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芝居小屋戦記 神戸三宮シアター・エートーの奇跡と軌跡
¥1,760
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その名の由来は1980年代の大阪芸大、劇団☆新感線と南河内万歳一座を生んだ伝説のプレハブ建屋「A棟」。支配人は大阪芸大OGにして千葉真一直系のアクション女優兼理事長夫人。こけら落としはつかこうへい「熱海殺人事件 売春捜査官」。小さいけれど設備は豪華。本物の檜舞台、宙づり演出可能な天井高、シャワー完備の広い楽屋、舞台と同じ広さの練習スタジオ、高級クルーザー用の椅子を使った観客席。路地裏50坪のコインパーキングを潰して生まれた奇跡の純民間劇場は、何人もの地元演劇人を正社員として雇用し、コロナ禍で劇場受難のこの時代に笑顔で立ち向かう。なぜそんなことが可能なのか? この劇場の芸術監督=読売文学賞受賞の脚本家が描く勇気の記録。 [出版社より] 著 者|菱田信也 出版社|苦楽堂 定 価|1,600円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|240 ISBN|9784908087110 初 版|2020年04月 Contents はじめに 第1章 可能性のない街で──「自前で劇場を建てて、それを運営していくんです」 東京から地元に戻った日 奇跡を呼ぶ白フンドシ──「そんな話、この世にあるか」 提案書という名の陳情書 第2章 劇場のハードウエア──ほんものの檜舞台のつくり方 シャワー完備のありえない楽屋 50坪弱の狭小地を活かす 天井をなぜここまで高くしたのか 客席は客船のように 機材のことなど何もわからなかった 専門外のコーディネーター やらなくていいことまでやっています 第3章 劇場のソフトウエア──自主興行とおカネの話 貸館で稼ぐだけで楽しいか? 立ち上げ時に4本の自主プロデュース興行 炎上コメディから落語会まで そして村上事務長、ドローン講師になる 公営ハコモノのエラそうな人々 実際のおカネで見る「芝居のバランスシート」 利用者を「もてなす」劇場でありたい はじめてオーナーに訊いてみる 人生の博打を打つ人 「朝日ホールを売ってくれ」 年間経費2400万円 みんな「どうしたらいいんですか」って訊いてくる ファミリーがすこやかに過ごすために 第4章 劇場のトラブルシュート──毎日何かの事件は起きる ほうきとチリトリ──スタッフの雇い方 少人数熱中症寸前行列整理 遭難続出の駅前ダンジョン 演劇人よりフリーダムな方々 「落語は自分の好きな場所で観るもんや」 ナグリ事件──善意が裏目に出る時 砂漠に水を撒く 本番直前の中止命令──少女たちが教えてくれたこと 第5章 目の前の可能性──「もしかしたら自分もここで」 父たちの街への嫉妬 神戸の不動産屋さんに訊いてみる 東急ハンズと山に歩いて行ける街 今、家賃がめちゃ安くなってる 神戸は「騒ぎ」が起こらない 変なもんは路地にしかない! 雑居ビルオーナー(の息子さん)に訊いてみる 頑張るの嫌なんですよ 作為じゃなく、目の前の何かを おわりに 関連年表 索引 Author 菱田 信也 Shinya Hishida 1966(昭和41)年、神戸市生まれ。劇作家・脚本家・演出家。神戸三宮シアター・エートー芸術監督。劇場付属劇団「hishidas」「Jr.ミュージカル劇団 ミュージェルKobe」主宰。よしもとライターズアカデミーウエスト総合学科長。主なテレビドラマ脚本作品に「再生の町」(NHK、2009)、「ジウ~警視庁特殊班捜査係」(誉田哲也原作、テレビ朝日、2011)ほか。2001(平成13)年、戯曲『いつも煙が目にしみる』で第1回近松門左衛門賞優秀賞受賞。2006(平成18)年、戯曲『パウダア~おしろい~』で、第57回読売文学賞(戯曲シナリオ部門)受賞。2019(令和元)年、神戸市文化奨励賞受賞。著作に『再生の町』(TAC出版、2010)、『震災脚本家 菱田シンヤ』(エピック、2015)。
