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すべてのひかりのために
¥2,200
第一歌集『永遠でないほうの火』から8年。ひかりを纏う生の讃歌 無垢な声で紡ぐ、待望の第二歌集。 《水際はもうこわくない 踏み込んで、おいで すべてのひかりのために》 《さみどりにさやぐさざなみ 風は火を、火は運命をおそれず生きて》 [出版社より] 「――歌だけがある。発した〈人〉を離れた〈声〉は、あわく、きらめき、たゆたいながら、私でもあなたでもある誰かの心に着床し、ただ〈歌〉として生きつづける」 ——小野正嗣(作家) 「隠れて見えない世界の横顔を火花のように一瞬だけ照らし出す。井上の歌はいわば火花のための火打石なのではないか」 ――服部真里子 「井上の歌は常に光の明滅を意味する。世界と人はその一瞬一瞬に交わり歌が生まれる」 ――石松佳 著 者|井上法子 出版社|書肆侃侃房 定 価|2,000円+税 判 型|四六判・上製 頁 数|144 ISBN|978-4-86385-651-6 発 行|2024年12月 Author 井上 法子 Noriko Inoue 1990年生まれ。福島県いわき市出身。著書に『永遠でないほうの火』(書肆侃侃房)。
世界 2025年5月号
¥1,045
【特集1】憲法を取り戻す 日本国憲法はいま、試練に直面している。 ガザとウクライナで続く戦争は、「平和を愛する諸国民の公正と信義」に傷をつけ、国際環境の変化を理由に、自衛隊も米軍との一体化を推し進めている。 今国会では、日本学術会議法や能動的サイバー防御を可能にする法案など、憲法が保障する「学問の自由」や「通信の秘密」との関係が問われる法案が提出された。また、選択的夫婦別姓も論議の焦点となりつつある。 憲法の理念をどう活かしていくか。私たちの「不断の努力」が試されている。 【特集2】ビッグテックと権力 1月20日、トランプ大統領就任式には超巨大テック企業のトップたちが揃って出席した。 巨大企業と政治との密接な関係は珍しくない。だが、政府効率化省(DOGE)の責任者とされるイーロン・マスクにいたっては、医療や教育までもコスト削減の対象とする傍ら、自企業への大規模な利益誘導が問題視されている。 他方、テック業界ではAIほか急速な技術革新とともに、それに伴う独自の思想が広がりつつある。デジタル空間の自由を標榜したはずの彼らはなぜ権力に魅入られたのか。集中する「富と権力」、その監視はいかにすれば可能か。 [出版社より] 出版社|岩波書店 定 価|950円+税 判 型|A5判/並製 頁 数|296 発 行|2025年04月 ISBN |4910055010557 Contents ┏━━━┓ ┃特集 1┃憲法を取り戻す ┗━━━╋…──────────────────────────────── 憲法「番外地」の拡大に抗して よみがえる「統帥権」独立問題 青井未帆(学習院大学) 夫婦同姓という人権問題 寺原真希子(弁護士) 脅かされる公民館と集会の自由 田島泰彦(元上智大学教授) 能動的サイバー防御と「通信の秘密」 實原隆志(南山大学) ┏━━━┓ ┃特集 2┃ビッグテックと権力 ┗━━━╋…──────────────────────────────── テック起業家たちのイデオロギー──イーロン・マスクとピーター・ティール 橋本 努(北海道大学) イーロン・マスク 権力への階段 エリック・リプトン、セオドア・シュライファー(ニューヨークタイムズ記者) /訳=秋元由紀(翻訳家) AI倫理 三つの波──“効率的な破壊”を防ぐために 横山広美(東京大学) トランプと「テック・オリガルヒ」との危険な関係 小林泰明(読売新聞) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆注目記事 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〈対談〉 “力の時代”を直視せよ──ウクライナ戦争と「欧米の終わり」 遠藤 乾(東京大学)×田中 均(元外務審議官) ドイツ 自由民主主義への内なる脅威──連邦議会選挙と極右政党AfDの躍進 板橋拓己(東京大学) 〈連載〉 「変わらない」を変える 第24回 狙われるエリート大学 三浦まり(上智大学) 〈連載〉 午前1時のメディアタイムズ 第2回 アメリカファーストの反対語 若林 恵(編集者/黒鳥社) 〈座談会〉 「大東亜共栄圏」から捉え直す日本の戦争 内海愛子(恵泉女学園大学名誉教授)×後藤乾一(早稲田大学名誉教授)×成田龍一(日本女子大学名誉教授) 「隣人」フィリピンとの80年──対日感情の変遷を読み解く 柴田直治(ジャーナリスト) 日銀にダンスはうまく踊れない──植田総裁、2年目の苦闘 西野智彦(ジャーナリスト) 著名人へのネットハラスメント──デジタル公共空間の責任と可能性 高野雅典(サイバーエージェント)、永田夏来(兵庫教育大学) 〈スケッチ〉 白に沈む街 石沢麻依(小説家) 〈夜店〉 ミシマ文学、米語圏をいく──『潮騒』の船出 片岡真伊(国際日本文化研究センター) 〈連載小説〉 不屈のひと 物語「女工哀史」 第1回 出会い 石田陽子(文筆業、編集者) 〈最終回〉 ひとりで暮らす私たち 第8回 「生きていかないとならないから」 和田靜香(ライター) 「見えない手錠」を今からでも外す──追悼 石川一雄さん 黒川みどり(静岡大学名誉教授) 子どもたちを脅かす意外な薬物 松本俊彦(精神科医) 隣のジャーナリズム 全盲の記者として 佐木理人(毎日新聞/点字毎日) 〈シリーズ〉 「戦後」解体 第2回 コメと原子力──〈東北〉と戦後八〇年 山内明美(宮城教育大学) 連続する「未曽有の水害」──水害統計調査の意味を問う 梶原健嗣(愛国学園大学) 〈連載〉 この社会の社会学 第4回 大風呂敷はみんなでつくる 齋藤直子(大阪教育大学) 〈連載〉 最後は教育なのか? 第9回「いじめ、カッコ悪い。」ではなく──真下麻里子さんに聞く武田砂鉄(ライター) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇世界の潮 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇ドゥテルテ前大統領逮捕 激化するマルコス家との対立 日下 渉(東京外国語大学) ◇高額療養費制度見直し 石破政権は何を誤ったか 岩永直子(医療記者) ◇特定生殖補助医療法案と「出自を知る権利」 石塚幸子(ドナーリンク・ジャパン) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇本との出会い ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇言葉と言葉のかくれんぼ 第13回 私たちは、愛だから チョン・スユン(翻訳家) ◇本とチェック 第24回 本の中の小道 金承福(クオン代表) ◇読書・観賞日記 読んで、観て、聴いて 新城和博(編集者) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●連載 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ アジアとアメリカのあいだ 第5回 誰かがHマートで泣いてしまうのは 望月優大(ライター) あたふたと身支度 第8回 オーラ服は古びない 高橋純子(朝日新聞) 彼女たちの「戦後」 第8回 ゴーマン美智子──走り方を変えた女 山本昭宏(神戸市外国語大学) 脳力のレッスン(275) 「台湾有事」と日米中トライアングル 寺島実郎 片山善博の「日本を診る」(186) あらためて知事の資質を問う 片山善博(大正大学) 気候再生のために 第32回 脱炭素化の「コスト」とトランプリスク 江守正多(東京大学) いじめ後遺症 第3回 苦しみの足跡と症状を辿る──旭川市いじめ自殺(2) 斎藤 環(精神科医) ドキュメント激動の南北朝鮮 第333回(25・2~3) 編集部 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ○記憶をもった鏡 時津 剛『Behind The Blue』 戸田昌子(写真史家) ○岩波俳句 選・文 池田澄子(俳人) ○アムネスティ通信 ○読者談話室 ○編集後記 ○表紙画 土屋未久(表紙 芽ぐむ 2025、裏表紙 声 2025)
世界 2025年4月号
¥1,045
