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ダイアローグ
¥1,980
SOLD OUT
「私が後世に残したいと思っているのは、なによりもメインストリームを変えるロジックなんです」 自身のブランド、オフ‐ホワイトでストリートウェアとハイファッションを融合。ナイキやイケアとの斬新なコラボレーション。ルイ・ヴィトン初の黒人デザイナー就任――ハイとロー、観光客(ツーリスト)と純粋主義者(ピュリスト)のあいだを軽やかに往復し、ヴァージル・アブローは創造の可能性をどこまでも探求しつづけた。 本書は、2021年11月に41歳で急逝した彼が遺した2016年から21年までの主要な対話9本を、日本オリジナル編集で翻訳。ヴァージルのアイデア、仕事、思想、生きかたが、あますところなく語られる。回顧展”Figures of Speech”カタログでのレム・コールハースとの対話や『新潮』2022年3月号で紹介された最後のロングインタビューも収録した、『“複雑なタイトルをここに”』の姉妹編。 「ヴァージルにとっての対話とは、彼が得意とした『コラボレーション』の一形式だったとも言えるかもしれない(…)この対話集にも、ヴァージルが後世に残そうとした思想や方法論の断片が散らばっている。読者のみなさんが本書をそれぞれ読み解き、思考や創作のツールとして使ってくだされば幸いである」(「訳者あとがき」より) [出版社より] 「彼の発言はすべて引用に値する」――フランク・オーシャン 「真の天才クリエイター」――BTS 「預言者がまたひとり早逝してしまった」――パティ・スミス 著 者|ヴァージル・アブロー 訳 者|平岩壮悟 出版社|アダチプレス 定 価|1,800円+税 判 型|A5変型判・並製 頁 数|200 ISBN|978-4-908251-10-8 初版|2022年07月 Author ヴァージル・アブロー Virgil Abloh 1980年9月30日、ガーナ移民の両親のもとシカゴ近郊のロックフォードで生まれる。ウィスコンシン大学マディソン校で土木工学を、イリノイ工科大学大学院の修士課程で建築を学んだのち、カニエ・ウェストとの仕事を経て、2012年に自身のプロジェクト「Pyrex Vision」を発表。2014年にはファッションブランド「Off-White c/o Virgil Abloh™」を設立。自身のブランドと並行して、ナイキやイケアとのコラボレーションなど数々の作品を生み出す。2018年、ルイ・ヴィトンのメンズ・アーティスティック・ディレクターに就任。2019年、シカゴ現代美術館で回顧展「Virgil Abloh: “Figures of Speech”」を開催し、同名の書籍を刊行。2020年、アメリカの黒人学生の教育を支援する財団「Virgil Abloh™ “Post-Modern” Scholarship Fund」を設立。2021年11月28日、心臓血管肉腫のため41歳で急逝。ヴァージルのレガシーを継承・発展させることを目的として生前に設立されたVirgil Abloh SecuritiesのCEOに、2022年、妻のShannon Abloh(シャノン・アブロー)が就任。 Translator 平岩 壮悟 Sogo Hiraiwa 1990年、岐阜県高山市生まれ。『i-D Japan』編集部に在籍したのち独立。フリーランス編集/ライターとして文芸誌、カルチャー誌、ファッション誌に寄稿するほか、オクテイヴィア・E・バトラー『血を分けた子ども』(藤井光訳、河出書房新社)をはじめとした書籍の企画・編集に携わる。本書が初めての翻訳書となる。
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vanitas No.007 ファッションとジェンダー
¥1,980
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昨今、アカデミズムのみならず社会全体において「ジェンダー」に関するトピックがさまざまに議論されています。いわゆるジェンダー論やフェミニズムに加え、クィア・スタディーズや男性学といった学問分野が人口に膾炙しはじめているといえるでしょう。言うまでもなく、ジェンダーの問題にはファッションも大きく関わっています。たとえば、私たちが他者のジェンダーを判別するとき、その根拠の多くはファッションにまつわるもの—髪型やメイクも含めて—です。前を歩いている人がスカートをはいていれば、その人を「女性」だと認識する場合が多いでしょう(それが適切かどうかは別として)。 スカートが女性というジェンダーに結びつけられている、というのは言わずもがなです。歴史を振り返らずとも、スカートの構造を知らずとも、子どもですらそう思い込んでいます。しかしながら、スカート(=衣服)が私たちにとってどのような意味を持つのか、換言すれば「人はなぜ衣服を着るのか」という問いの答えは、ジェンダー論やフェミニズムの議論だけを追っていても考えることができません。それゆえ、ファッション研究の側からもジェンダー論にアプローチする必要があるのです。