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ぼくらの「アメリカ論」
¥2,200
ぼくらのどこかに、いつも「アメリカ」がある——。 思想家、建築家、文学者。東吉野、神戸、高知--専門も居住地も違う3人が、互いの言葉に刺激されながら「アメリカ」「日本」、そして自らを見つめる、対話型リレーエッセイ。 分断が進み、ますます混沌とする世界情勢。11月のアメリカ大統領選が話題となる一方、「アメリカ」をどう捉えたらいいのかわからない状況が続いています。危機感を抱いた青木真兵さん(人文系私設図書館ルチャ・リブロキュレーター)の呼びかけに、米国で生まれ育った建築家の光嶋裕介さん、米文学を研究する白岩英樹さんが賛同。2023年10月、それぞれが自らの中の「アメリカ」を問い直すリレーエッセイが始まりました。 「生き直し」の先駆者、公平性にもとづく自由な社会、ヨーロッパの支流としての新しい国……3人が抱くアメリカのイメージは、対話を重ねるほどに深化し、ぶつかり、離れたかと思うとまた1つになっていきます。読むうちに、「自分にとってのアメリカ」がやさしく揺さぶられ、世界を見る目が更新される--今このときに多くの人に届けたい、真摯で率直な全18回の対話集です。 「ぼくたちの「未来を見る目」には、「アメリカ的なるもの」が標準装備されているのに、今、自分の中の「アメリカ」と現実の「アメリカ」は、あまりにかけ離れている」 ——青木真兵 「世界は今、空間的にも、時間的にも、引き裂かれている。2つの言語(自我)を往来しながら、跳躍を重ねる対話をしてみたい」 ——光嶋裕介 「なぜいまさらアメリカなのか。それは、彼の地がいまなお「未完」の革命を繰り返す「生き直し・再生」の場であり続けているからである」 ——白岩英樹 [出版社より] 著 者|青木真兵・光嶋裕介・白岩英樹 組 版|川名潤 出版社|夕書房 定 価|2,000円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|280 ISBN|978-4-909179-11-1 初 版|2024年10月 Contents はじめに 青木真兵 1 「生き直し」のヒントを探す旅へ 白岩英樹 2 小さな跳躍を重ねて、獲得する大きな自由 光嶋裕介 3 僕の人生に「アメリカ」は関係がないと思っていた 青木真兵 4 「移民国家」アメリカ--「文明人」はどちらなのか 白岩英樹 5 「アメリカ」をどこから見るべきか 青木真兵 6 オフィスビルという欲望の建築の終焉 光嶋裕介 7 戦争と分断に抗って「線路」を延ばす 白岩英樹 8 アメリカの「自由と民主主義」が抱えるもの 青木真兵 9 フラーから考える建築家の倫理 光嶋裕介 10 What Are You Standing On? 白岩英樹 11 食糧から見る、アメリカの現在地 青木真兵 12 モグラの手つきで--抵抗と連帯の詩学へ 白岩英樹 13 自然と対峙した完全芸術家のまなざし 光嶋裕介 14 「ちょうどよく」とどめる精神で 青木真兵 15 沈黙と光を愛した遅咲きの建築家 光嶋裕介 16 同じ筏のうえで--あなたはわたしになったあなたを殺せない 白岩英樹 17 原爆、安保、沖縄 青木真兵 18 終わらない会話のために 光嶋裕介 おわりに 白岩英樹 Author 青木 真兵 Shinpei Aoki 1983年生まれ、埼玉県浦和市(現さいたま市)に育つ。「人文系私設図書館ルチャ・リブロ」キュレーター。博士(文学)。社会福祉士。2014年より実験的ネットラジオ「オムライスラヂオ」の配信をライフワークとしている。2016年より奈良県東吉野村で自宅を私設図書館として開きつつ、執筆活動などを行っている。著書に『武器としての土着思考』(東洋経済新報社)、『手づくりのアジール』(晶文社)、妻・青木海青子との共著に『彼岸の図書館』(夕書房)、『山學ノオト』シリーズ(エイチアンドエスカンパニー)、光嶋裕介との共著に『つくる人になるために』(灯光舎)がある。 光嶋 裕介 Yusuke Koshima 1979年、アメリカ・ニュージャージー州生まれ。建築家。一級建築士。博士(建築学)。早稲田大学理工学部建築学科修了。ドイツの建築設計事務所で働いたのち2008年に帰国、独立。