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Nさんの机で——ものをめぐる文学的自叙伝
¥2,420
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作家生活30年目にして初めて持ったオーダーメイドの机。 山形の家具職人・Nさんの手になる机に向かい、振り返る文学的半生――当代きっての私小説作家がものの記憶にからめて綴った滋味あふれるエッセイ。装画/挿絵=オーライタロー [出版社より] 著 者|佐伯一麦 出版社|田畑書店 定 価|2,200円+税 判 型|四六版/仮フランス装 頁 数|304 ISBN|978-4-8038-0397-6 初 版|2022年04月 Contents 机 筆記具 ワープロとパソコン 電鍵 流行歌 煙草 スーツケース 酒 グロッグ ウィスキー 日本酒 ビール その他の酒 お灸 陶磁器 カメラ 刃物 マネキン 林檎 梨 無花果 蜜柑 ジャケット 革ジャン ビニジャン 机の上の小物たち 眼鏡 靴 作務衣 辞書 図鑑 カレンダー コーヒーメーカー 茶筒 点滴 煎餅 オーディオ 鳥のバッジ チーズスライサー 印伝 マンホール 庭木 椿 山法師 山篩 山椒 合歓 枇杷 ドクダミ チーゼルと時計草 象の栓抜き 藍染の暖簾 手のひらの鉛筆の芯 ピークフローメーター 風呂敷 畳 手紙 鞄とリュック マフラーとセーター 椅子 あとがき Author 佐伯 一麦 Kazumi Saeki 1959年、仙台市生まれ。仙台第一高校卒。雑誌記者、電気工など様々な職に就きながら、84年、「木を接ぐ」で海燕新人文学賞を受賞する。90年、『ショート・サーキット』で野間文芸新人賞、91年、『ア・ルース・ボーイ』で三島賞、97年、『遠き山に日は落ちて』で木山捷平賞、2004年、『鉄塔家族』で大佛賞、07年、『ノルゲ Norge』で野間文芸賞、14年、『還れぬ家』で毎日芸術賞、『渡良瀬』で伊藤整賞をそれぞれ受賞する。ほか著書多数。近著に『アスベストス』がある。
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子どもと孤独
¥1,430
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孤独が子どもの創造性を育む……米国の女性社会学者の名著を、同じく敬虔なクエーカー教徒で日本の幼児教育の第一人者でもある小泉文子氏が完訳。また小泉氏が園長を務めた幼稚園の“育児だより”から厳選した名文も併録する。 [出版社より] 著 者|エリス・ボールディング 訳 者|小泉文子 出版社|田畑書店 定 価|1,300円+税 判 型|文庫版/上製 頁 数|176 ISBN|978-4-8038-0374-7 初 版|2020年08月 Author エリス・ボールディング Elise Boulding 1920年、ノルウェーに生まれる。3歳のとき家族ぐるみでアメリカに移住。若い頃より平和運動に積極的にかかわり、クエーカー教徒となる。同じくクエーカー教徒である経済学者・詩人のケネス・ボールディングと結婚後、5人の子どもを育てながら平和研究に取り組む。1969年、ミシガン大学で社会学の博士号を取得。以後、ミシガン大学、コロラド大学で教鞭をとる。ダートマス大学名誉教授。国際平和研究会事務局長、国際連合大学理事などを務める。2010年、没。 Translator 小泉 文子 Fumiko Koizumi 1922年、東京に生まれる。42年、東京女子高等師範学校理科卒業。クエーカー教徒。82年、少友学園長となる。94年より学校法人普連土学園長を務め、その後顧問となる。著書に『私の巡礼紀行』『少女だより』(以上、聖文舎)、『もうひとつの横浜事件』『幼児はあらゆる種子の萌芽を孕む』(以上、田畑書店)などがある。
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エッセンシャル牧水 妻が選んだベスト・オブ・牧水
