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ピアノを弾く哲学者——サルトル、ニーチェ、バルト[OUTLET]
¥1,320
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いっこうに上達しないショパンを弾くサルトル、驚くほど美しく繊細な手で弾くニーチェ、ピアノを弾いていると「何かが勃起する」バルト——。 ピアノ演奏をこよなく愛した三人の思想家の知られざる側面を浮き彫りにする 哲学と音楽が豊かに共演したエッセイ。 三人の思想家、サルトル、バルト、ニーチェ。彼らはともにアマチュアのピアニストで、ピアノをこよなく愛していた。とくに、彼ら三人の哲学者=ピアノ奏者には、三者ともに同時代の現象を論じていながらも、ショパンやシューマンといった19世紀ロマン派のピアノ曲を好んで演奏していたという共通点がある。本書は、彼らのピアノ演奏、音楽体験を取りあげながら、哲学的思考、時間性、家族・友人関係と演奏がいかに交錯していたのかを明らかにする。 [出版社より] 「著者は、三人の思想家の音楽に関する考えを整理分析するのではなく、むしろ、彼らの知られざる相貌を、音楽、ことにピアノとの関わりをとおして描く。サルトルはメロディーに、ニーチェは音色に、バルトはリズムに敏感だったと、それぞれの個性を見極めながら、哲学者とピアノとの具体的な関わりを、豊富なエピソードとともに示してくれる。 哲学者にとって音楽を実践する(演奏する)ことの意味が、彼らの哲学的実践と照らし合わせながら、問われるのだ。この名人芸的な節回しに身を任せることで、読者は、敷居の高い哲学者たちの内面に難なく招じ入れられることになる。本書の魅力は、このように肩肘張ることなく、哲学と音楽の共演を楽しめる点にある」 ——澤田 直(フランス哲学・文学者) 著 者|フランソワ・ヌーデルマン 訳 者|橘明美 解 説|澤田直 出版社|太田出版 定 価|2,400円+税 判 型|四六判/仮フランス装 頁 数|232 ISBN|9784778314156 発 行|2014年11月 Contents プロローグ 直観 オフビートのピアノ――サルトルの場合 なぜわたしはこんなにすばらしいピアニストなのか――ニーチェの場合 ピアノがわたしに触れる――バルトの場合 エピローグ 共鳴 Author フランソワ・ヌーデルマン François Noudelmann フランスを代表するサルトル研究者。パリ第8大学教授。ジョン・ホプキンス大学やニューヨーク大学の客員教授、全— 世界学院のコーディネーターなどを歴任。ドキュメンタリー映画でサルトルがショパンを弾くところを見て「新たなサルトル」を発見し、それを機に思想家とピアノの関係を探求、本書の上梓につながった。自らも優れたピアノ演奏者である。2002年以来、ラジオ・フランス・キュルチュールで哲学番組のパーソナリティを務め、哲学・文学・芸術について幅広く語り、人気を博している。著書多数。
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新 荒唐無稽音楽事典[OUTLET]
¥715
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私家版『荒唐無稽音楽事典』(2014年、焚書舎)に約100項目の増補をし、全面的に加筆修正を行った全1730項目の完全版。音楽の世界を縦横無尽に楽しむための知的財産危険図書。 本文より一部抜粋 【X JAPAN】えっくす‐じゃぱん〔バンド〕 NHKホールには日本最大のパイプオルガンがある。レピッシュのひとが借りに行ったら断られたそうだ。ところがYOSHIKIには簡単に貸した。世の中ヤンキーに優しくサブカルに厳しいという例である。 【セルジュ・ゲンズブール】Serge Gainsbourg(1928-1991)〔人物〕 世の女性に「嫌いな男性のタイプは?」と訊くと99%が「不潔なひと」と答える。セルジュ・ゲンズブールは2年くらい風呂に入らず、アルバート・アインシュタインみたいな髪形になって、ぼろぼろの服を着ていたのに、ブリジット・バルドー、アンナ・カリーナ、ジェーン・バーキン、バンブーと絶世の美女に惚れられた。矛盾である。 【ヘッドフォン】headphone〔電気〕 スタジオで演奏に集中しているミュージシャンに出前が届いたことを知らせる装置。 【ロック】rock〔ジャンル〕 リズム&ブルーズやカントリーを元に発達した、大人たちの消費主義や社会への服従に対する若者たちの反抗の表現音楽である。取り仕切っているのはもちろん消費主義の大人たちである。 [出版社より] 著 者|高木壮太 出版社|平凡社 定 価|1,300円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|272 ISBN|9784582837506 発 行|2017年02月 Contents 凡例 音楽史年表(有史以前~21世紀) 付録(ギター各部の名称、各地域で最も人気のあるバンド、音域表) 平凡社版によせて Author 高木壮太 Sota Takagi 1968年徳島県生まれ。鍵盤奏者。1990年代よりスタジオミュージシャン、音楽作家として活動を始める。数々のバンドのサポートミュージシャンとしても国内外で活躍し、現在はファンクバンド「CAT BOYS」キーボーディストや「井の頭レンジャーズ」プロデューサーとしても活躍。著書に『プロ無職入門』(P-Vine Books)。映像作品に『RAWLIFEとその時代』。
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魂の形式 コレット・マニー論
¥2,420
没後約四半世紀、今なお熱狂的なファンを持つフランス音楽史上最も偉大な歌手コレット・マニーの評伝、入門書にして世界初の研究書。 コレット・マニーとは誰か——。歌詞、インタビュー、著述等のテクストを考察し、一人の人間がいかにしてほかならぬその人となったのかを明らかにする。社会的強者が作り出す基準から著しく逸脱するコレット・マニーの声は、「鉱山労働者、移民労働者、第三世界の民衆、黒人奴隷、女性、性的少数者、知的障害の子、家畜化された動物や無数の海鳥が形成する無名の共同体の声」となり、周縁的存在の集合が音楽的自由に直結する稀有な芸術形式、魂を揺さぶるマイナー音楽となる。 コレット・マニー Colette Magny (1926-1997) 1926年フランスのパリ生まれの歌手。36歳でプロ・デビューし、フランス初の「真のブルーズ歌手」として注目を集める。1963年にCBSからリリースした〈メロコトン(Melocoton)〉がヒットし一躍スター歌手の座へ登りつめるが、すぐに商業主義と決別してル・シャン・デュ・モンドへ移籍。「シャンソン・アンガジェ(政治参加の歌)」の代表的歌手となる。その後ディエゴ・マッソンやアンドレ・アルミュロなどの現代音楽作曲家、フランソワ・テュスクやグループ・ダーマなどのフリージャズ・ミュージシャンとの共同作業によって、実験性と政治性を兼ねたアルバムを発表していく。歌、語り、叫び、呻きを混ぜ合わせた唯一無二のスタイルで、アントナン・アルトー、チェ・ゲバラからルイス・キャロルまで、ジャズ、ブルーズから子守唄までを自家薬籠中のものとした。1997年没。 [出版社より] 「ウーム・カルスーム? ビリー・ホリデイ? 美空ひばり? マリア・カラス?……そう、たしかに彼女らは偉大だったかもしれない。しかし、それはそれぞれの限られたジャンルの中での表現のレヴェルにおいて、たかだか歌い手として偉大だったにすぎない。だが、コレット・マニーは決定的に違う。それは、歌の表現云々以前の、音楽をする行為自体において、既に全く違う次元にあるのだ。」 ——大里俊晴 著 者|中村隆之 出版社|カンパニー社 定 価|2,200円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|256 ISBN|978-4-910065-07-6 発 行|2021年12月 Contents ●序章 コレット・マニー研究とは何か 問題の所在 方法論 先行研究と資料 本書の構成 ●第一章 フランスのブルーズ歌手 (1926–63年) テレビのなかの「スター歌手」 歌手を目指すまで デビュー――オーディション、ミレイユとの出会い オランピア劇場 最初のEP盤《メロコトン》 ショービジネス界からの訣別の意味するもの ●第二章 政治的シャンソンはフリーを目指す (1963–67年) 政治的シャンソンの時代へ 最初の政治的EP盤《キューバ万歳》 《チュイルリー宮》に仕掛けられた爆弾 フランス最初期のフリージャズ・レコード《すべて終わり》 さらなる表現の前衛へ――ビュラビュラ、アルトー、ジャバウォッキー ●第三章 「六八年五月」からブラックパンサー党との共闘へ (1967–72年) 孤独と連帯 ベトナムとの連帯 マニーの〈六八年五月〉 《火とリズム》と黒人差別への怒り ブラックパンサー党に捧げたアルバム《レプレッション》 ルポルタージュとしての歌――フランス北部の炭鉱労働者とスペイン・バスク地方の神父のために ●第四章 政治主義の彼方へ (1972–79年) 政治的であるよりも人間的であること 北アフリカの移民労働者に捧げたアルバム《ペニャ・コンガ》 チリ支援のためのヌエバ・カンシオン 政治主義との訣別とフリージャズを通じた再生 マニー作品の極点《顔゠村》 イスラエル/パレスチナ問題に捧げた音楽劇 障害を抱える子たちの声、この子たちの呟きを歌にすること ●第五章 自由であり続ける、最後の日まで (1979–92年) 妥協なき表現の探究 「わが兄」アルトーへの愛 スタンダード・ナンバーに託されたカミングアウト 《ケヴォーク》あるいは馴致不能のホロホロ鳥 いくつかの断片 アンコールとしてのラストアルバム《未発表曲集 九一年》 ●終章 魂の形式 ●あとがき ●ディスコグラフィー ●主要参考文献 ●人名索引 Author 中村 隆之 Takayuki Nakamura 早稲田大学法学学術院准教授。東京外国語大学大学院博士後期課程修了。フランス語圏を中心とする環大西洋文学、広域アフリカ文化研究、批評と翻訳。著書に『野蛮の言説』(春陽堂書店)、『エドゥアール・グリッサン』(岩波書店)、『カリブ-世界論』(人文書院)、訳書に『ダヴィッド・ジョップ詩集』(夜光社)、エドゥアール・グリッサン『痕跡』(水声社)、解説にオレリア・ミシェル『黒人と白人の世界史』(明石書店)などがある。
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新版 ECMの真実
¥4,180
1973年にECMがECMレーベルをまとっての国内プレス盤の発売以来50周年を迎える2023年。一度は発作に倒れた総師マンフレート・アイヒャーが不死鳥のように蘇り80歳を迎える。河出書房新社より2001年(初版)、2009年(増補改訂版)と刊行され、日本の音楽ファンに読み継がれてきた『ECMの真実』をさらに大幅に増補改訂した『新版 ECMの真実』。 1969年にマンフレート・アイヒャーによって設立されたECM(Edition of Contemporary Music)Recordsは、“沈黙に次ぐ最も美しい音(The Most Beautiful Sound Next to Silence)”をコンセプトに50余年にわたって今なお唯一無二の存在であり続けている。ドイツ・ミュンヘンで20代の若者が始めた小さなレーベルは、いかにして世界を牽引するレコード会社となったのか。本書はECMの初期10年間にレーベル・マネジャーとして尽力した著者による無類の歴史物語=ECMの真実であり、とりわけ日本とのかかわりがECMにとって強力な起爆剤となっていたことが克明に描き出される。 マンフレート・アイヒャーを軸として浮かび上がる「ECMの軌跡」、さまざまな関係者の証言による「ECMの伝説」の2部構成。今回の「新版」では、ECMと深い関わりのある人物のインタヴューを多数追加し、また日本におけるECM受容の一端を示す資料を掲載する。約200ページ増の大ヴォリューム。現代音楽としてのジャズ、前衛音楽としてのクラシック、“沈黙に次ぐ最も美しい音”に迫る。 [出版社より] 著 者|稲岡邦彌 出版社|カンパニー社 定 価|3,800円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|576 ISBN|978-4-910065-11-3 発 行|2023年04月 Contents まえがき 巻頭に寄せて マンフレート・アイヒャー キース・ジャレット 【第 Ⅰ 部 ECMの軌跡】 ●第1章 トーチを受けて 黎明期 1 リンダウ、ベルリン、ミュンヘン 2 マル・ウォルドロン 3 ディストリビューション 4 ポール・ブレイ 5 初プロデュース ●第2章 異端としての出発 1970年代 1 ヤン・ガルバレク 2 ヤン・エリック・コングスハウク 3 デイヴ・ホランド 4 チック・コリア 5 独占契約 6 アンソロジー 7 デイヴ・リーブマン 8 ジョン・アバークロンビー 9 キース・ジャレット 10 スタンダーズ ●第3章 新たな挑戦 1980年代 1 アート・アンサンブル・オブ・シカゴ 2 ジャック・ディジョネット 3 フォト・セッション 4 契約終了 5 コリン・ウォルコット 6 ドン・チェリー 7 ニュー・シリーズ 8 パット・メセニー ●第4章 メディアを超えて 1990年代 1 ECMと映画 2 『レインボー・ロータス』 ●第5章 創立50周年に向けて 2000年以降 1 オスロの虹 2 ECMと日本(日本人) 3 ニュー・シリーズを総括する 4 創立40周年を迎えて 5 アイヒャー生誕70年と周年イベント 【第 Ⅱ 部 ECMの伝説】 ●第6章 証言 01トーマス・ストゥーヴサント/02ハンス・ヴェンデル/03スティーヴ・レイク/04リー・タウンゼント/05デイヴィッド・ベイカー/06カーラ・ブレイ/07中野雄/08鯉沼利成/09及川公生/10矢野泰三/11大江旅人/12福井亮司/13大村幸則/14五野洋/15丸茂正樹/16内藤忠行/17菅野沖彦/18オノ セイゲン/19原田和男/20佐々木吉彦/21斉藤嘉久/22海老根久夫/23多田雅範/24堀内宏公/25ヤン・ガルバレク/26デイヴ・ホランド/27キース・ジャレット/28ジャック・ディジョネット/29ゲイリー・バートン/30ラルフ・タウナー/31デイヴ・リーブマン/32ジョン・アバークロンビー/33リッチー・バイラーク/34トマシュ・スタンコ/35エグベルト・ジスモンチ/36ミロスラフ・ヴィトウス/37ジョン・サーマン/38ディノ・サルーシ/39アルヴォ・ペルト/40小曽根真/41キム・カシュカシャン/42ハイナー・ゲベルス/43マルクス・シュトックハウゼン/44チャールス・ロイド/45ドロシー・ダー/46ギヤ・カンチェーリ/47ケティル・ビヨルンスタ/48レーナ・ヴィッレマルク/49ヘルベルト・ヘンク/50ヨン・バルケ/51アリルド・アンデルセン/52スタンリー・カウエル/53スティーヴ・キューン/54トム・ファン・デア・ゲルト/55シュテファン・ミクス/56ポール・ブレイ/57マリリン・クリスペル/58ビル・フリゼール/59加古隆/60エンリコ・ラヴァ/61ステファーノ・ボラーニ/62ニック・ベルチュ/63ジョルジュ・グルンツ/64タイガー大越 ●第7章 対話 01 マンフレート・アイヒャー 02 スティーヴ・レイク 03 サン・チョン 04 ロベルト・マゾッティ 05 ポール・ブレイ 06 ヴァネッサ・ブレイ 07 アリルド・アンデルセン 08 キース・ジャレット 09 トーマス・モーガン 10 マティアス・アイク 11 ヤコブ・ブロ 12 イーサン・アイヴァーソン 13 菊地雅章 14 福盛進也 15 田中鮎美 16 デュオ・ガッザーナ 17 J.A.ファーバーとJ.E.コングスハウクを継ぐエンジニアたち ●第8章 エッセイ広告 『ユリイカ』 『カイエ』 あとがき 索引 Author 稲岡 邦彌 Kuniya Inaoka 1943年伊丹市生まれ。早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。1973年、トリオ・ケンウッド時代に独ECMとライセンス契約を交わし、以来10年間、レーベル・マネジャーとしてECMの市場開発に尽力する。その間、洋楽部長、制作部長を歴任。2004年、web-magazine「JazzTokyo」を共同創刊、編集長に就任。音楽プロデューサーとして1998年、ジャズ・レーベル Transheartを設立、菊地雅章、ポール・ブレイ、リッチー・バイラークなどのアルバムを、2020年、King International内にNadja21レーベルを創設、中牟礼貞則&三吉功郎、渋谷毅&仲野麻紀などのCDをそれぞれ制作。共著に『ジャズCDの名盤』(文春新書)、編著にCD-ROM/BOOK『及川公生のサウンド・レシピ』(ユニコム)『増補改訂版 ECM Catalog』(東京キララ社)がある。
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本の美術誌——聖書からマルチメディアまで[OUTLET]
¥1,375