建築作品に内田樹氏の自宅兼道場《凱風館》、《旅人庵》、《森の生活》、《桃沢野外活動センター》など。著書に『ここちよさの建築』(NHK出版 学びのきほん)、『これからの建築』『つくるをひらく』(ミシマ社)、『建築という対話』(ちくまプリマー新書)、『増補 みんなの家。』(ちくま文庫)などがある。 白岩英樹 Hideki Shiraiwa 1976年、福島県郡山市生まれ。高知県立大学文化学部/人間生活学研究科准教授。専門はアメリカ文学、比較思想、比較芸術。早稲田大学卒業後、AP通信などの勤務を経て、大阪芸術大学大学院芸術文化研究科博士後期課程修了。博士(芸術文化学)。2020年4月より高知市に在住。著書に『講義 アメリカの思想と文学』(白水社)、共著に『ユニバーサル文学談義』(作品社)、翻訳書にキャスリーン・マシューズ『祝福の種』(作品社)などがある。
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本が語ること、語らせること
¥1,870
SOLD OUT
本を真ん中にすると、自然と心が開放されていく。 本に助けられてきた司書が語る、本と図書館と人生のはなし。 奈良県東吉野村に借りた古民家の自宅を「人文系私設図書館ルチャ・リブロ」として開いて6年。夫・青木真兵とともに、山村にひっそりたたずむこの図書館を運営してきた司書・青木海青子による、初めてのエッセイ集です。 人と接するのが苦手で、本という「窓」を持つことで心に明かりを灯してきた著者が、自らの本棚を開放することで気づいたのは、「図書館」の本質的な効用でした。 本棚を前に、まるで鎧を脱ぐようにぽつりぽつりと悩みを打ち明け始める人、お互いの新たな面を発見する友人同士、世界とつながる感覚を得る人……。金銭の介在しない「彼岸の図書館」で静かに生まれる知と心の不思議な循環は、読むということ、本がそこにあることの新たな可能性を示唆しています。 ルチャ・リブロで日々行われている独自のレファレンスサービスの延長として、身近な人から寄せられた悩みに青木真兵とともに3冊の本で答えた8つの記録[司書席での対話]も収録。 本好きな人、日々の生活に頑張りすぎている人にそっと手渡したい、気持ちがほぐれる優しい一冊です。 [出版社より] 著 者|青木海青子 出版社|夕書房 定 価|1,700円+税 判 型|四六変型判/並製 頁 数|184 ISBN|978-4-909179-08-1 初 版|2022年05月 Contents はじめに お元気でしたか 窓を待つ 司書席での対話1 コロナ禍でリアル会議、どうする? 「公」を作る 司書席での対話2 「婚活」を始めたけれど 謎のおかえし 待つのが好き 司書席での対話3 働かない夫となぜ暮らしているのか 自助を助ける 他者を知る仕組みとしての図書館 怪獣の名づけと 司書席での対話4 自分を語る言葉が見つからない 本が語ること、語らせること 本に助けられた話1 二冊の絵本 本に助けられた話2 「わたしは疲れてへとへとだ。一つの望みも残っていない」 司書席での対話5 「趣味」と言われて 蔵書構築の森 言葉の海に、潜る、浮かぶ 司書席での対話6 評価って何? 真っ暗闇を歩く 七転八倒踊り 司書席での対話7 最近、SNSが苦痛です 司書席での対話8 自分の考えを持ちたい 交差する図書館 図書館の扱う時間のはなし 本に助けられた話3 貸してもらった本 土着への一歩 Author 青木 海青子 Miako Aoki 「人文系私設図書館ルチャ・リブロ」司書。1985年生まれ。大学図書館勤務を経て、夫・真兵とともに奈良県東吉野村にルチャ・リブロを開設。2016年より図書館を営むかたわら、「Aokimiako」の屋号で刺繍等によるアクセサリーや雑貨製作、イラスト制作も行っている。青木真兵との共著に『彼岸の図書館——ぼくたちの「移住」のかたち』(夕書房)、『山學ノオト』『山學ノオト2』(エイチアンドエスカンパニー)がある。
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そこにすべてがあった——バッファロー・クリーク洪水と集合的トラウマの社会学
¥2,640
