランスと立場を変えながら、ずっと「田舎の未来」のことを考え、実践し、試行錯誤し続けている若者の記録。「仕事文脈」創刊号からの長期連載まとめです。〈シリーズ3/4〉第4弾。 [出版社より] 著 者|さのかずや 出版社|タバブックス 定 価|1,400円+税 判 型|B6変型判/並製 頁 数|176 ISBN|978-4-907053-32-1 初 版|2019年04月 Contents 田舎だからできることと、その可能性について 最後尾から最先端へ。島根の離島、海士町で見たもの ぼくが1年考えた、「田舎の未来」について 都会から見る、田舎の未来について ステッカーを作って考えた、田舎におけるシンボルについて イベントを実施して考えた、田舎に埋もれる資産について 都会と田舎の家と仕事、その未来について さとり世代の将来の夢と、「仕事」を疑うことについて 文化のための「食っていく」コストと、 プラットフォームについて 修士論文と電通事件と、働きすぎないカルチャーについて 「ていねいな暮らし」がもたらす、 都市と地方、身体と精神の分断について 規模とお金、それでもやるべきことの境界について 生活の余裕と心の支え、フリーランス半年の悩みごとについて コミュニティの生きづらさとポジショントーク、 ぼくが目指す田舎の未来について Author さのかずや Kazuya Sano 1991年生まれ。北海道の右上のほう、遠軽町出身。工学部から広告代理店営業、大学院(IAMAS)などを経て、現在はフリーランスで地方にまつわる企画やプロジェクトマネジメントなどを行う。インターネット地域メディア「オホーツク島」を運営。
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ヘルシンキ 生活の練習
¥1,980
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「私たち女性は、すべてを手に入れたいのです」。 二人の小さな子どもと移住した社会学者による、おもしろくてためになる、フィンランドからの現地レポート。 [出版社より] 著 者|朴沙羅 出版社|筑摩書房 定 価|1,800円+税 判 型|四六版/並製 頁 数|288 ISBN|978-4-480-81562-0 刊 行|2021年11月 Contents 1 未知の旅へ―ヘルシンキ到着 2 VIP待遇―非常事態宣言下の生活と保育園 3 畑の真ん中―保育園での教育・その1 4 技術の問題―保育園での教育・その2 5 母親をする―子育て支援と母性 6 「いい学校」―小学校の入学手続き 7 チャイコフスキーと博物館―日本とフィンランドの戦争認識 8 ロシア人―移民・移住とフィンランド Author 朴 沙羅 パク・サラ 1984年生まれ。専攻は歴史社会学。立命館大学国際関係学部准教授を経て神戸大学大学院国際文化学研究科講師。単著に『外国人をつくりだす――戦後日本における「密航」と入国管理制度の運用』(ナカニシヤ出版)、編著に『最強の社会調査入門』(ナカニシヤ出版)、訳書にポルテッリ『オーラルヒストリーとは何か』(水声社)。
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つながり過ぎないでいい——非定型発達の生存戦略
¥1,760
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コミュニケーションで悩む人たちへ——。 コミュニケーションや感情表現が上手できないと悩んだ著者はやがて、当たり障りなく人とやり取りする技術を身につけていく。 だが、難なく意思疎通ができることは、本当に良いこと、正しいことなのか。 なめらかにしゃべれてしまうことの方が、奇妙なのではないか。 「言語とは何なのか」「自分を言葉で表現するとは、どういうことなのか」の深層に迫る、自身の体験を踏まえた「当事者研究」。 自分だけのものであるはずの感情を、多くの人に共通する「言葉で表す」ことなど、どうしてできるのだろうか。そして、人に「伝える」とはどういうことなのか――。言葉、存在、コミュニケーションをめぐる思考の旅が始まる。 [出版社より] 著 者|尹雄大 出版社|亜紀書房 定 価|1,600円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|216 ISBN|978-4-7505-1726-1 初 版|2022年05月 Contents はじめに 1章 それぞれのタイムラインを生きるしかない——定型発達という呪縛 2章 胚胎期間という冗長な生き延び方 3章 社会なしに生きられないが、社会だけでは生きるに値しない 4章 自律と自立を手にするための学習 5章 絶望を冗長化させる あとがき Author 尹 雄大 Yoon Woong-Dae 1970年神戸市生まれ。インタビュアー&ライター。政財界人やアスリート、アーティストなど約1000人に取材し、その経験と様々な武術を稽古した 体験をもとに身体論を展開している。主な著書に『さよなら、男社会』(亜紀書房)、『異聞風土記 1975-2017』『親指が行方不明』(以上、晶文社)、『モヤモヤの正体』(ミシマ社)、『脇道にそれる』(春秋社)など。
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猫コンプレックス母コンプレックス
¥1,650
