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アヴァンギャルドのオリジナリティ モダニズムの神話
¥4,950
20世紀美術批評の最重要論集。モダニズム芸術の中核概念である「特異性」「オリジナル」「唯一性」「原作者」「自発性」などを神話として分析し、それらによって覆い隠されている「反復」「コピー」「差異」「パスティッシュ」「展示空間」といった現実を顕わにする論争の書。美術をめぐる言説に、時代を超えて刺激を与え続けている現代の古典、改訳にてついに再刊。原著1985年刊。『オリジナリティと反復』リブロポート、1994年刊を全面的に改訳した新版。 [出版社より] 原 書|The Originality of the Avant-Garde and Other Modernist Myths 著 者|ロザリンド・E・クラウス 訳 者|谷川渥/小西信之 出版社|月曜社 定 価|4,500円+税 判 型|四六判/上製 頁 数|480 ISBN|978-4-86503-109-6 初 版|2021年03月 Contents 謝辞 序 I モダニズムの神話 グリッド ピカソの名において ノー・モア・プレイ シュルレアリスムの写真的条件 この新たな芸術――空間に描くこと 写真の言説的空間 アヴァンギャルドのオリジナリティ 敬具(シンシアリー・ユアーズ) II ポストモダニズムへ向けて 指標論 パート1 指標論 パート2 ジャクソン・ポロックを読む、抽象的に ルウィット・イン・プログレス リチャード・セラを訳す 展開された場における彫刻 ポスト構造主義と準文学的なもの 訳者解説 クレジット 人名索引 事項索引 Author ロザリンド・E・クラウス Rosalind E. Krauss 1940年生まれ。コロンビア大学教授。美術史・美術批評。著作に1985年『オリジナリティと反復』(リブロポート、1994年)、1993年『視覚的無意識』(本書)、1997年『アンフォルム――無形なるものの事典』(イヴ=アラン・ボワとの共著、月曜社、2011年)、1998年『ピカソ論』(青土社、2000年)、1999年『独身者たち』(平凡社、2018年)など。 Translator 谷川 渥 Atsushi Tanigawa 1948年生まれ。美学者。東京大学大学院博士課程修了。文学博士。著書に、『鏡と皮膚――芸術のミュトロギア』(ちくま学芸文庫、2001年)、『シュルレアリスムのアメリカ』(みすず書房、2009年)、『新編 芸術をめぐる言葉』(美術出版社、2012年)、『肉体の迷宮』(ちくま学芸文庫、2013年)、『芸術表層論』(論創社、2017年)など。 小西信之 Nobuyuki Konishi 1960年生まれ。美術評論。東京藝術大学大学院美術研究科修了。愛知県立芸術大学教授。共著に、藤枝晃雄/谷川渥編著『芸術論の現在』(東信堂、1999年)、多木浩二/藤枝晃雄監修『日本近現代美術史事典』(東京書籍、2007年)など。
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視覚的無意識
¥4,950
モダニズムの眼が抑圧している欲望とはなにか? エルンスト、デュシャン、ジャコメッティ、ベルメール、ピカソ、ポロックらの作品のなかに近代の視を土台から蝕むものたち(『レディメイド」、「肉体的なもの」、「不定形」、「脈動」、「低さ」、「水平性」、「重力」、「痕跡」……)を、フロイト、ラカン、バタイユらの理論を援用しながら見出す試み。モダニズムの中核をなす「視覚性」概念を、主体の精神分析を採り入れつつ批判的に分析する、現代最重要の美術批評家の主著、待望の日本語全訳。 [出版社より] 原 書|The Optical Unconscious 著 者|ロザリンド・E・クラウス 訳 者|谷川渥/小西信之 出版社|月曜社 定 価|4,500円+税 判 型|四六判/上製 頁 数|528 ISBN|978-4-86503-073-0 初 版|2019年03月 Contents one two twoマイナスone two再び three four five six six再び 訳者あとがき(谷川渥) 訳者あとがき+(小西信之) 図版一覧 参考文献一覧 索引 Author ロザリンド・E・クラウス Rosalind E. Krauss 1940年生まれ。コロンビア大学教授。美術史・美術批評。著作に1985年『オリジナリティと反復』(リブロポート、1994年)、1993年『視覚的無意識』(本書)、1997年『アンフォルム――無形なるものの事典』(イヴ=アラン・ボワとの共著、月曜社、2011年)、1998年『ピカソ論』(青土社、2000年)、1999年『独身者たち』(平凡社、2018年)など。 Translator 谷川 渥 Atsushi Tanigawa 1948年生まれ。美学者。東京大学大学院博士課程修了。文学博士。著書に、『鏡と皮膚――芸術のミュトロギア』(ちくま学芸文庫、2001年)、『シュルレアリスムのアメリカ』(みすず書房、2009年)、『新編 芸術をめぐる言葉』(美術出版社、2012年)、『肉体の迷宮』(ちくま学芸文庫、2013年)、『芸術表層論』(論創社、2017年)など。 小西信之 Nobuyuki Konishi 1960年生まれ。美術評論。東京藝術大学大学院美術研究科修了。愛知県立芸術大学教授。共著に、藤枝晃雄/谷川渥編著『芸術論の現在』(東信堂、1999年)、多木浩二/藤枝晃雄監修『日本近現代美術史事典』(東京書籍、2007年)など。