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圧倒的悲劇を目にし、すべてを喪い、コミュニティさえも崩れ去ったとき、人びとの心に何が起きるのか。 半世紀の時を超えて響く、被災者たちの声。「集合的トラウマ」に輪郭を与えたアメリカ社会学の古典、若き災害研究者による待望の邦訳。 ー 1972年2月26日、大雨で鉱山ゴミのダムが決壊し、アメリカ・ウエストヴァージニア州の炭鉱町バッファロー・クリークは、黒い水にのみこまれた。死者125人、住民の8割が家を失った未曾有の人災は、コミュニティの崩壊をもたらし、生存者たちの心に深いトラウマを残しました。 本書は、被災者への膨大なインタビューと綿密なフィールドワークで、被災地における「集合的トラウマ」の輪郭を描き出した古典として、約50年もの間、読み継がれています。 訳者は、大阪大学大学院で災害学を学んだ、翻訳開始当時20代の研究者たち。被災地で活動する中で、非当事者としてのかかわりに悩んでいたとき本書に出会い、被災者の空白を丁寧に読むことで聴ける声があると気づきます。 東日本大震災から10 年。50 年前のアメリカの災害被災者の記録が、コロナ禍の現代を生きる私たちに訴えかけるものとは。台風シーズンを前にぜひ手にとっていただきたい、示唆に富む一冊です。 [出版社より] 著 者|カイ・T・エリクソン 訳 者|宮前良平・大門大朗・高原耕平 出版社|夕書房 定 価|2,400円+税 判 型|四六判/上製 頁 数|384 ISBN|978-4-909179-07-4 初 版|2021年08月 Contents 序章 1 第1章 1972年2月26日 2 第2章 アパラチアについての覚書 第3章 山のエートス 第4章 炭鉱施設の到来 第5章 バッファロー・クリーク 3 第6章 傷あとを探る 第7章 個別的トラウマ:衝撃状態 第8章 集合的トラウマ:つながりを失うということ 終章 第二版に寄せて 空白と傷:訳者解題のためのノート 宮前良平 原注 索引 Author カイ・T・エリクソン Kai T. Erikson アメリカの社会学者。1931年生。マーシャル諸島での核実験やスリーマイル島原子力発電所事故、エクソンヴァルディーズ号原油流出事故など、人的災害研究の第一人者として知られる。著書に『あぶれピューリタン 逸脱の社会学』(村上直之・岩田強訳、現代人文社)。 Translator 宮前 良平 Ryohei Miyamae 1991年生。大阪大学大学院人間科学研究科助教ほか。専門は災害心理学、グループ・ダイナミックス。著書に『復興のための記憶論—野田村被災写真返却お茶会のエスノグラフィー』(大阪大学出版会)。 大門 大朗 Hiroaki Daimon 1991年生。京都大学防災研究所特別研究員、デラウェア大学災害研究センター客員研究員ほか。専門はグループ・ダイナミックス。 高原 耕平 Kohei Takahara 1983年生。人と防災未来センター主任研究員。専門は臨床哲学。兵庫県下の「震災学習」および減災システム社会の技術論を研究。
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したてやのサーカス
¥2,200
SOLD OUT
「ぼくはこれを、社会運動のつもりでやっているんです」 立ち上げメンバーのこの一言がきっかけで、私が舞台芸術グループ「仕立て屋のサーカス」をめぐるインタビューを始めたのは、2019年夏のことでした。「仕立て屋のサーカス」は、2014 年の結成以来、1000年先まで続く舞台表現の萌芽を求めて実験を続けてきました。 演劇でもダンスでもライブでもなく、そのすべてでもあるような独自の世界観は、国内はもとより、スペイン、フランス等、海外でも喝采を浴びています。しかし、私たちを縛るあらゆるものから解き放つ、自由で風通しのよいこの空間の背後に壮大なコンセプトがあることは、あまり知られていません。 18歳以下は無料、撮影・録音はOK。全席自由。椅子に座っても、舞台上に座っても構わない。入口をくぐると、飲食に雑貨、古本などの市場が広がっている……。 「仕立て屋のサーカス」を通して彼らは何を伝えようとし、その公演に魅了された人たちは何を受け取ってきたのか。 