そうしなければジェンダー論は進展しないと言っても過言ではありません。 とはいえ、今号の特集のみでファッションとジェンダーのあらゆる側面を網羅することはできないので、いくつかの視点を提供できればと考えています。具体的に言えば、これまでの号でもずっと通奏低音として響いているテクノロジー、衣服と切り離すことのできない身体、世の中に商品として流通する衣服を制作するファッションデザインという行為など、いくつかのトピックとからめながらジェンダーについて考察するための契機が散りばめられています。 制作にあたってテクノロジーを取り入れ、かつその作品にジェンダーの問題が見え隠れする(ように思われる)HATRAの長見佳祐氏へのインタビュー、スペキュラティヴ・デザインやデザイン・フィクションの手法によって身体やジェンダーの問題を可視化させるデザイナー/アーティストの長谷川愛氏へのインタビュー、ファッションとテクノロジーを架橋するクリエイティブ・コンサルタントの市川渚氏とヴァーチャルリアリティやウェアラブルテクノロジーといったテーマを扱う身体情報学の研究者・檜山敦氏との対談、シェットランド諸島のニットウェアのガンジーの生産者が女性であることに着目する原山都和丹氏の論文、映画『エクス・マキナ』からサイボーグと女性性について分析する増野朱菜氏のエッセイを掲載し、さらにジェンダーをテーマとする展覧会や書籍の紹介を行いました。そのほか、特別に掲載許可をいただいたアネケ・スメリク氏のイリス・ファン・ヘルペン論に加え、難波優輝氏、増永菜生氏、小田昇平氏、工藤源也氏の公募論文も力作揃いです。 本誌を通じて、読者のみなさんがこれからの社会をよりよく生きるための手がかりを見つけられることを期待します。 [編集部より] 責任編集|蘆田裕史+水野大二郎 出版社|アダチプレス 定 価|1,800円+税 判 型|四六変型判・並製 頁 数|192 ISBN|978-4-908251-14-6 初 版|2021年07月 Contents [ interview ] ・長見佳祐(HATRA) ・長谷川愛 ・市川渚+檜山敦 [ paper ] ・原山都和丹「手編みのユニフォーム―シェットランドのガンジー」 ・アネケ・スメリク「フラクタルの襞―イリス・ヴァン・ヘルペンのファッションデザインへの新しい唯物論からのアプローチ」 ・難波優輝「身体のないおしゃれ―バーチャルな『自己表現』の可能性とジェンダーをまとう倫理」(公募) ・増永菜生「『イタリアらしさ』が生まれるとき―2010年代後半のドルチェ&ガッバーナのショーを例に(公募) ・小田昇平「転移をうみだすアクセサリ―ジンメル、ラカン、バルト、メゾン・マルタン・マルジェラのアクセサリをめぐって」(公募) ・工藤源也「フセイン・チャラヤンのファッション・デザインにおける身体の相補的関係―モビリティの発達と私たちの身体のゆくえ」(公募) [ international perspective ] 展覧会紹介 ・A Queer History of Fashion: From the Closet to the Catwalk (クィアなファッションの歴史:クローゼットからキャットウォークまで) ・Manus x Machina: Fashion in an Age of Technology (手仕事と機械:テクノロジーの時代におけるファッション) ・Pink: The History of a Punk, Pretty, Powerful Color (ピンク:パンクで、かわいくて、力強い色の歴史) ・Re: framing Gender (ジェンダーを捉え直す) 書籍紹介 ・Aesthetic Labour: Rethinking Beauty Politics in Neoliberalism (美的労働:ネオリベラリズムにおける美のポリティクスを再考する) ・On the Politics of Ugliness (醜の政治学) ・Appearance and Identity: Fashioning the Body in Postmodernity (外見とアイデンティティ:ポストモダニティにおける身体の形成) ・Fashion and Its Social Agendas: Class, Gender, and Identity in Clothing (ファッションとその社会的指針:衣服における階級、ジェンダー、アイデンティティ) [ critical essay ] ・増野朱菜「サイボーグはウェディング・ドレスの夢を見るか?——サイエンス・フィクションがサイボーグに女性性を与えるとき」 afterword
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ミルクとはちみつ
¥1,540
