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知覚の宙吊り——注意、スペクタクル、近代文化
¥3,300
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アテンション・プリーズ! 人間の「注意」はいかに構築され、「散漫」はいかに管理されてきたのか。モダニズム絵画から実験心理学、スペクタクル産業から注意多動性障害まで、社会、産業、科学、芸術にまたがるさまざまな言説と技術を横断し、近代における知覚の条件を問い直す。 [出版社より] 著 者|ジョナサン・クレーリー 監 訳|岡田温司 訳 者|石谷治寛・大木美智子・橋本梓 出版社|平凡社[平凡社ライブラリー] 定 価|3,000円+税 判 型|B6変型判/並製 頁 数|688 ISBN|9784582769869 発 行|2025年04月 Contents 序 第1章 近代性と注意の問題 第2章 1879年――拘束なき視覚 第3章 1888年――脱魔術化のイルミネーション 第4章 1900年――綜合(ジンテーゼ)の再創出 エピローグ 1907年――ローマの魔法 原注 訳者あとがき 平凡社ライブラリー版 訳者あとがき 文献一覧 事項索引 人名索引 Author ジョナサン・クレーリー Jonathan Crary 1951年、アメリカのコネチカット州ニューヘイヴンに生まれる。視覚文化に関する系譜学的な研究で知られ、Zone Booksの創業者のひとりとして長らく編集委員を務める。現在、コロンビア大学教授。 Translator 岡田 温司 Atsushi Okada 1954年生まれ。京都大学大学院博士課程修了。京都大学名誉教授。専門は西洋美術史・思想史。著書に『モランディとその時代』(人文書院、2003、吉田秀和賞受賞)、『フロイトのイタリア―旅・芸術・精神分析』(平凡社、2008、読売文学賞受賞)などがある 石谷 治寛 Haruhiro Ishitani 1977年生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。現在、広島市立大学芸術学部准教授。専門は美学・美術史・視覚文化論 大木 美智子 Michiko Oki 1979年生まれ。ロンドン大学UCL西欧言語文化社会研究科博士課程修了。現在、ロンドン芸術大学セントラル・セント・マーチンズ校専任上級講師。専門は美学・美術史 橋本 梓 Azusa Hashimoto 1978年生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程指導認定退学。現在、国立国際美術館主任研究員。専門は現代美術。展覧会企画に「Viva Video! 久保田成子展」(共同企画、国立国際美術館ほか、2021、倫雅美術奨励賞受賞)などがある
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バンクシー 壁に隠れた男の正体[OUTLET]
¥1,100
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バンクシーの半生を描く待望の評伝。 緻密な取材が人物像を浮き彫りにする世界でも貴重なルポルタージュ。 ー バンクシーをイギリスの新聞記者が追った評伝。 世の中の常識を軽やかにひっくり返す覆面芸術家・バンクシー。 故郷のこと、お金のこと、協力者のことなど、ひとりの少年がどのように匿名のまま世界的なアーティストになっていったのか、その実像に迫る。緻密な取材を元に書かれた、世界でも貴重なルポルタージュの日本語版。 [出版社より] 著 者|ウィル・エルスワース=ジョーンズ 翻 訳| 「バンクシー 壁に隠れた男の正体」翻訳チーム 出版社|PARCO出版 定 価|2,000円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|484 ISBN|978-4-86506-334-9 初 版|2020年6月
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限局性激痛
¥11,000
