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図説 写真小史
¥1,320
芸術から「いま―ここ」という一回性の「アウラ」が消滅する複製技術の時代にあって、写真はどのような可能性をはらみ、どのような使命を課せられなければならなかったのか? 写真史を考えるとき、だれもが必ず引用する基本文献―ヴァルター・ベンヤミンの「写真小史」。初期写真から1930年代の作品までを通観したこの傑作エッセイに、そこで言及されているブロースフェルト、アジェ、ザンダーらの写真多数と、関連論文を加えて再編集。20世紀最高の批評家による写真論が目で見てわかる実証的な一冊。 [出版社より] 著 者|ヴァルター・ベンヤミン 訳 者|久保哲司 出版社|筑摩書房[ちくま学芸文庫] 定 価|1,200円+税 判 型|文庫判 頁 数|288 ISBN|978-4-480-08419-4 初 版|1998年04月 Contents 写真小史(ヴァルター・ベンヤミン) カール・ブロースフェルト『芸術の原形』への序(カール・ニーレンドルフ) ウジェーヌ・アジェ『写真集』への序(カミーユ・レヒト) 顔、映像、それらの真実について(アルフレート・デーブリーン) Author ヴァルター・ベンヤミン Walter Benjamin 1892(Berlin)~1940年(PortBou)。20世紀ドイツの最も異彩を放つ思想家・批評家。きわめて緻密で繊細な文体をもつ卓越した文章家。青年運動の只中で思想形成期を迎え、ユダヤ神秘主義、観念論的弁証法、マルクス主義的歴史哲学等の影響を受ける。激動の時代状況とアクチュアルにまたラディカルに切り結びながら、同時に近代もしくはモデルネの原史(Urgeschichte)を見据え続けた。亡命行の途上でみずから命を絶った。
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増補 20世紀写真史
¥1,430
写真とは、19世紀後半にはじまった〈終末〉と密接な関係を持ち、〈人間〉という概念の死滅と結びついた、20世紀の黙示録のひとつの形式ではなかっただろうか――。 写真の歴史を読むことを通じて、時代の記録や個人の表現を超えた世紀の無意識と感受性を浮かび上がらせた著者の代表作。新たな書下ろし2章を付し、増補決定版としていま再び世に問う。21世紀以降注目を集める動向、フィクションとドキュメンタリーの狭間に生じた新しい位相、デジタル環境の深化による影響など、誕生後200年を迎える写真というメディアの歴史を描き出す。 [出版社より] 著 者|伊藤俊治 出版社|筑摩書房[ちくま学芸文庫] 定 価|1,300円+税 判 型|文庫判・並製 頁 数|336 ISBN|978-4-480-51157-7 初 版|2022年12月 Contents 1 都市と時間の象徴―変わりゆく時空認識一八九〇→一九一〇 2 機械神の幻影―“光の死”とその後の展開一九一〇→一九三〇 3 デザインされるイコン―機能する写真の新しい均衡一九二五→一九四五 4 揺れ動く記録―「主観」と「現実」への眼差し一九四五→一九六〇 5 他者のフィギュア―人間と環境のはざまに一九六〇→一九七〇 6 メディアと死の位相―終末の様々なヴィジョン一九七〇→一九八五 補遺 Author 伊藤 俊治 Toshiharu Ito 1953年生まれ。美術史家/美術評論家。現在、東京藝術大学美術学部先端芸術表現科教授。著書に『ジオラマ論』『20世紀写真史』など多数ある。
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笹岡啓子写真集 / Remembrance 三陸、福島 2011-2014
¥9,900
SOLD OUT
海と陸と 東東北のあの時以後から問われる現在。 2011年以後、東北地域を幾度も訪ね、撮影を続けた笹岡啓子の連作「Remembrance」。10年を経たいま提示するあの時からの4年間。出来事の「後の世界」に注視し、「後の想い」を呼び覚ますこと。静寂な光を湛えた写真が問いかける——〈私たちの生きる場所〉は、どこにあるのか。 [出版社より] 「この現実の光景は、メディアで繰り返し目にした被災地の印象とも違っていた。撮影のイメージが浮かんでは消えていく。いままで写真を撮ってきて、見たように写ったことは一度もない。そしてそのことを望んでいなかった」 ——笹岡啓子 「決して「一枚の写真」や、写真に写る「一人」や「一個の事物」に代表されたり要約されることのない、イメージの絶えざる拡張を生きる風景の全体、それこそが写真によって開示されるべきものと笹岡は心に決めている」 ——倉石信乃(詩人・批評家) 本書解題より 著 者|笹岡啓子 寄 稿|倉石信乃 発 行|写真公園林 発 売|ソリレス書店 定 価|9,000円+税 判 型|B4変型判・上製 頁 数|360 ISBN|978-4-908435-17-1 刊 行|2022年01月
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犬の記憶
¥990
SOLD OUT
「路上にて」「壊死した時間」「街の見る夢」―現代写真界のレジェンドの原点を示す唯一無二、必読のエッセイ的写真論。写真約60点を収録し、入門的一冊としても。新規解説=古川日出男。新装版。 [出版社より] 著 者|森山大道 出版社|河出書房新社[河出文庫] 定 価|900円+税 判 型|文庫判 頁 数|288 ISBN|978-4-309-41897-1 初 版|2022年06月 Author 森山 大道 Daido Moriyama 1938年大阪府生れ。68年、ブレ・ボケ・アレを特徴とする『にっぽん劇場写真帖』を発表。以後、写真の概念を解体・拡張し世界的評価を得ている。2019年、写真界のノーベル賞・ハッセルブラッド賞受賞。
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犬の記憶 終章
¥1,045
SOLD OUT
「パリ」「大阪」「新宿」「武川村」「青山」―現代写真界のレジェンドの原点を示す唯一無二、必読の半自伝。写真約50点を収録し、入門的一冊としても。新規解説=古川日出男。新装版。 [出版社より] 著 者|森山大道 出版社|河出書房新社[河出文庫] 定 価|950円+税 判 型|文庫判 頁 数|304 ISBN|978-4-309-41898-8 初 版|2022年06月 Author 森山 大道 Daido Moriyama 1938年大阪府生れ。68年、ブレ・ボケ・アレを特徴とする『にっぽん劇場写真帖』を発表。以後、写真の概念を解体・拡張し世界的評価を得ている。2019年、写真界のノーベル賞・ハッセルブラッド賞受賞。