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母の呪いを猫で解く!? いくら自分が歳を取っても、たとえ亡くなっていても、消えてなくならない存在をどうするのか。ともに猫好きなエッセイストと精神科医による切実真剣往復書簡。 「幼い頃に母を亡くした者は、埋まらない心の空洞を抱えたまま生きなければならないのでしょうか。それもマザコンというのでしょうか」(末井昭「母親の変形した投影」) 「確かに母はわたしが不細工だからとわたしを忌避したりはしませんでした。が、こちらが美しかったら、より本気で愛してくれたのは間違いない。そこが悔しいし悲しい」(春日武彦「隣の女」) [出版社より] 「融通無碍に出入りするかれらと、深部に居座って出て行かないあのひとと。大人の男の心の中は繊細で滋味豊か。いろいろしんどいものを抱えても、とりあえず長生きしようと思わせてくれました」 ──中島京子[小説家] 著 者|末井昭・春日武彦 出版社|イースト・プレス 定 価|1,500円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|312 ISBN|9784781620657 初 版|2022年03月 Contents まえがき 末井 昭 書くことがなくなってからが勝負 第1信 末井昭→春日武彦 猫と話す 第2信 春日武彦→末井昭 鼻ちょうちんや巻き舌のこと 第3信 末井昭→春日武彦 夫婦喧嘩は猫も食わないか? 第4信 春日武彦→末井昭 猫の舌 第5信 末井昭→春日武彦 母親の変形した投影 第6信 春日武彦→末井昭 猫嫌い 第7信 末井昭→春日武彦 キー坊の恋、母の恋 第8信 春日武彦→末井昭 隣の女 第9信 末井昭→春日武彦 結核のバリヤー 第10信 春日武彦→末井昭 罪悪感、その他 第11信 末井昭→春日武彦 壊れた母性本能と工場への失望 第12信 春日武彦→末井昭 漫画もどき 第13信 末井昭→春日武彦 野良たちに安泰はない 第14信 春日武彦→末井昭 一家団欒 第15信 末井昭→春日武彦 ラジオ体操と疥癬タヌキと老いた胎児 第16信 春日武彦→末井昭 覆面レスラーと大工の源さん 第17信 末井昭→春日武彦 ねじ曲がったマザコン 第18信 春日武彦→末井昭 母子像と父子像 第19信 末井昭→春日武彦 腹這いのキー坊と顔コンプレックス 第20信 春日武彦→末井昭 今日はいい日、楽しい日 あとがき 春日武彦 罪悪感といかがわしさと Author 末井 昭 Akira Suei 1948年岡山県生まれ。工員、キャバレーの看板描き、イラストレーターなどを経て、1975年にセルフ出版(現・白夜書房)設立に参加。『NEW SELF』『ウィークエンドスーパー』『写真時代』『パチンコ必勝ガイド』などの雑誌を次々創刊する。2012年に白夜書房を退社。現在はエッセイスト、平成歌謡バンド・ペーソスのテナーサックス奏者として活動。2014年、『自殺』で第30回講談社エッセイ賞受賞。著書に『素敵なダイナマイトスキャンダル』(ちくま文庫)、『結婚』(平凡社)、『末井昭のダイナマイト人生相談』(亜紀書房)、『生きる』(太田出版)、『自殺会議』(朝日出版社)、『100歳まで生きてどうするんですか?』(中央公論新社)ほかがある。 春日 武彦 Takehiko Kasuga 1951年京都府生まれ。日本医科大学卒業。医学博士。産婦人科医として6年間勤務したのち精神科医に転向。都立松沢病院精神科部長、都立墨東病院神経科部長等を経て、現在も臨床に携わる。著書に『不幸になりたがる人たち』(文春新書)、『無意味なものと不気味なもの』(文藝春秋)、『幸福論』(講談社現代新書)、『鬱屈精神科医、占いにすがる』(太田出版)、『猫と偶然』(作品社)、『援助者必携 はじめての精神科 第3版』(医学書院)、『無意味とスカシカシパン』(青土社)、『鬱屈精神科医、怪物人間とひきこもる』(キネマ旬報社) 、『あなたの隣の精神疾患』(インターナショナル新書)、『こころの違和感 診察室』(河出新書)ほか多数。
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人生相談を哲学する
¥1,980
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哲学者が右往左往しながら思索する、前代未聞の人生相談。人生相談は人間とは何か? という真理につながる扉。その場しのぎの〈処方箋〉から全力で遠ざかり、正解のない世界へ誘う哲学エッセイ。 哲学カフェ、学校授業でとりあげられた話題連載を書籍化! 悩んだとき、「哲学」したいときに出会いたい本&映画のガイドつき。 [出版社より] 著 者|森岡正博 出版社|生きのびるブックス 定 価|1,800円+税 判 型|四六判・並製 頁 数|224 ISBN|978-4-910790-00-8 発 行|2022年03月 Contents まえがき ◆第1部 Q1:人を喜ばせる努力ばかりするのはもう嫌です。 Q2:友だちから「いい人であることをアピールしたいんだろ」と言われてボランティアをやめました。他人への優しさも利己的なものだと思うようになりました。 Q3:私は自分にコンプレックスを持っています。人と出会いたいのに人とかかわることが怖いです。「自分を愛さなければ、人から愛されない」という言葉に吐き気を感じます。どうすれば自分を好きになれるのでしょうか。 Q4:うまく話せた実感がなく、本音とのギャップがあり、表面的な話しかできません。沈黙が怖くてペラペラしゃべってしまいます。 Q5:自己成長のために、社会貢献などいろんな活動に参加してきましたが、身近な人間関係が疎遠になります。自己成長を軸に、人と上手に付き合っていくにはどうしたらいいでしょうか。 Q6:相手の意見を否定せずに受け入れることはできますが、自己主張が苦手です。他人からどう思われるか気にしすぎているのかもしれません。自信を持つにはどうすればよいでしょうか。 ◆コラム① 誘惑に負けそうになったとき/自分を励まそう/自殺について/永遠はどこにあるのか?/愛する気持ちとは/孤独を楽しむには ◆第2部 Q7:私は哲学が好きですが、哲学者の肩書きに定義はあるのでしょうか。哲学者の苦悩や喜びはどんなものでしょう? Q8:小説家を目指して出版社の文学賞に応募するつもりですが、「書くことが苦しい」です。イメージする言葉にたどりつけません。でも書きたいのです。 Q9:たくさんのことに興味があり、将来の夢は広がるのですが、大学受験が近づいてきて具体的な進路が決まりません。このままでは無意味な人生を送りそうで怖いです。 