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「これは詩によって 生き抜いた旅 これは21年にわたる 血と汗と涙 これはあなたの手の中にある 私の心 これは 傷つけること 愛すること 壊れること 癒やすこと」 ——本書より 父や恋人との苦い経験の先に見つけた、甘くて大切なもの――。愛、喪失、トラウマ、虐待、癒し、そして女性であることの意味を正直な言葉で描き、20代の女性を中心に深い共感を呼ぶ、若き作家によるデビュー詩集。その作品は「すべての女性が読むべき詩人」(ハフポスト)、「同世代の声」(USAトゥデイ)と評されている。「ニューヨーク・タイムズ」のベストセラーリストで1位を獲得し100万部を突破、30ヶ国語に翻訳されている。 [出版社より] 著 者|ルピ・クーア 訳 者|野中モモ 出版社|アダチプレス 原 書|milk and honey 定 価|1,400円+税 判 型|四六変型判/並製 頁 数|208 ISBN|978-4-908251-07-8 初 版|2017年11月 Contents 傷つくこと 愛すること 壊れること 癒やすこと Author ルピ・クーア Rupi Kaur 作家、イラストレーター。5歳のときに母から「あなたの心を描き出しなさい」と絵筆を手渡され、描くことをはじめる。それ以来、彼女にとって自分の人生は芸術的な旅路を歩むことと等しいものになった。修辞学の学位を取得したのち、2014年に第1詩集『milk and honey』(本書)を出版。国際的な評価を受けるとともに、「ニューヨーク・タイムズ」ベストセラーリストの1位を獲得。1年以上にわたってリスト入りを続け、ミリオンセラーとなる。本書は30ヶ国語に翻訳されている。2017年に第2詩集『the sun and her flowers』を刊行。 Translator 野中 モモ Momo Nonaka ライター、翻訳家。著書『デヴィッド・ボウイ 変幻するカルト・スター』(筑摩書房)。訳書にクリスティン・マッコーネル『いかさまお菓子の本 淑女の悪趣味スイーツレシピ』(国書刊行会)、ロクサーヌ・ゲイ『バッド・フェミニスト』(亜紀書房)、キム・ゴードン『GIRL IN A BAND キム・ゴードン自伝』(DU BOOKS)など。
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エレンの日記
¥2,640
「私は恋に落ちるといつも、その人と何かをつくりたいという欲望にかられる」 ——本書より インディ・カルチャーの発火点となったフランスの雑誌『Purple』の創刊編集長、エレン・フライスによる初の単著がついに刊行! ファッション・映画・文学への情熱、アーティストや作家たちとの交流、東京やブラジルなど世界各地への旅、友人・恋人との出会いと別れ、新しい個人誌『Hélène』『The Purple Journal』の立ち上げ――薄っぺらな流行や商業主義を拒否しながら、自らの感受性を信じ、常に〈美しさ〉を追い求める孤高の編集者エレンが綴った、珠玉の日記エッセイ38篇。 イントロダクションでは、訳者・林央子が1990年代~2000年代初頭の文化的背景とともにエレンの仕事の意義と今日性を紹介。著者撮影の写真150点を収録(カラー16ページ)。 2001年から2005年にかけてファッション誌『流行通信』で連載された「Elein’s Diary」の単行本化。 「本を開いたあとは、少し違う自分になったと感じていたい。私なのだけれど、今までとは違う私になって、世界を新しい目で眺めたいのだ」 ——本書より [出版社より] 著 者|エレン・フレイス 訳 者|林央子 出版社|アダチプレス 定 価|2,400円+税 判 型|A5判・並製 頁 数|208 ISBN|978-4-908251-12-2 初版|2020年2月 Contents イントロダクション(林央子) 南部の春 リオ/シナリオ 私の四つのお気に入り こんなにも違う フレンチ・ラブ・ストーリー ファッション撮影 ちょっと変わったクリスマス ベルギーへ行った理由 フィフティーン・ラヴ ニュースがいっぱい アルメニアに行くまで アルメニアへ行った理由 なぜ新聞を始めるのか 私とパリ ニューヨークの九月 一〇年間、一〇の記憶 リタとリジーの訪問 バック・トゥ・ブラジル 新たな人生 東京の幸せ、長崎の悲しみ 即興 ブリュッセル、ボリス、等々 夏日記 ペトロポリスに行きたかった理由 ホテルの部屋から見た香港 ポーランド、『Purple』、等々 新生『Purple』のこと マドリードへの旅 ファッションウィーク 四月三〇日、金曜日 台北での日々 クミコ 八月のパリ ロシア文学 ヴェネツィアの夢 ミラノ日記 『The Purple Journal』の印刷 ブダペストからベオグラードへ 最後のひとつ あとがき Author エレン・フライス Elein Fleiss 1968年、フランス生まれ。1992年から2000年代初頭にかけて、インディペンデントな編集方針によるファッション・カルチャー誌『Purple』を刊行。その後も個人的な視点にもとづくジャーナリズム誌『Hélène』『The Purple Journal』を手掛ける。また、1994年の「L’Hiver de l’amour」をはじめ世界各国の美術館で展覧会を企画。現在はフランス南西部の町サン・タントナン・ノーブル・ヴァルで娘と暮らしながら、写真家としても活躍している。編著に『Les Chroniques Purple』(VACANT、2014年)。 Translator 林央子 Nakako Hayashi 1966年生まれ。1988年から2001年まで資生堂『花椿』編集部に所属、その後フリーランスに。2002年、同時代を生きるアーティストとの対話から紡ぎ出す個人雑誌『here and there』を創刊。2011年に刊行した『拡張するファッション』(スペースシャワーネットワーク)では国内外のアーティストの仕事を紹介、2014年にはグループ展「拡張するファッション」へと発展し、水戸芸術館現代美術センターと丸亀市猪熊弦一郎現代美術館を巡回した。東京都写真美術館での展覧会「写真とファッション」(2020年)を監修。
