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ユリイカ 2021年12月臨時増刊号 タロットの世界
¥2,420
SOLD OUT
タロットの起源から日本における受容の歴史まで、日本初の決定版タロット論集。鏡リュウジ=責任編集。 [編集部より] 責任編集|鏡リュウジ 出版社|青土社 定 価|2,200円+税 判 型|B5判/並製 頁 数|285 ISBN|978-4-7917-0409-5 初 版|2021年11月 Contents 総特集 タロットの世界 「はじめに」 鏡リュウジ I Tarot in History 起源と黎明 15 世紀から18 世紀 「ルネサンスにおけるタロットの創出――「マンテーニャのタロット」をめぐって」伊藤博明 「「マルセイユのタロット」史 概説」夢然堂 神秘への道 18 世紀から19 世紀 「フランスのタロティストたち――クール・ド・ジェブランからヴィルトまで」今野喜和人 「エリファス・レヴィにおけるタロット占いの意義」武内大 黄金の夜明け 19 世紀末から20 世紀 「ライダー・ウェイト・スミス・タロット登場の背景」江口之隆 「カードの女王――ホロスコープに見るパメラ・コールマン・スミスとライダー・ウエイト版タロット」マギー・ハイド 鏡リュウジ訳 「ケルト十字展開法の解明」マーカス・カッツ 松田和也訳 「アベイ座のタロット・リーディング」メアリ・K・グリア 松田和也訳 新時代の霊性を求めて 20 世紀から21世紀 「二十世紀前半のロシアにおけるタロットオカルティズム」ロナルド・デッカー、マイケル・ダメット 今野喜和人訳 「タロット・ユング・エラノス」鏡リュウジ 「水瓶座時代のタロットとポップオカルティズム」伊泉龍一 「グラストンベリーのタロット事情」河西瑛里子 II Tarot in Japan 「タロット・カードとともに歩んだ半世紀――タロット・カードを日本に初めて輸入販売した会社の物語」 佐藤元泰 「日本におけるタロットの受容史――澁澤、種村と「タロウかタロットか」論争」夢然堂 「タロット占いが教えてきたもの――雑誌『マイバースデイ』から読み解く」橋迫瑞穂 [対談] 「タロットに流れるエネルギーの系譜」 鏡リュウジ+伊泉龍一 III Tarot in Art 「アレイスター・クロウリー、絵画、及びパレルモ・コレクションの諸作品」マルコ・パーシ 松田和也訳 「映画における「愚者」」エミリー・オーガー 伊泉龍一訳 「ケアラケアクア女神オラクルカード」小田まゆみ [インタビュー] 「タロットを描く」天野喜孝 [図版構成]萩尾望都デザインタロットカード IV Tarot in Action 「タロットの与えてくれるもの」暮れの酉 「カードとカードの間からこぼれ落ちるもの」ニシー 「「占い」の、内なる道徳律。」石井ゆかり 「思考ツールとしてのタロット」米光一成 V Tarot in Life 「『はじめてのタロット』を作った日々」荒井良二 「タロットカードと僕」蒼井翔太 「ロンドン・タロット・ツアー」ジェラルディン・バスキン 鏡リュウジ訳 VI Tarot in Perception 「占いと知覚」千葉雅也 【ブックガイド】個性派タロット本・ブックガイド MU BOOK information forum 出張版 星野太朗 編集後記 鏡リュウジ
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ユリイカ 2022年11月号 今井哲也
¥1,980
SOLD OUT
映画『ぼくらのよあけ』公開記念。 『ハックス!』『ぼくらのよあけ』『アリスと蔵六』といった代表作において今井哲也はごくさっそうとさりげなく世界を設計してみせる。今井哲也の表現と主題はどのように構成されるのか、アニメ映画『ぼくらのよあけ』の公開を10月に控え、その要諦に踏みこむ。 [編集部より] 出版社|青土社 定 価|1,800円+税 判 型|A5変型判/並製 頁 数|326 ISBN|978-4-7917-0423-1 初 版|2022年10月 Contents 特集*今井哲也――『ハックス!』『ぼくらのよあけ』『アリスと蔵六』…マンガを夢みる ❖ロングインタビュー 僕はマンガを描いていた――今井哲也と/のマンガの方法 / 今井哲也 聞き手=さやわか ❖今井哲也との遭遇 団員としても今井哲也さんとのこと / 佐藤 大 あのこが宇宙に行ったよ / 甘木 零 ❖今井哲也の読みかた 白いフレームのなかの、小さな瞳が映すもの――今井哲也「トラベラー」から、「ピロウトーク」まで / 泉 信行 みんなの楽しい部活動は続く――『ハックス!』論 / 小松祐美 知性の彼方は欲求のない完全無欠なのか / 米澤朋子 セカイとうまくやっていくこと――『アリスと蔵六』 / 江永 泉 ❖オマージュイラストギャラリー 今井哲也先生から勝手に授かったもの… / 伊藤正臣 イマイ・バース / カヅホ IMAISAN IS SAIKO / コナリミサト アニメ化おめでとうイラスト / 大沖 今井哲也の目線になりたい / たいぼく すごい漫画家、今井哲也先生 / タダノなつ 『アリスと蔵六』のファンアート / つばな またみんなでUNOしましょうね / ヤマシタトモコ ぼくらのよあけぜよ / 山田しいた ❖再録 三丁目クオンタム団地/スペースおくのほそ道 / 今井哲也 ❖対談〈1〉 ぼくらのまんが道 / 今井哲也 あらゐけいいち 司会=ばるぼら ❖描きつづけるひと アムフォと今井先生について / 高い城のアムフォ 翻訳・マンガ=巡宙艦ボンタ コミティアとかの今井さん / さわだ アニ研時代の今井哲也氏 / 天龍寺燦斗 ❖アレンジメントされるもの 孤独と罪――二次創作「見滝原アンティークショップ」とオリジナル作品『アリスと蔵六』を貫くもの / 足立加勇 滂沱の涙 / ふぢのやまい 二一世紀のイソップ――『デルポイへの道』における寓意・模倣・宿命 / 陰山 涼 今井哲也作品と『メギド72』――その相通ずる美点について / 髙橋志行 世界はおもちゃ箱――今井哲也について / 米原将磨 ❖対談〈2〉 アリスと裏世界――夢みることの倫理をめぐって / 今井哲也 宮澤伊織 ❖オマージュ短篇 不屈の蛙は青い海をみるか / 松崎有理 ❖わたしたちの記憶 背景の魔術――『ハックス!』、『ぼくらのよあけ』における世界への眼差し / 岩倉文也 永遠ではない子供たち / 西田 藍 ❖きみたちの未来 ジュヴナイルの時空――夢と夢の終わりと函の外 / 佐藤俊樹 冒険・嘘・夢――『ぼくらのよあけ』『アリスと蔵六』にみる大人と子供 / 河野聡子 そして冒険は語られる――子どもの文化を物語ることについて / 團 康晃 自分の道を、自分で決める――今井哲也の描く女の子たち / 秦 美香子 ❖描くことの自由とともに 今井哲也主要作品解題 / 織戸久貴 ー ❖忘れられぬ人々*13 故旧哀傷・橋本攻 / 中村 稔 ❖物語を食べる*22 三匹の豚はいま、どこへ / 赤坂憲雄 ❖詩 ナスビの眼差し 他二篇 / 山崎佳代子 ❖今月の作品 奥山紗英・東堤翔大・たかすかまさゆき・五十嵐雨 / 選=大崎清夏 ❖われ発見せり クズ男の重力 / 小川佐和子 表紙・目次・扉……北岡誠吾 表紙イラスト……今井哲也
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ユリイカ 2022年10月号 セリーヌ・シアマ
¥1,650
SOLD OUT
『秘密の森の、その向こう』9月23日公開。 女性監督初のカンヌ国際映画祭クィア・パルム受賞作である『燃ゆる女の肖像』(2019)が日本公開され大きな話題を呼んでから二年、来たる9月23日に最新作『秘密の森の、その向こう』(2021)が待望の公開となる。祖母、母、娘という三世代の女性が時空を超え出会うことで紡がれる物語において、視線はより複雑に交差しながら、互いを癒す力になってゆく。クィア映画の俊英はいまなにを見つめるか——セリーヌ・シアマのまなざしを追う。 [編集部より] 出版社|青土社 定 価|1,500円+税 判 型|A5変型判/並製 頁 数|238 ISBN|978-4-7917-0422-4 初 版|2022年09月 Contents 特集*セリーヌ・シアマ——『水の中のつぼみ』から『トムボーイ』『ガールフッド』『燃ゆる女の肖像』、そして『秘密の森の、その向こう』へ ❖インタビュー 映画の革命家、一五年の歩み / セリーヌ・シアマ(聞き手=児玉美月) ❖視線を紡ぐ 水平の美学——セリーヌ・シアマによる親密性の技法 / 菅野優香 セリーヌ・シアマのエレメント / 横田祐美子 ❖その物語の先へ 森で黒豹を放つ——映画『秘密の森の、その向こう』のこと / 川口晴美 タコは消えた / 山内マリコ ❖セリーヌ・シアマという眼差し 蛸の誕生——『水の中のつぼみ』における「クィア」な少女たちと同性愛の脱ロマンティック化 / 宮本裕子 『トムボーイ』論——ジェンダーの名乗りと引き受け、そしてその処罰あるいはクィアな時間の可能性/ 古怒田望人/いりや 『ガールフッド』あるいはガールズ・イン・ザ・フッド / 上條葉月 書かれなかった歴史を描きなおす——セリーヌ・シアマ『燃ゆる女の肖像』 / 小澤京子 ❖マンガ 描く女の肖像——『燃ゆる女の肖像』によせて / やまじえびね ❖対談 喪失と癒しの物語——『秘密の森の、その向こう』をめぐって / 斉藤綾子×長島有里枝 ❖水平と円環 慰め、癒やし、回復するための「共助」——『秘密の森の、その向こう』におけるケアの描かれ方 / 関根麻里恵 娘と母の、味蕾の向こう——『秘密の森の、その向こう』にみる少女たちの食事 / 久保 豊 おもちゃ箱の奇跡——子どもについての新たな物語 / 原田麻衣 薄明かりの空き地 / 今村純子 ❖イラスト 消失点の消失 / もぐこん ❖スクリーンを見つめて 哀しみにさえ辿り着けないこの場所で / 戸田真琴 あなたも、私も、誰も悪くない / 枝 優花 ❖変容の輪郭 アクトリスとズッキーニ——セリーヌ・シアマと「女優」のゆくえ / 田村千穂 音楽へ「新たに加わること」をめぐって——セリーヌ・シアマ監督作品における踊ること、歌うこと、聴くこと / 辻 佐保子 脚本家としてのセリーヌ・シアマ——『水の中のつぼみ』から『パリ13区』に至る、未来を創造する試み / 上原輝樹 ❖資料 セリーヌ・シアマ主要作品解題 / 児玉美月 ー ❖忘れられぬ人々*12 故旧哀傷・太田一郎 / 中村 稔 ❖物語を食べる*21 豚は知性的な生き物である / 赤坂憲雄 ❖詩 眠船 / 青柳菜摘 ❖今月の作品 渋井孔太・立一 祐・江田つばき / 選=大崎清夏 ❖われ発見せり 勢いが気になる / 指田菜穂子 表紙・目次・扉……北岡誠吾 表紙図版……『秘密の森の、その向こう』9月23日(金)ヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマほか全国順次ロードショー ©︎2021 Lilies Films / France 3 Cinéma 配給:ギャガ
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現代思想 2022年11月臨時増刊号 森崎和江
¥2,860