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愛情観察NEO
¥2,035
誰かを強く求める、その欲求こそが生きる実感。 異例の売れ行き(4刷6,000部)を記録した写真集『愛情観察』、シリーズ第2弾。女性から熱烈に愛され、女性を熱烈に愛する写真家による最新作品集。 [出版社より] 「カメラ自体がまるで欲情しているような、セクシャルで被写体との距離がゼロに近い写真たち。だけどなぜだろう、いやらしさや嫌悪は全く感じず、どこか羨望に近いものを抱かせる。写っている女性は私ではないのに、「こう見られたい」「こんな風に求められたい」という私の中にある願望を覗かれているような肉体の切り取り方をされている」 --岡藤真依[マンガ家] 著 者|相澤義和[撮影] 出版社|百万年書房 定 価|1,850円+税 判 型|174mm*112mm 頁 数|240 ISBN|978-4-910053-28-8 初 版|2022年05月 Author 相澤義和 Yoshikazu Aizawa 1971年、東京都東久留米市生まれ。1996年、四谷スタジオ(現・スタジオD21)入社。2000年よりフリーランスとして独立。著作『愛情観察』『愛の輪郭』(百万年書房)。
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風をこぐ To Row the Wind
¥3,300
SOLD OUT
2005 年、車に轢かれ、路上で倒れていた一匹の野良犬。著者はその犬を保 護し、フウと名付けて引き取りました。 本写真集は、12 年間のフウの記録です。 事故により脊髄を損傷したフウは、後ろ脚に障害が残り通常の歩行ができませんでしたが、それでも毎日の散歩をとても楽しみました(最後の2年3ヶ月は車 イスを使用)。 本写真集「風をこぐ」は、バタバタとうねるように、前足で漕ぐ ように歩くフウの姿から、著者が付けたタイトルです。 本書には、作家が地元福岡でフウを保護した 2005 年から、大阪、東京、そして移住先ベルリンで亡くなる2019 年まで、移りゆく季節・時間のなかで散歩をするフウの姿を写した 261 点の写真と、本写真集を出版するにあたって書き下ろされたエッセイ2 万文字が収録されています。 フウのあとを追うように、写真集をめくっていただければ幸いです。 [出版社より] 著 者|橋本貴雄 出版社|モ・クシュラ 定 価|3,000円+税 判 型|A5判・並製 頁 数|342 ISBN|978-4-907300-05-0 初 版|2021年10月 Author 橋本貴雄 Takao Hashimoto 1980年 熊本県生まれ。2008年、ビジュアルアーツ大阪写真学科卒業。同年上京し、イイノメディアプロにて勤務したのち 2011 年ドイツに渡る。現在、ベルリン在住。「風をこぐ」所収の写真からなる「Kette」で2021年度「キヤノン 写真新世紀」佳作(椹木野衣氏選)。
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波田野州平写真集 Before Us
¥3,300
写真はおそろしい。私の狙いや意図など全く無視し、ある現実をまざまざと記録してしまう。 2019年の1年間、私は再開発真っ只中の東京駅周辺で、変容する街の姿を記録に残すために撮影をしていた。しかし2020年がやって来て、その目論見は全くの的外れだったことに気づく。記録に残されていたのは失われた街の姿などではなく、直後にやって来た「新しい日常」という言葉により切断され、古い日常へと追いやられた在りし日の私たちの姿だった。私は痛感した。自分が撮った写真に写っているものが、何ひとつとして見えていなかったことを。そして何を撮影するのかなど、自分では何ひとつとして決められないことを。 本当に写真はおそろしい。写真になった人々は時が経てば経つほど遠ざかり、以前の人々へと変容していく。目前にいる人々を撮ったつもりでいても、そんなものは写っていないのだ。ここに記録され辛うじて焼き付けることができたのは、その不在の徴だけだった。 [著者より] 著 者|波田野州平 定 価|3,000円+税 判 型|257 x 182 mm コデックス装 頁 数|112 初 版|2020年12月 Author 波田野 州平 Shuhei Hatano 映画作家。1980年鳥取生まれ、東京在住。多摩美術大学映像演劇学科卒。主な作品に『TRAIL 』(2012・ユーロスペース)、『影の由来』(2017・東京ドキュメンタリー映画祭2018 短編部門グランプリ、ジョグジャカルタ国際ドキュメンタリー映画祭2019 招待作品)、『私はおぼえている』(2021・山形国際ドキュメンタリー映画祭2021 招待作品)がある。
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ボードリヤールとモノへの情熱
¥2,860
SOLD OUT
モノが私たちのことを考えている——。 哲学者×写真家 知られざるボードリヤール。 哲学と文化の高度に特異的で挑発的な分析を展開したユニークな思想家 ボードリヤールの新しい像。ボードリヤール撮影による写真8葉収録。訳者による詳細な解説を付す。 「日本でのボードリヤール受容は今なお「ポストモダンの思想家」のレベルにとどまっている感があるが、本書はそうした既視感を越えて「哲学者=写真家」としてのボードリヤールに接近するための最新の入門書だといってよいだろう」(訳者解説より) [出版社より] 著 者|アンヌ・ソヴァージョ 写 真|ジャン・ボードリヤール 訳 者|塚原史 出版社|人文書院 定 価|2,600円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|204 ISBN|9784409041161 初 版|2021年06月 Contents 口絵 ボードリヤール・アーカイヴ(Ⅰ~Ⅷ) 序章 Ⅰ ボードリヤールとモノへの情熱 1 記号としてのモノ 2 シミュラークルとしてのモノ 3 犯罪の対象としてのモノ 4 陰謀の対象としてのモノ 5 情熱の対象としてのモノ Ⅱ 現代思想の写真論(ボードリヤール講演録 1999年4月7日) 1 ジャン・ボードリヤール講演「モノが私たちのことを考えている」 2 ボードリヤールと聴衆との討論 終章 モノの運命 主要参考文献 解説--訳者後記にかえて 塚原史 Author アンヌ・ソヴァージョ トゥールーズ・ジャン・ジョレス大学名誉教授。社会学専攻。バーチャルリアリティでの社会的文化的インパクト、デジタルメディアでの社会的機能やその影響の研究などで著名。著書にL'epreuve des sens(PUF 2003)など多数。VR研究でフランス政府調査団に参加し来日(1998)。ボードリヤールと交流があり、現在もマリーヌ夫人と親しい。 Translator 塚原 史 Fumi Tsukahara 早稲田大学名誉教授。専攻はフランス現代思想、ダダ・シュルレアリスム研究。著著に『ダダイズム—世界をつなぐ芸術運動』 (岩波現代全書、2018)、『ボードリヤールという生き方』(NTT出版、2005)、『記号と反抗---20世紀文化論のために』(人文書院、1998)、訳書に、ヴュヤール『その日の予定』(岩波書店、2020)、エリボン『ランスへの帰郷』(みすず書房、2020)、ベンヤミン『パサージュ論』(岩波現代文庫、2020、共訳)、ボードリヤール『消費社会の神話と構造』(紀伊國屋書店、1979/2015、共訳)、ほか多数。来日講演などを通じてボードリヤールと長年の交流があった。