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中世キリスト教絵画から現代美術、マルチメディアまで、美術の視点から「本とは何か?」をたどる書物論。古今東西の美術家の本にまつわる30作品余を収録。朝日「天声人語」でも紹介。 [出版社より] 著 者|中川素子 出版社|工作舎 定 価|2,500円+税 判 型|四六判/上製 頁 数|220 ISBN|978-4-87502-247-3 発 行|1995年01月 Contents 巻頭カラー:本の美術ギャラリー 第1章 一冊の本 パントクラトール像と聖書 本のかたち 呪物的な宝物 燃え落ちた本の幻 第2章 複数の本 聖母子像と聖書 「受胎告知」の舞台風景 所有熱 第3章 人間の時代 デューラー「四人の使徒」の時代精神 意識の図像学 きらめく思想の宇宙と印刷術 第4章 本の虫への皮肉 アルチンボルドの「法律家」と「司書」 魔術の帝国にて ルドルフ二世の肖像「ウェルトゥムヌス」 “目の人”が描く戯画 第5章 ヴァニタス メイプルソープとヴァニタス 空虚なる画布 日常的な死 西村陽平の燃えつきた本 第6章 読書する女 「源氏物語絵巻」と読書 浮世絵に描かれた母と子の読書 江戸の絵本文化 第7章 学問の道具 李朝の文房図:斬新な書架の絵 絵画への知的な思考 本が奏でる夢空間 ゆるやかな教育 第8章 アートワークとしての本 柏原えつとむの本とは何か? 加納光於と大岡信の本と箱 若林奮と吉増剛造の箱宇宙 河原温の数字本 第9章 記憶と創造力 ボルヘスの無限の本 星野美智子の溶解する本 第10章 大量消費生産物 デイヴィッド・マックの大量消費物アート 彫刻素材としての本 反個人的イメージの氾濫 現実のはざまで 第11章 滅亡のしるし 知の罪を暴くアンゼルム・キーファー 鉛の本の衝撃 滅びの時代 第12章 メディア マルチメディアへのターニング・ポイント ウェンヨン&ギャンブルのホログラム・イコン 山口勝弘の鏡の本 第13章 未来 ゲーリー・ヒルのビデオ・イメージ 河口龍夫の本と種子 本の“光年” 不死という未来 Author 中川 素子 Motoko Nakagawa 1942年、東京生まれ。東京芸術大学美術学部大学院修了。文教大学教育学部教授(造詣芸術論)。 著書に現代美術の視点から新しい絵本論を展開した『絵本はアート:ひらかれた絵本論をめざして』(教育出版センター)があるほか、新聞や雑誌の読書欄、文化欄などで絵本論、現代美術論を執筆している。
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聖者のレッスン[OUTLET]
¥2,640
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古今東西、19世紀から現在まで、映画に描かれた聖者を辿ることで映画史を書き換え、あふれるような知と閃きから人間と信仰を根底から問い直す空前の映画講義。四方田映画学の集大成。 往古のジョルジュ・メリエスから、カール・テオドア・ドライヤー、ロベルト・ロッセリーニ、ピエル・パオロ・パゾリーニ、ルイス・ブニュエルまで、キリスト教の聖者物語を監督した巨匠たち。海の女神をはじめ、神道仏教の改革者たちに魅惑されたアジアの監督たち。強制収容所の悲惨を映画で描きうるかと悩んだ現代の監督たち。映画の聖性と表象不可能性を論じた、映画宗教学講義がここに開帳! [出版社より] 著 者|四方田犬彦 出版社|河出書房新社 定 価|4,800円+税 判 型|四六変形判/上製 頁 数|360 ISBN|978-4-309-25643-6 初 版|2019年10月 Contents 聖者とは誰か ジャンヌ・ダルクの系譜 ジャンヌ・ダルクの諸相 神の道化師、フランチェスコ 聖セバスチャンの殉教 イエス・キリストの映画的表象 東アジア最大の女神 媽祖 出口王仁三郎とトランスジェンダー 三國連太郎による親鸞 アウシュヴィッツと事後性 それでも映像を残す 奇跡と愚行 無戒と破戒 Author 四方田 犬彦 Inuhiko Yomota 1953年、大阪箕面に生まれる。東京大学で宗教学を、同大学院で比較文学を学ぶ。長らく明治学院大学教授として映画学を講じ、コロンビア大学、ボローニャ大学、清華大学(台湾)、中央大学校(ソウル)などで客員教授・客員研究員を歴任。現在は映画、文学、漫画、演劇、料理と、幅広い文化現象をめぐり、著述に専念。『月島物語』で斎藤緑雨文学賞を、『映画史への招待』でサントリー学芸賞を、『モロッコ流謫』で伊藤整文学賞を、『ルイス・ブニュエル』で芸術選奨文部科学大臣賞を、『詩の約束』で鮎川信夫賞を受けた。
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ヘリオガバルス
¥3,850
ローマ帝国史上もっともアナーキーな皇帝ヘリオガバルス。彼の愛した男アエギヌス。宮廷に張り巡らされた陰謀によって皇位を追われ、破滅へとむかうふたりの逃避行の行方は…。 長く行方不明だった「幻の原稿」が80年ぶりに発見。『花のノートルダム』で文学を永遠に変えてしまった男が、同時期に獄中で書いたもう一つの代表作。最新の研究成果を踏まえ、本邦初訳として蘇る。21世紀の文学史的事件。 [出版社より] 著 者|ジャン・ジュネ 訳 者|宇野邦一・鈴木創士 出版社|河出書房新社 定 価|3,500円+税 判 型|四六変形判・上製 頁 数|192 ISBN|978-4-309-20926-5 発 行|2025年05月 Author ジャン・ジュネ Jean Genet 1910-86年。孤児として育ち、42年獄中で書いた『花のノートルダム』で注目される。『泥棒日記』『葬儀』などを執筆後、60年代以降は黒人解放運動、パレスチナなどに関わり『恋する虜』に結実させる。 Translator 宇野 邦一 Kuniichi Uno 1948年生まれ。哲学者・フランス文学者。立教大学名誉教授。著書に『土方巽──衰弱体の思想』『ドゥルーズ 流動の哲学』など。訳書に、アルトー『タラウマラ』、ジュネ『薔薇の奇跡』など。 鈴木 創士 Soshi Suzuki 1954年生まれ。著書に『アントナン・アルトーの帰還』『中島らも烈伝』『魔法使いの弟子』。訳書に 神の裁きと訣別するため』(共訳)『狂人の二つの体制』(共訳)『歓待の書』『ロデーズからの手紙』。
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星沙たち、
¥2,200
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音楽のために、生きている。青葉市子、はじめてのエッセイ集。 夢と現実が溶け合う、永遠に似た時間。深い海に潜って見つけた、小さな創作のかけら。 「大雨みたいな拍手が聞こえる。様々な人生のひとときを預かる、ステージの袖で、深呼吸をしている。どうか音楽よ、私たちを包んでと祈りながら。」 イラスト=青葉市子、装幀=名久井直子。 [出版社より] 著 者|青葉市子 出版社|講談社 定 価|2,000円+税 判 型|四六変型判/上製 頁 数|176 ISBN|9784065394946 発 行|2025年05月 Contents 1.停泊する商店街 2.手のひらの地球儀 3.夢のありか 4.蠢く聲たち 5.海の枕 6.空に浮かぶ塔 7.混線と結束 8.めくるめく旅路 9.兎の尾龍の爪 10.丘の上の青い光 11.水瓶 12.春のあらわし 13.翠たちの夢 14.あお、みどり。 15.夢法師 16.ねえ、ペンギン。 あとがき Author 青葉 市子 Ichiko Aoba 1990年生まれ。音楽家。自主レーベル〈hermine〉代表。 2010年のデビュー以来、8枚のオリジナル・アルバムをリリース。クラシックギターを中心とした繊細なサウンドと、夢幻的な歌声、詩的な世界観で国内外から高い評価を受けている。2021年から本格的に海外公演を開始し、数々の国際音楽フェスティバルにも出演。音楽活動を通じて森林・海洋保全を支援するプロジェクトにも参加している。2025年1月にはデビュー15周年を迎え、約4年ぶりとなる新作『Luminescent Creatures』を2月にリリース。 同月下旬からキャリア最大規模となるワールドツアー〈Luminescent Creatures World Tour〉を開催し、アジア、ヨーロッパ、北米、南米、オセアニアで計50公演以上を予定。 2023年5月号より『群像』でのエッセイ連載を開始、本書が初の単行本となる。FM京都〈FLAG RADIO〉では奇数月水曜日のDJを務めるほか、TVナレーション、CM・映画音楽制作、芸術祭でのパフォーマンスなど、多方面で活動している。
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映画 視線のポリティクス——古典的ハリウッド映画の戦い
¥1,210
