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ブラック・カルチャー 大西洋を旅する声と音
¥1,056
奴隷とされた人々は、いかにして新大陸で声と音の伝統を再創造していったのか。ブラック・カルチャーの歴史と現在を旅する。 約400年にわたり、大西洋を航海した奴隷船。「裸の移住者」としてアメリカ大陸に連行された人々は、いかにしてアフリカの声と音の伝統を再創造し、次世代へと繋いでいったのか。アフリカへの帰還という主題から、音楽、文学、アートなどを横断的に捉え、その歴史と現在を旅する。世界にひろがるブラック・カルチャーへの招待。 [出版社より] 著 者|中村隆之 出版社|岩波書店[岩波新書] 定 価|960円+税 判 型|新書判/並製 頁 数|254 ISBN|9784004320616 発 行|2025年04月 Contents はじめに ブラック・カルチャーをめぐる旅へ 第一章 アフリカの口頭伝承 教室のなかのアフリカ 口承の伝統 口頭伝承のなかの音文化 マンデ系社会のグリオ 語り継がれる叙事詩 第二章 奴隷船の経験 奴隷貿易を想像する 奴隷制と西アフリカ 西欧人を取引相手とした奴隷売買 『ルーツ』にみる大西洋奴隷貿易 奴隷船上での歌と反乱 女性たちの抵抗、死者たちの声 第三章 アメリカスに渡ったアフリカの声と音 奴隷制社会をめぐる資料 聞き書きという方法 裸の移住者 ネオ・アフリカ文化 アフリカ由来の精神文化 ヴードゥーの儀式 文化維持という抵抗 ドラミングと太鼓 第四章 自由を希求する共同体の歌 合衆国の奴隷制時代の歌 アメリカスに息づくアフリカの声 スピリチュアルと呼ばれる歌 「ブラック」という共同体意識 哀しみの歌 黒人神学におけるスピリチュアルの意義 世俗的スピリチュアルとしてのブルース 第五章 合衆国のブラック・ミュージック 変わりゆく同じもの ジャズの始まり アームストロングの声 ジャズにおける創意と即興 混交するジャンル ソウル・オブ・ア・ネーション カバーによる伝統の構築 第六章 アメリカスからアフリカへ アメリカスのブラック・ミュージック アフロ・ブラジル音楽の展開 アフロ・カリブ音楽の多様性 アフリカへの帰還 同じリズム、いくつもの歴史 ブラック・カルチャーをめぐる次の旅へ 第七章 文字のなかの声 文字世界への参入 「トーキング・ブック」としての奴隷体験記 声の作家ハーストン 集団としての黒人の声の表現 クレオール語の口承性 声の歴史 第八章 奴隷貿易・奴隷制の記憶の光と影 記憶の場所 ユネスコの取り組み 「奴隷の道」プロジェクト 構築される記憶 文学のなかで語られる闇の記憶 奴隷貿易の闇 第九章 ブラック・ミュージックの魂 ブラック・パワーの潜在力 ナショナリズムを越えて ブラック・アーツ運動 ブラック・ジャズ共同体 ブラック・スピリチュアル ラップのスピリチュアリティ 第一〇章 ブラック・スタディーズとは何か 知の枠組みのラディカルな変革 アフリカ中心主義 ブラック・エクスペリエンス主義 ブラック・フェミニズム、ブラック・クィア・スタディーズ 『ブラックパンサー』とアフロフューチャリズム アフロフューチャリスト アフロペシミズム理論 ブラック・スタディーズの再規定 第一一章 ブラック・カルチャーは誰のものか 知の脱植民地化 収集と分類 脱植民地化と返還 ミュージアムの脱植民地化 文化の盗用とは何か ブラックをめぐる呼称 文化は混交する 第一二章 未来に向けて再構築されるルーツ 〈関係〉の思想 環大西洋的連帯 存在論的傷 記憶の継承と発掘 クレオール化のダイナミズム ルーツの再構築 〈全−世界〉のヴィジョン 主要参考文献 あとがき 〈関係〉のなかの私的物語 Author 中村 隆之 Takayuki Nakamura 1975年東京都生まれ.2006年東京外国語大学大学院地域文化研究科博士後期課程修了.博士(学術).早稲田大学法学学術院教授.専攻―フランス語圏文学,環大西洋文化研究. 著書―『カリブ世界論』(人文書院,2013),『エドゥアール・グリッサン』(岩波書店,2016),『野蛮の言説』(春陽堂書店,2020),『魂の形式 コレット・マニー論』(カンパニー社,2021),『第二世界のカルトグラフィ』(共和国,2022),『環大西洋政治詩学』(人文書院,2022)ほか. 訳書―『痕跡』(水声社,2016),『マニフェスト 政治の詩学』(以文社,2024)ほか. 編訳書―『ダヴィッド・ジョップ詩集』(夜光社,2019). 共訳書―『アフリカ文学講義』(みすず書房,2022),『黒人法典』(明石書店,2024),『カリブ海序説』(インスクリプト,2024)ほか.
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音盤の来歴――針を落とす日々
¥1,980
虐殺が続く世界の片隅で、静かにレコードに針を落とす。音楽に守られた日々の記録。 アメリカで神学と人類学を学び、自分のVOICEを探す日々の裏で、心の支えとなった音楽があった。ブルーズ、ジャズ、ロック、ソウル……。いまも保持する愛着の深い音盤群と、ニューヨークで、ノースカロライナで、そして沖縄で出会った心やさしき人々との交流をもとに語る生活の記録。ガザで、ウクライナで、シリアで虐殺が続くなか、音楽はシェルターとなりうるか? 若き神学・人類学者による、世界の片隅からの祈りにも似たメッセージ。 「わたしがレコードを聴いていたのも、結局は似たような理由からだったのだと思う。ときにあまりに残酷で醜悪な世界から身を隠すため。閉ざされた内密の空間で生を実験するため。歌ってみたり、踊ってみたり、もうひとつの世界を、ありえたかもしれない今を想像したりして。もちろんレコードは片面二十分足らずで終わってしまうのだけれど。そしたらまた針を落とせばいい。そうしている少しの間、この世界をかたわらへ寄せて、別の世界へ、あるいは別の惑星へ」——「あとがき」より [出版社より] 「ここには、人間を生かそうとする言葉が書かれている」 ──永井玲衣 「1枚のレコードを通じて関係する、無数の人生。この世界を諦めずに歩んでいきたいと思いました」 ──後藤正文 著 者|榎本空 出版社|晶文社 定 価|1,800円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|240 ISBN|978-4-7949-7463-1 発 行|2025年03月 Contents はじめに ■Side A アラン・トゥーサンと過去をかたわらに寄せることの勇気について ライ・クーダーとチャイナタウンのアパートの屋上から見えた月 レオン・レッドボーンと初めてのレコードプレイヤー メイヴィス・ステイプルズを聴きに501に背を向ける ハービー・ハンコックとアメリカで車を売ること ドニー・フリッツと自由の瞬間 ビートマスとレコードのないクリスマス ■Side B ドクターQが教えてくれたり、教えてくれなかったりしたいくつかのこと 『アメイジング・グレイス』を探して フランシスコのサンクチュアリ 黒いキリスト、メアリー・ルー・ウィリアムスを記念して 豚と詩人 レコードにまつわる抜き書きのアーカイヴ、あるいは百年目のボールドウィンへ 細野晴臣を聴いていた夜のこと クラシックでしまくとぅば ドン・コヴェイがシャウトする朝 あとがきにかえて Author 榎本 空 Sora Enomoto 1988年、滋賀県生まれ。沖縄県伊江島で育つ。同志社大学神学部修士課程修了。台湾・長栄大学留学中、C・S・ソンに師事。米・ユニオン神学校S. T. M 修了。文筆家、翻訳家。伊江島の土地闘争とその記憶について研究している。著書に『それで君の声はどこにあるんだ?──黒人神学から学んだこと』(岩波書店)、翻訳書にジェイムズ・H・コーン『誰にも言わないと言ったけれど――黒人神学と私』(新教出版社)、サイディヤ・ハートマン『母を失うこと──大西洋奴隷航路をたどる旅』(晶文社)がある。『母を失うこと』で第十回 日本翻訳大賞受賞。
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知覚の宙吊り——注意、スペクタクル、近代文化
¥3,300
SOLD OUT
アテンション・プリーズ! 人間の「注意」はいかに構築され、「散漫」はいかに管理されてきたのか。モダニズム絵画から実験心理学、スペクタクル産業から注意多動性障害まで、社会、産業、科学、芸術にまたがるさまざまな言説と技術を横断し、近代における知覚の条件を問い直す。 [出版社より] 著 者|ジョナサン・クレーリー 監 訳|岡田温司 訳 者|石谷治寛・大木美智子・橋本梓 出版社|平凡社[平凡社ライブラリー] 定 価|3,000円+税 判 型|B6変型判/並製 頁 数|688 ISBN|9784582769869 発 行|2025年04月 Contents 序 第1章 近代性と注意の問題 第2章 1879年――拘束なき視覚 第3章 1888年――脱魔術化のイルミネーション 第4章 1900年――綜合(ジンテーゼ)の再創出 エピローグ 1907年――ローマの魔法 原注 訳者あとがき 平凡社ライブラリー版 訳者あとがき 文献一覧 事項索引 人名索引 Author ジョナサン・クレーリー Jonathan Crary 1951年、アメリカのコネチカット州ニューヘイヴンに生まれる。視覚文化に関する系譜学的な研究で知られ、Zone Booksの創業者のひとりとして長らく編集委員を務める。現在、コロンビア大学教授。 Translator 岡田 温司 Atsushi Okada 1954年生まれ。京都大学大学院博士課程修了。京都大学名誉教授。専門は西洋美術史・思想史。著書に『モランディとその時代』(人文書院、2003、吉田秀和賞受賞)、『フロイトのイタリア―旅・芸術・精神分析』(平凡社、2008、読売文学賞受賞)などがある 石谷 治寛 Haruhiro Ishitani 1977年生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。現在、広島市立大学芸術学部准教授。専門は美学・美術史・視覚文化論 大木 美智子 Michiko Oki 1979年生まれ。ロンドン大学UCL西欧言語文化社会研究科博士課程修了。現在、ロンドン芸術大学セントラル・セント・マーチンズ校専任上級講師。専門は美学・美術史 橋本 梓 Azusa Hashimoto 1978年生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程指導認定退学。現在、国立国際美術館主任研究員。専門は現代美術。展覧会企画に「Viva Video! 久保田成子展」(共同企画、国立国際美術館ほか、2021、倫雅美術奨励賞受賞)などがある