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青森 1950-1962 工藤正市写真集
¥3,960
SOLD OUT
昭和30年代の青森で、人知れず奇跡の瞬間を撮り溜めていた写真家がいた。没後、発見されたフィルムの束。そこに写されていたのは、戦後の青森に生きる人々の日常の姿と、やがて失われる情景への思慕にみちた、故郷を愛する写真家のまなざしである。 家族がインスタグラムで発表するや、国内外の写真ファンの間で話題に。工藤正市の写真の魅力に、今、世界は目を奪われている。 ・残されたプリントとフィルムから一挙366点を収録 ・写真家の写真雑誌入選作をたどる略歴を付す ・青森市街の撮影ポイントを示す地図を掲載 [出版社より] 著 者|工藤正一 出版社|みすず書房 定 価|3,600円+税 判 型|A5変形判/上製 頁 数|408 ISBN|978-4-622-09020-5 初 版|2021年09月 Author 工藤 正一 Shoichi Kudo 昭和4年(1929)青森市生まれ。旧制中学校を卒業後、昭和21年(1946)に東奥日報社に入社。 昭和20年代中頃から写真雑誌の月例コンテストや写真展へ応募した作品が高い評価を受ける。昭和28年(1953)月刊『カメラ』月例第一部(大型印画)の年間1位となる。月例の審査を担当していた土門拳、木村伊兵衛、濱谷浩などの写真家との交流もあった。昭和30年代に入ると仕事との両立が難しくなり、次第にコンテストへの応募をやめ、仕事に専念するようになる。 昭和39年に青森県写真連盟の設立に関わるなど地元写真界での活動は続けていく。昭和40年代東奥日報社写真部長となり、昭和50年代には機械報道部長や弘前支社長などの役職を歴任。昭和63年頃、東奥日報社を退社。青森西南部東奥日報販売(株)取締役社長に就任。平成3年頃、青森西南部東奥日報販売(株)を退社。平成26年(2014)逝去。
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Keep an Eye Shut
¥6,380
SOLD OUT
中学校で写真部に入部した花代は、父親から古いカメラを譲り受け、1989年頃から自分の身の回りの事象や出会った人たちを写真に収めるようになります。高校生の時に友人と同人誌「女子高生通信」をスタートし、『宝島』のトンガリキッズなどで世にデビュー。 19歳で半玉になり、その後日本のテレビ番組や舞台などへの出演や、イギリスの雑誌『The Face』のカバーを飾ったりと、一躍時代のアイコンとなっていきます。その傍らも写真を撮り続け、ロンドンへ渡った1996年に『ハナヨメ』で写真家としてデビューし、ヴィヴィッドで瑞々しいイメージで注目を集めました。同じ年に生まれた愛娘・点子を以降は被写体として撮り続けます。 奇才監督クリストフ・シュリンゲンズィーフと出会い、その舞台やパフォーマンスに出演するようになった1999年にベルリンへ移住。2010年の帰国後は新たな試みとしてモノクロ写真に取り組み、現在は東京を拠点に精力的に写真を発表しつづけています。 写真家としてだけでは括ることはできない、多彩な表現を奏でる花代という存在。女性アーティストとしてどんな時代も彼女らしい生き方を突き進み、多様な活動をしてきたアーティスト花代とは何者なのか。膨大な写真から選ばれたこれらの写真群は、彼女の人生そのものであり、時代を映す鏡のように私たちにこの世界の美しさ、あるいは儚さを提示します。 *本書はドイツの出版社Kehrerとの共同出版です。内容はドイツ版と同じとなります。 [出版社より] 著 者|花代 デザイン|島影南美 テキスト|カイ・アルトホフ、伊藤貴弘(東京都写真美術館) 出版社|torch press 定 価|5,800円+税 判 型|230*160mm・上製 頁 数|304 ISBN|978-4-907562-29-8 C0072 初 版|2021年07月 Author 花代 Hanayo 東京とベルリンを拠点に活躍するアーティスト。写真家、芸妓、ミュージシャン、モデルなど多彩な顔を持つ。自身の日常を幻想的な色彩で切り取る写真やコラージュ、またこうした要素に音楽や立体表現を加えたインスタレーションを発表する。パレ・ド・トーキョーなどでの個展、展覧会多数。写真作品集に『ハナヨメ』(1996)、『MAGMA』(2004)、『ベルリン』(2013)、『点子』(2016)、音楽アルバムに『Gift / 献上』『wooden veil』などがある。
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森の探偵——無人カメラがとらえた日本の自然[新装版]
¥1,980
自然のサインを読み解き、カメラを仕掛け……。 森の中で撮影された“決定的瞬間”の数々。 自然界の報道写真家・宮崎学、半世紀にわたるその活動を網羅した一冊。 独自に開発した無人カメラのシステムを用いて、野生動物や変容する自然の姿を半世紀以上にわたって撮り続けてきた写真家・宮崎学。あちこちに仕掛けた無人カメラがとらえた写真の数々は、自然を読み解くためのヒントに溢れている。決定的な証拠写真に目を凝らし、自然の発する声なきメッセージを読み解く宮崎は、まさに「森の探偵」である。 [出版社より] 「四つんばいで森を進む男たち。