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まっくら——女坑夫からの聞き書き
¥880
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筑豊の地の底から石炭を運び出す女性たち。その逞しい生き様を記録した森崎和江のデビュー作。解説=水溜真由美。 「女も男と同じごと仕事しよったですばい」「どんなことにでも堂々とむかってやる、こい」。 筑豊の炭鉱で働いた女性たちの声を聞き取り、その生き様を記録した一九六一年のデビュー作。意志と誇りを失わず、真っ暗な地の底で過酷な採炭労働に従事した彼女たちの逞しさが、生き生きと描かれている。 [出版社より] 著 者|森崎和江 出版社|岩波書店[岩波文庫] 定 価|800円+税 判 型|文庫判・並製 頁 数|330 ISBN|9784003122617 発 行|2021年10月 Contents はじめに 無音の洞 流浪する母系 棄郷 灯をもつ亡霊 のしかかる娘たち セナの神さま ヤマばばあ 赤不浄 共有 地表へ追われる 坑底の乳 あとがき [付録] 聞き書きの記憶の中を流れるもの 解説……………水溜真由美 図版一覧
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古代オリンピック 全裸の祭典[OUTLET]
¥484
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古代ギリシアのオリュンピアで、紀元前八世紀から実に千二百年もの間、四年に一回、一度も欠かさずに続けられたオリンピック。短距離走、長距離走、五種競技、格闘技、戦車競走などを迫力満点に再現し、一方で食肉市場、娼婦たち、芸術祭、賭けや賄賂など、競技場周辺の大騒ぎもつぶさに描く、熱狂と興奮の一冊。 そもそもオリンピックってどんなものだった? という素朴な疑問から古代ギリシアの驚くべき世界へいざなう熱狂と興奮と抱腹絶倒の物語! [出版社より] 著 者|トニー・ペロテット 訳 者|矢羽野薫 出版社|河出書房新社[河出文庫] 定 価|880円+税 判 型|文庫判/並製 頁 数|288 ISBN|978-4-309-46706-1 発 行|2020年01月 Contents ゼウスに愛をこめて スポーツに溺れたギリシア人 カウントダウン オリンピック訓練所―ギムナシオン スポーツファンの苛酷な試練 競技場周辺の空騒ぎ 栄光をめざして―開幕! 血に染まるトラック―戦車競走 サバイバルの五種競技―ペンタスロン 勝利の晩餐 聖なる食肉市場 芸術を愛さざる者、立ち入りを禁ず 不朽の名声を求めて 聖地に降った槍 忘れられた女神たち 勝利か死か―格闘技 医師たちの苦悩 宴のあと Author トニー・ペロテット Tony Perrottet オーストラリアのシドニー出身。旅行・歴史ジャーナリスト。アジアや南米などを旅して新聞・雑誌に寄稿。ブエノスアイレスでの特派員生活を経て、ニューヨークを拠点に活動。 Translator 矢羽野 薫 Kaoru Yahano 千葉県生まれ。慶應義塾大学卒業。訳書多数。
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運命の旅[OUTLET]
¥2,640
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孤高の作家によるナチス占領下フランスからの脱出記。家族との離散、難民収容所、ハリウッドへの亡命……1933年から48年までの戦火の暮らしを克明に綴った迫真のドキュメント。 [出版社より] 著 者|アルフレート・デーブリーン 訳 者|長谷川純 出版社|河出書房新社 定 価|4,800円+税 判 型|四六判/上製 頁 数|400 ISBN|978-4-309-20771-1 発 行|2019年06月 Contents 第1篇 ヨーロッパよ、君を残して 見知らぬものへの旅 座礁 救済 第2篇 アメリカ ハリウッドでのなりゆき 心のざわめき 内面の教会と宗教 その後;終戦、そしてある知らせ 出発の合図 第3篇 帰還 ヨーロッパ バーデン=バーデンにて 一九四六年のドイツ チャンスがあったのに マインツへの小旅行 ベルリンとの再会 フリードリヒ通り駅からリンデンまで アレクサンダー広場 一九四八年 報告の終わりとフィナーレ Author アルフレート・デーブリーン Alfred Döblin 1878年プロイセン生まれ。近年世界的に再評価著しいドイツ文学の巨匠。代表作に『ベルリン・アレクサンダー広場』『ハムレット』『たんぽぽ殺し』『マナス』『王倫の三跳躍』など。1957年没。 Translator 長谷川 純 Jun Hasegawa 和光大学表現学部講師。著書に『語りの多声性──デーブリーンの小説『ハムレット』をめぐって』など。
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ルポ国威発揚——「再プロパガンダ化」する世界を歩く
¥2,640
何がわれわれを煽情するのか——? 北海道から沖縄までの日本各地、さらにアメリカ、インド、ドイツ、フィリピンなど各国に足を運び、徹底取材。歴史や文化が武器となり、記念碑や博物館が戦場となる――SNS時代の「新しい愛国」の正体に気鋭が迫る。 [出版社より] 著 者|辻田真佐憲 出版社|中央公論新社 定 価|2,400円+税 判 型|四六判・並製 頁 数|400 ISBN|978-4-12-005861-5 発 行|2024年12月 Contents 【第一部】個人崇拝の最前線 1章 トランプの本拠地に潜入する 米国/トランプタワー 2章 親日台湾の新たな「聖地」 台湾/紅毛港保安堂 3章 安倍晋三は神となった 長野/安倍神像神社 4章 世界一の巨像を求めて インド/統一の像 5章 忘れられた連合艦隊司令長官 佐賀/陶山神社 6章 「大逆」の汚名は消えない 山口/向山文庫 【第二部】「われわれ」の系譜学 7章 わが故郷の靖国神社 大阪/伴林氏神社 8章 消費される軍神たち 大分/広瀬神社 9章 自衛隊資料館の苦悩 福岡/久留米駐屯地広報資料館 10章 「日の丸校長」の神武天皇像 高知/旧繁藤小学校 11章 旧皇居に泊まりに行く 奈良/HOTEL賀名生旧皇居 12章 「ナチス聖杯城」の真実 ドイツ/ヴェーヴェルスブルク城 13章 感動を呼び起こす星条旗 米国/マクヘンリー砦 【第三部】燃え上がる国境地帯 14章 祖国は敵を求めた ドイツ/ニーダーヴァルト記念碑 15章 「保守の島」の運転手たち 沖縄/尖閣神社 16章 観光資源としての北方領土 北海道/根室市役所 17章 「歴史戦」の最前線へ 長崎/軍艦島 他 18章 差別的煽情の果てに 京都府/靖国寺 19章 竹島より熱心な「島内紛争」 島根県/隠岐諸島 20章 エンタメ化する国境 インド/ワガ国境、中国/丹東 【第四部】記念碑という戦場 21章 もうひとつの「八紘一宇の塔」 兵庫/緑の塔 22章 東の靖国、西の護国塔 静岡/可睡齋 23章 よみがえった「一億の号泣」碑 岩手/鳥谷崎神社 他 24章 隠された郷土の偉人たち 秋田/秋田県民歌碑 25章 コンクリートの軍人群像 愛知/中之院 26章 ムッソリーニの生家を訪ねて イタリア/プレダッピオ 27章 記念碑は呼吸している ベトナム/マケイン撃墜記念碑 28章 けっして忘れたわけではない フィリピン/メモラーレ・マニラ1945 【第五部】熱狂と利害の狭間 29章 戦時下の温泉報国をたどる 奈良/湯泉地温泉 他 30章 発泡スチロール製の神武天皇像 岡山/高島行宮遺阯碑 31章 軍隊を求める地方の声 新潟/白壁兵舎記念館 32章 コスプレ乃木大将の軍事博物館 栃木/戦争博物館 33章 「救国おかきや」の本物志向 兵庫/皇三重塔 34章 右翼民族派を駆り立てる歌 岐阜/青年日本の歌史料館 35章 郷土史家と「萌えミリ」の威力 熊本/高木惣吉記念館 Author 辻田 真佐憲 Masanori Tsujita 1984年、大阪府生まれ。評論家・近現代史研究者。慶應義塾大学文学部卒業。政治と文化芸術の関係を主なテーマに、著述、調査、評論、レビュー、インタビューなどを幅広く手がけている。単著に『「戦前」の正体』(講談社現代新書)、『防衛省の研究』(朝日新書)、『超空気支配社会』(文春新書)、『大本営発表』(幻冬舎新書)、共著に『教養としての歴史問題』(東洋経済新報社)、『新プロパガンダ論』(ゲンロン)、監修書に『満洲帝国ビジュアル大全』(洋泉社)、共編書に『文藝春秋が見た戦争と日本人』(文藝春秋)などがある。