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[増補]お砂糖とスパイスと爆発的な何か——不真面目な批評家によるフェミニスト批評入門
¥990
いつのまにか、「男子」の眼で観てない? ミス・マープルの本当のすごさや、文学史に輝く “キモくて金のないおっさん”を描いた名作、そして新時代のディズニーアニメの悪戦苦闘。あの名作が100倍面白くなり、見たい映画とドラマと本と舞台がどんどん増える、フェミニスト批評集がついに文庫化。 書き下ろし「どうもありがとう、パメラ・アンダーソン」を含む、型にはめない、はまらないものの見方を教えてくれる批評6本を増補してお届けします。 [出版社より] 著 者|北村紗衣 出版社|筑摩書房[ちくま文庫] 定 価|900円+税 判 型|文庫判[並製] 頁 数|368 ISBN|978-4-480-44008-2 発 行|2025年02月 Contents まえがき 不真面目な批評家によるフェミニスト批評入門 1 自分の欲望を知ろう さよなら、マギー ――内なるマーガレット・サッチャーと戦うために バーレスクってなんだろう? BL視点で読む『嵐が丘』 ――関係性のセクシーさを求めて 檻に入っているのは、犬じゃなくて私 ――ヴァージニア・ウルフ『フラッシュ』 女はなぜ悪い男にばかり引っかかるのか? ――『西の国のプレイボーイ』に見る良い男、悪い男 〈コラム〉初任給とヴァージニア・ウルフ 2 男らしさについて考えてみよう キモくて金のないおっさんの文学論 ――『二十日鼠と人間』と『ワーニャ伯父さん』 アメ車、男たちの絆、この惑星最後の美しき自由な魂 ――『バニシング・ポイント』 対等な女を怖がる男たち ――男の幻想に逆襲する喜劇『負けるが勝ち』 プリンセスは男のロマン! ――映画に出てくるお姫様と男たち ロマンティックな映画としての『ファイト・クラブ』 〈コラム〉発展を続けるバーレスク 3 ヒロインたちと出会おう シェイクスピア劇の魅惑のヒロイン、無限に変化する女王クレオパトラ 世紀末の悪女? 自己実現のため戦うヒロイン? ゲイのアイコン? ――オスカー・ワイルドの『サロメ』 べ、別にあんたのためにツンデレを分析してるわけじゃないんだからね! ――シェイクスピア『十二夜』を考える ディズニーに乗っ取られたシンデレラ ――民話の変貌をたどる 理想宮か、公共彫刻か? ――『アナと雪の女王』 〈コラム〉北米のシェイクスピア祭 4 わたしたちの歴史を知ろう 女の子がムラムラしてはいけないの? イギリス文学における女と性欲 「#女性映画が日本に来るとこうなる」の「女性映画」ってなに? ――変わりゆく女たちの映画 女性映画としてのトランスジェンダー女子映画 ――『タンジェリン』と『ナチュラルウーマン』 読書会に理屈っぽい男は邪魔? 女性の連帯を強める読書会の歴史を探る ミス・マープルは何でも知っている ――変わりゆくアガサ・クリスティの世界 〈コラム〉フェミニストの洋服えらび 5 ユートピアとディストピアについて考えよう 愛の理想世界における、ブス ――夢見るためのバズ・ラーマン論 隠れたるレズビアンと生殖 ――『わたしを離さないで』 父の世界からの解放 ――「フェミニスト的ユートピア」を描いた『バベットの晩餐会』 「女だけの街」を考える 女は自由な社会の邪魔者なの? ――ディストピアSFの性差別 〈コラム〉『ダウントン・アビー』と女性参政権運動 6 型にはめない、はまらない 『人魚姫』は何の話なのか? ――『リトル・マーメイド』の原作に戻る ビ ートルズが歌う「ボーイズ」はなぜ面白いか ――歌手のジェンダーと歌詞のジェンダーステレオタイプ ハリー・ポッターとイギリス文学における同性愛 ――『ハリー・ポッターと死の秘宝』精読 レズビアン死亡症候群、サイコレズビアン ――ステレオタイプなマイノリティ描写はなぜ問題? 発達障害と診断された私 ――ASDとADHDだとわかるまでに出会った本や映画について どうもありがとう、パメラ・アンダーソン 単行本版あとがき 批評家は探偵 文庫版あとがき お砂糖とスパイスの賞味期限 Author 北村 紗衣 Sae Kitamura 1983年生まれ。武蔵大学人文学部英語英米文化学科教授。専門はシェイクスピア、舞台芸術史、フェミニスト批評。ウィキペディアンとしても活動する。著書に『シェイクスピア劇を楽しんだ女性たち』(白水社)、『批評の教室』(ちくま新書)、『お嬢さんと嘘と男たちのデス・ロード』(文藝春秋)、『女の子が死にたくなる前に見ておくべきサバイバルのためのガールズ洋画100選』(書肆侃侃房)がある。
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あなたがいるから
¥3,960
2024年11月30日、相田冬二(Bleu et Rose)は書籍『あなたがいるから』を発刊いたしました。これは、1999年から2024年までに相田が劇場用パンフレットに寄稿した作品評101篇を収録したものです。全4章構成で、368頁。映画と歩んできた四半世紀をこの一冊に託します。 劇場用パンフレットは、相田が最も大切にしている媒体です。基本的に、映画をご覧になった方しか入手できず、また公開が終わるとほぼ入手できなくなる公式の冊子。映画館で販売され、映画のスーべニール(お土産)と呼んでいいこの存在に、こどもの頃から憧れてきました。パンフにレビウを執筆できることは、相田の誇りであり、毎回、その時点で持てる力をすべて投入してきたつもりです。 いま読むと至らない文章もありますが、それらを排除することはせず、ただ公開順に並べました。筆致には、変わった点と変わらない点いずれもがあります。そこも愉しんでいただければ幸いです。 永くお世話になっており心から信頼する編集者、森田真規さんに編集をお願いしました。この本は森田さんのプロデュース作品と言ってもよいと思います。また、森田さんと一緒に『なnD』というジンを10年以上にわたって作っておられるデザイナーの戸塚泰雄さんにデザインを手がけていただきました。さらに戸塚さんを通して、イラストレーターの箕輪麻紀子さんに表紙のイラストレーションを描いていただくことができました。一流のプロフェッショナル3人がコラボレートしたこの本は、わたしが個人的に「欲しいもの」として出来上がりました。本としての新しさ、みずみずしさ、豊潤さ、すべてがあるとおもいます。 ぜひ、あなたの許に置いてほしい。 [発行者より] 著 者|相田冬二 発 行|Bleu et Rose 定 価|3,600円+税 判 型|四六判・上製 頁 数|368 発 行|2024年11月 [限定300部] Contents まえがき *1 黄泉がえり アナーキー・イン・じゃぱんすけ ほとけ トーキョー×エロティカ 黄泉がえり 着信アリ 犬と歩けば チロリとタムラ たまもの カナリア イン・ザ・プール 好きだ、 ストロベリーショートケイクス 魂萌え! キサラギ アヒルと鴨のコインロッカー 転校生〜さよなら あなた 天然コケッコー ジャーマン+雨 全然大丈夫 マイ・ブルーベリー・ナイツ ジャージの二人 トウキョウソナタ レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン わたし出すわ スノープリンス 禁じられた恋のメロディ 半分の月がのぼる空 ブロンド少女は過激に美しく *2 生きてるものはいないのか ゴモラ 孤独な惑星 生きてるものはいないのか さめざめ ル・アーヴルの靴みがき それでも、愛してる ぼっちゃん だいじょうぶ3組 箱入り息子の恋 HOMESICK 潔く柔く きよくやわく ジ、エクストリーム、スキヤキ 神様のカルテ2 友だちと歩こう 東京戯曲 こっぱみじん 神さまの言うとおり 人の望みの喜びよ 極道大戦争 レヴェナント:蘇えりし者 ヒメアノ~ル マネーモンスター ふきげんな過去 ひと夏のファンタジア 白い帽子の女 何者 いたくても いたくても イノセント15 ハクソー・リッジ いつまた、君と ~何日君再来~ 祈りの幕が下りる時 欲望の翼 *3 バーニング 羊の木 去年の冬、きみと別れ ニワトリ★スター 名前 きみの鳥はうたえる 愛しのアイリーン 教誨師 台北暮色 バーニング 劇場版 慶州 ヒョンとユニ 泣くな赤鬼 劇場版ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん 蜜蜂と遠雷 あなたを、想う。 ひとよ ラストレター 影裏 水曜日が消えた あなたの顔 ステップ チィファの手紙 窮鼠はチーズの夢を見る モルエラニの霧の中 *4 四月になれば彼女は 海辺の金魚 サマーフィルムにのって 彼女はひとり 麻希のいる世界 イントロダクション 青春の殺人者 女神の継承 百花 夜を越える旅 あなたの微笑み チーム・ジンバブエのソムリエたち 日の丸〜寺山修司40年目の挑発〜 ひとりぼっちじゃない リボルバー・リリー 台風クラブ まなみ100% めためた すべて、至るところにある 四月になれば彼女は あとがき
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K-POPはなぜマイノリティを惹きつけるのか
¥2,640