小さな変化に目を凝らす者は、いつかの少年のように世界をまた発見する」 ――加瀬亮[俳優] 著 者|宮崎学 文・構成|小原真史 出版社|亜紀書房 定 価|1,800円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|336 ISBN|978-4-7505-1712-4 初 版|2021年08月 Contents はじめに 第1章 動物たちの痕跡 けもの道の見つけ方 〈コラム〉宮崎学の仕事場 〈コラム〉宮崎流山歩き 〈コラム〉我が家のリンゴ泥棒 〈コラム〉野生動物たちの落とし穴 フクロウの棲む谷 〈コラム〉庭のスタジオ 動物たちの住宅事情 〈コラム〉テニスコート脇の動物たち 第2章 生と死のエコロジー 自然界のサプリメント 〈コラム〉糞盆栽 スカベンジャーたち 〈コラム〉カラスの役割 死の終わり 第3章 文明の力、自然の力 被災地の動物たち 〈コラム〉クマクールとマタミール 外来種と在来種 〈コラム〉ノラ竹やぶ 第4章 人間の傍で シナントロープたちの事件簿 〈コラム〉田んぼと渡り鳥 〈コラム〉渋谷のネズミ 〈コラム〉シカたちの楽園 人間の同伴者 〈コラム〉生物たちの電気利用 〈コラム〉パリジャンの鳥たち 終章 森と動物と日本人 おわりに Author 宮崎 学 Manabu Miyazaki 写真家。1949年長野県生まれ。精密機械会社勤務を経て、1972年、プロ写真家として独立。自然と人間をテーマに、社会的視点にたった「自然界の報道写真家」として活動中。1990年「フクロウ」で第9回土門拳賞、1995年「死」で日本写真協会賞年度賞、「アニマル黙示録」で講談社出版文化賞受賞。2013年IZU PHOTO MUSEUMにて「宮崎学 自然の鉛筆」展を開催。2016年パリ・カルティエ現代美術財団に招かれ、グループ展に参加。著書に『アニマルアイズ・動物の目で環境を見る』(全5巻)『カラスのお宅拝見!』『となりのツキノワグマ』『イマドキの野生動物』他多数。 小原 真史 Masashi Kohara キュレーター、映像作家。1978年愛知県生まれ。IZU PHOTO MUSEUM研究員として「荒木経惟写真集展 アラーキー」、「宮崎学 自然の鉛筆」展、「小島一郎 北へ、北から」展、「増山たづ子 すべて写真になる日まで」展、「戦争と平和──伝えたかった日本」展などを担当。監督作品に「カメラになった男──写真家中平卓馬」がある。第10回重森弘淹写真評論賞、第24回「写真の会」賞、日本写真協会賞学芸賞を受賞。単著に『富士幻景──近代日本と富士の病』、共著に『時の宙づり──生・写真・死』『戦争と平和──〈報道写真〉が伝えたかった日本』など。東京工芸大学准教授。
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コティングリー妖精事件 イギリス妖精写真の新事実
¥3,080
コティングリー妖精写真は、1917年と20年にイギリスのコティングリー村に住んでいたいとこである2人の少女フランシスとエルシーが野外で出会った妖精の姿を撮影した不思議な写真である。公表されるやいなや真偽が話題になり、「シャーロック・ホームズ」シリーズの作者アーサー・コナン・ドイルなどを巻き込んで、当時のイギリスにセンセーションを巻き起こした。 この事件の調査に関わった神智学者エドワード・L・ガードナーが所有していた鞄が、100年を経て海を渡り、日本にやってきた。その鞄に入っていた貴重な新資料――「2人の少女と妖精」の5枚の写真プリントやネガフィルム、未公開の写真、手書きの手紙・文書などをフルカラーで紹介する。 資料の詳細な解説に加えて、社会的・文化的な背景や心霊写真との比較、写真にだまされる「楽しみ」を論じる論考も所収して、妖精写真から人々の感性や時代性を浮き彫りにする。 [出版社より] 編著者|井村君江・浜野志保 出版社|青弓社 定 価|2,800円+税 判 型|A5判/並製 頁 数|200 ISBN|978-4-7872-7439-7 初 版|2021年06月 Contents まえがき――「コティングリー妖精事件」の存在意義 井村君江 なぜいまになってコティングリー妖精事件か? 吉田孝一 第1部 新資料「エドワード・L・ガードナーの鞄」 第1章 新資料「エドワード・L・ガードナー遺品」紹介 第2章 ガードナーの鞄の意味 井村君江 第3章 新史料に見る「コティングリー妖精写真事件」の再演、再構成の可能性 井沼香保里 第4章 妖精写真奔走記 浜野志保 参考 コティングリー妖精事件の主な関係者 第2部 コティングリーはいま 第5章 現在のコティングリー 写真:谷津 翆 第6章 コティングリーのいま、リーズ大学調査 井村君江 第7章 「コティングリー妖精事件」100周年記念講演/現在のコティングリー村 富田実加子 第8章 ヘイゼル・ゲイナー氏インタビュー 富田実加子 第3部 妖精事件をめぐって 第9章 コティングリー妖精写真と心霊写真 赤井敏夫 第10章 ジョー・クーパー 井村淳一 第11章 妖精写真「ごっこ」の真実 鏡 リュウジ 第12章 ポスト・ファクチャルなフェアリー事件のこと 高山 宏 第13章 写真にだまされる楽しみ 浜野志保 第14章 コティングリー妖精写真の航跡をたどって――エドワード・ガードナーの鞄とガラス乾板の冒険 メリック・バロー On the Trail of the Cottingley Fairies Photographs: Edward Gardner’s Briefcase and the Adventure of the Glass Negatives(Merrick Burrow) 妖精写真ふたたび――あとがきにかえて 浜野志保 あとがき 井村君江 Editor 井村 君江 Kimie Imura 英文学者・比較文学者。明星大学名誉教授。うつのみや妖精ミュージアム名誉館長。金山町妖精美術館館長。著書に『妖精学大全』(東京書籍)、『ケルト妖精学』(筑摩書房)、『帰朝者の日本』(東京創元社、近刊予定)、訳書にW・B・イエイツ編『ケルト妖精物語』(筑摩書房)、ウィリアム・シェイクスピア『新訳 テンペスト』(レベル)、アーサー・コナン・ドイル『妖精の到来――コティングリー村の事件』(アトリエサード)ほか多数。 浜野 志保 Shiho Hamano 千葉工業大学創造工学部教授。専攻は近代ヨーロッパ視覚文化史・周縁科学文化史。著書に『写真のボーダーランド』(青弓社)、訳書にタイラー・コーエン『創造的破壊』(作品社)など。
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マン・レイと女性たち
¥3,080