思想家としての森崎和江に迫る。 追悼・森崎和江――。「サークル村」の一員、そして「無名通信」の仕事を通した戦後思想家としての足跡をたどる。また、フェミニズム/ウーマンリブの思想家、そしてポストコロニアリズムの理論家としての側面を浮かび上がらせ、「聞き書き」を通した思想と実践についてアプローチする。 [編集部より] 出版社|青土社 定 価|2,600円+税 判 型|A5変型判/並製 頁 数|400 ISBN|978-4-7917-1437-7 初 版|2022年10月 Contents 総特集*森崎和江――1927-2022 * 再録テクスト 森崎和江 言葉の住処、思想の原基――単行本未収録選 姉妹/戦後民主主義と民衆の思想/わたしと言葉/竹内先生とのおわかれ/作兵衛翁の時空 * ともに生きる思想 上野 朱 シジミ蝶、飛んだか 花崎皋平 詩人思想家森崎和江さんを追慕する 坂口 博 初めに「いのち」ありき * 炭坑労働精神に宿るもの 斎藤美奈子 炭鉱の記憶の彼方に――『まっくら』と『からゆきさん』をめぐって 水溜真由美 炭鉱労働者の精神文化に対するまなざし――森崎和江『奈落の神々――炭坑労働精神史』と上野英信『地の底の笑い話』 茶園梨加 背中を洗い流す/他者の声を引き継ぐ 鷲谷 花 炭鉱労働運動と幻灯――闘争から犠牲へ * 歴史を聞き書く 成田龍一 森崎和江の出発――「戦後」を突き抜ける思想 安岡健一 聞き書き・オーラルヒストリー・「個体史」――森崎和江の仕事によせて 藤原辰史 腹にしみる思想――森崎和江の伏流 * ことばを産むひと 斎藤真理子 森崎和江の長い詩業 西 亮太 『さわやかな欠如』を読む――森崎和江の〈詩〉を考えるための試論 姜 信子 愛しきあぶくたちの世界へ――森崎和江を孕む旅 松井理恵 出逢いそこねた物語を読む――『慶州は母の呼び声』韓国語翻訳、出版について * 植民地主義へのまなざし 玄武岩 森崎和江の植民地体験と原罪意識――「親密性」を超えて 石原真衣 地球上から消え果た植民地主義?――森崎和江が遺したものと〈沈黙〉 * 討議 酒井隆史+佐藤 泉 接触と連帯の思想 * 〈南〉と〈北〉から描く地図 森 元斎 森崎民俗学序説――森崎和江における「水のゾミア」の思想 山内明美 無名の思想――森崎和江のさいはて 原口 剛 流民のカルトグラフィ――筑豊から釜ヶ崎への回路 大畑 凜 流民と棄民のあわい――合理化・閉山以後筑豊における森崎和江と上野英信 松田 潤 接触の思想――森崎和江における沖縄・日本・朝鮮の出逢い * 地域に生きる/地域を生きる 湯澤規子 闇を照らす光の位相――社会と歴史の認識をめぐって 久島桃代 あわいの空間で待つ――森崎和江の身振り 柳原 恵 東北のおなごたちが読んだ森崎和江 * フェミニズムと産の思想 上野千鶴子 わたしたちはあなたを忘れない 嶽本新奈 『からゆきさん』再読――「生まない女」に着目して 中村佑子 森崎和江と本質主義 結城正美 千年先を見据えた〈産〉の思想 * 人間中心主義を超えて 村上 潔 森崎和江と/のエコフェミニズム――現状との接続線 今津有梨 森崎和江さんへの片道書簡 申知瑛/金友子訳 森崎和江の「朝鮮」と「女性」――人種主義と種差別主義に抗うために
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現代思想 2022年08月号 哲学のつくり方
¥1,650
哲学の本質とは何か? 「哲学する」とは、現代においてどのような形をとりうるのか、そしてどのような方向へ育ててゆくべきなのか。独創的な哲学者の思索、歴史上の多様な試み、アカデミズムに限らない場所づくりなど、知の営みを再活性化するために「哲学」を「哲学をつくる」という原初的な姿において捉え直す。 [編集部より] 出版社|青土社 定 価|1,500円+税 判 型|A5変型判/並製 頁 数|230 ISBN|978-4-7917-1434-6 初 版|2020年07月 Contents 特集*哲学のつくり方――もう一つの哲学入門 【討議】 偶然性と多元性――この世界に存在するさまざまな思索のかたち / 千葉雅也+山口尚 【私はいかにして哲学をつくったのか、あるいはつくりつつあるのか】 オブジェクト指向存在論の発見 / グレアム・ハーマン(訳=浅沼光樹) たとえ哲学ではないとしても / 入不二基義 スコラ哲学の森の中で――ハビトゥスとしての哲学 / 山内志朗 私にとって哲学とは何をすることか / 森岡正博 哲学への取り組み方について四つの質問に応答する / 青山拓央 哲学はスイングバイによって思考の深宇宙へ飛び立つ / 飯盛元章 私の哲学遍歴 / 岩内章太郎 試みる / 永井玲衣 【哲学をつくる場をつくる】 哲学とは何か――子ども性・対話・愛 / 河野哲也 もしも哲学がコミュニケーションであるのなら / 三木那由他 日々の哲学のかたち――哲学のエクゼルシスの場としてのブログ / 黒田昭信 哲学で開業する――哲学プラクティスが拓く哲学と仕事の閾 / 堀越耀介 筋トレでスッキリできない人の哲学のつくり方 / 原田まりる 【哲学をつくること、その歴史上の刺激的な試み】 つくる哲学に向けて――ソフィストと哲学者の間再考 / 納富信留 フリードリヒ・シュレーゲルの共同哲学の方法――文献学の哲学と生成の概念、そして命題の中の多元論的な世界 / 胡屋武志 キェルケゴールと哲学――〈哲学〉の誠実さ、あるいは生き方としての哲学について / 鈴木祐丞 小説のつくり方、哲学のつくり方――ミシェル・アンリの場合 / 村松正隆 わたし、変換器――怖れ知らずの哲学序説 / 横田祐美子 哲学の孤独と喧騒――ドゥルーズとガタリの共同作業を再評価する / 小林卓也 AIで哲学する/AIと哲学する / 松井哲也 ー 【特別掲載】 「ポスト2・24」のロシアはファシズム国家か? / マルレーヌ・ラリュエル(訳=浜由樹子) ー 【連載●「戦後知」の超克●第一九回】 柄谷行人における「世界史」の問い方 2――その「起源」と「構造」 / 成田龍一 【連載●社会は生きている●第二回】 社会の生態を──序論2 / 山下祐介 【連載●タイミングの社会学●第一九回】 根こぎ 3――タイミングが合わないこと / 石岡丈昇 【研究手帖】 一九世紀フィンランドにおける国民形成 / 吉田眞生子
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現代思想 2022年07月号 「加害者」を考える
¥1,650
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加害者をめぐる問いに向き合う。 監獄という外部へ、あるいは親密圏の内側へ……。社会は加害者を常に遠ざけ、覆い隠すべきものとし続けてきた。しかし傷の修復と再発防止を追求していくためには、単なる興味本位の詮索とは異なる仕方でその存在を「直視」することも必要なのではないか。本特集では加害者臨床、修復的正義、刑事政策学など多様な研究・実践の蓄積を踏まえつつ「加害者」という問題に正面からアプローチしたい。 [編集部より] 出版社|青土社 定 価|1,500円+税 判 型|A5変型判/並製 頁 数|246 ISBN|978-4-7917-1433-9 初 版|2020年06月 Contents 特集*「加害者」を考える――臨床・司法・倫理 【討議】 ‟血塗られた”場所からの言葉と思考 / 小松原織香+森岡正博 【理論と実践の現在】 DV加害者プログラムの実践経験から / 信田さよ子 加害行為研究の視界――加害性、暴力性、暴力の文化、マイクロアグレッション / 中村正 加害者臨床における責任の所在とトラウマインフォームドケア / 野坂祐子 【暴力と差別の「構造」を問う】 「フェミサイドである」と言うことは何を意味しているのか / 牧野雅子 集団的な加害の構造とインターネット / 倉橋耕平 恐怖するマジョリティ、揺れるバイスタンダー――性差別的なふるまいをした男性にどう関わるか / 西井開 【社会の「まなざし」をめぐって】 「語り」を聞くことで、立ち会う――意味不明な犯行動機の奥にあるもの / インベカヲリ★ 「心の闇」を理解する意味はあるのか? / 赤羽由起夫 “犯罪人”のための葬送曲(レクイエム)――犯罪減少「亡国論」の中で / 石塚伸一 加害者家族と私刑社会 / 阿部恭子 毒婦のフィクション――女性犯罪者をめぐる物語の系譜と桐野夏生『OUT』 / 内藤千珠子 【閉域をほどくために】 私は被害者ではない――問題含みな親の「加害性」への反応をめぐって / 小西真理子 ネグレクトではなくヤングケアラーである / 村上靖彦 心神喪失者等医療観察法(医療観察法)とは何か / 柏木宏子 医療観察法病棟という場 / 小片圭子 【〈正義〉の明日へ】 害と祈り――被害・加害と修復的正義 / 宿谷晃弘 加害者とは誰か?――水俣や福島をめぐる加害構造論試論 / 石原明子 ミャンマーとロシアからの事業撤退は企業の道徳的義務か――人権を侵害しない企業と人権侵害を許さない企業の大きな違い / 杉本俊介 ー 【新連載●社会は生きている●第一回】 人間と社会、人間と自然――序論 / 山下祐介 【連載●「戦後知」の超克●第一八回】 柄谷行人における「世界史」の問い方1――その「起源」と「構造」 / 成田龍一 【連載●タイミングの社会学●第一八回】 根こぎ2――再居住地 人とごみが送られる町 / 石岡丈昇 【研究手帖】 ホワイト・フード対エスニック・フード / 世古有佳里
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現代思想 2022年06月臨時増刊号 ウクライナから問う
¥1,980
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渦中のロシア・ウクライナ、その歴史・政治・文化を探る。 ロシア軍によるウクライナ侵攻を機に、世界全体が大きく揺れ動いている。複雑に進展する不確かな情況のさなかにあっていたずらに煽情的な言説も飛び交うなか、事態の背景にある歴史を踏まえた射程の長い議論の場を開いていくために――政治、思想、文化など多角的な視点から「いま何が起こっているのか」を問う。 [編集部より] 出版社|青土社 定 価|1,800円+税 判 型|A5変型判/並製 頁 数|382 ISBN|978-4-7917-1430-8 初 版|2020年05月 Contents 【声】 ブチャの後で / ユーリィ・アンドルホヴィチ/加藤有子訳 【ドキュメント】 困難な戦争避難も次には慣れていく――あるウクライナ在住者の記録 / アベル・ポレーゼ/石岡丈昇訳 【討議】 戦争とアイデンティティの問題――ロシア史・ソ連史のパースペクティヴ / 塩川伸明+池田嘉郎 【境界の歴史】 二〇世紀初頭のウクライナ・ナショナリズムとロシア・ナショナリズム――「独立説」と「一体説」の系譜 / 村田優樹 埋葬されない帝国の記念碑――ウクライナ戦争と境界の消失 / 平松潤奈 実体化する境界――「ロシアーウクライナ」の二項対立の図式をめぐって / 中村唯史 割れた洗礼盤――「ロシア世界」という想像の共同体とその終焉 / 高橋沙奈美 ウクライナの隣人としてのポーランド――戦後ポーランド知識人の思想と行動から辿る二国間関係 / 中井杏奈 【何が起こっているのか】 ウクライナ文化の危機の本質――侵攻の口実にされた「文化」と時代錯誤の植民地主義 / 加藤有子 未来なき社会はおぞましい夢を見る / 白井聡 「解放」という名の侵略 / 岩下明裕 ドンバスの保護、ウクライナの脱ナチ化――露ウ戦争の目的と矛盾 / 松里公孝 ロシア語を話すユダヤ人コメディアン VS ユダヤ人贔屓の元KGBスパイ / 赤尾光春 ロシアによるウクライナ軍事侵攻は道徳的に正しいのか? / 眞嶋俊造 【〈大国〉の実相】 疑念の文化 / サーシャ・フィリペンコ/奈倉有里訳 キエフの聖職者が作ったロシア国家像 / 下斗米伸夫 イデオロギーと暴力 / 乗松亨平 「ドゥーギン=陰のメンター」説を解体する / 浜由樹子 地政学か、普遍主義か――ロシアとドイツ右翼の共同戦線? / 大竹弘二 「新世界秩序」陰謀論と「第三のローマ」としてのロシア / 辻隆太朗 ロシア的身体――映像の中の君主たち / 畠山宗明 【表現の/と政治】 「プーチン政権は最終章に入ったと思います」ボリス・アクーニン、戦争そして「本当のロシア」を語る / ボリス・アクーニン/ジェシー・ケイナー(聞き手)/ターニャ・ミツリンスカヤ訳 アート・廃墟・再生――ウクライナとロシアの美術界の現在 / 鴻野わか菜 ロシア知識人の苦悩――カインは何度アベルを殺すのか / 沼野恭子 フェミニストはなぜ戦争と闘うのか / 高柳聡子 混沌から分断へ――現代ロシアの文学と政治 / 松下隆志 【冷戦という時空間】 ソ連/ロシアの宇宙開発の国際政治上の意味 / 鈴木一人 “原子力国家”ソ連とウクライナ / 市川浩 プーチンが踏みにじる“古き良き“ソ連――あるいは、ウランバートルとキーウとモスクワをつなぐ文化圏の終焉 / 島村一平 【深層と周縁へ】 ユーラシアの臨界点――ウクライナ危機に寄せて / 福嶋亮大 キエフとモスクワのあいだ――前近代アフロ・ユーラシア史からの視界 / 諫早庸一 色褪せた規範のゴミを紛争地に捨てるな / 酒井啓子 シリアとウクライナ――大国間の「代理戦争」がもたらす悲劇 / 青山弘之 【いま〈戦争〉を問う】 ウクライナ戦争の背景 / マウリツィオ・ラッツァラート/杉村昌昭訳 再領土化(バックラッシュ)の地政学的衝突という悲劇――ウクライナ危機をめぐる錯視について / 土佐弘之 自由と平和を呼びかける〈声〉とその射程――中心と周縁について再び考える / 五野井郁夫 肉体、領土、男性国家――戦争における物質性の復権 / 海妻径子 ウクライナ侵攻とダブルスタンダードーー「避難民」対応が映し出す不条理な世界 / 平野雄吾 【応答への方途】 ウクライナ侵攻を報じるマスメディアの荒涼たる砂漠にようこそ / 金平茂紀 「戦争の語り」と私たちの社会――ウクライナと地続きのドイツで戦争の報を聞いて / 柳原伸洋 グレーゾーンの彼方 / 若林千代 【アンソロジー】 ウクライナ人の世界を知るための四文献 / 原真咲選・訳
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ユリイカ 2022年08月号 現代語の世界
¥1,760
現代語はいまの新しいことばなのか。 俗語や新語は常に流行り廃りとともにある。なにが生き残り、なにが淘汰されるのか、あるいは10代のことば遣いはなぜかくも言語的に隔絶した文法と語彙をもつのか、標準化された透明な現代語とはなんであるのか。問いはいま発せられる、もしくは耳にしていることばの数々から多重に生起していく。現代語は来たるべき明日のことばに向かって今日も息づく。 [編集部より] 出版社|青土社 定 価|1,600円+税 判 型|A5変型判/並製 頁 数|285 ISBN|978-4-7917-0420-0 初 版|2022年07月 Contents 特集*現代語の世界——若者言葉から語用論まで ❖鼎談 現代語という不可解なもの――語彙と文法の波間に / 飯間浩明・川添 愛・山本貴光 ❖ことばの現代/現在をめぐって 現代は俗語の時代 / 米川明彦 昭和の日本語と現代語 / 窪薗晴夫 危機言語としての地域のことば / 田窪行則 流行語を百科事典に載せるとは?――ウィキペディアが記録する現代のことば / 北村紗衣 ❖書き遺されるもの 一〇〇年前の流行語と一〇〇年後の普通語 / 平山亜佐子 語尾とうしろめたさ / 山本ぽてと ❖「させていただく」のは誰のため 日本語における現代とはいつのことか――敬語からみた日本語史 / 近藤泰弘 すり減る敬意と日本語の現在 / 滝浦真人 歴史語用論(タイムマシン)から見る「させていただく」の現代語性 / 椎名美智 言語の多様性と向き合う――『エリートと教養』の考察を通じて / 川原繁人 ❖今様のうたい手 何万回でも光る遠吠え! / 初谷むい 川柳のように / 暮田真名 ❖規範と逸脱、あるいは第三項 「新しい言葉づかい」はどのように規範となるのか――アイデンティティ・メタ語用論的言説・イデオロギー / 中村桃子 論理は歌う、あるいは橋本治的現代語論 / 千木良悠子 現代語訳は誰のことばか――『源氏物語』の現代語訳をめぐって / 木村朗子 第三の次元に属する現代語――「対話」としての世界文学 / 邵丹 ❖現代語話者の憂鬱 ギャル的批判能力は時代おくれなのか / 鈴木涼美 「ぴえん」という余白 / 佐々木チワワ ❖つぎつぎになりゆくいきほひ ことばとVTuberと戦争と / 吉岡 乾 「若者言葉」の生成と観察 / 堀尾佳以 「マジ卍」と「ぴえん」に映る若者の心 / 工藤 俊 「知らんけど」の言語哲学 / 和泉 悠 ❖生まれようと欲するものは…… 母音殺し、ピンポン玉のゆくえ――HipHopとTikTokの現場から / つやちゃん 「婉曲の踏み車」と変わらないイデオロギー――エイズ、サル痘、〈悪所〉のハッテン場を中心に / クリス・ローウィー ❖現代語の現場はどこにあるのか 近頃現代語の不振を論ず――『鬼滅の刃』と『アオアシ』の人気を手掛かりに / 可児洋介 現代口語演劇と、あまり関係のない現代口語 / 綾門優季 不自然でうける――話法・語り・ツッコミにおける自由なポリフォニー / 大岩雄典 Y2Kは現代語か――ファッションリバイバルとアーカイブファッションの身体 / 五十棲 亘 ❖モデルニテの軌跡 うつろう言葉の捉え方――「現代語」を考えるためのブックガイド / 山本貴光 ー ❖忘れられぬ人々*10 故旧哀傷・小柴昌俊 / 中村 稔 ❖物語を食べる*19 代理母は卵の夢にうなされて / 赤坂憲雄 ❖詩 全てが遠のき、近づいている / 牛山茉優 ❖今月の作品 奥山紗英・内田颯太・渡辺八畳 / 選=大崎清夏 ❖われ発見せり 詩も俳句も詩 / 堀田季何 表紙・目次・扉……北岡誠吾
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ユリイカ 2022年07月号 スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ
¥1,650
映画『戦争と女の顔』7月15日公開。 アレクシエーヴィチは「小さな人々」の声をひたすらに聞く。20世紀ソ連の大きな物語のなかを生きた一人ひとりの感情を掬いあげた作品群は「現代の苦しみと勇気に捧げられた記念碑」と評され、ノンフィクション作家として初めてノーベル文学賞を授与されることとなった。そしていま彼女の追い続けるテーマはアクチュアルなものとして我々の眼前に迫っている——。 『戦争は女の顔をしていない』のコミカライズ(2019-)が注目を集め続けるなか、来たる7月15日には同作を原案としたロシア映画『戦争と女の顔』が公開となる。いまこそアレクシエーヴィチの織り成す文学、そして彼女の拾いあげた幾つもの声に耳をすませたい。 [編集部より] 出版社|青土社 定 価|1,500円+税 判 型|A5変型判/並製 頁 数|237 ISBN|978-4-7917-0419-4 初 版|2022年06月 Contents 特集*スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ ——『戦争は女の顔をしていない』『チェルノブイリの祈り』『セカンドハンドの時代』…耳の作家、声による文学 ❖インタビュー 文学はあるべき姿を取り戻した / スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ 聞き手・構成=沼野恭子/訳=ターニャ・ミツリンスカヤ ❖アレクシエーヴィチの声 声を翻訳する / 松本妙子 それを「ドキュメンタリー」と彼女は語った / 鎌倉英也 ❖「聞き書き」の言葉 とばりの向こうの声を集める——アレクシエーヴィチ、「聞き書き」の力 / 佐藤 泉 ベラルーシの作家としてのアレクシエーヴィチとロシア語 / 越野 剛 切なる声の中継者——聞き書きという生きざま / 奈倉有里 ❖歴史と記憶 声の怖さ / 朴沙羅 二番煎じの悲劇の場所から / 安東量子 聞く者たちの文学、忘却に抗するための会話 / 瀬尾夏美 語られなかったこと、書かれなかったこと / 近藤ようこ ❖戦争をめぐる語りと沈黙 アレクシエーヴィチの女性たち——ナラティブの身体性 / 高柳聡子 「語られない」声に耳を澄ます / 市川ひろみ 国民化の欲望と戦争の記憶——女性兵士の/についてのナラティブ / 前田しほ 帰還兵たちの〈沈黙の海〉——軍事精神医療の歴史と証言から考える / 中村江里 ❖対談 アレクシエーヴィチの文学はいかに芽吹くか / 沼野恭子×小野正嗣 ❖ウクライナ侵攻のさなかで 亜鉛の記憶 / 岡 真理 『チェルノブイリの祈り』を読む——問われる“福島”からの覚醒 / 安元隆子 痛みへのノスタルジア——アレクシエーヴィチ『セカンドハンドの時代』におけるポストソヴィエトの徴候 / 平松潤奈 声なきものの声を織る——スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチの「小さき人々」 / 中西恭子 ❖二一世紀の日本から たくさんのわたし / 今日マチ子 「生の声」を提示する、アレクシエーヴィチの思想 / 逢坂冬馬 戦争に抗う / 深緑野分 『戦争は女の顔をしていない』と漫画表現 / 速水螺旋人 ❖〈戦争〉と〈女〉 「戦争漫画」と女性——コミカライズ版『戦争は女の顔をしていない』によせて / 藤岡俊博 肉の空洞——フェミニスト映画批評の性器的展開のために / 木下千花 距離の回復——『戦争と女の顔』における身体 / 畠山宗明 ❖資料 スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ著作解題+いま読むための関連作品ガイド / 高柳聡子 ー ❖忘れられぬ人々*9 故旧哀傷・木内良胤 / 中村 稔 ❖物語を食べる*18 残されし人々の帰還 / 赤坂憲雄 ❖詩 星ノ紅茶 / 小野絵里華 ❖今月の作品 ユウ アイト・二宮 豊・小川茉由・渡辺八畳 / 選=大崎清夏 ❖われ発見せり 天界に「奇異」を放て / 中西悠喜 表紙・目次・扉……北岡誠吾 表紙写真……TT News Agency/アフロ
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ユリイカ 2022年06月号 ゲルハルト・リヒター
¥1,980