男性アイドルを好きなレズビアン、女性アイドルを愛するゲイ、BLと当事者性をめぐる探索、実在のアイドルで遊ぶ物語、フィクションにおけるトランス嫌悪、ボーイッシュな女性アイドルのかっこよさ……。 H.O.T.のデビューから始まる第1世代、東方神起がアイドル文化を本格化した第2世代、EXOに代表される第3世代、BTSやBLACKPINKが牽引する第4世代。世界とアジアと韓国のK‐POP受容を読み解きながら、性別二元論ではなくクィアの視点でK‐POPの魅力を語る画期的論集。 [出版社より] 編著者|ヨン・へウォン 訳 者|キム・セヨン、キム・ミンジョン、パク・キョンヒ 出版社|河出書房新社 定 価|2,400円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|296 ISBN|978-4-309-23151-8 発 行|2024年12月 Contents 第1章 世代論から読み解くK‐POPのクィアネス 第2章 K‐POPとK‐POPのディーバネス 第3章 「男性アイドルが好きなレズビアン」のための弁論:レズビアンのコミュニティ内で警戒される、「非常にレズビアンっぽい」欲望について 第4章 「当事者性」を構成する:BL、幻想、欲望 第5章 ファン・フィクション・クィアバディズム:クィア文化の様々な体位 第6章 Twilight Zone:女ドル・ファンフィクにおける愛という世界観―私が魅了された物語、その眩しさを目撃した者の証言 第7章 男性アイドルのアルペス文化におけるトランス嫌悪:「トランス的な」世界で起きている「トランス嫌悪」について 第8章 典型的ではない女性アーティストの系譜:トムボーイ、ガールクラッシュ、そして女ドクのクィアリング 第9章 女性‐クィア・フェミニストがガールズグループを愛する方法 第10章 K‐POPのジェンダー・クィアな美学 第11章 身体とジェンダーの隙間で連帯する:アイドルが遂行するトランス・フェミニズム Editor & Author ヨン・ヘウォン 大学院で社会学を研究。クィアとセクシャリティをテーマにさまざまなジャンルで企画・執筆活動を続ける。セミナー「2020クィアドロジー」や、朗読劇「エログロ京城」などを企画し、雑誌『them』を発行。 Translator キム・セヨン ソウル生まれ。梨花女子大学通訳翻訳大学院修士課程卒業。現在、同大学院博士課程在学中。訳書に、イ・ミンギョン『脱コルセット:到来した想像』(共訳)など。 キム・ミンジョン KBS通信員。東京外国語大学大学院総合国際学研究科博士課程単位取得退学。訳書に、チェ・スンボム『私は男でフェミニストです』、ソ・ユミ『終わりの始まり』など。韓国語への翻訳も手がける。 パク・キョンヒ 梨花女子大学国際大学院博士課程在籍。梨花女子大学通訳翻訳大学院、韓国文学翻訳院、チェッコリ翻訳スクールで翻訳を教えている。訳書に、ポムリュン『誰よりも先にあなたが幸せになりなさい』など。
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神戸、書いてどうなるのか
¥968
食堂、酒場、喫茶店、銭湯、本、レコード、散歩……108のエッセイで語る、神戸の暮らしと記憶。装画=坂本慎太郎、解説=tofubeats。 神戸。海と山に挟まれたその街には、食堂、酒場、喫茶店、レコード店、書店、映画館、商店街、銭湯など人々に愛される場所があり、その街についての素晴らしい本や歌があり、著者の大切な思い出がある。108のエッセイで語る、ひとつの街の暮らしと記憶。「私が愛した神戸の多くのものは姿を消したけれど、神戸が面白くなくなったとは言わない」。写真・イラストマップも収録。 [出版社より] 著 者|安田謙一 出版社|筑摩書房[ちくま文庫] 定 価|880円+税 判 型|文庫判/並製 頁 数|288 ISBN|978-4-480-43966-6 発 行|2024年06月 Contents 第一章 食べたり?んだり、神戸 第二章 ぶらぶら歩く、神戸 第三章 神戸を読む、観る、聴く、買う 第四章 神戸の記憶 第五章 神戸育ちのてぃーんずぶるーす 暴力戦士 西東三鬼――単行本版あとがきにかえて 神戸、そして――文庫版あとがきにかえて 解説 「神戸、書いてどうなるのか」について書いてどうなるのか tofubeats 写真/永田収 イラスト/山内庸資 カバーイラスト/坂本慎太郎 デザイン/中村道高(tetome) Author 安田 謙一 Kenichi Yasuda 1962年神戸生まれ、神戸在住の「ロック漫筆家」。ポップカルチャーを中心に様々な媒体で執筆を行うほか、CD監修、ラジオDJなど多岐にわたって活動する。著書に『ピントがボケる音』(国書刊行会)、『なんとかと なんとかがいた なんとかズ』(プレスポップ)、『ライブ漫筆』(誠光社)があり、市川誠との共著に『すべてのレコジャケはバナナにあこがれる。』(太田出版)、辻井タカヒロとの共著に『ロックンロールストーブリーグ』(音楽出版社)、『書をステディー町へレディゴー』(誠光社)がある。
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図説 写真小史
¥1,320
芸術から「いま―ここ」という一回性の「アウラ」が消滅する複製技術の時代にあって、写真はどのような可能性をはらみ、どのような使命を課せられなければならなかったのか? 写真史を考えるとき、だれもが必ず引用する基本文献―ヴァルター・ベンヤミンの「写真小史」。初期写真から1930年代の作品までを通観したこの傑作エッセイに、そこで言及されているブロースフェルト、アジェ、ザンダーらの写真多数と、関連論文を加えて再編集。20世紀最高の批評家による写真論が目で見てわかる実証的な一冊。 [出版社より] 著 者|ヴァルター・ベンヤミン 訳 者|久保哲司 出版社|筑摩書房[ちくま学芸文庫] 定 価|1,200円+税 判 型|文庫判 頁 数|288 ISBN|978-4-480-08419-4 初 版|1998年04月 Contents 写真小史(ヴァルター・ベンヤミン) カール・ブロースフェルト『芸術の原形』への序(カール・ニーレンドルフ) ウジェーヌ・アジェ『写真集』への序(カミーユ・レヒト) 顔、映像、それらの真実について(アルフレート・デーブリーン) Author ヴァルター・ベンヤミン Walter Benjamin 1892(Berlin)~1940年(PortBou)。20世紀ドイツの最も異彩を放つ思想家・批評家。きわめて緻密で繊細な文体をもつ卓越した文章家。青年運動の只中で思想形成期を迎え、ユダヤ神秘主義、観念論的弁証法、マルクス主義的歴史哲学等の影響を受ける。激動の時代状況とアクチュアルにまたラディカルに切り結びながら、同時に近代もしくはモデルネの原史(Urgeschichte)を見据え続けた。亡命行の途上でみずから命を絶った。
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定本 批評メディア論——戦前期日本の論壇と文壇
¥1,738
「論壇」「文壇」とは何か。日本において「批評」はいかにして可能か。言論を支えてきたインフラやシステムの生成過程にさかのぼることから再起動しなければならない。膨大な資料博捜に裏づけられた圧倒的な文体で知の基本構造をえぐり出す。注目を集める批評家による著書が、全面的な改稿をへて「定本」として再生する。 [出版社より] 著 者|大澤聡 出版社|岩波書店[岩波現代文庫] 定 価|1,680円+税 判 型|文庫判・並製 頁 数|462 ISBN|9784006023553 発 行|2024年01月 Contents 序 章 編集批評論 1 商品としての言論 ギルドから市場へ 2 批評のマテリアリズム 課題設定 3 出版大衆化 円本・革命・スペクタクル 4 ジャーナリズム論の時代 総合雑誌史 5 時限性と非属領性 本書の構成 第1章 論壇時評論 1 論壇とはなにか 第一の課題設定 2 レジュメ的知性 総合雑誌の論壇時評 3 空間画定と再帰性 学芸欄の論壇時評 4 メディア論の予感 相互批評の交叉点 5 消滅と転生 自己準拠的なシステム 第2章 文芸時評論 1 問題消費の時代 第二の課題設定 2 アリュージョンと多重底 批評無用論争 3 後発者たちの憂鬱 自律した批評の誕生 4 複数化する宛先 文壇村という読者集団 5 職業としての批評 文芸批評のプロトコル 第3章 座談会論 1 ふたつの欲望 第三の課題設定 2 合評から討議へ 「新潮合評会」の変成 3 劇場化とロールプレイ 行動主義論争 4 擬態する親密圏 『文學界』の文壇政治 5 造語の氾濫 メディア=形式の一義化 第4章 人物批評論 1 人物による時代診断 第四の課題設定 2 横断性と大衆性 普通選挙時代の批評 3 固有名消費 有名性生成のメカニズム 4 複数の表象様式 記号的身体とキャラ化 5 有名、匿名、無名 現実的権威の発動 第5章 匿名批評論 1 スターシステム 第五の課題設定 2 精神か経済か フリーランサー論争 3 声と批評 輿論・社会化・カタルシス 4 責任の所在 学芸/文芸欄という例外圏 5 固有名化する匿名 名をめぐる四象限 終 章 批評環境論 1 速度 編集的批評/批評的編集 2 綜合 アカデミズムとジャーナリズム 3 再編 境界条件の壊乱と地殻変動 4 局外 いまはそれと名指されぬもの 5 集団 全体性はいかにして可能か 註 あとがき(単行本版) あとがき(岩波現代文庫版) 人名索引 Author 大澤 聡 Satoshi OSAWA 1978年生まれ.批評家.近畿大学文芸学部准教授.東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了.博士(学術).専門はメディア史.主な著書に『教養主義のリハビリテーション』(筑摩書房),編著に,『1990年代論』(河出書房新社),『三木清教養論集』(講談社文芸文庫)など.本書『批評メディア論』(岩波書店)で第37回日本出版学会奨励賞,第6回内川芳美記念マス・コミュニケーション学会賞を受賞.