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アーベド・サラーマの人生のある一日——パレスチナの物語
¥2,640
2024年ピューリッツァー賞受賞作/『ニューヨーカー』『タイム』『エコノミスト』他15誌の年間ベストブック。ヨルダン川西岸地区で園児たちの乗ったバスが燃えた。アーベドは息子を探して奔走する。占領とは何かを問う悲劇のノンフィクション。 ー 「お前らはあの子たちを殺した!」 2012年ヨルダン川西岸地区で、園児たちを乗せた遠足バスがセミトレーラーと衝突した。壁、検問所、無関心に阻まれる救助活動。ある事故の一日を軸に、さまざまな人生、愛、敵意、暴力と歴史が交錯する。 [出版社より] 「イスラエルの占領下にあるパレスチナの痛ましい日常生活を、これまで読んだどの本よりもよく捉えている。傑出した作品であり、必読である」 ――ユージン・ローガン(『オスマン帝国の崩壊』『アラブ500年史』著者) 「イスラエルとパレスチナについて、これほど深い認識と理解に達した著作を、わたしは他に知らない」 ――ダニエル・シュルマン(『ニューヨーク・レビュー・オブ・ブックス』) 「アーベドの一日にイスラエルの占領支配の歴史を凝縮している。多くを教えられた」 ――高橋和夫(国際政治・中東研究) 「胸をえぐるような文章と、たぐいまれな政治的洞察を併せ持つ」 ――ユヴァル・ノア・ハラリ(『サピエンス全史』著者) 著 者|ネイサン・スロール 訳 者|宇丹貴代実 出版社|筑摩書房 定 価|2,400円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|336 ISBN|978-4-480-83729-5 発 行|2025年01月 Contents 登場人物 プロローグ 第一章 三つの結婚式 第二章 ふたつの火 第三章 多数傷病者事故 第四章 壁 第五章 三つの葬式 エピローグ 謝辞 訳者あとがき 出典 用語索引 地名索引 Author ネイサン・スロール Nathan Thrall アメリカ・カリフォルニア州生まれ、エルサレム在住のジャーナリスト。『ニューヨーク・タイムズ・マガジン』、『ガーディアン』などに寄稿。世界の紛争予防のための調査・政策提言をおこなう非政府組織「国際危機グループ」に10年間在籍し、アラブ・イスラエルプロジェクトのディレクターも務めた。「この地域の紛争について最も情報に精通し、最も鋭い観察者の一人」(『フィナンシャル・タイムズ』)と評されている。著書にThe Only Language They Understand: Forcing Compromise in Israel and Palestineがある。 Translator 宇丹 貴代実 Kiyomi Utan 翻訳家。訳書に、モス『鳥が人類を変えた』、アドリントン『アウシュヴィッツのお針子』、デイ『わが家をめざして』、ミッチェル『今日のわたしは、だれ?』など多数。
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ポピュリズム大陸南米
¥3,080
元現地特派員による渾身のルポルタージュ!機会の不平等による格差の再生産、貧困の連鎖で、ポピュリズムへの道を突き進む南米。南米と日本の「不平等と格差」は“程度の問題”に過ぎない。南米のリアルから日本の危機をも示す警告の書。 ー 格差にあえぐ貧しい民衆が立ち上がり、「21世紀の社会主義」という旗印を掲げ、約20年にわたりポピュリズム(大衆迎合主義)を推進してきた南米大陸がいま、大きく揺らいでいる。 いったい、何が起こっているのか。 日本では報道される機会の少ない南米の現状とこれからについて、日経元サンパウロ特派員が描く。 天然資源の売却などで得た富を貧しい層に分配するという政策で世界中から称賛を浴びたベネズエラは、ハイパーインフレで経済が破綻し、人々が飢えに苦しむ。経済開放路線で躓き、政権交代に失敗したアルゼンチンは、再び左派ポピュリズムを選択し、没落を続けている。新興国の雄・大国ブラジルでは「コロナは風邪」と呼び、過去の軍事政権の拷問を正当化する極右の大統領が、分断を深めた。「南米の優等生」と呼ばれてきたチリですら、格差是正を目指す大規模な暴動が発生し国際会議が中止となった ――南米大陸を覆う黒い影は晴れない。 経済的に決して無視できる存在ではないにもかかわらず、地政学的リスクが非常に高い南米は、多くのグローバル企業にとって悩みの種である。本書は、国際政治に関心のある層やビジネスで関わる読者にとって、「なぜそうなったのか」という問題の本質を現地視点で詳述。意思決定にあたってヒントになる情報を提供する。 [出版社より] 著 者|外山尚之 出版社|日経BP 定 価|2,800円+税 判 型|四六判・並製 頁 数|314 ISBN|9784296113460 発 行|2023年06月 Contents 序章 第1章 ベネズエラ―「21世紀の社会主義」の崩壊 食糧配給を受け取れない人たち 「祖国カード」という監視ツール ほか 第2章 アルゼンチン―落日の大国を覆う投票の呪縛 落日の大国 豊かな国の貧困 ほか 第3章 ブラジル―怒りが揺らす社会秩序 2人のカリスマ、ボルソナロとルラ ブラジルを経済大国に押し上げたルラ ほか 第4章 チリ、コロンビア、ペルー、ボリビア——格差が招く終わりなき混乱 チリ、軍部による圧政と経済の飛躍的成長 高成長の裏側で格差が固定化 ほか 第5章 ポピュリズム大陸から日本への警告 生活者目線での格差 格差とポピュリズム Author 外山 尚之 Naoyuki Toyama 日本経済新聞記者 前サンパウロ支局長 2008年慶大卒、日本経済新聞社入社。前橋支局や国際部を経て2017年より現職。南米大陸の各国でのルポ執筆に力を入れる。Twitterは中南米関係者を中心に3600人のフォロワーを抱える。
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金閣を焼かなければならぬ——林養賢と三島由紀夫
¥1,078
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今から七十五年前、ひとりの青年僧が、国宝・金閣に火を放つという未曾有の凶事が起きた。彼・林養賢の懊悩、そして狂気に秘められた真相とは何だったのか? 鬼才・三島由紀夫に青春の総決算となる最高傑作を書かせた出来事の核心に、精神病理学の第一人者が臨床知を傾けた分析から迫る、第47回大佛次郎賞受賞ノンフィクション。 [出版社より] 著 者|内海健 出版社|河出書房新社[河出文庫] 定 価|980円+税 判 型|文庫判/並製 頁 数|288 ISBN|978-4-309-42154-4 発 行|2024年12月 Contents プロローグ 金閣焼亡 第1章 動機はあとから造られる 第2章 零度の狂気 第3章 他者の影 第4章 焼かなければならぬ 第5章 離隔 第6章 邂逅―小説『金閣寺』 第7章 ナルシシズムの球体 第8章 生きようと私は思った エピローグ まつろわぬ者たちへ Author 内海 健 Takeshi Utsumi 1955年、東京都生まれ。精神科医、精神病理学者。東大医学部卒。東京藝大保健管理センター教授。著書に、『「分裂病」の消滅』『うつ病の心理』『さまよえる自己ーポストモダンの精神病理』など。