Q10:結婚したいのですが、その見通しが立ちません。「プロポーズされた」という話を聞くと、他人の幸せをねたんでしまいます。どうしたら醜い心を捨てて、他人の幸せを喜べる人間になれるでしょう。 ◆コラム② 故郷を離れてみよう/ペットを飼う後ろめたさ/やさしくしたいのに、やさしくできない/正しい怒りとは?/武器を取って戦いますか?/贈る言葉 ◆第3部 Q11:私は反抗期がありませんでした。両親とぶつかる経験がなかったので、いまでも自己主張ができません。ですが、飲み込んできた不満がだんだんと抑えられなくなりました。いまから成長過程をやり直すことはできるでしょうか? Q12:サラリーマン生活になじめず、退職して警備員をしています。自己実現できる仕事をしたいのですが、現実はぜんぜん違います。生活のためだけに働くのは、努力が空回りして、本当につらいです。 Q13:大切な同性の友人と金銭感覚が合いません。私は裕福な家庭ではないのに、友人はまた新しいブランド品を持っているのかと思うと怒りに似た感情が湧いてきます。 Q14:楽してもうかる仕事がいちばんいいと本気で思います。仕事とは苦労を伴うものだというのはピンときません。どこか間違っていますか? Q15:私は、自分にとって最高の出来事があると、自慢したくなるのですが、友だちは「自慢する人は最悪だよね」と言います。自慢は悪いことではないと思います。どうしたらいいですか? ◆「人生相談の哲学」をもういちど考えてみる ◆悩んだとき、「哲学」したいときに出会いたい本&映画 あとがき Author 森岡 正博 Masahiro Morioka 1958年高知県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士後期課程単位取得退学。大阪府立大学にて、博士(人間科学)。東京大学、国際日本文化研究センター、大阪府立大学現代システム科学域を経て、早稲田大学人間科学部教授。哲学、倫理学、生命学を中心に、学術書からエッセイまで幅広い執筆活動を行なう。 著書に、『生命学に何ができるか――脳死・フェミニズム・優生思想』(勁草書房)、『増補決定版 脳死の人』『完全版 宗教なき時代を生きるために』(法藏館)、『無痛文明論』(トランスビュー)、『決定版 感じない男』『自分と向き合う「知」の方法』(ちくま文庫)、『生命観を問いなおす――エコロジーから脳死まで』(ちくま新書)、『草食系男子の恋愛学』(MF文庫ダ・ヴィンチ)、『33個めの石――傷ついた現代のための哲学』(角川文庫)、『生者と死者をつなぐ――鎮魂と再生のための哲学』(春秋社)、『まんが 哲学入門――生きるって何だろう?』(講談社現代新書)、『生まれてこないほうが良かったのか?』(筑摩選書)ほか多数。
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自分を愛するということ(あるいは幸福について)
¥1,650
長いこと、「もっと愛されたい」と苦しんできた著者。 でも、「愛すること」、まずは自分自身で自分をいたわり、愛することが、幸福の始まりなのではないか。 自分をどうしたら愛せるのか。 他者とどう関わればいいのか。 ――そんな悩みに苦しむ、名前も顔も知らない仲間たちへ。 他者との関係に悩み、心細さを抱えている人たちへ贈るエッセイ集。 [出版社より] 「もがいて見つけたものを私は信じる。それが世の感覚からズレていたとしても」 ——こだま 「一読、自分へのこだわりが半減し愛が倍になった。幸せとはこれか! と膝を打ちました」 ――吉村萬壱 著 者|佐々木ののか 出版社|亜紀書房 定 価|1,500円+税 判 型|四六判/上製 頁 数|136 ISBN|978-4-7505-1734-6 初 版|2022年03月 Contents 愛 猫 相撲 時間 悲しみ 憂鬱 実家暮らし 安心 逃げる 絶縁 犬になる ていねいな暮らし 手触り 贈り物 東京 古本 パンの種 不健康 選ばない 赤い髪 創作 物語 絶望 本を推す 服 羊毛 老い 写真 孤独と孤立 おわりに Author 佐々木 ののか Nonoka Sasaki 文筆家。1990年北海道帯広市生まれ。自分の体験や読んだ本を手がかりにしたエッセイを執筆するほか、新聞や雑誌の書評欄に寄稿している。著書に『愛と家族を探して』(亜紀書房)。2021年1月、愛猫とともに北海道・十勝に拠点を移し、執筆を続けている。
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きみがつくる きみがみつける 社会のトリセツ
¥1,980
10代の人たちへ手渡したい「学び」をシェアするために、「学びのシェア会」というコミュニティで活動しているメンバーが執筆した本書。大人たちが、「これは10代で知っておきたかった」「今の10代にもきっと必要」というテーマを取り上げ、これらをトリセツ(取扱説明書)にまとめました。 大人と子どものはざまの時期を生きる10代の人たちが、失敗しながらでも、かけがえのない人生をつくっていってほしい、あなたの人生を、あなたの社会を、あなたが選択してつくっていってほしい、という願いを込めて。そして、共に社会をつくる仲間としての歓迎の気持ちをいっぱい詰めた本です。 [出版社より] 著 者|稲葉麻由美・高橋ライチ・舟之川聖子 出版社|三恵社 定 価|1,800円+税 判 型|A5判・並製 頁 数|248 ISBN|9784866933283 発 行|2020年12月 Contents 第1章 あなたの心と身体のこと 思春期のトリセツ 性と生のトリセツ 体調のトリセツ ほか 第2章 あなたと誰かの関係性 友だちのトリセツ 会話のトリセツ 恋のトリセツ ほか 第3章 あなたと社会の関係性 場のトリセツ パートナーシップのトリセツ 仕事のトリセツ ほか Author 稲葉 麻由美 Mayumi Inaba 呼吸シェアリスト、カウンセラー&セラピスト。生きづらさに悩んだ経験から、自分のありのままを受け入れ、自然に楽に生きるためのワークやカウンセリング、セラピーを提供。