「許されている感」がすごくあった——ミロコマチコ[画家・絵本作家] 自分の求めていたものが凝縮していた——中嶋朋子[俳優] 体に心地良い熱が残る、精神性を感じる祝祭——石川直樹[写真家] 彼らは完成することのない、発酵を続ける生命体——勝見淳平[パン職人] 社会の隅に隠れているものに目を向けたい、という気持ちがにじみ出ている——関根光才[映像作家] 1年間にわたって集めた22の証言から見えてきたのは、観客の意識に変化をもたらし、社会を少しだけ変えていく、単なる舞台芸術を超えた多層的な世界でした。 これは、どこか息苦しさのある今の時代にこそ贈りたい、自分自身の物語を生きるためのアイデアとエールが詰まったおはなし集です。 [出版社より] 監修協力|曽我大穂 聞き手・編|髙松夕佳 出版社|夕書房 定 価|2,000円+税 判 型|四六変型判/上製 頁 数|328 ISBN|978-4-909179-06-7 初版|2020年12月 Contents はじまり どこにも寄りかからず、すべてを含んだここにしかない景色 曽我大穂 精神性を感じる祝祭 石川直樹 許されている場所 ミロコマチコ×曽我大穂 もっといいやり方を探している 原田郁子×曽我大穂 別世界へ飛べる装置 小金沢健人 野原に建てる自分たちの小屋 関根光才 多様なまま共にあること スズキタカユキ 破壊の後に見える「美しさ」 西谷真理子×スズキタカユキ すべてが溶け合う循環型の舞台 納谷新 あの場所にいられる 植田浩平 「すみっちょ」を楽しむレッスン ガンジー ルールのないところから立ち上がる核心 中嶋朋子×曽我大穂 気の抜けないスリリングな舞台 青柳拓次×曽我大穂 あのとき飛び込んでよかった 手島すみれ 発酵し続ける生命体 勝見淳平 古代と現代をつなぐ非日常空間 渡辺敬之 人生の本質を追体験する小屋 石田悠介 名前を持たない旅人たち マテオ・フェイホー 妥協のない手づくり集団 小寺史郎 手探りでつくりあげるよろこび 大神崇 強度のある表現と長く続くルールを求めて 曽我大穂 七年目のディスカッション 曽我大穂×スズキタカユキ それから 仕立て屋のサーカスのあゆみ 出店者リスト Profile 曽我 大穂 Daiho Soga 音楽家、多楽器奏者。1974年、奈良市生まれ。フルート、カヴァキーニョ、テープレコーダ、鍵盤楽器、トイ楽器などを使った即興演奏が持ち味。ジャム・バンド「CINEMA dub MONKS」のリーダー。2014年、スズキタカユキらに呼びかけて「仕立て屋のサーカス」を結成、基本設計を手がけるとともに、総合演出を担当する。その他、ハナレグミ、二階堂和美、グットラックヘイワ、mama!milk等のライブ・レコーディングサポート、テレビCM音楽の演奏・制作や、他ジャンル(映画、ダンス、演劇、写真、小説)とのセッション多数。近年は即興演奏のソロ公演なども行っている。 仕立て屋のサーカス CIRCO DE SASTRE 音楽家・曽我大穂と服飾家・スズキタカユキを中心とした現代サーカスグループ(2014年結成)。新宿ルミネゼロ、表参道スパイラル、原 宿 VACANT、金沢21世紀美術館、城崎国際アートセンター、福岡UNION SODAなど日本全国、スペインやフランスなど海外でも公演を開催。ミロコマチコや中嶋朋子、辻本知彦、青柳拓次ら多彩なゲスト公演も話題。www.circodesastre.com
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彼岸の図書館 ぼくたちの「移住」のかたち
¥2,200
命からがらたどり着いた奈良県東吉野村でぼくたちが始めたのは、自宅を図書館として開くことだった――「人文系私設図書館ルチャ・リブロ」という「実験」のはじまりとこれから。 古代地中海研究者の夫・真兵と、大学図書館司書の妻・海青子。夫婦そろって体調を崩した4年前、都会から逃げるようにして向かったのは、人口わずか1700人の奈良県東吉野村。大和の山々の奥深く、川の向こうの杉林の先にある小さな古民家に移り住んだ2人は、居間に自らの蔵書を開架する「人文系私設図書館ルチャ・リブロ」を開設します。 訪れるさまざまな人たちとの対話を重ねるうち、「ルチャ・リブロ」は単なる私設図書館を超え、山村における人文知の拠点へと発展していきます。 