「ゲルハルト・リヒター展」開催記念特集。 90歳を迎えるゲルハルト・リヒターという画家にどれほどの美術史が収められているのか、そこに問われている制作の思考/試行とはいかなるものであるのか、触知的なマチエールによる透徹した画面が世界を茫洋としたリアリズムに読み替える、歴史と記憶の思考、あるいは戦争……、ドイツの巨匠はなにを問いかけるのか。 [編集部より] 出版社|青土社 定 価|1,800円+税 判 型|A5変型判/並製 頁 数|349 ISBN|978-4-7917-0417-0 初 版|2022年05月 Contents 特集*ゲルハルト・リヒター――生誕90年記念特集 ■翻訳 音楽を聴くと、イメージが浮かぶ / ゲルハルト・リヒター×マルコ・ブラウ 訳=西野路代 ■塗り尽くされるもの/塗り替えられるもの/塗り込められるもの ビルケナウの鏡――ゲルハルト・リヒターの《ビルケナウ》インスタレーション / 清水穣 写真に似たもの――ゲルハルト・リヒターの〈記憶絵画〉と女性イメージ / 香川檀 《ビルケナウ》の白いページ――ゲルハルト・リヒター『93のディテール』試論 / 西野路代 戦争の記録と野蛮の起源、そして恐怖と哀悼 / 飯田高誉 ■社会主義‐資本主義リアリズム 二つの体制 / 沢山遼 ドイツの戦争トラウマを作品のテーマとすることは可能か?――ヨーゼフ・ボイスがゲルハルト・リヒターに与えた影響 / 渡辺真也 ゲルハルト・リヒターの「わかりにくさ」とドイツの歴史 / 長谷川晴生 リヒター、イデオロギー、政治――ゲルハルト・リヒター再読 / 菅原伸也 ■対談 懐中のリヒター――ある画家の営為とともに / 蔡忠浩(bonobos)×柳智之 ■エッセイ 写真はイメージです / 畠山直哉 カーテン越しの光 / 田幡浩一 絵画と写真、リアリティと距離 / 前田エマ ■抽象は伏在する アブストラクト・ペインティングを真剣に受け止める――ゲルハルト・リヒター『一枚の絵の一二八枚の写真、ハリファックス一九七八年』 / 平倉圭 分割と接合――ゲルハルト・リヒター《リラ》 / 池田剛介 イデオロギーとの別れ――T・J・クラーク「グレイ・パニック」を手がかりに / 関貴尚 ■散文 硝子絵画の居住者たち――ゲルハルト・リヒター《カードの家(5枚)》にて / 河野咲子 ■コスモスとコンステレーション 「位置価(Stellenwert)」を問う科学と芸術へ――G・リヒターとW・オストヴァルトの《アトラス》 / 前田富士男 フォト・ペインティングと神経系イメージ学 / 坂本泰宏 ディストーション・偽色・スペクトログラム――リヒターの音響 / 荒川徹 ■画家の杣道 マローヤの蛇――シルス、リヒター、アンネ / 杉田敦 ゲルハルト・リヒターの余白に…… / 丹生谷貴志 視差のリアリズムへ――リヒターのクールベ / 新藤淳 ■写真から遠く離れて リヒターを通して考える「写真とは何か」 / 大山顕 フォトリアルとはなにか――リヒターから遡行する / 江本紫織 ゲルハルト・リヒターとグラフィックデザイン――デザイン的視点から読み解く初期フォト・ペインティング / 三橋光太郎 機械化された沈黙と、資本主義リアリズム / 布施琳太郎 ■リヒターに向かって ゲルハルト・リヒター 鏡としての絵画 / 浅沼敬子 ー ■忘れられぬ人々*8 故旧哀傷・粕谷一希 / 中村稔 ■物語を食べる*17 臓器提供者のいまわの恋 / 赤坂憲雄 ■追悼*菊地信義 菊地さんをたどる / 伊藤比呂美 菊地信義について、ほんの少しのことを / 稲川方人 菊地氏について / 鈴木成一 余白のうらがわ――菊地信義を追悼する / 鈴木一誌 菊地さんのこと / 蜂飼耳 ■詩 ある映像作家の死 / 松本圭二 ■今月の作品 たかすかまさゆき・江田つばき・内田颯太・牛島敦子 / 選=大崎清夏 ■われ発見せり スラヴ語のタペストリー / 豊島美波 表紙・目次・扉=北岡誠吾 表紙図版=ゲルハルト・リヒター《エラ(903-1)》 2007年 作家蔵 油彩、キャンバス 40×31cm © Gerhard Richter 2022(07062022) 「ゲルハルト・リヒター展」出品作品より 2022年6月7日(火)―2022年10月2日(日) 東京国立近代美術館 2022年10月15日(土)―2023年1月29日(日) 豊田市美術館
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ユリイカ 2022年05月号 菌類の世界
¥1,870
SOLD OUT
菌糸の眷属たち。 きのこが文化的、文学的であることは実にさまざまなエクリチュールが描きだすところであるが、菌類はどうだろうか。きのこを包含したその領野はさらに広大無辺にこの世界を取り巻き、構成している。菌類が織りなす網目に分け入り、南方熊楠、ジョン・ケージ、ビアトリクス・ポターの営為をたどりなおす。繁茂しつづける菌類を覗きみる。 [編集部より] 出版社|青土社 定 価|1,700円+税 判 型|A5変型判/並製 頁 数|341 ISBN|978-4-7917-0416-3 初 版|2022年04月 Contents 特集*菌類の世界――きのこ・カビ・酵母 ❖小説〈1〉 きの旅 / 高原英理 ❖きのこ目を啓く 人生、菌色。 / 新井文彦 きのこ画家が生えるまで / 大竹茂夫 ❖きのこと仲間たち きのこ博士と菌類の未来 / 保坂健太郎 菌類を“追う” / 星野 保 菌類に学ぶ〔コラム:本当の菌って何?〕 / 細矢 剛 「菌」と呼ばれるものたち――カビ、細菌、そしてウイルス / 武村政春 ❖マンガ Spores of relief / 月森吉音 ❖菌類としての大地 菌類と土の来た道 / 藤井一至 ブナ原生林が語る菌類の魅力 / 大園享司 植物と菌類との助け合いと騙しあい――実はしたたかな共生関係の実態 / 末次健司 地衣類に覆われて / 大村嘉人 ❖終わりなき生命 超能力微生物 / 小泉武夫 発酵という無限の未来 / 小倉ヒラク ❖食の菌類学 菌類と「食べる」ということ / 石川伸一 ルネサンスのきのこ学――菌類学への道しるべ / 鶴田想人 ❖きのこはうたう 遠方のマシュルーム、近くの茸――あるいは、わざわざ叢(くさむら)のなかに / 與謝野文子 きのこ短歌コレクション(ちょっとカビつき) / 石川美南 ❖きのこのエクリチュール きのこ文学最前線――回顧と展望 / 飯沢耕太郎 妖精の環――菌類学者ビアトリクス・ポター / 寺村摩耶子 妖精とキノコ、魔女とキノコ、メディウムとしてのキノコ / 河西瑛里子 雨の樹とキノコの庭――武満徹、その音の糸 / 髙山花子 ❖詩 すべての生きものはキノコだ! 私は恐竜図鑑を読んでいた / 小笠原鳥類 ❖形態学/生態学 菌類をめぐるヘッケル的夢想 / 倉谷 滋 菌類模型の周辺――ムラージュ文化考 / 石原あえか 無節操にも、きのこのように / 雑賀恵子 トラブルと共に生きる術――第六の絶滅期における菌類とkin-making / 逆卷しとね ❖分け入っても分け入っても…… きのこから始める菌類カルチャー・マップ / 堀 博美 ❖小説〈2〉 視肉の孝 / 柴田勝家 ❖座談会 変形菌のアルス・コンビナトリア――アートとサイエンスの紐帯 / 松本 淳×唐澤太輔×齋藤帆奈 ❖這い進む学び 粘菌からロマネスクへ / 金沢百枝 魅力的な「傍系」たち / 柞刈湯葉 ❖粘菌という思考とはなにか 粘菌のジオラマ行動力学――迷路の中の採餌行動を例に / 中垣俊之 「砂山/砂粒」トラウマを生きる真正粘菌 / 郡司ペギオ幸夫 変形菌の「自己」から未来の「自己」へ / 増井真那 粘菌の環世界――ユクスキュルが捉えた、粘菌の二つの存在様式 / 釜屋憲彦 粘菌哲学の視座――触覚と原形質流動 / 唐澤太輔 「粘菌学者・昭和天皇」の科学社会史 / 右田裕規 ❖菌糸はどこまでも 菌類を知るためのブックガイド / 佐野悦三 ー ■忘れられぬ人々*7 故旧哀傷・加藤建二 / 中村 稔 ■物語を食べる*16 フォアグラ的な肥満のはてに / 赤坂憲雄 ■詩 「黒雲」考 / 藤井貞和 ■今月の作品 小川茉由・米山然・江田つばき・秋葉政之 / 選=大崎清夏 ■われ発見せり Siri、構造主義を具現化した「精神」? / 長谷川朋太郎 表紙・目次・扉=北岡誠吾
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ユリイカ 2022年03月号 アピチャッポン・ウィーラセタクン
¥1,650
SOLD OUT
待望の長篇最新作『MEMORIA メモリア』3月4日公開。 タイに生まれ、とりわけ東北地方イサーンの記憶——精霊、民話、森——を写し続けてきた作家アピチャッポン・ウィーラセタクン。『ブリスフリー・ユアーズ』、『トロピカル・マラディ』、そしてタイ映画史上初のパルムドール受賞作『ブンミおじさんの森』に続く四度目のカンヌ国際映画祭受賞作となった『MEMORIA メモリア』では、南米コロンビアという“異郷の地”をいかに写したのか。いまこそ、アジアそして世界にとって最重要の映像作家に迫る。 [編集部より] 出版社|青土社 定 価|1,500円+税 判 型|A5変型判/並製 頁 数|253 ISBN|978-4-7917-0414-9 初 版|2022年02月 Contents 特集*アピチャッポン・ウィーラセタクン——『世紀の光』『ブンミおじさんの森』『光りの墓』、そして『MEMORIA メモリア』へ ❖インタビュー ぼく自身という家 / アピチャッポン・ウィーラセタクン 聞き手=福冨 渉 ❖映画と記憶 科学と神秘 / 佐々木 敦 アピチャッポンの耳、『MEMORIA メモリア』の音 / 長門洋平 記憶、儀礼、投影——アピチャッポン作品をつなぐ「アンテナ」 / 中村紀彦 よそものたちの記憶の旅——アピチャッポンのコロンビア / 新谷和輝 ❖共振する幻 Memoria——記憶の残響 / 清水宏一 シンクロニシティ / 久門剛史 「アピチャッポン・ウィーラセタクン 亡霊たち」の記憶 / 田坂博子 ❖不可視なるもの 横断するガイストの振動——アピチャッポン・ウィーラセタクンの霊性美術 / 伊藤俊治 異化されたゾミアの物語——アピチャッポン・ウィーラセタクン『真昼の不思議な物体』をめぐって / 石倉敏明 イサーンの森からの帰還——『ブンミおじさんの森』と精霊の民族誌 / 津村文彦 ❖芸術と政治 諦観からの応答——『世紀の光』を『光りの墓』の伏線として読む / 綾部真雄 アピチャッポンのカメラに写るもの、写らないもの / 足立ラーベ加代 新たなる二院制?——アピチャッポン作品における政治、科学、記憶 / 福島真人 ❖対談 未知なる〈映画〉との遭遇 / 富田克也×相澤虎之助 ❖光の地層 映画の神様なんかいらない——『MEMORIA メモリア』をめぐって / 福間健二 『光りの墓』を思い出す / 金子由里奈 今立っているその場所に、すでにある多世界——抵抗者としてのアピチャッポン・ウィーラセタクン試論 / 太田光海 無口な彫像たちの声をきく——《Fireworks(Archives)》の舞台から / 椋橋彩香 ❖巡り会うふたり Blissfully Yours——森と夢と2つの世界 / 夏目深雪 ゲイ・ロマンス、精霊、シャーマン、虎、フレンドリーな「おばさん」——『トロピカル・マラディ』の魅力を叫ぶ / 溝口彰子 タイ“クィア映画”天文図の素描——アピチャッポンを主星として / 児玉美月 ❖映画の旅路 タイ映画史にアピチャッポンは接続できるのか? / 石坂健治 アピチャッポン・ウィーラセタクンと実験映画 / 阪本裕文 スローシネマ、アピチャッポン、マジックリアリズム / 銭 清弘 ❖資料 アピチャッポン・ウィーラセタクン クロニクル / 中村紀彦 ー ❖忘れられぬ人々*5 故旧哀傷・岸薫夫 / 中村 稔 ❖物語を食べる*14 愛と痛みと恐怖が運命をひらく / 赤坂憲雄 ❖詩 三月日より / 山岡ミヤ ❖今月の作品 川窪亜都・秋葉政之・シーレ布施・江田つばき / 選=大崎清夏 ❖われ発見せり ワードローブから本棚へ / 赤阪辰太郎 表紙・目次・扉=北岡誠吾 表紙図版=『MEMORIA メモリア』©Kick the Machine Films, Burning, Anna Sanders Films, Match Factory Productions, ZDF/Arte and Piano, 2021.