写真とテキストによる独特の物語世界を構築したフランスを代表する現代アーティスト、ソフィ・カルの痛みと治癒の物語、待望の邦訳。 1999~2000年、2019年に東京・原美術館で展示された「ソフィ・カル―限局性激痛」に未邦訳分を新たに訳出した完全版。ソフィ・カルの希望により、日本語版の造本は布張りのカバーに箔押しのタイトル、赤金のインクで三方を塗り上げた。近現代美術キュレーター・岡部あおみによる日本語版解説を付す。 [出版社より] 著 者|ソフィ・カル 訳 者|青木真紀子・佐野ゆか 出版社|平凡社 定 価|10,000円+税 判 型|B6変形判/上製 頁 数|304 ISBN|9784582839722 発 行|2024年11月 【本書より】 限局性激痛:(医学用語)局所の鋭い痛みのこと。 10月25日に出発したときは、この日が92日のカウントダウンへの始まりになるとは思いもよらなかった。その果てに待っていたのはありふれた別れだったが、とはいえ私にとってそれは、人生で最大の苦しみだった。私はこの滞在のせいにした。 フランスに帰国した1985年1月28日、厄払いのために、滞在中の出来事よりも私の苦しみを語ることにした。そのかわりに、話し相手になってくれた友人や偶然出会った人たちにこう尋ねた。 「あなたがいちばんつらかったのはいつですか?」 このやりとりは、自分自身の話をさんざん人に話して聞かせて、もう語りつくしたと感じるか、他の人たちの苦しみと向き合って、自分の痛みが相対化されるまで、続けることにした。この方法には、根治させる力があった。 Author ソフィ・カル Sophie Calle 1953年、フランス・パリ生まれ。大学を中退して世界各地を旅した後パリに戻り作家活動に入る。テキストと写真、時にはオブジェや映像を組み合わせた独自のインスタレーション作品を発表し、1999~2000年に本書と同名の「限局性激痛」展を東京・原美術館で行う。著書にBlind(Actes Sud)、The Address Book(Siglio Press)、Double Game(Violette Editions)、邦訳に『本当の話』(平凡社)、『なぜなら』(青幻舎)がある。2024年高松宮殿下記念世界文化賞絵画部門を受賞。
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なぜなら/ソフィ・カル作品集
¥9,900
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世界中から注目されるフランスの女性現代アーティスト、ソフィ・カル『なぜなら』日本語版、ついに登場。 なぜなら、赤ちゃんにほれぼれと見とれる 通りすがりの人に、その母親が 「だけどこの子の写真、見てませんよね!」と叫んだ、 あのストーリーを読んだから 2018年にソフィ・カルが作品シリーズ『Parce que』(なぜなら)を発表した際、フランス語と英語で書籍『Parce que』『Because』が刊行された。ギャラリーで展示された作品は、「なぜなら」から始まるテキストが刺繍された布がフレームを覆い、鑑賞者はテキストを読んだ後で布をめくり、そこにある写真と向き合うことで、言葉から受けたそれぞれのイメージを写真と重ね合わせるというもの。 書籍では、作品と同様にまず言葉を読み、その後で自ら写真を取り出すことでイメージを探るという構成を“本”という形で表現。ソフィ・カルの作品を本の形で追体験する実験的な作品集。 ソフィ・カル本人の希望により、初となる日本語版を刊行。仏英新版と同内容、新作6作を収録。近現代美術キュレータ岡部あおみの監修により、ソフィ・カルの作品世界を美しい日本語で示した。 [出版社より] 著 者|ソフィ・カル 翻訳監修|岡部あおみ 訳 者|ヤナガワ智予 出版社|青幻舎 定 価|9,000円+税 判 型|B5変形判/上製・布貼 頁 数|128 ISBN|978-4-86152-964-1 発 行|2025年01月 Author ソフィ・カル Sophie Calle 1953年、フランス生まれ。極めて日常的かつ私的な営みをベースに、写真や言葉を通じた物語性の高い作品を制作するコンセプチュアル・アーティスト。1980年代より現代美術作家として活動。日本国内では、2013年~2016年に原美術館・豊田市美術館・長崎県立美術館で巡回展、2019年には原美術館で個展を開催。2024年11月下旬より、三菱一号館美術館再開館記念として『「不在」―トゥールーズ=ロートレックとソフィ・カル』展を開催。2024年高松宮殿下記念世界文化賞 絵画部門を受賞。
