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牧水のエッセンスが手のひらサイズに凝縮!
愛唱性に富み、広く人口に膾炙される名歌を数多生んだ若山牧水。その没後、主を失った雑誌「創作」の編集を任されたのは、妻の喜志子だった──伴侶として、歌道の同士として牧水の人生をつぶさに見てきた喜志子が、牧水の真髄を伝えようと雑誌の扉に厳選して載せた歌論と短歌を一冊に! あらゆるジャンルのクリエーターに刺激を与える〈必携の書〉!(解説=伊藤一彦)
歌を詠むのは「自分」を知りたいからである。
歌を詠むのは「自分の霊魂」に触れたいからである。
痛いばかりに相触れて、はっきりと「自分」というものを摑みたいからである。
歌を詠むのは「自分」と親しみたいからである。唯一無二の「自分」というものが兎に角にこの世の中に在る。その自分と共に何の隙間も無く、それこそ水も漏らさぬように相擁して生きて行く、凡そ世に楽しみは多かろうがこれにまさる楽しみは無かろうと思う、これに越す確固した楽しみは無かろうと思う。歌を読むは誠にその楽しみのためである。(「歌話断片」より)
[出版社より]
著 者|若山牧水
出版社|田畑書店
定 価|1,200円+税
判 型|文庫版/上製
頁 数|144
ISBN|978-4-8038-0364-8
初 版|2019年09月
Author
若山 牧水 Bokusui Wakayama
1885(明治18)年、宮崎県生まれ。延岡中学時代から作歌を始める。早稲田大学英文科卒。早大の同級生に北原白秋、土岐善麿らがいた。1910年刊の『別離』は実質的第一歌集で、その新鮮で浪漫的な作風が評価された。11年、創作社を興し、詩歌雑誌「創作」を主宰する。同年、歌人・太田水穂を頼って塩尻より上京していた太田喜志子と水穂宅にて知り合う。12年、友人であった石川啄木の臨終に立ち合う。同年、水穂が仲人となり喜志子と結婚。愛唱性に富んだリズミカルな作風に特徴があり、「白玉の歯にしみとほる秋の夜の酒はしづかに飲むべかりけれ」など、人口に膾炙される歌が多い。また旅と自然を愛し『みなかみ紀行』などの随筆をのこした。27年、妻と共に朝鮮揮毫旅行に出発し、約2カ月間にわたって珍島や金剛山などを巡るが、体調を崩し帰国する。28年、日光浴による足の裏の火傷に加え、下痢・発熱を起こして全身衰弱。急性胃腸炎と肝硬変を併発し、自宅で死去。享年43歳。
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