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現代思想 2022年08月号 哲学のつくり方
¥1,650
哲学の本質とは何か? 「哲学する」とは、現代においてどのような形をとりうるのか、そしてどのような方向へ育ててゆくべきなのか。独創的な哲学者の思索、歴史上の多様な試み、アカデミズムに限らない場所づくりなど、知の営みを再活性化するために「哲学」を「哲学をつくる」という原初的な姿において捉え直す。 [編集部より] 出版社|青土社 定 価|1,500円+税 判 型|A5変型判/並製 頁 数|230 ISBN|978-4-7917-1434-6 初 版|2020年07月 Contents 特集*哲学のつくり方――もう一つの哲学入門 【討議】 偶然性と多元性――この世界に存在するさまざまな思索のかたち / 千葉雅也+山口尚 【私はいかにして哲学をつくったのか、あるいはつくりつつあるのか】 オブジェクト指向存在論の発見 / グレアム・ハーマン(訳=浅沼光樹) たとえ哲学ではないとしても / 入不二基義 スコラ哲学の森の中で――ハビトゥスとしての哲学 / 山内志朗 私にとって哲学とは何をすることか / 森岡正博 哲学への取り組み方について四つの質問に応答する / 青山拓央 哲学はスイングバイによって思考の深宇宙へ飛び立つ / 飯盛元章 私の哲学遍歴 / 岩内章太郎 試みる / 永井玲衣 【哲学をつくる場をつくる】 哲学とは何か――子ども性・対話・愛 / 河野哲也 もしも哲学がコミュニケーションであるのなら / 三木那由他 日々の哲学のかたち――哲学のエクゼルシスの場としてのブログ / 黒田昭信 哲学で開業する――哲学プラクティスが拓く哲学と仕事の閾 / 堀越耀介 筋トレでスッキリできない人の哲学のつくり方 / 原田まりる 【哲学をつくること、その歴史上の刺激的な試み】 つくる哲学に向けて――ソフィストと哲学者の間再考 / 納富信留 フリードリヒ・シュレーゲルの共同哲学の方法――文献学の哲学と生成の概念、そして命題の中の多元論的な世界 / 胡屋武志 キェルケゴールと哲学――〈哲学〉の誠実さ、あるいは生き方としての哲学について / 鈴木祐丞 小説のつくり方、哲学のつくり方――ミシェル・アンリの場合 / 村松正隆 わたし、変換器――怖れ知らずの哲学序説 / 横田祐美子 哲学の孤独と喧騒――ドゥルーズとガタリの共同作業を再評価する / 小林卓也 AIで哲学する/AIと哲学する / 松井哲也 ー 【特別掲載】 「ポスト2・24」のロシアはファシズム国家か? / マルレーヌ・ラリュエル(訳=浜由樹子) ー 【連載●「戦後知」の超克●第一九回】 柄谷行人における「世界史」の問い方 2――その「起源」と「構造」 / 成田龍一 【連載●社会は生きている●第二回】 社会の生態を──序論2 / 山下祐介 【連載●タイミングの社会学●第一九回】 根こぎ 3――タイミングが合わないこと / 石岡丈昇 【研究手帖】 一九世紀フィンランドにおける国民形成 / 吉田眞生子
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現代思想 2022年07月号 「加害者」を考える
¥1,650
SOLD OUT
加害者をめぐる問いに向き合う。 監獄という外部へ、あるいは親密圏の内側へ……。社会は加害者を常に遠ざけ、覆い隠すべきものとし続けてきた。しかし傷の修復と再発防止を追求していくためには、単なる興味本位の詮索とは異なる仕方でその存在を「直視」することも必要なのではないか。本特集では加害者臨床、修復的正義、刑事政策学など多様な研究・実践の蓄積を踏まえつつ「加害者」という問題に正面からアプローチしたい。 [編集部より] 出版社|青土社 定 価|1,500円+税 判 型|A5変型判/並製 頁 数|246 ISBN|978-4-7917-1433-9 初 版|2020年06月 Contents 特集*「加害者」を考える――臨床・司法・倫理 【討議】 ‟血塗られた”場所からの言葉と思考 / 小松原織香+森岡正博 【理論と実践の現在】 DV加害者プログラムの実践経験から / 信田さよ子 加害行為研究の視界――加害性、暴力性、暴力の文化、マイクロアグレッション / 中村正 加害者臨床における責任の所在とトラウマインフォームドケア / 野坂祐子 【暴力と差別の「構造」を問う】 「フェミサイドである」と言うことは何を意味しているのか / 牧野雅子 集団的な加害の構造とインターネット / 倉橋耕平 恐怖するマジョリティ、揺れるバイスタンダー――性差別的なふるまいをした男性にどう関わるか / 西井開 【社会の「まなざし」をめぐって】 「語り」を聞くことで、立ち会う――意味不明な犯行動機の奥にあるもの / インベカヲリ★ 「心の闇」を理解する意味はあるのか? / 赤羽由起夫 “犯罪人”のための葬送曲(レクイエム)――犯罪減少「亡国論」の中で / 石塚伸一 加害者家族と私刑社会 / 阿部恭子 毒婦のフィクション――女性犯罪者をめぐる物語の系譜と桐野夏生『OUT』 / 内藤千珠子 【閉域をほどくために】 私は被害者ではない――問題含みな親の「加害性」への反応をめぐって / 小西真理子 ネグレクトではなくヤングケアラーである / 村上靖彦 心神喪失者等医療観察法(医療観察法)とは何か / 柏木宏子 医療観察法病棟という場 / 小片圭子 【〈正義〉の明日へ】 害と祈り――被害・加害と修復的正義 / 宿谷晃弘 加害者とは誰か?――水俣や福島をめぐる加害構造論試論 / 石原明子 ミャンマーとロシアからの事業撤退は企業の道徳的義務か――人権を侵害しない企業と人権侵害を許さない企業の大きな違い / 杉本俊介 ー 【新連載●社会は生きている●第一回】 人間と社会、人間と自然――序論 / 山下祐介 【連載●「戦後知」の超克●第一八回】 柄谷行人における「世界史」の問い方1――その「起源」と「構造」 / 成田龍一 【連載●タイミングの社会学●第一八回】 根こぎ2――再居住地 人とごみが送られる町 / 石岡丈昇 【研究手帖】 ホワイト・フード対エスニック・フード / 世古有佳里
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現代思想 2020年10月臨時増刊号 ブラック・ライブズ・マター
¥1,870
SOLD OUT
すべての声を目覚めさせるために——。 #BlackLivesMatter。ジョージ・フロイド殺害事件をきっかけに、このハッシュタグは類をみないほど圧倒的な数へ増殖し、国際的な反レイシズム闘争のスローガンとして各地のストリートへと拡散している。黒人たちの苦難の歴史からできた大きなうねりを次世代につなぐために、私たちにはいまなにができるのか。 本特集では、この運動を生み出した三人のクィア・アクティヴィストの声に立ち戻り、ブラック・フェミニズムやクィア・アクティヴィズムを経由しつつ、アフロアジアの連帯、日本の社会運動との交差も含め、政治や経済からカルチャーまで多面的に議論していく。 [編集部より] 出版社|青土社 定 価|1,700円+税 判 型|A5変型判/並製 頁 数|326 ISBN|978-4-7917-1402-5 初 版|2020年09月 Contents 【討議1】 人間解放の連続体としてのBLM / 酒井直樹×西谷修×新田啓子 【ブラック・ライヴズ・マターの思想】 アサッタのメッセージの過去・現在・未来 / アンジェラ・デイヴィス[訳=編集部/解題=新田啓子] ポリシング、人種資本主義、#BlackLivesMatter / 酒井隆史 黙示と破局の狭間で――交差する階級闘争としてのブラック・ライヴズ・マター / 水嶋一憲 ハッシュタグと〈現われ〉の政治――空間の秩序を変える直接民主主義について / 五野井郁夫 未踏のホームへ――ブラック・ライヴズ・マターとフェミニズム / 新田啓子 全ての人が自由になるまで誰も自由にはなれない――クィア・ムーブメントと人種とジェンダー・セクシュアリティの交差 / 川坂和義 シアトルというコミュニティの再編に向けて / 小山エミ 【白人性権力とジェンダー】 アメリカの警察暴力と人種・階級・男性性の矛盾 / 兼子歩 「すべての命は重要だ」(オール・ライヴズ・マター)の何が問題なのか / ジュディス・バトラー 聞き手=ジョージ・ヤンシー[訳・解題=佐藤嘉幸] 【制度的人種主義と刑罰国家】 制度から考える反人種主義――制度的人種主義批判の射程 / 南川文里 警察や刑務所は、私たちの安全を守れるか?