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奇書の世界史
¥1,078
歴史を動かす「ヤバい書物」の物語。 人間はなぜこんなにも間違ってきたのだろう。歴史上の奇書を通して人類の狂乱と過ちを振り返る。本書では単に奇書を断罪するなどということはしない。情報化された現代でさえそのような歴史と地続きであることを思い出させてくれる。人間は真実を見ているのではなく真実だと信じたい物語を見ているのだと教えてくれる一冊。 [出版社より] 著 者|三崎律日 出版社|PHP研究所[PHP文庫] 定 価|980円+税 判 型|文庫判 頁 数|384 ISBN|978-4-569-90344-6 発 行|2023年10月 Contents ●魔女に与える鉄槌……10万人を焼き尽くした、魔女狩りについての大ベストセラー ●台湾誌……稀代のペテン師が妄想で書き上げた「嘘の国の歩き方」 ●ヴォイニッチ手稿……万能薬のレシピか? へんな植物図鑑か? 未だ判らない謎の書 ●野球と其害毒……明治の偉人たちが吠える「最近の若者けしからん論」 ●穏健なる提案……妖精の国に突き付けられた、不穏な国家再建案 ●天体の回転について……偉人たちの知のリレーが、地球を動かした ●非現実の王国で……大人になりたくない男の、ネバーエンディングストーリー ●軟膏を拭うスポンジ / そのスポンジを絞り上げる……奇妙な医療にまつわる、奇妙な論争 ●物の本質について……世界で最初の快楽主義者は、この世の真理を語る ●サンゴルスキーの「ルバイヤート」……読めば酒に溺れたくなる、水難の書物 ●椿井文書……いまも地域に根差す、江戸時代の偽歴史書 ●ビリティスの歌……古代ギリシャ女流詩人が紡ぐ、赤裸々な愛の独白 Author 三崎 律日 Ritsuka Misaki 1990年、千葉県生まれ。会社員として働きながら歴史や古典の解説を中心に、ニコニコ動画、YouTubeで動画投稿を行う。代表作「世界の奇書をゆっくり解説」のシリーズ累計再生回数は600万回を超え、人気コンテンツとして多くのファンを持つ。
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イラストで見るUFOの歴史
¥1,980
空に浮かぶ奇妙な光、畑に現れた謎のサークル……。未確認飛行物体やオーパーツ(場違いな人工物)は、何十年間にも渡って人々の関心を集め、時に世の中を熱狂や混乱の渦に巻き込んできました。 本書は、世界各地に残るUFO目撃談やエイリアンとの遭遇事件、エイリアンが登場する創作物などをイラストで紹介。UFO史の入門書として最適の1冊です。 「空飛ぶ円盤」や「エイリアン」のビジュアルの共通認識は、どこから始まったのか。エイリアン支持者と科学者、そして陰謀論者たちのあくなき戦い。各地で発生したアブダクション(エイリアンによる誘拐事件)、その顛末とは……。 英国人著者によるクールかつ軽快な語り口と、シンプルながら味わい深いイラストで、UFOを取り巻く世界の動向を図解します。 [出版社より] 原 書|An Illustrated History of UFOs 著 者|アダム・オールサッチ・ボードマン[絵と文] 訳 者|ナカイサヤカ 出版社|マール社 定 価|1,800円+税 判 型|A5変型判/並製 頁 数|128 ISBN|978-4-8373-6900-4 発 行|2022年06月 Contents はじめに UFO以前 古代の宇宙飛行士 謎の訪問者 宇宙から来た心霊 謎の飛行船 フー・ファイター 宇宙戦争 1940年代 サイエンスフィクションへの熱狂 空飛ぶ円盤 円盤が攻めてきた! ロズウェル事件 メン・イン・ブラック 政府の関与が始まる バミューダトライアングル 1950年代 コンタクティーの登場 映画の中の空飛ぶ円盤 太平洋のUFO 英国の空飛ぶ円盤専門調査委員会 ジャイアント・ロック宇宙船コンベンション スペースインベーダー 最初のアブダクティー 1960年代 ヒル夫妻誘拐事件 確認済み飛行物体 民間UFO研究団体 次元を越えて 軍の作戦行動 ケックスバーグ事件 アンドレアソン事件 1970年代 UFOカルト 薄気味悪い森 接近遭遇 トラヴィス・ウォルトン事件 ビッグフットはエイリアンなのか? ペトロザヴォーツク事件 ミステリーサークル 1980年代 カメラが捉えたUFO レンドルシャムの森事件 ホイットリー・ストリーバー ヘスダーレンの怪光 深い水の中に エリア51 1990年代 ダルシー基地 エイリアン・アジェンダ テレビのUFO アリエル学校事件 宇宙人解剖フィルム フェニックス・ライト 21世紀 政府の情報公開 米国国防省の円盤研究 SETI 現代のUFO研究 UFOに関わる人々 グロサリー(用語集) もっと詳しく知りたい人向けの参考文献 索引 Author アダム・オールサッチ・ボードマン Adam Allsuch Boardman イギリス、リーズを拠点に、イラストレーター、アニメーター、ライターとして活動する。細部への興味に突き動かされ、規則的な線とはっきりとした色遣いで物のディテールを描くのを得意とする。著書に、『イラストでわかる映画の歴史 いちばんやさしい映画教室』(フィルムアート社)(原題『An Illustrated History of Filmmaking』)がある。また、イギリス国立メディア博物館などイギリスの博物館でも数多く彼のイラストが使われている。アップル、デロイト、ジェットスターなど企業との仕事も多く、ダイレクトで分かりやすく情報を伝えるために、遊び心に溢れた作品を提供している。 Translator ナカイ サヤカ 翻訳家、ライター。ASIOS(超常現象の懐疑的調査のための会)運営委員。絵本翻訳者として出版翻訳をスタート。主な訳書に『探し絵ツアー』シリーズ(文溪堂)、『代替医療の光と闇』、『反ワクチン運動の真実』、『さらば健康食神話』(地人書館)。共著『科学リテラシーを磨くための7つの話』(あけび書房)。『超能力事件クロニクル』(彩図社)など、ASIOS名義の本にもライターとして参加している。
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イラストで見るゴーストの歴史
¥1,980
SOLD OUT
夜中に聞こえる「ごとん」という音、床のきしみ、そしてただならぬ部屋の冷たさ……。幽霊は、世界各地に伝説や心霊スポットを生み出してきました。また映画や小説、ゲームといった創作物の題材としても、多く取り上げられています。 本書は、そんな幽霊たちの歴史とそれに関連した文化をイラストで解説。私たちを惹きつけてやまない、幽霊の「恐ろしい」魅力が詰まった、ホラー文化の入門書としておすすめの一冊です。 死後の世界、歴史に残る怪奇事件、有名な心霊スポット、幽霊信仰によるイカサマとそれを暴こうとする懐疑主義者たち……。 最古の心霊現象や、現代ならではのデジタルな幽霊なども紹介。味わい深いポップなイラストと著者の軽快な語り口とともに、幽霊の世界に一歩足を踏み入れてみませんか? [出版社より] 原 書|An Illustrated History of Ghosts 著 者|アダム・オールサッチ・ボードマン[絵と文] 訳 者|ナカイサヤカ 出版社|マール社 定 価|1,800円+税 判 型|A5変型判/並製 頁 数|128 ISBN|978-4-8373-6901-1 発 行|2023年06月 Contents はじめに 幽霊とは何か? ホーンティングとは何か? 懐疑的調査 近代以前 死後の世界 ハントゥ ダピー 幽霊の訪問 季節のお祝い 歴史に残るホーンティング 魔物 霊との交信 怪しい古城 護符 コック・レーンの幽霊 19世紀 心霊主義 降霊術 日本の幽霊 北アメリカの幽霊伝説 霊応盤 人里離れた怪しい場所 心霊写真 クラブと協会 超常現象を表現した建築 20世紀 インチキを暴く 想念形態 幽霊が出る廃墟 ゴーストハンター 心霊調査の道具 戦争と幽霊 最恐の心霊スポット リミナル・スペース お化けアトラクション タイムスリップ ドッペルゲンガー 20世紀中頃 乗り物の亡霊 不気味な人形たち 異次元 不快な渦 幻の動物 幽霊の出る病院と学校 メディアの中の幽霊 ポストモダン期 ハイゲイト墓地 取り憑かれた物 ゴーストタウン ホワイト・レディ アミティヴィルの幽霊屋敷 幽霊写真 悪魔パニック メディアに登場するゴーストハンター 21世紀 ゴーストハンティング テレビ番組 現代のホーンティング 幽霊が出るホテル インターネット幽霊 消えない伝説 世界の幽霊たち 現代の幽霊 幽霊伝説に関わる人々 グロサリー(用語集) もっと詳しく知りたい人向けの参考文献 もっと詳しく知りたい人向けの映像作品 索引 Author アダム・オールサッチ・ボードマン Adam Allsuch Boardman イギリス、リーズを拠点に、イラストレーター、アニメーター、ライターとして活動する。細部への興味に突き動かされ、規則的な線とはっきりとした色遣いで物のディテールを描くのを得意とする。著書に、『イラストでわかる映画の歴史 いちばんやさしい映画教室』(フィルムアート社)(原題『An Illustrated History of Filmmaking』)がある。また、イギリス国立メディア博物館などイギリスの博物館でも数多く彼のイラストが使われている。アップル、デロイト、ジェットスターなど企業との仕事も多く、ダイレクトで分かりやすく情報を伝えるために、遊び心に溢れた作品を提供している。 Translator ナカイ サヤカ 翻訳家、ライター。ASIOS(超常現象の懐疑的調査のための会)運営委員。絵本翻訳者として出版翻訳をスタート。主な訳書に『探し絵ツアー』シリーズ(文溪堂)、『代替医療の光と闇』、『反ワクチン運動の真実』、『さらば健康食神話』(地人書館)。共著『科学リテラシーを磨くための7つの話』(あけび書房)。『超能力事件クロニクル』(彩図社)など、ASIOS名義の本にもライターとして参加している。
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超能力事件クロニクル
¥2,200