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海の本屋のはなし 海文堂書店の記憶と記録
¥2,090
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2013年9月、99年の歴史を閉じた神戸の海文堂書店。あの店は、なぜ多くの人びとに愛されたのか。店員たちはなぜ、本の話よりも、棚の話よりも「お客さまとの思い出」を語ったのか。最後の店員が綴る本屋と街の物語。ここには「本屋にしかできないこと」が書かれている。99年間の子細な年表、海文堂書店歴代PR紙誌表紙、1980年代から閉店までの写真、「海文堂書店絵図」ほか貴重な資料も収録。 [出版社より] 著 者|平野義昌 出版社|苦楽堂 定 価|1,900円+税 判 型|四六判/上製 頁 数|288 ISBN|978-4-908087-01-1 初 版|2015年07月 Contents はじめに 第1章 港町 創業 『海事大辞書』 賀集一進堂 幻の店舗 「われわれはよい書籍を出版しよう」 早すぎた死 第2章 画廊と書店誌 本を仕入れ値で売る 新店舗オープン まちづくり 手術 2つの文化基金 奇蹟の画家 戦後民主主義 静かなる番頭 書店フリーペーパーの原形 深さより広さ 第3章 阪神淡路大震災 1月17日 「私たちの街だから」 アート・エイド・神戸 「本屋のおやじのぶんざいで」 文化論 ダメージ 第4章 最後の店長 退任 不安だらけのなかで 「50で死ぬ」 古本を売る 元町古書波止場 古本の人びと 作家たち 隣人と雑誌をつくる 『海会』と『ほんまに』 この街の人たちと 第5章 仲間たち 海事書と後藤正照 外商、教科書販売と早川明 レジと石川典子 中央カウンターと吉井幸子 文庫と樋口淑子 文芸、新書と熊木泰子 実用書、旅行書と柿本優子 学参、資格書と笹井恭 雑誌、芸能書と北村知之 児童書と田中智美 アルバイト・黒木達也 人文と平野義昌 書店誌の血脈 明日本会 「激励の言葉より本を売る!」 第6章 閉店まで 「通告」 その日までの日記 9月30日 月曜 挨拶状 「誰もいない海」 残務処理 失業生活 店のない100年目 創業の日に ちょっと長いおわりに 年表 海文堂書店のあゆみ 索引 人名/書店・古書店・書店関連団体名/書籍・雑誌・新聞名/出版社・出版関連団体名/組織・団体名(出版業界以外) Author 平野 義昌 Yoshimasa Hirano 1953年神戸市生まれ。関西学院大学卒業。コーベブックス、化粧品販売会社、三宮ブックスを経て、海文堂書店入社。同店閉店まで勤務。著書に「本屋の眼」がある。
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続・次の本へ
¥1,650
もう1冊読めるようになる51の方法、ご案内。全国100を超える高校図書館からご注文をいただいた読み方案内エッセイ集のロングセラー、第二弾登場。今回もすべて書き下ろしです。「あなたに合った次の本」を見つける手がかりに、この本をお使いください。(装画はヨシタケシンスケさんです) [出版社より] 編 者|苦楽堂 出版社|苦楽堂 定 価|1,500円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|240 ISBN|978-4-908087-02-8 初 版|2015年12月 Contents ・『理科系の作文技術』から『血涙十番勝負』へ 「知的創造」の本を読み漁り、引用されていた作家の文に惹かれた(天野雄之) ・『ダーウィン以来』から『生き物たちは3/4が好き』へ 二冊の本の間に積み上げられ、豊かになっていくもの(池内了) ・「汲む」(『ポケット詩集』)から『イワン・デニーソヴィチの一日』へ 私にとって“似た匂い”がするから二冊はおなじカテゴリー(石毛弓) ・『自分に気づく心理学』から『モダニティと自己アイデンティティ』へ 「自分探しをする自分」を変えた、先輩からの文献リスト(石田光規) ・『神話の力』からスティーヴン・キングの著作群へ この一冊でもう十分だと思っていたら(冲方丁) ・『星の王子さま』から『般若心経講義』へ 「読んでみようかな」そう言った父の葬儀の席で(浦野光人) ・『働く大人の教養課程』から『コミュニケイションのレッスン』へ 学生と一緒に仕事をしたから、その本が目に入った(大泉大介) ・『共産党宣言』から『ドラマと方言の新しい関係』へ 文庫をもっと買いたくて(大友俊) ・『水木しげるのラバウル戦記』から『ゲゲゲの女房』へ 旅に始まり、ドラマでつながる(岡本真) ・『世界史概観』から『人文地理学原理』へ そして私は世界を見に行くようになった(賀川浩) 〔ほか〕