写真、オブジェから映画まで、領域を横断する「万能の芸術家」、マン・レイ(1890-1976)。その驚異の仕事を総覧。 [出版社より] 監 修|巖谷國士 出版社|平凡社 定 価|2,800円+税 判 型|A5判/上製 頁 数|272 ISBN|9784582207224 初 版|2021年07月 Contents 序にかえて マン・レイの女性像 An Introduction "Man Ray and the Women" 第1章 ニューヨーク New York 1890-1921 セルフポートレート ダダ時代の作品 第2章 パリ Paris 1921-1940 ダダ・シュルレアリスム シュルレアリストたちの肖像 ほか 第3章 ハリウッド Hollywood 1940-1951 ジュリエット・ブラウナー アートの新天地 第4章 パリふたたび Returning to Paris 1951-1976 アートのなかの女性像 新しいジュエリーとモード ほか
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ウィリアム・クライン/ダンス・ハプニング 1961年6月
¥4,950
SOLD OUT
ウィリアム・クラインの写真集『TOKYO』には、後に「舞踏家」と呼ばれるようになる土方巽、大野一雄、大野慶人の路上パフォーマンスを捉えた写真が 4 枚掲載されている。1961 年 6 月、東京の目黒、新橋、銀座で撮影されたカットは実に 600 枚を超えていた。 本書は、そのうちの 516 点を、当事者の証言と綿密に読み込んだコンタクトシートを元に、出来うる限りの精度で時系列に構成した他に類をみない写真集である。写真家の視線、舞踏の始り、60 年代初頭の東京など、舞踏史に残るその一日を、様々な角度からヴィヴィッドに追体験できる。坂内太、森下隆による舞踏についてのテキストも収録。 [出版社より] 編 集|NPO法人ダンスアーカイヴ構想・FILMS PARIS NEW YORK 出版社|かんた 定 価|4,500円+税 判 型|B5変型判・函入・日英対訳 頁 数|336 ISBN|978-4-902098-12-9 初 版|2021年04月 Author ウィリアム・クライン William Klein 1928 年ニューヨーク生まれ。ソルボンヌ大学で文学を修め、フェルナン・レジェに絵画を学ぶ。1952 年より写真技術を用いた実験的表現を模索し、56 年に刊行した初の写真集『ニューヨーク』でナダール賞を受賞。1961 年に来日して東京を撮影し、64 年に写真集 『TOKYO』を発表。従来のタブーを破った広角の構図、粗いテクスチャ、強烈なコントラスト、型破りなフレーミング等、続く世代に多大な影響を与えている。
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SAPEURS ファッションで道を切り拓く、サプールという生き方
¥3,850
SOLD OUT
粋で優雅なコンゴの「サプール」たちが帰ってきた! 「流行は廃れるが、スタイルは永遠である」 サプールの自由な自己表現が多くの人を魅了し、独特のファッション文化である「サップ」の精神に対する賛同の声は、いまや世界中に広がっています。以前は、伝統的に父から息子へ受け継がれる男性主流の文化であった「サップ」。しかし最近は「サプーズ」と呼ばれる女性のサプールが登場したり、「プチ・サップ」というサプール見習いの子どもたちまで現れたり、新しい動きが目立っています。 本書では、老若男女さまざまな「サップ」の精神をもつファッショニスタたち一人ひとりの年齢・職業など丁寧に紹介。ロンドンを拠点に活動する写真家タリーク・ザイディによる美しい写真が、彼らの存在をより力強く訴えかけます。彼らが身につけているアイテムを、余すところなく1点ずつ解説する点も、これまでにない、本書の大きな魅力のひとつ。謎のベールに包まれていた一人ひとりのサプールたちの素顔や背景に迫ることで、単に社会的な一大ブームには留まらない、彼らの生き様やシュプレヒコールが見えてきます。 [出版社より] 著 者|タリーク・ザイディ 出版社|青幻舎 定 価|3,500円+税 判 型|B5変型判・並製 頁 数|176 ISBN|978-4-86152-804-0 初 版|2021年01月 Author タリーク・ザイディ Tariq Zaidi ロンドンを拠点に活動するフリーランスの写真家。2014年1月、タリークは、人の尊厳、強さ、生き様といったものを、その人物が暮らす環境の中で捉えたいという強い想いに突き動かされ、会社の経営幹部という地位を捨ててカメラの道に進むことを決意した。これまで、主に発展途上にある国を中心に撮影を行ってきた彼の作品は、米国の「国際写真賞(POY)」、全米報道写真家協会(NPPA)「フォトジャーナリズム大賞」、ユニセフ「Photo of the Year(フォト・オブ・ザ・イヤー)」、「国際写真賞(IPA)」、「PDN Photo Annual(PDNフォト・アニュアル)」賞など、数々の名誉ある賞を受賞している。世界各地で起きている社会問題や不平等、また各地の伝統や存亡の危機にあるコミュニティの実状を記録することに焦点を当て、写真家としての活動を続けている。
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AIとカラー化した写真でよみがえる戦前・戦争
¥1,650
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戦前から戦後の貴重な白黒写真355枚を最新のAI技術と、当事者への取材や資料をもとに人の手で彩色。カラー化により当時の暮らしがふたたび息づく――。 [出版社より] 著 者|庭田杏珠・渡邉英徳 出版社|光文社[光文社新書] 定 価|1,500円+税 判 型|新書判/並製 頁 数|472 ISBN|9784334044817 初 版|2020年07月 Author 庭田 杏珠 Anju Niwata 2001年、広島県生まれ。東京大学に在学し「平和教育の教育空間」について、実践と研究を進める。2017年年、中島地区(現在の広島平和記念公園)に生家のあった濵井德三氏と出会い「記憶の解凍」の活動を開始。これまでに展覧会、映像制作、アプリ開発など、アートやテクノロジーを活かした戦争体験者の「想い・記憶」の継承に取り組む。国際平和映像祭(UFPFF)学生部門賞(2018年)、「国際理解・国際協力のための高校生の主張コンクール」外務大臣賞(2019年)などを受賞。 渡邉 英徳 Hidenori Watanabe 1974年、大分県生まれ。東京大学大学院情報学環教授。情報デザインとデジタルアーカイブによる記憶の継承のあり方について研究を進める。これまでに「ヒロシマ・アーカイブ」「ナガサキ・アーカイブ」などを制作。2016年より白黒写真のカラー化を始め、2017年より庭田と共同で「記憶の解凍」に取り組む。岩手日報社との共同研究成果「忘れない:震災犠牲者の行動記録」は日本新聞協会賞(2016年)を受賞。その他、文化庁メディア芸術祭、アルスエレクトロニカなどで入選・受賞。