『UFO事件クロニクル』、『UMA事件クロニクル』につづく、シリーズ第三弾! 本来見えないはずのものが見えてしまう〝透視〟、未来の出来事を見事に言い当てる〝予言〟、そこにないはずのものを出現させる〝アポーツ〟……。 この世には、その正体は科学的に解明されていないものの、常識を超えた能力を持つとされる者たちがいる。はたしてその能力は、本物なのか。本当に、超能力は存在するのか。「謎解き超常現象」シリーズでお馴染みのASIOSが古今東西の有名能力者を徹底検証。超能力の真実に迫る! [出版社より] 著 者|ASIOS 出版社|彩図社 定 価|2,000円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|320 ISBN|978-4-8013-0487-1 発 行|2020年10月 Contents 【第一章】1940年以前の超能力事件 長南年恵/クレバー・ハンス/御船千鶴子/三田光一/出口王仁三郎…ほか 【第二章】1950、60年代の超能力事件 L・ロン・ハバード/ブルーノ・グレーニング/ジーン・ディクソン…ほか 【第三章】1970年代の超能力事件 ニーナ・クラギーナ/ユリ・ゲラー/関口淳/清田益章/山下裕人…ほか 【第四章】1980、90年代の超能力事件 桐山靖雄/麻原彰晃/サティヤ・サイ・ババ/関英男…ほか 【第五章】2000年代の超能力事件 ジョー・マクモニーグル/ナターシャ・デムキナ/ジュセリーノ…ほか Author ASIOS Association for Skeptical Investigation of Supernatural 2007年に日本で設立された超常現象などを懐疑的に調査していく団体。名称は「Association for Skeptical Investigation of Supernatural」(超常現象の懐疑的調査のための会)の略。海外の団体とも交流を持ち、英語圏への情報発信も行う。メンバーは超常現象の話題が好きで、事実や真相に強い興味があり、手間をかけた懐疑的な調査を行える少数の人材によって構成されている。
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UFO事件クロニクル
¥2,200
1947年6月、実業家のケネス・アーノルドがアメリカ西海岸のワシントン州を自家用機で飛行中、レーニア山付近で超高速で飛行する謎の物体を目撃する――これがすべての始まりだった。この日以降、世界中の空で未確認飛行物体が目撃され、従来の常識では説明できないような数々の“怪事件”が巻き起こるようになる。 首都ワシントンの上空を複数の未確認飛行物体が襲った「ワシントンUFO侵略事件」、大勢の人々がUFOとその乗員を目撃した「ギル神父事件」、森林作業員がUFOのさらわれた「トラビス・ウォルトン事件」、日本の貨物機がUFOと遭遇「日航ジャンボ機UFO遭遇事件」……。 なぜUFOは現れるのか。その謎を解くべく、UFO史に名を残す難事件の真相をASIOSが解説。UFO人物辞典や用語集、UFO事件年表など、付随する情報も網羅。この一冊を読めば、UFOの謎と歴史がよくわかる。UFOファン必携の書。 [出版社より] 著 者|ASIOS 出版社|彩図社 定 価|2,000円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|320 ISBN|978-4-8013-0252-5 発 行|2017年08月 Contents 第一章 1940年代のUFO事件 モーリー島事件 ケネス・アーノルド事件 ロズウェル事件 マンテル大尉事件 アズテック事件 イースタン航空機事件 ゴーマン少尉の空中戦 コラム:ナチスドイツとUFO 第二章 1950年代のUFO事件 捕まった宇宙人の写真 ワシントンUFO侵略事件 フラットウッズ・モンスター プロジェクト・ブルーブック ロバートソン査問会 チェンニーナ事件 ケリー・ホプキンスビル事件 トリンダデ島事件 ギル神父事件 コラム:実在した空飛ぶ円盤 円盤翼機、全翼機の世界 第三章 1960年代のUFO事件 イーグルリバー事件 リンゴ送れシー事件 ヒル夫妻誘拐事件 ウンモ事件 ソコロ事件 ブロムリー円盤着陸事件 コンドン委員会 エイモス・ミラー事件 コラム:宗教画に描かれるUFO 第四章 1970年代のUFO事件 介良事件 パスカグーラ事件 ベッツ・ボール事件 甲府事件 トラビス・ウォルトン事件 セルジー・ポントワーズ事件 バレンティッチ行方不明事件 ブルーストンウォーク事件 コラム:円盤の出てくる活字SF 第五章 1980、90年代のUFO事件 レンデルシャムの森事件 キャッシュ・ランドラム事件 毛呂山事件 開洋丸事件 日航ジャンボ機UFO遭遇事件 マジェスティック12 カラハリ砂漠UFO墜落事件 ベルギーUFOウェーブ 異星人解剖フィルム コラム:7人のオルタナティブ・コンタクティー コラム:オカルト雑誌「ムー」 正しいUFO記事の読み方 第六章 UFO人物事典 海外のUFO関連人物 日本のUFO関連人物 巻末付録 UFO用語集 UFO事件年表 Author ASIOS Association for Skeptical Investigation of Supernatural 2007年に日本で設立された超常現象などを懐疑的に調査していく団体。名称は「Association for Skeptical Investigation of Supernatural」(超常現象の懐疑的調査のための会)の略。海外の団体とも交流を持ち、英語圏への情報発信も行う。メンバーは超常現象の話題が好きで、事実や真相に強い興味があり、手間をかけた懐疑的な調査を行える少数の人材によって構成されている。
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アニメオタクとビデオの文化社会学
¥3,080
1980年代に拡大したビデオというメディアは、オタク文化の代表とも見なされるアニメの視聴経験をどのように変えていったのか。アニメオタクはビデオを利用することを通じて、どのような映像文化を形成し、そこにはいかなる社会的な意味があったのか。 1970年代後半から80年代のアニメブームと呼ばれる時期に焦点を当て、「ビデオジャーナル」「アニメージュ」「Animec」「アニメV」などの雑誌を読み込んで、アニメファンのビデオ利用によってアニメが個人の趣味として立ち現れるようになったプロセスを描き出す。 ビデオがアニメの保存や操作を可能にしたことでファンの交流を促して、「趣味としてのアニメ」の新たな流通経路を作り出し、それが個人の収集(コレクション)やレンタル市場の形成につながっていった。ファン・産業・技術が絡み合いながらアニメ独自の市場を形成した1980年代のうねりを照らし出し、ビデオが切り開いた映像経験の文化的なポテンシャルを明らかにする。 [出版社より] 著 者|永田大輔 出版社|青弓社 定 価|2,800円+税 判 型|A5判/並製 頁 数|280 ISBN|978-4-7872-3545-9 発 行|2024年09月 Contents 序 章 映像を趣味にする経験とビデオ技術 1 オタクとビデオの結び付き 2 アニメというファン領域 3 本書の分析資料 4 本書の構成 第1部 アニメを趣味にする条件とビデオ技術 第1章 ビデオのファン利用とオタクという主体 1 本書の問いをめぐる議論の配置 2 オタクとビデオの関連性について 3 ビデオを取り扱うことの意義づけ 4 ビデオをめぐるメディア論的視点 5 アニメという対象 第2章 ビデオにおける「教育の場」と「家庭普及」――一九六〇年代後半―七〇年代の業界紙「ビデオジャーナル」にみる普及戦略 1 ビデオ受容をめぐる諸議論 2 資料の特性 3 教育の場とビデオ 4 「教育」と「家庭」の間 5 結論 第3章 「テレビを保存する」ことと読者共同体の形成――アニメ雑誌「アニメージュ」を事例として 1 「テレビを保存するという実践の成立」と「新たなアニメファン」 2 「テレビを保存する」ことの前提条件 3 「テレビを録る」ということを軸とした読者共同体の形成 第2部 アニメが「独自の趣味」になる過程とビデオ技術 第4章 アニメ雑誌における「第三のメディア」としてのOVA――一九八〇年代のアニメ産業の構造的条件に着目して 1 本章で取り扱う分析資料 2 OVAをめぐる構造的条件 3 「第一のメディア」と「第二のメディア」 4 「第三のメディア」としてのOVA 5 結論 第5章 コンテンツ消費における「オタク文化の独自性」の形成過程――一九八〇年代のビデオテープのコマ送り・編集をめぐる語りから 1 「オタク文化の独自性」をめぐる先行研究・分析視角・分析対象 2 ビデオデッキの普及環境に関して 3 コマ送りが可能とする視聴実践 4 形成される相互循環 5 結論 第6章 アニメの制度化のインフラとしてのアニメ制作者の形成――一九七〇―八〇年代の労働規範に着目して 1 アニメーターの職務概要 2 分析枠組みと資料の分析上の位置づけ 3 アニメブーム期の労働を読み解く視点 4 制作者の労働規範の変容 5 結論 第3部 ビデオを通じて再定式化される「オタク」経験とアニメ文化 第7章 ビデオをめぐるメディア経験の多層性――「コレクション」とオタクのカテゴリー運用をめぐって 1 「オタクの代表」の宮﨑勤 2 一九八九年時点のビデオの社会的配置と有徴性 3 「真のオタク」ではない宮﨑勤 4 変容するコレクションの意味論 5 結論――オタクが語られだす論理 第8章 ビデオ受容空間の経験史――「趣味の地理学」と一九八〇年代のアニメファンの経験の関係から 1 先行研究 2 コンテンツ受容空間と経験史 3 有徴な空間としてのビデオ店 4 レンタルビデオ店経験の両義性 5 ビデオ店利用の個別性 終 章 映像視聴の文化社会学に向けて 1 ビデオが開いた映像視聴経験とアニメファン 2 メディア文化にビデオ技術がもたらしたもの 3 コレクションのメディア論 4 子どもの民主主義とオタク文化――「共同視聴」の文化社会学に向けて 引用・参考文献 あとがき Author 永田 大輔 Daisuke Nagata 1985年、栃木県生まれ。明星大学など非常勤講師。専攻はメディア論、文化社会学、映像文化論、労働社会学。共編著に『アニメと場所の社会学――文化産業における共通文化の可能性』『アニメの社会学――アニメファンとアニメ制作者たちの文化産業論』『消費と労働の文化社会学――やりがい搾取以降の「批判」を考える』(いずれもナカニシヤ出版)、共著に『産業変動の労働社会学――アニメーターの経験史』(晃洋書房)、『ビデオのメディア論』(青弓社)、論文に「「二次創作」はいかなる意味で「消費」であるのか――大塚英志の消費論を中心に」(「日本研究」第65号)など。
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マンガって何? マンガでわかる マンガの疑問
¥1,980
マンガミュージアムが、マンガ愛を込めておくるQ & A。今さら聞けないマンガの「?」をともに考える、マンガ研究の入門書! 本書は「マンガって何?」の問いに対してマンガの歴史や作り方、広がり方などさまざまな切り口で考える内容です。意外と知らないマンガにまつわる疑問を考えることで、今まで感じていたマンガの魅力が何倍にもふくらみ、より立体的に楽しめるはずです。浮世絵から海外マンガ、数字でみるマンガ産業、拡大する電子出版……。マンガをとりまくトピック盛りだくさんでご紹介します。 ◎マンガとイラストを織り交ぜながら紹介 本書の登場人(ニャン)物は、京都国際マンガミュージアムで働くことになった新人・ねこ学芸員と教育係のねこ博士。おっちょこちょいだけどやる気とマンガ愛に溢れるねこ学芸員が、ときに熱く、ときに冷静に、博士から教えを受けながら日々成長していく物語です。 [出版社より] 監修・編集|京都国際マンガミュージアム・京都精華大学国際マンガ研究センター 出版社|青幻舎 定 価|1,800円+税 判 型|A5判・並製 頁 数|144 ISBN|978-4-86152-950-4 発 行|2024年05月 Contents 第1章 マンガのはじまりっていつなの? 第2章 マンガって誰が読むの? 第3章 マンガの作り方 第4章 マンガのお約束 第5章 マンガ家はお金持ちなの? 第6章 広がるマンガの楽しみ方 第7章 マンガは世界中で読まれているの? 第8章 世界のマンガにはどんなものがあるの? 実録! ねこ学芸員、中のひと Edit 京都国際マンガミュージアム 博物館と図書館の機能をあわせもったマンガ専門の文化施設。保存されるマンガ資料は、江戸期の戯画浮世絵から明治・大正・昭和初期の雑誌、戦後の貸本から現在の人気作品、海外のものまで約30万点。京都市と京都精華大学の共同事業で、マンガの収集、保管、公開、マンガ文化に関する調査研究やそれらの資料と調査研究に基づく展示やイベントを行っている。 京都精華大学国際マンガ研究センター マンガとその周辺に関する研究機関。40年にわたる京都精華大学での「マンガ」文化に関する教育・研究の蓄積と研究基盤に必要な人的・情報ネットワークを十全に活用することによって、京都国際マンガミュージアムの中核を担う研究機関としての役割を果たしている。