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不在/ソフィ・カル作品集
¥4,950
フランスの現代アーティスト、ソフィ・カル、「不在」を見つめた日本初の作品集。 画家オディロン・ルドンの壁画『グラン・ブーケ』(三菱一号館美術館所蔵)に着想を得てソフィ・カルが製作した《グラン・ブーケ》(2020年)をはじめ、テキストと写真の作品群『なぜなら』、盗難された絵画の額縁を見つめる人々が語る『あなたには何が見えますか』、ピカソ作品の不在を示す『監禁されたピカソ』、映像作品《海を見る》など、ソフィ・カルの名作と代表作を収録した日本初の作品集。 作品の一部ともいえるフランス語テキストを日本語に翻訳し、巻末に収録。作家の世界観を美しい装丁でも表現した、世界的現代アーティスト、ソフィ・カルへの理解が深まる一冊。2024年11月23日〜2025年1月26日 三菱一号館美術館で開催の『「不在」―トゥールーズ=ロートレックとソフィ・カル』展公式図録兼書籍として刊行。 [出版社より] 著 者|ソフィ・カル 翻訳監修|岡部あおみ 出版社|青幻舎 定 価|4,500円+税 判 型|A4変形判/並製 頁 数|128 ISBN|978-4-86152-977-1 発 行|2024年11月 Author ソフィ・カル Sophie Calle 1953年、フランス生まれ。極めて日常的かつ私的な営みをベースに、写真や言葉を通じた物語性の高い作品を制作するコンセプチュアル・アーティスト。1980年代より現代美術作家として活動。日本国内では、2013年~2016年に原美術館・豊田市美術館・長崎県立美術館で巡回展、2019年には原美術館で個展を開催。2024年11月下旬より、三菱一号館美術館再開館記念として『「不在」―トゥールーズ=ロートレックとソフィ・カル』展を開催。2024年高松宮殿下記念世界文化賞 絵画部門を受賞。
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機械状エロス 日本へのまなざし
¥3,740
日本に深く魅了され、じつに8度来日したフェリックス・ガタリ。現代日本の芸術家たちとの出会いと対話は、その思想に何をもたらしたのか――。ガタリの日本をめぐるテクストを精選・読解。 日本に深く魅了された稀代の思想家による日本社会のスキゾ分析。誰も気づかなかった日本がここにある。 田中泯、田原桂一、今井俊満、高松伸、草間彌生……。日本の芸術家たちとの出会いと対話は、何をもたらしたのか? 田原桂一『顔貌』よりガタリの肖像写真を掲載。粉川哲夫の導入的インタビュー、欧米の代表的ガタリ研究者による秀逸な解説も。 [出版社より] 著 者|フェリックス・ガタリ 編 者|ギャリー・ジェノスコ、ジェイ・ヘトリック 訳 者|杉村昌昭、村澤真保呂 出版社|河出書房新社 定 価|3,400円+税 判 型|四六判/上製 頁 数|242 ISBN|978-4-309-20912-8 発 行|2024年12月 Contents Ⅰ フェリックス・ガタリの日本論 誇らしげな東京 粉川哲夫によるインタビュー──〈トランスローカル〉をめぐって 舞踏 田中泯との対話──身体の動的編成をめぐって 田原桂一の顔貌機械 田原桂一の〈未視感〉 〈カオスモーズ〉の画家、今井俊満 草間彌生の〈豊かな情動〉 高松伸の〈建築機械〉 高松伸との対話──特異化とスタイル エコゾフィーの実践と主体的都市の復興 Ⅱ ガタリにとって日本とは何か 情動的転移と日本の現代アート(ギャリー・ジェノスコ) 批判的ノマディズム?──日本におけるフェリックス・ガタリ(ジェイ・ヘトリック) 訳者解説 ガタリの「日本論」について(杉村昌昭) 編者の二論文について(村澤真保呂) Author フェリックス・ガタリ Pierre-Félix Guattari 1930-1992年。哲学者・精神分析家。ドゥルーズとともに『アンチ・オイディプス』『千のプラトー』『哲学とは何か』などの歴史的名著を遺す。単著も『分子革命』『三つのエコロジー』など多数。 Translator 杉村 昌昭 Masaaki Sugimura 1945年生まれ。龍谷大学名誉教授。フランス現代思想専攻。 村澤 真保呂 Mahoro Murasawa 1968年生まれ。龍谷大学社会学部教授。