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秘蔵カラー写真で味わう60年前の東京・日本
¥1,650
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ふつうモノクロでしか見ることのできない昭和30年代の日本を、カラー写真で記録していた人物がいた。アメリカ出身、日本と日本の鉄道をこよなく愛する元祖「カラー撮り鉄」、J・ウォーリー・ヒギンズ。駐留米軍軍属として来日後、国鉄の顧問に。日本全国をくまなく訪問し、趣味の鉄道写真を中心に、当時としては超贅沢なカラーフィルムで日本の風景を多数撮影してきた。 半世紀以上の歳月を経て、今なお色褪せない最上質のコダクロームの6000枚の中から、選りすぐりの382枚を、当時の思い出話とともに公開する。鉄道写真に写り込んだ、生活感あふれる風景ポートレートの数々には、東京五輪を前に激変する東京の様子や、今では失われてしまった懐かしい地方の町の風景、人々の様子が記録されている。 [出版社より] 著 者|J・ウォーリー・ヒギンズ 出版社|光文社[光文社新書] 定 価|1,500円+税 判 型|新書判/並製 頁 数|456 ISBN|9784334043759 初 版|2018年10月 Contents はじめに――自己紹介 【東京編】 山手線沿線 ◇コラム:東京の夜景/コラム:米軍のいる風景 中央線沿線 ◇コラム:東京タワー 地下鉄沿線 ◇コラム:新幹線のテストラン 私鉄沿線 ◇コラム:東京の子どもたち 東京東部・島部 ◇コラム:台風一過 【各地方編】 北海道 ◇コラム:布団・洗濯物のある風景 東北地方 ◇コラム:東日本の子どもたち 北陸地方 ◇コラム:漁師たち 関東地方 ◇コラム:農作業 中部・東海地方 ◇コラム:行楽(レジャー) 近畿地方 ◇コラム:電車を飾る「花電車」 中国地方 ◇コラム:西日本の子どもたち 四国地方 ◇コラム:集合写真 九州地方 【テーマ別写真集】 運ぶ/モノレール/危ない!/SL/働く人たち/ 面白い看板/危険な鉄橋/季節の行事 Author J・ウォーリー・ヒギンズ 1927年米国ニュージャージー州生まれ。コルゲート大学卒業、ミシガン大学で修士課程修了後、56年に初来日。58年に本格的に来日以降、日本に在住する。国鉄の顧問を務め、現在はJR東日本国際事業本部顧問。東京都在住。日本全国をくまなく巡り、当時貴重だったカラーフィルムで鉄道写真を撮り続ける。2007年度日本写真協会賞特別賞受賞。著書に『発掘カラー写真 昭和30年代鉄道原風景 路面電車編/東日本私鉄編/西日本私鉄編/国鉄編』『発掘カラー写真 昭和30年代乗物のある風景 東日本編/西日本編』『発掘カラー写真 昭和40年代鉄道風景 東日本編/西日本編』(以上、JTBパブリッシング)など多数。海外の鉄道写真も撮影し、日・米・英などで出版している。
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「写真の都」物語——名古屋写真運動史 1911-1972
¥4,180
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1920年代日本における絵画主義の時代様式を築き上げた日高長太郎と〈愛友写真倶楽部〉。1930年代後半の美術界を席巻したシュルレアリスム(超現実主義)やアブストラクト(抽象美術)の影響を受け、自らの精神を写真で表現しようと前衛写真を展開したフォト・アヴァンギャルディストたち―。名古屋では戦前からさまざまな写真家が、ときに写真団体を結成しながら、全国でも有数の優れた展開を成した。 戦後には、リアリズム運動と主観主義運動が鎬を削るように展開し、さらに1950年代に名古屋出身の写真家・東松照明によって〈中部学生写真連盟〉が組織されると、名古屋はやがて学生写真と学生運動の中核となる。その流れは全国に波及し、公害を告発するキャンペーン写真集『この地上にわれわれの国はない』や、戦争の傷跡をたどる『ヒロシマ・広島・hirou-simə』などの写真集として結実する。 本書では「写真の都」名古屋を中心に、写真表現の変遷を、複数の人々が出会い意気投合して生まれ出たもの、そして共通した目的と方向を共有した「運動体」として捉え、写真が社会的あるいは時代的要請にどのように応じたかを検証する。全国の高校生・大学生による、1960年代の激動の時代を活写する写真など、初公開資料も多数収録。資料としても貴重な一書。 [出版社より] 編著者|竹葉丈 出版社|国書刊行会 定 価|3,800円+税 判 型|B5判/上製 頁 数|291 ISBN|978-4-336-07198-9 初 版|2021年02月 Contents I 写真芸術のはじめ─日高長太郎と〈愛友写真倶楽部〉 日高長太郎 初期写真/山本五郎 初期写真/日高長太郎の完成作品(ゴム印画)とレタッチ/〈愛友写真俱楽部〉第一世代全盛期の作品/愛友写真俱楽部第1回展覧会『画集』/写真画集『白陽』/芸術写真研究雑誌『銀乃壺』 II モダン都市の位相─「新興写真」の台頭と実験 日常スナップ/光と影の構図/女を撮る/舞台写真/マチエールとモンタージュ/ディストーションとマニピュレーション III シュルレアリスムか、アブストラクトか―「前衛写真」の興隆と分裂 “ 半静物”─ 屋外で静物を組む/新即物主義の徹底/超現実主義写真集『メセム属』/〈レディ・メイド〉オブジェの発見/モンタージュ・シュルレアリスム/フォト・アブストラクト─抽象的造影と民家・民藝への接近 IV 客観と主観の交錯─戦後のリアリズムと主観主義写真の対抗 シュルレアリスムの復活─〈VIVI 社〉/主観主義写真─ モチーフを作り上げる/リアリズムの台頭 V 東松照明登場─リアリズムを超えて 記憶の肖像、廃墟の光景/占領─アメリカニゼーション/長崎─ 被爆・記録から肖像へ/投影─時代と都市の体温/太陽の鉛筆─沖縄 VI 〈中部学生写真連盟〉─集団と個人、写真を巡る青春の摸索 共同制作とサークル活動─写真集『足ぶみ飛行機』/『状況1965』という変節/『Young Eyes』という運動/集団撮影行動─ サークル活動の行き着く先/高校生の写真/運動から闘争へ/告発する写真─社会変革と歴史認識 * 写真集・写真雑誌書誌一覧 名古屋写真史年表 掲載作品リスト [ 掲載写真集・写真雑誌など(抜粋) ] ・『愛友画集』(愛友写真倶楽部) ・写真画集『銀乃壺』(高田皆義編集発行、銀の壺社) ・月刊写真雑誌『カメラマン』(カメラマン社) ・『スナップ写真の写し方』(紅村清彦著、アルス発行) ・機関誌『独立』(独立写真研究会発行) ・超現実主義写真集『メセム属』(下郷羊雄編著) ・VIVI社機関誌『CARNETE