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幻の万博——紀元二千六百年をめぐる博覧会のポリティクス[OUTLET]
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1940年、東京オリンピックとともに開催が計画され、総合芸術の一大イベントだった紀元二千六百年記念万国博覧会。日中戦争の激化に伴って、オリンピックともども実質的な中止に追い込まれた「幻の万博」は、いったい何を目指していたのだろうか。
紀元二千六百年の奉祝行事だった「幻の万博」は、海外の多くの参加国や来場者を見込み、教育や産業振興はもちろん、当時の実験的な芸術や新しいメディアを数多く披露しようとしていた。芸術やアトラクションを通じて、国内外へのプロパガンダを企図していたのである。
同時代のパリ万博やローマ万博と比較し、満州国美術展覧会や満州映画協会との関連も調査して、戦争と抜きがたい関係性にあった「幻の芸術の祭典」の実態に迫る初の研究書。
[出版社より]
著 者|暮沢剛巳・江藤光紀・鯖江秀樹・寺本敬子
出版社|青弓社
定 価|3,000円+税
判 型|四六判/並製
頁 数|298
ISBN|978-4-7872-7414-4
発 行|2018年09月
Contents
はじめに――幻の紀元二千六百年記念万国博覧会 暮沢剛巳
第1章 幻の紀元二千六百年記念万博――開催計画の概要とその背景 暮沢剛巳
1 鈴木俊一の夢
2 東京オリンピック――もう一つの奉祝行事
3 事業計画の概要
4 万博の会場計画、交通計画、出品計画――広報・宣伝態勢
5 漂う暗雲――日中戦争開戦
6 万博の「延期」とオリンピックの「返上」
7 「延期」後の万博
第2章 肇国記念館と美術館――紀元二千六百年記念万博の展示計画 暮沢剛巳
1 紀元二千六百年記念万博の展示計画
2 肇国記念館
3 肇国記念館での「国史」の展示
4 美術館の展示計画
5 日名子実三と八紘一宇の塔
第3章 プレ・イベントからみる幻の万博――横浜復興博とプロパガンダ 江藤光紀
1 大正・昭和期の博覧会ブーム
2 復興記念横浜大博覧会――宣伝とイベント
3 博覧会を成り立たせるもの――メディア・動員・都市
4 万博とプロパガンダ
5 プレ・イベントとメディアが醸成する空気
6 動きだしたイベント企画
7 国威発揚と消費のはざまで
第4章 パリに出現したナチのショーウインドー――一九三七年パリ万博へのドイツ出展 江藤光紀
1 『四大元素』
2 「巴里通信」
3 「文化による友好」というまやかし
4 ドイツ館とその展示内容
5 そのほかの展示や催し
6 総統の建築のモデル――党大会ゲレンデ
7 光のスペクタクル
8 ゲルマニア計画とその影響
9 ナチ建築が表象したもの
第5章 幻のなかの経験――ローマ万博の展示空間 鯖江秀樹
1 ローマ万博の歴史――戦争と平和の交錯
2 ローマ万博という場――会場プラン、恒久建築、パビリオン
3 ローマ万博の内部空間――「イタリア文明展」の再構成
第6章 一九三七年パリ万博への日本の参加とその背景 寺本敬子
1 国際博覧会条約と一九三七年パリ万博
2 日本の参加経緯
3 日本の出品方針
4 フランスの評価
5 一九四〇年日本万博の開催に向けた博覧会国際事務局(BIE)との交渉
6 フランス外務省と駐仏日本大使館の交渉
7 日本万博への参加招請
8 最後の交渉
9 日本の批准と一九七〇年大阪万博
第7章 万博という代理戦争――植民地表象を中心に 江藤光紀
1 博覧会の植民地パビリオン
2 万博とコロニアリズム
3 万博とツーリズム
4 招請活動の裏側で――外交かけひき
5 奉祝イベントと最新メディア
6 建国神話のユーフォリア
7 近代の超克という虚構
第8章 満州で考える――人工国家・満州国の実験に探る紀元二千六百年記念万博の痕跡 暮沢剛巳
1 大連――租界のなかの満州
2 大連と博覧会
3 長春――城塞都市から人工都市へ
4 満州国美術展覧会
5 満映と甘粕正彦
6 大東亜建設大博覧会
7 ハルビン――満州北部の人工都市
8 大東亜戦争完遂哈爾浜大博覧会
おわりに 暮沢剛巳
Author
暮沢 剛巳 Takemi Kuresawa
東京工科大学デザイン学部教授。専攻は20世紀美術、デザイン研究。著書に『美術館の政治学』(青弓社)、『自伝でわかる現代アート』(平凡社)、『世界のデザインミュージアム』(大和書房)、『オリンピックと万博』(筑摩書房)、共著に『大阪万博が演出した未来』(青弓社)など。
江藤 光紀 Mitsunori Eto
筑波大学人文社会系准教授。専攻は近現代の芸術論、音楽評論。著書に『カンディンスキー コンポジションとしての絵画』(コスモス・ライブラリー)、共著に『大阪万博が演出した未来』(青弓社)など。
鯖江 秀樹 Hideki Sabae
京都精華大学芸術学部准教授。専攻はイタリア近代芸術史、表象文化論。著書に『イタリア・ファシズムの芸術政治』(水声社)、共著に『21世紀の哲学をひらく』(ミネルヴァ書房)、『ジョルジョ・モランディの手紙』(みすず書房)、共訳書にマリオ・ペルニオーラ『無機的なもののセックス・アピール』(平凡社)など。