【特集1】学校依存社会 ICTやプログラミングを始め、追加され続ける「◯◯教育」の数々。保護者や地域の要望を受けて、放課後や校外まで指導の範囲が広がる現状。 イヴァン・イリイチはかつて、学歴主義などの学校的価値観が組み込まれた「学校化社会」を批判した。同時に、そうした価値観の維持のため学校への過度の負担により社会が維持される現状は「学校依存社会」(内田良)と捉えうる。 学校と社会との関係、そして学校のもつ役割や価値への問いから危機の実情を探る。 【特集2】もうひとつの韓国 隣国で市民たちが身を挺して「非常戒厳」を阻止してから3カ月が経つ。多くの国民が大統領の弾劾を支持する一方、与党の支持率は盛り返し、大統領逮捕への反発から地裁への襲撃事件まで起きた。 冬空のもとひろがる祝祭的なデモ空間と、大統領や与党への粘り強い支持を見せる保守の姿。両者の断絶のなか、私たちは「見たい韓国」だけを扱っていないか。 おわらない戦争、南北分断のなかで摑みとられた民主主義。隣国が直面するかつてない政治危機は、日本のなかの韓国観、そして日韓関係を根本から問うている。 [出版社より] 出版社|岩波書店 定 価|950円+税 判 型|A5判/並製 頁 数|296 発 行|2025年03月 ISBN |4910055010458 Contents ┏━━━┓ ┃特集 1┃学校依存社会 ┗━━━╋…──────────────────────────────── 学校依存社会──シャドウ・ワークの行く末 内田 良(名古屋大学) 教員の長時間勤務をどう解決できるか? 広田照幸(日本大学) 学校─家庭の相互依存 福嶋尚子(千葉工業大学) 崖っぷちの保育を支える 氏家寛子(NHK) 学校の「当たり前」を再評価する 尾崎博美(東洋英和女学院大学) ┏━━━┓ ┃特集 2┃もうひとつの韓国 ┗━━━╋…──────────────────────────────── 韓国ニューライトの戦略 ヤン・ミョンジ(ハワイ大学) 訳=秋元由紀(翻訳家) 「民主韓国」と日本─国交正常化六〇年、乙巳条約一二〇年を迎えて 権容奭(一橋大学) 〈「夜店」 特別編〉 呼び覚まされた「光州」の記憶──一二・三非常戒厳が問いかけるもの 佐藤雪絵(早稲田大学大学院博士後期課程) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆注目記事 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〈シリーズ〉 この社会の社会学 第3回 不登校をきちんと迷う 貴戸理恵(関西学院大学) トランプのサディズムに臆するな ジュディス・バトラー(哲学者) 訳=清水知子(東京藝術大学) 〈新連載〉 午前1時のメディアタイムズ 第1回 五〇年後のチャーチ委員会 若林 恵(編集者、黒鳥社) 〈新シリーズ〉 「戦後」解体 第1回 私化された怒りのゆくえ 古波藏契(歴史社会学)×福永玄弥(フェミニズム・クィア研究) テレビ業界 ふたつの権力 北出真紀恵(東海学園大学) 男性議員へのハラスメント──ヒアリング調査から見えてきた実態 濵田真里(Stand by Women代表) 〈対談〉 サステナビリティは菩提心から 松島 斉(東京大学)×金井政明(良品計画顧問) 自由民主主義と国際秩序 再構築の鍵 遠藤誠治(成蹊大学) 脳力のレッスン(274)第二次大戦後の日米中関係のバイオリズム 寺島実郎 〈スケッチ〉 浅草に出かけた 折坂悠太(シンガーソングライター) 〈連載最終回〉 アウシュヴィッツの焼却炉 第3回 「想起文化」をつなぐ 中村真人(フリーライター) 〈連載最終回〉 ファシズムは読書で、レイシズムは旅で治る 第3回 経験、そして物語 前川仁之(ノンフィクション作家) 〈ルポ〉 パレスチナ 「狂気」のなかの生──ヨルダン川西岸地区から 安田菜津紀(フォトジャーナリスト) 〈地下水汚染列島〉 水道水の汚染はなぜ 21世紀の公害PFOA 中川七海(Tansa) 〈地下水汚染列島〉 沖縄 PFAS汚染と基地政治 河村雅美(IPP代表) 反差別「地域からの革命」の一五年──「京都府人権条例」案の何が問題か 中村一成(ジャーナリスト) いじめ後遺症 第2回 被害が後遺症へ至る過程──旭川市いじめ自殺(1) 斎藤 環(精神科医) 〈リレー連載〉 隣のジャーナリズム 義家氏へ……「リアルと向き合え!」 河野 啓(作家・映像制作者) 言葉と言葉のかくれんぼ 第12回 戦争が怖かった 斎藤真理子(翻訳家) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇世界の潮 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇女性差別撤廃条約と天皇・皇族の人権 南野 森(九州大学) ◇靖国合祀国賠訴訟 敗訴なれど輝く「反対意見」 内田雅敏(弁護士) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇本との出会い ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇中国SFの世界へようこそ 立原透耶(作家・翻訳家) ◇本とチェック 第23回 地域を育てる書店 金承福(クオン代表) ◇読書・観賞日記 読んで、観て、聴いて 酒井啓子(千葉大学) ◇「新自由主義+教育」の現在地を知る──児美川孝一郎『新自由主義教育の40年』 斎藤貴男(ジャーナリスト) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●連載 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ひとりで暮らす私たち 第7回 差と異の間の権利 和田靜香(ライター) アジアとアメリカのあいだ 第4回 常識の革命、あるいは排斥の残りかす 望月優大(ライター) 彼女たちの「戦後」 第7回 角野栄子──青空の底の黒 山本昭宏(神戸市外国語大学) あたふたと身支度 第7回 貧乏自慢 高橋純子(朝日新聞) 片山善博の「日本を診る」(185) 石破政権の「地方創生2・0」への期待と注文 片山善博(大正大学) 「変わらない」を変える 第23回 DEI「禁止令」仕掛けられたモラル・パニック 三浦まり(上智大学) 気候再生のために 第31回 トランプ2・0の気候変動対策 高村ゆかり(東京大学) ドキュメント激動の南北朝鮮 第332回(25・1~2) 編集部 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ○記憶をもった鏡──マルティーヌ・フランク『Martine Franck』 戸田昌子(写真史家) ○岩波俳句 選・文 池田澄子(俳人) ○アムネスティ通信 ○表紙作品について ○読者談話室 ○編集後記 ○表紙木版画 土屋未久(表紙 見つめる 2025、裏表紙 確かなもの 2025)
まっくら——女坑夫からの聞き書き
¥880
SOLD OUT
筑豊の地の底から石炭を運び出す女性たち。その逞しい生き様を記録した森崎和江のデビュー作。解説=水溜真由美。 「女も男と同じごと仕事しよったですばい」「どんなことにでも堂々とむかってやる、こい」。 筑豊の炭鉱で働いた女性たちの声を聞き取り、その生き様を記録した一九六一年のデビュー作。意志と誇りを失わず、真っ暗な地の底で過酷な採炭労働に従事した彼女たちの逞しさが、生き生きと描かれている。 [出版社より] 著 者|森崎和江 出版社|岩波書店[岩波文庫] 定 価|800円+税 判 型|文庫判・並製 頁 数|330 ISBN|9784003122617 発 行|2021年10月 Contents はじめに 無音の洞 流浪する母系 棄郷 灯をもつ亡霊 のしかかる娘たち セナの神さま ヤマばばあ 赤不浄 共有 地表へ追われる 坑底の乳 あとがき [付録] 聞き書きの記憶の中を流れるもの 解説……………水溜真由美 図版一覧
それでも、安楽死の話をするのなら
¥1,760