フィルム・スタディーズという研究領域を切り拓いた画期的な映画生成批評。 スタジオ・システムという強力な支配形態のもとにおかれた、古典的ハリウッド映画産業。利潤追求を至上命令とする製作会社によって俳優・監督・脚本家他あらゆる関係者が管理されるなか、激動期のアメリカで、いかにして映画は製作されたのか。監督と撮影所の対立、陸軍による検閲、自主検閲的倫理規定ヘイズ・コード、第二次世界大戦のプロパガンダ映画、それに携わった黒人映画作家……。複雑な力学が働く映画の生成過程に、文書資料や関係者インタビューなど一次資料を用いて実証的に迫る。映画学(フィルム・スタディーズ)という研究領域を切り拓いた画期的作品。 解説=板倉史明。 [出版社より] 著 者|加藤幹郎 出版社|筑摩書房[ちくま学芸文庫] 定 価|1,100円+税 判 型|文庫判[並製] 頁 数|256 ISBN|978-4-480-51299-4 発 行|2025年05月 Contents 第1章 検閲と生成 スクリューボール・コメディ論 プレストン・スタージェス・コレクション/ジャンルと作家/フランク・キャプラと人民喜劇/署名のないフィルム/世界の中心ハリウッド/笑いの数値化/検閲と生成 第2章 喜劇映画作家がプロパガンダを撮るとき キャプラ都へ行く/ハリウッド戦時娯楽映画/戦前の喜劇映画/「キャプラ組」顛末記/システムと戦う個人/プロパガンダ映画のディコンストラクション/ディズニー・アニメーション/最後の人民喜劇 第3章 雇われた黒人 カールトン・モス・インタビュー 老兵は死なず/プロパガンダを撮る/黒人よ銃を取れ/ワシントンから来た男/銃口は誰に向けられたか 第4章 ジャンルとジェンダー ジャンルの混淆/年少犯罪もの/ハリウッドの戦後体制/女のフラッシュバック/?の編集/最後の教訓 補 遺 映画製作倫理規定 文庫版解説 種蒔かれた映画学 板倉文明 映画題名索引 Author 加藤 幹郎 Mikiro Kato 1957-2020年。長崎生まれ。筑波大学比較文化学類卒業、同大学大学院文芸・言語研究科単位取得退学。京都大学大学院人間・環境学研究科教授を経て、同名誉教授。日本映画学会初代会長。著書に『映画館と観客の文化史』(中公新書)、『日本映画論 1933-2007』(岩波書店)、『荒木飛呂彦論』(ちくま新書)、『映画とは何か』『映画ジャンル論』(ともに増補改訂版、文遊社)などがある。
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イメージ、それでもなお——アウシュヴィッツからもぎ取られた四枚の写真
¥2,640
監視の目を盗み、ゾンダーコマンドによって撮影された四枚の写真から、アウシュヴィッツの真理に触れることはできるのか。 もっと遠くにまで届くはずだ――。 アウシュヴィッツの被収容者たちが命がけで撮影して送り届けた、たった四枚のフィルムの切れ端。そこには地獄のすべてが写っているのか。クロード・ランズマンやジャン゠リュック・ゴダールとの対話を通じ、想像を絶する体験をそれでもなお想像するための微かな道を切り開く。 [出版社より] 著 者|ジョルジュ・ディディ=ユベルマン 訳 者|橋本一径 出版社|平凡社[平凡社ライブラリー] 定 価|2,400円+税 判 型|B6変型判/並製 頁 数|408 ISBN|9784582769890 発 行|2025年05月 Contents Ⅰ イメージ、すべてに抗して 地獄からもぎ取られた四枚のフィルムの切れ端 想像不可能なものすべてに逆らって 歴史の目の只中で 似たもの、似ざるもの、生き残るもの Ⅱ 全体的なイメージに抗して イメージ゠事実あるいはイメージ゠フェティッシュ イメージ゠アーカイヴあるいはイメージ゠外観 イメージ゠モンタージュあるいはイメージ゠噓 似ているイメージあるいは見せかけのイメージ 原注 訳注 初出に関する注記 訳者あとがき 平凡社ライブラリー版 訳者あとがき 解説 歴史の症候――希望としてのイメージ 田中 純 索引 Author ジョルジュ・ディディ=ユベルマン Georges Didi-Huberman 1953年フランス中部リヨン近郊サン=テティエンヌ生。リヨン大学で美術史と哲学を修めた後、パリ社会科学高等研究員(EHESS)に移る。1984年からはイタリアやアメリカで海外研究を行い、パリ大7大学勤務を経て、1990年よりパリ社会科学高等研究員助教授。著書はすでに20冊を超える。旺盛な執筆活動に加え、国際学会・シンポジウムでの発表や展覧会企画なども積極的に行っている。 Translator 橋本 一径 Kazumichi Hashimoto 1974年生。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。現在、早稲田大学教授。専攻、表象文化論。
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ブラック・カルチャー 大西洋を旅する声と音
¥1,056
奴隷とされた人々は、いかにして新大陸で声と音の伝統を再創造していったのか。ブラック・カルチャーの歴史と現在を旅する。 約400年にわたり、大西洋を航海した奴隷船。「裸の移住者」としてアメリカ大陸に連行された人々は、いかにしてアフリカの声と音の伝統を再創造し、次世代へと繋いでいったのか。アフリカへの帰還という主題から、音楽、文学、アートなどを横断的に捉え、その歴史と現在を旅する。世界にひろがるブラック・カルチャーへの招待。 [出版社より] 著 者|中村隆之 出版社|岩波書店[岩波新書] 定 価|960円+税 判 型|新書判/並製 頁 数|254 ISBN|9784004320616 発 行|2025年04月 Contents はじめに ブラック・カルチャーをめぐる旅へ 第一章 アフリカの口頭伝承 教室のなかのアフリカ 口承の伝統 口頭伝承のなかの音文化 マンデ系社会のグリオ 語り継がれる叙事詩 第二章 奴隷船の経験 奴隷貿易を想像する 奴隷制と西アフリカ 西欧人を取引相手とした奴隷売買 『ルーツ』にみる大西洋奴隷貿易 奴隷船上での歌と反乱 女性たちの抵抗、死者たちの声 第三章 アメリカスに渡ったアフリカの声と音 奴隷制社会をめぐる資料 聞き書きという方法 裸の移住者 ネオ・アフリカ文化 アフリカ由来の精神文化 ヴードゥーの儀式 文化維持という抵抗 ドラミングと太鼓 第四章 自由を希求する共同体の歌 合衆国の奴隷制時代の歌 アメリカスに息づくアフリカの声 スピリチュアルと呼ばれる歌 「ブラック」という共同体意識 哀しみの歌 黒人神学におけるスピリチュアルの意義 世俗的スピリチュアルとしてのブルース 第五章 合衆国のブラック・ミュージック 変わりゆく同じもの ジャズの始まり アームストロングの声 ジャズにおける創意と即興 混交するジャンル ソウル・オブ・ア・ネーション カバーによる伝統の構築 第六章 アメリカスからアフリカへ アメリカスのブラック・ミュージック アフロ・ブラジル音楽の展開 アフロ・カリブ音楽の多様性 アフリカへの帰還 同じリズム、いくつもの歴史 ブラック・カルチャーをめぐる次の旅へ 第七章 文字のなかの声 文字世界への参入 「トーキング・ブック」としての奴隷体験記 声の作家ハーストン 集団としての黒人の声の表現 クレオール語の口承性 声の歴史 第八章 奴隷貿易・奴隷制の記憶の光と影 記憶の場所 ユネスコの取り組み 「奴隷の道」プロジェクト 構築される記憶 文学のなかで語られる闇の記憶 奴隷貿易の闇 第九章 ブラック・ミュージックの魂 ブラック・パワーの潜在力 ナショナリズムを越えて ブラック・アーツ運動 ブラック・ジャズ共同体 ブラック・スピリチュアル ラップのスピリチュアリティ 第一〇章 ブラック・スタディーズとは何か 知の枠組みのラディカルな変革 アフリカ中心主義 ブラック・エクスペリエンス主義 ブラック・フェミニズム、ブラック・クィア・スタディーズ 『ブラックパンサー』とアフロフューチャリズム アフロフューチャリスト アフロペシミズム理論 ブラック・スタディーズの再規定 第一一章 ブラック・カルチャーは誰のものか 知の脱植民地化 収集と分類 脱植民地化と返還 ミュージアムの脱植民地化 文化の盗用とは何か ブラックをめぐる呼称 文化は混交する 第一二章 未来に向けて再構築されるルーツ 〈関係〉の思想 環大西洋的連帯 存在論的傷 記憶の継承と発掘 クレオール化のダイナミズム ルーツの再構築 〈全−世界〉のヴィジョン 主要参考文献 あとがき 〈関係〉のなかの私的物語 Author 中村 隆之 Takayuki Nakamura 1975年東京都生まれ.2006年東京外国語大学大学院地域文化研究科博士後期課程修了.博士(学術).早稲田大学法学学術院教授.専攻―フランス語圏文学,環大西洋文化研究. 著書―『カリブ世界論』(人文書院,2013),『エドゥアール・グリッサン』(岩波書店,2016),『野蛮の言説』(春陽堂書店,2020),『魂の形式 コレット・マニー論』(カンパニー社,2021),『第二世界のカルトグラフィ』(共和国,2022),『環大西洋政治詩学』(人文書院,2022)ほか. 訳書―『痕跡』(水声社,2016),『マニフェスト 政治の詩学』(以文社,2024)ほか. 編訳書―『ダヴィッド・ジョップ詩集』(夜光社,2019). 共訳書―『アフリカ文学講義』(みすず書房,2022),『黒人法典』(明石書店,2024),『カリブ海序説』(インスクリプト,2024)ほか.