¥1,320
牧水のエッセンスが手のひらサイズに凝縮! 愛唱性に富み、広く人口に膾炙される名歌を数多生んだ若山牧水。その没後、主を失った雑誌「創作」の編集を任されたのは、妻の喜志子だった──伴侶として、歌道の同士として牧水の人生をつぶさに見てきた喜志子が、牧水の真髄を伝えようと雑誌の扉に厳選して載せた歌論と短歌を一冊に! あらゆるジャンルのクリエーターに刺激を与える〈必携の書〉!(解説=伊藤一彦) 歌を詠むのは「自分」を知りたいからである。 歌を詠むのは「自分の霊魂」に触れたいからである。 痛いばかりに相触れて、はっきりと「自分」というものを摑みたいからである。 歌を詠むのは「自分」と親しみたいからである。唯一無二の「自分」というものが兎に角にこの世の中に在る。その自分と共に何の隙間も無く、それこそ水も漏らさぬように相擁して生きて行く、凡そ世に楽しみは多かろうがこれにまさる楽しみは無かろうと思う、これに越す確固した楽しみは無かろうと思う。歌を読むは誠にその楽しみのためである。(「歌話断片」より) [出版社より] 著 者|若山牧水 出版社|田畑書店 定 価|1,200円+税 判 型|文庫版/上製 頁 数|144 ISBN|978-4-8038-0364-8 初 版|2019年09月 Author 若山 牧水 Bokusui Wakayama 1885(明治18)年、宮崎県生まれ。延岡中学時代から作歌を始める。早稲田大学英文科卒。早大の同級生に北原白秋、土岐善麿らがいた。1910年刊の『別離』は実質的第一歌集で、その新鮮で浪漫的な作風が評価された。11年、創作社を興し、詩歌雑誌「創作」を主宰する。同年、歌人・太田水穂を頼って塩尻より上京していた太田喜志子と水穂宅にて知り合う。12年、友人であった石川啄木の臨終に立ち合う。同年、水穂が仲人となり喜志子と結婚。愛唱性に富んだリズミカルな作風に特徴があり、「白玉の歯にしみとほる秋の夜の酒はしづかに飲むべかりけれ」など、人口に膾炙される歌が多い。また旅と自然を愛し『みなかみ紀行』などの随筆をのこした。27年、妻と共に朝鮮揮毫旅行に出発し、約2カ月間にわたって珍島や金剛山などを巡るが、体調を崩し帰国する。28年、日光浴による足の裏の火傷に加え、下痢・発熱を起こして全身衰弱。急性胃腸炎と肝硬変を併発し、自宅で死去。享年43歳。
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わたしを生きる 現代語訳『正法眼蔵・現成公案』
¥1,540
道元さんはこんなことを言っていたんだ。 「現成公案」、それは自己肯定の力。 曹洞宗の開祖・道元の『正法眼蔵』は、仏教思想書として長く読まれてきました。また禅の真髄を著した教典として、これまで仏教界のみならず、哲学者などもその注釈につとめてきましたが、格調高い文章である一方、その難解さは一般の読者を遠ざけてきました。 本書は、能登の里山に山寺を開き、禅と農を中心とした生活を営みながら、道元の教えを身をもって実践してきた著者か、『正法眼蔵』のなかでももっとも如実に道元の思想を示している「現成公案」を、現代人、特に若者にむけてやさしく解き明かしたものです。 [出版社より] 著 者|村田和樹 出版社|田畑書店 定 価|1,400円+税 判 型|文庫版/上製 頁 数|200 ISBN|978-4-8038-0361-7 初 版|2019年09月 Contents はじめに わたしを生きる―現代語訳『正法眼蔵・現成公案』 訳注 Author 村田 和樹 Waju Murata 1950年、金沢市に生まれる。生家は曹洞宗の寺だが、15歳のとき、胸にポッカリ穴が空いたようになり、その機縁で自らも仏門を志す。駒沢大学卒業後、73年に京都の安泰寺に入り、内山興正老師の元で修行する。80年に石川県輪島市三井町与呂見の山中にチェーンソーを片手に入山、龍昌寺を開く。85年ころより志を同じくする仲間たちと農地「よろみ村」を拓き、坐禅を中心とした山暮らしを営む。なお、近隣の七尾市にて月に一度、仲間と催す読書会「哲学を読む会」は、20年続いている。