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学校するからだ
¥1,980
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ブラックでも青春でもない! からだとことばが躍動する異色の〈学校×身体〉ノンフィクション 「shhh…」と小声を発して返事をそろえるサッカー部員、広島出身ではないのに広島弁を操るヤクザ的風貌の生活指導。旧エヴァを愛し、シン・エヴァに失望した生徒との対話、破格の走りで男子をごぼう抜きにした女子生徒、そして肝心なところで嚙んでしまう著者自身──。現役教員の著者が、学校のなかの〈からだ〉と〈ことば〉が躍動するマジカルな瞬間を拾い集めた、異色の〈学校×身体〉ノンフィクション。 [出版社より] 時にはラジオDJのように、時には演劇人のように語る教師。その振る舞いにそれぞれに反応する生徒。このリズムが学校するからだを踊らせる! ──ダースレイダー(ラッパー) 小中高全部大嫌いだったが行かなきゃよかったとは思わない、学校(あなた)も日々悩んで迷って動いていたんだね。 ──小山田浩子(小説家) 学校、そしてそこでの学びを、文学・音楽・お笑いを横糸に、生活に根ざした言葉で描いた一冊。読めば、つい、学びたくなる。 ──平尾剛(スポーツ教育学者) 著 者|矢野利裕 出版社|晶文社 定 価|1,800円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|304 ISBN|978-4-7949-7343-6 初 版|2022年12月 Contents はじめに 「shhh」をしのばせているヤツがいる! 1章 部活動 サッカー部新米顧問、おおいに迷う ダンス部の「ズレる身体」 スウィングする吹奏楽部 転向する軽音部 2章 授業 GTOに憧れて 教壇は舞台である 「走れメロス」を読解してみた KRS・ワン流の教育を ラップと作文 3章 教員 高踏派先生の檄 ヤクザ先生、ふたたび アヴァンギャルド先生との別れ 無頼派先生の涙 ミーハー先生の特別授業 東京インディー先生の音楽と生活 どこまでも自由なハンドメイド先生 筋肉先生の詩的言語 K先生とマイメン先生 4章 生徒 ちっとも思い通りにならない言葉 大事なことはだいたいギャルに教わった 「本当に分からなかったです」 提出物をめぐる闘争 足りない引き出し たたかう生徒会 5章 行事 ごぼう抜きの彼女──体育祭 演しもの顚末──文化祭 学校はうたう──合唱コンクール アイヌの「いま」が躍る──古典芸能鑑賞 「内地」から沖縄へ──修学旅行 6章 コロナ以後の学校 一斉休校の衝撃 「境界線を作っていくということですね」 回復していく学校生活 卒業式 主要参考文献 Author 矢野 利裕 Toshihiro Yano 1983年、東京都生まれ。都内の中高一貫校に勤務する国語教員。サッカー部の顧問、兼監督も務めていた。「しばしばなされる『なぜ先生になろうと思ったのか』という質問に対しては、『GTOにあこがれて』と答えるようにしている」(本書より)。文芸・音楽を中心に批評活動をおこなっており、2014年「自分ならざる者を精一杯に生きる──町田康論」で第57回群像新人文学賞評論部門優秀作受賞。著書に『今日よりもマシな明日 文学芸能論』(講談社)、『コミックソングがJ-POPを作った』(P-VINE)、『ジャニーズと日本』(講談社現代新書)などがある。
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顔のない遭難者たち――地中海に沈む移民・難民の「尊厳」
¥2,200
身元不明の遺体のアイデンティティを求めて——。 ガリレオ文学賞受賞作。 「あの人たち」の権利を守り、「私たち」と「あの人たち」の死を同じように扱うことが、私たちの挑戦だったーー(本文より) いまも昔も、世界中のあらゆる国々で、「身元不明の遺体」が発見されてるが、その多くの身元を特定されない。身元不明者が移民・難民である場合、その遺体を「放っておけ」と言う人々がいる。それはなぜか? イタリア(ヨーロッパ諸国)には、領海内で遭難した外国人の身元特定にかかわる法律が存在しなかったが、法医学者である著者は仲間たちと協力し、ヨーロッパではじめて移民遭難者向けデータバンクの創設に取り組む。 近しい人の身元がわからず、藁にもすがる思いでときには親族のDNA(髪の毛や爪、唾液など)を携え、著者のもとへ訪れる人々たちの怒り、慟哭、悲痛。そして「ここに来てよかった」という言葉。数字としてまとめられる身元不明の遺体、「顔のない遭難者たち」の背後にも、それぞれの名前と物語がある。遺された人が死と向き合うため尽力し続ける人々の法医学ノンフィクション。 [出版社より] 著 者|クリスティーナ・カッターネオ 訳 者|栗原俊秀 監 修|岩瀬博太郎 出版社|晶文社 定 価|2,000円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|258 ISBN|978-4-7949-7336-8 初 版|2022年11月 Contents 第1章 二〇一三年十月 死者に名前を与えること 第2章 「あの人たち」の死を、「私たち」の死と同じように 第3章 ランペドゥーザの挑戦 見いだすには、まず求めよ 第4章 最初の同定 「ここに来てよかった」 第5章 「故郷の土を、肌身離さずもっているんです」 第6章 メリッリ 海辺の霊安室 第7章 バルコーネ 死者は生者よりも雄弁である 最8章 最終幕 あるいは、第一幕の終わり 訳者あとがき 文献案内 Author クリスティーナ・カッターネオ Cristina Cattaneo 一九六四年、ピエモンテ州に生まれる。ミラノ大学教授、ラバノフ(犯罪人類学歯科医学研究所)所長。専門は法医学。二〇一四年より、地中海で命を落とした移民・難民の遺体の同定作業に従事している。その体験を綴った本書『顔のない遭難者たち』(Naufraghi senza volto: Dare un nome alle vittime del Mediterraneo, Raffaello Cortina Editore, 2018)で、ガリレオ文学賞を受賞。「犯罪と蝶々 自然科学が解き明かす謎」(Monica Maldarellaとの共著、二〇〇六年)、「体、骸骨、犯罪:ラバノフの物語」(二〇一九年)などの著作を通じて、法医学の魅力を一般読者にもわかりやすく伝えている。 Translator 栗原俊秀 Toshihide Kurihara 一九八三年生まれ。翻訳家。主な訳書にアンドレア・バイヤーニ『家の本』(白水社)、アントニオ・スクラーティ『小説ムッソリーニ 世紀の落とし子』(河出書房新社)、イゴルト『ウクライナ・ノート』(花伝社)、ジョン・ファンテ『ロサンゼルスへの道』(未知谷)など。カルミネ・アバーテ『偉大なる時のモザイク』(未知谷)の翻訳で、須賀敦子翻訳賞、イタリア文化財文化活動省翻訳賞を受賞。 Supervisor 岩瀬博太郎 Hirotaro Iwase 解剖医、千葉大学大学院医学研究院法医学教室教授。東京大学医学部医学科卒業。同大学法医学教室を経て二〇〇三年より現職。二〇一四年より東京大学大学院医学系研究科法医学教室教授併任、千葉大学附属法医学教育研究センター設立に伴いセンター長併任。著書に『焼かれる前に語れ』、『法医学者、死者と語る』(いずれもWAVE 出版)、『死体は今日も泣いている―日本の「死因」はウソだらけ』(光文社新書)。