――COVID-19パンデミック×BLM時代におけるアンジェラ・デイヴィスの問い / 坂上香 ブラック・ライヴズ・マターと命どぅ宝 / 高内悠貴 レイシズムと軍・法執行機関の融合化 / 川久保文紀 刑罰国家と「福祉」の解体――「投資‐脱投資」が問うもの / 土屋和代 【BLMを語る〈ことば〉】 私を守ってきてくれた人たち / 佐久間裕美子 Black Lives Matterをどう訳すか――スローガンに込められた意味と背景 / 押野素子 集団化と差別意識 / 森達也 【日本におけるブラック・ライヴズ・マター】 最も簡単なのは私たちと話すこと――BLM Tokyoと日本人 / ジェイミー・スミス 聞き手・構成=渡辺志保 Morenx in Japan:私のアイデンティティを尊重して、私の文化を尊重して / ブリアナ・スローター[訳=山中美潮] 黒人の「日本人問題」 / ジョン・G・ラッセル 「見た目」と人種的「微小な心理攻撃」――#BLMに寄せて / りむ・よんみ 【複数の日常】 日本でBLMを叫んだ貴方へ / Moment Joon 私を手玉に取る“肌色”の手 / なみちえ 意識の壁を超えて / 檀廬影 全ては作られた“アイディア”。どう生きて、どう死にたいか。 / Awich メシ食ったか? / 金村詩恩 【討議2】 ポピュラーカルチャーが映すBLM / 大和田俊之×磯部涼 【文化/運動の交差】 今度は火だ――多様化する「黒さ」とBLMM時代のアフリカ系アメリカ文学 / 有光道生 ブラック・ライヴズ・マター時代のジャズ――クリスチャン・スコット・アトゥンデ・アジュアとテリ・リン・キャリントンの即興実践 / 佐久間由梨 彼女たちが語る、彼女たちのストーリー / 渡辺志保 モニュメンツ・マスト・フォール?――BLMにおける彫像削除をめぐって / 小田原のどか リライトされる現実 / 大山エンリコイサム Black / Dark Matter / 丹生谷貴志 【法・歴史・現実】 彼らの名前を言え!――ベンジャミン・バウジー、ジョン・グローヴァー、一七八〇年六月のニューゲート刑務所の解放 / ピーター・ラインボー[訳・解題=マニュエル・ヤン] チェチョーカの拳――ブラックパワーとブラック・ライヴズ・マター / 藤永康政 「連邦の維持」と奴隷制度――初期アメリカの視点から / 石川敬史 暴力と反動のアメリカ法 / 勝田卓也 オバマ時代に凍結された「人種」という難題――『評伝バラク・オバマ』執筆から一一年目の「取材後記」として / 渡辺将人 【〈アジア系アメリカ人〉というあわい】 アジア系アメリカ人とBLM運動 / 和泉真澄 アメリカ軍事帝国主義とレイシズムの交錯――ジョージ・フロイド殺害におけるトウ・タオの共犯と、アメリカとの同盟を拒否するモン系アメリカ人の抵抗 / マ・ヴァン+キット・マイヤーズ[訳=佐原彩子・兼子歩] 【この特集に足りないもの】 あなたが書けたかもしれない紙面を奪ってまで / マサキチトセ 【年表】 ブラック・ライヴズ・マター運動から語り直す第二次世界大戦後の米国史 / 有光道生 装幀=川名潤
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現代思想 2020年9月臨時増刊号 コロナ時代を生きるための60冊
¥1,760