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ビデオのメディア論
¥1,980
1980年代以降、テレビ番組を録画・再生できるビデオデッキが普及したことでタイムシフト視聴が可能になり、ビデオは私たちの映像経験に大きな変容をもたらした。ビデオはどう受容され、メディアとしてどのような射程をもっていたのか。 放送技術であるビデオがニューメディアとして注目されるプロセス、教育現場での受容から家庭への普及、音楽ファンのエアチェック文化とミュージックビデオ受容の連続性、アニメファンのビデオ受容、レンタルビデオ店の成立とそれを可能にした条件――。録画・編集・流通・所有・交換・視聴・消費など、様々な視点からビデオのメディア史に光を当てて、ビデオの社会的な受容の複数性と映像経験の多層性を明らかにする。 DVDの登場や「Netflix」などの定額制の動画配信サービス、各種の動画共有サービスに目配りしながらも、ビデオというメディアの固有性とかつてあった可能性を歴史から掘り起こす。 [出版社より] 著 者|永田大輔・近藤和都・溝尻真也・飯田豊 出版社|青弓社[青弓社ライブラリー] 定 価|1,800円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|256 ISBN|978-4-7872-3513-8 初 版|2022年10月 Contents 序 章 ビデオのメディア論に向けて 永田大輔/近藤和都/溝尻真也/飯田 豊 1 拡張する映像文化とビデオ 2 映像の文化社会学から、ビデオのメディア論へ 3 拡散するビデオ研究とその体系化の困難 4 ビデオの普及/利用をめぐる歴史社会的文脈 5 本書の視角と限界 6 本書の構成 第1部 ビデオのメディア考古学 第1章 放送技術からニューメディアへ――一九五〇―六〇年代における「ビデオ」概念の拡張 飯田 豊 1 ビデオとはテレビである 2 放送技術としてのビデオテープ――初期の放送用VTRの利用 3 作り手と送り手の分離――番組制作会社の誕生 4 ビデオはテレビではない――コミュニケーションのためのニューメディアへ 5 「ビデオ・パッケージ旋風」――視聴者のためのニューメディアへ 第2章 ビデオにおける「教育の場」と「見ること」――一九六〇年代後半―七〇年代の業界紙「ビデオジャーナル」にみる普及戦略を中心に 永田大輔 1 ビデオ受容をめぐる諸議論 2 資料の特性 3 教育とビデオ 4 「教育」と「家庭」の距離 5 結論 第2部 ビデオの社会的受容 第3章 放送番組の保存と所有をめぐる系譜学――一九七〇―八〇年代の音楽ファンとエアチェック文化 溝尻真也 1 エアチェックの流行と感覚の変容 2 一九六〇―七〇年代のラジオ 3 ラジカセの普及とエアチェックの拡大 4 ミュージックビデオ番組とビデオエアチェック 5 「楽しさ」がもたらすメディア普及 第4章 「ビデオが普及すること」が作り出すファン経験の変容過程――一九七〇―八〇年代のアニメ雑誌を素材として 永田大輔 1 普及を経験するということ 2 一般理論としての「普及理論」 3 ビデオ普及の諸特性 4 アニメファンにとっての普及経験 5 結論 第5章 レンタルビデオ店という文化装置――店舗の大規模化を介した旧作ソフトの価値転換 近藤和都 1 レンタルビデオ店の生成 2 違法店から正規店へ 3 「レンタル生活様式」の形成 4 複合化・大規模化するレンタルビデオ店 終 章 ビデオのその後と現在 溝尻真也 1 「ビデオの時代」の始まりと終わり 2 デジタル化される映像 3 撮る技術としてのビデオカメラの展開 4 「YouTube」とSNSの時代にビデオを問い直す 補 論 ビデオとは何か?――その基本的な特徴と歴史 溝尻真也 1 映像記録装置としてのフィルムとビデオ 2 ビデオの基本的な特徴 3 オープンリール式からカセット式へ 4 規格統一と企業間競争 Author 永田 大輔 Daisuke Nagata 1985年、栃木県生まれ。明星大学など非常勤講師。専攻はメディア論、文化社会学、映像文化論、労働社会学。共編著に『アニメの社会学』『消費と労働の文化社会学』(ともにナカニシヤ出版)、共著に『産業変動の労働社会学』(晃洋書房)、論文に「コンテンツ消費における「オタク文化の独自性」の形成過程」(「ソシオロジ」第59巻第3号)など。 近藤 和都 Kazuto Kondo 1989年、愛知県生まれ。大妻女子大学社会情報学部准教授。専攻はメディア研究。著書に『映画館と観客のメディア論』(青弓社)、共編著に『技術と文化のメディア論』(ナカニシヤ出版)など。 溝尻 真也 Shinya Mizojiri 1979年生まれ、福岡県出身。目白大学メディア学部准教授。専攻はメディア論、文化社会学、ポピュラー音楽研究。共著に『音楽化社会の現在』(新曜社)、『スクリーン・スタディーズ』(東京大学出版会)、『改訂版 メディア技術史』(北樹出版)など。 飯田 豊 Yutaka Iida 1979年、広島県生まれ。立命館大学産業社会学部教授。専攻はメディア論、メディア技術史、文化社会学。著書に『テレビが見世物だったころ』(青弓社)、『メディア論の地層』(勁草書房)、共著に『新版 メディア論』(放送大学教育振興会)など。
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ユリイカ 2021年12月臨時増刊号 タロットの世界
¥2,420
SOLD OUT
タロットの起源から日本における受容の歴史まで、日本初の決定版タロット論集。鏡リュウジ=責任編集。 [編集部より] 責任編集|鏡リュウジ 出版社|青土社 定 価|2,200円+税 判 型|B5判/並製 頁 数|285 ISBN|978-4-7917-0409-5 初 版|2021年11月 Contents 総特集 タロットの世界 「はじめに」 鏡リュウジ I Tarot in History 起源と黎明 15 世紀から18 世紀 「ルネサンスにおけるタロットの創出――「マンテーニャのタロット」をめぐって」伊藤博明 「「マルセイユのタロット」史 概説」夢然堂 神秘への道 18 世紀から19 世紀 「フランスのタロティストたち――クール・ド・ジェブランからヴィルトまで」今野喜和人 「エリファス・レヴィにおけるタロット占いの意義」武内大 黄金の夜明け 19 世紀末から20 世紀 「ライダー・ウェイト・スミス・タロット登場の背景」江口之隆 「カードの女王――ホロスコープに見るパメラ・コールマン・スミスとライダー・ウエイト版タロット」マギー・ハイド 鏡リュウジ訳 「ケルト十字展開法の解明」マーカス・カッツ 松田和也訳 「アベイ座のタロット・リーディング」メアリ・K・グリア 松田和也訳 新時代の霊性を求めて 20 世紀から21世紀 「二十世紀前半のロシアにおけるタロットオカルティズム」ロナルド・デッカー、マイケル・ダメット 今野喜和人訳 「タロット・ユング・エラノス」鏡リュウジ 「水瓶座時代のタロットとポップオカルティズム」伊泉龍一 「グラストンベリーのタロット事情」河西瑛里子 II Tarot in Japan 「タロット・カードとともに歩んだ半世紀――タロット・カードを日本に初めて輸入販売した会社の物語」 佐藤元泰 「日本におけるタロットの受容史――澁澤、種村と「タロウかタロットか」論争」夢然堂 「タロット占いが教えてきたもの――雑誌『マイバースデイ』から読み解く」橋迫瑞穂 [対談] 「タロットに流れるエネルギーの系譜」 鏡リュウジ+伊泉龍一 III Tarot in Art 「アレイスター・クロウリー、絵画、及びパレルモ・コレクションの諸作品」マルコ・パーシ 松田和也訳 「映画における「愚者」」エミリー・オーガー 伊泉龍一訳 「ケアラケアクア女神オラクルカード」小田まゆみ [インタビュー] 「タロットを描く」天野喜孝 [図版構成]萩尾望都デザインタロットカード IV Tarot in Action 「タロットの与えてくれるもの」暮れの酉 「カードとカードの間からこぼれ落ちるもの」ニシー 「「占い」の、内なる道徳律。」石井ゆかり 「思考ツールとしてのタロット」米光一成 V Tarot in Life 「『はじめてのタロット』を作った日々」荒井良二 「タロットカードと僕」蒼井翔太 「ロンドン・タロット・ツアー」ジェラルディン・バスキン 鏡リュウジ訳 VI Tarot in Perception 「占いと知覚」千葉雅也 【ブックガイド】個性派タロット本・ブックガイド MU BOOK information forum 出張版 星野太朗 編集後記 鏡リュウジ
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法の書[増補新訳]愛蔵版
¥6,380