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音盤の来歴――針を落とす日々
¥1,980
虐殺が続く世界の片隅で、静かにレコードに針を落とす。音楽に守られた日々の記録。 アメリカで神学と人類学を学び、自分のVOICEを探す日々の裏で、心の支えとなった音楽があった。ブルーズ、ジャズ、ロック、ソウル……。いまも保持する愛着の深い音盤群と、ニューヨークで、ノースカロライナで、そして沖縄で出会った心やさしき人々との交流をもとに語る生活の記録。ガザで、ウクライナで、シリアで虐殺が続くなか、音楽はシェルターとなりうるか? 若き神学・人類学者による、世界の片隅からの祈りにも似たメッセージ。 「わたしがレコードを聴いていたのも、結局は似たような理由からだったのだと思う。ときにあまりに残酷で醜悪な世界から身を隠すため。閉ざされた内密の空間で生を実験するため。歌ってみたり、踊ってみたり、もうひとつの世界を、ありえたかもしれない今を想像したりして。もちろんレコードは片面二十分足らずで終わってしまうのだけれど。そしたらまた針を落とせばいい。そうしている少しの間、この世界をかたわらへ寄せて、別の世界へ、あるいは別の惑星へ」——「あとがき」より [出版社より] 「ここには、人間を生かそうとする言葉が書かれている」 ──永井玲衣 「1枚のレコードを通じて関係する、無数の人生。この世界を諦めずに歩んでいきたいと思いました」 ──後藤正文 著 者|榎本空 出版社|晶文社 定 価|1,800円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|240 ISBN|978-4-7949-7463-1 発 行|2025年03月 Contents はじめに ■Side A アラン・トゥーサンと過去をかたわらに寄せることの勇気について ライ・クーダーとチャイナタウンのアパートの屋上から見えた月 レオン・レッドボーンと初めてのレコードプレイヤー メイヴィス・ステイプルズを聴きに501に背を向ける ハービー・ハンコックとアメリカで車を売ること ドニー・フリッツと自由の瞬間 ビートマスとレコードのないクリスマス ■Side B ドクターQが教えてくれたり、教えてくれなかったりしたいくつかのこと 『アメイジング・グレイス』を探して フランシスコのサンクチュアリ 黒いキリスト、メアリー・ルー・ウィリアムスを記念して 豚と詩人 レコードにまつわる抜き書きのアーカイヴ、あるいは百年目のボールドウィンへ 細野晴臣を聴いていた夜のこと クラシックでしまくとぅば ドン・コヴェイがシャウトする朝 あとがきにかえて Author 榎本 空 Sora Enomoto 1988年、滋賀県生まれ。沖縄県伊江島で育つ。同志社大学神学部修士課程修了。台湾・長栄大学留学中、C・S・ソンに師事。米・ユニオン神学校S. T. M 修了。文筆家、翻訳家。伊江島の土地闘争とその記憶について研究している。著書に『それで君の声はどこにあるんだ?──黒人神学から学んだこと』(岩波書店)、翻訳書にジェイムズ・H・コーン『誰にも言わないと言ったけれど――黒人神学と私』(新教出版社)、サイディヤ・ハートマン『母を失うこと──大西洋奴隷航路をたどる旅』(晶文社)がある。『母を失うこと』で第十回 日本翻訳大賞受賞。
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知覚の宙吊り——注意、スペクタクル、近代文化
¥3,300
SOLD OUT
アテンション・プリーズ! 人間の「注意」はいかに構築され、「散漫」はいかに管理されてきたのか。モダニズム絵画から実験心理学、スペクタクル産業から注意多動性障害まで、社会、産業、科学、芸術にまたがるさまざまな言説と技術を横断し、近代における知覚の条件を問い直す。 [出版社より] 著 者|ジョナサン・クレーリー 監 訳|岡田温司 訳 者|石谷治寛・大木美智子・橋本梓 出版社|平凡社[平凡社ライブラリー] 定 価|3,000円+税 判 型|B6変型判/並製 頁 数|688 ISBN|9784582769869 発 行|2025年04月 Contents 序 第1章 近代性と注意の問題 第2章 1879年――拘束なき視覚 第3章 1888年――脱魔術化のイルミネーション 第4章 1900年――綜合(ジンテーゼ)の再創出 エピローグ 1907年――ローマの魔法 原注 訳者あとがき 平凡社ライブラリー版 訳者あとがき 文献一覧 事項索引 人名索引 Author ジョナサン・クレーリー Jonathan Crary 1951年、アメリカのコネチカット州ニューヘイヴンに生まれる。視覚文化に関する系譜学的な研究で知られ、Zone Booksの創業者のひとりとして長らく編集委員を務める。現在、コロンビア大学教授。 Translator 岡田 温司 Atsushi Okada 1954年生まれ。京都大学大学院博士課程修了。京都大学名誉教授。専門は西洋美術史・思想史。著書に『モランディとその時代』(人文書院、2003、吉田秀和賞受賞)、『フロイトのイタリア―旅・芸術・精神分析』(平凡社、2008、読売文学賞受賞)などがある 石谷 治寛 Haruhiro Ishitani 1977年生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。現在、広島市立大学芸術学部准教授。専門は美学・美術史・視覚文化論 大木 美智子 Michiko Oki 1979年生まれ。ロンドン大学UCL西欧言語文化社会研究科博士課程修了。現在、ロンドン芸術大学セントラル・セント・マーチンズ校専任上級講師。専門は美学・美術史 橋本 梓 Azusa Hashimoto 1978年生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程指導認定退学。現在、国立国際美術館主任研究員。専門は現代美術。展覧会企画に「Viva Video! 久保田成子展」(共同企画、国立国際美術館ほか、2021、倫雅美術奨励賞受賞)などがある
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[増補]お砂糖とスパイスと爆発的な何か——不真面目な批評家によるフェミニスト批評入門
¥990
いつのまにか、「男子」の眼で観てない? ミス・マープルの本当のすごさや、文学史に輝く “キモくて金のないおっさん”を描いた名作、そして新時代のディズニーアニメの悪戦苦闘。あの名作が100倍面白くなり、見たい映画とドラマと本と舞台がどんどん増える、フェミニスト批評集がついに文庫化。 書き下ろし「どうもありがとう、パメラ・アンダーソン」を含む、型にはめない、はまらないものの見方を教えてくれる批評6本を増補してお届けします。 [出版社より] 著 者|北村紗衣 出版社|筑摩書房[ちくま文庫] 定 価|900円+税 判 型|文庫判[並製] 頁 数|368 ISBN|978-4-480-44008-2 発 行|2025年02月 Contents まえがき 不真面目な批評家によるフェミニスト批評入門 1 自分の欲望を知ろう さよなら、マギー ――内なるマーガレット・サッチャーと戦うために バーレスクってなんだろう? BL視点で読む『嵐が丘』 ――関係性のセクシーさを求めて 檻に入っているのは、犬じゃなくて私 ――ヴァージニア・ウルフ『フラッシュ』 女はなぜ悪い男にばかり引っかかるのか? ――『西の国のプレイボーイ』に見る良い男、悪い男 〈コラム〉初任給とヴァージニア・ウルフ 2 男らしさについて考えてみよう キモくて金のないおっさんの文学論 ――『二十日鼠と人間』と『ワーニャ伯父さん』 アメ車、男たちの絆、この惑星最後の美しき自由な魂 ――『バニシング・ポイント』 対等な女を怖がる男たち ――男の幻想に逆襲する喜劇『負けるが勝ち』 プリンセスは男のロマン! ――映画に出てくるお姫様と男たち ロマンティックな映画としての『ファイト・クラブ』 〈コラム〉発展を続けるバーレスク 3 ヒロインたちと出会おう シェイクスピア劇の魅惑のヒロイン、無限に変化する女王クレオパトラ 世紀末の悪女? 自己実現のため戦うヒロイン? ゲイのアイコン? ――オスカー・ワイルドの『サロメ』 べ、別にあんたのためにツンデレを分析してるわけじゃないんだからね! ――シェイクスピア『十二夜』を考える ディズニーに乗っ取られたシンデレラ ――民話の変貌をたどる 理想宮か、公共彫刻か? ――『アナと雪の女王』 〈コラム〉北米のシェイクスピア祭 4 わたしたちの歴史を知ろう 女の子がムラムラしてはいけないの? イギリス文学における女と性欲 「#女性映画が日本に来るとこうなる」の「女性映画」ってなに? ――変わりゆく女たちの映画 女性映画としてのトランスジェンダー女子映画 ――『タンジェリン』と『ナチュラルウーマン』 読書会に理屈っぽい男は邪魔? 女性の連帯を強める読書会の歴史を探る ミス・マープルは何でも知っている ――変わりゆくアガサ・クリスティの世界 〈コラム〉フェミニストの洋服えらび 5 ユートピアとディストピアについて考えよう 愛の理想世界における、ブス ――夢見るためのバズ・ラーマン論 隠れたるレズビアンと生殖 ――『わたしを離さないで』 父の世界からの解放 ――「フェミニスト的ユートピア」を描いた『バベットの晩餐会』 「女だけの街」を考える 女は自由な社会の邪魔者なの? ――ディストピアSFの性差別 〈コラム〉『ダウントン・アビー』と女性参政権運動 6 型にはめない、はまらない 『人魚姫』は何の話なのか? ――『リトル・マーメイド』の原作に戻る ビ ートルズが歌う「ボーイズ」はなぜ面白いか ――歌手のジェンダーと歌詞のジェンダーステレオタイプ ハリー・ポッターとイギリス文学における同性愛 ――『ハリー・ポッターと死の秘宝』精読 レズビアン死亡症候群、サイコレズビアン ――ステレオタイプなマイノリティ描写はなぜ問題? 発達障害と診断された私 ――ASDとADHDだとわかるまでに出会った本や映画について どうもありがとう、パメラ・アンダーソン 単行本版あとがき 批評家は探偵 文庫版あとがき お砂糖とスパイスの賞味期限 Author 北村 紗衣 Sae Kitamura 1983年生まれ。武蔵大学人文学部英語英米文化学科教授。専門はシェイクスピア、舞台芸術史、フェミニスト批評。ウィキペディアンとしても活動する。著書に『シェイクスピア劇を楽しんだ女性たち』(白水社)、『批評の教室』(ちくま新書)、『お嬢さんと嘘と男たちのデス・ロード』(文藝春秋)、『女の子が死にたくなる前に見ておくべきサバイバルのためのガールズ洋画100選』(書肆侃侃房)がある。
