SOLD OUT
「映画が存在したからこそ20世紀が好きなのだ」
戦争の時代でもあった20世紀を、映画の時代として擁護し、その魅力を分析する。現代の映像文化に確かな視線を送るために。
[出版社より]
著 者|蓮實重彦
出版社|青土社
定 価|2,200円+税
判 型|四六判・並製
頁 数|211
ISBN|978-4-7917-7258-2
初 版|2020年03月
Contents
第一章 映画における国籍
国籍という概念、その脆さ/「日本映画」の揺らぎ/成瀬巳喜男『鶴八鶴次郎』における翻案/モーパッサン『脂肪の塊』の翻案―日本/ソ連版『脂肪の塊』/アメリカ版『脂肪の塊』/フランス版『脂肪の塊』/中国版『脂肪の塊』/「翻案」を超えた広がり/複製芸術としての映画へのまなざし/複製ゆえの迫力/差異への感性
第二章 映画における演出
映画は「男と女と階段」で成立する/単純なショットの組み合わせ/階段の意味するもの/階段へのまなざし―小津、ヴェンダース/饒舌な階段と寡黙な階段/ヒッチコック『汚名』/階段への視線、演出/「男と女と……」
第三章 映画における歴史
ゴダールの『映画史』―女性たちへの視線/『映画史』の断片を持続によって回復する試み/ゴダールとミュージカル/ゴダールの確信/ゴダールの歴史認識/映画史と『映画史』/ジャンヌ・ダルク/映画史における貴重な瞬間への直感/ジョン・フォード『捜索者』―ナタリー・ウッドへの視線/黄色いバラ
増補 映画をめぐる自由と拘束──この不条理への信仰
あとがき
増補新版のためのあとがき
Author
蓮實 重彥 Shigehiko Hasumi
映画評論家、フランス文学者。一九三六年東京生まれ。一九六〇年東京大学仏文学科卒業。一九六五年パリ大学大学院より博士号取得。一九八八年より東京大学教養学部教授。一九九七年より二〇〇一年まで東京大学総長。一九九九年フランス政府「芸術文化勲章」を受章。主な著書=『反=日本語論』(筑摩書房、一九七七年/ちくま文庫)、『フーコー・ドゥルーズ・デリダ』(朝日出版社、一九七八年/河出文庫)、『映画の神話学』(泰流社、一九七九年/ちくま学芸文庫)、『表層批評宣言』(筑摩書房、一九七九年/ちくま文庫)、『映像の詩学』(筑摩書房、一九七九年/ちくま学芸文庫)、『映画 誘惑のエクリチュール』(冬樹社、一九八三年/ちくま文庫)、『映画はいかにして死ぬか』(フィルムアート社、一九八五年)、『ハリウッド映画史講義』(筑摩書房、一九九三年/ちくま学芸文庫)、『映画狂人』シリーズ(河出書房新社、二〇〇〇年-)、『「知」的放蕩論序説』(河出書房新社、二〇〇二年)、『監督小津安二郎 増補決定版』(筑摩書房、二〇〇三年/ちくま学芸文庫)、『ゴダール革命』(筑摩書房、二〇〇五年)、『表象の奈落』(青土社、二〇〇六年)、『赤の誘惑』(新潮社、二〇〇七年)、『映画崩壊前夜』(青土社、二〇〇八年)、『映画論講義』(東大出版会、二〇〇八年)、『随想』(新潮社、二〇一〇年)、『映画時評2009-2011』(講談社、二〇一二年)、『「ボヴァリー夫人」論』(筑摩書房、二〇一四年)、『伯爵夫人』(新潮社、二〇一六年、三島由紀夫賞受賞/新潮文庫)、『増補版 ゴダール マネ フーコー』(青土社、二〇一九年)など。また編集誌に、『季刊リュミエール』(筑摩書房、一九八五-一九八八年)、『ルプレザンタシオン』(筑摩書房、一九九一-一九九三年)などがある。
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