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「生の負債化」に抵抗し続け、無支配の世界を構想した男を描く、傑作評伝!
第5回「いける本」大賞受賞、紀伊國屋じんぶん大 賞2015第6位の新評伝。
労働者、消費者、学生、夫、妻といった社会的アイデンティティを被らされ、「社会」の役に立つように動員されていく現代社会。その「役に立つ」も、エッセンシャル・ワーカーを除いてはブルシット・ジョブ(デヴィッド・グレーバー)ばかりで、「やってる感」の演出のために長時間労働を強いられるばかり。
かつ、真に必要な仕事は低賃金を強いられ、新自由主義の歪みは極大化している。“自由で民主主義的な社会”であるはずなのに、なぜ私たちはまったく自由を感じられないのか?
これは、「生の負債化」である。
この「生の負債化」に対し、「生の無償性」が大杉栄のアナキズムの肝なのではないかという視点から、気鋭のアナキズム研究者が生の拡充、相互扶助の大杉思想を現代的に読み解いていく。
アナキズムとは、「支配されない状態」を目指すことだ。「生の負債化」に抵抗し続け、無支配の世界を構想した男・大杉栄。甘粕事件で国家に虐殺された、傑出した社会思想家にして運動家を新たな文体で描いた、傑作評伝!
[出版社より]
著 者|栗原康
出版社|KADOKAWA[角川ソフィア文庫]
定 価|1,200円+税
判 型|文庫判
頁 数|416
ISBN|9784044003357
初 版|2021年02月
Contents
はじめに
第一章 蜂起の思想
第二章 アナキズム小児病
第三章 ストライキの哲学
第四章 絶対遊戯の心
第五章 気分の労働運動
第六章 アナキストの本気
おわりに
文庫版あとがき
脚注
参考文献
解説
人物解説・索引
Author
栗原 康 Yasushi Kurihara
1979年生まれ。早稲田大学政治学研究科・博士後期課程満期退学。現在は、武蔵野学院大学非常勤講師。
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