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マクルーハン理論——電子メディアの可能性
¥1,320
「メディアはメッセージである」。メディアが発したメッセージ以上に、まさに電子メディアそれ自体が現代人の知覚を広げ、価値観を変えた。「メディアはマッサージである」この冗句も日々の生活で体感される。先駆者として甦るマクルーハンの理論を多彩な視角から浮き彫りにする。 [出版社より] 著 者|マーシャル・マクルーハン、エドマンド・カーペンター 訳 者|大前正臣、後藤和彦 出版社|平凡社[平凡社ライブラリー] 定 価|1,200円+税 判 型|B6変型判/並製 頁 数|328 ISBN|9784582764611 発 行|2003年03月 Contents 1部 マクルーハニズム 聴覚的空間 言語に与えた印刷物の影響 メディアの履歴書 メディア・アフォリズム 壁のない教室 ほか 2部 コミュニケーションの新しい探求 新しい言語 触覚的コミュニケーション キネシクスとコミュニケーション 先史芸術の空間概念 動く目 ほか Author マーシャル・マクルーハン Marshall McLuhan 1911‐1980。カナダのアルバータ州に生まれた英文学者、メディア・文明批評家。カナダのマニトバ大学で機械工学と文学を学ぶ。英ケンブリッジ大学留学。1946年トロント大学教授となる。『文学の声』など詩論、文芸批評の著作を続けながら、独自のメディア論を発表。広告論『機械の花嫁』(1951)、活版印刷の社会的影響を論証した『グーテンベルクの銀河系』(1962)を経て、ベストセラー『人間拡張の原理―メディアの理解』(1964)でマクルーハン旋風を巻き起こした。トロントで死去。 エドマンド・カーペンター Edmund Carpenter 1922-。人類学者。イヌイット文化を研究、映像人類学で活躍。1940年代房総と江戸湾末にトロント大学でマクルーハンらと共同研究を開始。53年以降、フォード財団から研究助成を得てセミナーを開き、雑誌『Explorations』を創刊。 Translator 大前 正臣 Masaomi Omae 1923年生まれ。評論家、翻訳家、東京大学文学部卒業後、コロンビア大学に学ぶ。電通、東京新聞外報部を経てフリー。 後藤 和彦 Kazuhiko Goto 1929年生まれ。常磐大学大学院兼任教授。東京大学文学部卒業。NHK、同放送文化研究所などを経て常磐大学教授。
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アニメオタクとビデオの文化社会学
¥3,080
1980年代に拡大したビデオというメディアは、オタク文化の代表とも見なされるアニメの視聴経験をどのように変えていったのか。アニメオタクはビデオを利用することを通じて、どのような映像文化を形成し、そこにはいかなる社会的な意味があったのか。 1970年代後半から80年代のアニメブームと呼ばれる時期に焦点を当て、「ビデオジャーナル」「アニメージュ」「Animec」「アニメV」などの雑誌を読み込んで、アニメファンのビデオ利用によってアニメが個人の趣味として立ち現れるようになったプロセスを描き出す。 ビデオがアニメの保存や操作を可能にしたことでファンの交流を促して、「趣味としてのアニメ」の新たな流通経路を作り出し、それが個人の収集(コレクション)やレンタル市場の形成につながっていった。ファン・産業・技術が絡み合いながらアニメ独自の市場を形成した1980年代のうねりを照らし出し、ビデオが切り開いた映像経験の文化的なポテンシャルを明らかにする。 [出版社より] 著 者|永田大輔 出版社|青弓社 定 価|2,800円+税 判 型|A5判/並製 頁 数|280 ISBN|978-4-7872-3545-9 発 行|2024年09月 Contents 序 章 映像を趣味にする経験とビデオ技術 1 オタクとビデオの結び付き 2 アニメというファン領域 3 本書の分析資料 4 本書の構成 第1部 アニメを趣味にする条件とビデオ技術 第1章 ビデオのファン利用とオタクという主体 1 本書の問いをめぐる議論の配置 2 オタクとビデオの関連性について 3 ビデオを取り扱うことの意義づけ 4 ビデオをめぐるメディア論的視点 5 アニメという対象 第2章 ビデオにおける「教育の場」と「家庭普及」――一九六〇年代後半―七〇年代の業界紙「ビデオジャーナル」にみる普及戦略 1 ビデオ受容をめぐる諸議論 2 資料の特性 3 教育の場とビデオ 4 「教育」と「家庭」の間 5 結論 第3章 「テレビを保存する」ことと読者共同体の形成――アニメ雑誌「アニメージュ」を事例として 1 「テレビを保存するという実践の成立」と「新たなアニメファン」 2 「テレビを保存する」ことの前提条件 3 「テレビを録る」ということを軸とした読者共同体の形成 第2部 アニメが「独自の趣味」になる過程とビデオ技術 第4章 アニメ雑誌における「第三のメディア」としてのOVA――一九八〇年代のアニメ産業の構造的条件に着目して 1 本章で取り扱う分析資料 2 OVAをめぐる構造的条件 3 「第一のメディア」と「第二のメディア」 4 「第三のメディア」としてのOVA 5 結論 第5章 コンテンツ消費における「オタク文化の独自性」の形成過程――一九八〇年代のビデオテープのコマ送り・編集をめぐる語りから 1 「オタク文化の独自性」をめぐる先行研究・分析視角・分析対象 2 ビデオデッキの普及環境に関して 3 コマ送りが可能とする視聴実践 4 形成される相互循環 5 結論 第6章 アニメの制度化のインフラとしてのアニメ制作者の形成――一九七〇―八〇年代の労働規範に着目して 1 アニメーターの職務概要 2 分析枠組みと資料の分析上の位置づけ 3 アニメブーム期の労働を読み解く視点 4 制作者の労働規範の変容 5 結論 第3部 ビデオを通じて再定式化される「オタク」経験とアニメ文化 第7章 ビデオをめぐるメディア経験の多層性――「コレクション」とオタクのカテゴリー運用をめぐって 1 「オタクの代表」の宮﨑勤 2 一九八九年時点のビデオの社会的配置と有徴性 3 「真のオタク」ではない宮﨑勤 4 変容するコレクションの意味論 5 結論――オタクが語られだす論理 第8章 ビデオ受容空間の経験史――「趣味の地理学」と一九八〇年代のアニメファンの経験の関係から 1 先行研究 2 コンテンツ受容空間と経験史 3 有徴な空間としてのビデオ店 4 レンタルビデオ店経験の両義性 5 ビデオ店利用の個別性 終 章 映像視聴の文化社会学に向けて 1 ビデオが開いた映像視聴経験とアニメファン 2 メディア文化にビデオ技術がもたらしたもの 3 コレクションのメディア論 4 子どもの民主主義とオタク文化――「共同視聴」の文化社会学に向けて 引用・参考文献 あとがき Author 永田 大輔 Daisuke Nagata 1985年、栃木県生まれ。明星大学など非常勤講師。専攻はメディア論、文化社会学、映像文化論、労働社会学。共編著に『アニメと場所の社会学――文化産業における共通文化の可能性』『アニメの社会学――アニメファンとアニメ制作者たちの文化産業論』『消費と労働の文化社会学――やりがい搾取以降の「批判」を考える』(いずれもナカニシヤ出版)、共著に『産業変動の労働社会学――アニメーターの経験史』(晃洋書房)、『ビデオのメディア論』(青弓社)、論文に「「二次創作」はいかなる意味で「消費」であるのか――大塚英志の消費論を中心に」(「日本研究」第65号)など。
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マンガって何? マンガでわかる マンガの疑問
¥1,980
マンガミュージアムが、マンガ愛を込めておくるQ & A。今さら聞けないマンガの「?」をともに考える、マンガ研究の入門書! 本書は「マンガって何?」の問いに対してマンガの歴史や作り方、広がり方などさまざまな切り口で考える内容です。意外と知らないマンガにまつわる疑問を考えることで、今まで感じていたマンガの魅力が何倍にもふくらみ、より立体的に楽しめるはずです。浮世絵から海外マンガ、数字でみるマンガ産業、拡大する電子出版……。マンガをとりまくトピック盛りだくさんでご紹介します。 ◎マンガとイラストを織り交ぜながら紹介 本書の登場人(ニャン)物は、京都国際マンガミュージアムで働くことになった新人・ねこ学芸員と教育係のねこ博士。おっちょこちょいだけどやる気とマンガ愛に溢れるねこ学芸員が、ときに熱く、ときに冷静に、博士から教えを受けながら日々成長していく物語です。 [出版社より] 監修・編集|京都国際マンガミュージアム・京都精華大学国際マンガ研究センター 出版社|青幻舎 定 価|1,800円+税 判 型|A5判・並製 頁 数|144 ISBN|978-4-86152-950-4 発 行|2024年05月 Contents 第1章 マンガのはじまりっていつなの? 第2章 マンガって誰が読むの? 第3章 マンガの作り方 第4章 マンガのお約束 第5章 マンガ家はお金持ちなの? 第6章 広がるマンガの楽しみ方 第7章 マンガは世界中で読まれているの? 第8章 世界のマンガにはどんなものがあるの? 実録! ねこ学芸員、中のひと Edit 京都国際マンガミュージアム 博物館と図書館の機能をあわせもったマンガ専門の文化施設。保存されるマンガ資料は、江戸期の戯画浮世絵から明治・大正・昭和初期の雑誌、戦後の貸本から現在の人気作品、海外のものまで約30万点。京都市と京都精華大学の共同事業で、マンガの収集、保管、公開、マンガ文化に関する調査研究やそれらの資料と調査研究に基づく展示やイベントを行っている。 京都精華大学国際マンガ研究センター マンガとその周辺に関する研究機関。40年にわたる京都精華大学での「マンガ」文化に関する教育・研究の蓄積と研究基盤に必要な人的・情報ネットワークを十全に活用することによって、京都国際マンガミュージアムの中核を担う研究機関としての役割を果たしている。