わたしは安らかな死を迎えられるだろうか——。 臨床経験から導き出された15の論点から、「安楽死」「終末期医療」「緩和ケア」について問い直し、「日本人は生きる/死ぬをどう考えるべきなのか」という社会的な問題である安楽死制度をわかりやすく、かつ、徹底的に考える。 もし、未来に安楽死制度を作るならば、考えなければならないこととは。安楽死制度に対する反対派も賛成派も、どちらもが納得できる議論はどのように可能か。制度の設立・実施に慎重な立場を取る現役の緩和ケア医が、臨床経験と詳細な分析により、錯綜する問題の論点を整理し誰にでもわかりやすく解説する。 いずれは死を迎える、すべての人へ。 [出版社より] 著 者|西智弘 出版社|晶文社 定 価|1,600円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|200 ISBN|978-4-7949-7460-0 発 行|2025年02月 Contents はじめに:苦しみのすべてをゼロにできるのか 1:「死を選ぶ生き方」は正しい生き方か? 2:安楽死制度を求めていくために必要な3つの要素 3:安楽死と余命の関係 4:安楽死を行うのは誰か 5:個人的信条を安楽死制度の議論に持ち込まない 6:逆算で考える 7:子どもの安楽死は認められるか 8:緩和的鎮静は安楽死の代替となり得るか 9:間接的安楽死と終末期の鎮静 10:人生会議をすれば患者の尊厳は守られるのか 11:認知症と安楽死 12:すべり坂は止められるのか 13:それは実質安楽死の容認なのでは 14:分母を増やすのは無駄にならない 15:安楽死報道のあり方 Author 西 智弘 Tomohiro Nishi 川崎市立井田病院 医師/一般社団法人プラスケア代表理事。2005年、北海道大学卒。室蘭日鋼記念病院で家庭医療を中心に初期研修後、川崎市立井田病院で総合内科/緩和ケアを研修。その後2009年から栃木県立がんセンターにて腫瘍内科を研修。2012年から現職。現在は抗がん剤治療を中心に、緩和ケアチームや在宅診療にも関わる。一方で、一般社団法人プラスケアを2017年に立ち上げ代表理事に就任。「暮らしの保健室」や「社会的処方研究所」の運営を中心に、「病気になっても安心して暮らせるまち」をつくるために活動。日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医。著書に『だから、もう眠らせて欲しい』(晶文社)、『社会的処方』『みんなの社会的処方』(学芸出版社)、『がんになった人のそばで、わたしたちにできること』(中央法規出版)他多数。
バルセロナで豆腐屋になった——定年後の「一身二生」奮闘記
¥1,056
異国での苦労、カミさんとの二人三脚の日々──定年後の新たな挑戦をめざす全ての人へ、元朝日新聞記者が贈る小気味よいエッセイ。 元朝日新聞の記者が定年後、バルセロナで豆腐店を開業した。修業の日々、異国での苦労、新しい出会いと交流、ヨーロッパから見た日本の姿──ジャーナリストならではの洞察力で、「蛮勇」のカミさんと二人三脚の日々を綴った小気味よいエッセイ。一身にして二生を経る──人生後半の新たな挑戦をめざす全てのひとに贈ります。 [出版社より] 著 者|清水建宇 出版社|岩波書店[岩波新書] 定 価|960円+税 判 型|新書判/並製 頁 数|254 ISBN|9784004320517 発 行|2025年01月 Contents はじめに 第1章 一身にして二生を経る 第2章 「失敗したって、たいしたこたぁないよ」 第3章 不況のどん底こそ起業のチャンス 第4章 崖っぷちに舞い降りた天使たち 第5章 うれしい誤算、うれしくない誤算 第6章 我が家はバルセロナ市の文化財 第7章 忙人不老 第8章 異国の文化は「新しい、良い」 第9章 日本食ブームは、より広く、より深く 第10章 「どちらから来られました?」「北極から」 第11章 南仏プロヴァンスと比べたら 第12章 コロナ禍、お客は半径五〇〇メートルの住民だけ 第13章 欧州はプラスチックを規制し、検査ビジネスを育てる 第14章 事業の継承は険しい山道を登るが如し 第15章 カミさんと私 おわりに Author 清水建宇 Tateo Shimizu 1947年生まれ. 神戸大学経営学部卒.1971年,朝日新聞社入社.東京社会部で警視庁,宮内庁などを担当.出版局へ異動し,『週刊朝日』副編集長,『論座』編集長.2000年1月から2003年3月までテレビ朝日「ニュースステーション」でコメンテーター.2007年,論説委員を最後に定年退職.この間,『大学ランキング』創刊の1995年版から2008年版まで13冊の編集長を務めた. これまでたずさわった本に『ふぐ』『世界名画の旅 1〜3』(いずれも朝日新聞社),『就職お悩み相談室』(森永卓郎氏との共著,講談社)などがある.
ブラック・カルチャー 大西洋を旅する声と音
¥1,056
奴隷とされた人々は、いかにして新大陸で声と音の伝統を再創造していったのか。ブラック・カルチャーの歴史と現在を旅する。 約400年にわたり、大西洋を航海した奴隷船。「裸の移住者」としてアメリカ大陸に連行された人々は、いかにしてアフリカの声と音の伝統を再創造し、次世代へと繋いでいったのか。アフリカへの帰還という主題から、音楽、文学、アートなどを横断的に捉え、その歴史と現在を旅する。世界にひろがるブラック・カルチャーへの招待。 [出版社より] 著 者|中村隆之 出版社|岩波書店[岩波新書] 定 価|960円+税 判 型|新書判/並製 頁 数|254 ISBN|9784004320616 発 行|2025年04月 Contents はじめに ブラック・カルチャーをめぐる旅へ 第一章 アフリカの口頭伝承 教室のなかのアフリカ 口承の伝統 口頭伝承のなかの音文化 マンデ系社会のグリオ 語り継がれる叙事詩 第二章 奴隷船の経験 奴隷貿易を想像する 奴隷制と西アフリカ 西欧人を取引相手とした奴隷売買 『ルーツ』にみる大西洋奴隷貿易 奴隷船上での歌と反乱 女性たちの抵抗、死者たちの声 第三章 アメリカスに渡ったアフリカの声と音 奴隷制社会をめぐる資料 聞き書きという方法 裸の移住者 ネオ・アフリカ文化 アフリカ由来の精神文化 ヴードゥーの儀式 文化維持という抵抗 ドラミングと太鼓 第四章 自由を希求する共同体の歌 合衆国の奴隷制時代の歌 アメリカスに息づくアフリカの声 スピリチュアルと呼ばれる歌 「ブラック」という共同体意識 哀しみの歌 黒人神学におけるスピリチュアルの意義 世俗的スピリチュアルとしてのブルース 第五章 合衆国のブラック・ミュージック 変わりゆく同じもの ジャズの始まり アームストロングの声 ジャズにおける創意と即興 混交するジャンル ソウル・オブ・ア・ネーション カバーによる伝統の構築 第六章 アメリカスからアフリカへ アメリカスのブラック・ミュージック アフロ・ブラジル音楽の展開 アフロ・カリブ音楽の多様性 アフリカへの帰還 同じリズム、いくつもの歴史 ブラック・カルチャーをめぐる次の旅へ 第七章 文字のなかの声 文字世界への参入 「トーキング・ブック」としての奴隷体験記 声の作家ハーストン 集団としての黒人の声の表現 クレオール語の口承性 声の歴史 第八章 奴隷貿易・奴隷制の記憶の光と影 記憶の場所 ユネスコの取り組み 「奴隷の道」プロジェクト 構築される記憶 文学のなかで語られる闇の記憶 奴隷貿易の闇 第九章 ブラック・ミュージックの魂 ブラック・パワーの潜在力 ナショナリズムを越えて ブラック・アーツ運動 ブラック・ジャズ共同体 ブラック・スピリチュアル ラップのスピリチュアリティ 第一〇章 ブラック・スタディーズとは何か 知の枠組みのラディカルな変革 アフリカ中心主義 ブラック・エクスペリエンス主義 ブラック・フェミニズム、ブラック・クィア・スタディーズ 『ブラックパンサー』とアフロフューチャリズム アフロフューチャリスト アフロペシミズム理論 ブラック・スタディーズの再規定 第一一章 ブラック・カルチャーは誰のものか 知の脱植民地化 収集と分類 脱植民地化と返還 ミュージアムの脱植民地化 文化の盗用とは何か ブラックをめぐる呼称 文化は混交する 第一二章 未来に向けて再構築されるルーツ 〈関係〉の思想 環大西洋的連帯 存在論的傷 記憶の継承と発掘 クレオール化のダイナミズム ルーツの再構築 〈全−世界〉のヴィジョン 主要参考文献 あとがき 〈関係〉のなかの私的物語 Author 中村 隆之 Takayuki Nakamura 1975年東京都生まれ.2006年東京外国語大学大学院地域文化研究科博士後期課程修了.博士(学術).早稲田大学法学学術院教授.専攻―フランス語圏文学,環大西洋文化研究. 著書―『カリブ世界論』(人文書院,2013),『エドゥアール・グリッサン』(岩波書店,2016),『野蛮の言説』(春陽堂書店,2020),『魂の形式 コレット・マニー論』(カンパニー社,2021),『第二世界のカルトグラフィ』(共和国,2022),『環大西洋政治詩学』(人文書院,2022)ほか. 訳書―『痕跡』(水声社,2016),『マニフェスト 政治の詩学』(以文社,2024)ほか. 編訳書―『ダヴィッド・ジョップ詩集』(夜光社,2019). 共訳書―『アフリカ文学講義』(みすず書房,2022),『黒人法典』(明石書店,2024),『カリブ海序説』(インスクリプト,2024)ほか.