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わたしの服の見つけかた クレア・マッカーデルのファッション哲学
¥1,980
SOLD OUT
1940~50年代に活躍、機能性と美しさが両立した既製服を手がけ「アメリカンルック」の創始者と呼ばれる伝説的ファッションデザイナー、クレア・マッカーデル(1905-1958)。彼女自身の豊かな経験にもとづき、服をめぐるあらゆる疑問をていねいに解き明かす本書(1956年刊)は、「おしゃれ入門」の古典にして、バイブルともいうべき一冊。女性が心から服を楽しむための永遠の知恵と、いまこそ必要なヒントを日本初紹介。写真・イラスト多数。 [出版社より] 原 書|What Shall I Wear?: The What, Where, When and How Much of Fashion 著 者|クレア・マッカーデル 訳 者|矢田明美子 出版社|アダチプレス 定 価|1,800円+税 判 型|四六判 頁 数|288 ISBN|978-4-908251-09-2 初版|2018年11月 Contents 第1章 ファッションとは? 第2章 自分のファッションを作り上げましょう 第3章 小さなアクセサリーのコレクション 第4章 ベーシックなコートは買わないで 第5章 「ジョーンズ夫人」を、あなたのフォロワーにしよう 第6章 それはドレスのせいですか? 第7章 ファッショントレンドはどこからやってくるのか? 第8章 ドレスに負けない 第9章 ドレスアップとドレスダウン 第10章 服の作法 第11章 本当のスポーツウェア――誰にも気づかれないように 第12章 誇れる旅行 第13章 「前髪で眉毛を隠す人」 第14章 「マッカーデルさんへ。娘がこんな服を着るといって聞かないのですが……」 第15章 ファッションに最終章はありません マッカーデリズム クレア・マッカーデル年譜 解説 訳者あとがき Author クレア・マッカーデル Claire McCardell アメリカのファッションデザイナー。1940~50年代に活躍。同時代の女性の生活に即し、機能性と美しさが両立した既製服を手がけて「アメリカンルック」の創始者と呼ばれる。展覧会に「Three Women: Madeleine Vionnet, Claire McCardell, and Rei Kawakubo」(三人の女性――マドレーヌ・ヴィオネ、クレア・マッカーデル、川久保玲)、評伝に『Claire McCardell: Redifining Modernism』(クレア・マッカーデル――モダニズムの再定義、未訳)など。 Translator 矢田明美子 Yumiko Yata ライター、編集者。ニューヨーク州立ファッション工科大学大学院にて服飾博物館学を専攻。メトロポリタン美術館コスチューム・インスティチュートにてインターン、京都服飾文化研究財団、出版社勤務を経て、フリーランス。著書に『リトル・ブラック・ドレス』(二見書房)など。ローマ在住。 Commentator 蘆田裕史 Hiroshi Ashida ファッション論、服飾史研究。京都精華大学ポピュラーカルチャー学部専任講師。著書に『ファッションは語りはじめた』(共著、フィルムアート社)などがある。ファッションの批評誌『vanitas』(アダチプレス)編集委員、本と服の店「コトバトフク」の運営メンバーも務める。
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“複雑なタイトルをここに”
¥1,760
ファッション・レーベルOff-Whiteを率い、ルイ・ヴィトンのメンズ・アーティスティック・ディレクターを務めるヴァージル・アブローが、ハーバード大学デザイン大学院で行なった特別講義の記録。 “僕のDNAとは?” 満員のハーバード大学デザイン大学院の講堂でヴァージル・アブローは問う。アブローは“チートコード”――学生時代の自分が知っていたらどんなによかっただろうと思うアドバイス――を聴衆に紹介する。そして、“独自のデザイン言語”を培うための“ショートカット”を次々に示していく。建築家とエンジニアのルーツを持つアブローは、学生時代に築いたツールやテクニックをファッション、プロダクトデザイン、音楽の言語へと変換させてきた。 