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スリップの技法
¥1,833
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書店という現場の可能性を再発見する書。お客様の無意識を読み解き、仮説を立て、仕入れ、店の売上を伸ばす。その起点となる「スリップの読み方」を113枚の実例を素に具体的に解説。 「「スリップの技法」は、書店員が今よりも楽しく自信を持って仕事を続け、売れる品揃えを作るための実践的な方法です。売れた書籍のスリップを集めた束は、売れ冊数や売上金額といった抽象的な数字に化ける前の具体的な「売れたという事実」を、個別に、かつ大量に扱いながら考えるための優れた道具です」 ——「まえがき」より 「書店の棚づくりの発想法」を知りたい「本好き」読者も必読の書。 [出版社より] 著 者|久禮亮太 出版社|苦楽堂 定 価|1,666円+税 判 型|四六判 頁 数|248 ISBN |9784908087073 初 版|2017年10月 Contents スリップの技法 目次 まえがき 第1章 入門……僕はどうやってスリップに出合ったか 初体験 帰りの電車内で読む 「チンタラ仕事」を見直すきっかけ 新人に教える仕組みは スリップとはそもそも何か 役割は終わった? 第2章 基礎……書店員24時「いつ、どこでスリップに触る」 起きてから店に着くまで 開店前 「雑誌スリップ」の使い方 「必備スリップ」の機能 正午のレジでスリップを見る 休憩時間にしていること なぜ店内を「回る」のか 15分間の新刊講評 遅番にしてもらうこと 発注作業 家に帰るまでの間に 書店員の休日 第3章 実戦……スリップ60セット113枚にメモを書く A 備忘のために 発注して併売/寄せすぎ注意/冊数はあとで判断/何か買わずには帰れない/1冊補充では不充分/検索は2つの単語で/「盛りつける」陳列に既刊を使う/平積みに「格上げ」する前に/パパと子どものコーナーをつくる/紙の実用書だからできること/置かれた場所で咲かなくなっても/決めてかかるな/悔しい判断/棚から3回の20刷/コロコロを大人に売る/1冊で何度もおいしい/技法書の「階段」を作る/BL出身を掘る/男女両方に/どう売ればもっと伸びる? B 業務連絡 あえて外野から口出し/児童書担当に促す/後輩に事例を示す/まだ追加してないの?/すぐ棚に挿さないで/日付あったほうがいいよ/動線、再考してみて/すぐに追加発注して/コミックスだからできること/文庫平積みのアイディア/似た文庫があったはず/これは仕掛けに向いてるよ/既刊を積んではどうか/うっかり積むと/強気で売り伸ばして/この世界を平台に C 連想の引き金 「わからないが面白い本」の積み方/堅苦しくしないために/隣に何を?/別格/並んでいてもおかしくない/エロとラブをレジに/サビと小屋/大風呂敷/文庫売場の面白さ/「日本」の売り方/実験に向く平台/ヒット作から線を延ばす/勘違い/著者のしてきたことを知る/メイン平台の自由/いただきます D 読者像を描き出す ミスターMBA/チョイスピのお客様/骨太リベラルさん/ロマンスお姉さま/外資系ヤング・リーダー/棚のお客様のために/ワーキングカップル/おばあちゃんに 第4章 応用……POSとの連携 POSは「なぜ」便利なのか ①書目ごとの売上数を調べる ②毎日の新刊を漏らさずチェックする ③他店のジャンル別売上一覧 ④自店の売上金額やその内容を、時期ごとに比較する 「昨対プラス10万円」の作り方 ⑤スリップから得た仮説の検証 ⑥スリップで気になったキーワードから既刊を掘り出す 他に使ったほうがいい電子情報 あとがき 索引 Author 久禮 亮太 Kure Ryota 1975年、高知県生まれ。