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あなたがいるから
¥3,960
2024年11月30日、相田冬二(Bleu et Rose)は書籍『あなたがいるから』を発刊いたしました。これは、1999年から2024年までに相田が劇場用パンフレットに寄稿した作品評101篇を収録したものです。全4章構成で、368頁。映画と歩んできた四半世紀をこの一冊に託します。 劇場用パンフレットは、相田が最も大切にしている媒体です。基本的に、映画をご覧になった方しか入手できず、また公開が終わるとほぼ入手できなくなる公式の冊子。映画館で販売され、映画のスーべニール(お土産)と呼んでいいこの存在に、こどもの頃から憧れてきました。パンフにレビウを執筆できることは、相田の誇りであり、毎回、その時点で持てる力をすべて投入してきたつもりです。 いま読むと至らない文章もありますが、それらを排除することはせず、ただ公開順に並べました。筆致には、変わった点と変わらない点いずれもがあります。そこも愉しんでいただければ幸いです。 永くお世話になっており心から信頼する編集者、森田真規さんに編集をお願いしました。この本は森田さんのプロデュース作品と言ってもよいと思います。また、森田さんと一緒に『なnD』というジンを10年以上にわたって作っておられるデザイナーの戸塚泰雄さんにデザインを手がけていただきました。さらに戸塚さんを通して、イラストレーターの箕輪麻紀子さんに表紙のイラストレーションを描いていただくことができました。一流のプロフェッショナル3人がコラボレートしたこの本は、わたしが個人的に「欲しいもの」として出来上がりました。本としての新しさ、みずみずしさ、豊潤さ、すべてがあるとおもいます。 ぜひ、あなたの許に置いてほしい。 [発行者より] 著 者|相田冬二 発 行|Bleu et Rose 定 価|3,600円+税 判 型|四六判・上製 頁 数|368 発 行|2024年11月 [限定300部] Contents まえがき *1 黄泉がえり アナーキー・イン・じゃぱんすけ ほとけ トーキョー×エロティカ 黄泉がえり 着信アリ 犬と歩けば チロリとタムラ たまもの カナリア イン・ザ・プール 好きだ、 ストロベリーショートケイクス 魂萌え! キサラギ アヒルと鴨のコインロッカー 転校生〜さよなら あなた 天然コケッコー ジャーマン+雨 全然大丈夫 マイ・ブルーベリー・ナイツ ジャージの二人 トウキョウソナタ レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン わたし出すわ スノープリンス 禁じられた恋のメロディ 半分の月がのぼる空 ブロンド少女は過激に美しく *2 生きてるものはいないのか ゴモラ 孤独な惑星 生きてるものはいないのか さめざめ ル・アーヴルの靴みがき それでも、愛してる ぼっちゃん だいじょうぶ3組 箱入り息子の恋 HOMESICK 潔く柔く きよくやわく ジ、エクストリーム、スキヤキ 神様のカルテ2 友だちと歩こう 東京戯曲 こっぱみじん 神さまの言うとおり 人の望みの喜びよ 極道大戦争 レヴェナント:蘇えりし者 ヒメアノ~ル マネーモンスター ふきげんな過去 ひと夏のファンタジア 白い帽子の女 何者 いたくても いたくても イノセント15 ハクソー・リッジ いつまた、君と ~何日君再来~ 祈りの幕が下りる時 欲望の翼 *3 バーニング 羊の木 去年の冬、きみと別れ ニワトリ★スター 名前 きみの鳥はうたえる 愛しのアイリーン 教誨師 台北暮色 バーニング 劇場版 慶州 ヒョンとユニ 泣くな赤鬼 劇場版ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん 蜜蜂と遠雷 あなたを、想う。 ひとよ ラストレター 影裏 水曜日が消えた あなたの顔 ステップ チィファの手紙 窮鼠はチーズの夢を見る モルエラニの霧の中 *4 四月になれば彼女は 海辺の金魚 サマーフィルムにのって 彼女はひとり 麻希のいる世界 イントロダクション 青春の殺人者 女神の継承 百花 夜を越える旅 あなたの微笑み チーム・ジンバブエのソムリエたち 日の丸〜寺山修司40年目の挑発〜 ひとりぼっちじゃない リボルバー・リリー 台風クラブ まなみ100% めためた すべて、至るところにある 四月になれば彼女は あとがき
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K-POPはなぜマイノリティを惹きつけるのか
¥2,640
男性アイドルを好きなレズビアン、女性アイドルを愛するゲイ、BLと当事者性をめぐる探索、実在のアイドルで遊ぶ物語、フィクションにおけるトランス嫌悪、ボーイッシュな女性アイドルのかっこよさ……。 H.O.T.のデビューから始まる第1世代、東方神起がアイドル文化を本格化した第2世代、EXOに代表される第3世代、BTSやBLACKPINKが牽引する第4世代。世界とアジアと韓国のK‐POP受容を読み解きながら、性別二元論ではなくクィアの視点でK‐POPの魅力を語る画期的論集。 [出版社より] 編著者|ヨン・へウォン 訳 者|キム・セヨン、キム・ミンジョン、パク・キョンヒ 出版社|河出書房新社 定 価|2,400円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|296 ISBN|978-4-309-23151-8 発 行|2024年12月 Contents 第1章 世代論から読み解くK‐POPのクィアネス 第2章 K‐POPとK‐POPのディーバネス 第3章 「男性アイドルが好きなレズビアン」のための弁論:レズビアンのコミュニティ内で警戒される、「非常にレズビアンっぽい」欲望について 第4章 「当事者性」を構成する:BL、幻想、欲望 第5章 ファン・フィクション・クィアバディズム:クィア文化の様々な体位 第6章 Twilight Zone:女ドル・ファンフィクにおける愛という世界観―私が魅了された物語、その眩しさを目撃した者の証言 第7章 男性アイドルのアルペス文化におけるトランス嫌悪:「トランス的な」世界で起きている「トランス嫌悪」について 第8章 典型的ではない女性アーティストの系譜:トムボーイ、ガールクラッシュ、そして女ドクのクィアリング 第9章 女性‐クィア・フェミニストがガールズグループを愛する方法 第10章 K‐POPのジェンダー・クィアな美学 第11章 身体とジェンダーの隙間で連帯する:アイドルが遂行するトランス・フェミニズム Editor & Author ヨン・ヘウォン 大学院で社会学を研究。クィアとセクシャリティをテーマにさまざまなジャンルで企画・執筆活動を続ける。セミナー「2020クィアドロジー」や、朗読劇「エログロ京城」などを企画し、雑誌『them』を発行。 Translator キム・セヨン ソウル生まれ。梨花女子大学通訳翻訳大学院修士課程卒業。現在、同大学院博士課程在学中。訳書に、イ・ミンギョン『脱コルセット:到来した想像』(共訳)など。 キム・ミンジョン KBS通信員。東京外国語大学大学院総合国際学研究科博士課程単位取得退学。訳書に、チェ・スンボム『私は男でフェミニストです』、ソ・ユミ『終わりの始まり』など。韓国語への翻訳も手がける。 パク・キョンヒ 梨花女子大学国際大学院博士課程在籍。梨花女子大学通訳翻訳大学院、韓国文学翻訳院、チェッコリ翻訳スクールで翻訳を教えている。訳書に、ポムリュン『誰よりも先にあなたが幸せになりなさい』など。
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神戸、書いてどうなるのか
¥968
食堂、酒場、喫茶店、銭湯、本、レコード、散歩……108のエッセイで語る、神戸の暮らしと記憶。装画=坂本慎太郎、解説=tofubeats。 神戸。海と山に挟まれたその街には、食堂、酒場、喫茶店、レコード店、書店、映画館、商店街、銭湯など人々に愛される場所があり、その街についての素晴らしい本や歌があり、著者の大切な思い出がある。108のエッセイで語る、ひとつの街の暮らしと記憶。「私が愛した神戸の多くのものは姿を消したけれど、神戸が面白くなくなったとは言わない」。写真・イラストマップも収録。 [出版社より] 著 者|安田謙一 出版社|筑摩書房[ちくま文庫] 定 価|880円+税 判 型|文庫判/並製 頁 数|288 ISBN|978-4-480-43966-6 発 行|2024年06月 Contents 第一章 食べたり?んだり、神戸 第二章 ぶらぶら歩く、神戸 第三章 神戸を読む、観る、聴く、買う 第四章 神戸の記憶 第五章 神戸育ちのてぃーんずぶるーす 暴力戦士 西東三鬼――単行本版あとがきにかえて 神戸、そして――文庫版あとがきにかえて 解説 「神戸、書いてどうなるのか」について書いてどうなるのか tofubeats 写真/永田収 イラスト/山内庸資 カバーイラスト/坂本慎太郎 デザイン/中村道高(tetome) Author 安田 謙一 Kenichi Yasuda 1962年神戸生まれ、神戸在住の「ロック漫筆家」。ポップカルチャーを中心に様々な媒体で執筆を行うほか、CD監修、ラジオDJなど多岐にわたって活動する。著書に『ピントがボケる音』(国書刊行会)、『なんとかと なんとかがいた なんとかズ』(プレスポップ)、『ライブ漫筆』(誠光社)があり、市川誠との共著に『すべてのレコジャケはバナナにあこがれる。』(太田出版)、辻井タカヒロとの共著に『ロックンロールストーブリーグ』(音楽出版社)、『書をステディー町へレディゴー』(誠光社)がある。
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図説 写真小史