彼のブランドOff-Whiteは、ストリートウェアとクチュールという相反するように見える要素を結びつけ、ナイキ、イケア、赤十字といったブランド、リル・ウージー・ヴァートやリアーナなどのミュージシャン、レム・コールハースのような“メンター”とのコラボレーションを実現させてきた。さまざまなハードルをものともせず(“そんなものは実際には存在しない”)、デザインプロセスの舞台裏、エディティングの本質をシェアすること、問題解決、ストーリーの紡ぎ方をアブローは解説していく。彼は自らのDNAを描き出し、そして問いを投げかける――君のDNAとは? 本書The Incidentsは、1936年から続くハーバード大学デザイン大学院での特別イベントを記録したシリーズである。 [出版社より] 著 者|ヴァージル・アブロー 訳 者|倉田佳子・ダニエル・ゴンザレス 出版社|アダチプレス 定 価|1,600円+税 判 型|A5変型判 頁 数|96 ISBN|978-4-908251-10-8 初版|2019年3月 Author ヴァージル・アブロー Virgil Abloh 1980年イリノイ州ロックフォード生まれのアーティスト、建築家、エンジニア、クリエイティブ・ディレクター、デザイナー。ウィスコンシン大学マディソン校で土木工学の学位取得後、イリノイ工科大学に進み建築の修士課程を修了。彼はここで、デザインの原理だけでなく、コラボレーション・ワークのコンセプトを学んだ。自身のブランドOff-White c/o Virgil Abloh™は、2012年に立ち上げたPYREX VISIONと題するアートワークに始まった。2013年より、シーズンごとのメンズおよびウィメンズのファッション・レーベルとして本格的に始動し、のちに家具の製作も手がけている。2018年にはルイ・ヴィトンのメンズ・アーティスティック・ディレクターに就任。また、展覧会で自身のアート作品を発表し、2019年にイリノイ州のシカゴ現代美術館での回顧展を予定している。 Translator 倉田佳子 Yoshiko Kurata ファッションジャーナリスト、コーディネーター。1991年生まれ。国内外のファッションデザイナー、フォトグラファー、アーティスト等への取材や記事を執筆。 ダニエル・ゴンザレス Daniel Gonzalez アメリカ合衆国生まれ。京都大学をへてプリンストン大学東洋学部日本文学科卒業。中銀カプセルタワービルに拠点を置き、文学・芸術関連の書籍翻訳に携わる。
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vanitas No.006 ファッションの教育・研究・批評
¥1,980
表象文化としてのファッション、あるいは衣類設計としてのファッションデザインにおける教育や研究は現在、日本において何を前提にどのように実践されているのか。ファッションをとりまく教育、研究の過去、現在、未来を批評的に捉えよう、という議論から、今号の特集「ファッションの教育・研究・批評」は出発しました。 明治時代に女子高等師範学校などを介して全国へと広まった洋服の裁縫技術教育は戦後の洋裁文化の基盤を作り、そのレガシーによって日本のファッション文化は発展してきました。しかし批評や研究など、「いまある」ファッションシステムを駆動するためではない「ありうる」可能性や価値を探求する文化はどう発展してきたのでしょうか。ファッションは常にア・ラ・モードであるにも関わらず、同様に常にア・ラ・モードであろうとする「テクノロジー」とファッションの融合に対して拒否反応を示す人々が多いのは、なぜなのでしょうか。あらたな身体イメージを生成するメディウムとしてのファッションの拡張を捉えるために、私たちには今どのような教育や研究、批評の可能性があるのでしょうか。 近年「デザイン」の複雑化が盛んに議論されるにつれ、ファッション産業の周縁から新たな批評空間や研究的実践、実験的教育の萌芽が散見されるようになりました。今号の特集は、この萌芽を多様な側面から明らかにしていくことを目的に新井茂晃氏、井上雅人氏、Cecilia Raspanti氏、Dehlia Hannah氏へのインタビュー、そして現在ファッション産業に携わる方々との匿名座談会を行いました。 さらに、本号の特集としてブックガイドを作成しました。ファッション史からウェアラブルテクノロジーまで、書籍、論文問わず幅広く参考となるテクストを選定しています。また、定例である論文とエッセイでは、藤嶋陽子氏、鹿野祐嗣氏、難波優輝氏、川崎和也氏、糸数かれん氏、安齋詩歩子氏、および本誌編集部・太田知也のテクストを掲載し、引き続き多角的にファッション批評の基盤構築を試みました。 本誌がファッションと研究、教育、批評をめぐる思考を深める契機になることを願います。 [編集部より] 出版社|アダチプレス 定 価|1,800円+税 判 型|四六変型判 頁 数|256 ISBN|978-4-908251-11-5 初版|2019年6月 Contents interview 新井茂晃 https://note.mu/affectus 井上雅人 Cecilia Raspanti/Fabricademyプログラム紹介 https://textile-academy.org デジタルディバイドが発生する現場(匿名座談会) paper 藤嶋陽子「ファッション研究史とファッション産業史の交錯点――日本における研究展開の駆動力としての産業」 鹿野祐嗣「魅惑と叛逆の装いをまとう男たちの『モード』をたたえて――精神分析が仮装の欲望について語る事柄とその彼方」 太田知也「路上の『メディア・トラック』あるいはポスト・ヒューマンへの轍――『Hippie Modernism: The Struggle for Utopia』展解題」 https://walkerart.org/calendar/2015/hippie-modernism-struggle-utopia 難波優輝「おしゃれの美学――パフォーマンスとスタイル」(公募) 川崎和也「ポスト・ヒューマニズムとファッション――アルゴリズムとの共創によるファッションの計算論的転回」(公募) international perspective 研究機関紹介 センター・フォー・サステナブル・ファッション(ロンドン) http://sustainable-fashion.com @sustfash 展覧会紹介 「Items: Is Fashion Modern?」 https://www.moma.org/calendar/exhibitions/1638 「HAPPY BIRTHDAY DEAR ACADEMY」 「Google Arts & Culture」 https://artsandculture.google.com 書籍紹介 ブックガイド→『vanitas』No. 006 ブックガイド・リンク集 総論、デザインガイド、バイオファッション、ウェアラブルテクノロジー、サステナブルファッション、ファッション史、ファッションセオリー、学術誌、エキシビション、作家論 研究者紹介 Dehlia Hannah http://dehliahannah.com @wandererabovethemist critical essay 糸数かれん「バムスター再考」 安齋詩歩子「amachi. ――植物のコスメティック」 afterword
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vanitas No.004 アーカイブの創造性
¥1,980
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責任編集|蘆田裕史+水野大二郎 アートディレクション・デザイン|UMA/design farm 出版社|アダチプレス 定 価|1,800円+税 判 型|四六変型判 頁 数|256 ISBN|978-4-908251-01-6 初版|2015年9月 Contents interview suzuki takayuki http://suzukitakayuki.com 石関亮(京都服飾文化研究財団 http://www.kci.or.jp)+南目美輝(島根県立石見美術館 http://www.grandtoit.jp/museum) ドミニク・チェン https://wired.jp/series/ferment-media-research paper 筒井直子「ファッション・アーカイブとその特殊性について──美術館・博物館と企業アーカイブを事例に」 齋藤歩「アーカイブズはなぜ斯くもわかりにくいのか──ヨーロピアナ・ファッションから学ぶこと」 「Europeana Fashion IPR Guidelines」(訳=水野祐、高橋由佳、岩倉悠子) 筧菜奈子「密やかに生成する文様──現代ファッションにおける日本の文様の行方」 松永伸司「なにがおしゃれなのか──ファッションの日常美学」 international perspective 研究機関紹介 テキスタイル・ミュージアム(オランダ、ティルブルフ) http://www.textielmuseum.nl 展覧会紹介 「危険な関係――18世紀におけるファッションとインテリア」 「ファッションにおけるクィアの歴史――クローゼットからキャットウォークまで」 「アントワープに着陸したファッション2001」 「シック・クリックス――現代ファッション写真における創造性と商業性」 書籍紹介 マリー・リーゲルス・メルキオール、ビルギッタ・スヴェンソン編『ファッションと美術館――理論と実践』 キム・K・P・ジョンソン、スーザン・J・トーントレ、ジョアン・B・アイシャー編著『ファッション・ファウンデーション――身体と衣服についての言説史』 キャロライン・エヴァンス『メカニカル・スマイル――モダニズムとフランス/アメリカにおける最初のファッションショー(1900-1929)』 ピーター・マクニール、サンダ・ミラーズ『ファッションについて書くこと、批評すること――その歴史、理論、実践』 研究者紹介 ティモ・リサネン https://timorissanen.com critical essay 高城梨理世「『名前がないブランド』の可能性──エレガンスとコンセプチュアルを巡って」 柴田英里「ドラッグ&ドラァグ──あらかじめ封印された『女の子カルチャー』と戦うための戦闘服としてのMILK」 NOSIGNER / 太刀川英輔「(YET)UNDESIGNED DESIGN デザインしないデザイン」 山内朋樹「イメージをまとわせる──植物のコラージュがかたちづくる亜生態系」 afterword