早稲田大学法学部中退。97年、あゆみBOOKS早稲田店にアルバイト勤務。三省堂書店八王子店に契約社員として勤務したのち、2003年よりあゆみBOOKS五反田店に正社員として勤務。2010年より同社小石川店店長。14年退職。15年、「久禮書店」の屋号でフリーランス書店員として独立。神樂坂モノガタリ(東京都新宿区)などで選書、書店業務一般を行うほか、長崎書店(熊本市)などで書店員研修も担当。2018年9月、東京・小石川に開店した「Pabbles Books」店長就任。
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まっ直ぐに本を売る ラディカルな出版「直取引」の方法
¥1,980
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「いつか小さな出版社を立ち上げようと考えている人。すでに小さな出版社を興す準備をしている人。これらを、漠然と思い描いている人。本書は、そうした人たちに向けて書いたものである。新刊書籍を扱う書店を開きたい人、すでに出版業や書店業に携わっていて、流通・販売の現状に課題があると考える人にも参考にしてほしい。近年、「出版不況」という言葉が盛んに流布されている。それでも、本をつくる人、本を売る人が、世の中からいなくなる気配はない。その情熱を下支えする「方法」を伝える。これが、本書の目標だ。」(「はじめに」より) 受注から梱包、出荷、精算、書店と交わす覚書まで、これ以上ないほど具体的に描写&解剖された「トランスビュー方式」の実際。直取引、取引代行にかかる作業と費用も1円単位ですべて記載。トランスビュー・工藤秀之、取引代行参加出版社、注文出荷制参加出版社、直で仕入れる書店(誠光社、本は人生のおやつです!!、NET21)、取次、取次ルート系出版社ほかへの緻密なロングインタビュー。直取引(トランスビュー方式)を長く追い続けた著者による渾身のノンフィクション。本書が契機となって生まれた出版社は少なくない。本書の「ラディカル」を象徴する装画は、eastern youth のアートワークで熱烈なファンを持つ吉野有里子の描き下ろし。 [出版社より] 著 者|石橋毅史 出版社|苦楽堂 定 価|1,800円+税 判 型|四六判 頁 数|240 ISBN|9784908087042 初 版|2016年06月 Contents はじめに 第一章 本は、なぜ売れないのか 僕は出版社の営業マンだった 無駄な仕入れ わかりやすい俯瞰 第二章 「直取引」とは何か 「みんな」がやっていけるシステム 「では、自分で売ります」 第三章 「トランスビュー方式」 方法は自分で決める 即日、希望どおりの数で出荷 三原則 第四章 実務とコスト 「誰にでもできる」を実際に見る 書店の自主的な発注を待つ 輸送コストと返品率 第五章 取引代行 業績を見る 最初の参加者 やろうとしない大勢 費用のすべて 第六章 注文出荷制 共同ダイレクトメール 取次ルート出版社側からの観察 安い本でもやっていけるか 「いや、私はできると思います」 第七章 書店にとっての「直」 アマゾンとの付き合い方 本は人生のおやつです!! ──出版社に願うこと 誠光社──彼に似ている男 NET21──宣言から一年 「面倒だ」であきらめない人が おわりに 索引 Author 石橋 毅史 Takefumi Ishibashi フリーランスライター。1970年、東京生まれ。日本大学芸術学部卒業後、出版社勤務を経て98年に新文化通信社入社。出版業界紙「新文化」記者を務める。2005年、同紙編集長就任。09年12月退社。10年よりフリーランス。著書に『「本屋」は死なない』(新潮社/2011年刊)、『口笛を吹きながら本を売る 柴田信、最終授業』(晶文社/2015年刊)、『本屋な日々 青春篇』(トランスビュー/2018年)、『本屋がアジアをつなぐ 自由を支える者たち』(ころから/2019年刊)。