¥1,320
芸術から「いま―ここ」という一回性の「アウラ」が消滅する複製技術の時代にあって、写真はどのような可能性をはらみ、どのような使命を課せられなければならなかったのか? 写真史を考えるとき、だれもが必ず引用する基本文献―ヴァルター・ベンヤミンの「写真小史」。初期写真から1930年代の作品までを通観したこの傑作エッセイに、そこで言及されているブロースフェルト、アジェ、ザンダーらの写真多数と、関連論文を加えて再編集。20世紀最高の批評家による写真論が目で見てわかる実証的な一冊。 [出版社より] 著 者|ヴァルター・ベンヤミン 訳 者|久保哲司 出版社|筑摩書房[ちくま学芸文庫] 定 価|1,200円+税 判 型|文庫判 頁 数|288 ISBN|978-4-480-08419-4 初 版|1998年04月 Contents 写真小史(ヴァルター・ベンヤミン) カール・ブロースフェルト『芸術の原形』への序(カール・ニーレンドルフ) ウジェーヌ・アジェ『写真集』への序(カミーユ・レヒト) 顔、映像、それらの真実について(アルフレート・デーブリーン) Author ヴァルター・ベンヤミン Walter Benjamin 1892(Berlin)~1940年(PortBou)。20世紀ドイツの最も異彩を放つ思想家・批評家。きわめて緻密で繊細な文体をもつ卓越した文章家。青年運動の只中で思想形成期を迎え、ユダヤ神秘主義、観念論的弁証法、マルクス主義的歴史哲学等の影響を受ける。激動の時代状況とアクチュアルにまたラディカルに切り結びながら、同時に近代もしくはモデルネの原史(Urgeschichte)を見据え続けた。亡命行の途上でみずから命を絶った。
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定本 批評メディア論——戦前期日本の論壇と文壇
¥1,738
「論壇」「文壇」とは何か。日本において「批評」はいかにして可能か。言論を支えてきたインフラやシステムの生成過程にさかのぼることから再起動しなければならない。膨大な資料博捜に裏づけられた圧倒的な文体で知の基本構造をえぐり出す。注目を集める批評家による著書が、全面的な改稿をへて「定本」として再生する。 [出版社より] 著 者|大澤聡 出版社|岩波書店[岩波現代文庫] 定 価|1,680円+税 判 型|文庫判・並製 頁 数|462 ISBN|9784006023553 発 行|2024年01月 Contents 序 章 編集批評論 1 商品としての言論 ギルドから市場へ 2 批評のマテリアリズム 課題設定 3 出版大衆化 円本・革命・スペクタクル 4 ジャーナリズム論の時代 総合雑誌史 5 時限性と非属領性 本書の構成 第1章 論壇時評論 1 論壇とはなにか 第一の課題設定 2 レジュメ的知性 総合雑誌の論壇時評 3 空間画定と再帰性 学芸欄の論壇時評 4 メディア論の予感 相互批評の交叉点 5 消滅と転生 自己準拠的なシステム 第2章 文芸時評論 1 問題消費の時代 第二の課題設定 2 アリュージョンと多重底 批評無用論争 3 後発者たちの憂鬱 自律した批評の誕生 4 複数化する宛先 文壇村という読者集団 5 職業としての批評 文芸批評のプロトコル 第3章 座談会論 1 ふたつの欲望 第三の課題設定 2 合評から討議へ 「新潮合評会」の変成 3 劇場化とロールプレイ 行動主義論争 4 擬態する親密圏 『文學界』の文壇政治 5 造語の氾濫 メディア=形式の一義化 第4章 人物批評論 1 人物による時代診断 第四の課題設定 2 横断性と大衆性 普通選挙時代の批評 3 固有名消費 有名性生成のメカニズム 4 複数の表象様式 記号的身体とキャラ化 5 有名、匿名、無名 現実的権威の発動 第5章 匿名批評論 1 スターシステム 第五の課題設定 2 精神か経済か フリーランサー論争 3 声と批評 輿論・社会化・カタルシス 4 責任の所在 学芸/文芸欄という例外圏 5 固有名化する匿名 名をめぐる四象限 終 章 批評環境論 1 速度 編集的批評/批評的編集 2 綜合 アカデミズムとジャーナリズム 3 再編 境界条件の壊乱と地殻変動 4 局外 いまはそれと名指されぬもの 5 集団 全体性はいかにして可能か 註 あとがき(単行本版) あとがき(岩波現代文庫版) 人名索引 Author 大澤 聡 Satoshi OSAWA 1978年生まれ.批評家.近畿大学文芸学部准教授.東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了.博士(学術).専門はメディア史.主な著書に『教養主義のリハビリテーション』(筑摩書房),編著に,『1990年代論』(河出書房新社),『三木清教養論集』(講談社文芸文庫)など.本書『批評メディア論』(岩波書店)で第37回日本出版学会奨励賞,第6回内川芳美記念マス・コミュニケーション学会賞を受賞.
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マクルーハン理論——電子メディアの可能性
¥1,320
「メディアはメッセージである」。メディアが発したメッセージ以上に、まさに電子メディアそれ自体が現代人の知覚を広げ、価値観を変えた。「メディアはマッサージである」この冗句も日々の生活で体感される。先駆者として甦るマクルーハンの理論を多彩な視角から浮き彫りにする。 [出版社より] 著 者|マーシャル・マクルーハン、エドマンド・カーペンター 訳 者|大前正臣、後藤和彦 出版社|平凡社[平凡社ライブラリー] 定 価|1,200円+税 判 型|B6変型判/並製 頁 数|328 ISBN|9784582764611 発 行|2003年03月 Contents 1部 マクルーハニズム 聴覚的空間 言語に与えた印刷物の影響 メディアの履歴書 メディア・アフォリズム 壁のない教室 ほか 2部 コミュニケーションの新しい探求 新しい言語 触覚的コミュニケーション キネシクスとコミュニケーション 先史芸術の空間概念 動く目 ほか Author マーシャル・マクルーハン Marshall McLuhan 1911‐1980。カナダのアルバータ州に生まれた英文学者、メディア・文明批評家。カナダのマニトバ大学で機械工学と文学を学ぶ。英ケンブリッジ大学留学。1946年トロント大学教授となる。『文学の声』など詩論、文芸批評の著作を続けながら、独自のメディア論を発表。広告論『機械の花嫁』(1951)、活版印刷の社会的影響を論証した『グーテンベルクの銀河系』(1962)を経て、ベストセラー『人間拡張の原理―メディアの理解』(1964)でマクルーハン旋風を巻き起こした。トロントで死去。 エドマンド・カーペンター Edmund Carpenter 1922-。人類学者。イヌイット文化を研究、映像人類学で活躍。1940年代房総と江戸湾末にトロント大学でマクルーハンらと共同研究を開始。53年以降、フォード財団から研究助成を得てセミナーを開き、雑誌『Explorations』を創刊。 Translator 大前 正臣 Masaomi Omae 1923年生まれ。評論家、翻訳家、東京大学文学部卒業後、コロンビア大学に学ぶ。電通、東京新聞外報部を経てフリー。 後藤 和彦 Kazuhiko Goto 1929年生まれ。常磐大学大学院兼任教授。東京大学文学部卒業。NHK、同放送文化研究所などを経て常磐大学教授。
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アニメオタクとビデオの文化社会学
¥3,080
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1980年代に拡大したビデオというメディアは、オタク文化の代表とも見なされるアニメの視聴経験をどのように変えていったのか。アニメオタクはビデオを利用することを通じて、どのような映像文化を形成し、そこにはいかなる社会的な意味があったのか。 1970年代後半から80年代のアニメブームと呼ばれる時期に焦点を当て、「ビデオジャーナル」「アニメージュ」「Animec」「アニメV」などの雑誌を読み込んで、アニメファンのビデオ利用によってアニメが個人の趣味として立ち現れるようになったプロセスを描き出す。 ビデオがアニメの保存や操作を可能にしたことでファンの交流を促して、「趣味としてのアニメ」の新たな流通経路を作り出し、それが個人の収集(コレクション)やレンタル市場の形成につながっていった。ファン・産業・技術が絡み合いながらアニメ独自の市場を形成した1980年代のうねりを照らし出し、ビデオが切り開いた映像経験の文化的なポテンシャルを明らかにする。 [出版社より] 著 者|永田大輔 出版社|青弓社 定 価|2,800円+税 判 型|A5判/並製 頁 数|280 ISBN|978-4-7872-3545-9 発 行|2024年09月 Contents 序 章 映像を趣味にする経験とビデオ技術 1 オタクとビデオの結び付き 2 アニメというファン領域 3 本書の分析資料 4 本書の構成 第1部 アニメを趣味にする条件とビデオ技術 第1章 ビデオのファン利用とオタクという主体 1 本書の問いをめぐる議論の配置 2 オタクとビデオの関連性について 3 ビデオを取り扱うことの意義づけ 4 ビデオをめぐるメディア論的視点 5 アニメという対象 第2章 ビデオにおける「教育の場」と「家庭普及」――一九六〇年代後半―七〇年代の業界紙「ビデオジャーナル」にみる普及戦略 1 ビデオ受容をめぐる諸議論 2 資料の特性 3 教育の場とビデオ 4 「教育」と「家庭」の間 5 結論 第3章 「テレビを保存する」ことと読者共同体の形成――アニメ雑誌「アニメージュ」を事例として 1 「テレビを保存するという実践の成立」と「新たなアニメファン」 2 「テレビを保存する」ことの前提条件 3 「テレビを録る」ということを軸とした読者共同体の形成 第2部 アニメが「独自の趣味」になる過程とビデオ技術 第4章 アニメ雑誌における「第三のメディア」としてのOVA――一九八〇年代のアニメ産業の構造的条件に着目して 1 本章で取り扱う分析資料 2 OVAをめぐる構造的条件 3 「第一のメディア」と「第二のメディア」 