非暴力主義の誕生——武器を捨てた宗教改革
¥1,034
宗教改革の渦中に生まれ、迫害されながらも非暴力を貫くある少数派の信仰は私たちに何をもたらしたか。愛敵と赦しの五〇〇年史。 一五二五年、宗教改革の渦中、幼児洗礼を拒むキリスト教の一派が誕生した。異端として迫害されながらも聖書の教えを守り、非暴力を貫いた彼らの信仰は、戦争の止まない現代に生きる私たちに何を語りかけるのか。メノナイト、アーミッシュ、良心的兵役拒否、被爆者の日米交流まで、五〇〇年にわたる愛敵と赦しの軌跡を辿る。 [出版社より] 著 者|踊共二 出版社|岩波書店[岩波新書] 定 価|940円+税 判 型|新書判/並製 頁 数|238 ISBN|9784004320494 発 行|2025年01月 Contents はじめに――再洗礼派というマイノリティ 第1章 複数の宗教改革 1 中世までのキリスト教 2 ルターとドイツ宗教改革 3 ツヴィングリとスイス宗教改革 4 再洗礼派の誕生 第2章 迫害と離散――ヨーロッパの片隅で 1 二一世紀のウクライナ 2 迫害・殉教・ノンレジスタンス 3 ザトラーの殉教 4 愛敵と赦しの精神 5 兵士の改宗と亡命 第3章 追跡する国家 1 ベルンの再洗礼派狩り 2 アルザス移民とアーミッシュの誕生 3 クライヒガウの定住地 4 集団追放の試練 第4章 新天地アメリカ 1 ドイツ人のメイフラワー 2 アーミッシュの定住 3 ノースキルの悲劇 4 アメリカ独立戦争 第5章 近代国家と徴兵制 1 「先進国」フランス 2 軍国化するドイツ 3 スイスとオランダの変化 4 南北戦争によるアメリカの分断 第6章 両大戦の試練 1 ドイツ・メノナイトとナショナリズム 2 ロシア・メノナイトの苦難 3 アメリカの代替役務制度 第7章 核の時代の非暴力主義 1 ある被爆者の訪米とメノナイト宣教師の来日 2 国際化する人道支援事業 3 良心的兵役拒否の合法化 4 ノンレジスタンスの代償 5 ガザに平和を 終 章 ノンレジスタンスの限界と可能性 1 イエスは抵抗を教えたか 2 古今東西の平和思想・戦争論 3 ノンレジスタンスの限界と可能性 あとがき 図版出典 参考文献 Author 踊 共二 Tomoji Odori 1960年福岡県生まれ. 1983年早稲田大学第一文学部卒業,1991年同大学大学院文学研究科博士課程を満期退学,2002年同大学博士(文学)学位を取得.武蔵大学リベラルアーツ&サイエンス教育センター教授. 専攻─スイス史,中近世ヨーロッパ史. 著書─『改宗と亡命の社会史──近世スイスにおける国家・共同体・個人』(創文社,2003年,『図説 スイスの歴史』(河出書房新社,2011年). 共著─『忘れられたマイノリティ──迫害と共生のヨーロッパ史』(山川出版社,2016年). 編著─『記憶と忘却のドイツ宗教改革──語りなおす歴史 1517ー2017』(ミネルヴァ書房,2017年), 『アルプス文化史──越境・交流・生成』(昭和堂,2015年). 監修─『一冊でわかるスイス史』(河出書房新社,2024年).
お砂糖ひとさじで
¥1,760
小さなことへの喜びや楽しみ。それこそが、自分。 メアリー・ポピンズの映画に出てくる歌「お砂糖ひとさじで」。そこでは、小さな工夫で日常がどれだけ楽しくなるかが歌われる。ひとさじのお砂糖で、苦い薬も飲めるようになる――。 そんなふうに気持ちを軽くしてくれる、魔法の呪文のようなエッセイ。お気に入りのアイテムやちょっとした発見、ずっと変わらず好きなこと、新たに好きになったもの、時には疑問や怒りも。あらゆるもので日々は織り成されている。 『PHPスペシャル』の好評連載を書籍化。 [出版社より] 著 者|松田青子 出版社|PHP 定 価|1,600円+税 判 型|四六判・並製 頁 数|280 ISBN|978-4-569-85712-1 発 行|2024年06月 Contents ●服を買わなくても平気だった ●お茶の時間を取り戻す ●私、参加してる! ●秘密の森に分け入って ●心躍るジャンクフード ●ファンシーに夢中 ●読書は心にいい ●運命のペンとノート ●副反応のシルバニア ●敏感肌の冒険 ●必要なものですんで! ●リップモンスターを探して ●それもまたよし ●タクシーへの怒り ●オックスフォードの晩餐 ●セボンスターとパンとバラ Author 松田 青子 Aoko Matsuda 1979年、兵庫県生まれ。同志社大学文学部英文学科卒業。2013年、デビュー作『スタッキング可能』が三島由紀夫賞及び野間文芸新人賞候補に、14年にTwitter文学賞第1位となり、19年には『ワイルドフラワーの見えない一年』収録の「女が死ぬ」(英訳:ポリー・バートン)がアメリカのシャーリィ・ジャクスン賞短編部門の候補となった。
この世の喜びよ
¥660
SOLD OUT
娘たちが幼い頃、よく一緒に過ごした近所のショッピングセンター。その喪服売り場で働く「あなた」は、フードコートの常連の少女と知り合う。言葉にならない感情を呼びさましていく芥川賞受賞作「この世の喜びよ」をはじめとした作品集。 ほかに、ハウスメーカーの建売住宅にひとり体験宿泊する主婦を描く「マイホーム」、 父子連れのキャンプに叔父と参加した少年が主人公の「キャンプ」を収録。 [出版社より] 著 者|井戸川射子 出版社|講談社[講談社文庫] 定 価|600円+税 判 型|文庫判/並製 頁 数|288 ISBN|9784065369593 発 行|2024年10月 Contents この世の喜びよ マイホーム キャンプ Author 井戸川 射子 Iko Idogawa 1987年生まれ。関西学院大学社会学部卒業。2018年、第一詩集『する、されるユートピア』を私家版にて発行。’19 年、同詩集にて第 24 回中原中也賞を受賞。’21 年、『ここはとても速い川』で第 43 回野間文芸新人賞受賞。'23年、本書で第168回芥川賞受賞。著書に『する、されるユートピア』(青土社)、詩集『遠景』(思潮社)、『この世の喜びよ』(講談社)がある。
物語じゃないただの傷
¥1,892
男の僕が有害な男性性を告発することが僕の大義なのだと、本気で思った。どこで間違った? "ポリコレ系"文化人×"弱者男性"芸人。 自らの"傷"を利用する二人の男。歪な同居生活の行く末は――。 映画化もされた『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』でジェンダー差別に傷つく男性の姿を繊細に描き、話題を呼んだ作家・大前粟生。本作は、「差別への抵抗・告発すらも消費される社会」の闇へも踏み込んだ超渾身作。 [出版社より] 「増幅していく差別と偏見と絶望を受け止めた先に、大前さんは一筋の光を見出す」 ——吉田恵里香(脚本家・NHK連続テレビ小説『虎に翼』アニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』他) 「この物語が届かない時代なら、もう本当に手遅れだ」 ——大島育宙(芸人・YouTuber) 著 者|大前粟生 出版社|河出書房新社 定 価|1,720円+税 判 型|四六判・上製 頁 数|144 ISBN|978-4-309-03950-3 発 行|2025年03月 Author 大前 粟生 Ao Omae 1992年兵庫県生まれ。著書に『回転草』『私と鰐と妹の部屋』『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』『おもろい以外いらんねん』『きみだからさびしい』『死んでいる私と、私みたいな人たちの声』等がある。
海とサルデーニャ
¥1,540
SOLD OUT