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現代思想 2022年11月臨時増刊号 森崎和江
¥2,860
思想家としての森崎和江に迫る。 追悼・森崎和江――。「サークル村」の一員、そして「無名通信」の仕事を通した戦後思想家としての足跡をたどる。また、フェミニズム/ウーマンリブの思想家、そしてポストコロニアリズムの理論家としての側面を浮かび上がらせ、「聞き書き」を通した思想と実践についてアプローチする。 [編集部より] 出版社|青土社 定 価|2,600円+税 判 型|A5変型判/並製 頁 数|400 ISBN|978-4-7917-1437-7 初 版|2022年10月 Contents 総特集*森崎和江――1927-2022 * 再録テクスト 森崎和江 言葉の住処、思想の原基――単行本未収録選 姉妹/戦後民主主義と民衆の思想/わたしと言葉/竹内先生とのおわかれ/作兵衛翁の時空 * ともに生きる思想 上野 朱 シジミ蝶、飛んだか 花崎皋平 詩人思想家森崎和江さんを追慕する 坂口 博 初めに「いのち」ありき * 炭坑労働精神に宿るもの 斎藤美奈子 炭鉱の記憶の彼方に――『まっくら』と『からゆきさん』をめぐって 水溜真由美 炭鉱労働者の精神文化に対するまなざし――森崎和江『奈落の神々――炭坑労働精神史』と上野英信『地の底の笑い話』 茶園梨加 背中を洗い流す/他者の声を引き継ぐ 鷲谷 花 炭鉱労働運動と幻灯――闘争から犠牲へ * 歴史を聞き書く 成田龍一 森崎和江の出発――「戦後」を突き抜ける思想 安岡健一 聞き書き・オーラルヒストリー・「個体史」――森崎和江の仕事によせて 藤原辰史 腹にしみる思想――森崎和江の伏流 * ことばを産むひと 斎藤真理子 森崎和江の長い詩業 西 亮太 『さわやかな欠如』を読む――森崎和江の〈詩〉を考えるための試論 姜 信子 愛しきあぶくたちの世界へ――森崎和江を孕む旅 松井理恵 出逢いそこねた物語を読む――『慶州は母の呼び声』韓国語翻訳、出版について * 植民地主義へのまなざし 玄武岩 森崎和江の植民地体験と原罪意識――「親密性」を超えて 石原真衣 地球上から消え果た植民地主義?――森崎和江が遺したものと〈沈黙〉 * 討議 酒井隆史+佐藤 泉 接触と連帯の思想 * 〈南〉と〈北〉から描く地図 森 元斎 森崎民俗学序説――森崎和江における「水のゾミア」の思想 山内明美 無名の思想――森崎和江のさいはて 原口 剛 流民のカルトグラフィ――筑豊から釜ヶ崎への回路 大畑 凜 流民と棄民のあわい――合理化・閉山以後筑豊における森崎和江と上野英信 松田 潤 接触の思想――森崎和江における沖縄・日本・朝鮮の出逢い * 地域に生きる/地域を生きる 湯澤規子 闇を照らす光の位相――社会と歴史の認識をめぐって 久島桃代 あわいの空間で待つ――森崎和江の身振り 柳原 恵 東北のおなごたちが読んだ森崎和江 * フェミニズムと産の思想 上野千鶴子 わたしたちはあなたを忘れない 嶽本新奈 『からゆきさん』再読――「生まない女」に着目して 中村佑子 森崎和江と本質主義 結城正美 千年先を見据えた〈産〉の思想 * 人間中心主義を超えて 村上 潔 森崎和江と/のエコフェミニズム――現状との接続線 今津有梨 森崎和江さんへの片道書簡 申知瑛/金友子訳 森崎和江の「朝鮮」と「女性」――人種主義と種差別主義に抗うために
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戦争日記——鉛筆1本で描いたウクライナのある家族の日々
¥1,595
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侵攻前夜から始まる地下室での避難生活、ハリコフ(ハルキウ)からリヴォフ(リヴィウ)、ポーランドを経てブルガリアへ逃れる過程を絵と文章で綴った、鉛筆で描かれた ドキュメンタリー。 [出版社より] 著 者|オリガ・グレベンニク 監 修|奈倉有里 訳 者|渡辺麻土香/チョン・ソウン 出版社|河出書房新社 定 価|1,450円+税 判 型|四六変型判/仮フランス装 頁 数|136 ISBN|978-4-309-20863-3 初 版|2022年09月 Author オリガ・グレベンニク 1986年ウクライナのハリコフ(ハルキウ)生まれ。絵本作家。9歳の息子と4歳の娘の母。『ママ、怒らないで』などの絵本を出版。挿絵を描いたすべての本はベストセラーとなり、イラスト作品も世界各国で人気。 監修 奈倉 有里 Yuri Nagura 82年東京生まれ。ロシア国立ゴーリキー文学大学卒業、東京大学大学院博士課程満期退学。著書に『夕暮れに夜明けの歌を』『アレクサンドル・ブローク 詩学と生涯』、訳書に『手紙』『陽気なお葬式』など。 Translator 渡辺 麻土香 Madoka Watanabe 東京女子大学現代文化学部卒業。書籍やウェブ小説、テレビ番組の字幕など幅広いジャンルの翻訳に携わる。訳書に『アンコンタクト非接触の経済学』『マンガで学ぶ恐竜の生態』『韓国の「街の本屋」の生存探究』など。 チョン・ソウン ロシア文化の専門家でおもに執筆や通訳・翻訳を行っている。
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ジョン・ウォーターズの地獄のアメリカ横断ヒッチハイク
¥2,860
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ここでなければ、どこへでもーー。 『ピンク・フラミンゴ』『ヘアスプレー』で知られる伝説のカルト映画監督ジョン・ウォーターズは66歳にして突如アメリカ横断ヒッチハイクを計画した。「刺激がほしいんだ!」 2つのフィクション「最高の旅」「最悪の旅」、そしてノンフィクション「現実の旅」で構成された新しいエンターテインメントの誕生。 「訳しながら笑いが止まらなくなったのはこれが初体験。この本は活字で読むジョン・ウォーターズの新作映画だ!」――柳下毅一郎 ー アメリカが誇る伝説的カルト映画監督にしてバッドテイスト(悪趣味)の王様、ジョン・ウォーターズは66歳にして突如アメリカ横断ヒッチハイクを計画した。ボルチモアからサンフランシスコまで、それはウォーターズにとってのアメリカを再発見する旅となった。 現実の旅の前の予行演習として、2つの中篇小説「最高の旅」「最悪の旅」が書かれる。新作映画の資金を現金でポンとくれる大金持ちの麻薬売人に出会ったり、サーカスに入ってフリークショーに出演したり、懐かしい映画仲間に再会したり、と最高に幸せなヒッチハイク。つづいて、考えるうる限り最低で最悪なヒッチハイクで出会うのは、ウォーターズ映画マニアの親子、アル中の無免許運転手、ゲイ至上主義の過激派、狂った動物愛護運動家ほか多数! そして「事実は小説より奇なり」の言葉通り、最悪で最高な「現実の旅」が始まる。最後にウォーターズを待ち受けるのは果たして天国か、地獄か!? フィクションとノンフィクションで構成された新しい形のエンターテインメントにして、活字で読むジョン・ウォーターズ映画、そしてトウェイン~スタインベック~ケルアックに続く偉大なるアメリカ放浪者文学の誕生。 [出版社より] 著 者|ジョン・ウォーターズ 訳 者|柳下毅一郎 出版社|国書刊行会 定 価|2,600円+税 判 型|四六変型判/上製 頁 数|386 ISBN|978-4-336-07320-4 初 版|2022年01月 Contents プロローグ 我が道を行く? 