トラウマ治療に関するセラピー、呼吸(身体ワーク)、コミュニケーション、心理学、性暴力について学び、実践したり発信したりしている 高橋 ライチ Litchi Takahashi カウンセラー。「わかってもらえない」「聞いてもらえない」「自分は変わっている」「居心地のよい場がない」という幼少期の体験から、コミュニケーションや心理学を学ぶ。これらを学ぶ場の必要性を感じ、話を聴く場、話の聴き方を教える講座を開いている 舟之川 聖子 Seiko Funanokawa 鑑賞対話ファシリテーター。幼い頃から観ること、感じること、考えること、表現することに喜びをおぼえる一方、培った感性を発揮する場や仲間を見つけることに苦労してきた。芸術文化作品の鑑賞と対話の場づくりを通して、人々の連帯、社会課題を解決するための個々のエンパワメント、日本における芸術文化への理解と継承を目指している。
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親指が行方不明――心も身体もままならないけど生きてます
¥1,650
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ぎこちない、まとまらない、よそよそしい。 この「こころ」と「からだ」をどう生きるか。 内側にある「もう一人の自分」との出会い方。 自らの身体の層に宿る「さまざまな他者」との出会いがもたらすものとは……。 親指が動かず、骨盤は曲がり、背骨がねじれ、強迫性衝動(未満)、自律神経失調(未満)、学習障害(未満)……等々。数えきれない「ままならなさ」を抱える著者による、当事者研究の新しい極北。 [出版社より] 「我々の心と意識と身体は、実は別々のタップを踏み続けている。足が絡まり転びそうになりながらも、我々は人生という舞台で踊り続けるのだ。普段見落とされている、この生きづらさの本質を、著者は活き活きと暴き出す。このことが納得できるだけで、どれだけ多くの人生が救われることだろうか」 ——名越康文[精神科医)] 著 者|尹雄大 出版社|晶文社 定 価|1,500円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|192 ISBN|978-4-7949-7299-6 初 版|2022年03月 Contents 第1章 バラバラにズレた心と身体のあいだ 「だって心がそうさせるだもん」 チックとお祓い ナチスの行進 病を病んでいないことが最大の病 第2章 ズレているのにズレてはいけない奇妙な世界 「意識する」が現状にもたらしたこと 「小さく前へならえ」という謎の振る舞い 病を生きてしまわない 第3章 「 あいだ」からみた現実 白昼夢という現実もある 生きづらさの現実はどこに宿る 生きづらさの感覚のリアリティ 内観的な身体 第4章 身体観から現実を捉える インクルーシブな社会を憂う 概念の外に出ることはできるのか 統合されることのない「あいだ」にある身体 痛みと苦はどこにある 親密さが積み上がらない 第5章 武術が教えてくれたこと:身体と現実の多層性 取り合わないコミュニケーションと身体の層 よそよそしいからこそ相手に触れられる 心眼があった時代の身体 腹と肚と胎 死も Author 尹 雄大 Yoon Woong-Dae 1970年神戸市生まれ。インタビュアー&ライター。政財界人やアスリート、アーティストなど約1000人に取材し、その経験と様々な武術を稽古した体験をもとに身体論を展開している。主な著書に『異聞風土記』(晶文社)、『さよなら、男社会』(亜紀書房)、『モヤモヤの正体』(ミシマ社)、『体の知性を取り戻す』(講談社)、『脇道にそれる』(春秋社)など。
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フツーに方丈記
¥1,760
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人生詰んだ!? そんな時、方丈記は役に立つ。 コロナ禍と親の介護で崩壊した、これまでのハッピー隠居ライフ。実家に戻り、父親のおしめを替え、家族の食事を作りながら、いつもフツーに傍らにあったのは方丈記だった--。 『年収90万円でハッピーライフ』『なるべく働きたくない人のためのお金の話』著者・大原扁理、最新作。 [出版社より] 著 者|大原扁理 出版社|百万年書房 定 価|1,600円+税 判 型|四六判・並製 頁 数|248 ISBN|978-4-910053-26-4 初 版|2022年02月 Contents なぜ、いま方丈記なのか(まえがきにかえて) Ⅰ あたらしい方丈記(大原扁理・監訳) Ⅱ コロナ禍に方丈記を読みながら考えたこと 1 日々は無常のレッスン 2 私たちが社会に依存する時、社会も私たちに依存している 3 人間らしさとは何か 4 いいじゃないですか、大したことない人生だって Ⅲ 方丈記(総ルビ付き原文) Author 大原扁理 Henri Ohara 1985年愛知県生まれ。25歳から東京で週休5日・年収90万円の隠居生活を始める。31歳で台湾に移住し、3年半隠居生活を実践するが、現在はコロナの影響で帰国。著書に『隠居生活10年目 不安は9割捨てました』(大和書房)『いま、台湾で隠居しています』(K&Bパブリッシャーズ)、『なるべく働きたくない人のためのお金の話』(百万年書房)などがある。
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転んでもいい主義のあゆみ 日本のプラグマティズム入門
¥2,200