4 「第三のメディア」としてのOVA 5 結論 第5章 コンテンツ消費における「オタク文化の独自性」の形成過程――一九八〇年代のビデオテープのコマ送り・編集をめぐる語りから 1 「オタク文化の独自性」をめぐる先行研究・分析視角・分析対象 2 ビデオデッキの普及環境に関して 3 コマ送りが可能とする視聴実践 4 形成される相互循環 5 結論 第6章 アニメの制度化のインフラとしてのアニメ制作者の形成――一九七〇―八〇年代の労働規範に着目して 1 アニメーターの職務概要 2 分析枠組みと資料の分析上の位置づけ 3 アニメブーム期の労働を読み解く視点 4 制作者の労働規範の変容 5 結論 第3部 ビデオを通じて再定式化される「オタク」経験とアニメ文化 第7章 ビデオをめぐるメディア経験の多層性――「コレクション」とオタクのカテゴリー運用をめぐって 1 「オタクの代表」の宮﨑勤 2 一九八九年時点のビデオの社会的配置と有徴性 3 「真のオタク」ではない宮﨑勤 4 変容するコレクションの意味論 5 結論――オタクが語られだす論理 第8章 ビデオ受容空間の経験史――「趣味の地理学」と一九八〇年代のアニメファンの経験の関係から 1 先行研究 2 コンテンツ受容空間と経験史 3 有徴な空間としてのビデオ店 4 レンタルビデオ店経験の両義性 5 ビデオ店利用の個別性 終 章 映像視聴の文化社会学に向けて 1 ビデオが開いた映像視聴経験とアニメファン 2 メディア文化にビデオ技術がもたらしたもの 3 コレクションのメディア論 4 子どもの民主主義とオタク文化――「共同視聴」の文化社会学に向けて 引用・参考文献 あとがき Author 永田 大輔 Daisuke Nagata 1985年、栃木県生まれ。明星大学など非常勤講師。専攻はメディア論、文化社会学、映像文化論、労働社会学。共編著に『アニメと場所の社会学――文化産業における共通文化の可能性』『アニメの社会学――アニメファンとアニメ制作者たちの文化産業論』『消費と労働の文化社会学――やりがい搾取以降の「批判」を考える』(いずれもナカニシヤ出版)、共著に『産業変動の労働社会学――アニメーターの経験史』(晃洋書房)、『ビデオのメディア論』(青弓社)、論文に「「二次創作」はいかなる意味で「消費」であるのか――大塚英志の消費論を中心に」(「日本研究」第65号)など。
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マンガって何? マンガでわかる マンガの疑問
¥1,980
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マンガミュージアムが、マンガ愛を込めておくるQ & A。今さら聞けないマンガの「?」をともに考える、マンガ研究の入門書! 本書は「マンガって何?」の問いに対してマンガの歴史や作り方、広がり方などさまざまな切り口で考える内容です。意外と知らないマンガにまつわる疑問を考えることで、今まで感じていたマンガの魅力が何倍にもふくらみ、より立体的に楽しめるはずです。浮世絵から海外マンガ、数字でみるマンガ産業、拡大する電子出版……。マンガをとりまくトピック盛りだくさんでご紹介します。 ◎マンガとイラストを織り交ぜながら紹介 本書の登場人(ニャン)物は、京都国際マンガミュージアムで働くことになった新人・ねこ学芸員と教育係のねこ博士。おっちょこちょいだけどやる気とマンガ愛に溢れるねこ学芸員が、ときに熱く、ときに冷静に、博士から教えを受けながら日々成長していく物語です。 [出版社より] 監修・編集|京都国際マンガミュージアム・京都精華大学国際マンガ研究センター 出版社|青幻舎 定 価|1,800円+税 判 型|A5判・並製 頁 数|144 ISBN|978-4-86152-950-4 発 行|2024年05月 Contents 第1章 マンガのはじまりっていつなの? 第2章 マンガって誰が読むの? 第3章 マンガの作り方 第4章 マンガのお約束 第5章 マンガ家はお金持ちなの? 第6章 広がるマンガの楽しみ方 第7章 マンガは世界中で読まれているの? 第8章 世界のマンガにはどんなものがあるの? 実録! ねこ学芸員、中のひと Edit 京都国際マンガミュージアム 博物館と図書館の機能をあわせもったマンガ専門の文化施設。保存されるマンガ資料は、江戸期の戯画浮世絵から明治・大正・昭和初期の雑誌、戦後の貸本から現在の人気作品、海外のものまで約30万点。京都市と京都精華大学の共同事業で、マンガの収集、保管、公開、マンガ文化に関する調査研究やそれらの資料と調査研究に基づく展示やイベントを行っている。 京都精華大学国際マンガ研究センター マンガとその周辺に関する研究機関。40年にわたる京都精華大学での「マンガ」文化に関する教育・研究の蓄積と研究基盤に必要な人的・情報ネットワークを十全に活用することによって、京都国際マンガミュージアムの中核を担う研究機関としての役割を果たしている。
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ナチズムの美学——キッチュと死についての考察
¥1,210
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ナチズムに民衆を魅了させた、意外なものの正体は何か。ホロコースト史研究の権威が第二次世界大戦後の映画・小説等を分析しつつ迫る。 ー 何によって民衆はナチズムに魅惑されたのか。 本書は、第二次世界大戦後につくられた映画・小説等を中心に言説分析を行うことにより、ナチスに魅入られた大衆心理の意外な正体を暴きだす。『地獄に堕ちた勇者ども』『リリー・マルレーン』『ブリキの太鼓』『ヒトラー、あるいはドイツ映画』等の作品中に、記憶と想像力によって再構成された第三帝国の姿。そこから照射されてくるのはキッチュと死という二要素の「完全な綜合」であり、それこそが第三帝国の美学の本質であると、ホロコースト研究の大家である著者は喝破する。ナチズム研究にいまなお影響を与え続ける古典的名著。 解説=竹峰義和。 [出版社より] 著 者|ソール・フリードレンダー 訳 者|田中正人 出版社|筑摩書房[ちくま学芸文庫] 定 価|1,100円+税 判 型|文庫判/並製 頁 数|256 ISBN|978-4-480-51161-4 発 行|2023年01月 Contents 序論 第1章 ナチズムの美学と言語―キッチュと神話と死 死と破壊のキッチュ アルカイックな伝説の世界 ほか 第2章 二つのヒトラー像―キッチュとニヒリズムの魅惑力 ヒトラーの個人生活の細部についての叙述 日常生活の細部と虚無の力との並置 ほか 第3章 悪魔祓いの諸形態―言語の麻痺と新たなディスクール 過去の無毒化ないし隠蔽としての悪魔祓い 歴史修正主義―意識的な悪魔祓い ほか 第4章 ナチズム解釈の問題点―綜合的視点の必要性 合理的・学術的解釈 全体主義論による解釈 ほか Author ソール・フリードレンダー Saul Friedlander 1932年プラハ生まれ。ナチスの迫害を逃れて少年時代にフランスへ移住。テル・アヴィヴ大学教授等を経て、UCLA名誉教授。専攻、ナチズム研究、ホロコースト研究。著作は多数あり、代表作の二部作Nazi Germany and the Jews: The Years of Persecution, 1933-1939(1997年)、 Nazi Germany and the Jews: The Years of Extermination, 1939-1945(2007年、ピュリッツァー賞)が特に知られる。 Translator 田中 正人 Masato Tanaka 1944年生まれ。京都大学大学院法学研究科博士課程満期修了。専攻、フランス史・政治史。愛知大学名誉教授。
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ロックの正体 ――歌と殺戮のサピエンス全史
¥2,200
なぜ歌うのか? なぜ踊るのか? なぜ戦うのか? ロック文化から見えてくる、ヒト 700 万年の Like a Rolling Stone! ロックとはなんだったのか? 進化心理学、認知科学、神経科学、人類学、霊長類学、自然主義哲学、二重過程理論、処刑理論、生物学的市場仮説、お婆ちゃん仮説 etc. ──最新のサイエンスと歴史知識を駆使してロック文化を多角的に考察する。情熱的に語られがちなロックを、冷静に、理性的に、縁側で渋茶をすするお爺さんのように語る、ポップカルチャーの哲学。好評連載「ロックの正体」(晶文社スクラップブック)を完全書籍化。 [出版社より] 著 者|樫原辰郎 出版社|晶文社 定 価|2,000円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|384 ISBN|978-4-7949-7356-6 発 行|2023年04月 Contents 1 おもむろに、老人がロックを語り始める 2 森のゴリラのダンスパーティ 3 なぜ歌うのか? なぜ踊るのか? なぜ戦うのか? 4 奴隷と自己家畜化のロックンロール 5 協力と競走の協奏曲 6 ロックンロールがロックに変化して実存主義と出会う 7 良かれと思って Highway to Hell 8 メインストリートの文学者 9 ドラッグ・フロイト・ロックンロール 10 熱く語れ!……その結果 11 暗い時代の小春日和 12 メイド・イン・ジャパン 13 発表します。資本主義の正体について 14 ミスマッチにより青年は荒野を目指す 15 文明化と道徳化のロックンロール 最終楽章 CODA ロックの正体 Bonus track あるいは参考文献という名のブックガイド Author 樫原 辰郎 Tatsuro Kashihara 映画監督・脚本家・文筆家。1964 年大阪生まれ。大阪芸大在学中に海洋堂に関わり、完成見本の組立や宣伝などを手がけた後、脚本家から映画監督に。監督作に『美女濡れ酒場』、脚本作に『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説』など。著作に『海洋堂創世記』『「痴人の愛」を歩く』(白水社)、『帝都公園物語』(幻戯書房)がある。