本書は、青木夫妻が移住を決意してから「ルチャ・リブロ」を立ち上げ、「土着人類学研究会」を開催しながら、現代社会の価値観に縛られない「異界」としての知の拠点を構築していくまでの「社会実験」の様子を、12の対話とエッセイで綴る、かつてない「闘う移住本」です。 [出版社より] 著 者|青木真兵・海青子 出版社|夕書房 定 価|2,000円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|288 ISBN|978-4-909179-04-03 初版|2019年10月 Contents はじめに 1 命からがらの移住 移住前夜1 単身、凱風館へ乗り込んだ青木の相談 内田樹×青木真兵 移住前夜2 青木、完全移住を決意。 内田樹×青木真兵 理想の大家さんと出会う 青木真兵 あわいの空間 青木海青子 ぼくらの移住道 鈴木塁×青木真兵 限界集落と自己責任 青木海青子×青木真兵 「ちょうどいい」を基準に 青木真兵 命からがら 青木海青子 2 籠ること、開くこと 「マイ凱風館」をもつ 光嶋裕介×青木真兵 職業・奪衣婆 青木海青子 とりあえず、十年先の地方 内田樹×青木真兵 できるのハードル 青木海青子 あいつ、給料出なくなっても図書館やってる 青木海青子 村で未来を語る 坂本大祐×青木真兵 「仕事」と「稼ぎ」の境界線 神吉直人×東千茅×青木真兵 優しさ問題 青木海青子 3 土着の時代へ 生命力を高める場 光嶋裕介×青木真兵 生命力が単位の社会へ 青木真兵 成長したり、しなかったりする有機体 青木海青子 あたらしい家族のかたち 太田明日香×青木真兵 近くてゆっくりを楽しむ 野村俊介×小松原駿×青木真兵 「大人」が多数を占める社会へ 青木真兵 これからの「プラットフォーム」をつくる 内田樹×青木真兵×青木海青子 地に足をつける——土着の時代を生きていく 青木真兵 おわりに Author 青木真兵 Shinpei Aoki 1983年埼玉県浦和市に育つ。人文系私設図書館ルチャ・リブロキュレーター。古代地中海史(フェニキア・カルタゴ)研究者。関西大学大学院博士課程後期課程修了。博士(文学)。2014年より実験的ネットラジオ「オムライスラヂオ」の配信をライフワークにしている。現在は、障害者の就労支援を行いながら、大学等で講師を務めている。奈良県東吉野村在住。 https://lucha-libro.net/ 青木海青子 Miako Aoki 1985年兵庫県神戸市生まれ。人文系私設図書館ルチャ・リブロ司書。約7年の大学図書館勤務を経て、夫・真兵とともにルチャ・リブロを開設。2016年より図書館を営むかたわら、「Aokimiako」の屋号で刺繍等でアクセサリーや雑貨を製作・販売したり、所々でイラストを描いたりしている。奈良県東吉野村在住。 https://ameblo.jp/cian55555/
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Station / 鷲尾和彦写真集
¥3,960
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誰もがさまよう「難民」の時代に——。 「1枚1枚に、人生が集約されている。 そして人生はまた、1枚の写真へ収斂されていく」 ——梨木香歩 「2015年9月9日、オーストリア・ウィーン西駅。欧州から日本への帰途にあった私は、空港へ向かうバスに乗り換えるために降りた駅のホームで、あふれんばかりに押し寄せる人の波に突如としてのみ込まれた」 多様な人々が行き交う駅のホームでの3時間が写し出す風景に、いま私たちは何を見るのか。自らの新しい地図を描き出すためのレッスン。 [出版社より] 著 者|鷲尾和彦 寄 稿|梨木香歩 出版社|夕書房 定 価|3,600円+税 判 型|A4変型判/上製/栞付き 頁 数|88 *英日バイリンガル ISBN|978-4-909179-05-0 初 版|2020年6月 Author 鷲尾 和彦 Kazuhiko Washio 兵庫県生まれ。1997年より独学で写真を始める。写真集に、海外からのバックパッカーを捉えた『極東ホテル』(赤々舎、2009)、『遠い水平線 On The Horizon』(私家版、2012)、日本各地の海岸線の風景を写した『To The Sea』(赤々舎、2014)、共著に作家・池澤夏樹氏と東日本大震災発生直後から行った被災地のフィールドワークをまとめた書籍『春を恨んだりはしない』(中央公論新社)などがある。神奈川県在住。washiokazuhiko.com