「ふわふわ」を正し、じたばたしながら、「くよくよ」を守れ。 ポジティブになれない日本人のための試行錯誤論、ここに見参!! 在野研究者・荒木優太が日本のプラグマティズム受容史を探索しながら「転んでもいい主義」をガイドする、待望の新刊! ー 試行錯誤は人間の最大の武器であるはずなのに、今の日本には「可謬主義=転んでもいい主義」が足りない──! 「失敗すること」を日本人はどう考えてきたのか? 異様に前向きなアメリカ文化によって開拓されたプラグマティズム思想が日本でどのように受容されてきたのか(されてこなかったのか)、その歴史をたどりながら人間の生の営みのその根本へと手探りで進んでいく。 人生はクソゲー。だけど「七転び八起き」で生きていく勇気がわいてくる、「八回目に起き上がるための」日本式プラグマティズム入門書。 ★プラグマティズムって……なに? ・間違ってもいいんだよ、人間だもの。 ・習うより慣れろ。 ・やってみなくっちゃ分からない! ……だいたいこんな感じのやつ。 [出版社より] 著 者|荒木優太 出版社|フィルムアート社 定 価|2,000円+税 判 型|四六判/仮フランス装 頁 数|248 ISBN|978-4-8459-2110-2 初 版|2021年11月 Contents 序 八回目に起き上がるために もう起きたくなーい!|失敗は成功の母?|ポンコツイズムと自暴自棄|可謬主義に回収されないもの 第一章 プラグマティズムを大雑把に理解する プラグマ御三家、きみに決めた!|テオリアvsプラクシス|パース、かわいそうな奴|名づけ親知らず|子供に《硬い》を教えるには|意味から真理へ|モテの永久機関|パースは共同体に開かれている|第三の男|みんなおいでよデューイ学校|御三家から学ぶ三つの教え 第二章 評論×プラグマティズム=田中王堂 日本初のプラグマティスト|師匠には触れない|vsクワッキー|驚くべきこともっとある|エッセイとクリティック|具体理想主義とはなにか?|漱石批判|テオリアは「見方」と訳すべし|具体理想主義と代議制|どちらも哲人主義|アメリカ哲学とは別の仕方で|タゴールに反駁す|味噌汁でパンを食うかのように 第三章 政経×プラグマティズム=石橋湛山 王堂先生、マジ、リスペクト|坊主とジャーナリスト|枝分かれする具体理想主義|電車独学術|無料よくない論|師匠よりもリベラルに|冷笑主義は許さない|象牙の塔としての評論|小日本主義とはなにか|格率ふたたび|資本は牡丹餅、土地は重箱|無力なプラグマティズム? 第四章 教育×プラグマティズム=田制佐重 謎めいた男|デューイに先行するシラー翻訳|巻尺としての人間|ソクラテスもソフィスト|ソフィストの在野精神?|スコラは煩瑣|言葉の使用から考える|社会化された教育のために|ゲーリ学校|トルストイはプラグマティスト?|反革命の思想 第五章 スポーツ×プラグマティズム=三隅一成 動くものは動く|G・H・ミードとは?|未来を意識するからアガる|厄介なフィードバック|創発とはなにか|弁証法とは違う|ミードの現在主義|イヌ派の社会論|一般化された他者|行動科学は全体主義か?|労働者の技能を測定する|心だって測れる|プラグマ全体主義? 第六章 倫理×プラグマティズム=清水幾太郎 さらば、三隅野球団|挫折を経て出会うアメリカ|クレアタ・エト・クレアアンス|習慣とエス|習慣改善の技法|自己啓発との距離|習慣と慣習は違う|私のなかの能動面|ヴィトゲンシュタインと教育|子供から考える|戦後思想としてのプラグマティズム|精神的なものが最後のフロンティア|それってつまり侵略ですよね?|堕落するコモン・マン 第七章 『思想の科学』の周辺 古在由重に学ぶ|鶴見和子のデューイ批判|革命よりも離婚を狙え|断ち切れ、循環小数|コモン・マンと生活綴方運動|三段階だから似たようなもの?|人間魚雷で人生終わった|武将の血が流れている?|危険な意味|お願い桑原親分|デューイ芸術論|経験の拡張としての文学|共同研究を組織する|研究は楽しくてよい|多田道太郎とカイヨワ|ゲーミフィケーションとは|遊んでいるのか遊ばれているのか 第八章 哲学×プラグマティズム=鶴見俊輔 不良アコガレ|総理大臣の名前を貰う|マチガイ主義|敵性外国人として|パースの門|測りながら考える|マイナー固有名の群立|サークルの思想|思想の母胎|日本の地下水|三つの学風|煙仲間|攻撃としての書くこと|限界系|自我のくみかえ|時間のなかで変わりうる私|コミュニティのなかで変わりうる私|受け継がれた群れ群れ 終章 試行錯誤のアンチノミーのなかで 歴史から見出されるプラグマティズム|アメリカ限定?|演繹(トップダウン)と帰納(ボトムアップ)|こう仮定するとうまく説明できる|なんか似てる|アブダクティブなあゆみの果てに|試行錯誤の定立命題と反定立命題|誤ること/謝ること|そして測り知れない《私》へ あとがき Author 荒木 優太 Yuta Araki 1987年東京生まれ。在野研究者。明治大学文学部文学科日本文学専攻博士前期課程修了。2015年、第59回群像新人評論優秀賞を受賞。著書に『これからのエリック・ホッファーのために』(東京書籍、2016年)、『貧しい出版者』(フィルムアート社、2017年)、『有島武郎』(岩波新書、2020年)など。編著に『在野研究ビギナーズ』(明石書店、2019年)。
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生きることとしてのダイアローグ バフチン対話思想のエッセンス
¥1,980
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二〇世紀ロシアの思想家ミハイル・バフチンによる〈対話〉の思想が、近年、教育や精神医療の現場で注目されている。単なる話し合いではない、人を決めつけない、つねに未完成の関係性にひらかれた対話とは何か。「複数の対等な意識」「心に染み入る言葉」など、バフチン自身のテクストを紹介しながら、ポイントをわかりやすく解説する。 [出版社より] 著 者|桑野隆 出版社|岩波書店 定 価|1,800円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|184 ISBN|9784000614900 初 版|2021年09月 Contents はじめに Ⅰ 対話的人間 1 「わたしはひとりで生きている」という幻想 2 ひとは永遠に未完であり、決定づけられない 3 ポリフォニー――自立した人格どうしの対等な対話 4 気をゆるめることなくむすびつきながらも、距離を保つ 5 応答がないことほど、おそろしいことはない Ⅱ 内なる対話 6 モノローグが対話的なこともある 7 意識は対話の過程で生まれる 8 真理も対話のなかから生まれる 9 他者がいて、わたしがいる 10 相互が変化し豊饒化する闘争 Ⅲ 相互作用のなかのことば 11 言外の意味 12 言語のなかでは、さまざまなことばが対話をしている 補 沈黙 おわりに 注 主要文献 Author 桑野 隆 Takashi Kuwano 1947年生まれ。東京外国語大学大学院(スラヴ系言語)修了。元早稲田大学教授。専攻はロシア文化・思想。主な著書に、『民衆文化の記号学』(東海大学出版会)、『未完のポリフォニー』(未來社)、『夢みる権利』(東京大学出版会)、『バフチン新版』(岩波書店)、『バフチンと全体主義』(東京大学出版会)、『危機の時代のポリフォニー』(水声社)、『20世紀ロシア思想史』(岩波現代全書)、『増補バフチン』(平凡社ライブラリー)、『言語学のアヴァンギャルド』(水声社)など。主な訳書に、バフチン『マルクス主義と言語哲学 改訳版』(未來社)、『バフチン言語論入門』(共訳、せりか書房)、バフチン『ドストエフスキーの創作の問題』(平凡社ライブラリー)、トロツキイ『文学と革命』(岩波文庫)、『ヤコブソン・セレクション』(共訳、平凡社ライブラリー)、オリガ・ブレニナ=ペトロヴァ『文化空間のなかのサーカス』(白水社)、アンナ・ラーツィス『赤いナデシコ』(水声社)など。
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いのっちの手紙
¥1,540
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双極性障害の当事者である坂口氏と、精神科医の斎藤氏によるスリリングな往復書簡。 「いのちの電話」ならぬ「いのっちの電話」と称して自らの携帯電話番号を公開し、10年間で2万人の「死にたい」と思う人々の電話を受けてきた坂口氏に、治療とケアの専門家である斎藤氏が聞く。 《苦しんでいる人が〈治る〉技術を教えてください――》 人が人を助けるとは、どういうことなのか? 12通の、いのちをめぐる対話の記録。 [出版社より] 著 者|斎藤環・坂口恭平 出版社|中央公論新社 定 価|1,400円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|256 ISBN|978-4-12-005477-8 初 版|2021年11月 Contents 1 傾聴/境界 2 治療/フィールドワーク 3 脆弱さ/柔らかさ 4 自己愛/承認欲求 5 流れ/意欲 6 悟り/変化 Author 斎藤 環 Tamaki Saito 1961年岩手県生まれ。筑波大学医学研究科博士課程修了。爽風会佐々木病院等を経て、筑波大学医学医療系社会精神保健学教授。専門は思春期・青年期の精神病理学、「ひきこもり」の治療・支援ならびに啓蒙活動。著書に『世界が土曜の夜の夢なら』(角川財団学芸賞)『心を病んだらいけないの?』(與那覇潤との共著・小林秀雄賞)など多数。 坂口 恭平 Kyohei Sakaguchi 1978年熊本県生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。2004年、日本の路上生活者の住居を収めた写真集『0円ハウス』を刊行。東日本大震災後の2011年5月、故郷熊本で独立国家の樹立を宣言、その経緯を綴った『独立国家のつくりかた』が話題となる。
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山學ノオト2(二〇二〇)
¥2,200
日常を取り戻したいのだけれど、そもそも僕らの「日常」とはどんなものだったのだろう。 奈良県東吉野村。人口一七〇〇人の村の山あいに佇む一軒家、人文系私設図書館「ルチャ・リブロ」。自宅を開放して図書館を運営する夫婦が、仕事に、生活に、山村と街を、あるいは彼岸と此岸を往復しながら綴った日記に、エッセイや草稿「研究ノオト」を収録した、日記帳第二弾。 新型コロナウイルスに翻弄されたり、「男はつらいよ」を一気見したり、福祉のしごとやオンライン対談からも気づきを得た、二〇二〇年の記録。 [出版社より] 著 者|青木真兵・海青子 出版社|H.A.B 定 価|2,000円+税 判 型|四六変型判/並製 頁 数|288 ISBN|9784990759650 初 版|2021年09月 Contents エッセイ:闇の底より訴える 日記(山學日誌):一月~六月 研究ノオト:「限りがある」のもいいじゃない エッセイ:怒るひと 日記(山學日誌):七月~十二月 研究ノオト:それが渡世人の楽しいところよ オムライスラヂオ年表(二〇二〇) Author 青木 真兵 Shinpei Aoki 1983年生まれ、埼玉県浦和市に育つ。「人文系私設図書館ルチャ・リブロ」キュレーター。古代地中海史(フェニキア・カルタゴ)研究者。博士(文学)。2014年より実験的ネットラジオ「オムライスラヂオ」の配信をライフワークにしている。2016年より奈良県東吉野村在住。現在は障害者の就労支援を行いながら、大学等で講師を務めている。妻・青木海青子との共著『彼岸の図書館 ぼくたちの「移住」のかたち』(夕書房)、『山學ノオト』(H.A.B)、「楽しい生活─僕らのVita Activa」(内田樹編著『ポストコロナ期を生きるきみたちへ』晶文社)などがある。 青木 海青子 Miako Aoki 1985年兵庫県生まれ。七年間、大学図書館司書として勤務後、東吉野へ。現在は私設図書館を営みながら、陶と刺繍で制作を行う。夫・青木真兵との共著『彼岸の図書館 ぼくたちの「移住」のかたち』(夕書房)、『山學ノオト』(H.A.B)がある。夕書房noteにて「土着への処方箋 ルチャ・リブロの司書席から」が好評連載中。