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エッシャー完全解読——なぜ不可能が可能に見えるのか
¥2,970
エッシャーの代表作である《物見の塔》《滝》《上昇と下降》などのだまし絵。これらの作品は、一見しただけではそこに錯視図形があるとわからないほど自然に見える。しかし、少しの間をおいて「これはありえない立体だ」と気付いた瞬間、鑑賞者に大きな驚きをもたらす。 この劇的な鑑賞体験はどのようにして作られたのか。エッシャーはまず、絵のあちこちに鑑賞者を誘導するトリックを仕掛け、さらにそれらを手品師さながらに覆い隠していった。そしてトリックの存在を生涯隠し通し、決して語らなかったのだ。 本書は100点を超える図版でだまし絵の制作過程を分解し、エッシャーがかつて5つの作品に仕掛けた視覚のトリックを明らかにしている。エッシャーが制作中に何に悩み、何を大切にしていたかにまで踏み込んでいく。謎解きの楽しさに満ちた1冊。 著者からの7つのヒント ・《物見の塔》 なぜ、1階に囚人がいるのか? ・《物見の塔》 なぜ、一部の屋根だけが高いのか? ・《描く手》 中央の斜めの影は何のためにある? ・《上昇と下降》 階段の周りの屋根や塔の役割は何か? ・《画廊》 中央の空白は何を隠している? ・《滝》 滝壺の位置に何の意味があるのか? ・作中の人物のほとんどが、だまし絵のトリックに加担している [出版社より] 著 者|近藤滋 解 説|趙慶喜 出版社|みすず書房 定 価|2,700円+税 判 型|四六判/上製 頁 数|208 ISBN|978-4-622-09731-0 初 版|2024年12月 Contents 第1章 見過ごされていたトリック 第2章 《物見の塔》――演技する人々 第3章 《描く手》――できるはずのない影 第4章 消えた風景画 第5章 《上昇と下降》――見えない継ぎ目 第6章 《画廊》――異世界のつなぎ方 第7章 遠近法の弱点 第8章 《滝》――遠近法の限界を超える あとがき 画像出典 参考文献 Author 近藤 滋 Shigeru Kondo 1959年生まれ。1988年、京都大学医学研究科博士課程修了。大阪大学大学院生命機能研究科教授をへて、2024年から国立遺伝学研究所所長。専門は発生学、理論生物学。生物の縞模様が、分子の反応が作る「波」であるというアラン・チューリングの予測を実証した。著書に『波紋と螺旋とフィボナッチ』(学研メディカル秀潤社、2013)、『いきもののカタチ』(学研プラス、2021)がある。
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見るということ
¥1,540
SOLD OUT
すべての芸術は生の文脈とのかかわりを持つ——。 写真が発明されて以来、人間はさらに多くの膨大なイメージに取り囲まれてきた。そこでは、「見る」という行為が人間にとって不可避な事態として浮かび上がってくる。それは自らの生の経験の蓄積を、歴史・社会・文化と構造的に対峙させることでもあった。 ザンダー、ベーコン、マグリットらの作品を通して「見るということ」の地平から、人間の本性と文明にまで肉迫する。強い影響力を持つ新たな美術批評の形を模索していった著者による、写真を学ぶ人、美術を語る人、必携の美術評論集。 [出版社より] 著 者|ジョン・バージャー 監 修|飯沢耕太郎 訳 者|笠原美智子 出版社|筑摩書房[ちくま学芸文庫] 定 価|1,400円+税 判 型|文庫判/並製 頁 数|288 ISBN|978-4-480-08930-4 発 行|2005年08月 Contents なぜ動物を観るのか? なぜ動物を観るのか? ―—ジル・エローに捧ぐ 写真を使う スーツと写真 苦悩の写真 ポール・ストランド ほか 生きられた瞬間 素朴派と専門家 ミレーと農夫 シーカー・アーメットと森 ほか Author ジョン・バージャー John Berger 1926年、ロンドン生まれ。美術批評家、脚本家、小説家、ドキュメンタリー作家。美術教師などを経て著述業に入る。著書に『見るということ』(ちくま学芸文庫)『革命と芸術』『ピカソ/その成功と失敗』などの評論の他、多数の小説・脚本がある。