起こりうるかぎり最高のこと 起こりうるかぎり最悪のこと 本物の旅 Author ジョン・ウォーターズ John Waters 1946年アメリカ・メリーランド州ボルチモアの中流家庭に生まれる。72年にカルト映画史上の古典として不滅の輝きをもつ『ピンク・フラミンゴ』を発表、全世界にショックを与えて〈バッドテイストの王様〉として名を馳せる。以後、メジャー映画シーンで『ヘアスプレー』(88年)『クライ・ベイビー』(90年)『シリアル・ママ』(94年)などヒット作を監督。現在はショーのホストやエッセイストとしても活躍している。ボルチモア在住。 Translator 柳下毅一郎 Kiichiro Yanashita 1963年大阪府生まれ。映画評論家・翻訳家。雑誌『宝島』の編集者を経てフリー。ガース柳下の筆名で『ファビュラス・バーカー・ボーイズの映画欠席裁判』(洋泉社/文春文庫)を町山智浩と共著。著書『興行師たちの映画史 エクスプロイテーション・フィルム全史』(青土社)、『新世紀読書大全 書評1990-2010』(洋泉社)など多数。訳書にR・A・ラファティ『第四の館』(国書刊行会)、アラン・ムーア/J・H・ウィリアムズⅢ『プロメテア1~3』(小学館集英社プロダクション)、監訳書に〈J・G・バラード短編全集〉(東京創元社)など。
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中野ブロードウェイ物語
¥1,870
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中野ブロードウェイ竣工55周年記念出版。 来る者を拒まず、去る者を追わず――。その存在は常に変わりゆく時代とともあった。1966年から変転を続けるNBW(中野ブロードウェイ)の世界へようこそ 屋上プール付き分譲マンションと「まんだらけ」などのサブカル店舗群が同居した異空間。活況のインバウンドとコロナ禍を経て、“昭和の不沈艦” は今なおアメーバ的進化を続ける。 当地に暮らす著者がその全貌に迫った異色ルポ。中央線文化圏を先導した巨大建造物の伝説と現在。 〈本書に登場する中野ブロードウェイのお店とゆかりの人々〉 ・古川会長率いる「まんだらけ」 ・激安弁当の「シャルマン」 ・8段ソフトクリームの「デイリーチコ」 ・店内コンサートで賑わう「中野名曲堂」 ・高級時計店の老舗「ジャックロード」 ・占いの「染心堂」「ばるばら」 ・村上隆の「Tonari no Zingaro」 ・「TRIO」三田隆司、渡辺浩弐、大槻ケンヂ、タブレット純、沖縄電子少女彩、春日武彦、青島美幸、金子義孝……他多数。 [出版社より] 著 者|長谷川晶一 出版社|亜紀書房 定 価|1,700円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|288 ISBN|978-4-7505-1738-4 初 版|2022年04月 Contents はじめに――魅せられて 第一章 個性派店主、それぞれの思い 第二章 商店街振興組合の名物理事は88歳 第三章 「魔窟」の生みの親 第四章 ほどよい野放図の館 第五章 「まんだらけ」旋風、吹き荒れる 第六章 「TRIO」の隆盛と撤退 第七章 マンガ・小説はどう描いたか 第八章 作家と中野ブロードウェイ 第九章 時計と占いと世界的モダンアート 第十章 百周年の幻影 おわりに――新時代へ Author 長谷川 晶一 Shoichi Hasegawa 1970年5月13日東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、出版社勤務を経てノンフィクションライターに。05年より中野ブロードウェイに在住。『最弱球団 高橋ユニオンズ青春記』(白夜書房)、『私がアイドルだった頃』(草思社)、『ギャルと「僕ら」の20年史 女子高生雑誌Cawaii!の誕生と終焉』(亜紀書房)、『いつも、気づけば神宮に 東京ヤクルトスワローズ「9つの系譜」』(集英社)、『詰むや、詰まざるや 森・西武vs野村・ヤクルトの2年間』(インプレス)、『生と性が交錯する街 新宿二丁目』(角川新書)他、著書多数。
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「死刑になりたくて、他人を殺しました」無差別殺傷犯の論理
¥1,870
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死刑という「安息」——。 なぜ人を殺すことでしか、彼らの思いは遂げられなかったのか。 「死刑になるため」、「無期懲役になるため」と、通り魔を行い、放火をし、見ず知らずの人を傷つける凶悪犯が後を絶えない。彼らはなぜ、計画を実行し犯罪をおかすことができたのか。我々と、あるいは彼らと同じ境遇にいる人々と、何か違うのか。 各界の研究者、彼らを救済する人びとに上記の問いを投げかけ、そのインタビューの中から「彼ら」の真の姿、そして求めているものを探る、ルポルタージュ。 [出版社より] 著 者|インベ カヲリ★ 出版社|イースト・プレス 定 価|1,700円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|268 ISBN|9784781620824 初 版|2022年05月 Contents [ 取材者 ] 秋葉原無差別殺傷事件犯人 加藤智大の友人 大友秀逸氏 宅間守・宮崎勤らの精神鑑定士 長谷川博一氏 東京拘置所・死刑囚の教誨師 ハビエル・ガラルダ氏 永山則夫の元身柄引受人候補 市原みちえ氏 10代少女毒物殺人事件 支援者 阿部恭子氏 元刑務官 坂本敏夫氏 など 第1章 加害者家族を救う人 阿部恭子(NPO法人World Open Heart理事長) 第2章 自殺と他殺を受け止める人 大友秀逸(「秋葉原無差別殺傷事件」犯人加藤智大の友人) 第3章 殺人犯を教えさとす人 ハビエル・ガラルダ(教誨師) 第4章 「傷つけたい」思いと対話する人 長谷川博一(こころぎふ臨床心理センターセンター長) 第5章 「生きづらさ」に向き合う人 大石怜奈・石神貴之(学生団体YouthLINKメンバー・OB) 第6章 「死刑になりたい」殺人犯を支え続けた人 市原みちえ(「いのちのギャラリー」管理人) 第7章 家族と嗜癖から人間を見る人 斎藤学(家族機能研究所・精神科医) 第8章 社会と犯罪の関係を研究する人 岡邊健(京都大学大学院教育学研究科教授) 第9章 死刑を執行する人 坂本敏夫(元刑務官) Author インベ カヲリ★ 1980年、東京都生まれ。写真家。短大卒業後、独学で写真を始める。編集プロダクション、映像制作会社勤務等を経て2006年よりフリーとして活動。13年に出版の写真集『やっぱ月帰るわ、私。』で第39回木村伊兵衛写真賞最終候補に。18年第43回伊奈信夫賞を受賞、19年日本写真協会賞新人賞を受賞。写真集に『理想の猫じゃない』、『ふあふあの隙間123』がある。ノンフィクションライターとしても活動しており、「新潮45」に事件ルポなどを寄稿してきた。著書に『家族不適応殺 新幹線無差別殺傷犯、小島一朗の実像』、『私の顔は誰も知らない』など。
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愛と家族を探して
¥1,540