五官と魂が震える旅。 一九二一年一月、作家は妻を伴い、シチリアからサルデーニャへと旅立つ。躍動感溢れる筆致で描かれる孤高の島の自然と人々。五官を震わせる名紀行。 「薄曇りの夜空のひろがるその下で、はるかかなたイオニア海の水平線に、金属が溶けあうように曙光がさしはじめた。よしと、一杯の紅茶とトーストのかけらを飲みこんだ」。 1921年1月、作家は妻“女王蜂”を伴い、居住していたシチリアからサルデーニャに向けて旅立つ。近代化のさなかにあっていまだ野性味を残す島の自然と人々。市場の野菜。山々を行く汽車とバス。だがこの島にも第一次世界大戦後の世情が影を落とし……。作家は確かな直感と観察によって、旅の跡を活き活きと書き綴る。本文庫では原書初版で削除された箇所を復元。ロレンス文学の頂点と評される傑作旅行記を名訳で。 [出版社より] 著 者|D. H. ロレンス 訳 者|武藤浩史 出版社|筑摩書房[ちくま学芸文庫] 定 価|1,400円+税 判 型|文庫判/並製 頁 数|368 ISBN|978-4-480-51283-3 発 行|2025年02月 Contents 1 パレルモまで 2 海 3 カリアリ 4 マンダス 5 ソルゴノへ 6 ヌーオロへ 7 テッラノーヴァへ、そして汽船 8 帰る 訳者あとがき 文庫版訳者あとがき Author D. H. ロレンス David Herbert Lawrence 1885-1930年。炭坑の「採炭請負人」の息子として生まれ、南仏ヴァンスで亡くなる。20世紀イギリス文学を代表する作家。『恋する女たち』『息子と恋人』『チャタレー夫人の恋人』『羽毛ある蛇』など12作の長篇小説を始め、数多くの中・短篇小説、戯曲、紀行文、評論・エッセイを遺した。 Translator 武藤 浩史 Hiroshi Muto 1958年東京生まれ。英国ウォリック大学大学院博士課程修了。慶應義塾大学名誉教授。専門は英文学。
幸あれ、知らんけど
¥1,870
神戸の街で40歳から子育てを始めた作者の、平凡だけどかけがえのない日常。集団登校を見守り、50歳を前にラーメン漬け生活を捨て肉体改造に励む。カレーうどんの汁を捨てる妻と大喧嘩、公園に恐竜がやって来る? 全人類の心に沁みる珠玉のエッセイ集。朝日新聞の人気連載を書籍化。 [出版社より] 著 者|平民金子 出版社|朝日新聞出版 定 価|1,700円+税 判 型|四六判・並製 頁 数|240 ISBN|9784022520418 発 行|2025年03月 Contents 第一章 その向こう あほんだら、なにしてくれとんねん 日々を肯定する言葉、探しに 10年前、いまも残る細部の記憶 ほか 第二章 普段着で町へ 離任式 一両編成の電車 減量を決意する ほか 第三章 今いる世界に ドラえもんの王国へ ちょっとトイレに(石垣島日記1日目) ハッピーマート(石垣島日記2日目) ほか Author 平民金子 HeiminKaneko 1975年大阪生まれ。文筆家・写真家。中国、メキシコ、北海道、沖縄、東京などを転々とする。
音盤の来歴――針を落とす日々
¥1,980
虐殺が続く世界の片隅で、静かにレコードに針を落とす。音楽に守られた日々の記録。 アメリカで神学と人類学を学び、自分のVOICEを探す日々の裏で、心の支えとなった音楽があった。ブルーズ、ジャズ、ロック、ソウル……。いまも保持する愛着の深い音盤群と、ニューヨークで、ノースカロライナで、そして沖縄で出会った心やさしき人々との交流をもとに語る生活の記録。ガザで、ウクライナで、シリアで虐殺が続くなか、音楽はシェルターとなりうるか? 若き神学・人類学者による、世界の片隅からの祈りにも似たメッセージ。 「わたしがレコードを聴いていたのも、結局は似たような理由からだったのだと思う。ときにあまりに残酷で醜悪な世界から身を隠すため。閉ざされた内密の空間で生を実験するため。歌ってみたり、踊ってみたり、もうひとつの世界を、ありえたかもしれない今を想像したりして。もちろんレコードは片面二十分足らずで終わってしまうのだけれど。そしたらまた針を落とせばいい。そうしている少しの間、この世界をかたわらへ寄せて、別の世界へ、あるいは別の惑星へ」——「あとがき」より [出版社より] 「ここには、人間を生かそうとする言葉が書かれている」 ──永井玲衣 「1枚のレコードを通じて関係する、無数の人生。この世界を諦めずに歩んでいきたいと思いました」 ──後藤正文 著 者|榎本空 出版社|晶文社 定 価|1,800円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|240 ISBN|978-4-7949-7463-1 発 行|2025年03月 Contents はじめに ■Side A アラン・トゥーサンと過去をかたわらに寄せることの勇気について ライ・クーダーとチャイナタウンのアパートの屋上から見えた月 レオン・レッドボーンと初めてのレコードプレイヤー メイヴィス・ステイプルズを聴きに501に背を向ける ハービー・ハンコックとアメリカで車を売ること ドニー・フリッツと自由の瞬間 ビートマスとレコードのないクリスマス ■Side B ドクターQが教えてくれたり、教えてくれなかったりしたいくつかのこと 『アメイジング・グレイス』を探して フランシスコのサンクチュアリ 黒いキリスト、メアリー・ルー・ウィリアムスを記念して 豚と詩人 レコードにまつわる抜き書きのアーカイヴ、あるいは百年目のボールドウィンへ 細野晴臣を聴いていた夜のこと クラシックでしまくとぅば ドン・コヴェイがシャウトする朝 あとがきにかえて Author 榎本 空 Sora Enomoto 1988年、滋賀県生まれ。沖縄県伊江島で育つ。同志社大学神学部修士課程修了。台湾・長栄大学留学中、C・S・ソンに師事。米・ユニオン神学校S. T. M 修了。文筆家、翻訳家。伊江島の土地闘争とその記憶について研究している。著書に『それで君の声はどこにあるんだ?──黒人神学から学んだこと』(岩波書店)、翻訳書にジェイムズ・H・コーン『誰にも言わないと言ったけれど――黒人神学と私』(新教出版社)、サイディヤ・ハートマン『母を失うこと──大西洋奴隷航路をたどる旅』(晶文社)がある。『母を失うこと』で第十回 日本翻訳大賞受賞。
知覚の宙吊り——注意、スペクタクル、近代文化
¥3,300
SOLD OUT
アテンション・プリーズ! 人間の「注意」はいかに構築され、「散漫」はいかに管理されてきたのか。モダニズム絵画から実験心理学、スペクタクル産業から注意多動性障害まで、社会、産業、科学、芸術にまたがるさまざまな言説と技術を横断し、近代における知覚の条件を問い直す。 [出版社より] 著 者|ジョナサン・クレーリー 監 訳|岡田温司 訳 者|石谷治寛・大木美智子・橋本梓 出版社|平凡社[平凡社ライブラリー] 定 価|3,000円+税 判 型|B6変型判/並製 頁 数|688 ISBN|9784582769869 発 行|2025年04月 Contents 序 第1章 近代性と注意の問題 第2章 1879年――拘束なき視覚 第3章 1888年――脱魔術化のイルミネーション 第4章 1900年――綜合(ジンテーゼ)の再創出 エピローグ 1907年――ローマの魔法 原注 訳者あとがき 平凡社ライブラリー版 訳者あとがき 文献一覧 事項索引 人名索引 Author ジョナサン・クレーリー Jonathan Crary 1951年、アメリカのコネチカット州ニューヘイヴンに生まれる。視覚文化に関する系譜学的な研究で知られ、Zone Booksの創業者のひとりとして長らく編集委員を務める。現在、コロンビア大学教授。 Translator 岡田 温司 Atsushi Okada 1954年生まれ。京都大学大学院博士課程修了。京都大学名誉教授。専門は西洋美術史・思想史。著書に『モランディとその時代』(人文書院、2003、吉田秀和賞受賞)、『フロイトのイタリア―旅・芸術・精神分析』(平凡社、2008、読売文学賞受賞)などがある 石谷 治寛 Haruhiro Ishitani 1977年生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。現在、広島市立大学芸術学部准教授。専門は美学・美術史・視覚文化論 大木 美智子 Michiko Oki 1979年生まれ。ロンドン大学UCL西欧言語文化社会研究科博士課程修了。現在、ロンドン芸術大学セントラル・セント・マーチンズ校専任上級講師。専門は美学・美術史 橋本 梓 Azusa Hashimoto 1978年生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程指導認定退学。現在、国立国際美術館主任研究員。専門は現代美術。展覧会企画に「Viva Video! 久保田成子展」(共同企画、国立国際美術館ほか、2021、倫雅美術奨励賞受賞)などがある
あなたのフェミはどこから?