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ナチズムの美学——キッチュと死についての考察
¥1,210
ナチズムに民衆を魅了させた、意外なものの正体は何か。ホロコースト史研究の権威が第二次世界大戦後の映画・小説等を分析しつつ迫る。 ー 何によって民衆はナチズムに魅惑されたのか。 本書は、第二次世界大戦後につくられた映画・小説等を中心に言説分析を行うことにより、ナチスに魅入られた大衆心理の意外な正体を暴きだす。『地獄に堕ちた勇者ども』『リリー・マルレーン』『ブリキの太鼓』『ヒトラー、あるいはドイツ映画』等の作品中に、記憶と想像力によって再構成された第三帝国の姿。そこから照射されてくるのはキッチュと死という二要素の「完全な綜合」であり、それこそが第三帝国の美学の本質であると、ホロコースト研究の大家である著者は喝破する。ナチズム研究にいまなお影響を与え続ける古典的名著。 解説=竹峰義和。 [出版社より] 著 者|ソール・フリードレンダー 訳 者|田中正人 出版社|筑摩書房[ちくま学芸文庫] 定 価|1,100円+税 判 型|文庫判/並製 頁 数|256 ISBN|978-4-480-51161-4 発 行|2023年01月 Contents 序論 第1章 ナチズムの美学と言語―キッチュと神話と死 死と破壊のキッチュ アルカイックな伝説の世界 ほか 第2章 二つのヒトラー像―キッチュとニヒリズムの魅惑力 ヒトラーの個人生活の細部についての叙述 日常生活の細部と虚無の力との並置 ほか 第3章 悪魔祓いの諸形態―言語の麻痺と新たなディスクール 過去の無毒化ないし隠蔽としての悪魔祓い 歴史修正主義―意識的な悪魔祓い ほか 第4章 ナチズム解釈の問題点―綜合的視点の必要性 合理的・学術的解釈 全体主義論による解釈 ほか Author ソール・フリードレンダー Saul Friedlander 1932年プラハ生まれ。ナチスの迫害を逃れて少年時代にフランスへ移住。テル・アヴィヴ大学教授等を経て、UCLA名誉教授。専攻、ナチズム研究、ホロコースト研究。著作は多数あり、代表作の二部作Nazi Germany and the Jews: The Years of Persecution, 1933-1939(1997年)、 Nazi Germany and the Jews: The Years of Extermination, 1939-1945(2007年、ピュリッツァー賞)が特に知られる。 Translator 田中 正人 Masato Tanaka 1944年生まれ。京都大学大学院法学研究科博士課程満期修了。専攻、フランス史・政治史。愛知大学名誉教授。
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ロックの正体 ――歌と殺戮のサピエンス全史
¥2,200
なぜ歌うのか? なぜ踊るのか? なぜ戦うのか? ロック文化から見えてくる、ヒト 700 万年の Like a Rolling Stone! ロックとはなんだったのか? 進化心理学、認知科学、神経科学、人類学、霊長類学、自然主義哲学、二重過程理論、処刑理論、生物学的市場仮説、お婆ちゃん仮説 etc. ──最新のサイエンスと歴史知識を駆使してロック文化を多角的に考察する。情熱的に語られがちなロックを、冷静に、理性的に、縁側で渋茶をすするお爺さんのように語る、ポップカルチャーの哲学。好評連載「ロックの正体」(晶文社スクラップブック)を完全書籍化。 [出版社より] 著 者|樫原辰郎 出版社|晶文社 定 価|2,000円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|384 ISBN|978-4-7949-7356-6 発 行|2023年04月 Contents 1 おもむろに、老人がロックを語り始める 2 森のゴリラのダンスパーティ 3 なぜ歌うのか? なぜ踊るのか? なぜ戦うのか? 4 奴隷と自己家畜化のロックンロール 5 協力と競走の協奏曲 6 ロックンロールがロックに変化して実存主義と出会う 7 良かれと思って Highway to Hell 8 メインストリートの文学者 9 ドラッグ・フロイト・ロックンロール 10 熱く語れ!……その結果 11 暗い時代の小春日和 12 メイド・イン・ジャパン 13 発表します。資本主義の正体について 14 ミスマッチにより青年は荒野を目指す 15 文明化と道徳化のロックンロール 最終楽章 CODA ロックの正体 Bonus track あるいは参考文献という名のブックガイド Author 樫原 辰郎 Tatsuro Kashihara 映画監督・脚本家・文筆家。1964 年大阪生まれ。大阪芸大在学中に海洋堂に関わり、完成見本の組立や宣伝などを手がけた後、脚本家から映画監督に。監督作に『美女濡れ酒場』、脚本作に『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説』など。著作に『海洋堂創世記』『「痴人の愛」を歩く』(白水社)、『帝都公園物語』(幻戯書房)がある。
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ニューメディアの言語——デジタル時代のアート、デザイン、映画
¥2,420
新たな文化的論理の作動。視覚文化の変貌に迫った21世紀の古典。 デジタル・テクノロジーの登場と進展は、既存のメディアを変えただけでなく、独自のメディアも生み出した。それは1990年代からいっそう顕著となる。本書は、〈ニューメディア〉を特徴づける原則を抽出し、デジタル・マテリアリズムとでも呼ぶべき方法で、体験を構成する諸概念を鮮やかに分析。また同時に、視覚文化の変貌を歴史的に位置づけていく。ニューメディアにおいては、いかなる論理がその発展を駆動しているのか、そして映画に代表される旧来の文化的形態との連続と断絶とは──。 犀利な視線を通して新たな美学が示される。マーシャル・マクルーハン以降、最も示唆に富むメディア史。 [出版社より] 著 者|レフ・マノヴィッチ 訳 者|堀潤之 出版社|筑摩書房[ちくま学芸文庫] 定 価|2,200円+税 判 型|文庫判/並製 頁 数|752 ISBN|978-4-480-51186-7 初 版|2023年07月 Contents 序文(マーク・トライブ) プロローグ―ヴェルトフのデータセット 謝辞 イントロダクション Introduction 第1 章 ニューメディアとは何か? What Is New Media? 第2 章 インターフェース The Interface 第3 章 オペレーション The Operations 第4 章 イリュージョン The Illusions 第5 章 フォーム The Forms 第6 章 映画とは何か? What Is Cinema? 訳者あとがき 文庫版訳者あとがき 索引 Author レフ・マノヴィッチ Lev Manovich 1960年モスクワ生まれ。ニューメディアの理論家・批評家・アーティスト。現在、ニューヨーク市立大学大学院センター教授。美術、建築、コンピュータ・プログラミングを学んだ後、1981年にニューヨークに移る。CGのオペレーターとして働きつつ、実験心理学、美術史、映画理論などを学び、1993年にロチェスター大学から博士号を取得。著書・論文多数。 Translator 堀 潤之 Junji Hori 1976年東京生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得。関西大学文学部教授。専門は映画研究・表象文化論。
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選挙との対話
¥1,980
SOLD OUT