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失われたモノを求めて 不確かさの時代と芸術
¥2,640
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「モノからコトへ」時代の、その先へ 長編書き下ろしと7編の論考で探る、「作品」と「制作」の新たなる可能性 現代美術のあり方が、芸術とは何かを問う内的な行為からその外にある現実社会への働きかけへと変化してきているいま、「作品」はどこへ向かうべきなのか--。芸術とは何か、作品とは何かを根本から問い続け、美術作家としてその時々の自身の答えを作品にあらわしてきた池田剛介による、待望の処女論集。 [出版社より] 著 者|池田剛介 出版社|夕書房 定 価|2400円+税 判 型|菊版 頁 数|184 ISBN|978-4-909179-03-6 初 版|2019年2月 Contents ch1. 失われたモノを求めて ch2. 干渉性の美学へむけて/祝祭・現実・遊び/虚構としてのフォームへ/セザンヌの中間地帯/保存と解答/クマと人とが出会う場で/カタストロフの傍に Author 池田 剛介 Kosuke Ikeda 1980年、福岡生まれ。美術作家。京都造形芸術大学卒業。東京藝術大学大学院修了。平成17年度文化庁新進芸術家在外研修員としてマサチューセッツ工科大学リスト視覚芸術センター滞在。平成27年度ポーラ美術振興財団在外研修員として台北滞在。 主な展示に「Malformed Objects」 (山本現代、2017)、「Regeneration Movement」(国立台湾美術館、2016)、「あいちトリエンナーレ2013」、「メルボルン芸術発電所」(ロイヤルメルボルン工科大学、2012)、「Vivid Material」(東京藝術大学、2008)など。国内外での作品発表を多数行う一方、批評誌などでの執筆を活発に手がけている。京都市在住。www.kosukeikeda.net
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家をせおって歩いた
¥2,200
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あの閉じきった生活からの脱出を試みるのだ。 ––発泡スチロール製の白い家を担ぎ、日本国内を移動しながら生活した美術家の369日。 2011年3月、友人と借りたアトリエの鍵を受け取ったその日に、東日本大震災と福島第一原発事故が発生。 「僕たちは閉じ込められている」−−3年後、若き美術家は、自らのあり方を変えるため、新しい生活をはじめた。 発泡スチロールの白い家を担いで日本国内を歩きながら、絵を描き、人々に会い、考え続けた1年間(2014年4月〜15年4月)の全記録を収録。 自らの足で歩き、見知らぬ人とかかわることによって見えてきた日本の姿とは。 各地方紙がこぞって報じ、SNSでも話題となったあの「歩く家」の真相が、ここに! 「結局なにも変わっていない。あの震災は日常を変えるチャンスだったはず。 日々の生活について、消費や生産や労働や社会システムについて見直していけるはずだった。 だけどなんか知らないけど、どんどん元に戻っていく。僕自身も、ふと気がつくとまるで何事もなかったかのように 以前の生活に戻っていこうとしていた。あんなことがあってもなにも変わらないのかと思うと、ぞっとした。 日常が終わらないのが悔しい。すべてが消費に回収されていく。 僕は他の誰でもない僕自身の日常を終わらせないといけない。日常を終わらせるために、家を出ていかなければならなかった」 [出版社より] 著 者|村上慧 装 幀|佐々木 暁 出版社|夕書房 定 価|2,000円+税 判 型|A5変形・ソフト上製 頁 数|304 ISBN|978-4-909179-00-5 初 版|2017年4月 Author 村上 慧 Satoshi Murakami 1988年生まれ。武蔵野美術大学造形学部建築学科卒業。アーティストとして各地のグループ展や芸術祭に参加している。 http://satoshimurakami.net/