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イメージ——視覚とメディア
¥1,540
イメージが氾濫する時代において、「ものを見る」とはどのような意味をもつのだろうか。今日もなお視覚論の中核でありつづけるこのテーマに、様々な角度から新たな問題提起をしたのが本書である。 メディアとしての油彩画のありよう、裸体の持つ意味と“富=所有”の関係、美術館の成立経緯、古典的絵画から現代のコマーシャル・フォトへとつながる系譜とは?美術史上の名画や巷に流布する広告など、多種多様なイメージ群を提示しつつ、それらを等価に論じ、「見ること」そのものの再検討を迫ったロングセラー。 [出版社より] 著 者|ジョン・バージャー 訳 者|伊藤俊治 出版社|筑摩書房[ちくま学芸文庫] 定 価|1,400円+税 判 型|文庫判/並製 頁 数|320 ISBN|978-4-480-09503-9 発 行|2013年01月 Contents 1 イメージの変容 2 社会空間になったイメージ 3 「見ること」と「見られること」 4 見られる女たち 取り囲む女たち 5 所有するタブロー 6 「見ること」のなかの「所有すること」 7 広告の宇宙 見ることのトポロジー(伊藤俊治) Author ジョン・バージャー John Berger 1926年、ロンドン生まれ。美術批評家、脚本家、小説家、ドキュメンタリー作家。美術教師などを経て著述業に入る。著書に『見るということ』(ちくま学芸文庫)『革命と芸術』『ピカソ/その成功と失敗』などの評論の他、多数の小説・脚本がある。 Translator 伊藤 俊治 Toshiharu Ito 1953年生まれ。美術史家/美術評論家。現在、東京藝術大学美術学部先端芸術表現科教授。著書に『ジオラマ論』『20世紀写真史』など多数ある。
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[図録]アブソリュート・チェアーズ——現代美術のなかの椅子なるもの展
¥3,300
2024年、埼玉県立近代美術館と愛知県美術館で開催の「アブソリュート・チェアーズ」展図録。フランシス・ベーコンや岡本太郎、工藤哲巳など、美術作品における椅子の表現に着目。 [出版社より] 編 者|埼玉県立近代美術館・愛知県美術館 出版社|平凡社 定 価|3,000円+税 判 型|B5変形判/並製 頁 数|184 ISBN|9784582207354 発 行|2024年03月 Contents 【第1章】 美術館の座れない椅子 マルセル・デュシャン《自転車の車輪》 高松次郎《複合体(椅子とレンガ)》 竹岡雄二《マルセル・デュシャン「自転車の車輪」(1913)へのオマージュ》 草間彌生《無題(金色の椅子のオブジェ)》 岡本太郎《坐ることを拒否する椅子》 ジム・ランビー《トレイン イン ヴェイン》 【第2章】 身体をなぞる椅子 工藤哲巳《愛》 フランシス・ベーコン《Triptych(三連画)1974-77》《座れる人物》 ハンス・オプ・デ・ビーク《眠る少女》 アンナ・ハルプリン《シニアズ・ロッキング》 檜皮一彦《walkingpractice/CODE: Evacuation_drills[SPEC_MOMAS]》 【第3章】 権力を可視化する椅子 工藤哲巳《イヨネスコの肖像》 ジョージ・シーガル《ロバート&エセル・スカルの肖像》 クリストヴァオ・カニャヴァート(ケスター)《肘掛け椅子》 ダラ・バーンバウム《座らされた不安:放埒》《座らされた不安:酩酊》《座らされた不安 補遺:自閉症》 アンディ・ウォーホル《電気椅子》 ミロスワフ・バウカ《φ51×4, 85×43×49》 渡辺眸《東大全共闘 1968-1969》 シャオ・イーノン(邵逸農)& ムゥ・チェン(慕辰)《集会所―高塘》《集会所―西安・大興善寺》 【第4章】 物語る椅子 宮永愛子《waiting for awakening chair》 潮田登久子《マイハズバンド》 名和晃平《PixCell-Tarot Reading (Jan.2023)》 YU SORA《my room》 石田尚志《椅子とスクリーン》 【第5章】 関係をつくる椅子 オノ・ヨーコ《白いチェス・セット/信頼して駒を進めよ》 ローザス《Re: ローザス!》 