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お金の学校
¥1,650
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お金に関する今世紀最大の発見(!?) 「流れ」とは何か。 noteでの無料公開時に30万PVを超え、圧倒的熱狂の1週間を作り出し、その後完全予約制のオリジナル出版で初版5000部を売り切った「お金の学校」が普及版として満を持して登場。 流れがあれば、お金も人も仕事もすべて動き出す。鬼才、坂口恭平がすべてをさらけ出して伝える「幸福」への道。 [出版社より] 「お金をみなさん毛嫌いしているところがあります。明晰な方でも、お金は疎くて、みたいな感じで敬遠してしまう人もいます。それではいつまでたってもお金との関係が良くなりません。ここはお金の学校です。まずはお金のことを大好きになってください。大丈夫、きっとうまくいくよ」 ——著者 著 者|坂口恭平 出版社|晶文社 定 価|1,500円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|312 ISBN|978-4-7949-7253-8 初 版|2021年02月 Contents 1:オリエンテ―ション 2:入学金について 3:まずは企画書を書く 4:お金とは時間である 5:僕の印税についての楽しい話 6:経済=「大丈夫、きっとうまくいくよ」と自分に声をかけること 7:頭の中(お花)畑だよねあんた 8:文藝春秋にとっての王とは何か? 9:模倣を三つ揃えると経済になる――坂口恭平の経済史1 10:健康という経済――坂口恭平の経済史2 11:卒業式:祝辞 たかちゃんへの返礼 Author 坂口 恭平 Kyohei Sakaguchi 1978年、熊本県生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。2004年に路上生活者の住居を撮影した写真集『0円ハウス』(リトルモア)を刊行。以降、ルポルタージュ、小説、思想書、画集、料理書など多岐にわたるジャンルの書籍、そして音楽などを発表している。躁鬱病であることを公言し、希死念慮に苦しむ人々との対話「いのっちの電話」を自らの携帯電話(090-8106-4666)で続けている。 12年、路上生活者の考察に関して第2回吉阪隆正賞受賞。14年、『幻年時代』で第35回熊日出版文化賞受賞、『徘徊タクシー』が第27回三島由紀夫賞候補となる。16年に、『家族の哲学』が第57回熊日文学賞を受賞した。現在は熊本を拠点に活動。2023年に熊本市現代美術館にて個展を開催予定。最新刊に『自分の薬をつくる』『cook』(晶文社)、『苦しい時は電話して』(講談社現代新書)、『pastel』(左右社)など。
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自分探しの倫理学
¥2,090
アリストテレス、スピノザ、ドゥルーズ、道元、エヴァンゲリオン――。 中世哲学と現代のアニメーションが接続し、「自分とは何か」を巡る旅が始まる。 「自分とは何か」「何のために生きているのか」 ——誰しも一度はそんな疑問を抱えたことがあるだろう(ない人は幸せだ)。 アカデミックな哲学や倫理学は高尚で、そんな俗世の悩みには答えてくれないように思える。自分とは何かに対する唯一の正解など存在しないが、その「分からなさ」に身を浸すことが大切なのだ。この本は、「自分探し」をあきらめた大人たちと、自分が嫌いなあなたのための倫理学である。 「自分探しの途上で死んでいくことが人生なのだ、と最初に結論を書いてしまうと話は続かないが、哲学は結論から前提に進んでいく学問だ。人生をその終わりから手前に向かって進む行程として考える「ひねくれ者」がいてもよいのではないか」(本文より) [出版社より] 著 者|山内志朗 出版社|トランスビュー 定 価|1,900円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|264 ISBN|9784798701813 初 版|2021年07月 Contents 第一章 〈私〉という探し物 ・人生という旅の方法 ・〈私〉をどこに探せばよいのか ・スピノザと自分探し ・私は自分探しが嫌いだ ・自分探しの救いようのないカッコ悪さ ・自分探しとは何を探すことなのだろう? ・揺れ動く〈私〉 ・模倣や嫉妬という宝物 第二章 自分嫌いとインティマシー ・世界の中心で自分を嫌う ・「気持ち悪い」なんてなぜ言うのか? ・フツーなんてどこにもない ・まずは失敗してみろ! ・他者と自分との境界 ・〈私〉と他者の境界はどのようにして作られるのか ・ケンカの論理学 ・シンメトリー型とコンプリメンタリー型のコミュニケーション ・コミュニケーションの行き着く先は ・親密性(インティマシー)という共犯関係 ・〈私〉ということの傷つきやすさ ・インティマシーとは切なくつらいこと 第三章 ハビトゥスとしての〈私〉 ・自己愛って悪いものじゃない ・ハビトゥス、ハビトゥス、ハビトゥス ・魑魅魍魎と深い沼底に咲く花たち ・情念と欲望の自己崩壊 ・愛とは何か ・ハビトゥスと徳 ・生の中に組み込まれた死の姿 ・魑魅魍魎の現れる夜 第四章 自分探しと個体化ということ ・個体化が越えられない断絶 ・〈このもの性〉ということ ・自分探しと個体化 ・中世哲学における個体化の議論 ・個体化の議論を考える ・個体化の議論は何だったのか ・超越概念と個体性 ・〈私〉とは風ではないのか 第五章 人生は何のために ・「何のため」から逃れる ・フロー(流れ)としての〈私〉 ・非目的論の意味 ・祭りは何のためにあるのか ・〈私〉が空っぽの巣とならないために ・〈私〉という物語 ・祝福される人生 ・〈私〉の物語と幸福の関係 ・関係の結び目としての〈私〉 ・自分らしさということ ・ねじれた心で哲学を ・未来が存在していないとしても ・非存在の輻輳するところ ・心は〈かたち〉あるものに向かう 第六章 セカイと〈私〉 ・セカイ系の学問としての哲学 ・ラスボス倒しによる自分探し ・自分探しの倫理学 ・約束とフィグーラ ・アリストテレスによる自分探し ・スクリプトを回収すること エピローグ――旅の終わりと花 Author 山内 志朗 Shiro Yamauchi 1957年生まれ。山形県出身。慶應義塾大学文学部教授。専門は中世哲学、倫理学。東京大学大学院博士課程単位取得退学。新潟大学人文学部教授を経て現職。主な著書に『普遍論争——近代の源流としての』(平凡社ライブラリー)、『新版 天使の記号学——小さな中世哲学入門』(岩波現代文庫)、『湯殿山の哲学——修験と花と存在と』(ぷねうま舎)、『目的なき人生を生きる』(角川新書)、『過去と和解するための哲学』(大和書房)、編著に『世界哲学史』シリーズ(ちくま新書)など。