¥1,980
あなたの"フェミ"はいつ、どこから始まりましたか? 個人的でありながらも共通する体験でもあり、連帯する基盤ともなるフェミニズムとの出会いを綴るリレーエッセイ。 文筆家、写真家、彫刻家、翻訳家、編集者、ライター、演出家、イラストレーター、学者、ソーシャルワーカー、精神科医など19人の書き手が、個人的でありながらも共通する体験でもあり、連帯する基盤ともなるフェミニズムとの出会いを綴るリレーエッセイ。「ウェブ平凡」連載に書きおろしも加えて単行本化。 著者は安達茉莉子、石原真衣、上田久美子、小川たまか、長田杏奈、小田原のどか、金井冬樹、鴻巣麻里香、高島鈴、武田砂鉄、長島有里枝、能町みね子、野中モモ、藤高和輝、星野概念、松尾亜紀子、松橋裕一郎(少年アヤ)、水上文、森山至貴の19人。 [出版社より] 出版社|平凡社 定 価|1,800円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|176 ISBN|9784582472349 発 行|2025年04月 Contents 安達茉莉子「自分の岸辺からはじめる」 松尾亜紀子「やばい間違ったかも、と震えてはじまることもある」 森山至貴「ぬるっと出会って、ずっと繫がって」 高島鈴「生まれ変わり」 石原真衣「先住民フェミニストでございます」 藤高和輝「i am a feminist.」 鴻巣麻里香「脱抑圧の三代記 ─ 私たちはなぜフェミニストでなくなるのか」 上田久美子「私のフェミはどこから。」 小川たまか「風が吹く野原が心の中にある」 星野概念「パワーのこと」 野中モモ「聞こえているから自分も言える」 水上文「BLとフェミニズム(のようなもの)」 金井冬樹「The Powerless Do Have Power.」 長田杏奈「シルバニアで遊べない子」 小田原のどか「受け取って、渡していく」 松橋裕一郎(少年アヤ)「わたし、そしてわたしたち」 能町みね子「神はいないが」 長島有里枝「わたしが千なら、フェミニズムはハク。」 武田砂鉄「ハッキリ答える前に」
移動そのもの
¥1,980
言葉が奔り、物語が跳ねる。 一文ごと一語ごとに世界が相貌を変えていく――めくるめく体験に満ちた9つの小宇宙。 語りは未知なる情景を相手に伝えるためのものだが、一方で言葉はそれ自身次の言葉を求めて自在に繁茂していく。そのふたつが合わさったとき、小説は一文一文、一語一語、圧倒的な速度で跳躍しながら、読む者を〈現在〉の強度へと誘いつづける。 2019年『する、されるユートピア』で中原中也賞、2023年『この世の喜びよ』で芥川賞に輝く、詩人・作家が放つ、言葉を読む原初的な快楽に溢れる最新短編集! [出版社より] 「この小説は迷うための地図。一文ずつ小さく折り畳まれたそれをひらけば、言葉を読むんじゃなくて、言葉に読まれているよう」 ――尾崎世界観[ミュージシャン・小説家] 著 者|井戸川射子 出版社|筑摩書房 定 価|1,800円+税 判 型|四六判/上製 頁 数|160 ISBN|978-4-480-80523-2 発 行|2025年03月 Contents 移動そのもの 花瓶 市場 本汚し皿割り 軽薄 老いる彼女は家で 人々の大いなる口 通い路 旅は育ての親 Author 井戸川 射子 Iko Idogawa 1987年生まれ。関西学院大学社会学部卒業。2018年、第一詩集『する、されるユートピア』を私家版にて発行。2019 年、同詩集にて第24回中原中也賞を受賞。2021年に小説集『ここはとても速い川』で第43回野間文芸新人賞を、2023年に『この世の喜びよ』で第168回芥川龍之介賞を受賞。他の著作として、詩集に『遠景』、小説に『共に明るい』『無形』がある。
曇りなく常に良く
¥1,980
SOLD OUT
私たちの声はよく似ているのでどれも混ざる、来年も私たちは五人でいるだろう――。 母の再婚で「姉」になったハルア、恋愛に打ち込みたいスポーツ少女ナノパ、鼻の低さがコンプレックスのダユカ、「空気の読めなさ」を自覚するシイシイ、家計のためバイトに明け暮れるウガトワ。 高校二年生の仲良し五人組。同じ時を過ごしていても、見据える景色が同じとは限らない。芥川賞作家が描く、澄みわたる青春群像劇。 [出版社より] 著 者|井戸川射子 出版社|中央公論新社 定 価|1,800円+税 判 型|四六判/上製 頁 数|160 ISBN|978-4-12-005899-8 発 行|2025年03月 Author 井戸川 射子 Iko Idogawa 1987年、兵庫県生まれ。作家、詩人。2018年、第一詩集『する、されるユートピア』を私家版にて発行。19年、同詩集にて第24回中原中也賞、21年、小説集『ここはとても速い川』で第43回野間文芸新人賞、22年『この世の喜びよ』で第168回芥川龍之介賞をそれぞれ受賞。
大江満雄セレクション
¥2,200
ぼくらを感激さすものは ぼくら自身がつくらねばならぬ (「雪の中で」より) ハンセン病療養所の入所者による合同詩集『いのちの芽』を編んだ詩人大江満雄の代表的な仕事を精選した作品集。 プロレタリア詩運動の中心で活躍した後、戦争詩の時代を経て、戦後の激動期を生き抜いた大江満雄。常に混交のなかに身を置き、社会の片隅で生きる人たちへのあたたかいまなざしにあふれた作品群を残した。単行本初収録作品を含む詩63篇と散文8篇を収録する。 「大江満雄は、多様で異質な人たちが、どうすれば互いに理解し合うことができるかを探究した詩人だ。他者との相互理解に至るために、独自の詩の世界を切り拓き、新たな対話思想を展開した。その詩学の輝きは、現在も魅力を失っていない」——編者解説より [出版社より] 著 者|大江満雄 編 者|木村哲也 出版社|書肆侃侃房 定 価|2,000円+税 判 型|四六判・並製 頁 数|264 ISBN|978-4-86385-662-2 発 行|2025年03月 Contents 詩(「日本海流」「四万十川」「四方海」「癩者の憲章」ほか63篇) 散文(「詩の絶壁」「ライ文学の新生面」「日本思想への転向者フェレイラ」ほか8篇) 編者解説 編者あとがき 大江満雄年譜 Author 大江 満雄 Mitsuo Oe 1906年高知県生まれ。詩人。10代で父とともに上京。原宿同胞教会にて受洗。詩を書き始める。プロレタリア文学運動の中心で活躍。そのため治安維持法違反で検挙、転向。以後、戦争詩を書く。戦後はヒューマニズムを基調とする思想的抒情詩を多数発表した。詩集に『血の花が開くとき』(1928年)、『日本海流』(1943年)、『海峡』(1954年)、『機械の呼吸』(1955年)、『自選詩集 地球民のうた』(1987年)。その他、ハンセン病療養所入所者の合同詩集『いのちの芽』編集、解説。多くの評論、児童文学の作品ものこした。1991 年心不全により死去。享年85。没後、『大江満雄集―詩と評論』(思想の科学社、1996年)が刊行された。 Editor 木村 哲也 Tetsuya Kimura 1971年生まれ。国立ハンセン病資料館学芸員。2023年に企画展「ハンセン病文学の新生面 「いのちの芽」の詩人たち」担当。『詩集 いのちの芽』(岩波文庫、2024年)解説を執筆。著書に『『忘れられた日本人』の舞台を旅する──宮本常一の軌跡』(河出文庫、2024年)、『来者の群像──大江満雄とハンセン病療養所の詩人たち』(編集室水平線、2017年)、編著に『内にある声と遠い声──鶴見俊輔ハンセン病論集』(青土社、2024年)など。
石川信雄全歌集
¥3,080