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山熊田 YAMAKUMATA
¥3,080
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遠い昔から続けられて来た彼らの営為に、強い生と死の手触りを感じるーー土門拳賞受賞写真家が写し出す、マタギの村の生業。 アフリカやパレスチナなど「戦場」の写真で知られる写真家・亀山亮の4年ぶりとなる新作写真集。舞台は新潟県村上市山熊田。人口50人足らず。新潟と山形の県境に位置するこの小さな集落にあるのは、山と熊と田だけ。 亀山はそこに暮らす人々が今も静かに続けている、生きるという行為、「生と死」をめぐる原初の生業を写し出していきます。山焼きと熊狩り、そしてシナ織。これは山とともに生きる人々の暮らしの、現代の記録です。 巻末テキスト=亀山亮、山川徹(ルポライター)、大滝ジュンコ(アーティスト) 日英バイリンガル [出版社より] 著 者|亀山亮 出版社|夕書房 定 価|2,800円+税 判 型|B5変形・並製 装 幀|鈴木聖 頁 数|128 ISBN|978-4-909179-01-2 初 版|2018年2月 Author 亀山 亮 Ryo Kameyama 1976 年千葉県生まれ。 日本写真芸術専門学校報道・写真芸術科卒業。 写真家。 高校時代に初めて手にしたカメラで、三里塚闘争を続ける農家や新左翼の密着撮影を始める。96 年よりサパティスタ民族解放軍の支配地域など中南米を撮影。2000年、パレスチナ自治区ラマラでインティファーダの取材中、イスラエル国境警備隊が撃ったゴム弾により左目を失明する。 2003 年、パレスチナの写真でさがみはら写真新人賞、コニカフォトプレミオ特別賞を受賞。コンゴ、シエラレオネ、リベリア、ブルンジなどアフリカの紛争地に8年間通い続け12年『AFRIKA WAR JOURNAL』を発表。翌年、同作で第32回土門拳賞を受賞。その他の著書に『DAY OF STORM』(2014/ SLANT)、『戦場』(2015/晶文社)など。
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新版 宮澤賢治 愛のうた
¥1,980
SOLD OUT
賢治には、恋人がいたーー! 知られざるラブ・ストーリーを作品と証言から大胆に読み解く、異色の文芸エッセイ。 生涯独身で、その恋心は妹や親友に向けられたと解釈されることの多い聖人・宮澤賢治。しかし彼には相思相愛の女性がいました。 お互い結婚を考えながらも叶うことのなかった悲しい恋。本書はその顛末を、『春と修羅』をはじめとする詩の数々に封じこめられた切実な恋心を読み解きながら、明らかにしていきます。 誰もが知る詩「永訣の朝」や童話「やまなし」「銀河鉄道の夜」などに隠された苦しい恋の片鱗に気づくとき、これまでとは違う「人間・宮澤賢治」が、生き生きと立ち現れてきます。 岩手の自然と風土を知り尽くすエッセイストが、約100年の時を越えて開封する、胸がしめつけられるほど切なく美しい、愛の物語です。 [出版社より] 著 者|澤口たまみ 出版社|夕書房 定 価|1,800円+税 判 型|四六判/上製 頁 数|248 ISBN|978-4-909179-02-9 初 版|2018年4月 Author 澤口 たまみ Tamami Sawaguchi 1960年、岩手県盛岡市生まれ。作家、エッセイスト。岩手大学農学部修士課程終了。絵本のテキストも多く手がける。著書にエッセイ集『虫のつぶやき聞こえたよ』(白水社、第38回日本エッセイスト賞受賞)、『親子で読みたい「宮沢賢治」 心を育てる名作ガイド』(PHP文庫)、『かまきりとしましまあおむし』(農文協)など。絵本に『わたしのあかちゃん』『みつけたよ さわったよ にわのむし』(福音館書店)などがある。岩手県紫波郡在住。 Illustrator 横山 雄 Yu Yokoyama 1988年、東京都生まれ。イラストレーター、デザイナー。桑沢デザイン研究所卒業。出版、広告、WEBなど多方面で活動。第83回毎日広告デザイン賞最高賞受賞(2016年)。東京都在住。