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マルティン・ハイデガーの哲学
¥4,950
『存在と時間』の仏訳者による高名なハイデガー研究(1942年)の待望の初訳。同書全体の詳細な註解に加え、『形而上学とは何か』『根拠の本質』『ヘルダーリンと詩作の本質』『芸術作品の根源』の解説を収録するほか、フッサール、ヤスパース、ディルタイ、キルケゴール、ニーチェとの比較考察なども充実。フランスにおけるハイデガー受容初期の金字塔にして、今なお最良の入門書のひとつ。シリーズ・古典転生、第23回配本、本巻第22巻。 「われわれは『存在と時間』のうちに、こうした実存論的哲学とは対照的に、或る実存的哲学も一緒に見出す。この実存的哲学は、引き受けられた有限性の経験でありたいと望み、またそれを記述したいと望む。最後に、また『存在と時間』以降の時期に、ハイデガーはニーチェ的な傾向をもつ哲学をわれわれに提示する。そしてこの哲学は、大地への下降的超越のうちに、それでもやはり耐えがたい有限性のための救済策を探している」(本文より)。 [出版社より] 著 者|アルフォンス·ド·ヴァーレンス 訳 者|峰尾公也 出版社|月曜社 定 価|4,500円+税 判 型|四六判/上製 頁 数|432 ISBN|978-4-86503-103-4 初 版|2020年11月 Contents 序文 第Ⅰ部 導入 第1章 問題と方法 第Ⅱ部 実存論的分析論 第2章 最初の素描 第3章 世界内存在 第4章 現存在の複数性と世人 第5章 現の構造 第6章 実存の非本来的様相 第7章 現存在の究極的で無差別的な構造についての最初の展望 . 第1節 問題の措定 第2節 不安、現存在の無差別的構造への接近方法 第3節 気遣い、現存在の無差別的構造 第8章 全体性としての人間存在の問題――死の存在論的解釈 第9章 良心、本来的実存の証し 第10章 本来的実存の存在 第11章 時間性の問題 第1節 概論 第2節 現存在の無差別的構造の時間性 (A) 情態性とその諸派生態との時間性 (B) 了解の時間性 (C) 語りの時間性 (D) 現存在の全体的な無差別的構造の時間性 第3節 非本来的実存の時間性 第4節 本来的実存の時間性 第5節 世俗的で世界内部的な時間性 第6節 通俗的な時間観の起源 第12章 現存在の歴史性 第Ⅲ部 ハイデガーの著作における哲学的な主要問題 第13章 超越の問題 第14章 超越と無 第15章 自由 第16章 最終的展望 第17章 美学 第Ⅳ部 考察と結論 第18章 実存的哲学と実存論的哲学――ヤスパースとハイデガー 第19章 ハイデガーと形而上学 第20章 ハイデガー哲学の実存的主題とその起源 第1節 記述的方法 第2節 ディルタイ 第3節 キルケゴール 第4節 ニーチェ 第21章 結論 補遺 訳者あとがき 主要関連文献 略年表 Author アルフォンス・ド・ヴァーレンス Alphonse de Waelhens 1911-1981。ベルギー、アントウェルペン出身の哲学者。ルーヴァン・カトリック大学で法学と哲学の博士号を取得後、1946年に同大学の教授となり、ブリュッセル・サン= ルイ大学などで教鞭をとる。フッサールとハイデガーをはじめとする現象学・実存哲学の研究から出発し、フランスにおけるドイツ哲学の受容に貢献した。後年には、フロイトとラカンの精神分析に関する研究にも従事する。主要著書に、本書『マルティン・ハイデガーの哲学』(1942年)、『両義性の哲学』(1951年)、『現象学と真理』(1953年)、『精神病』(1971年;アルフォンス・ドゥ・ヴァーレン『精神病』塚本嘉壽・橋本由美子訳、みすず書房、1994年)など。 Translator 峰尾公也 Kimonari Mineo 1986年、東京都生まれ。2018年、早稲田大学大学院文学研究科哲学コース博士後期課程単位取得退学。現在、早稲田大学非常勤講師、博士(文学)。専門はハイデガーと現代フランス哲学。著書に『ハイデガーと時間性の哲学』(溪水社、2019年)。主要論文に「実存的哲学と実存論的哲学」(『交域する哲学』所収、岡田聡・野内聡編、月曜社、2018年)など。
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[新版]権力の心的な生 主体化=服従化に関する諸理論
¥3,520
SOLD OUT