ポオリイのはじめてのてがみは夏のころ今日はあついわと書き出されあり(『シネマ』) モダニズム短歌の頂きをなす伝説の歌集『シネマ』で颯爽とデビューし、エスプリに満ちた瑞々しい歌で時代を駆け抜けた稀代のポエジイ・タンキスト、石川信雄。没後60年の節目についに明らかになる孤独なマイナーポエットの全貌。 モダニズム短歌を代表する伝説の歌集『シネマ』、トラブルのため50部しか刊行されず幻となった『太白光』のほか、退色した原稿用紙として発見され、今回初めて世に出る『紅貝抄』と歌集未収録歌をおさめる。 「短歌史の中で石川信雄は砂に埋もれていたコーナーストーンのような存在かもしれない。この礎石を発掘することにより、同時代の地層から煌めく鉱石が次々と姿を現すだろう。それらの群像に光が注がれるなら、現代短歌に至る道程の失われた断片が見つかるにちがいない」——編者あとがきより [出版社より] 「今読んでも、というか、今読むからこそ強く感じる新鮮さは、作者の個性であると同時に、時代そのものの若さに根ざしたものでもあるのだろう。(略)新時代のポエジーへの強い希求が感じられる。現在の読者である私の目には、それ自体が眩しく映る」 ──穂村弘(栞より) 「定型に呼吸が寄りそうように置かれた言葉はとても自然で、現代の口語短歌の中に混じっていても違和感はあまりないだろう。(略)多数の歌集未収録作品も収載され、石川信雄が積み上げてきた作品世界が一望できる。その貴重さを喜びたい」 ──東直子(栞より) 「石川信雄の歌世界は知的遊戯を超えた詩的格闘の結露として、昭和の詩精神に輝きを添えている。(略)石川信雄の評価を大きく変える作品群であり、昭和モダニズムのひとつの到達であり、そして、新たな研究の出発点である」 ──黒瀬珂瀾(栞より) 著 者|石川信雄 編 者|鈴木ひとみ 出版社|書肆侃侃房 定 価|2,800円+税 判 型|四六判・上製 頁 数|392 ISBN|978-4-86385-648-6 発 行|2024年12月 Contents 『シネマ』 『太白光』 『紅貝抄』 歌集未収録歌 戦地からの手紙 解題 石川信雄年譜 解説 編者あとがき [ 収録歌より ] わが肩によぢのぼつては踊(をど)りゐたミツキイ猿(さる)を沼に投げ込む 『シネマ』 パイプをばピストルのごとく覗(ねら)ふとき白き鳩の一羽地に舞ひおちぬ 『シネマ』 すばらしい詩をつくらうと窓あけてシヤツも下着もいま脫ぎすてる 『シネマ』 人影のまつたく消えた街のなかでピエ・ド・ネエをするピエ・ド・ネエをする 『シネマ』 善よりは惡にかたむける人間(ひと)を載せ我が圓球(えんきゅう)は虚空(こくう)を旅す 『太白光』 磁石持ちて吸はるるごとく分け入ればミサンスロオプと告白すべき 『太白光』 天國のペンキ屋バケツに蹴つまづきニツポンの野山目のさめる秋 『太白光』 貝殻がぼくの胸にはたくさんある恋というはかない音をかなずる 『紅貝抄』 詩才などぼくは生れつき持たなんだ憂鬱(メランコリック)なライナァ・マァリァ・リルケの夢ばかり見き 『紅貝抄』 ひそかにも伝えられ来し言葉なれ我が誕生の夜の灯(ひ)にじむ 『紅貝抄』 [ 栞 ] 穂村弘「ポオリイとリュリュ」 東直子「空想と現実を往来する「まはだか」」 黒瀬珂瀾「「点」から「流れ」へ」 Author 石川 信雄 Nobuo Ishikawa 歌人、翻訳家。埼玉県出身。1908年、石川組製糸分家の長男として出生。第二早稲田高等学院・早稲田大学政経学部在学中に植草甚一らと英語劇に熱中し、文学に傾倒する。30年に筏井嘉一らと「エスプリ」を創刊。続いて「短歌作品」と「日本歌人」の創刊に参画。大学中退後、36年に第一歌集『シネマ』を刊行し注目を集める。同年に父が他界し、文藝春秋社に就職する。39年に応召。第五一連隊から江蘇省に派遣され、翌年支那派遣軍総司令部報道部に転属する。汪兆銘政権下の南京で、草野心平と中日文化誌「黄鳥」を発行。44年に土屋文明・加藤楸邨と中国大陸を横断する。戦後は多くの欧米文学者の小説を翻訳した。50年に第二次「短歌作品」を再刊すると同時に、「日本歌人」復刊に参加。54年に第二歌集『太白光』を発行。61年「宇宙風」短歌会創設。64年死去、享年56。 Editor 鈴木 ひとみ Hitomi Suzuki 京都市出身。石川信雄の姪。同志社女子大学卒業。ミネソタ大学、筑波大学大学院人文社会科学研究科、立命館大学大学院先端総合学術研究科で学ぶ。ヘイルストーン英語俳句サークル同人。共編著に『京都まちかど遺産めぐり』(ナカニシヤ出版)、『石川信雄著作集』(青磁社)、『黄鳥』(三人社)、『I WISH』ヘイルストーン英語俳句アンソロジー(代表編集スティーヴン・ギル)など。
水の流れ
¥2,640
SOLD OUT
これは本ではない。本はこんなふうに書くものではないから——。 「ブラジルのヴァージニア・ウルフ」と評される、日本翻訳大賞受賞『星の時』の著者による、世界文学の極点。 「わたしが呼吸する空気のなかで流れてゆくこの瞬間たち、それらは花火のように空間のなかで弾じけて消える。わたしは時間の原子を自分のものにしたい。そして、本性からしてわたしには禁じられている現在を、捉えてみたい。現在は逃れてゆき、わたしは今の瞬間においてつねに現在である」——本文より 〈わたし〉から〈あなた〉へ、思考の背後に潜むものを求める言葉の奇蹟。いまこの瞬間の生を描くという不可能な試みが生み出した、比類なきイメージの奔流。ウルフ、マンスフィールドと並ぶ世界文学の巨匠リスペクトルの極北にして頂点となる作品が、ついに刊行。 [出版社より] 著 者|クラリッセ・リスペクトル 訳 者|福嶋伸洋 出版社|河出書房新社 定 価|2,400円+税 判 型|四六変型判/上製 頁 数|180 ISBN|978-4-309-20921-0 発 行|2025年03月 Author クラリッセ・リスペクトル Lispector Clarice 1920-1977年。ブラジルの作家。代表作に『星の時』『G・Hの受難』『水の流れ』等。他の邦訳書に『ソフィアの災難』がある。 Translator 福嶋 伸洋 Nobuhiro Fukushima 共立女子大学文芸学部教授。訳書にリスペクトル『星の時』(日本翻訳大賞受賞)、『ソフィアの災難』(共訳)等。著書に『魔法使いの国の掟』『リオデジャネイロに降る雪』がある。
LOCKET 07号 CINEMA IS A FRONTIER
¥2,200
SOLD OUT
独立系旅雑誌『LOCKET』第7号は映画館特集です。 コデックス装が復活&リソグラフポスター付き。 荒野はきっとここにある──明滅する世界を彷徨うように映画館を旅しました。インドでもっとも豪華な映画館から、建築の巨匠ゆかりの映画館へ。写真家はルーマニアで美しい瞬間を瞳に焼きつけ、ウクライナで爆発音に耳をすませます。石川直樹、奥山大史、佐々木美佳、済東鉄腸、上川周作、フー・ティエンユー、児玉浩宜、塚田ゆうたなど豪華面々も登場。 今号もオフセット印刷は長野県松本市の藤原印刷による「心刷」です。第3号以来のコデックス装がカムバック。創刊10周年を記念してリソグラフポスターも投げ込みます。真っ当でいてオルタナティブなインディペンデントマガジンが、いまここから荒野へいざないます。 [発行者より] 編集発行人|内田洋介[編集・文・写真] デザイナー|大谷友之祐(Yunosuke) 発行元|EDIT BY BODY 印 刷|藤原印刷 定 価|2,000円+税 判 型|B5変形判/コデックス装 頁 数|111 発 行|2025年04月 Contents ◉インド/ピンクシティに見る夢(土田 凌*表紙撮影) ◉インド/ル・コルビュジエが見た夢 ◉ルーマニア/おとぎの国のヴィクトリア(塩川雄也) ◉ジョージア/この国で、この部屋で、この映画で ◉トルコ/瞬きのアナトリア ◉ウクライナ/映画館が閉ざされた街で(児玉浩宜) ◉ボリウッドの東で喜怒哀楽(佐々木美佳) ◉追憶の映画館(アイザワディーン) ◉精神の荒野はどこにある(済東鉄腸) ◉ある男、映画館にて(上川周作) ◉ようこそようこそ映画館へ(jig theater、金星シネマ) ◉まちがいさがし 映画館篇(町田ヒロチカ) ◉隣の国の映画館(フー・ティエンユー) ◉ロケットペンダントの中には #1 ◉旅を書く(鈴木優香、中道智大、石川直樹) ◉背骨の旅人 #7(奥山大史) ◉いまではないいつか #3 ハワイ ◉雑誌発、ZINE経由、漫画行(塚田ゆうた) ◉創刊10周年記念投げ込みリソグラフポスター(Yunosuke)