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vanitas No.003
¥1,980
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責任編集|蘆田裕史+水野大二郎 アートディレクション・デザイン|UMA/design farm 出版社|アダチプレス 定 価|1,800円+税 判 型|四六変型判 頁 数|232 ISBN|978-4-908251-03-0 初版|2014年6月[出版社在庫切れ] Contents interview proef http://proefdesigns.com 柳田剛 http://www.kyoto-seika.ac.jp/edu/faculty/yanagida-takeshi 脇田玲 http://wakita.sfc.keio.ac.jp+松川昌平 http://www.000studio.com paper 平芳裕子「ファッションを語る──雑誌とアメリカ」 水野祐「ファッションにおける初音ミクは可能か?──オープンソース・ハード『ウェア』としてのファッションの可能性」 趙知海「女性ファッション写真家たち──曖昧なイメージに込めるもの」 ゲオルク・ジンメル「モードの哲学」 大久保美紀「逆行する身体表象──『復活』するマネキンあるいはマヌカン」(公募) international perspective ・研究機関紹介 University of the Arts London http://www.arts.ac.uk ・展覧会紹介 「ハンドメイド──クラフトよ、永遠なれ」 「リップ!! ペーパーファッション」 「サステナブル・ファッション──ファッションは更新できるのか?」 「エクストリーム・ビューティー──つくり変えられる身体」 「モノを作ること/目的を築くこと──ブレス、ブーディッカ、サンドラ・バックランド」 ・書籍紹介 アンジェラ・マクロビー『ブリティッシュ・ファッションデザイン──ぼろ布かイメージか』 クレア・マッカーデル『あなたが着るべきもの──ファッションにおける5W1H』 ウルリッヒ・リーマン『虎の跳躍──ファッションのモダニティ』 フィリップ=アラン・ミショー『イマージュの人々』 ・研究者紹介 キャロライン・エヴァンス http://www.arts.ac.uk/research/ual-staff-researchers/a-z/professor-caroline-evans critical essay nukeme「テクノロジーと創造性について」 koso「Futuristic Elegance――Iris van Herpen試論」 久保寺恭子「空間とファッション──TOKYO RIPPER と衣服の物語」(公募) afterword
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vanitas No.002
¥1,980
責任編集|蘆田裕史+水野大二郎 アートディレクション・デザイン|UMA/design farm 出版社|アダチプレス 定 価|1,800円+税 判 型|四六変型判 頁 数|232 ISBN|978-4-908251-02-3 初版|2013年6月 Contents foreword interview 西尾美也 http://yoshinarinishio.net 北山晴一 http://kitagumi.my.coocan.jp ここのがっこう http://www.coconogacco.com paper 南後由和「陳列とキュレーション――ユニクロ、コムデギャルソン、デミアン・ハースト」 成実弘至「21世紀スローファッション試論」 津田和俊「生きのびるための衣服」 渡辺洋平「衣服論事始め――衣服と時間あるいはメゾン・マルタン・マルジェラと反時代的なもの」 小林嶺「まなざしに介入するファッション―― 『ショー』という観点から」 関根麻里恵「リアルクローズ化する『マンガファッション』」(公募) international perspective ・研究機関紹介 IFM・パリモード研究所(フランス) http://www.ifm-paris.com ・展覧会紹介 「スペクター――ファッションが振り返るとき」 「衣服は現代的か?」 「マダム・グレ、芸術へ至るクチュール」「ベルギーファッション――アントワープスタイル」 「フィレンツェ・ビエンナーレ」 ・書籍紹介 ジャック・ローラン『着衣のヌード、脱衣のヌード』 エンリコ・クリスポルティ『未来派とファッション――バッラとその他の作家たち』 ジョアン・エントウィスル『ファッションの美的経済学――衣服とモデルにおける市場と価値』 フレッド・デイヴィス『ファッション、文化、アイデンティティ』 ・研究者紹介 『vestoj』 http://vestoj.com critical essay 星野太「ハトラ――『中性的なもの』の力学」 蘆田暢人「『雲のような場所』を巡って――ASEEDONCLÖUD試論」 HACHI「JUNYA SUZUKI/chloma――ネット以降の時代」 三村真由子「Ka na ta の身体を活かす服」(公募) afterword