パンデミック時代を生きるための読書案内。 新型コロナウイルス、そしてCOVID-19が世界を席捲する現在、いま・ここからいかなる思考を紡ぐことができるのか。わたしたちの現在地を問い直す思想のダイヤグラムを提示する。 [編集部より] 出版社|青土社 定 価|1,600円+税 判 型|A5変型判/並製 頁 数|294 ISBN|978-4-7917-1401-8 初 版|2020年08月 Contents 【歴史から/をまなざす】 上野千鶴子/ダイアモンド『銃・病原菌・鉄』/自然史的時間が教える教訓 吉川浩満/マクニール『疫病と世界史』/永遠の〈危機の書〉 小川眞里子/クロスビー『史上最悪のインフルエンザ』/一世紀前のパンデミックに学ぶ 長谷川貴彦/ル=ロワ=ラデュリ『気候の歴史』/一七世紀危機論の系譜 斎藤憲/トゥキュディデス『歴史』/古典からCOVID-19の世界を見渡す 全卓樹/ブルクハルト『イタリア・ルネサンスの文化』/(時代の黄昏に)過ぎ去った朝の光を振り返る 原山浩介/シュトレーク『資本主義はどう終わるのか』/ペシミスティックに未来と希望を語ること 【惑星をとらえる】 加藤尚武/チャペック『ロボット』/ヒトはその存在を失う前に存在理由を失う 西谷修/福岡伸一『新版 動的平衡』/生物学の工学化に抗う 三浦英樹/シュティフター『晩夏』/自然を読むということと「穏やかな法則」 春日直樹/デカルト『省察』/科学技術に対する信頼 斉藤賢爾/フラー『宇宙船地球号操縦マニュアル』/私たちは宇宙船地球号のエンジンに点火できるか 日埜直彦/AMO&コールハース『カントリーサイド、ア・レポート』/漂流する人間のナヴィゲーション 松田法子/スコット『反穀物の人類史』/ドムス、共構築の閾 倉谷滋/ゴドフリー=スミス『タコの心身問題』/昆虫の心、ヒトの心 渡邊淳司/ダマシオ『生存する脳』/“他者”との善い関係を調停する身体への感受性 村上しほり/安保則夫『ミナト神戸 コレラ・ペスト・スラム』/危機と場所をめぐるまなざし 【危機とはなにか】 伊勢田哲治/セン『不平等の再検討』/不平等を摘出する鋭利な概念装置 市野川容孝/ベンヤミン「暴力批判論」/暗い時代の批判的想起 島薗進/カミュ『ペスト』/カミュが描く危機的状況の死生と希望 入不二基義/三上真司『イエス運動・マルコ・哲学』/転倒の充満 合田正人/西迫大祐『感染症と法の社会史』/Us 檜垣立哉/吉本隆明『最後の親鸞』/〈危機〉の所在をどうみすえるか 小泉義之/フーコー『安全・領土・人口』/人間の統治 郷原佳以/デリダ「テレパシー」/テレパシーの試練 沼野充義/ドストエフスキー『罪と罰』/旋毛虫の夢と「新しい生活」 佐藤啓介/キルケゴール『不安の概念』/不安の概念を考えなおす 【可視化される暴力】 鵜飼哲/深沢七郎『笛吹川』/殺生をまなざす 中村寛/辺見庸『しのびよる破局』/殺される《叫び》のために 山下壮起/ウェスト『人種の問題』/民主主義の「政治」に抗して 逆井聡人/リー『パチンコ』/構造的差別との闘いと翻訳の時差について 平井秀幸/デイヴィス『監獄ビジネス』/「充実」した刑務所処遇をどう批判するのか? 新城郁夫/バトラー『アセンブリ』/アメリカ軍と市民のあいだに現れるもの 信田さよ子/丸山豊『月白の道』/オロオロ歩きながらトラウマについて考える 西村ユミ/榊原哲也『医療ケアを問いなおす』/日常の“二重”の捉え直しとその方法 渡邉 琢/ベック『危険社会』/“Safety through Inclusion”への確かな足がかりのために 【コロナ時代の政治・経済】 石戸 諭/ミュデ+カルトワッセル『ポピュリズム』/コロナ危機とポピュリズム 大竹弘二/シュミット「ライヒ大統領の独裁」/非常事態を宣言する主権者はまだ存在するのか 山本 圭/ロザンヴァロン『良き統治』/「良き統治」と「良き指導」 網谷壮介/コゼレック『批判と危機』/近代の構造的特徴としての「危機」 鈴木彩加/ヤング『正義への責任』/責任を分有する 酒井隆史/ルクセンブルク『資本蓄積論』/資本主義の「崩壊」が「必然」であるとはどういうことか? 