なぜ私たちは、権力への服従を欲望してしまうのか——。 私たちの主体形成の過程において、社会的統制の暴力は、外側から一方的に行使されるのではなく、自分自身に「振り向くこと」、良心、自己叱責といった心的なものを通じて機能する。権力による「主体化=服従化」の過程を、フーコー、アルチュセール(権力理論)と、ヘーゲル、ニーチェ、フロイト(心的なものの理論)から徹底的に考察し、抵抗の契機を模索する。 重要な訳語を再検討し訳文を改訂した新版。 [出版社より] 原 書|THE PSYCHIC LIFE OF POWER: THEORIES IN SUBJECTION 著 者|ジュディス・バトラー 訳 者|佐藤嘉幸・清水知子 出版社|月曜社 定 価|3,200円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|288 ISBN|978-4-86503-091-4 初 版|2019年12月 Contents 謝辞 序論 情熱的な愛着 両義性 主体化=服従化/従属化 心的なものの統制 第一章 頑固な愛着、身体の服従化――《不幸な意識》をめぐるヘーゲルを再読する ヘーゲルと自己隷属化の生産 ポスト・ヘーゲル的主体化=服従化 第二章 疚しい良心の回路――ニーチェとフロイト ニーチェによる疚しい良心の説明 フロイト、ナルシシズム、統制 第三章 服従化、抵抗、再意味化――フロイトとフーコーの間で 第四章 「良心は私たち皆を主体にする」――アルチュセールによる主体化=服従化 第五章 メランコリー的ジェンダー/拒否される同一化 生動させ続けること――ジュディス・バトラーへのコメント(アダム・フィリップス) アダム・フィリップスによる「メランコリー的ジェンダー/拒否される同一化」へのコメントに対する応答 第六章 精神の始原――メランコリー、両価性、怒り 解説 主体化=服従化の装置としての禁止の法――バトラー『権力の心的な生』とアルチュセール、フーコー(佐藤嘉幸) 訳者あとがき 新版への訳者あとがき Author ジュディス・バトラー Judith Butler カリフォルニア大学バークレー校、修辞学・比較文学科教授。主な著書、近年の著書に、 『ジェンダー・トラブル』(竹村和子訳、青土社、1999年/新装版2018年)、『自分自身を説明すること』(佐藤嘉幸 ・清水知子訳、月曜社、2008年)、『アセンブリ』(佐藤嘉幸・清水知子訳、青土社、2018年)、『欲望の主体』(大河内泰樹・岡崎佑香・岡崎龍・野尻英一訳、堀之内出版、2019年)、『分かれ道』(大橋洋一・岸まどか訳、青土社、2019年)などがある。 Translator 佐藤嘉幸 Yoshiyuki Sato 筑波大学大学院人文社会系准教授。著書に『権力と抵抗』(人文書院、2008年)、『新自由主義と権力』(人文書院、2009年)など。 清水知子 Tomoko Shimizu 筑波大学大学院人文社会系准教授。著書に『文化と暴力――揺曳するユニオンジャック』(月曜社、2013年)など。
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ラディカル・ミュゼオロジー つまり、現代美術館の「現代」ってなに?
¥2,200
複数の過去/現在/未来がぶつかりあう場としての現代美術館。 投機的な思惑によって動く美術市場や非政治的な相対主義が支配する現代美術の現状に抗して、「現代美術(コンテンポラリー・アート)」の「現代(コンテンポラリー)」の意味をラディカルに問う、世界各国の美術関係者によって数多く引用されている重要論文。 [ドローイング:ダン・ペルジョヴスキ] [出版社より] 著 者|クレア・ビショップ 訳 者|村田大輔 出版社|月曜社 定 価|2,000円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|134 ISBN|978-4-86503-098-3 初 版|2020年04月 Contents Ⅰ なかに入る Ⅱ 現代美術館 Ⅲ コンテンポラリーを理論化する Ⅳ タイム・マシンズ――ファン・アッベミュージアム Ⅴ 共有物〔コモンズ〕のアーカイヴ――ソフィア王妃芸術センター Ⅵ 反復――メテルコヴァ現代美術館 リュブリャナ Ⅶ 弁証法的同時代性〔コンテンポラニアティ〕 原注 謝辞 訳者解説 日本の美術館の現場から Author クレア・ビショップ Claire Bishop 1971年、英国生まれ。ニューヨーク市立大学大学院センター美術史PhDプログラムを拠点とする美術史家・批評家。美術館におけるパフォーマンスの実施・展示のあり方を問う批評で、現在最も注目される批評家の一人。『アートフォーラム』誌の定期執筆者であり、『オクトーバー』誌の不定期執筆者。 日本語訳に『人工地獄――現代アートと観客の政治学』(大森俊克訳、フィルムアート社、2016年)、「敵対と関係性の美学」(星野太訳、『表象5』所収、月曜社、2011年)など。 Translator 村田大輔 Daisuke Murata 1976年生まれ。金沢21世紀美術館を経て、現在、兵庫県立美術館学芸員。