寺本 敬子 Keiko Teramoto
跡見学園女子大学文学部専任講師。専攻はフランス近代史、日仏交流史。著書に『パリ万国博覧会とジャポニスムの誕生』(思文閣出版)、共著に『万国博覧会と人間の歴史』(思文閣出版)など。
紀元二千六百年の奉祝行事だった「幻の万博」は、海外の多くの参加国や来場者を見込み、教育や産業振興はもちろん、当時の実験的な芸術や新しいメディアを数多く披露しようとしていた。芸術やアトラクションを通じて、国内外へのプロパガンダを企図していたのである。
同時代のパリ万博やローマ万博と比較し、満州国美術展覧会や満州映画協会との関連も調査して、戦争と抜きがたい関係性にあった「幻の芸術の祭典」の実態に迫る初の研究書。
[出版社より]
著 者|暮沢剛巳・江藤光紀・鯖江秀樹・寺本敬子
出版社|青弓社
定 価|3,000円+税
判 型|四六判/並製
頁 数|298
ISBN|978-4-7872-7414-4
発 行|2018年09月
Contents
はじめに――幻の紀元二千六百年記念万国博覧会 暮沢剛巳
第1章 幻の紀元二千六百年記念万博――開催計画の概要とその背景 暮沢剛巳
1 鈴木俊一の夢
2 東京オリンピック――もう一つの奉祝行事
3 事業計画の概要
4 万博の会場計画、交通計画、出品計画――広報・宣伝態勢
5 漂う暗雲――日中戦争開戦
6 万博の「延期」とオリンピックの「返上」
7 「延期」後の万博
第2章 肇国記念館と美術館――紀元二千六百年記念万博の展示計画 暮沢剛巳
1 紀元二千六百年記念万博の展示計画
2 肇国記念館
3 肇国記念館での「国史」の展示
4 美術館の展示計画
5 日名子実三と八紘一宇の塔
第3章 プレ・イベントからみる幻の万博――横浜復興博とプロパガンダ 江藤光紀
1 大正・昭和期の博覧会ブーム
2 復興記念横浜大博覧会――宣伝とイベント
3 博覧会を成り立たせるもの――メディア・動員・都市
4 万博とプロパガンダ
5 プレ・イベントとメディアが醸成する空気
6 動きだしたイベント企画
7 国威発揚と消費のはざまで
第4章 パリに出現したナチのショーウインドー――一九三七年パリ万博へのドイツ出展 江藤光紀
1 『四大元素』
2 「巴里通信」
3 「文化による友好」というまやかし
4 ドイツ館とその展示内容
5 そのほかの展示や催し
6 総統の建築のモデル――党大会ゲレンデ
7 光のスペクタクル
8 ゲルマニア計画とその影響
9 ナチ建築が表象したもの
第5章 幻のなかの経験――ローマ万博の展示空間 鯖江秀樹
1 ローマ万博の歴史――戦争と平和の交錯
2 ローマ万博という場――会場プラン、恒久建築、パビリオン
3 ローマ万博の内部空間――「イタリア文明展」の再構成
第6章 一九三七年パリ万博への日本の参加とその背景 寺本敬子
1 国際博覧会条約と一九三七年パリ万博
2 日本の参加経緯
3 日本の出品方針
4 フランスの評価
5 一九四〇年日本万博の開催に向けた博覧会国際事務局(BIE)との交渉
6 フランス外務省と駐仏日本大使館の交渉
7 日本万博への参加招請
8 最後の交渉
9 日本の批准と一九七〇年大阪万博
第7章 万博という代理戦争――植民地表象を中心に 江藤光紀
1 博覧会の植民地パビリオン
2 万博とコロニアリズム
3 万博とツーリズム
4 招請活動の裏側で――外交かけひき
5 奉祝イベントと最新メディア
6 建国神話のユーフォリア
7 近代の超克という虚構
第8章 満州で考える――人工国家・満州国の実験に探る紀元二千六百年記念万博の痕跡 暮沢剛巳
1 大連――租界のなかの満州
2 大連と博覧会
3 長春――城塞都市から人工都市へ
4 満州国美術展覧会
5 満映と甘粕正彦
6 大東亜建設大博覧会
7 ハルビン――満州北部の人工都市
8 大東亜戦争完遂哈爾浜大博覧会
おわりに 暮沢剛巳
Author
暮沢 剛巳 Takemi Kuresawa
東京工科大学デザイン学部教授。専攻は20世紀美術、デザイン研究。著書に『美術館の政治学』(青弓社)、『自伝でわかる現代アート』(平凡社)、『世界のデザインミュージアム』(大和書房)、『オリンピックと万博』(筑摩書房)、共著に『大阪万博が演出した未来』(青弓社)など。
江藤 光紀 Mitsunori Eto
筑波大学人文社会系准教授。専攻は近現代の芸術論、音楽評論。著書に『カンディンスキー コンポジションとしての絵画』(コスモス・ライブラリー)、共著に『大阪万博が演出した未来』(青弓社)など。
鯖江 秀樹 Hideki Sabae
京都精華大学芸術学部准教授。専攻はイタリア近代芸術史、表象文化論。著書に『イタリア・ファシズムの芸術政治』(水声社)、共著に『21世紀の哲学をひらく』(ミネルヴァ書房)、『ジョルジョ・モランディの手紙』(みすず書房)、共訳書にマリオ・ペルニオーラ『無機的なもののセックス・アピール』(平凡社)など。
寺本 敬子 Keiko Teramoto
跡見学園女子大学文学部専任講師。専攻はフランス近代史、日仏交流史。著書に『パリ万国博覧会とジャポニスムの誕生』(思文閣出版)、共著に『万国博覧会と人間の歴史』(思文閣出版)など。