「あなたにとって選挙とは?」 「政治参加の手段?」「民主主義の根幹?」、それとも「行っても/行かなくても変わらないもの……?」 近年、国内外を問わず、選挙のあり方そのものが問われる事態が相次いで起こっている。こうした状況のなかで、選挙に関して「科学的に」わかっていることはなんなのか。またそれを知ることは、私たちの生活にどのように関係してくるのだろうか。 2009年以降、自民党の勝利が続く日本の国政選挙について、政治学やデータ分析の専門家たちはどのように見ているのか。国際的にみて女性の社会進出が遅れているといわれている日本の現状は? またそれを取り巻くメディアの状況は? そして、若い世代が感じている日本の選挙のリアルとは? 科学的な分析に加え、杉並区長へのインタビューやお互いの話を聴き合いながら思索を深める哲学対話から、選挙を、そして政治をより身近にたぐり寄せるためのさまざまなヒントをちりばめた、すべての世代に向けた選挙の新しい入門書。 [出版社より] 編著者|荻上チキ 出版社|青弓社 定 価|1,800円+税 判 型|A5判/並製 頁 数|180 ISBN|978-4-7872-3546-6 初 版|2024年10月 Contents まえがき 荻上チキ 第1章 なぜ自民党は強いのか?――政治に不満をもつのに与党に投票する有権者 飯田 健 1 自民党の強さ 2 自民党の強さの原因 3 政治に不満をもつにもかかわらず自民党に投票する有権者 4 自民党が負けるシナリオ? 第2章 選挙制度は日本の政治にどう影響しているのか?――自民党一党優位の背景を説明する 菅原 琢 1 自民党の「強さ」の謎 2 もくろみが外れた衆院選挙制度改革 3 小選挙区比例代表並立制が促す終わらない政界再編 4 並立制の解は政党間の協力 5 自民党一党優位は絶対ではない 第3章 なぜ野党は勝てないのか?――感情温度や政党間イメージについて 秦 正樹 1 「野党はふがいない」と言われ続ける理由 2 世論の野党への認識:1――感情温度を用いた分析 3 世論の野党への認識:2――イデオロギーを用いた分析 4 世論の野党への認識:3――政権担当能力評価 5 野党の今後を考える 第4章 なぜ女性政治家は少ないのか?――政治とジェンダー、政治家のメディア表象について 田中東子 1 新聞はどのように女性政治家を報じてきたのか 2 ポピュラー文化と女性リーダーの表象 3 「すべての女性たち」が政治の場で活躍できる社会とは 第5章 政治家にとって対話とは何か?――杉並区長・岸本聡子インタビュー 岸本聡子(聞き手:永井玲衣/荻上チキ) 第6章 私たちはどうやって投票先を決めているのか?――日本の有権者についてわかっていること、データからわかること 大村華子 1 私たちの投票は何によって決まっているのか 2 日本の有権者の投票は何によって決まっているのか 3 データを使ったら、どんなことがわかるのか 第7章 私たちにとって選挙とは何か?――選挙をめぐる哲学対話 永井玲衣/荻上チキ あとがき 荻上チキ Editor & Author 荻上 チキ Chiki Ogiue 評論家。メディア論を中心に、政治経済、社会問題、文化現象まで幅広く論じる。ストップいじめ!ナビ代表理事。社会調査支援機構チキラボ所長。ラジオ番組「荻上チキ・Session」(TBSラジオ)メインパーソナリティ。「荻上チキ・Session-22」で、2015年度ギャラクシー賞DJパーソナリティ賞、2016年度ギャラクシー賞大賞を受賞。著書に『社会問題のつくり方』(翔泳社)、『いじめを生む教室』(PHP研究所)、『災害支援手帖』(木楽舎)など。
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ショットとは何か 歴史編
¥2,750
映画の未来は、革命の未来がそうであるように、きわめて不明確である。 批評史上の必読論文に最新時評、海外誌へ寄稿した“年間ベスト10(2001‐2023年他)を収録した超豪華版!書き下ろしラオール・ウォルシュ論、伝説のロマンチック・コメディー論「スクリューボールまたは禁止と奨励」、異色のレンフィルム=ソ連映画史「署名の変貌」、ロッセリーニのイタリア映画史からルノワール、ゴダール、オリヴェイラをめぐり、ライカート、黒沢清、濱口竜介の新作へ——。 [出版社より] 著 者|蓮實重彦 出版社|講談社 定 価|2,500円+税 判 型|四六変型版/並製 頁 数|340 ISBN|978-4-06-534269-5 刊 行|2024年08月 Contents 映画の「未来」に向けて スクリューボールまたは禁止と奨励 ハリウッド30年代のロマンチック・コメディー オーソン・ウェルズはたえずフィルモグラフィーを凌駕しつづける 「黒さ」の誘惑 リタ・ヘイワースの曖昧さはいかにして「フィルム・ノワール」を擁護したか これは、「黄昏の西部劇」である以前に、映画の王道に位置づけらるべき作品である サム・ペキンパー監督『昼下りの決斗』 ロッセリーニによるイタリア映画史 ロベルト・ロッセリーニを擁護する 娘のイザベラを使って、ロッセリーニに『イタリア旅行』のリメイクを撮らせたくてならなかった ジャン・ルノワール論のために レマン湖の畔にて ゴダールにとっての―あるいは、ストローブにとっての―スイスについて 署名の変貌――ソ連映画史再読のための一つの視角 寡黙なるものの雄弁 ホー・シャオシェンの『戀戀風塵』 吹きぬける風のかなたに「黒衣の刺客」 タイプライターとプロジェクターに護られて ここでは、魂と肉体とが、奇蹟のように融合しあっている「アンジェリカの微笑み」 歳をとらずに老いるということの苛酷さについて ペドロ・コスタ『ホース・マネー』 このホークス的なコメディは、文字通りの傑作である ウェス・アンダーソン監督『犬ヶ島』 十字架 シャワー 濡れた瓦…… 『ヴィタリナ』をめぐってペドロ・コスタに訊いてみたい三つのことがら 抒情を排したこの寡黙な呟きに、ひたすら耳を傾けようではないか ―ケリー・ライカート小論― 黒沢清『スパイの妻』『蛇の道』 濱口竜介『悪は存在しない』 映画の「現在」に向けて ゴダールの『奇妙な戦争』に触れて思うこと 年間ベスト10 Author 蓮實 重彦 Shigehiko Hasumi 仏文学者、映画批評家、文芸批評家、小説家。1936年、東京都生まれ。東京大学仏文学科卒業。パリ大学にて博士号取得。東京大学教授を経て、東京大学第26代総長。78年、『反=日本語論』で読売文学賞、89年、『凡庸な芸術家の肖像』で芸術選奨文部大臣賞、2016年、『伯爵夫人』で三島由紀夫賞を受賞。1999年にはフランス芸術文化勲章コマンドールを受章する。著書に『夏目漱石論』『表層批評宣言』『映画論講義』『「ボヴァリー夫人」論』『ショットとは何か』『ジョン・フォード論』他多数がある。
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ショットとは何か 実践編
¥2,750
「この書物には、その著者による『これこそ映画だ』という呟きがみちている」(あとがきより) 映画批評の最高峰と称されるグリフィス論、ヒッチコックのショット分析からゴダール、イーストウッド、侯孝賢、ヴェンダース論に書き下ろし「殺し屋ネルソン」論まで。単行本未収録作17本を収めた、蓮實映画批評ベスト・オブ・ベスト。 [出版社より] 著 者|蓮實重彦 出版社|講談社 定 価|2,500円+税 判 型|四六変型版/並製 頁 数|384 ISBN|978-4-06-534269-5 刊 行|2024年03月 Contents 『殺し屋ネルソン』――あるいはこの上なく不自然な自然さについて 単純であることの穏やかな魅力 D・W・グリフィス論 防禦と無防備のエロス――「断崖」の分析/周到さからもれてくるもの ヒッチコックの『めまい』の一シーン分析 囁きと銃声 ルキノ・ヴィスコンティの『イノセント』 緋色の襞に導かれて ロベール・ブレッソンの『ラルジャン』 揺らぎに導かれて――グル・ダット讃―― エリック・ロメール または偶然であることの必然 透明な痛みのために 『アンナ・マグダレーナ・バッハの日記』 孤独と音響的宇宙 クリント・イーストウッドの西部劇 彷徨える断片の確かな痕跡について ジャン=リュック・ゴダール監督『イメージの本』 寡黙なイマージュの雄弁さについて――侯孝賢試論―― 静穏な透明さを超えて――エドワード・ヤン監督『クーリンチェ少年殺人事件』 ガラスの陶酔――ヴィム・ヴェンダース論 「撮る」ことの成熟、あるいはその理不尽な禁止について――『アネット』をめぐって 「冒険」について――ペドロ・コスタ試論―― 『燃える平原児』 見るものから言葉という言葉を奪う この知られざる傑作について あとがき Author 蓮實 重彦 Shigehiko Hasumi 仏文学者、映画批評家、文芸批評家、小説家。1936年、東京都生まれ。東京大学仏文学科卒業。パリ大学にて博士号取得。東京大学教授を経て、東京大学第26代総長。78年、『反=日本語論』で読売文学賞、89年、『凡庸な芸術家の肖像』で芸術選奨文部大臣賞、2016年、『伯爵夫人』で三島由紀夫賞を受賞。1999年にはフランス芸術文化勲章コマンドールを受章する。著書に『夏目漱石論』『表層批評宣言』『映画論講義』『「ボヴァリー夫人」論』『ショットとは何か』『ジョン・フォード論』他多数がある。
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犬の生活/ヒトデの休日
¥1,078