法律婚ではない契約を取り交わして結婚生活を送る夫婦。恋愛関係にはないが、同性パートナーシップ制度を利用して「家族」になることを検討中の女性二人。「家庭が欲しい」と 精子バンクを利用して子どもを産んだXジェンダーの当事者。母の呼びかけで集まった多くの人たちによる共同保育で育った子ども。 自分らしく、深く息をして生きるために。「愛」と「家族」の多様な形を実践する人々にインタビューし、自らに問い直す。 自分がほんとうに安心できる「愛と家族のかたち」は、どこにあるのだろう? [出版社より] 「こんな話、聞きたかった。偏見や思い込みを丁寧にならしていく作業は時間と根気が要るけれど、楽しいものでもある。「家族」の定義なんか決められたくないよね」 ——能町みね子 著 者|佐々木ののか 出版社|亜紀書房 定 価|1,400円+税 判 型|四六判/上製 頁 数|136 ISBN|978-4-7505-1734-6 初 版|2020年06月 Contents 第1章 二つの出会い 第2章 長谷川(26)・江添(31) 第3章 華京院レイ(32) 第4章 加納土(24) 第5章 中村みどり(33) 第6章 オノマリコ(34)・モスクワカヌ(34) 第7章 綾乃(35)・あお(21) 第8章 古藤千佳(35) Author 佐々木 ののか Nonoka Sasaki 1990年、北海道生まれ。文筆業。「家族と性愛」を主なテーマに据え、エッセイや取材記事を執筆。映像の構成企画やアパレルの制作、映画・演劇のアフタートーク登壇など、ジャンルを越境して自由に活動している。家の前で遭遇した愛猫みいちゃんと仲良く同居中。
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家族不適応殺——新幹線無差別殺傷犯、小島一朗の実像
¥1,870
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新幹線無差別殺傷事件。理解不能な動機、思考を浮き彫りにする驚愕のルポ! 国家に親代わりを求めた男。法廷で無期懲役に万歳三唱をし、殺人犯なのに刑務所で生存権を主張し続ける犯人・小島一朗。誰も踏み込まなかったその内面に、異端の写真家が迫る。全真相解明、驚愕の事件ルポ。 犯人はいったい何者なのか? <新幹線無差別殺傷事件> 2018年6月9日、走行中の東海道新幹線の車内で男女3人が襲われ、2名が重軽傷、男性が死亡した。「刑務所に入りたい」という動機だったため、一審で無期懲役となった際に小島一朗は法廷で万歳三唱をした。控訴せず20年1月に刑が確定。小島は刑務所内で生存権を主張し続けている。 2008年以降の無差別殺人事件の犯人は前科前歴なし、両親は揃っており、貧困家庭でもなく友人関係に問題もない、「普通」の者が多い。だが、「死刑になるため」「刑務所に入るため」と彼らは犯行に及ぶ。 約3年にわたる取材でその理解不能な動機、思考を浮き彫りにする。 [出版社より] 著 者|インベ カヲリ★ 出版社|KADOKAWA 定 価|1,700円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|296 ISBN|9784041109434 初 版|2021年09月 Contents 序章 鞘─―刑務所に入る夢を叶えた男 第一章 心――写真家が人殺しに興味を持つ理由 第二章 偏―─歩み寄る難しさ 第三章 記―─「むしゃくしゃしてやった、誰でもよかった」の真相 第四章 凶―─餓死することを止め、生きる選択をした 第五章 会―─アクリル板越しの作り笑顔 第六章 家―─浮かび上がるいい子 第七章 迷―─食い違う家族の言い分 第八章 裁―─真実が語られない虚無な裁判 第九章 答――刑務所でしか手に入らないもの─ 第十章 辿―─犯行時のシミュレーションから感じること─ 最終章 刑―─自傷行為を通して得られる愛 あとがき 主要参考文献一覧 Author インベ カヲリ★ 1980年東京都生まれ。写真家。ライター。短大卒業後、独学で写真を始める。伊奈信男賞、日本写真協会賞新人賞受賞。著書に「理想の猫じゃない」「ノーモア立川明日香」など。
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いのちの終いかた 「在宅看取り」一年の記録
¥1,650
延命より、充実した最期の日々を。 国民の半数以上が「住み慣れた家で逝きたい」と望んでいる。それを実践した人びとは、どのように最期を迎えたのか――。2人の訪問診療医が向き合った患者たちの最期の日々。大反響を呼んだNHK BS1スペシャル『在宅死 ”死に際の医療”200日の記録』(2018年6月放送)のディレクターが綴る、「葛藤」と「納得」の死を見つめた渾身のノンフィクション。「亡くなった患者さんたちに教えられたことを、一人でも多くの人に知ってほしい」という著者の思いが詰まった書。 [出版社より] 著 者|下村 幸子 出版社|NHK出版 定 価|1,500円+税 判 型|四六判・並製 頁 数|272 ISBN|978-4-14-081795-7 発 行|2019年09月 Contents 序 章 風変わりな医師――小堀鷗一郎医師との出会い ほか 第1章 子が親を看取る――70代の夫婦が103歳の母親を介護する ほか 第2章 親が子を看取る――77歳の母親が52歳の娘を看取る 第3章 伴侶を看取る――82歳の夫が85歳の妻を介護する ほか 第4章 独居の病人を看取る――独居の95歳を訪問診療チームが支える ほか 終 章 在宅医療のこれから――変わる終末期医療、問われる死への哲学 ほか Author 下村 幸子 Sachiko Shimomura NHKエンタープライズ エグゼクティブ・プロデューサー。東京都生まれ。1993年、NHKエンタープライズに入社し、ドキュメンタリーを中心に番組を企画制作。主な番組に「僕はヒロシマを知らなかった~広島平和記念公園物語」「証言記録 東日本大震災 福島県」「もう一つのニューシネマパラダイストルナトーレ監督のシチリア」「こうして僕らは医師になる~沖縄県立中部病院 研修日記」(第50回ギャラクシー賞選奨受賞)等。
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ヒトラー 虚像の独裁者
¥1,276
ヒトラー(一八八九─一九四五)とは何者だったのか。 ナチ・ドイツを多角的に研究してきた第一人者が、最新の史資料を踏まえて「ヒトラー神話」を解き明かす。生い立ちからホロコーストへと至る時代背景から、死後の歴史修正主義や再生産される「ヒトラー現象」までを視野に入れ、現代史を総合的に捉え直す決定版評伝。 [出版社より] 著 者|芝健介 出版社|岩波書店[岩波新書] 定 価|1,160円+税 判 型|新書判 頁 数|380 ISBN|9784004318958 初 版|2021年09月 Contents はじめに 第1章 兵士ヒトラー――勲章と沈黙と 一 少年アードルフ/二 ウィーンへ/三 第一次世界大戦 第2章 弁士から党総統へ――カリスマの源泉とテロル 一 停戦と革命/二 カリスマ弁士の誕生/三 総フューラー・パルタイ統の党/四 ミュンヒェン一揆 第3章 国民的政治家への道――『わが闘争』と党の躍進 一 『わが闘争』/二 ナチ党の躍進/三 首相へ 第4章 総統兼首相として――一党独裁のなかの多頭制 一 一党独裁の完成と対ユダヤ人政策/二 政敵の粛清──「長いナイフviiiの夜」/三 再軍備と戦争への布石 第5章 「天才的将帥」から地下要塞へ――第二次世界大戦とホロコースト 一 史上最高の将帥(グレーファツ)/二 絶滅収容所の開設/三 独ソ戦の帰結/四 敗戦の足音 第6章 ヒトラー像の変遷をめぐって――生き続ける「ヒトラー」 一 戦後の混乱とニュルンベルク国際軍事裁判/二 脱魔術化の過程/三 ヒトラー研究・ホロコースト研究の本格化/四 二〇〇〇年代──新たなるまなざし おわりに あとがき 参考文献/図版・地図出典一覧 Author 芝 健介 Kensuke Shiba 1947年、愛媛県生まれ。東京大学法学部政治学科卒業後、同大学大学院社会学研究科博士課程(国際関係論)修了。國學院大學助教授、東京女子大学教授を歴任。現在東京女子大学名誉教授。専攻ドイツ現代史・ヨーロッパ近現代史。 著書に『武装 SS』(講談社)、『ヒトラーのニュルンベルク』(吉川弘文館)、『ホロコースト』(中公新書)、『ニュルンベルク裁判』(岩波書店)ほか。訳書にN.フライ『総統国家』、M.フルブルック『二つのドイツ1945─1990』、G.アリー『ヒトラーの国民国家』(以上、岩波書店)、L.ブレンナー『ファシズム時代のシオニズム』(法政大学出版局)ほか。