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稀代の魔術師アレイスター・クロウリーが遺した人類への提言、『法の書』が世紀を経てついに真の姿を現す! ◇ 最新の研究に基づき全面改訳した決定版 ◇ 本邦初訳の〈序文〉全13頁を増補 ◇ 『法の書』誕生の鍵となった〈啓示の銘板〉のカラー写真および全訳詩文を増補 ◇ 自筆原稿全65点の写真をより鮮明に収録 ◇ クロウリーの言葉に基づき「法の書」本文の一部に特色赤インクを使用 ◇ 附属の特別小冊子には小森健太朗氏、Hieros Phoenix 氏、江口之隆氏、滝本誠氏によるエッセイを収録 この書を読むことは、もはや〈儀式〉というべき特別な体験――。 ー 「汝は食し、子を産み、死ぬために造られたのか? そんなふうに思ってはならない。/汝はある途轍もない〈目的〉のために、現在ある姿に造られているのだ」 「存在とは純粋な歓びである。悲しみとはすべて影の如きものにすぎぬ。」 「すべての男とすべての女は星である」。夜空に輝く星のように、ひとは皆かけがえのない、宇宙にただ一つの存在なのだとクロウリーは説く。「我々の一人ひとりが〈唯一神〉なのだ」と。 法 =〈魂の道しるべ〉を示した、世紀の聖典 旧世紀において「猛毒を含んだ危険文書」「悪魔の福音書」と呼ばれた〈禁断の書〉。 ー [愛蔵版]特殊仕様 ◆ いざ開かれよ魔術の扉―― 業界初、両手で左右に分け開く形態の、特装函入。艶めく烏珠色の布クロスを纏った、聖典の名にふさわしい装い。 ◆ 所有者だけが味わえる、一度きりの〈開封の儀〉―― 一折一折ペーパーナイフで切り開いて読む形態の、袋状アンカット装。 (※開いた際に現れる紙の繊維の立ち上がりこそ、アンカットの封を解いた証。その醍醐味を味わっていただくために、カッターナイフよりもペーパーナイフの使用を推奨いたします) ◆ クロウリーの魂があなたを護る―― 魂の道標たる直筆の金言・魔法円・署名を込めた護符を特典として附属。 装幀 松田行正+杉本聖士。通常仕様の【普及版】も同時発売。 [出版社より] 著 者|アレイスター・クロウリー 訳 者|植松靖夫 出版社|国書刊行会 定 価|5,800円+税 判 型|四六判/上製 頁 数|304 ISBN|978-4-336-07254-2 初 版|2022年02月 Contents 第一章 法の書 〈第二二〇之書〉 序 Ⅰ Ⅱ Ⅲ 『法の書』直筆原稿 第二章 クハブス・アム・ペクト 〈第三〇〇之書〉 第三章 デ・レゲ・リベルム 〈第一五〇之書〉 法 I 自由について Ⅱ 愛について Ⅲ 生について Ⅳ 光について 第四章 NVの書 〈第十一之書〉 第五章 HADの書 〈第五五五之書〉 附録〈啓示の銘板〉 訳者解説 Author アレイスター・クロウリー Aleister Crowley 1875年~1947年。イギリスの神秘主義者、魔術師。 ケンブリッジ大学在学中に「黄金の夜明け団」に入団。その後世界各国遍歴の旅に出、神秘主義結社を開設して数多くのオカルティズム文献を著述した。 Translator 植松 靖夫 Yasuo Uematsu 上智大学大学院博士後期課程修了。現在、東北学院大学文学部教授。訳書に『ヴィクトリア時代ロンドン路地裏の生活誌』(原書房)、『西洋博物学者列伝 アリストテレスからダーウィンまで』(悠書館)、『心霊博士ジョン・サイレンスの事件簿』(東京創元社)などがある。
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法の書[増補新訳]普及版
¥3,080
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稀代の魔術師アレイスター・クロウリーが遺した人類への提言、『法の書』が世紀を経てついに真の姿を現す! ◇ 最新の研究に基づき全面改訳した決定版 ◇ 本邦初訳の〈序文〉全13頁を増補 ◇ 『法の書』誕生の鍵となった〈啓示の銘板〉のカラー写真および全訳詩文を増補 ◇ 自筆原稿全65点の写真をより鮮明に収録 ◇ クロウリーの言葉に基づき「法の書」本文の一部に特色赤インクを使用 ◇ 附属の特別小冊子には小森健太朗氏、Hieros Phoenix 氏、江口之隆氏、滝本誠氏によるエッセイを収録 この書を読むことは、もはや〈儀式〉というべき特別な体験――。 ー 「汝は食し、子を産み、死ぬために造られたのか? そんなふうに思ってはならない。/汝はある途轍もない〈目的〉のために、現在ある姿に造られているのだ」 「存在とは純粋な歓びである。悲しみとはすべて影の如きものにすぎぬ。」 「すべての男とすべての女は星である」。夜空に輝く星のように、ひとは皆かけがえのない、宇宙にただ一つの存在なのだとクロウリーは説く。「我々の一人ひとりが〈唯一神〉なのだ」と。 法 =〈魂の道しるべ〉を示した、世紀の聖典 旧世紀において「猛毒を含んだ危険文書」「悪魔の福音書」と呼ばれた〈禁断の書〉。 その新の姿が、ついに明かされる。装幀=松田行正+杉本聖士。特殊仕様の【愛蔵版】も同時発売。 [出版社より] 著 者|アレイスター・クロウリー 訳 者|植松靖夫 出版社|国書刊行会 定 価|2,800円+税 判 型|四六判/上製 頁 数|304 ISBN|978-4-336-07319-8 初 版|2022年02月 Contents 第一章 法の書 〈第二二〇之書〉 序 Ⅰ Ⅱ Ⅲ 『法の書』直筆原稿 第二章 クハブス・アム・ペクト 〈第三〇〇之書〉 第三章 デ・レゲ・リベルム 〈第一五〇之書〉 法 I 自由について Ⅱ 愛について Ⅲ 生について Ⅳ 光について 第四章 NVの書 〈第十一之書〉 第五章 HADの書 〈第五五五之書〉 附録〈啓示の銘板〉 訳者解説 Author アレイスター・クロウリー Aleister Crowley 1875年~1947年。イギリスの神秘主義者、魔術師。 ケンブリッジ大学在学中に「黄金の夜明け団」に入団。その後世界各国遍歴の旅に出、神秘主義結社を開設して数多くのオカルティズム文献を著述した。 Translator 植松 靖夫 Yasuo Uematsu 上智大学大学院博士後期課程修了。現在、東北学院大学文学部教授。訳書に『ヴィクトリア時代ロンドン路地裏の生活誌』(原書房)、『西洋博物学者列伝 アリストテレスからダーウィンまで』(悠書館)、『心霊博士ジョン・サイレンスの事件簿』(東京創元社)などがある。
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新版 近代スピリチュアリズムの歴史
¥3,300
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芥川賞作家にして心霊研究家の三浦清宏が繙く、スピリチュアリズムの歴史の決定版! コナン・ドイルがとりこになった! ポルターガイスト、降霊会、エクトプラズム、心霊写真、念写……。ハイズヴィル事件からはじまり英国ヴィクトリア期に黄金時代を迎え、アメリカの超心理学へ――驚異の霊媒と科学的分析の相克に、新たな可能性の扉が開く! 湯浅泰雄賞受賞作(2008年講談社刊)に、フォックス姉妹、D.D.ホーム、エヴァ・C、マージェリ―、ユーサピア・パラディーノ、ウィリアム・ホープら霊媒たちの、驚異の超常現象など図版140余点を増補。さらに貴重な英国物理霊媒コリン・フライの来日降霊会レポートを50頁以上併録する充実の新版。 [出版社より] 著 者|三浦清宏 出版社|国書刊行会 定 価|3,000円+税 判 型|A5判/上製 頁 数|400 ISBN|978-4-336-07354-9 初 版|2022年06月 Contents はじめに ◎第一章 ハイズヴィル事件とその波紋 ハイズヴィル事件 フォックス姉妹と「ロチェスターのノック音」 スピリチュアリズムが生んだ最初の職業霊媒 熱狂するアメリカ社会 ハイズヴィル事件の注目すべき点 現象はフォックス姉妹が起こしたのか? 「伝染」していく叩音現象 伝播の社会的背景 ◎第二章 ハイズヴィルに至る道のり 「予言者」アンドリュー・ジャクソン・デイヴィス 驚くべきトランス・トーク 『自然の原理――その聖なる啓示と人類への声』 デイヴィスの描く霊界観 「超自然ではない」 エマヌエル・スウェーデンボルグ――最初のスピリチュアリスト 生まれながらの霊的素質 科学者スウェーデンボルグの葛藤 照応の原理 十九世紀文学者たちと神秘思想 霊界探訪者 メスメリズム 「動物磁気」がもたらしたもの ◎第三章 心霊研究の黄金時代 I――霊能者の活躍 英国での開幕――ハイデン夫人の渡英 パックス・ブリタニカ その頃の日本――「黒船」から日清戦争へ 実験科学の発達と心霊研究 唯物思想への警戒感 「霊媒の王」D・D・ホーム 広範囲におよんだホームの霊能力 ホームの空中浮遊 「スピリチュアリズムの歩く大広告塔」 潔癖な霊能力者の後半生 英国知識者層の反応①――ブラウニングの風刺詩 英国知識者層の反応②――冷淡なファラデイ ロンドン・ダイアレクティカル・ソサイエティの調査 アルフレッド・ウォレス、スピリチュアリズム擁護 「心霊研究の立役者」ウィリアム・クルックス クルックスとケイティ・キング 「何も撤回することはない」 ◎第四章 心霊研究の黄金時代 II――霊能者たちVS.研究者たち 「縄抜け」ダベンポート兄弟 「石板書き」ヘンリー・スレード 心霊研究協会(SPR)の発足 フレデリック・マイヤーズとSPR 『生者の幻像』――最初の成果 『人間個性とその死後の存続』 SPRの葛藤と分裂 「SPRの審問官」リチャード・ホジソン パイパー夫人への調査 調査はイギリス本部でも ホジソン、自らもスピリチュアリストへ クロス・コレスポンデンス ◎第五章 心霊研究後期――英国以外の研究者たちとその成果 ツェルナーによるスレードの実験 セイバート委員会 ユーサピア・パラディーノの多彩な霊能 科学者たちの調査 ユーサピアは詐欺師か? マージェリ・クランドンと霊の指紋 マージェリとヴァリアンタイン、そして浅野和三郎 エクトプラズム研究①――ノティングによる化学分析 エクトプラズム研究②――ジュレーと霊の手の塑像 エクトプラズム研究③――クロフォードの「心霊の杖」論 エクトプラズム研究④――フィンドレーの「直接談話」のしくみ 心霊写真家の誕生――W・マムラー、F・ハドソン ウィリアム・ホープの心霊写真 ホープと福来友吉による念写実験 ◎第六章 スピリチュアリズムの発展と挫折 フランス人アラン・カルデックの伝道 「スピリチュアリズムの女パウロ」エマ・ブリテン SPR分裂後――ステイントン・モーゼズの活躍 ジョージ・ヴェール・オーエン牧師『ヴェールの彼方の生活』 その他のスピリチュアリズム重要文献 フォックス姉妹晩年のスキャンダル 第一次世界大戦の影響――『レイモンド』ベストセラーに コナン・ドイル、「スピリチュアリズムの宣教師」となる スピリチュアリズム再考①――科学との関係 スピリチュアリズム再考②――英国の風土と英国人の気質 スピリチュアリズム再考③――宗教との関係 スピリチュアリズム再考④――大衆化 スピリチュアリズム再考⑤――研究の対象となる心霊現象 ◎第七章 超心理学の時代 二十世紀・超心理学時代の到来 ライン革命――「超感覚的知覚(ESP)」 サイ(PSI)研究 二つの不祥事 マイモニデス夢実験室 「念写」――福来友吉の研究 テッド・シリアス、ポラロイドカメラでの念写 死後生存①――臨死体験 死後生存②――生まれ変わり(再生) 動物サイ スプーン曲げ キルリアン写真 心霊治療(治療能力:生体PK) ブレークスルーにむけて ◎第八章 日本の事情 心霊研究後発国――平田篤胤から福来友吉の登場まで 長尾郁子念写事件 三田光一が念写した月の裏側 福来以後――戦後日本の超心理学 独自の研究 日本のスピリチュアリズムの古い伝統 高橋五郎――スピリチュアリストの先駆者 浅野和三郎――英文学者から心霊研究家へ 浅野、大本教に入信 鎮魂帰神の法 欧米心霊行脚 夫婦による霊界通信 心霊科学研究会と日本心霊科学協会 日本スピリチュアリズムの問題点 守護霊の多様さとその特殊性 日本人霊能者たちに求められること 【付録】 ◎降霊会レポート(英国物理霊媒コリン・フライ) ・降霊実験会(第一・二・三回) ………………秦 靖幸 ・リンカーン氏によるトランス・トーク(1) ・リンカーン氏によるトランス・トーク(2) ・「ノアの方舟協会」の降霊会 in 東京………………三浦清宏 あとがき 索引/掲載図版リスト/主要参考文献/スピリチュアリズム年表 附録 泥の海――あるいは円盤文献瞥見 Author 三浦 清宏 Kiyohiro Miura 1930年北海道室蘭生まれ。小説家、心霊研究家。東京大学文学部英文学科を中退し渡米、アイオワ大学ポエトリー・ワークショップ修了。留学中に小島信夫の知遇を得る。1967-2001年明治大学工学部(英語)助教授・教授。1978年から1年間英国でスピリチュアリズムを研究。1988年『長男の出家』で芥川龍之介賞受賞。2006年『海洞』で日本文芸大賞受賞。1991-99年、2021年~日本心霊科学協会理事。 小説に『長男の出家』『ポエトリ・アメリカ』『カリフォルニアの歌』『摩天楼のインディアン』『海洞――アフンルパロの物語』、スピリチュアリズム関連に『イギリスの霧の中へ――心霊体験紀行』『幽霊にさわられて――禅・心霊・文学』『見えない世界と繫がる――我が天人感応』、エッセイに『文学修行――アメリカと私』『運命の謎――小島信夫と私』など。