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vanitas No.005 ファッション・デザイン・アート
¥1,980
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「『ファッションはアートなのか』という、半ば不毛な問いはいつまで立てられ続けるのだろうか」。そのような疑問が今号の特集「ファッション・デザイン・アート」の出発点にあります。アートを広く芸術の意味で捉え、そのサブカテゴリーに絵画や彫刻、デザインや映画、マンガや工芸などを位置付けるのであれば、もちろんファッションもそのサブカテゴリーのひとつとなるでしょう。しかしながら、アートを狭義の――絵画や彫刻などの――ファインアートと理解するのならば、それとファッションは違うものであることは言わずもがなでしょう。 とはいえ、ファッションとファインアートもまったくの無関係というわけではありません。欧米では、20世紀におけるファッションとファインアートの関係を検証するような展覧会が少なからず開催されているように、互いに目配せをしてきたともいえます。一方で、ファッション――正確に言えばファッションデザイン――はデザインの一分野でもあります。ただし、産業のあり方やビジネスの慣習など、他のデザインの領域と異なる点が多いことも事実でしょう。 今号では、ファッション・デザイン・アートがそれぞれ独立したジャンルであることを前提としながらも、現在において各分野がどのような関係を結びつつあるのか、多様な側面からの検証を試みます。インタビューでは、東京藝大で美学を学んだファッションデザイナーの小野智海氏、ファッションデザイナーやスタイリストとのコラボレーションも多い演劇作家の藤田貴大氏、Google の「プロジェクト・ジャカード」の開発にも携わるデザイナー/アーティストの福原志保氏の三者に話を聞いています。論文では、先述のファッションとアートをめぐる展覧会の意義を明らかにする利根川由奈氏、バイオファッションという新しい動向を探る高橋洋介・川崎和也両氏のテクストを掲載しています。その他、書籍紹介や展覧会紹介などでも本特集と共鳴するテーマを忍ばせています。 本誌は編者の見解を押しつけたり、明確な答えを提供したりすることは目指しておりません。読者諸氏が自身の見解を持つきっかけを提供すること、それさえできていれば私たちの目標は達成されたと言えるでしょう。本誌がファッション・デザイン・アートをめぐる思考を深める契機になることを願います。 [編集部より] 責任編集|蘆田裕史+水野大二郎 アートディレクション・デザイン|UMA/design farm 出版社|アダチプレス 定 価|1,800円+税 判 型|四六変型判 頁 数|176 ISBN|978-4-908251-06-1 初版|2018年3月 Contents interview 小野智海 http://tomoumiono.com 藤田貴大 http://mum-gypsy.com 福原志保 http://bcl.io paper 利根川由奈「20世紀のモードとアートにおける時間と作家性――1980年代以降の展覧会を手がかりに」 高橋洋介「バイオファッションにおける半生命的素材の諸問題」 川崎和也「バイオファッションデザインの探求[1]――技術と衣服のあいだを調停する思索的ファッションデザインは可能か」 難波阿丹「ユニクロのAir-Rhythm――インターフェイシングと触覚的価値の再創出」(公募) 井上一紀「アンリアレイジとモダニズムへの一度目の遡行」(公募) international perspective 研究機関紹介 ストックホルム大学ファッション研究センター https://www.ims.su.se/english/centre-for-fashion-studies 展覧会紹介 「ファッションの未来は今」 「ドリス・ヴァン・ノッテン――インスピレーションズ」 「ファッションとアート:1960年~1990年」 「イヴ・サン=ローラン」 書籍紹介 ティモ・リサネン、ホリー・マッキラン『ゼロ・ウェイスト・ファッションデザイン』 アニタ・ジェネヴァ、キャサリン・モリワキ『ファッションとテクノロジー』 ジュディス・クラーク&エイミー・ドゥ・ラ・ヘイ+ジェフリー・ホースリー『ファッションを展示すること──1971年以前/以降』 ディディエ・フェルファーレン編『ザ・ベルジャンズ――意外なファッションのストーリー』 研究者紹介 ヨハネス・レポネン(『Address』) http://www.addresspublications.com/magazine critical essay 上別府往輝「クリストバル・バレンシアガ論考」 中西雄祐「『台東デザイナーズビレッジ』から考えるファッションデザイナーの支援のあり方」 afterword