武田砂鉄/木下健+オフェル・フェルドマン『政治家はなぜ質問に答えないか』/「かもしれない」が作り出した不安 【暮らしの現場から】 大門正克/中井久夫他『昨日のごとく』/「虫の眼」でみていることを自覚し、思索を重ねる 打越正行/丸山里美『女性ホームレスとして生きる』/調査する執念 有賀薫/梅棹忠夫『女と文明』/二〇二〇年のキッチンで考えた 野崎有以/森裕治『山の上ホテルの流儀』/「家庭的」ではなく、そこに「家庭」のあるホテル 小野和子/松谷みよ子『現代の民話』/あなたも語り手、わたしも語り手 西村仁志/ベケット『ゴドーを待ちながら』/今日も書店員として生きる 藤本浩介/ボードレール『巴里の憂鬱』/ボードレールとベンヤミンと無人のマーライオン公園 森元斎/谷川雁『谷川雁セレクションⅠ・Ⅱ』/鉱物的な眼 コメカ/大塚英志『「彼女たち」の連合赤軍』/〈矮小〉な私たちが、確かに生きた時間を忘れないために 【問いを共有する〈ことば〉】 阿部賢一/島尾ミホ『海嘯』/病と島と弱さと 中村隆之/グリッサン『〈関係〉の詩学』/汀の足跡、思考の他者 岩川ありさ/多和田葉子『まだ未来』/未来を夢見てはじめるしかない 木村朗子/関口涼子『カタストロフ前夜』/コロナ禍は放射能災に似ているか 石井ゆかり/三遊亭円朝『怪談 牡丹灯籠』/分解される運命と、仇討の記憶。 東直子/佐藤志満編『佐藤佐太郎歌集』/ささやかな光、しずかな湖 木村草太/ウィリス『ドゥームズデイ・ブック』/緊急時に、あなたは何をするのか 小川さやか/マイク・モラスキー『呑めば、都』/とびきり居心地のよい酒場の「居心地のよさ」 玉城ティナ/澁澤龍彥『快楽主義の哲学』/快楽主義への道
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現代思想 2020年10月号 コロナ時代の大学
¥1,650
あらためて問われる、「大学」とは何か。 キャンパス封鎖やリモート授業などにより大学の「場」は突如としてリアルからヴァーチャルへ移行した。またそれ以前からも産学連携やクラウドファンディングによるプロジェクトなど、研究/教育の場面は広がりをみせている。本特集ではコロナ下で引き起こされた大変動を契機に、大学の今とこれからを考える。 [編集部より] 出版社|青土社 定 価|1,500円+税 判 型|A5変型判/並製 頁 数|240 ISBN|978-4-7917-1404-9 初 版|2020年09月 Contents 特集*コロナ時代の大学――リモート授業・9月入学制議論・授業料問題 【討議】 知が越境し、交流し続けるために――大学から始める学び方改革・遊び方改革・働き方改革/ 佐藤郁哉+吉見俊哉 【学ぶことをめぐるエコノミー】 「コロナ災害」下の学生たち――バイト難民・貧困化・学費減免運動 / 大内裕和 「学費」が可視化した大学の構造的課題 / 白川優治 大学経営の今とこれから / 両角亜希子 【コロナ禍を越えて】 これからの大学 / 長谷川眞理子 【端末の向こうの大学】 コロナ禍における大学でのオンライン授業の実情と課題 村上正行 ポスト・コロナ時代の大学教員とFD――コロナが加速させたその変容/ 佐藤浩章 大学講義のオンライン化の権利問題 / 児玉晴男 【「大学」とは何か】 大学の「身体」は変容する――COVID-19流行以降の状況から / 大橋完太郎 産学連携の形而上学――大学の在り方を添えて / 宮野公樹 【学びをつなぐ】 「コロナ禍」の下での大学入試――高大接続改革の方針転換から見えてきた課題と展望 / 倉元直樹 学び直しの愉しみ――社会人は大学院でどう学んでいるか / 岩崎久志 【ひろがるキャンパスの中で】 大学キャンパスと都市――キャンパスのようにまちをつくり、まちのようにキャンパスをつかう / 上野武 地方大学の学術資料を用いた展示公開モデルを探る / 五十嵐太郎 学生相談室という場――ニッチから多様性という価値の実現に向けて / 高石恭子 ひとりの寮生とコロナの日々――社会システムの脆弱性を補う京都大学吉田寮の自己組織化力 / 福島直樹 【知の息づくところ】 独立することと孤立すること――共同研究をつなぐ場所と人 / 酒井大輔 現代の「他者」となるために――上七軒文庫の活動によせて / 師茂樹 パンデミック下で考える、分割と均衡のオルタナティヴ / 池田剛介 ー 【連載●科学者の散歩道●第七二回】 専門主義の野蛮性――ヨーロッパ学問からの逸脱 / 佐藤文隆 【連載●「戦後知」の超克●第二回】 序・2――一九八〇年代の試み / 成田龍一 【連載●ポスト・ヒューマニティーズへの百年●第九回】 『述語づけと発生』――ホグレーベ / 浅沼光樹 【研究手帖】 どんなステージを書くのか / 丸山美佳