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搾取都市、ソウル——韓国最底辺住宅街の人びと
¥1,870
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韓国の首都、ソウル。貧困層が住む最底辺の住宅「チョッパン」を取材する記者が苦心の末にたどり着いたのは、「見えない」富裕層による貧困ビジネスの実態だった―。チョッパン街住民の声、自身の貧困経験や徹底した調査をもとに、新自由主義がまかり通る社会に問いをつきつける迫真のルポ。 [出版社より] 著 者|イ・ヘミ 訳 者|伊東順子 出版社|筑摩書房 定 価|1,700円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|240 ISBN|978-4-480-83721-9 初 版|2022年02月 Contents 第1部 地屋考の下、チョッパ 「現代版チョッパン」、考試院の人びと 「非情都市」の最底辺住宅 チョッパン街の貧困ビジネス 「地屋考の下、チョッパン」その後 第2部 学生街の新チョッパン 自伝的「住居難民」の物語 学生街がチョッパン街になっている ソウル、流浪する人びとの欲望の都市 Author イ・ヘミ 韓国日報記者。1989年、釜山生まれ。延世大学で中国語・中国文学と政治外交学を専攻した。「今年の女性記者賞」「チェ・ウンヒ女性記者賞」「今月の記者賞」「今年のデータ基盤探査報道賞」「韓国オンラインジャーナリズムアワード大賞」などを受賞。2021年からはジェンダー・ニュースレター「Her Story」を制作・発信している。 Translator 伊東 順子 Junko Ito ライター、編集・翻訳業。愛知県生まれ。1990年に渡韓。ソウルで企画・翻訳オフィスを運営。2017年に同人雑誌「中くらいの友だち―韓くに手帖」(皓星社)を創刊。
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タゴール・ソングス
¥1,980
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この美しい世界で私は死にたくない ひとびとに混じって私は生きていきたい インドとバングラデシュにまたがるベンガルの地に、貧困や不条理、きびしい現実のなかで息づくタゴールの歌。「詩聖」ラビンドラナート・タゴールが自然、人間の喜び、悲しみ、その内なる力を題材につくった歌は、百年の時を経たいまでも、困難を乗り越える糧になっている。―― 映画『タゴール・ソングス』を監督した佐々木美佳が数年に渡る撮影の旅路で出会った、3人のタゴール・ソングの“歌い手”をめぐる小さな物語。 [出版社より] 著 者|佐々木美佳 出版社|三輪舎 定 価|1,800円+税 判 型|B6変型判/仮フランス装 頁 数|144 ISBN|9784990811693 初 版|2022年02月 Author 佐々木 美佳 Mika Sasaki 映像作家、文筆家。1993年、福井県生まれ。東京外国語大学言語文化学部ヒンディー語学科卒業。2020年、ベンガル人のあいだで愛されている、タゴールが作詞・作曲した歌〈タゴール・ソング〉を探しにいくドキュメンタリー映画『タゴール・ソングス』で監督デビュー。2022年にはダッカ国際映画祭に出品。次回作は、日本に住む南アジア出身者がつくるカレーを題材にした長編映画と、タゴールとゆかりのある原三渓と三渓園をテーマにした短編『三渓の影(仮)』を準備中。
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大杉栄伝 永遠のアナキズム
¥1,320
「生の負債化」に抵抗し続け、無支配の世界を構想した男を描く、傑作評伝! 第5回「いける本」大賞受賞、紀伊國屋じんぶん大 賞2015第6位の新評伝。 労働者、消費者、学生、夫、妻といった社会的アイデンティティを被らされ、「社会」の役に立つように動員されていく現代社会。その「役に立つ」も、エッセンシャル・ワーカーを除いてはブルシット・ジョブ(デヴィッド・グレーバー)ばかりで、「やってる感」の演出のために長時間労働を強いられるばかり。 かつ、真に必要な仕事は低賃金を強いられ、新自由主義の歪みは極大化している。“自由で民主主義的な社会”であるはずなのに、なぜ私たちはまったく自由を感じられないのか? これは、「生の負債化」である。 この「生の負債化」に対し、「生の無償性」が大杉栄のアナキズムの肝なのではないかという視点から、気鋭のアナキズム研究者が生の拡充、相互扶助の大杉思想を現代的に読み解いていく。 アナキズムとは、「支配されない状態」を目指すことだ。「生の負債化」に抵抗し続け、無支配の世界を構想した男・大杉栄。甘粕事件で国家に虐殺された、傑出した社会思想家にして運動家を新たな文体で描いた、傑作評伝! [出版社より] 著 者|栗原康 出版社|KADOKAWA[角川ソフィア文庫] 定 価|1,200円+税 判 型|文庫判 頁 数|416 ISBN|9784044003357 初 版|2021年02月 Contents はじめに 第一章 蜂起の思想 第二章 アナキズム小児病 第三章 ストライキの哲学 第四章 絶対遊戯の心 第五章 気分の労働運動 第六章 アナキストの本気 おわりに 文庫版あとがき 脚注 参考文献 解説 人物解説・索引 Author 栗原 康 Yasushi Kurihara 1979年生まれ。早稲田大学政治学研究科・博士後期課程満期退学。現在は、武蔵野学院大学非常勤講師。
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村に火をつけ、白痴になれ——伊藤野枝伝
¥1,232
女性を縛る結婚制度や社会道徳と対決し、貧乏に徹しわがままに生きたアナキスト、伊藤野枝。パートナーの大杉栄とともに国家に惨殺されるまでの二八年の生涯を、体当たりで描き話題を呼んだ、爆裂評伝。「あなたは一国の為政者でも私よりは弱い」。一〇〇年前を疾走した野枝が現代の閉塞を打ち破る! 解説=ブレイディみかこ [出版社より] 編 者|栗原康 出版社|岩波書店[岩波現代文庫] 定 価|1,120円+税 判 型|文庫判 頁 数|280 ISBN| 9784006023164 初 版|2020年01月 Contents はじめに あの淫乱女! 淫乱女!/野枝のたたりじゃあ!/もはやジェンダーはない、あるのはセックスそれだけだ 第一章 貧乏に徹し、わがままに生きろ お父さんは、はたらきません/わたしは読書が好きだ/わたしはけっしてあたまをさげない/きょうから、わたし東京のひとになる 第二章 夜逃げの哲学 西洋乞食、あらわれる/わたし、海賊になる/ど根性でセックスだ/だれかたすけてください、たすけてください/恋愛は不純じゃない、結婚のほうが不純なんだ/究極の夜逃げ 第三章 ひとのセックスを笑うな 青鞜社の庭にウンコをばら撒く/レッド・エマ/野枝の料理はまずくて汚い?/もっと本気で、もっと死ぬ気で、ハチャメチャなことをかいて、かいてかきまくれ/(一)貞操論争/(二)堕胎論争/(三)廃娼論争/大杉栄、野枝にホレる/急転直下、自分で自分の心がわからぬ!/約束なんてまもれない、結婚も自由恋愛もしったことか/カネがなければもらえばいい、あきらめるな!