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現代語はいまの新しいことばなのか。
俗語や新語は常に流行り廃りとともにある。なにが生き残り、なにが淘汰されるのか、あるいは10代のことば遣いはなぜかくも言語的に隔絶した文法と語彙をもつのか、標準化された透明な現代語とはなんであるのか。問いはいま発せられる、もしくは耳にしていることばの数々から多重に生起していく。現代語は来たるべき明日のことばに向かって今日も息づく。
[編集部より]
出版社|青土社
定 価|1,600円+税
判 型|A5変型判/並製
頁 数|285
ISBN|978-4-7917-0420-0
初 版|2022年07月
Contents
特集*現代語の世界——若者言葉から語用論まで
❖鼎談
現代語という不可解なもの――語彙と文法の波間に / 飯間浩明・川添 愛・山本貴光
❖ことばの現代/現在をめぐって
現代は俗語の時代 / 米川明彦
昭和の日本語と現代語 / 窪薗晴夫
危機言語としての地域のことば / 田窪行則
流行語を百科事典に載せるとは?――ウィキペディアが記録する現代のことば / 北村紗衣
❖書き遺されるもの
一〇〇年前の流行語と一〇〇年後の普通語 / 平山亜佐子
語尾とうしろめたさ / 山本ぽてと
❖「させていただく」のは誰のため
日本語における現代とはいつのことか――敬語からみた日本語史 / 近藤泰弘
すり減る敬意と日本語の現在 / 滝浦真人
歴史語用論(タイムマシン)から見る「させていただく」の現代語性 / 椎名美智
言語の多様性と向き合う――『エリートと教養』の考察を通じて / 川原繁人
❖今様のうたい手
何万回でも光る遠吠え! / 初谷むい
川柳のように / 暮田真名
❖規範と逸脱、あるいは第三項
「新しい言葉づかい」はどのように規範となるのか――アイデンティティ・メタ語用論的言説・イデオロギー / 中村桃子
論理は歌う、あるいは橋本治的現代語論 / 千木良悠子
現代語訳は誰のことばか――『源氏物語』の現代語訳をめぐって / 木村朗子
第三の次元に属する現代語――「対話」としての世界文学 / 邵丹
❖現代語話者の憂鬱
ギャル的批判能力は時代おくれなのか / 鈴木涼美
「ぴえん」という余白 / 佐々木チワワ
❖つぎつぎになりゆくいきほひ
ことばとVTuberと戦争と / 吉岡 乾
「若者言葉」の生成と観察 / 堀尾佳以
「マジ卍」と「ぴえん」に映る若者の心 / 工藤 俊
「知らんけど」の言語哲学 / 和泉 悠
❖生まれようと欲するものは……
母音殺し、ピンポン玉のゆくえ――HipHopとTikTokの現場から / つやちゃん
「婉曲の踏み車」と変わらないイデオロギー――エイズ、サル痘、〈悪所〉のハッテン場を中心に / クリス・ローウィー
❖現代語の現場はどこにあるのか
近頃現代語の不振を論ず――『鬼滅の刃』と『アオアシ』の人気を手掛かりに / 可児洋介
現代口語演劇と、あまり関係のない現代口語 / 綾門優季
不自然でうける――話法・語り・ツッコミにおける自由なポリフォニー / 大岩雄典
Y2Kは現代語か――ファッションリバイバルとアーカイブファッションの身体 / 五十棲 亘
❖モデルニテの軌跡
うつろう言葉の捉え方――「現代語」を考えるためのブックガイド / 山本貴光
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❖忘れられぬ人々*10
故旧哀傷・小柴昌俊 / 中村 稔
❖物語を食べる*19
代理母は卵の夢にうなされて / 赤坂憲雄
❖詩
全てが遠のき、近づいている / 牛山茉優
❖今月の作品
奥山紗英・内田颯太・渡辺八畳 / 選=大崎清夏
❖われ発見せり
詩も俳句も詩 / 堀田季何
表紙・目次・扉……北岡誠吾
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