YMO時代の裏話、趣味の釣り、酒席でのエピソード、少年時代の思い出、愛犬と過ごす日々……。自虐的で洒脱なユーモアから溢れ出る、世界的音楽家のパーソナリティとライフスタイル。 名エッセイ『犬の生活』『ヒトデの休日』の2冊を集成し、待望の文庫化! YMO結成から数々のソロ・ワークスへと至る輝かしいキャリア、レコーディングの裏話、趣味の釣り、酒席でのエピソード、幼少時の思い出、そして自身の運命が動いた軽井沢の一日……。自虐てなユーモアに包まれながら浮かび上がる高橋幸宏のパーソナリティとライフスタイル。音楽・映画・ファッションなど、ジャンルを越えて多くの人に愛された高橋幸宏の世界。 解説は盟友・細野晴臣。YMOやSKETCH SHOWで活動を共にした細野晴臣が、本書のために文章によるインタビューに答えています。最も近くで活動した細野ならではの知られざるエピソードや愛情に溢れたまなざしは、翻って高橋幸宏の魅力を豊かに伝えてくれます。 [出版社より] 著 者|高橋幸宏 出版社|河出書房新社[河出文庫] 定 価|980円+税 判 型|文庫判/並製 頁 数|320 ISBN|978-4-309-42121-6 初 版|2024年07月 Contents Ⅰ 犬の生活 青山ロマネコンティ事件/スタジオ・プレーヤーの条件/み~んな嘘つき/危険な磯釣り/ルル/お茶漬の夜/対話Ⅰ/美談では、ある!?/恐怖のお城スタジオ/ディスポーザブル・マインド/青空と大魔神/ビートで行こう!/クリスマス・イブ/寝不足の朝、運動不足の夜/対話Ⅱ/父、ありき/熱川の怪/1988年・夏/浮雲/犬の生活/オレンジ色の港/「あとがき」のようなもの Ⅱ ヒトデの休日 ヒトデたちの休日/やっぱり犬が好き/言葉、その表現についての考察/HOTな夏/フランスの想い出1/フランスの想い出2/フランスの想い出3(番外編)/フランスの想い出4/普通の毎日/ポジティブで行こう/準備万端の落とし穴/マルガリータの夜は更けて/僕が「モデルさん」と呼ばれた日/愛と哀しみのバイオ/石垣はきょうも晴れだった/集中合宿逃亡不可缶詰式レコーディング/料理は愛情/12月に思うこと/あとがきにかえて 解説 大袈裟ではなく「世界一お洒落なミュージシャン」であり、純粋で、優しい心の持ち主。他にいないんです。(細野晴臣) Author 高橋 幸宏 Yukihiro Takahashi 1952年東京生まれ。78年、細野晴臣・坂本龍一とYMOを結成。内外の音楽やアート/カルチャーに圧倒的な影響を残しつつ83年「散開」。その後もソロやpupa、METAFIVEなどで活躍。2023年没。
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眼がスクリーンになるとき ゼロから読むドゥルーズ『シネマ』
¥1,430
SOLD OUT
ドゥルーズ哲学の創造の原理が、『シネマ』の緻密かつ明快な読解から明かされる。映画という芸術の新しさは、いかにして哲学の新しさへと跳ね返るのか?ドゥルーズに伏在する「言葉と物」の二元論から、今世紀の日本の批評を導いてきた「否定神学批判」の限界に迫る、『非美学』の著者のデビュー作が文庫化。黒嵜想、山本浩貴(いぬのせなか座)との解説座談会を追加収録! [出版社より] 著 者|福尾匠 出版社|河出書房新社[河出文庫] 定 価|1,300円+税 判 型|文庫判/並製 頁 数|368 ISBN|978-4-309-42116-2 初 版|2024年08月 Contents 第1章 映画と哲学、ベルクソンとドゥルーズ 『シネマ』と映画;ベルクソンにおけるイメージと運動 ほか 第2章 運動イメージ―感覚‐運動的に思考する映画 運動イメージの分化―宇宙の構築 運動イメージの種別化―主観性の物質的アスペクト ほか 第3章 運動と時間 運動から時間へ?―ランシエールの『シネマ』批判をめぐって 零次性としての知覚イメージ―物の知覚 ほか 第4章 第一、第二の時間イメージ―視‐聴覚的に思考する映画 結晶イメージの境位―知覚と記憶の同時性 過去の共存と現在の同時性―「脳」と「宇宙」の新しい意味 ほか 第5章 第三の時間イメージ―ひとつのおなじ結論の三つの異なるバージョン 私に身体を与えてください―瞬間に持続を導入する 偽なるものが力能になるとき―『シネマ』の物語論 ほか Author 福尾 匠 Takumi Fukuo 1992年生まれ。哲学者、批評家。博士(学術)。著書に『非美学』、『眼がスクリーンになるとき』、『日記〈私家版〉』、共訳書にアンヌ・ソヴァニャルグ『ドゥルーズと芸術』がある。
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ビデオのメディア論
¥1,980
1980年代以降、テレビ番組を録画・再生できるビデオデッキが普及したことでタイムシフト視聴が可能になり、ビデオは私たちの映像経験に大きな変容をもたらした。ビデオはどう受容され、メディアとしてどのような射程をもっていたのか。 放送技術であるビデオがニューメディアとして注目されるプロセス、教育現場での受容から家庭への普及、音楽ファンのエアチェック文化とミュージックビデオ受容の連続性、アニメファンのビデオ受容、レンタルビデオ店の成立とそれを可能にした条件――。録画・編集・流通・所有・交換・視聴・消費など、様々な視点からビデオのメディア史に光を当てて、ビデオの社会的な受容の複数性と映像経験の多層性を明らかにする。 DVDの登場や「Netflix」などの定額制の動画配信サービス、各種の動画共有サービスに目配りしながらも、ビデオというメディアの固有性とかつてあった可能性を歴史から掘り起こす。 [出版社より] 著 者|永田大輔・近藤和都・溝尻真也・飯田豊 出版社|青弓社[青弓社ライブラリー] 定 価|1,800円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|256 ISBN|978-4-7872-3513-8 初 版|2022年10月 Contents 序 章 ビデオのメディア論に向けて 永田大輔/近藤和都/溝尻真也/飯田 豊 1 拡張する映像文化とビデオ 2 映像の文化社会学から、ビデオのメディア論へ 3 拡散するビデオ研究とその体系化の困難 4 ビデオの普及/利用をめぐる歴史社会的文脈 5 本書の視角と限界 6 本書の構成 第1部 ビデオのメディア考古学 第1章 放送技術からニューメディアへ――一九五〇―六〇年代における「ビデオ」概念の拡張 飯田 豊 1 ビデオとはテレビである 2 放送技術としてのビデオテープ――初期の放送用VTRの利用 3 作り手と送り手の分離――番組制作会社の誕生 4 ビデオはテレビではない――コミュニケーションのためのニューメディアへ 5 「ビデオ・パッケージ旋風」――視聴者のためのニューメディアへ 第2章 ビデオにおける「教育の場」と「見ること」――一九六〇年代後半―七〇年代の業界紙「ビデオジャーナル」にみる普及戦略を中心に 永田大輔 1 ビデオ受容をめぐる諸議論 2 資料の特性 3 教育とビデオ 4 「教育」と「家庭」の距離 5 結論 第2部 ビデオの社会的受容 第3章 放送番組の保存と所有をめぐる系譜学――一九七〇―八〇年代の音楽ファンとエアチェック文化 溝尻真也 1 エアチェックの流行と感覚の変容 2 一九六〇―七〇年代のラジオ 3 ラジカセの普及とエアチェックの拡大 4 ミュージックビデオ番組とビデオエアチェック 5 「楽しさ」がもたらすメディア普及 第4章 「ビデオが普及すること」が作り出すファン経験の変容過程――一九七〇―八〇年代のアニメ雑誌を素材として 永田大輔 1 普及を経験するということ 2 一般理論としての「普及理論」 3 ビデオ普及の諸特性 4 アニメファンにとっての普及経験 5 結論 第5章 レンタルビデオ店という文化装置――店舗の大規模化を介した旧作ソフトの価値転換 近藤和都 1 レンタルビデオ店の生成 2 違法店から正規店へ 3 「レンタル生活様式」の形成 4 複合化・大規模化するレンタルビデオ店 終 章 ビデオのその後と現在 溝尻真也 1 「ビデオの時代」の始まりと終わり 2 デジタル化される映像 3 撮る技術としてのビデオカメラの展開 4 「YouTube」とSNSの時代にビデオを問い直す 補 論 ビデオとは何か?――その基本的な特徴と歴史 溝尻真也 1 映像記録装置としてのフィルムとビデオ 2 ビデオの基本的な特徴 3 オープンリール式からカセット式へ 4 規格統一と企業間競争 Author 永田 大輔 Daisuke Nagata 1985年、栃木県生まれ。明星大学など非常勤講師。専攻はメディア論、文化社会学、映像文化論、労働社会学。共編著に『アニメの社会学』『消費と労働の文化社会学』(ともにナカニシヤ出版)、共著に『産業変動の労働社会学』(晃洋書房)、論文に「コンテンツ消費における「オタク文化の独自性」の形成過程」(「ソシオロジ」第59巻第3号)など。 近藤 和都 Kazuto Kondo 1989年、愛知県生まれ。大妻女子大学社会情報学部准教授。専攻はメディア研究。著書に『映画館と観客のメディア論』(青弓社)、共編著に『技術と文化のメディア論』(ナカニシヤ出版)など。 溝尻 真也 Shinya Mizojiri 1979年生まれ、福岡県出身。目白大学メディア学部准教授。専攻はメディア論、文化社会学、ポピュラー音楽研究。共著に『音楽化社会の現在』(新曜社)、『スクリーン・スタディーズ』(東京大学出版会)、『改訂版 メディア技術史』(北樹出版)など。 飯田 豊 Yutaka Iida 1979年、広島県生まれ。立命館大学産業社会学部教授。専攻はメディア論、メディア技術史、文化社会学。著書に『テレビが見世物だったころ』(青弓社)、『メディア論の地層』(勁草書房)、共著に『新版 メディア論』(放送大学教育振興会)など。
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ユリイカ 2022年11月号 今井哲也
¥1,980
SOLD OUT