/オバケのはなし――葉山日蔭茶屋事件/吹けよあれよ、風よあらしよ/絶交だ、絶交である。 第四章 ひとつになっても、ひとつになれないよ マツタケをください/すごい、すごい、オレすごい/亀戸の新生活――ようこそ、わが家へ/イヤなものはイヤなのだ/あなたは一国の為政者でも私よりは弱い/主婦たちがマジで生を拡充している/魔子は、ママのことなんてわすれてしまいました/結婚制度とは、奴隷制のことである/ひとつになっても、ひとつになれないよ/友情とは、中心のない機械である――そろそろ、人間をやめてミシンになるときがきたようだ/家庭を、人間をストライキしてやるんだ――この腐った社会に、怒りの火の玉をなげつけろ! 第五章 無政府は事実だ 野枝、大暴れ/どうせ希望がないならば、なんでも好き勝手にやってやる/絞首台にのぼらされても、かまうものか!/失業労働者よ、団結せよ/無政府は事実だ――非国民、上等! 失業、よし!/村に火をつけ、白痴になれ/わたしも日本を去り、大杉を追っていきます/国家の犬どもに殺される/友だちは非国民――国家の害毒は、もうバラまかれている 注 参考文献 写真出典 伊藤野枝略年譜 あとがき いざとなったら、太陽を喰らえ/はじめに行為ありき、やっちまいな 岩波現代文庫版あとがき 解説『村に火をつけ、白痴になれ』を語るとき、人は羨望し、祝福する……………ブレイディみかこ Author 栗原 康 Yasushi Kurihara 1979年埼玉県生まれ。東北芸術工科大学非常勤講師。専門はアナキズム研究。著書に『大杉栄伝 ―― 永遠のアナキズム』(夜光社)、『はたらかないで、たらふく食べたい ――「生の負債」からの解放宣言』(タバブックス)、『村に火をつけ、白痴になれ ―― 伊藤野枝伝』(岩波書店)、『現代暴力論 ――「あばれる力」を取り戻す』(角川新書)、『死してなお踊れ ――一遍上人伝』(河出書房新社)、『菊とギロチン ―― やるならいましかねえ、いつだっていましかねえ』(タバブックス)、『何ものにも縛られないための政治学 ―― 権力の脱構成』(KADOKAWA)など。
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飢える私 ままならない心と体
¥2,090
あの日の私を守るために食べてしまう。 そんな自分を愛したいけど、愛せない。 レイプ、過食、嘔吐、超肥満、差別、同情……。少女時代から作家になっても続く苦悩と辛酸の日々。 『バッド・フェミニスト』を超えた骨のきしむような回顧録! [出版社より] 「ユーモアがあって、刺激的で、切実。彼女の視点を自分の中に蓄えることができるのは、本当に幸せなことだ。みんなバッド・フェミニストで生きよう!」 ——松田青子[小説家] 著 者|ロクサーヌ・ゲイ 訳 者|野中モモ 出版社|亜紀書房 定 価|1,900円+税 判 型|四六判・並製 頁 数|288 ISBN|978-4-7505-1577-9 初 版|2019年02月 Author ロクサーヌ・ゲイ Roxane Gay 1974年米国・ネブラスカ州生まれ。ハイチ系アメリカ人の作家。大学で教鞭を執りながら、フィクション、ノンフィクションの両方の分野で執筆活動を行う。2014年、初のエッセイ集『バッド・フェミニスト』がベストセラーに(邦訳版小社刊)。同年刊行された長編小説『アンテイムド・ステイト』は映画化計画が進行中。他にマーベル社のコミック『ブラックパンサー:ワールド・オブ・ワカンダ』のストーリー等も担当。2017年には短編小説集『むずかしい女たち』(河出書房新社)を上梓。本作は2冊目のエッセイ集となる。 Translator 野中 モモ Momo Nonaka ライター、翻訳家。ロクサーヌ・ゲイ『バッド・フェミニスト』(小社刊)、レイチェル・イグノトフスキー『世界を変えた50人の女性科学者たち』(創元社)、ダナ・ボイド『つながりっぱなしの日常を生きる ソーシャルメディアが若者にもたらしたもの』(草思社)、アリスン・ピープマイヤー『ガール・ジン 「フェミニズムする」少女たちの参加型メディア』(太田出版)など訳書多数。著書に『デヴィッド・ボウイ 変幻するカルト・スター』(筑摩書房)、共編著書に『日本のZINEについて知ってることすべて』(誠文堂新光社)がある。
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きらめく拍手の音 手で話す人々とともに生きる
¥1,980
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手話は言語だ。 [コーダ]=音の聞こえないろう者の両親のもとに生まれた、聞こえる子(Children of Deaf Adults)の話。 映画監督、作家であり、才気溢れる“ストーリー・テラー”、イギル・ボラ。「コーダ」である著者が、ろう者と聴者、二つの世界を行き来しながら生きる葛藤とよろこびを、巧みな筆致で綴る瑞々しいエッセイ。家族と対話し、世界中を旅して、「私は何者か」と模索してきた道のり。 [出版社より] 「読みながら胸が痛かった。けれどもこの痛みは、コーダが迎える未来を新しく切り開くものでもあった。あなたとわたしの異なりからもたらされる喜び、そして、悲しみは、文化の出会いそのものだ」 ―― 齋藤陽道(写真家) 「ろう者の両親のもとで育った起伏に富んだ人生を表現することばの深さ、そして広がり。この本は、ろう者とろう文化への格好の道案内として読むことができるだろう。ボラさんのことばと思考は彼女のストーリーテリングにいくつもの輪郭を与え、多重露出のようなきらめきを与える」 ―― 斉藤道雄(ジャーナリスト/「解説」より) 著 者|イギル・ボラ 訳 者|矢澤浩子 出版社|リトルモア 定 価|1,800円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|288 ISBN|978-4-89815-532-5 初 版|2020年12月 [ あらすじ ] 著者は、「手話」を母語とし、幼い頃から両親の通訳をまかされ、早くから社会と接することで、成熟していった。21歳で自らが「コーダ」と呼ばれる存在だと知った彼女は、同じコーダの仲間と知り合い、彼らの声を集めて、「コーダ」がどんな存在かを見つめなおす。 ある時、ろう者の父とともに、ろう文化の天国であるアメリカを訪れ、「デフ・ワールド・エキスポ」、ろう者に開かれたギャローデット大学で新たな文化と出会った。帰国後、聞こえない両親、聞こえる自分と弟からなる自身の家族をみつめたドキュメンタリー映画の製作を決意。インタビューを重ね、彼らと自分の葛藤を映像の力で伝えることに挑んだ。 Author イギル・ボラ 1990年、韓国生まれ。映画監督、作家。ろう者である両親のもとで生まれ育ち、ストーリー・テラーとして活動する。17歳で高校中退、東南アジアを旅した後、韓国芸術総合学校でドキュメンタリー制作を学ぶ。ほかの著書に『道は学校だ』『私たちはコーダです』(いずれも未邦訳)など。ドキュメンタリー映画監督作に『きらめく拍手の音』『記憶の戦争―Untold』ほか。『きらめく拍手の音』は韓国で多数の映画賞を受賞。日本では山形国際ドキュメンタリー映画祭にて「アジア千波万波部門」特別賞を受賞、2017年の公開以降、日本各地で上映されている。 Translator 矢澤浩子 Hiroko Yazawa 金融関係勤務を経て、日本語・韓国語教師、日韓翻訳・通訳、語学教育及び韓国文化関連のライターとして活動中。主な著書に『ソウル路地裏チョンマルガイド』(JTBパブリッシング)、取材・執筆を手がけた『日本語授業の進め方生中継』(アルク)、翻訳書に、日韓共作漫画『ギャングスターズ』(秋田書店)、韓国漫画『猟奇刑事ギト』(秋田書店)などがある。