VIVI』(高田皆義発行) ・杉山茂太写真集『SUD』(杉山茂太) ・中部学生写真連盟 高校の部 機関誌『フォトオピニオン』 ・写真集『足ぶみ飛行機』(明治大学カメラクラブ) ・キャンペーン写真集『状況 1966』 ・キャンペーン写真集『10.21とはなにか』(「10・21とはなにか」を出版する会) ・キャンペーン写真集『69 11/13-17 佐ト訪米阻止斗争』(ふたたび10・21を出版する会) ・キャンペーン写真集『この地上にわれわれの国はない』(全日本学生写真連盟公害キャンペーン実行委員会) ・名電工写真部『大須』(名古屋電気工業高校写真部) ・高橋章写真集『断層―現代高校生の記録』(高橋章) ・写真集『三里塚 1』(三里塚写真の会) ・名古屋女子大学集団撮影行動写真集「郡上」オリジナル・プリント ・Sugiura Yoji 写真集『白亜の壁――高校生の記録』(杉浦幼治) ・全日本学生写真連盟『全日会報 Young Eyes』 ・写真集『ヒロシマ・広島・hirou-simə』(全日本学生写真連盟広島デー実行員会』) ほか Editor 竹葉 丈 Jo Takeba 1961年生まれ。名古屋市美術館学芸員。現代美術、写真( 史)に関する調査、展覧会企画に携わる。主な企画展覧会に、『名古屋のフォト・アヴァンギャルド』(1989 年)『異郷のモダニズムー淵上白陽と満洲写真作家協会』(1994年)『ジェームズ・タレルー夢のなかの光はどこからくるのか?』(1997年)『THE HISTORY OF JAPANESE PHOTOGRAPHY』(2003年、The Museum of Fine Arts, Houston, The Cleveland Museum of Art)『河口龍夫ー見えるものと見えないもの』(2007年)『写真家・東松照明全仕事』(2011年)、「異郷のモダニズムー満洲写真全史」(2017年)など。主な編著書に『日本の写真家6 淵上白陽と満洲写真作家協会』(共著、1998年、岩波書店)『コレクション日本シュールレアリスム3 シュールレアリスムの写真と批評』 (2001年、本の友社) など。2018 年、展覧会「異郷のモダニズム―満洲写真全史」ならびに同展図録出版(2017年、国書刊行会)により、日本写真協会学芸賞、第30回写真の会特別賞を受賞。
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ソール・ライターのすべて
¥2,750
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ソール・ライター財団全面協力 完全日本オリジナル作品集。 作品と言葉で紡ぐ、ソール・ライターの人生哲学と美意識。 映画「急がない人生で見つけた13のこと」で話題を呼んだソール・ライター。我々日本人を引きつけてやまない、人生観、情緒的表現、浮世絵の影響を感じされる構図、色彩など、その深遠なる魅力の謎に迫る。初期のストリートフォトから広告写真、プライベートヌード、ペインティングなど約200点とともに、アトリエ写真、愛用品などの資料も収録。 [出版社より] 著 者|ソール・ライター 寄 稿|柴田元幸、ソール・ライター財団 出版社|青幻舎 定 価|2,500円+税 判 型|A5判・並製 頁 数|312 ISBN|978-4-86152-616-9 初 版|2017年05月 Author ソール・ライター Saul Leiter 1923年、アメリカ、ビッツバーク生まれ。1940年代、絵画のようなカラー写真の先駆者として、また「ヴォーグ」「ハーパーズ・バザー」などの有名ファッション誌の表紙を飾ったソール・ライター。商業性が強く求められる80年代になると表舞台から姿を消してしまいました。2006年、ドイツのシュタイデル社から初の写真集が刊行されるや“巨匠の再発見”と熱狂的に受け入れられ、現在世界中で展覧会が開催、ドキュメント映画公開されるなど続く。2013年ニューヨークで死去。
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しゃにむに写真家
¥1,760
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「今の仕事をこのまま続けるつもりなの?」——妻の一言が僕の人生を変えた。 バングラデシュのレンガ工場や皮なめし工場の労働者、ふたり暮らしの老女と青年——〈働く人〉や〈生と死〉をテーマに撮影し、国内外で注目されている吉田亮人。しかし、もともと写真家を志していたわけではない。 妻の一言から教員という仕事を捨て、無謀にもこの道を選んだ。専門的に学んだことのない男が、右も左もわかないまま踏み出し、挫折し、傷つき、そして国際的に評価を受けるようになるまでの10年を振り返る。「働くとは何か」「生きるとは何か」について考えた渾身の一冊。 [出版社より] 「ろうそくの灯を手のひらに包むような読書。ことばにも、写真と同じように、吉田さんのなかの「人間の光」が、さやかに溢れだしている」 ——いしいしんじ 著 者|吉田亮人 出版社|亜紀書房 定 価|1,600円+税 判 型|四六判・並製 頁 数|304+写真16 ISBN|978-4-7505-1686-8 初 版|2021年02月 Contents プロローグ 1.写真家になる 始まり 選択 願い 約束 別れ 船出 振り出し インド行き 更紗 情けない人 銭がなけりゃ 鳥葬 厳しい人 持ち込み 初個展 弟 働くとは何か レンガ工場 はじめての賞 何も知らない 修業 再び 2.大切な出会い ただならぬ出会い——矢萩多聞さんのこと Brick Yard パリフォト 皮なめし工場 Tannery 行商人 退蔵院方丈襖絵プロジェクト——村林由貴さんのこと まだ見ぬ世界を求めて——近藤雄生さんのこと シプさんの言葉 代を継ぐ仕事——松林豊斎さんのこと 続けていく覚悟——堀部篤史さんのこと 写真を現場に返す 3.写真をおくる 老女と青年 悲しみ 向き合う 森 京都グラフィー 葬送 誕生 写真家になる エピローグ あとがき Author 吉田 亮人 Akihito Yoshida 1980年宮崎県生まれ。京都市在住。滋賀大学教育学部障害児学科卒業後、タイで日本語教師として1年間勤務。帰国後小学校教員として6年間勤務。2010年より写真家として活動開始。広告や雑誌を中心に活動しながら、作品制作を行い国内外で高く評価される。 写真集に『Brick Yard』『Tannery』(以上、私家版)、『The Absence of Two』(青幻舎、Editions Xavier Barral)などがある。日経ナショナルジオグラフィック写真賞2015・ピープル部門最優秀賞など受賞多数。 AKIHITO YOSHIDA