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ユリイカ 2021年09月号 立花隆
¥1,760
ジャーナリストの肖像。 ニュージャーナリズムの時代からおよそ世辞万端、時事から古今の文物に通じるかのように扱われながら一貫したテーマを手放さなかった後年に至るまで立花隆がひたすらに書きつづけ、そこに剔抉されていたもの、人間が人間として生きてあることとはなにか、死にさえ恐れず向かっていったその軌跡を追う。 [編集部より] 出版社|青土社 定 価|1,600円+税 判 型|A5変型判/並製 頁 数|285 ISBN|978-4-7917-0405-7 初 版|2021年08月 Contents 特集*立花隆――1940-2021 ■インタビュー 「純粋観客」に向かって――クールとホットの狭間に / 平尾隆弘 聞き手・構成=木村俊介 ■立花隆の季節 橘隆志が生きた時間 / 池辺晋一郎 “最初の歴史家”としてのジャーナリスト / 船橋洋一 ■〈研究〉という腑分け 大宅壮一と立花隆――「智的労働の集団化」・大宅文庫と「田中角栄研究」 / 阪本博志 「田中角栄研究」以前以後――「政治家の研究」とはなにか / 鈴木洋仁 屋上からの眺め――あるいは『立花隆の書棚』から見える風景 / 鈴木貴宇 六八年と自共対決の葬送――立花隆の共産党論に寄せて / 小泉義之 「VS」と「アウフヘーベン」 / 長濱一眞 ■見当識の探求 学術研究の大応援者、立花さんの思い出 / 佐藤勝彦 知るために生ききる――晩年の番組制作で間近に見た姿から / 岡田朋敏 Specimenの棚 / 薈田純一 ■生命の輪郭と科学の精神 科学ジャーナリストではなく、科学応援者 / 内田麻理香 科学と「臨死体験」――立花隆の死生観 / 橋迫瑞穂 「脳死三部作」と脳死――立花隆のレールの外側へ / 古俣めぐみ 『宇宙からの帰還』はどこから帰ってきたのか / 井田 茂 ■「調べて書く」ために 立花さんを東大にお呼びした理由 / 松田良一 立花先生と情報技術 / 加藤 淳 教育者としての立花イズム / 岩田陽子 ■亡国の知識人 時代の寵児というの他なし――立花隆氏追悼 / 高山 宏 現代的教養とプラクティカルな歴史――『天皇と東大』の歴史哲学 / 木村直恵 「知識人」と「知の巨人」――二〇二一年、立花隆から考える / 木村政樹 「知の巨人」の小ささ――立花隆における読書と教養 / 松井健人 ■エコロジー的発想の往還 立花隆というガルガンチュア / 宇田川 悟 コンポスト葬――生物としての生と死 / 岡安直比 立花隆『「知」のソフトウェア』を再読して / 横田増生 ■いま、立花隆を読む 時代精神の「HOT」な記録――立花隆『アメリカ性革命報告』を読む / 水無田気流 青春の群像劇――『青春漂流』について / 藤田結子 フィルムと闇の奥――立花隆映画研究 / 吉田伊知郎 立花隆と香月泰男が遺してくれた「記憶の遺産」 / 山 愛美 ひとが「タチバナる」とき――立花隆は武満徹になにを聞きたかったのか / 渡邊未帆 ■立花隆と未来 立花隆主要著作解題 / 緑 慎也 立花隆略年譜 ー ■連載 私の平成史 19 / 中村 稔 ■物語を食べる*8 人力車には植民地の影が射す / 赤坂憲雄 ■詩 相撲 他二篇 / 小峰慎也 ■今月の作品 堀内愛月・明石裕里・ピエルロモント・澁澤赤・為平澪・森ジュンイチ / 選=和合亮一 ■われ発見せり ペットとメディアの一八世紀 / 貝原伴寛 表紙・目次・扉=北岡誠吾
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ユリイカ 2021年08月号 台湾映画の現在
¥1,760
SOLD OUT
今夏、台湾映画話題作続々公開! 日本の夏によく馴染む、湿った暑さの質感漂う台湾映画――80年代に華々しく幕を開けた台湾ニューシネマの作家たち(エドワード・ヤン、ホウ・シャオシェン…)がよく知られるが、日本統治・国民党による戒厳令の時代には厳しい統制のもとでしか制作されることのなかった台湾映画は、試行錯誤しながら自らのアイデンティティを獲得してきた。 台湾ニューシネマの異端児と呼ばれたチェン・ユーシュンの最新作『1秒先の彼女』の6月25日公開を皮切りに、白色テロ時代を描く台湾大ヒットホラー作『返校 言葉が消えた日』、ドキュメンタリー『日常対話』ほか多種多彩な公開作が続く今夏。その連綿と続く歴史を見つめなおし、台湾映画の現在地を描きだす。 [編集部より] 出版社|青土社 定 価|1,600円+税 判 型|A5変型判/並製 頁 数|285 ISBN|978-4-7917-0404-0 初 版|2020年09月 Contents 特集*台湾映画の現在 ❖インタビュー〈1〉 『返校 言葉が消えた日』と白色テロの記憶を巡って / 徐 漢強 聞き手=編集部 ❖『返校 言葉が消えた日』の背後 台湾映画の歩み / 稲見公仁子 「白色テロ」記憶の耐えられない曖昧さ——『返校 言葉が消えた日』(二〇一九年)から窺えるもの / 丸川哲史 台湾ホラー映画一瞥 / 晏 妮 ❖響き合う記憶 私の記憶を呼び起こす台湾映画 / 一青 妙 星明かりの映画祭 / 李 琴峰 台湾映画礼讃 / 垂水千恵 ❖イラスト 映画館で待ち合わせ / 高 妍 ❖台湾映画の軌跡 ニューシネマ以前の台湾における映画状況——植民地期から戒厳時期まで / 三澤真美恵 台湾映画と言語のヘゲモニー / 四方田犬彦 ❖インタビュー〈2〉 台湾映画と出会うために / 田村志津枝 聞き手=温 又柔 スクリーンの向うに見る私の「台湾」——田村志津枝さんのお話をうかがって / 温 又柔 ❖台湾ニューシネマと香港 台湾文学と台湾ニューシネマ / 明田川聡士 中央で生まれた台湾の新しい波 / 暉峻創三 台湾武俠映画論——キン・フーから『黒衣の刺客』まで / 雑賀広海 ❖インタビュー〈3〉 『1秒先の彼女』の映し出すもの——『熱帯魚』『ラブ ゴーゴー』から四半世紀、映画への愛を胸に / 陳 玉勲 聞き手・構成=栖来ひかり ❖コロナ禍の台湾映画界 『1秒先の彼女』と二〇二〇年金馬奨の原点回帰とは / 栖来ひかり 新型コロナウイルス感染症下の台湾映画マーケット状況 / 西本有里 ❖台湾と中国と私たち 二〇〇〇年代以降の台湾映画における中台市場への眼差し——金馬奨、文創、新型コロナを巡って / 阿部範之 自己省察の系譜——『私たちの青春、台湾』をめぐる偶然と必然 / 吉川龍生 私たちの青春、その続きに導かれること / ナルコ ❖『幸福路のチー』から遡る 水の視線、光の映画 / 池澤春菜 台湾アニメーション映画六〇年史 / 叶 精二 ❖インタビュー〈4〉 母と私の『日常対話』——ドキュメンタリーのその先へ / 黄 惠偵 聞き手=児玉美月 ❖自己と他者 台湾“クィア映画”——『青春神話』から『君の心に刻んだ名前』へ / 児玉美月 恋のエチュード——台湾映画の少年少女たち / 野崎 歓 ❖言語と民族 台湾映画の言語リアリズム——『童年往事』から『セデック・バレ』へ / 新井一二三 台湾映画における日本表象——植民地時代から現代まで / 曾 文莉 魏徳聖における日本統治時代のエンタメ化 / 坂川直也 ❖資料 台湾映画作品ガイド——二〇〇〇年から二〇二一年まで / 江口洋子 ❖連載 私の平成史 18 / 中村 稔 ❖物語を食べる*7 猿の惑星からの伝言 / 赤坂憲雄 ❖詩 海にいた男 他二篇 / 清中愛子 ❖今月の作品 相内あみ・かるべまさひろ・鎌田尚美・勝部信雄・中村ニミ / 選=和合亮一 ❖われ発見せり プロレスをめぐる闘い / 犬飼彩乃 表紙・目次・扉=北岡誠吾 表紙図版=『返校 言葉が消えた日』2021年7月30日(金)TOHOシネマズ シャンテ他、全国ロードショー 配給:ツイン R-15 ©︎1 PRODUCTION FILM CO. ALL RIGHTS RESERVED.