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アイドルについて葛藤しながら考えてみた
¥1,760
「恋愛禁止」と異性愛規範、「卒業」制度に表れるエイジズムなど、アイドルというジャンルは演者に抑圧を強いる構造的な問題を抱え続けている。アイドルの可能性と問題性について、手放しの肯定でも粗雑な否定でもなく、「葛藤しながら考える」ための試論集。 ー 今日、アイドルは広く普遍的な人気を獲得し、多様なスタイルや可能性をもつジャンルとしても注目されている。しかし、同時に多くの難点を抱え込んでいることも見過ごせない。 暗黙の「恋愛禁止」ルールとその背景にある異性愛主義、「年齢いじり」や一定の年齢での「卒業」という慣習に表れるエイジズム、あからさまに可視化されるルッキズム、SNSを通じて四六時中切り売りされるパーソナリティ……。アイドルというジャンルは、現実にアイドルとして生きる人に抑圧を強いる構造的な問題を抱え続けている。スキャンダルやトラブルが発生して、旧態依然ともいえるアイドル界の「常識」のあり方が浮き彫りになるたび、ファンの間では答えが出ない議論が繰り返されている。 その一方で、自らの表現を模索しながら主体的にステージに立ち、ときに演者同士で連帯して目標を達成しようとするアイドルたちの実践は、人々をエンパワーメントするものでもある。そして、ファンのなかでも、アイドル本人に身勝手な欲望や規範を押し付けることと裏表でもある「推す」(≒消費する)ことに対して、後ろめたさを抱く人が増えている。 本書では、「推している」がゆえにジャンルが抱える問題から目をそらすのではなく、かといって、現に日々活動を続ける一人ひとりのアイドルの存在を無視して「アイドル」そのものを「悪しき文化」として非難するのでもなく、「アイドルを好きでいること」と問題点の批判的な検討との両立を目指す。 乃木坂46やAKB48、ハロー!プロジェクト、二丁目の魁カミングアウトなどの具体的なアイドルの実践を取り上げる批評から、「推す」という行為のもつ功罪を問い直す論考、近年K-POPアイドルシーンで盛んな「女性が憧れる女性像」である「ガールクラッシュ」コンセプトの内実を検討するレビューまで、様々な視点から「葛藤しながらアイドルを語る」ことの可能性を浮き彫りにする。 [出版社より] 編 著|香月孝史・上岡磨奈・中村香住 出版社|青弓社 定 価|1,600円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|228 ISBN|978-4-7872-7449-6 初 版|2022年07月 Contents はじめに 香月孝史 序 章 きっかけとしてのフェミニズム 中村香住 第1章 絶えざるまなざしのなかで――アイドルをめぐるメディア環境と日常的営為の意味 香月孝史 1 日常化するドキュメンタリー 2 〈見る/見られる〉の先にあるもの 3 承認と消費の間で葛藤すること 第2章 「推す」ことの倫理を考えるために 筒井晴香 1 問題設定とこれまで論じた事柄について 2 「推し活」の問題とアイドル 3 「推す」ことの倫理を考えるために 第3章 「ハロプロが女の人生を救う」なんてことがある? いなだ易 1 ハロプロの特色とその受容 2 ハロプロの音楽は「女の人生を救う」か 3 アイドルたちの「女の人生」 第4章 コンセプト化した「ガールクラッシュ」はガールクラッシュたりえるか?――「ガールクラッシュ」というコンセプトの再検討 DJ泡沫 1 「ガールクラッシュ」とはそもそも何か 2 韓国での「ガールクラッシュ」コンセプトの誕生と内包されるイメージ 3 K―POPにおける女性アイドルの女性ファンに対するレッテルの歴史 4 女性ファンたちが自ら選んで愛した女性アイドルと楽曲たち 第5章 キミを見つめる私の性的視線が性的消費だとして 金巻ともこ 1 世界はひどくて悲しい暴力に満ちている 2 キミを見つめる目ははたして暴力なのか 第6章 クィアとアイドル試論――二丁目の魁カミングアウトから紡ぎ出される両義性 上岡磨奈 1 「当たり前」に対するわだかまり 2 「異性」としてのアイドル 3 フォロワー/カウンターとしてのゲイアイドル 4 異性愛主義とゲイアイドル 5 ジェンダーに対する無関心 6 アイドルとジェンダー、セクシュアリティ 第7章 「アイドル」を解釈するフレームの「ゆらぎ」をめぐって 田島悠来 1 疑似恋愛の対象としての「アイドル」 2 メディア空間・言説からみる「アイドル/ファン」の姿 第8章 観客は演者の「キラめき」を生み出す存在たりうるのか――『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』を通して「推す」ことの葛藤を考える 中村香住 1 観客が演者のパーソナリティや関係性を「消費」することの功罪 2 『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』における「二・五次元」コンテンツの枠組みの更新 3 舞台少女の「キラめき」を生み出す「燃料」とは何か 4 観客(オーディエンス)が演者(パフォーマー)を舞台に立たせるとはどういうことか 5 キリンはサプライズがお好き? 6 キリンが「舞台少女」と「普通」の「女の子」を執拗に区別することの意味 7 なぜ、それでも「舞台少女」を続けるのか 8 「舞台少女」と「舞台創造科」との共犯関係 第9章 もしもアイドルを観ることが賭博のようなものだとしたら――「よさ」と「よくなさ」の表裏一体 松本友也 1 「アイドルを観る」とはどのような行為なのか 2 賭博の美学性、観ることの賭博性 3 アイドルの「アマチュア性」がもたらす賭博的緊張 4 「わたしたちと同じ身体」による期待の裏切り 5 「賭ける」ことと「推す」こと 6 賭博的な快の裏に隠されるもの 7 「生身」への欲望を制限すること、またその困難 おわりに 上岡磨奈 Editor 香月 孝史 Takashi Katsuki 1980年、東京都生まれ。東京大学大学院学際情報学府博士課程単位取得退学。ポピュラー文化を中心にライティング・批評を手がける。著書に『乃木坂46のドラマトゥルギー』『「アイドル」の読み方』(ともに青弓社)、共著に『社会学用語図鑑』(プレジデント社)など。 上岡 磨奈 Mana Kamioka 1982年、東京都生まれ。慶應義塾大学大学院社会学研究科後期博士課程。専攻は文化社会学、カルチュラルスタディーズ。共著に『「趣味に生きる」の文化論』(ナカニシヤ出版)、論文に「アイドル音楽の実践と強制的異性愛」(「ポピュラー音楽研究」第25号)、「アイドル文化における「チェキ」」(「哲学」第147号)など。 中村 香住 Kasumi Nakamura 1991年、神奈川県生まれ。慶應義塾大学文学部・同大学大学院社会学研究科非常勤講師。専攻はジェンダー・セクシュアリティの社会学。共著に『ガールズ・メディア・スタディーズ』『ふれる社会学』(ともに北樹出版)、『「百合映画」完全ガイド』(星海社)、『私たちの「戦う姫、働く少女」』(堀之内出版)、論文に「クワロマンティック宣言」(「現代思想」2021年9月号)、「「女が女を推す」ことを介してつながる女ヲタコミュニティ」(「ユリイカ」2020年9月号)、「フェミニズムを生活者の手に取り戻すために」(「新社会学研究」第2号)など。
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エセ著作権事件簿——著作権ヤクザ・パクられ妄想・著作権厨・トレパク冤罪
¥2,750
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言いがかり71事件の顛末・裁判例を徹底批評! 合法かつ正当に表現するための知恵と勇気を身に着けよう! ・宮崎駿が同じ曲を聴いている!驚愕のパクられ被害妄想©『崖の上のポニョ』事件 ・狂気! パクられ妄想を天皇陛下に直訴した暴走老人に塩を撒け!©『中国塩政史の研究』事件 ・無名のほら吹き! 東京五輪をツブしたイチャモン野郎の素性を暴く©東京五輪エンブレム事件 ・日本の小学生にトラウマを与えたディズニーのエセ教育的指導!©プールの底のミッキーマウス事件 ・5・7・5の標語で電通に19億円を要求©チャイルドシート交通標語事件 ・無慈悲! 謝罪した正直者に6000万円を要求して敗訴した女©『マンション読本』事件 ・トレースで60万円請求!ぼったくりストックフォト会社の敗訴©コーヒーを飲む男性事件 ・実録・エセ著作権への反論! 警告書が届いたらこう切り返せ!©『どえらいモン大図鑑』事件 ・「「無断引用禁止」 というバカワード」「逆に名誉毀損で訴えたらどうなる?」等のコラムも [出版社より] 著 者|友利昴 出版社|パブリブ[過剰権利主張ケーススタディーズ] 定 価|2,500円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|544 ISBN|978-4-908468-60-5 初 版|2022年07月 Contents 第1章 大迷惑!驚愕のパクられ妄想ワールド 墓穴を自分で掘れ!伝説のクレーマーを裁判で黙らせたヒットメーカー ——時間は夢を裏切らない事件 ネットの意見を鵜呑み!高名作家遺族のイチャモンに出版社は大迷惑! ——『生活維持省』事件 ほか 第2章 何様なのか?無知と屁理屈のイチャモンワールド 大正詩人に敬意を払え!死んだ作家へのリスペクトを強要する大迷惑 ——『テルーの唄』事件 狂気!パクられ妄想を天皇陛下に直訴した暴走老人に塩を撒け! ——『中国塩政史の研究』事件 ほか 第3章 パロディ、偶然、コピペ、引用 クレーマーの常識を覆す! 無差別パロディストがあっさり謝罪!?意外と弱腰だった人気漫画家 ——左手にサイコガンを持つポプ子事件 まやかしのカウンターカルチャー!ダブスタ主張で赤っ恥敗訴 ——『完全自殺マニア』事件 ほか 第4章 有名事件から学ぶ、クレームに屈しない知恵と勇気! 大衆にのせられた黒澤明の息子が、野武士のように切り捨てられる! ——『七人の侍』事件 NHKに盗作されて年賀状が激減!最重要判例の悲し過ぎる動機! ——江差追分事件 ほか Author 友利 昴 Subaru Tomori 作家。慶應義塾大学環境情報学部卒業。企業で法務・知財実務に長く携わる傍ら、著述・講演活動を行う。主な著書に『オリンピックVS便乗商法―まやかしの知的財産に忖度する社会への警鐘』(作品社)、『知財部という仕事』『へんな商標?』(発明推進協会)、『それどんな商品だよ!』(イースト・プレス)、『日本人はなぜ「黒ブチ丸メガネ」なのか』(KADOKAWA)などがある。一級知的財産管理技能士。