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映像の修辞学
¥968
イメージは意味の極限である。映像=イメージをめぐる3つのテクスト(2篇の論文と1篇のインタヴュー)が1冊に。広告写真からいくつもの記号を掬い上げ、イコン的なメッセージと言語的メッセージを丹念に読み取ってみせる「イメージの修辞学」。報道写真やグラビア写真などを取り上げ、フォトジェニックな構図・手法、テクストとの関係を記号学的に論じる「写真のメッセージ」。作品の意味が宙吊りになる魅力についてブニュエルの「皆殺しの天使」を引きながら闊達に語る「映画について」。イメージから記号を読み取る鮮やかな手つき、言葉の持つ官能性を存分に味わえるロラン・バルトの独壇場。 [出版社より] 著 者|ロラン・バルト 訳 者|蓮實重彦・杉本紀子 出版社|筑摩書房[ちくま学芸文庫] 定 価|880円+税 判 型|文庫版/並製 頁 数|176 ISBN|978-4-480-08936-5 刊 行|2005年09月 Contents イメージの修辞学―パンザーニの広告について 写真のメッセージ 映画について―「カイエ・デュ・シネマ」誌によるインタヴュー ロラン・バルトまたは複数化する断片(蓮實重彦) Author ロラン・バルト Roland Barthes 1915〜80年。記号のシステムとしてのテクスト分析により、それまでの批評言語を刷新し、現代思想にはかりしれない影響を与えたフランスの批評家。社会的神話学から出発し、記号学・テクスト性・モラリティの時代を経て、テクストの快楽の実践へと至った。交通事故により死去。 Translator 蓮實 重彦 Shigehiko Hasumi 1936年東京生まれ。60年東京大学仏文学科卒業。同大学大学院人文研究科仏文学専攻修了。65年パリ大学大学院より博士号取得。東京大学教養学部教授(表象文化論)、東京大学総長を歴任。東京大学名誉教授。仏文学にとどまらず、映画、現代思想、日本文学など多方面で精力的な評論活動を展開し続けている。著書に『表層批評宣言』『凡庸な芸術家の肖像』『映画の神話学』『シネマの記憶装置』『映画はいかにして死ぬか』『映画 誘惑のエクリチュール』『監督 小津安二郎〔増補決定版〕』『齟齬の誘惑』『映像の詩学』『『ボヴァリー夫人』論』『伯爵夫人』ほか多数。 杉本 紀子 Noriko Sugimoto 東京大学大学院博士課程修了。和光大学表現学部教授。専攻、フランス文化。
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パリ・左岸 深夜の客
¥3,960
ヘミングウェイも常連だった、モンパルナスにある創業1923年のカフェ・セレクト。1972年から撮り貯められたセレクトの四半世紀。 1972年から10年間をパリはモンパルナスに住んだ。帰国したあとも、年に3~4回はパリ通いを続けた。セレクトにはヘミングウェイなどのアメリカ人がよく通っていたという。死後に発表された『移動祝祭日』にはこう書かれている。 ――もしきみが幸運にも青年時代にパリに住んだとすれば、きみが残りの人生をどこで過そうともパリはきみについてまわる。なぜならパリは移動祝祭日だからだ。 70年代のカフェ・セレクトの夜は、モンパルナスの灯の華やかさが残る唯一の世界だった。大学教授や作家など眼光鋭い客たちから発散される恐ろしいほど濃密な空気がセレクトには満ちていた。撮る怖さと撮れた喜びの緊迫した日々が懐かしい。まだ余り豊かとはいえない日本から来た若い男が、毎夜カメラを膝の間に、爛熟したパリの夜の移ろいに呑み込まれまいと目ばかりギラギラさせていた(序文より)。 セレクトに出入りする客たちたちだけで構成される写真集。ヴィンテージ写真のような趣あるモノクロ写真は、1970年代のパリのカフェを記録した写真としても稀有なものだ。 [出版社より] 著 者|初沢克利 出版社|立案舎 定 価|3,600円+税 判 型|B5変形判/上製 頁 数|144 ISBN|978-4-909917-02-7 発 売|2020年12月 Contents 深夜の客 カフェ・セレクトと私 Author 初沢 克利 Katsutoshi Hatsuzawa 写真家。早稲田大学仏文学科中退。東京写真専門学院卒業。1972年渡仏。モンパルナスに居住。パリの写真を撮り始める。日本、フランスの雑誌、広告業界で活動する。モンパルナスにあるカフェ・セレクトで撮ったパリの人々の写真をもとにパリで個展を開催する。1983年に帰国。個展「モンパルナス、深夜の客」(富士フォトサロン)を開催する。個展「パリ 美し都の四半世紀」(三越恵比寿店、横浜ランドマーク、その他)を開催する。 写真集に『MONTPARNASSE』(シティ出版)、『美し都の四半世紀』(集英社)、『浅草 2011-2016 六区ブロードウェイ日本人の肖像』(春風社)、などがある。『フジ子・ヘミング 我が心のパリ』(阪急コミュニケーション)では写真を担当。
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過激派の時代/北井一夫写真集
¥3,520
1964-68年に過激派の学生運動を撮り続けた写真を北井自らがセレクトした集大成的な写真集。高精度デジタルリマスター版。 「1964年から68年の5年間、私は全学連と全共闘など過激派と呼ばれた学生たちの写真を、その中の一人として撮っていた」(本書より)。 当時、警察の追及を逃れて写真のネガフィルムとベタ焼きを隠し続け、72年まで半年ごとに住居を変えながら、B5判のスケッチブックに貼り付けたベタ焼きを残した。2018年に全共闘50周年を迎え、北井は汚れたスケッチブックを取り出し、全ページをスキャナーで複写して、デジタル印刷で鮮明に蘇らせた。英文併記。 [出版社より] 著 者|北井一夫 出版社|平凡社 定 価|3,200円+税 判 型|A5判/並製 頁 数|224 ISBN|9784582278330 初 版|2020年10月 Contents *「収録作品覚え書き」から抜粋 ・抵抗 1964 米原子力潜水艦寄港阻止デモ、基地の横須賀風景 詩・井上光晴 ・神戸港湾労働者 1965 神戸港の沖仲士 ・1965-1966 日韓会談反対・ベトナム反戦デモ、新橋~銀座~有楽町ジグザグデモ、椎名外相訪韓阻止羽田闘争、米大使館直近の特許庁前3万人座り込み ・10・8羽田闘争 1967 佐藤首相ベトナム訪問阻止羽田闘争 ・ベタ焼き:10・8羽田闘争 ・1967-1968 佐藤首相訪米阻止デモ、米原子力空母エンタープライズ佐世保寄港阻止デモ、米軍王子野戦病院開設阻止デモ、三里塚空港建設阻止デモ ・バリケード 1968 日大芸術学部バリケード解放区