映画『ぼくらのよあけ』公開記念。 『ハックス!』『ぼくらのよあけ』『アリスと蔵六』といった代表作において今井哲也はごくさっそうとさりげなく世界を設計してみせる。今井哲也の表現と主題はどのように構成されるのか、アニメ映画『ぼくらのよあけ』の公開を10月に控え、その要諦に踏みこむ。 [編集部より] 出版社|青土社 定 価|1,800円+税 判 型|A5変型判/並製 頁 数|326 ISBN|978-4-7917-0423-1 初 版|2022年10月 Contents 特集*今井哲也――『ハックス!』『ぼくらのよあけ』『アリスと蔵六』…マンガを夢みる ❖ロングインタビュー 僕はマンガを描いていた――今井哲也と/のマンガの方法 / 今井哲也 聞き手=さやわか ❖今井哲也との遭遇 団員としても今井哲也さんとのこと / 佐藤 大 あのこが宇宙に行ったよ / 甘木 零 ❖今井哲也の読みかた 白いフレームのなかの、小さな瞳が映すもの――今井哲也「トラベラー」から、「ピロウトーク」まで / 泉 信行 みんなの楽しい部活動は続く――『ハックス!』論 / 小松祐美 知性の彼方は欲求のない完全無欠なのか / 米澤朋子 セカイとうまくやっていくこと――『アリスと蔵六』 / 江永 泉 ❖オマージュイラストギャラリー 今井哲也先生から勝手に授かったもの… / 伊藤正臣 イマイ・バース / カヅホ IMAISAN IS SAIKO / コナリミサト アニメ化おめでとうイラスト / 大沖 今井哲也の目線になりたい / たいぼく すごい漫画家、今井哲也先生 / タダノなつ 『アリスと蔵六』のファンアート / つばな またみんなでUNOしましょうね / ヤマシタトモコ ぼくらのよあけぜよ / 山田しいた ❖再録 三丁目クオンタム団地/スペースおくのほそ道 / 今井哲也 ❖対談〈1〉 ぼくらのまんが道 / 今井哲也 あらゐけいいち 司会=ばるぼら ❖描きつづけるひと アムフォと今井先生について / 高い城のアムフォ 翻訳・マンガ=巡宙艦ボンタ コミティアとかの今井さん / さわだ アニ研時代の今井哲也氏 / 天龍寺燦斗 ❖アレンジメントされるもの 孤独と罪――二次創作「見滝原アンティークショップ」とオリジナル作品『アリスと蔵六』を貫くもの / 足立加勇 滂沱の涙 / ふぢのやまい 二一世紀のイソップ――『デルポイへの道』における寓意・模倣・宿命 / 陰山 涼 今井哲也作品と『メギド72』――その相通ずる美点について / 髙橋志行 世界はおもちゃ箱――今井哲也について / 米原将磨 ❖対談〈2〉 アリスと裏世界――夢みることの倫理をめぐって / 今井哲也 宮澤伊織 ❖オマージュ短篇 不屈の蛙は青い海をみるか / 松崎有理 ❖わたしたちの記憶 背景の魔術――『ハックス!』、『ぼくらのよあけ』における世界への眼差し / 岩倉文也 永遠ではない子供たち / 西田 藍 ❖きみたちの未来 ジュヴナイルの時空――夢と夢の終わりと函の外 / 佐藤俊樹 冒険・嘘・夢――『ぼくらのよあけ』『アリスと蔵六』にみる大人と子供 / 河野聡子 そして冒険は語られる――子どもの文化を物語ることについて / 團 康晃 自分の道を、自分で決める――今井哲也の描く女の子たち / 秦 美香子 ❖描くことの自由とともに 今井哲也主要作品解題 / 織戸久貴 ー ❖忘れられぬ人々*13 故旧哀傷・橋本攻 / 中村 稔 ❖物語を食べる*22 三匹の豚はいま、どこへ / 赤坂憲雄 ❖詩 ナスビの眼差し 他二篇 / 山崎佳代子 ❖今月の作品 奥山紗英・東堤翔大・たかすかまさゆき・五十嵐雨 / 選=大崎清夏 ❖われ発見せり クズ男の重力 / 小川佐和子 表紙・目次・扉……北岡誠吾 表紙イラスト……今井哲也
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ユリイカ 2022年10月号 セリーヌ・シアマ
¥1,650
SOLD OUT
『秘密の森の、その向こう』9月23日公開。 女性監督初のカンヌ国際映画祭クィア・パルム受賞作である『燃ゆる女の肖像』(2019)が日本公開され大きな話題を呼んでから二年、来たる9月23日に最新作『秘密の森の、その向こう』(2021)が待望の公開となる。祖母、母、娘という三世代の女性が時空を超え出会うことで紡がれる物語において、視線はより複雑に交差しながら、互いを癒す力になってゆく。クィア映画の俊英はいまなにを見つめるか——セリーヌ・シアマのまなざしを追う。 [編集部より] 出版社|青土社 定 価|1,500円+税 判 型|A5変型判/並製 頁 数|238 ISBN|978-4-7917-0422-4 初 版|2022年09月 Contents 特集*セリーヌ・シアマ——『水の中のつぼみ』から『トムボーイ』『ガールフッド』『燃ゆる女の肖像』、そして『秘密の森の、その向こう』へ ❖インタビュー 映画の革命家、一五年の歩み / セリーヌ・シアマ(聞き手=児玉美月) ❖視線を紡ぐ 水平の美学——セリーヌ・シアマによる親密性の技法 / 菅野優香 セリーヌ・シアマのエレメント / 横田祐美子 ❖その物語の先へ 森で黒豹を放つ——映画『秘密の森の、その向こう』のこと / 川口晴美 タコは消えた / 山内マリコ ❖セリーヌ・シアマという眼差し 蛸の誕生——『水の中のつぼみ』における「クィア」な少女たちと同性愛の脱ロマンティック化 / 宮本裕子 『トムボーイ』論——ジェンダーの名乗りと引き受け、そしてその処罰あるいはクィアな時間の可能性/ 古怒田望人/いりや 『ガールフッド』あるいはガールズ・イン・ザ・フッド / 上條葉月 書かれなかった歴史を描きなおす——セリーヌ・シアマ『燃ゆる女の肖像』 / 小澤京子 ❖マンガ 描く女の肖像——『燃ゆる女の肖像』によせて / やまじえびね ❖対談 喪失と癒しの物語——『秘密の森の、その向こう』をめぐって / 斉藤綾子×長島有里枝 ❖水平と円環 慰め、癒やし、回復するための「共助」——『秘密の森の、その向こう』におけるケアの描かれ方 / 関根麻里恵 娘と母の、味蕾の向こう——『秘密の森の、その向こう』にみる少女たちの食事 / 久保 豊 おもちゃ箱の奇跡——子どもについての新たな物語 / 原田麻衣 薄明かりの空き地 / 今村純子 ❖イラスト 消失点の消失 / もぐこん ❖スクリーンを見つめて 哀しみにさえ辿り着けないこの場所で / 戸田真琴 あなたも、私も、誰も悪くない / 枝 優花 ❖変容の輪郭 アクトリスとズッキーニ——セリーヌ・シアマと「女優」のゆくえ / 田村千穂 音楽へ「新たに加わること」をめぐって——セリーヌ・シアマ監督作品における踊ること、歌うこと、聴くこと / 辻 佐保子 脚本家としてのセリーヌ・シアマ——『水の中のつぼみ』から『パリ13区』に至る、未来を創造する試み / 上原輝樹 ❖資料 セリーヌ・シアマ主要作品解題 / 児玉美月 ー ❖忘れられぬ人々*12 故旧哀傷・太田一郎 / 中村 稔 ❖物語を食べる*21 豚は知性的な生き物である / 赤坂憲雄 ❖詩 眠船 / 青柳菜摘 ❖今月の作品 渋井孔太・立一 祐・江田つばき / 選=大崎清夏 ❖われ発見せり 勢いが気になる / 指田菜穂子 表紙・目次・扉……北岡誠吾 表紙図版……『秘密の森の、その向こう』9月23日(金)ヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマほか全国順次ロードショー ©︎2021 Lilies Films / France 3 Cinéma 配給:ギャガ
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シモーヌ VOL.4 アニエス・ヴァルダ
¥1,540
1954年の第一作から2019 年の遺作まで、フランスを代表する映画監督として、生涯現役で数多くの作品を撮り続けたアニエス・ヴァルダ(1928-2019)の映画人生と哲学をフェミニズム視点で学び直す一冊。 2015 年にカンヌ国際映画祭でパルムドール名誉賞、2017年にはアカデミー名誉賞を受賞(どちらも女性の映画監督としては初)した、ヌーヴェル・ヴァーグ唯一の女性映画作家。2018年のカンヌでは、映画に携わる82名の女性たちとレッドカーペットを歩き、業界の男女格差是正を訴える抗議声明を読み上げた。「ジャック・ドゥミの妻」、「ヌーヴェル・ヴァーグの祖母」だけではない、ヴァルダ独自のフェミニスト美学をさまざまな作品を通して追究する。 [編集部より] 出版社|現代書館 定 価|1,400円+税 判 型|A5判・並製 頁 数|140 ISBN|978-4-7684-9104-1 初 版|2019年11月 Contents 【特集 アニエス・ヴァルダ】 ・楠本まき アニエス・ヴァルダへの手紙 ・アニエス・ヴァルダ/相川千尋訳 トロントについての覚え書き(1974年) ・斉藤綾子 女が流離うとき:ヴァルダのシネエクリチュールと抵抗の意味 ・林瑞絵 アニエス・ヴァルダと二つのフェミニズム映画 ・菅野優香 最愛の夫 ヴァルダの「ドゥミ映画」を読む ・園山水郷 アニエス・ヴァルダ 変革の時代を生きた証として ・小林美香 写真の目線で読み解くアニエス・ヴァルダの映画作品 ・飛幡祐規 小さき存在を拾う映像詩人 ・ミニコラム寄稿 松田青子、福岡南央子、野中モモ ・ヴァルダをめぐる旅 ・ヴァルダ・ストーリー ・フィルモグラフィー 【特集2 映画界のハラスメントを考える】 UPLINK Workers' Voices Against Harassment 多様で公正な世界を映し出すために 【オンラインイベントレポート】 荒井裕樹×石川優実×伊是名夏子×松波めぐみ 障害者の声はワガママなの? 【寄稿】 ・中村桃子 世界の女性は『女ことば』を話す ・井谷聡子 オリンピック問題からジェンダーを考える 【連載】 ・アトランさやか ・インベカヲリ★ ・江戸川ずるこ ・小野春 ・栗田隆子 ・SAW & LAW(漫才コンビ) ・高島鈴 ・二三川練 ・書店からはじまるフェミニズム(沖縄くじらブックス/渡慶次美帆) ・フェミニズム勉強会#猫研 ・シネマレビュー(浅野百衣) ・シモーヌブックガイド