LOCKET 06号 SKI ISSUE
¥2,200
独立系旅雑誌『LOCKET』第6号は旅人のためのスキー特集です。 世界地図から空白部が消え、「秘境はなくなった」といわれてもなお、銀白部が存在します。白銀の世界に目を凝らせば、未知の国では普遍のスキーが見つかり、見知った国では未知が広がっていました。 イランとトルコで滑り、ノルウェーと韓国で歴史を遡り、台湾で廃墟を探します。久栖博季、石川直樹、マイク・エーブルソン、金本凜太朗、久保康友ほか豪華面々に協力いただきました。 今号もオフセット印刷は長野県松本市の藤原印刷による美しい「心刷」です。さらに一部ページは石川県金沢市の石引パブリックで自らリソグラフ印刷。真っ当でいてオルタナティブなインディペンデントマガジンから、新たな視点を問いかけます。 [発行者より] 編集発行人|内田洋介[編集・文・写真] デザイナー|大谷友之祐(Yunosuke) 発行元|EDIT BY BODY 印 刷|藤原印刷/石引パブリック 定 価|2,000円+税 判 型|B5変形判/並製 頁 数|160 発 行|2023年10月 Contents 001 定年退職発、 マクドナルド経由、雪山行き 006 鳥になりたかった!(久栖博季) 008 極地の移動手段(石川直樹) 010 イラン/ペルシャ雪を誰も知らない 034 イランからの手紙 036 トルコ/アナトリアのB面 060 体験を創造するスキーチェア(マイク・エーブルソン) 064 暇を持て余した神々の遊び 066 ノルウェー/原始のスキーヤー(塗木拓朗) 076 韓国/雪を駆けた馬 081 スキーヤーの肖像(宮村真一) 097 唄い踊るスキー、日本伝来の地で(高田民謡保存会) 102 猪熊弦一郎を見上げて(井上奈奈) 104 猪谷六合雄と汽水空港(モリテツヤ) 108 中谷宇吉郎の雪跡 116 台湾/南国にとけたスキー場(堤 大樹) 126 地球の滑り方 カザフスタン(稲村航平) 129 或るゲレンデ(金本凜太朗) 145 背骨の旅人 第6回 久保康友 152 INFORMATION 153 いまではないいつか 第2回 トルコ 160 まちがいさがし スキー篇(町田ヒロチカ)
本屋のパンセ——定有堂書店で考えたこと
¥2,420
名店の店主の人生の本200点超を一挙掲載。本から誘われた思索の軌跡。 「本を読むことの先に、本の中のような人生は扉を開いていなかった。とすると本そのものを目的として生きるしかない。本を読むのでもない書くのでもない、本を売るという人生がそこにあった。読むことや書くことは、あまりに一つの人格のもとに緊縛性が強く行き止まりだった。本を売るという人格が、解けなかった人生の問いを一挙に明快なものにしてくれた」——本書「本屋を生きる」より [出版社より] 「定有堂は、本屋が詣でる本屋だった。鳥取まで訪ねていき、奈良さんからふっと宙に放たれて光ることばに、支えられた本屋は自分だけではないはずだ。オブジェが吊られた定有堂の店内を思い出しながら本書を読み、奈良さんのことばを受け継いで実践を続けようという決心が、青空のようにひらけた」 ——NUMABOOKS/本屋B&B・内沼晋太郎 「本が好き、という〈初発衝動〉から奈良さんは店を始めた。本を並べ、ミニコミを出し、読書会をして、対話と思索を続けた。時流に遅れながら外界につながり、終わりはまた始まりになった。時空を歪めた奈良さんは、店を閉めてもまだ本屋でいる」 ——市場の古本屋ウララ・宇田智子 著 者|奈良敏行 編 者|三砂慶明 出版社|作品社 定 価|2,200円+税 判 型|四六判・並製 頁 数|240 ISBN|978-4-86793-073-1 発 行|2025年02月 Contents はじめに 三砂慶明 第一章 音信不通 本のビオトープ 定有堂のウォールデン池/オースターの『幽霊たち』/『音信不通』あるいは存在と思索/ブック・ビオトープ/柴田信さんのこと/けものみち/リングワンダリング/カフェ「ドロップ」での一夜/物語のない本屋/退歩推手/サウンドバイト/閉じる物語/本屋的人間そしてオブセッション/本を読む夢/残されない探検記 第二章 「普通」の本屋 石橋毅史さんに学ぶ/シンクロニシティ/柳父章さんのこと/木を見る、森を見る/彼らがいなくなる前に/定有堂はどんな本屋ですか?/減速する本屋暮らし/ミニコミ好き/フラジャイル/身の丈の本屋/探求のかたち/普通の本屋/果敢な本屋たち/定有堂のレイヤー/本屋の青空/本が大事/昨日までの世界 第三章 「焚き火」の読書会 本屋と「読む会」/焚き火について/本屋の圏域/具体と抽象/本屋と図書館/書けなかった話/「共通理解」のあり場所/読書の学校/コロナ・ディスタンスな日々/本屋読書/本のある暮らし、ただし本屋/定有堂の「推し本」/閉塞と覚醒 第四章 「本屋の青空」を見上げて 何度でもやり直す/読書について/読書思考圏域/読書のバイアス/権力を取らずに世界を変える/記憶を折り畳む/固定観念/闇の奥/読書の四面体/本屋の「このもの性」/独学孤陋(どくがくころう)/文章作成講座のこと/ドゥルーズを読む/三砂慶明さんとの一夜/沫雪に寄せて 第五章 終わりから始まる 本屋と書店/岩田直樹『橋田邦彦・現象学・アーレントの再解釈』と「他者論」/本屋の神話学/本屋でない人生なんて/昇降開合/もう一つの定有堂論/地の塩/一を始める/読書に追いつかれて/本好きのエピジェネティクス/天上大風(てんじょうたいふう)/遅れて読む/反本屋学/本屋のパンセ/写字室の旅/本を並べる/本屋のプロット/焚き火から埋み火へ/「わからない」の方へ あとがき これからの十年 編者謝辞 索引 Author 奈良 敏行 Toshiyuki Nara 1948年生まれ。1972年早稲田大学第一文学部卒。1980年鳥取にて、定有堂書店を開業。著書に『町の本屋という物語 定有堂書店の43年』(作品社)、共著書に、『街の本屋はねむらない』(アルメディア)、三砂慶明編『本屋という仕事』(世界思想社)など。 三砂 慶明 Yoshiaki Misago 1982年生まれ。「読書室」主宰。本の執筆、企画、編集、書評を手掛ける。立ち上げから参加した梅田 蔦屋書店を経て、TSUTAYA BOOKSTORE梅田MeRISE勤務。著書に『千年の読書 人生を変える本との出会い』(誠文堂新光社)、編著書に『本屋という仕事』、奈良敏行著『町の本屋という物語 定有堂書店の43年』がある。
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