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人生ミスっても自殺しないで、旅
¥2,530
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僕は死なずに帰ってきた。 そして、少しだけ“幸福”になっていた。 人生ミスったら、自殺しなければならない。そう信じて夢破れた男が出かけた欧州独り旅。道に迷った彼に贈られた言葉は「エンジョイ」。語りえぬ体験談を語り尽くす哲学的紀行エッセイ。 大学卒業後7年間自宅に引きこもり、ひたすら一作の小説を書くも結果が出ず、まるで将来の見通しは立たず、未納が続く国民年金は当然もらうべくもない、苦しくも貧しい老後の見通しだけは立つ。その上、いわゆるリーマンショックの翌年ゆえ、ろくな仕事の求人もない。むろん恋人はおろか、友人もいない。つまり、人生お先真っ暗だ。――そして、絶望と失意のもと、彼は全財産の40万円を持って当てもなく漂うように欧州へ旅立った。 度重なる沈黙。通じない言語ゲーム。見つからないバスタブ付きの宿。イギリスで敬愛する哲学者の墓参り、ルーマニアで野犬に追われ、クロアチアでカレーを奢られ、ウィーンでベートーヴェンを聴き逃し、ドイツでホームレスを経験後「あっ」という間に自宅に帰ってきたヴィトゲンシュタイン情報蒐集家兼小説家兼法律事務所アルバイターはなぜ自殺しないで生きのびたのか。 ツルツルした理論文学論考から、ザラザラした文学探究の世界へ。 [出版社より] 著 者|諸隈元 出版社|晶文社 定 価|2,300円+税 判 型|B6変型判/上製 頁 数|440 ISBN|978-4-7949-7245-3 初 版|2021年07月 Contents はじめに 1:自殺するなら旅に出よう――イギリス 2:自殺するなら旅に出よ――アイルランド 3:自殺するなら旅に出――ルーマニアとブルガリア 3・1:自殺するならブルガリアを出よう――ブルガリア 4:自殺するなら旅に――旧ユーゴ前編 5:自殺するなら旅――旧ユーゴ後編 6:自殺するなら――ウィーン 7:自殺するな――ドイツ おわりに Author 諸隈 元 Gen Morokuma 1978年、静岡県浜松市生まれ。慶應義塾大学(入学直後、一般教養科目の「哲学」でヴィトゲンシュタインの存在を知るも、彼が何を語っているのか全く理解できなかったため、哲学科に進もうとは全く思わずに)東洋史学科卒。在学中の2000年、卒業後の2015年、慶應大学プロレス研究会認定世界ヘビー級チャンピオン戴冠。2014年、文學界新人賞受賞(2021年現在も受賞第1作は未発表)。主食はラーメン二郎(関内店)、趣味はピザ巡り旅、稲垣吾郎さん。
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らくがき
¥1,210
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元朝日新聞記者の牧内昇平、牧内麻衣が立ち上げた物書きユニット「ウネリウネラ」。首都圏から福島に移り住み、自由な表現を求めてブログサイトで細々と文章を発表する傍ら版元を立ち上げたふたりが、日々の暮らしや子どものこと、幼い日の思い出などを綴った、十篇のエッセイと詩。ささやかな物語のところどころに、絵本や俳句、映画などの作品世界が交錯する。 装画はウネリウネラの3人のこどもたち(刊行時9歳、6歳、4歳)が手がけた。 [出版社より] 著 者|ウネリウネラ[牧内昇平・牧内麻衣] 出版社|ウネリウネラ 定 価|1,100円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|128 ISBN|978-4-9911746-0-5 初 版|2021年02月 Contents ファーストブック(まえがき) 第一話 かぞえる 第二話 心の容量 第三話 ジャムをつくる 詩 ちいさいもの 第四話 『でんしゃにのったかみひこうき』をめぐる二章 第五話 寒風沢点描 第六話 レースのカーテン 第七話 黒電話 詩 いのちの影 第八話 バスケの帰り 第九話 おしまいのあとに 第十話 湯気の立つコーヒー こどもたちへ あとがきにかえて 『らくがき』の答え合わせ Author ウネリウネラ 故あって朝日新聞社を辞めた記者・牧内昇平と牧内麻衣による物書きユニット。家族で福島市に移住し、ブログサイト「ウネリウネラ」で文章を発表する傍ら、版元「ウネリウネラ」を立ち上げる。 ウネリ=牧内昇平 1981年東京都生まれ。東京大学教育学部卒業後、朝日新聞入社。主に経済部記者として勤務し、2020年に同社を退社。現在は福島市に住み、取材・執筆活動を続ける。著書『過労死―その仕事、命より大切ですか』『「れいわ現象」の正体』(共にポプラ社)。憲法と社会問題を考えるウェブマガジン「マガジン9」にて「映画から考える3・11」を連載中。 ウネラ=牧内麻衣 1983年山形県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、朝日新聞入社。2019年に同社を退社。現在はパートナーのウネリと取材・執筆活動にあたる。