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ユリイカ 2021年07月臨時増刊号 安野光雅
¥2,420
安野光雅の絵とことば、追悼特集。 安野光雅の作品はいつもそこにあった。馴染み深く、親しみやすく、しかし諧謔と論理に彩られた、絵とことばの世界――。画家であり、文章をよくした。数多くの装幀、装画を手がけた。たくさんの本がいまも息づいている。安野光雅の世界をいまふたたび旅してみよう。絵のある人生に向かって、あるいはその向こうに。 [編集部より] 出版社|青土社 定 価|2,200円+税 判 型|A5変型判/並製 頁 数|285 ISBN|978-4-7917-0402-6 初 版|2021年06月 Contents 総特集*安野光雅――1926-2020 ■口絵 安野光雅をめくる / 選=廣石 修 ■詩 annoさん / 谷川俊太郎 ■「絵のある人生」に向かって 安野さん。個人的なこと / 澤地久枝 いたずら好きの妖精 / 関 容子 安野さん、人と人とのつながりを思う / 末盛千枝子 安野光雅さんのヨーロッパ / 小澤俊夫 存在の不確かさが空に浮かんで――空想の繪本 / 司 修 ■対談 安野光雅と旅の道連れ――イングランド、イタリア、アイルランド、津和野 / 松岡和子 森 まゆみ ■旅と人 安野さんのアンテナ / 阿川佐和子 『津和野』 / 安野モヨコ 忘れられない雑談といたずら書き――温泉とセットのスケッチ旅行 / 山本朋史 盧舎那仏の微笑 / 中村 愿 どこか懐かしい淡彩の風景 / 中村 明 ■画家の肖像 独学の画家・安野光雅さん / 大矢鞆音 津和野の人――森鷗外とともに / 山崎一穎 安野光雅という絵描き / 林 綾野 「街道をゆく」から語る安野光雅――津和野生まれの装画家 / 桑島秀樹 安野光雅『繪本 平家物語』画論 / 出口久徳 ■空想工房の発明 安野光雅さんの判官贔屓 / 奥本大三郎 偉大なる「ボケ」 / 轡田隆史 安野光雅と河合隼雄の交叉点 / 河合俊雄 すばらしき数楽者 / 亀井哲治郎 安野光雅さんが岸田衿子さんの本を装丁をしたころのこと / 高橋順子 手品師の帽子のなかに安野さんはいる、かもしれない / 石井睦美 ■図版構成 『ユリイカ』表紙コレクション――1978−1979 ■ストーン・ブレイン博士のアルス Anno Mirabilis / 高山 宏 遊びのある科学性 / 池内 了 絵本の天文学者 / 寺村摩耶子 『数学大明神』――比類なき肥沃な対談 / 梅田 亨 虚実を遊ぶ――『空想工房』再読 / 林 哲夫 ■教室の点景 少年のような安野先生 / 森ミドリ 二等兵先生の落語 / 松田哲夫 安野光雅本を探して / 松原 茂 安野先生とこまつ座の宣伝美術 / 井上麻矢 授業「装幀の心と技」 / 川口美貴 真心で描く美しい創造世界――創意と工夫の装丁・装画芸術 / 小林真理 ■絵・歌・本 故郷とは子ども時代のこと――歌のなかの安野光雅 / 坪井秀人 歌のめぐりの絵と記憶 / 東 直子 安野光雅と佐藤忠良、そして教科書作り / 藤本朝巳 〈文学の絵本〉の軌跡を追って / 木股知史 安野光雅の本づくり / 大貫伸樹 ■絵本作家は今日も いつもジーンズで / 田中和雄 『旅の絵本』を旅したときのこと / 中島京子 大志の歌の祭りに寄せて / 大崎清夏 ふしぎなしてん / 辻川幸一郎 会えなかった画家 / 諏訪 敦 ■ふしぎなえほん 「絵描き」安野光雅が、絵本作家になるとき / 石井光恵 安野光雅の文字のない絵本 / 山本美希 日常感覚を異化する絵本――安野光雅とヨシタケシンスケ / 目黒 強 安野光雅と再話の実験――アイソーポス、グリム兄弟、アンデルセンの物語より / 横道 誠 ■安野光雅事始め 安野光雅書誌年表 / 廣石 修
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ファシズムの日本美術——大観、靫彦、松園、嗣治
¥3,080
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戦争美術の隠された本質。 「日本ファシズム」というイデオロギーの枠組みのなかで、いかに絵画が戦闘や兵士を描くことなく、戦争を支持し、暴力に加担したか。非戦闘画に内在する政治思想を明らかにする。 [出版社より] 著 者|池田安里 訳 者|タウンソン真智子・池田安里 出版社|青土社 定 価|2,800円+税 判 型|四六判・並製 頁 数|236 ISBN|9784791772841 初 版|2020年05月 Contents 日本語版まえがき 序文 第一章 絵画、ファシズム、戦争 第二章 横山大観の富士 第三章 安田靫彦の《黄瀬川陣》と「ファシスト・モダニズム」 第四章 上村松園の美人画 第五章 藤田嗣治と《秋田の行事》 結論 日本語主要参考文献 英語主要参考文献 索引 Author 池田安里 Asato Ikeda フォーダム大学美術史准教授。専門は日本美術史。ブリティッシュ・コロンビア大学大学院博士課程を首席で修了しカナダ政府総督府より金メダルを受賞後、スミソニアン博物館とロイヤルオンタリオ博物館で研究者として在籍。主な著書に『The Politics of Painting: Fascism and Japanese Art during the Second World War』(University of Hawai'i Press, 2018)、共著に『A Third Gender: Beautiful Youths in Japanese Prints』(Royal Ontario Museum, 2016)、共編著に『Art and War in Japan and its Empire: 1931-1960』(Brill, 2012)などがある。 Translator タウンソン 真智子 翻訳家。ビクトリア大学大学院修士課程修了。主な業績に『The Encyclopedia of Saskatchewan』(University of Regina Press, 2005)への寄稿などがある。
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世界を物語として生きるために
¥1,980
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わたしたちは物語の中しか生きられない。 マンガ、アニメ、ゲーム、音楽、動画配信サービス……わたしたちをとりかこむ多種多様なコンテンツを「物語」として読み解き、そのからくりを縦横無尽に解き明かす。現実のたしかさがゆらぎ、誰もが物語のなかを生きる時代を描出する、ジャンルレスかつ鮮やかな批評集。 [出版社より] 著 者|さやわか 出版社|青土社 定 価|1,800円+税 判 型|四六判・並製 頁 数|211 ISBN|978-4-7917-7363-3 初 版|2021年03月 Contents 終わり/始まり 八匹目の終わりと始まり Ⅰ 時間/空間 「物語」と経験 そしてメンテは続く 「現場」の「現在」 ペインキラーは要らない 年表を生きる者――永野護は何を表現しているのか? 日常系の世界を推理する――米澤穂信と歴史的遠近法のダイナミクス Ⅱ 意味/記号 「物語」とからくり 世界を物語として生きるために ポケットの中の(はてしない)図鑑 寓話とアニメーションの間で――映画『鉄コン筋クリート』はなぜ分かりやすいのか 「かわいい世界」は可能なのか 終わっている“萌え”の時代と、続く日常について 「-ism」の変節と平成の断面について Ⅲ 接続/断絶 「物語」とコミュニケーション 対話の不成立、またはソニックブームが画面を越えること 宇多田ヒカルのカップヌードル――世界に到達する言葉 答えは人生を変えない ボタンの原理とゲームの倫理 身体に悪い蒸気の文化 ぼくたちはいつかすべて忘れてしまう――『君の名は。』と『シン・ゴジラ』について 終わり/始まり 不機嫌な登場人物による解題 Author さやわか Sayawka 1974年生まれ。物語評論家、マンガ原作者。『Quick Japan』(太田出版)、『ユリイカ』(青土社)などで執筆。「LINEマンガ」(LINEデジタルフロンティア)に連載の『キューティーミューティー』『永守くんが一途すぎて困る。』(作画・ふみふみこ)の原作を担当。著書に『僕たちのゲーム史』、『一〇年代文化論』(星海社新書)、『AKB商法とは何だったのか』(大洋図書)、『キャラの思考法』(青土社)など多数。近著は『名探偵コナンと平成』(コア新書)など。
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映画への不実なる誘い——国籍・演出・歴史[増補新版]
¥2,420
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「映画が存在したからこそ20世紀が好きなのだ」 戦争の時代でもあった20世紀を、映画の時代として擁護し、その魅力を分析する。現代の映像文化に確かな視線を送るために。 [出版社より] 著 者|蓮實重彦 出版社|青土社 定 価|2,200円+税 判 型|四六判・並製 頁 数|211 ISBN|978-4-7917-7258-2 初 版|2020年03月 Contents 第一章 映画における国籍 国籍という概念、その脆さ/「日本映画」の揺らぎ/成瀬巳喜男『鶴八鶴次郎』における翻案/モーパッサン『脂肪の塊』の翻案―日本/ソ連版『脂肪の塊』/アメリカ版『脂肪の塊』/フランス版『脂肪の塊』/中国版『脂肪の塊』/「翻案」を超えた広がり/複製芸術としての映画へのまなざし/複製ゆえの迫力/差異への感性 第二章 映画における演出 映画は「男と女と階段」で成立する/単純なショットの組み合わせ/階段の意味するもの/階段へのまなざし―小津、ヴェンダース/饒舌な階段と寡黙な階段/ヒッチコック『汚名』/階段への視線、演出/「男と女と……」 第三章 映画における歴史 ゴダールの『映画史』―女性たちへの視線/『映画史』の断片を持続によって回復する試み/ゴダールとミュージカル/ゴダールの確信/ゴダールの歴史認識/映画史と『映画史』/ジャンヌ・ダルク/映画史における貴重な瞬間への直感/ジョン・フォード『捜索者』―ナタリー・ウッドへの視線/黄色いバラ 増補 映画をめぐる自由と拘束──この不条理への信仰 あとがき 増補新版のためのあとがき Author 蓮實 重彥 Shigehiko Hasumi 映画評論家、フランス文学者。一九三六年東京生まれ。一九六〇年東京大学仏文学科卒業。一九六五年パリ大学大学院より博士号取得。一九八八年より東京大学教養学部教授。一九九七年より二〇〇一年まで東京大学総長。一九九九年フランス政府「芸術文化勲章」を受章。主な著書=『反=日本語論』(筑摩書房、一九七七年/ちくま文庫)、『フーコー・ドゥルーズ・デリダ』(朝日出版社、一九七八年/河出文庫)、『映画の神話学』(泰流社、一九七九年/ちくま学芸文庫)、『表層批評宣言』(筑摩書房、一九七九年/ちくま文庫)、『映像の詩学』(筑摩書房、一九七九年/ちくま学芸文庫)、『映画 誘惑のエクリチュール』(冬樹社、一九八三年/ちくま文庫)、『映画はいかにして死ぬか』(フィルムアート社、一九八五年)、『ハリウッド映画史講義』(筑摩書房、一九九三年/ちくま学芸文庫)、『映画狂人』シリーズ(河出書房新社、二〇〇〇年-)、『「知」的放蕩論序説』(河出書房新社、二〇〇二年)、『監督小津安二郎 増補決定版』(筑摩書房、二〇〇三年/ちくま学芸文庫)、『ゴダール革命』(筑摩書房、二〇〇五年)、『表象の奈落』(青土社、二〇〇六年)、『赤の誘惑』(新潮社、二〇〇七年)、『映画崩壊前夜』(青土社、二〇〇八年)、『映画論講義』(東大出版会、二〇〇八年)、『随想』(新潮社、二〇一〇年)、『映画時評2009-2011』(講談社、二〇一二年)、『「ボヴァリー夫人」論』(筑摩書房、二〇一四年)、『伯爵夫人』(新潮社、二〇一六年、三島由紀夫賞受賞/新潮文庫)、『増補版 ゴダール マネ フーコー』(青土社、二〇一九年)など。また編集誌に、『季刊リュミエール』(筑摩書房、一九八五-一九八八年)、『ルプレザンタシオン』(筑摩書房、一九九一-一九九三年)などがある。
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陶酔映像論
¥2,860