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西洋占星術史 科学と魔術のあいだ
¥1,012
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「○○座生まれのあなたは……」などと始まる「星占い」――。雑誌やテレビはもちろん、ネット上でも頻繁に見かけるおなじみの存在ですが、「○○座生まれ」というのはどういうことか、ちゃんと説明できる人は実はそう多くないでしょう。ましてや、星占いはいつ誕生したのか、はじめから今見るようなものだったのか、といった問いに答えられる人となると、もっと少ないに違いありません。 本書は、科学や科学技術の歴史に詳しい専門家が誰にでも分かるように、そして面白く読めるように占星術の歴史をコンパクトにまとめた1冊です。占星術を生み出したのは、現在のバクダット南方に位置するバビロニアで紀元前9世紀頃から勢力を伸ばしたカルデア人でした。天文学に長けていたカルデア人は、日蝕や月蝕、彗星の出現などを地上に起きることの前兆として捉え、将来訪れる災厄を予言する技法として、占星術を開発したのです。 この技法が、のちの紀元前4世紀に登場したアレキサンダー大王がバビロニアを征服したことをきっかけにしてギリシア世界に流入し、さらに古代ローマに継承されていくのが「西洋占星術」の発展につながっていきます。当初はもっぱら天下国家の運命を対象にしていた占星術は、やがて個人の運命を占うようになりました。個人といっても、はじめは皇帝や王だけがその恩恵にこうむることができましたが、時代が進むにつれて、一般の人たちも自分の運命を知るために占星術にアクセスするようになったのです。 当代随一の占星術師である鏡リュウジ氏が解説を書き下ろしたこの文庫版を手にすれば、何気なく触れてきた「星占い」も、ぐっと深みを帯びて、まったく違う魅力的なものに見えてくること間違いなし、です。 [出版社より] 著 者|中山茂 出版社|講談社[講談社学術文庫] 定 価|920円+税 判 型|文庫判/並製 頁 数|208 ISBN|978-4-06-517132-5 初 版|2019年09月 Contents 1 カルデアの知恵 2 ギリシャ人の科学 3 ホロスコープの技術 4 「占星社会」ローマ 5 ルネサンスの大論争 6 近代科学からの脱落 7 現代を生きる占星術 あとがき 解 説 鏡リュウジ Author 中山 茂 Shigeru Nakayama 1928-2014年。科学史家。東京大学助教授を経て、神奈川大学名誉教授。西洋のみならず日本や中国の科学・科学技術史や大学史など、広範な領域で功績を残す。主な著書に、『天の科学史』、『近世日本の科学思想』、『パラダイムと科学革命の歴史』(以上、講談社学術文庫)ほか。主な訳書に、トーマス・クーン『科学革命の構造』ほか。
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ドライブイン探訪
¥990
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道路沿いにひっそりと佇み、ドライバーたちに食事を提供する人々。クルマ社会、外食産業の激変とともにあった、その人生とは?道路沿いにひっそりと佇むドライブイン。クルマ社会、外食産業の激変の荒波を受けながら、ドライバーたちに食事を提供し続けた人々の人生と思いに迫る傑作ルポ。解説=田中美穂。 [出版社より] 著 者|橋本倫史 出版社|筑摩書房[ちくま文庫] 定 価|900円+税 判 型|文庫版/並製 頁 数|432 ISBN|978-4-480-43817-1 刊 行|2022年07月 Contents プロローグ 酪農とドライブインの町 直別・ミッキーハウスドライブイン 1 ハイウェイ時代 2 アメリカの輝き 3 花盛りの思い出 4 移りゆく時代に 5 店を続けること エピローグ 戦後 鹿児島・ドライブイン薩摩隼人 Author 橋本 倫史 Tomofumi Hashimoto 1982年東広島市生まれ。フリーライター。2017年から、リトルプレス『月刊ドライブイン』を全12号を刊行し、話題を呼んだ。
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どうにもとまらない歌謡曲 七〇年代のジェンダー
¥902
激動の1970年代、男らしさ・女らしさの在り方は大きく変わり始めていた。阿久悠、山本リンダ、ピンク・レディー、西城秀樹、松本隆、太田裕美、桑田佳祐……。メディアの発信力が加速度的に巨大化するなか、老若男女が自然と口ずさむことのできた歌謡曲の数々。その時代の「思想」というべき楽曲たちが日本社会に映したものとは?衝撃の音楽&ジェンダー論。 [出版社より] 著 者|舌津智之 出版社|筑摩書房[ちくま文庫] 定 価|820円+税 判 型|文庫版/並製 頁 数|336 ISBN|9784480438218 刊 行|2022年06月 Contents 1 愛しさのしくみ 愛があるから大丈夫なの?——結婚という強迫 あなたの虚実、忘れはしない——母性愛という神話 戦争を知らない男たち——愛国のメモリー 2 越境する性 うぶな聴き手がいけないの——撹乱する「キャンプ」 やさしさが怖かった頃——年齢とジェンダー ウラ=ウラよ!——異性愛の彼岸 3 欲望の時空 黒いインクがきれいな歌——文字と郵便 いいえ、欲しいの!ダイヤも——女性と都市 季節に褪せない心があれば、歌ってどんなに不幸かしら——抒情と時間 Author 舌津 智之 Tomoyuki Zettsu 1964年、愛知県生まれ。東京大学大学院修士課程修了、テキサス大学オースティン校にて博士号取得。2022年現在、立教大学文学部教授。『抒情するアメリカ モダニズム文学の明滅』(2009年)ほか著書・共著書多数。
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オカルトタロットの歴史 1870-1970年
¥5,940
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タロットの秘儀化はいかにして生まれ、いかにして解体し、さらに広い文化的事象へと展開していったのか――? 黄金の夜明け団やアレイスター・クロウリーによるタロットの扱い、現代において最も流通している「ウェイト=スミス版タロット」の誕生にまつわる経緯など、日本でも関心が高い主題を取り上げ、基本的には遊戯用のカードに過ぎなかったタロットが18世紀末以降、古代以来のありとあらゆる神秘思想を担う図像の集成となり、また人間の運命を見通す占いの道具となっていった歴史を、世界各地で活動したタロティストたちの人生と思想、社会の動きを織り交ぜながら興趣あふれる筆致で描き出した決定的大著。 [出版社より] 著 者|ロナルド・デッカー/マイケル・ダメット 訳 者|今野喜和人 出版社|国書刊行会 定 価|5,400円+税 判 型|A5判/上製 頁 数|592 ISBN|978-4-336-07277-1 初 版|2022年02月 Contents ◆第Ⅰ部 西洋オカルティズム 第0章 序論 第1章 国際的刷新 第2章 イギリスの継承者たち ◆第Ⅱ部 秘密にされた混合主義(シンクレティズム) 第3章 ルクソールのヘルメス同胞団 第4章 〈黄金の夜明け〉が始まる 第5章 〈黄金の夜明け〉の輝き 第6章 〈黄金の夜明け〉にかかる雲 第7章 〈黄金の夜明け〉の屈折 ◆第Ⅲ部 教義の開示 第8章 ウェイトのタロットと秘密の教義 第9章 秘密のチーフたちとクロウリー=ハリス版タロット 第10章 〈黄金の夜明け〉は微光を放ち続ける ◆第Ⅳ部 東に向かうタロティズム 第11章 スイス 第12章 ドイツ 第13章 ロシア ◆第Ⅴ部 様々な学派、様々な規則 第14章 C・C・ザインと〈光の教会〉 第15章 ナップおよびホールと彼らのタロット 第16章 ケースと〈アディトゥムの建設者たち〉 第17章 ブライトン夫妻と〈MANS聖修道会〉 第18章 リンドとその信奉者たち 第19章 ガレス・ナイトと〈光の侍従会〉 ◆第Ⅵ部 大衆のための神秘 第20章 イーデン・グレイとウェイト=スミス版タロット 第21章 古い観点への新たな焦点 Author ロナルド・デッカー Ronald Decker 1943年ニューヨーク州のウェルズヴィルで生まれる。ニューヨーク州立大学バッファロー校卒業。次いでオハイオ州のシンシナティ大学で絵画を学び、修士号取得。様々な学校で美術と芸術史を教える。1986年から2002年まで、当時オハイオ州ノーウッドにあったUSプレイング・カード社でアンティーク・カードのキュレーターを務め、世界中の初期タロットを研究。The Esoteric Tarot(『秘教タロット』)(2013)など、タロットの歴史およびシンボリズムに関する著作4点を執筆もしくは執筆協力。 マイケル・ダメット Sir Michael Dummett 1925年ロンドン生まれ。オックスフォードのクライストチャーチ・カレッジを最優秀の成績で卒業し、1979年から1992年までオックスフォード大学で論理学を講じる。アメリカのハーバードやプリンストンなどからも招聘され、1999年にはナイトの称号を得る。分析哲学の大家として知られ、関連著作多数。一方、余技として始めたタロット研究の分野でも第一人者と見なされるようになる。タロットゲームに関する大著The Game of Tarot(1980)の他、通史的には本書の前編にあたるA Wicked Pack of Cards, The Origins of the Occult Tarot(『邪悪なカードデッキ――オカルトタロットの起源』)をロナルド・デッカーおよびフランスのタロット研究家ティエリー・ドゥポーリスとの共著で1996年に発表している。2011年、オックスフォードで没。 Translator 今野喜和人 Kiwahito Konno 1954年東京都生まれ。東京大学大学院博士課程単位取得退学。博士(文学)。現在、静岡大学名誉教授。専攻、比較文学比較文化。 著書に、『啓蒙の世紀の神秘思想――サン=マルタンとその時代』(東京大学出版会、2006)、訳書に、[ルイ=クロード・ド・サン=マルタン]『クロコディル――一八世紀パリを襲った鰐の怪物』(国書刊行会、2013)、イーヴリン・アンダーヒル『神秘主義』(ナチュラルスピリット、2016、共訳)、オズヴァルド・ヴィルト『中世絵師たちのタロット』(国書刊行会、2019)、ジャン゠クリストフ・リュファン『永遠なるカミーノ』(春風社、2020)、他多数。
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マルセイユ・タロット教室——タロット・マスターをめざして
¥3,300
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78枚の絵柄について理解を深め、自由自在にリーディングできるよう基本からていねいに解説した入門の書。各章に、恋愛・結婚・離婚・不動産・ペットロスなどの相談に挑戦できる練習問題つき。 [出版社より] 著 者|井上教子 出版社|国書刊行会 定 価|3,000円+税 判 型|A5判/並製 頁 数|360 ISBN|978-4-336-07261-0 初 版|2022年01月 Contents はじめに この本の使い方 主なマルセイユ・タロット 第1部 大アルカナ 第1章 魔術師 第2章 女教皇 第3章 女帝 第4章 皇帝 第5章 教皇 第6章 恋人 第7章 戦車 第8章 正義 第9章 隠者 第10章 運命の輪 第11章 力 第12章 吊るされた男 第13章 死神 第14章 節制 第15章 悪魔 第16章 神の家 第17章 星 第18章 月 第19章 太陽 第20章 審判 第21章 世界 第22章 愚者 大アルカナ キーワード&切り札としての解釈 一覧表 第2部 小アルカナ 第1章 概略 特徴と起源 4スートと4つのアイテム スートにより異なるアイテムの配列 形について、4つの配列=4つのコード 第2章 数札 カップの札 コインの札 ソードの札 ワンドの札 第3章 人物札 カップの人物札 コインの人物札 ソードの人物札 ワンドの人物札 第4章 キャスティングとシグニフィケイター 第5章 小アルカナを使った実践鑑定 小アルカナ コード解析表 おわりに Author 井上 教子 Kyoko Inoue 占術家、講師、執筆家。著書に『タロット解釈実践事典』『タロット象徴事典』(国書刊行会)、『タロットの歴史』(山川出版社)など。日本タロット占術振興会、日本易道学校でタロットと西洋占星術を指導中。
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ウクライナ・ファンブック——東スラヴの源泉・中東欧の穴場国
¥2,530
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旧ソ連・共産主義体制。 チェルノブイリ・クリミア占領。 う、暗いな…。 素敵カフェ・お洒落レストラン。 カラフルな街並み・美男美女。 明るいな! 写真家としても活躍するウクライナ国営通信の日本人編集者がその魅力を余すこと無く伝えるフルカラー教養ガイドブック!! 一人あたりGDPがブータンやイラク、フィリピンよりも低い一方、外国人旅行客数はチェコやベルギーを超えて世界26位の人気渡航先に。 カラフルに塗り替えられたソ連式アパートの壁画やSNSで話題になった「愛のトンネル」、宮崎駿監督『ナウシカ』と繋がりのある腐海、そして一面のひまわり畑など想像以上に明るく、綺羅びやかな国ウクライナ。かねてから「欧州のパンかご」と呼ばれ、ボルシチ発祥の地であり、ウクライナ産ラーメンが登場するほどの美酒美肴なグルメ大国。子音・母音の連続を避ける音重視の響きが美しい言語。バンドゥーラやトレンビータで知られ、記録民謡数世界最大級の音楽大国。PayPalやWhatsAppの創始者を輩出するIT立国で、世界最大の輸送機ムリーヤを製造したアントノウ社の拠点。「自由の人」と呼ばれたコサックの末裔達はマイダン革命を成し遂げ、新大統領ゼレンシキーを選出後、いよいよ成長軌道に乗った! 直行便がないのが最大の欠点の、VISAなしで行ける格安天国! [出版社より] 著 者|平野高志 出版社|パブリブ 定 価|2,300円+税 判 型|A5判/並製 頁 数|224 ISBN|978-4-908468-41-4 初 版|2020年02月 Contents 2……はじめに 6……基本情報・旅行情報 8……ウクライナ地図 10……ウクライナへ行くには 12……ビザ・宿泊施設の探し方 13……空港からキーウ市中心部への移動 15……市内の移動 16……都市間の移動手段 18……キーウ(キエフ) 東スラヴの文化・宗教・歴史のはじまりの町 50……リヴィウ 諸民族が作った西ウクライナの中心地 60……オデーサ 黒海が香り、歴史建築が並び立つ国際都市 68……ハルキウ 産業と学術が盛んな北東部に位置する第二の都市 72……チェルニウツィー ルーマニアに近く、文化・言語の入り混じる街 76……チェルニヒウ ルーシ時代の建築物が残るウクライナ第二の古都 78……ルーツィク 城がシンボルの西ウクライナ最古の都市 80……リウネ州・愛のトンネル 愛とビールとお城の地方 82……ドニプロ ロケット・産業・アートのある川辺の大都市 86……ザポリッジャ 中洲の拠点で今も鍛えるコサック達 88……マリウポリ アゾフ海に面する宇露戦前線に近い港町 90……ヘルソン州 クリミアと隣接したスイカ名産の自然の宝庫 92……腐海・アラバト砂州・ピンクの湖 『風の谷のナウシカ』とクリミアの思わぬ繋がり 94……チョルノービリ(チェルノブイリ) 再注目されるダークツーリズム 98……村の生活 100……ウクライナ料理 肥沃な黒土を持つ農業大国の本領発揮 106……オデーサ料理 諸民族影響と黒海の恵みの魚介料理 108……クリミア・タタール料理 伝統と追放の中で維持・発展した味 110……ボルシチ 実はウクライナが発祥の代表的民族料理 112……ウクライナ・ビール 歴史と多様性を抱く東欧のビール天国 114……お土産 チョコやマグネットから陶器や民族衣装まで 116……音楽 バンドゥーラやトレンビータで知られ、記録民謡数世界最大級 118……ヴィシヴァンカ 現代も愛される華やかな刺繍の入った伝統服 120……ピサンカ(イースターエッグ) 卵に描かれる古来の色紋様 122……インタビュー ウクライナの現代芸術 イゾリャーツィヤ 126……インタビュー クリミア・タタール文化 クリミアの家 128……ウクライナ語 子音・母音の連続を避ける音重視の言語 130……観光会話帳 ウクライナ語・ロシア語・クリミア・タタール語 132……ウクライナ語とロシア語 並存する2つの異なる言語 136……スポーツ ビロディド、ブブカ、大鵬と多彩な顔ぶれ 138……ウクライナ人とは誰か 「自由の人」と呼ばれたコサックの末裔 141……民族マイノリティー 独自文化・歴史を持つ地域の隠れた主役達 146……クリミア・タタール語 クリミア・ハン国で発展した悠久の言葉 147……タタールと呼ばれる人々 ヴォルガ・タタールとクリミア・タタール ……特別寄稿『タタールスタンファンブック』櫻間瑞希 148……宗教 ウクライナ正教会、ギリシャ・カトリック、多神教の名残も 152……ウクライナ正教会の独立 キーウ・ルーシからの連続性の確認 156……ウクライナ史 様々な大国の間を生きた独自の歴史 156……・コサック時代 165……・ウクライナの民族意識 177……・ウクライナ化とスターリンによる大粛清 186……ロクソラーナ スルタン妃になった「スラヴの人」を意味する奴隷 188……ウクライナ史とロシア史 異なる視点が生む齟齬・対立 190……クリミア史 クリミア・ハン国、ロシアの南下、追放と移管 204……政治 権力者を嫌う、コサック由来の参加型・合議制との親和性 209……経済 一人辺りGDP地域最低水準だがとうとう成長の兆し 211……アントノウ社 現存1機の世界最大の輸送機ムリーヤを製造 212……IT大国 PayPalやWhatsApp、3D-Coatの創始者を輩出 214……模型 一向一揆のRed Boxや木造模型のUgears等個性メーカー 215……日宇関係 クリミア占領以降急接近、北方領土とサムライで親近感 221……参考文献 223……あとがき Author 平野高志 Takashi Hirano 1981年、鳥取県生まれ。東京外国語大学ロシア・東欧課程卒。2013年、リヴィウ国立大学修士課程修了(国際関係学)。2014~18年、在ウクライナ日本国大使館専門調査員。2018年より、ウクルインフォルム通信日本語版編集者。キーウ在住。写真家としても活動。
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怪異と遊ぶ
¥2,640
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怪異は、恐怖の対象として忌避されると同時に、好奇心を刺激して多くの人々を魅了してきた。怪談師、心霊術、分身、透明人間、キューピッドさん、「意味が分かると怖い話」――。怪異が娯楽や趣味としても受容されてきたことを、多角的な視点から照らし出す。 ー 日常を逸脱した存在や現象である「怪異」は、恐怖の対象として忌避されてきた。しかし同時に、怪異は好奇心を刺激して多くの人々を魅了してきた。私たちはなぜ「怖いもの見たさ」で怪異をのぞき込み、怪異と戯れてしまうのだろうか。 怪談師、心霊術、分身、透明人間、キューピッドさん、『トワイライトシンドローム』、妖怪と地域文化、「意味が分かると怖い話」――多様なジャンルの事例から、怪異と遊びとの関係性を描き出す。 怪異を自らの手で日常生活へと呼び込む心性に迫り、怪異が単なる恐怖の対象ではなく娯楽や趣味として受容されてきたことを、文学研究や民俗学、社会学、宗教学などの視点から照らし出す。作家・川奈まり子との座談会も所収。 [出版社より] 監 修|怪異怪談研究会 編著者|一柳廣孝・大道晴香 出版社|青弓社 定 価|2,400円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|296 ISBN|978-4-7872-9267-4 初 版|2022年04月 Contents はじめに 大道晴香 第1部 怪異を語る 第1章 幽霊に萌える、怪異で遊ぶ 伊藤龍平 1 落語『お菊の皿』 2 恐怖と笑いの近日点 3 「皿屋敷」は萌えているか 4 創作怪談と実話怪談のベクトル 第2章 語り継がれる狸合戦――阿波における憑依と遊戯 斎藤 喬 1 「金長霊明神」由来譚 2 初発の口走り 3 狸憑きから狸合戦へ 4 合戦を語る遊戯性 第3章 怪談師の時代 一柳廣孝 1 遊びとしての怪談語り 2 明治の怪談師たち 3 そして、現代の怪談師へ 第4章 「意味が分かると怖い話」とは何か――「似ている話」を探して、作って、読み換える、遊び 永島大輝 1 本章で「意味が分かると怖い話」について考えていく道筋 2 「意味怖」の歴史 3 内容から検討するために、「話型(ルビ:わけい)(似ている・同じ)」について考える 4 「意味怖」という場で語られた話が「意味怖」である 5 心理テストは八百屋お七の夢を見るか?