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映像という闇の中の光芒に、忘れがたい陶酔の記憶を探る。 日常の制約から解放されたエクスタシー・忘我にあっては、理知的であるよりも、事物の核心が直截・明快に見えているのではないか。映画の未来をゴダールは生き、リーフェンシュタールは肉体の美と生命力を謡い、抑圧された性の解放を戦うクローネンバーグ。さらに精霊と死者の世界に彷徨うアピチャッポン、小津安二郎サイレントの究極の大胆さ――。エクスタシー体験が、底知れぬ真実の深みを垣間見せる。全く斬新で画期的な映像・認識論。 [出版社より] 著 者|伊藤俊治 出版社|青土社 定 価|2,600円+税 判 型|四六判・上製 頁 数|366 ISBN|9784861828379 初 版|2020年12月 Contents はじめに ❶ 来たるべき映像のために/絵画・写真・映画 映画の未来の陶酔のために――ジャン=リュック・ゴダール「イメージの本」 逃げ去る映画/新しい記憶――ジャン=リュック・ゴダール「勝手に逃げろ/人生」 光と瞬間の奇跡――ピクチャーからモーションピクチャーへ ❷ 聖性を呼ぶ オリンピアの身体――レニ・リーフェンシュタールの映像身体 身体、影の詰まった袋――ルイス・ブニュエル「忘れられた人々」を呼びさます 肉体の抑圧と再帰する性の欲望――デイヴィッド・クローネンバーグ論 ❸ 愛するエスノグラフィ 陶酔する映像――マヤ・デーレン「神聖騎士」を中心に 感覚民族誌と世界霊――ハーバード大学感覚民族誌学研究所『リヴァイアサン』から『カニバ』ㇸ シネトランスの彼方へ――ジャン・ルーシュの憑依儀礼映像を中心に ❹ 転生する記憶 転生と精霊の徴――アピチャッポン・ウィーラセタクンの映像芸術 イメージの山へ――フィオナ・タン「アセント」 旋回する想起――ビル・ビオラの踊る知覚映像 ❺ 陶酔のドキュマン 夜汽車のメタモルフォーゼ――一九三〇年代の小津安二郎 サイレント・デスマスク――「非常線の女」における小津安二郎の写真/映画 閃光/記憶と忘却――オッペンハイマー「アクト・オブ・キリング」から「ルック・オブ・サイレンス」ㇸ 〝陶酔の真実〟を求めて――ヴェルナー・ヘルツォークの不思議な旅 終わりに Author 伊藤 俊治 Toshiharu Ito 1953年生まれ。美術史家。東京藝術大学美術学部先端芸術表現学科教授。著者に、『ジオラマ論』『20世紀写真史』『20世紀エロス』『愛の衣裳』『バリ島芸術をつくった男――ヴァルター・シュピースの魔術的人生』『電子美術論』ほか多数。
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フーコーの風向き 近代国家の系譜学
¥3,520
現代思想の風向計。 生命、健康、安全などを理由として立ち現れ、その相貌を自在に変えてきた近代国家。人びとの生や死に巧みに介入し、私たちの思考を知らぬ間に取り囲む権力の所作を、フーコーはいかに描き出したのか。知と権力、認識と実践、法と規律、リスク、戦争の政治言説、統治性、新自由主義。主要な諸概念を手がかりに、歴史や論理に深く分け入り、時代の逆風に立ち向かった思想家の軌跡を追う。 [出版社より] 著 者|重田園江 出版社|青土社 定 価|3,200円+税 判 型|四六判・上製 頁 数|391 ISBN|978-4-7917-7303-9 初 版|2020年08月 Contents 序章 風向きを読む I 権力分析の方法 第1章 ミシェル・フーコーにおける知と権力 はじめに 1 社会学とフーコー 2 フーコーと「知識社会学」 3 「知」から権力へ おわりに コラム1 認識と実践 第2章 「生のポリティクス」の新しい権利 はじめに 1 生政治――対象として「人口」 2 正常な社会と正常な個人 3 権力の法モデル批判 4 ノルムとしての法 5 生-権力の時代における死の問題 6 正常/異常の区別と自己決定 おわりに コラム2 生権力 第3章 近代権力の複層性 ミシェル・フーコー『監獄の誕生』の歴史像 はじめに 1 身体刑から刑罰改革へ――法の再調整 2 規律権力――新たな秩序問題への応答 3 法的権力と規律権力――近代権力の複層性 コラム3 ベンサム問題 第4章 一九世紀の社会統制における「社会防衛」と「リスク」 はじめに 1 「殺人偏狭」 2 「変質」「社会防衛」「リスク」 3 統計学的秩序 おわりに コラム4 福祉国家の危機 II 近代国家の系譜学 第5章 戦争としての政治 一九七六年講義 はじめに 1 「恐怖する人」の法言説 2 「戦う人」の歴史言説 3 「交換する人」の経済言説 4 商業、文明と政治 5 情念を飼いならす コラム5 徳vs欲望 第6章 戦争・法・社会構造 古来の国制と『フランコガリア』をめぐって はじめに 1 政治思想史の流行と七六年講義 2 古来の国制の「フランス的」序曲 3 コモンローと議会 4 封建制と庶民院 5 オトマンのフランス史 6 法の正統性から種族の戦争へ 7 ガリア、ローマ、フランク 8 ポーコックの歴史とフーコーの歴史 コラム6 政治思想史とフーコー 第7章 ミシェル・フーコーの統治性研究 はじめに 1 統治性研究の前史――『監獄の誕生』から『知への意志』へ 2 統治性研究の概要 3 国家理性とポリス 4 自由主義 5 法-規律-統治――近代権力の多層性 おわりに コラム7 フーコ講義の資料 第8章 戦争から統治へ コレージュ・ド・フランス講義 はじめに 1 七六年講義――講義プランの推測 2 誰のための権力分析か 3 諸人種の戦争と闘争 4 戦争の言説からの離脱 5 生権力と自由主義の統治 6 自由主義における個と全体 7 自由主義が不問に付すもの コラム8 七〇年代後半のフーコー III 新自由主義の統治性 第9章 自由主義の統治能力 ミシェル・フーコーのオルド自由主義論 はじめに 1 統治性研究におけるオルド自由主義の位置づけ 2 統治性研究の視角――政治学批判 3 オルド自由主義概観 4 オルド派のラディカルさ――経済による国家の基礎づけ 5 計画化の時代 6 独占と大衆化 7 オルド派の経済政策 8 オルド派の社会政策 9 オルド派の法治国家論 10 オルド自由主義における政治 おわりに 第10章 「その後」のネオリベラリズム はじめに 1 オルド自由主義と戦中戦後の連続説 2 民主主義の統治能力 3 アメリカ新自由主義 4 フーコー以降の新自由主義論 おわりに コラム9 新自由主義とフーコー あとがき 註 参考文献 初出一覧 Author 重田 園江 Sonoe Omoda 1968年兵庫県西宮市生まれ。早稲田大学政治経済学部、日本開発銀行を経て、東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学。現在、明治大学政治経済学部教授。専門は、現代思想・政治思想史。著書に、『フーコーの穴――統計学と統治の現在』(木鐸社)、『ミシェル・フーコー――近代を裏から読む』『社会契約論――ホッブズ、ヒューム、ルソー、ロールズ』(ちくま新書)、『連帯の哲学――フランス社会連帯主義』『統治の抗争史――フーコー講義1978-79』(勁草書房)、『隔たりと政治――統治と連帯の思想』(青土社)、訳書にイアン・ハッキング『偶然を飼いならす――統計学と第二次科学革命』(共訳、木鐸社)など。
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ユリイカ 2020年10月臨時増刊号 別役実の世界
¥1,980
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別役実の魅力に迫る、追悼特集。 戦後日本における不条理演劇の確立者として知られる別役実。しかしその活動は必ずしも演劇の枠内にとどまらず、その味わいは決して「不条理」の一言に尽くされるものでもなかった――。膨大な戯曲群はもちろん、虚実皮膜のエッセイから、驚きに満ちた批評、深いさみしさと優しさを湛えた童話・詩まで、その豊かな作品宇宙を一望し、唯一無二の佇まいを記憶する。 [編集部より] 出版社|青土社 定 価|1,800円+税 判 型|A5変型判/並製 頁 数|310 ISBN|978-4-7917-0391-3 初 版|2020年09月 Contents ■オモイデの素顔 父の本とわたし / べつやくれい ■並走の追憶 別役実とアトリエ / 藤原新平 新しい舞台形式の創始者――追悼・別役実 / 鈴木忠志 宇宙の彼方へ旅立たれた別役さん / 小室等 ■対談 不条理の可笑しみ、生活者の佇まい / 佐藤信+柄本明 ■〈不条理〉の輪郭 別役実の戦後認識――『象』から始まる物語群 / 七字英輔 祈りの演劇――別役実とベケット / 岡室美奈子 The absurd of Exhaustion / 佐々木敦 アリスの叛乱、氾濫するアリス――別役戯曲の女性像 / 小澤英実 異質な共同体が現れるとき――解釈不能な有意味性 / 三木那由他 個人と社会の関係を問う別役実 / 今村麻子 ■面影をたどって ポーカーフェイスの人 / 橋爪功 憧れの人 / 林次樹 背骨パキパキのベツヤクサン / 内田洋一 ■座談会 ある劇作家のまなざし――別役実が捉えたもの / 岩松了+岡室美奈子+ケラリーノ・サンドロヴィッチ ■越境と協働 矛盾を軽やかに超越した作家への賛歌 / 吉田喜重 「不条理が潜む条理」のつきあい / 池辺晋一郎 ■未発表原稿 もの言わぬものがたり / 別役実 ■風のポエティーク 淋しいおさかな 淋しいネコ / 谷山浩子 優しさとさびしさと――別役実の詩と詩学 / 中西恭子 ■マンガ 探偵X氏 幻想植物密輸事件 / 小原愼司 ■時代から読む 原爆・被爆を描く別役実、あるいは戦後表象空間のなかの別役実――『象』『マクシミリアン博士の微笑』をめぐって / 成田龍一 方法としてのケロイドと「おにぎり」――別役実と原爆の問題 / 山本昭宏 電信柱と砂漠――別役実と安部公房 / 坂堅太 政治とアリスとユートピア――初期別役実テクストと〈幻想文学〉の共時性について / 茂木謙之介 別役実と寺山修司の「街」と「飛行」をめぐる二作品 / 梅山いつき ■電信柱のマルチヴァース そよそよ族とはなにか――劫初の言語の生まれるところ / 井辻朱美 虚実のあわいで遊ぶ――別役実のつくしものを読む / 山本貴光 雲丹の味と安楽椅子探偵――別役実の犯罪論・再考 / 春日武彦 じゃなくて、私がゴドーです……あるいは、Oui. Etrange, donc je le suis.――別役実と志村けんの存在論的笑い / 大岩雄典 ギャグマンガ的ナンセンスの再構築――『天才バカボンのパパなのだ』(一九七八年)における祝福と鎮魂 / 森下達 別役実を、テレビで見た / 濱田研吾 ■資料 別役実略年譜・全戯曲 一九三七→二〇二〇 / 野中広樹 別役実著作一覧 / 野中広樹
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ユリイカ 2020年9月臨時増刊号 大林宣彦
¥1,980