――「話群」の置き換えは「意味怖」に限らない 6 「意味怖」から「眼前の事実」を探るための覚書 第2部 怪異を表現する 第5章 分かたれた「己」で、遊ぶ――森鷗外「不思議な鏡」が映し出す分身譚の愉しみ 構 大樹 1 簇出する分身譚 2 お約束からズレようとする「不思議な鏡」 3 「新年のお慰み」という意識 4 分身を自然化する鷗外の語られ方 第6章 大正、〈霊交術事件〉の夏――奇術としての心霊術 今藤晃裕 1 ゼーゲル夫妻来朝す 2 〈霊交術事件〉顚末 3 エンターテインメント化する心霊術 4 奇術としての心霊術 第7章 透明人間現る――隠れる物語から露わにする物語まで 橋本順光 1 透明人間の誕生――ギュゲスと龍樹の逸話からウェルズまで 2 人として見られない透明な存在の語り――労働者・黒人・移民 3 日本におけるウェルズ型の「透明人間」とハーディ型の「見えない男」の混交 4 見えない男から、見えない女、そして見えない子供たちへ 第3部 怪異を操る 第8章 一九八〇年代の「こっくりさん」――降霊の恐怖を払拭する「キューピッドさん」の戦略 大道晴香 1 「こっくりさん」と制御できない神霊の恐怖 2 恐怖を脱色する「キューピッドさん」の戦略 3 「キューピッドさん」は怖い 4 「宗教儀礼」にも「遊び」にもなれない「こっくりさん」 第9章 怪異と「遊ぶ」装置――『トワイライトシンドローム』を手がかりに 橋迫瑞穂 1 『トワイライトシンドローム』の概要 2 『トワイライトシンドローム 禁じられた都市伝説』の概要 3 ゲームとしての「学校の怪談」 4 学校空間と怪異 5 学校・怪異・「遊び」 第10章 怪異に学び戯れる人々――妖怪文化を育む虚構の共同体に着目して 市川寛也 1 「現実」と「虚構」のあいだで 2 地域学における怪異・妖怪――「遊び」と「学び」 3 「四国の秘境 山城・大歩危妖怪村」の前史――秘境と開発 4 大歩危妖怪村における「虚構」と「現実」 特別座談会 怪異を創る楽しみ 川奈まり子/一柳廣孝/大道晴香 1 語りと一人称の関係 2 語りから物語を紡ぐということ 3 体験者の語りをどう聞くのか 4 土地に眠る怪談を呼び起こす 5 怪談を語る 6 怪談ブームと生の実感 7 八王子で考える怪談の可能性 おわりに 一柳廣孝 Author 怪異怪談研究会 2012年に発足。近代に生じた文化規範の劇的な変化を意識しながら、江戸時代から近現代における怪異へのまなざし、怪談に集約された物語の内実を明らかにすることを目的とする。16年、研究会の中間的な成果報告としてシリーズ『怪異の時空』全3巻(青弓社)を刊行。18年、清水潤『鏡花と妖怪』(青弓社)を編纂。21年、『〈怪異〉とナショナリズム』(青弓社)を監修。 一柳 廣孝 Hirotaka Ichiyanagi 1959年、和歌山県生まれ。横浜国立大学教育学部教授。専攻は日本近現代文学・文化史。著書に『怪異の表象空間』(国書刊行会)、『無意識という物語』(名古屋大学出版会)、『〈こっくりさん〉と〈千里眼〉・増補版』『催眠術の日本近代』(ともに青弓社)など。 大道 晴香 Haruka Omichi 1985年、青森県生まれ。國學院大學神道文化学部助教。専攻は宗教学。著書に『「イタコ」の誕生』(弘文堂)、共編著に『怪異を歩く』(青弓社)、共著に『モノとメディアの人類学』(ナカニシヤ出版)、『〈怪異〉とナショナリズム』(青弓社)など。
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オカルティズム 非理性のヨーロッパ
¥2,090
ヘルメス文書、グノーシス、カバラー、タロット、黒ミサ、フリーメーソンやイリュミナティなどの秘密結社、そしてナチ・オカルティズムとユダヤ陰謀論……古代から現代まで、オカルトは人間の歴史と共にある。一方、「魔女狩り」の終焉とともに近代が始まり、その意味合いは大きく変貌する――。理性の時代を貫く非理性の系譜とは何か。世界観の変遷を闇の側からたどる、濃密なオカルティズム思想史。 [出版社より] 著 者|大野英士 出版社|講談社[講談社選書メチエ] 定 価|1,900円+税 判 型|四六版/並製 頁 数|320 ISBN|978-4-06-514260-8 刊 行|2018年12月 Contents 序章 毒薬事件――悪魔の時代の終焉と近代のパラドクス 第一章 オカルティズムとは何か 第二章 オカルティズム・エゾテリスムの伝統 第三章 イリュミニズムとルソー――近代オカルティズム前史 第四章 ユートピア思想と左派オカルティズム 第五章 エリファス・レヴィ――近代オカルティズムの祖 第六章 聖母マリア出現と右派オカルティズム 第七章 メスマーの「動物磁気」とその影響 第八章 心霊術の時代 第九章 科学の時代のオカルティズム――心霊術と心霊科学 第十章 禍々しくも妖しく――陰謀論を超えて 終章 神なき時代のオカルティズム Author 大野 英士 Hideshi Ono 1956年東京生まれ。東京大学文学部仏文科卒。早稲田大学大学院文学研究科仏文学専攻博士課程満期退学。パリ第七大学大学院でジュリア・クリステヴァに師事。2000年、文学博士号(ドクトル・エス・レットル)取得。専門はフランス文学。現在、早稲田大学ほか非常勤講師。著書に『ネオリベ現代生活批判序説』(新評論、白石嘉治ほかと共編著)、『ユイスマンスとオカルティズム』(新評論)など。訳書に『フランサフリック』(緑風出版、高橋武智との共訳)、『ピアニストのノート』(講談社選書メチエ)などがある。
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真・実話奇譚集——私、一回、死んだのかもしれません
¥1,760
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エレキコミック(やついいちろう・今立進)と片桐仁によるコントユニット「エレ片」がパーソナリティを務めるTBSラジオ「エレ片のケツビ!」(毎週土曜日25:00〜26:00)。本番組にリスナーから寄せられた、恐怖体験、不思議体験の数々を、再取材と書き下ろし原稿でまとめた全45本の「真・実話奇譚集」。 心霊譚あり、人怖譚あり、常識では説明のつかない不思議体験あり。ジャンルレスな恐怖体験が集まった本書収録エピソードの共通点は「すべて実話」であること。一切の脚色、演出なしの実話奇譚をお楽しみいただけます。 霊能者、霊媒師、悪霊を祓う高僧などは出てきません。体験者たちはすべて、街に暮らす市井の人々。収録されたエピソードは、日常と日常の狭間に生じた一瞬の陥穽に陥った彼らが、ふとした瞬間に経験した常識外の出来事ばかり。あなたも私も、いつこんな目に遭うかわからない、決して他人事ではないことがわかるでしょう。あなたの隣に潜んでいる、不可思議な世界を存分にお楽しみください。 [出版社より] 著 者|富岡蒼介 監 修|TBSラジオ「エレ片のケツビ!」 出版社|hayaoki books 定 価|1,600円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|255 ISBN|978-4-910767-01-7 初 版|2022年02月 Contents 居酒屋のマスター―ただいま 居酒屋のマスター―さようなら 留守電 おもちゃ 祖父の祈り 名前 もっといたい 人知を超えた存在 四十九日・その1 四十九日・その2 四十九日・その3 ドッペルゲンガー ストーカーとドッペルゲンガー ユカリ スーパーヒーロー ウルトラマンショー 月明かりの下 小さなおじさん 押しかけるおじさん J自然公園にて・その1 J自然公園にて・その2 J自然公園にて・その3 J自然公園にて・その4 J自然公園にて・その5 J自然公園にて・その6 J自然公園にて・その7 フランク憑依 盛り塩 ゴミ箱 憑依 清く正しく 吉方旅行 座敷わらし 神様の通り道 キス まーくん 毎日幽霊の出るマンション アオダイショウ・その1:1950年代・北陸地方 アオダイショウ・その2:1980年代・中部地方 アオダイショウ・その3:1990年代・東京都 アオダイショウ・その4:2000年代・中部地方 アオダイショウ・その5:2000年代・中部地方 アオダイショウ・その6:2010年代・中部地方 アオダイショウ・その7:2010年代・中部地方 藤色の着物 エレ片と「私、一回、死んだのかもしれません」 やついいちろうと「私、一回、死んだのかもしれません」 今立進と「私、一回、死んだのかもしれません」 片桐仁と「私、一回、死んだのかもしれません」 おわりに
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地球の歩き方 ムー 異世界の歩き方
¥2,420
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地球の不思議を味わい尽くす!『地球の歩き方』×『月刊ムー』の最強コラボで本気の異世界ぼうけんガイド誕生! 謎の古代遺跡やオーパーツ、UFO、UMAなど、一般論から奇想天外な説まで、眠れなくなるほど面白い世界の不思議が盛りだくさん。何を信じるかはアナタ次第! 『地球の歩き方』と『ムー』の世界観、両方知ると、旅が無限大に楽しくなること間違いなし! ー 共に1979年創刊のロングセラーブランドがスペシャルコラボ。世界中に残る謎と不思議に満ちたスポットの数々。諸説あるなかで、地球の歩き方、ムー、両方の視点から各スポットの神秘にせまるパラレルワールド(同時並行世界)の歩き方。何を信じるかはアナタ次第。想像力を無限大に、世界を旅して自分の目で真実を確かめてください! [出版社より] 編 者|地球の歩き方編集室 出版社|地球の歩き方 定 価|2,200円+税 判 型|A5変型判・並製 頁 数|416 ISBN|978-4-05-801716-6 発 行|2022年02月 Contents 【巻頭特集】 ・イースター島のモアイ像は「ムー大陸」の後継なのか! ・ピラミッドに残る謎の空間は、古代核戦争の軍事基地か ・地上絵が伝える宇宙からのメッセージとは! ・人智を超えたテクノロジー、ストーンヘンジの謎 ・「空のオーパーツ」はアトランティスの痕跡か宇宙の使者か ・世界で目撃されるUMAは、恐竜の生き残りだった! 【巨石文化の謎を旅する】 ピラミッド、イースター島、コスタリカの石球、ストーンサークル、マルタの巨石神殿群、ドルメン 【宇宙からのメッセージ】 ナスカの地上絵、ミステリーサークル、UFOスポット、宇宙人レリーフ、黄金ジェット、恐竜土偶、水晶ドクロ、シュメール文明、アヌンナキ、縄文土偶、アステカカレンダー、ネブラディスク、ミイラ 【UMA「未確認生物」】 妖精、サンタクロース、ビッグフット、イエティ、巨人、ネス湖、ツチノコ、河童、キメラ、人魚、狛犬とスフィンクス、ドラゴン 【聖地&パワースポット】 セドナ、シャスタ、デビルズタワー、グラストンベリー、エアーズロック、洪水伝説、バベルの塔、シナイ半島とモーセ、契約の箱(アーク)、エルサレム、日本のキリストの墓、アンコール遺跡、ボロブドゥール、磐座、古墳 【ミステリーゾーンへ】 ギリシア神話、クレタ島、世界7不思議、ローマ遺跡、ポンペイ、ペトラ、アーサー王と聖杯伝説、ケルト十字、フリーメイソン、幽霊ホテル、拷問博物館、吸血鬼、大英博物館、ヒッタイト、 トプカプ宮殿、ピリ・レイスの地図、ペルセポリス、マチュピチュ 【沈んだ大陸の痕跡を捜しに】 ・ムー大陸 ナンマドール、与那国島 ・アトランティス大陸 サントリーニ島、南極大陸 ・レムリア大陸 モヘンジョダロ ・古代核戦争の痕跡 カッパドキア 【旅の準備と技術】 エスペラント会話 【特別付録】不思議な世界MAP&歴史年表 【地球の歩き方 VS ムー 編集長対談】 【「世界ふしぎ発見!」インタビュー】