追悼・大林宣彦——『海辺の映画館 キネマの玉手箱』 7月31日公開。 個人映画の先駆者として、CMディレクターとして、アイドル映画の名手として、反戦平和を願い続けた尾道の映画作家として——大林宣彦が日本の映像史にもたらしたものとは何だったのか。『海辺の映画館 キネマの玉手箱』を遺して旅立った永遠の映画作家の軌跡を辿る。 [編集部より] 出版社|青土社 定 価|1,800円+税 判 型|A5変型判/並製 頁 数|378 ISBN|978-4-7917-0389-0 初 版|2020年08月 Contents 総特集◉大林宣彦——1938-2020 ❖図版構成 大林宣彦写真館 / 提供=PSC ❖永遠の映画作家 いまでもどこかで / 大林恭子×大林千茱萸 司会=安藤紘平 You Must Believe In Spring / 森泉岳土 一九七七年『HOUSE』直後の大林宣彦インタビュー / 大林宣彦 聞き手・構成=樋口尚文 ❖想いのなかで 大林監督へのオマージュ / 久石 譲 大林さんの肩書 / 赤川次郎 私にとっての大林宣彦監督 / 山中 恒 大林監督について思い出す、二、三の事柄 / 高橋幸宏 叔父のこと / 平田オリザ ❖個人映画から商業映画へ 映画少年魂の開花とその持続——大林宣彦を偲ぶ / 渡辺武信 大林宣彦・遥かなる個人映画の旅 / 木全公彦 テレビCMが育てた大林宣彦 / 山田奨治 『HOUSE』、映画史を変えた異形の詩篇 / 樋口尚文 「幼年期」の映画、あるいは記号化する日常と「身体」——極私的大林宣彦論 / 長谷正人 ❖8ミリ、16ミリ、35ミリ…… 映画を“調整”する気は毛頭ない / 塚本晋也×犬童一心 司会・構成=樋口尚文 金沢の思い出 / 手塚 眞 最も幸運な大林チルドレン / 小中和哉 大林宣彦という迷宮 / 岩井俊二 大林宣彦監督がくれた言葉たち / 行定 勲 あったらよかった青春の想い出! いたらよかった初恋の同級生‼ / ゆうきまさみ 大林映画と私 / とり・みき 映画として生きた人 / 高橋栄樹 ❖映画の幸福 大林宣彦の祈り——『転校生』のセルフリメイク / 北村匡平 「明るい画面」の映画史——『時をかける少女』からポスト日本映画へ / 渡邉大輔 『時をかける少女』とジュヴナイルSFの系譜 / 風野春樹 詩的な運命を生きる——『さびしんぼう』論 / 福間健二 ❖大林さんのこと 忘れな草君はキネマの玉手箱 / 角川春樹 連鎖する映画たち / 佐々木史朗 大林宣彦監督を偲んで / 阪本善尚 21世紀のデジタル大林映画 / 三本木久城 映画愛と遊び心を次世代に伝えたい / 竹内公一 學草太郎という音楽家との共演 / 山下康介 ターニングポイント / 和栗千江子 四〇年目の「これでも映画か」 / 野村正昭 ❖再録エッセイ 死に至る病い、としての映画の中で、恋の想念と出会った / 大林宣彦 ❖大林映画を生きる 大林監督の想い出と共に / 入江若葉 大林組を遠く離れて / 岸部一徳 監督を偲び / 根岸季衣 素晴らしき哉、ラビリンス! / 常盤貴子 人生を変えた出会い / 石田ひかり ❖いつか見た夢、いつか見た映画 大林宣彦『HOUSE』と悪夢のDiscover Nowhere / 石岡良治 ネコはネズミを黙殺したか / 重政隆文 大林宣彦とATG / ローランド・ドメーニグ 大林宣彦と「反時代的アイドル」たち /太田省一 テレビの中の居心地悪さ——『可愛い悪魔』についてのノート / 木原圭翔 映画『その日のまえに』論——メロドラマ的、あまりにメロドラマ的な「A MOVIE」 / 河野真理江 ❖想いの記憶 タイムマシンに / 飴屋法水 いつか成城で見たメロン / 椹木野衣 僕に再びランニングシャツを着させてくれた人 / 石川浩司 ❖再録対談 映画は境界を越えて / 大林宣彦×高畑 勲 ❖大林宣彦の旋律 幽霊と一輪車——映画による歴史叙述と反戦平和をめぐって / 山本昭宏 喪失の食べ方——大林宣彦監督作品における幽霊の機能についての覚書 / 川崎公平 『HOUSE』から『麗猫伝説』へ——遥かなる映画女優に捧げる悲歌(エレジー) / 志村三代子 ただの死がもたらす群生した〈軋み〉——大林宣彦における制作と思考 / 山本浩貴(いぬのせなか座) ❖資料 大林宣彦主要監督作品解題 / 伊藤弘了 装丁=原田光丞 表1-4写真=大林千茱萸 表1・表3・表4イラスト=森泉岳土 表2対向・目次・本扉写真提供=PSC
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ユリイカ 2020年5月臨時増刊号 坪内祐三
¥2,970
“追悼読み”に捧ぐ手向けの花——。 坪内祐三はよく飲み、よく歩き、よく観て、なによりよく読んだ。雑誌を読み、小説を読み、評論を読み、ノンフィクションを読んだ。そして書いた。ひたすらに書いた。そこには徹底した自意識が敷かれていた。坪内祐三とはテキストと不即不離に結びついた行動の日々である。追悼文を読み、追悼の営為を問いつづけた坪内祐三の追悼特集。 [編集部より] 出版社|青土社 定 価|2,700円+税 判 型|A5変型判/並製 頁 数|454 ISBN|978-4-7917-0384-5 初 版|2020年04月 Contents 総特集*坪内祐三――1958-2020 *グラビア 文壇アウトローズ・ファンキーナイト *Last Waltz 東京の人・坪内祐三 / 小沢信男 引用 / 山田稔 坪内祐三君を悼む / 康芳夫 レクイエム / 福田和也 回想・坪内祐三 / 佐伯一麦 風去りぬ――坪内祐三氏を悼む / 西村賢太 酔っ払いの天使 / 戌井昭人 *坪内祐三を探せ 坪内祐三の「文学」が気になって / 平山周吉 そんじょそこらの研究者より…… / 武藤康史 三月十一日 / 橋本倫史 *坪内祐三に誘われて 坪内さんの顔 / 南伸坊 一九七二年の世田谷ボーイ / 泉 麻人 かわいい人 / 渚 まゆみ 頭に浮かんだのは沢彰謙という俳優の顔だった / 小西康陽 坪内さんと行った新宿梁山泊『新・二都物語』 / 杉作J太郎 *対談 散文家・坪内祐三 / 亀和田武×壹岐真也 *青の時代 九〇年代の暢気だった日々 / 一志治夫 坪内祐三は高田馬場のギャツビーだった / 速水由紀子 大衆と未来を見つめていた考える人 / 新元良一 坪内さんの「文脈」に身をまかせたかった / 松尾 潔 *一九五八年問題 SF嫌いの矜持と寂寥――坪内祐三の思想について / 浅羽通明 ときには“映画”の陽を浴びて――坪内祐三と映画、あるいはアメリカ文学をめぐる断章 / 高崎俊夫 粋でイナセな、論壇のキース・リチャーズ / 和久井光司 *酒客・坪内祐三 『シブい本』以来の畏友 / 内藤誠 坪内祐三のいない酒場 / 髙平哲郎 坪内くんのいる風景 / 芝山幹郎 ある種の太宰治 / 中沢新一 誠実な無頼 / 久世朋子 *ツボウチ・イコノロジー 「古くさいぞ私は」で始まると、マニエリスムになる――坪内祐三氏追善 / 高山宏 テニス「山口組」の坪内祐三 / 山口拓夢 目利きの条件――「坪内祐三の美術批評 眼は行動する」を読む / 林哲夫 *まぼろしをおもう 一九八六年夏、富士正晴とのわずかな交流 / 中尾務 来阪の人 / 涸沢純平 坪内さんの「街的感覚」 / 江弘毅 『まぼろしの大阪』のこと / 安藤善隆 *〈評論家〉の批評 荒御魂 / 絓 秀実 坪内祐三における「死にがい」の探求と連合赤軍――『一九七二』を読み直す / 長谷正人 ささやかな「カミ」に触れる――坪内祐三試論 / 木澤佐登志 *モラトリアムとの邂逅 坪内祐三さんのこと――「ロマンティックなエゴイスト」など / 千葉俊二 『東京人』編集者の頃の坪内さん / 浦野興治 坪内さんとの出会いと別れ / 西堂行人 『彷書月刊』編集長をやる気がなかった坪内祐三さん / 皆川秀 *アンソロジー――坪内祐三傑作五選 ロマンティックなエゴイスト/私はなぜミラン・クンデラの長編小説を読めないでいるのか――本を買うタイミングについて/十歳、二十歳、三十歳、四十歳/非国民の見たワールドカップ/「正しさ」は一つではない、とバーリンは言う / 坪内祐三 *坪内祐三日記 坪内祐三行き当たりばったり / 桑原茂夫 切れぎれの記憶から / 湯原法史 坪内さんの酒 / 大竹聡 素直な髪 / 大和邦恭 坪内さんの電話 / 名嘉真春紀 *シブい本屋 坪内祐三について思い出せること / 岡崎武志 『文庫千趣』を待ちわびて――坪内祐三と文庫本 / 服部滋 新刊書店の坪内祐三さん / 佐野衛 *同時代としての坪内祐三 追悼 坪内祐三――『慶応三年生まれ 七人の旋毛曲り』について / 大島一洋 坪内祐三の「楕円」について / 飯窪成幸 『『別れる理由』が気になって』と『酒中日記』の日々 / 寺西直裕 文壇アウトローズ・ファンキーナイト余録 / 増田結香 『東京』について / 森山裕之 *赤堤・三軒茶屋・新宿 歴史の天使が気になって――小島信夫論と福田章二論 / 苅部直 『明治の文学』の子ども / 大澤聡 坪内祐三『慶応三年生まれ 七人の旋毛曲り 漱石・外骨・熊楠・露伴・子規・紅葉・緑雨とその時代』再読 / 坂口周 *Lesson of the masters たどり着いたと思ったらまた振り出しに戻っている――大相撲のこと / 大場純子 恩師・坪内祐三 / 赤井紀美 古くさいぞ僕は / 草彅洋平 「テレビドラマ」を観る坪内祐三――いくつかの観賞遍歴とその文学的視点 / 柿谷浩一 *ロングインタビュー ツボウチ青年の彷徨――1978-1996 / 坪内祐三 表紙・本扉写真=『酒中日記』撮影時より(撮影=赤井紀美) 装丁=細野綾子
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ユリイカ 2020年10月号 ペドロ・コスタ
¥1,980
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最新作『ヴィタリナ』公開記念。 ポルトガル出身の映画作家、ペドロ・コスタ。ときに建築的映画として語られながら、その画面はさまざまに読み解かれてきた。『ヴィタリナ』は監督が『ホース・マネー』の撮影において出会った“女優”ヴィタリナ・ヴァレラを主演に迎えた最新作である。2019年のロカルノ国際映画祭において金豹賞と最優秀女優賞を受賞したその映画はなにを私たちにみせているのか。いまもっとも喫緊の映画監督のひとりを特集する。 [編集部より] 出版社|青土社 定 価|1,800円+税 判 型|A5変型判/並製 頁 数|326 ISBN|978-4-7917-0392-0 初 版|2020年09月 Contents 特集ペドロ・コスタ――『血』から『ヴァンダの部屋』『コロッサル・ユース』『ホース・マネー』、そして『ヴィタリナ』へ ❖書き下ろし A Woman's Story――女の歴史 / ペドロ・コスタ 訳=中村真人 ❖ペドロへ/の手紙 十字架 シャワー 濡れた瓦……――『ヴィタリナ』をめぐってペドロ・コスタに訊いてみたい三つのことがら / 蓮實重彦 われわれは何をそこにつぎ込むのか――『ヴィタリナ』に存在すること、存在しないこと / ジョナサン・ローゼンバウム 訳=中村真人 ❖Vitalina Valera ペドロ・コスタ的世界の変遷 / 赤坂太輔 平行線は無限遠で交わる / 今村純子 映画の難民 / 宇野邦一 『ヴィタリナ』のラストショットを前に…… / 須藤健太郎 ❖映画作家という仕事 ペドロ・コスタと人生の時間――あるいは映画という日々の労働 / 諏訪敦彦 小田 香 私とペドロ・コスタ / 七里 圭 Quarantine Cinema――闇というオフスペース / 舩橋 淳 どうやって、それを見せてもらうのか / 濱口竜介 ❖ペドロ・コスタのマニエリスム 部屋を流れる奇妙な音 / 佐々木 敦 ペドロ・コスタの音像 / 長門洋平 生のドキュメントとしての演技――ペドロ・コスタとリハーサルの方法 / 角井 誠 反転する装置――ペドロ・コスタ作品におけるキャメラについて / 原田麻衣 ❖ことば・詩・うた ヴィタリナがポルトガル語を話すとき / 木下眞穂 無知な教師――ペドロ・コスタ『ヴィタリナ』について / 佐藤雄一 ペドロ・コスタの映画は真の共産主義映画だ / 佐藤零郎 ❖カーボ・ヴェルデ/フォンタイーニャス 靴を脱ぐ女 / 柳原孝敦 ヴェントゥーラ、彼はどこにでもいる / 杉田 敦 閉ざされた〈扉〉/開かれた〈扉〉――映画監督ペドロ・コスタとカーボヴェルデ人の故郷 / 青木 敬 神話を私たちの手に取り戻せ! ――比類なき語り手ペドロ・コスタが紡ぐ、復讐の詩学 / 上原輝樹 ❖思索と試作 火と血――ふたたびの『溶岩の家』 / ペドロ・コスタ 黒沢 清 司会=坂本安美 歩いて、待ち、考える――ペドロ・コスタの映画の運動について / 入江 悠 若さについて / 萩野 亮 新生と再生――ペドロ・コスタの詩学 / 菊井崇史 ❖隔てられた部屋 秘密、手紙、剥き出しの生――ペドロ・コスタの初期作品について / 伊藤洋司 映画における「仕方がないこと」のすべて?――『ヴァンダの部屋』について / 河野真理江 切り返しなしに隊列を組み前進する若者たち / 廣瀬 純 ジャン=マリー・ストローブが口ずさむ「プランB」の歌――ペドロ・コスタの映画『あなたの微笑みはどこに隠れたの?』の冒頭のシーンについて / 持田 睦 ❖虚空に貼り付ける イメージのシナリオをめぐって / ペドロ・コスタ 秋山 伸 訳・構成=土田 環 映画とそうでないものの間に――『ヴァンダの部屋』ビデオ・インスタレーションをめぐる追想 / 小川直人 陰影の余白に / 田村尚子 マテリアル ゴースト ペドロ・コスタ / 金村 修 ❖ヴァニタスとしての映画 壁について / 松浦寿夫 なんであれかまわない光 / 石川義正 ペドロ・コスタとジェイコブ・リース――「画面外」への誘い / 堀 潤之 ❖ペドロ・コスタを読む 集合的な記憶の彼方へ――ペドロ・コスタ・フィルモグラフィ / 土田 環 ー ❖連載 私の平成史 9 / 中村 稔 ❖詩 老犬 / 松本圭二 ❖特別掲載 難民問題と〈家族の絆〉――第七〇回ベルリン国際映画祭に見るドイツ映画 / 瀬川裕司 ❖今月の作品 鎌田尚美・内田遼乃・中村ニミ・千種創一・菅 浩 / 選=和合亮一 ❖われ発見せり 善意からの不正――列車内アナウンスを真面目に考える / 石田 柊 表紙・目次・扉写真 cover / contents / issue page photo = 『ヴィタリナ』監督=ペドロ・コスタ