ミシェル・ドゥ・ブロワン《ブラック・ホール・カンファレンス》(参考作品)《樹状細胞》 スッティー・クッナーウィチャーヤノン《ステレオタイプなタイ》 ダイアナ・ラヒム《インターベンションズ》 副産物産店《Absolute Chairs》《Absolute Chairs #02_roofbase Chair》 アブソリュート・チェアーズ(建畠晢) アブソリュート・チェアーズ前史―19世紀後半のフランス絵画にみる椅子の諸相(佐伯綾希) なぜ椅子はアーティストをも魅了するのか?―1960年代以降の椅子表現小史(鵜尾佳奈) 椅子―グウェン・ジョンとフランシス・ベーコンの場合(山口惠里子) 車椅子の再組成(木下知威) [column]椅子が運びくるもの(木下知威) 作家解説 椅子の文化と美術をめぐるブックリスト 出品リスト ごあいさつ 謝辞
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[図録]モダン・タイムス・イン・パリ 1925——機械時代のアートとデザイン展
¥3,080
ヨーロッパ、アメリカ、そして日本。1920年代の機械と人間との関係を技術と美術でめぐる。 1920年代、フランスの首都パリをはじめとした欧米の都市では、第一次世界大戦からの復興によって工業化が進み、「機械時代」(マシン・エイジ)と呼ばれる華やかでダイナミックな時代を迎えました。 本書は、1920ー1930年代のパリを中心に、ヨーロッパやアメリカ、日本における機械と人間との関係をめぐる様相を紹介します。特にパリ現代産業装飾芸術国際博覧会(アール・デコ博)が開催された1925年は、変容する価値観の分水嶺となり、工業生産品と調和する幾何学的な「アール・デコ」様式の流行が絶頂を迎えました。 日本では1923年(大正12)に起きた関東大震災以降、東京を中心に急速に「モダン」な都市へと再構築が進むなど、世界は戦間期における繁栄と閉塞を経験し、機械や合理性をめぐる人々の価値観が変化していきました。 コンピューターやインターネットが高度に発達し、AI(人工知能)が人々の生活を大きく変えようとする現代において、本展覧会は約100年前の機械と人間との様々な関係性を問いかけます。 [出版社より] 編 著|ポーラ美術館 出版社|青幻舎 定 価|2,800円+税 判 型|B5変形判・並製 頁 数|224 ISBN|978-4-86152-942-9 発 行|2023年11月 Contents 第1章 機械と人間:近代性のユートピア 第2章 装う機械:アール・デコと博覧会の夢 第3章 役に立たない機械:ダダとシュルレアリスム 第4章 モダン都市東京:アール・デコと機械美の受容と展開 エピローグ 21世紀のモダン・タイムス 寄稿 河本真理(美術史学者、日本女子大学教授) 千葉真智子(豊田市美術館 学芸員) 白政晶子(小田原市立図書館 学芸員)
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崇高と美の起源
¥1,870
美と崇高という観念が快と苦/恐怖を生じると論じ、ロマン派芸術への道を拓いた美学史上に残る不朽の名著、待望のコンパクト版。 「私の意図は、美を崇高と区別して考察することであり……どの程度まで美と崇高が一致するのかを検討することである」。巨大で危険な対象がもたらす感動「崇高」は恐怖と緊張を喚起して神経を運動させる。一方「美」は身体全体の組織を弛緩させて快を生じ、「愛」の情念を生み出し、社交をも促進する。崇高と美は市民社会構成のための主要な社会的原理であるとし、19世紀ロマン派への道を拓いた美学史上に残る不朽の名著。 [出版社より] 著 者|エドマンド・バーク 訳 者|大河内昌 出版社|平凡社[平凡社ライブラリー] 定 価|1,700円+税 判 型|B6変型判/並製 頁 数|272 ISBN|9784582769654 発 行|2024年04月 Contents 趣味に関する序論 第一部 第一節 目新しさ 第二節 苦と快 第三節 苦の除去と積極的な快の違い 第四節 お互いに対比されるものとしての悦びと快 第五節 嬉しさと悲しさ 第六節 自己保存に属する情念について 第七節 崇高について 第八節 社交に属する情念について 第九節 自己保存に属する情念と性的な社交に関する情念の差異の究極原因 第一〇節 美について 第一一節 社交と孤独 第一二節 共感、模倣、野心 第一三節 共感 第一四節 他人の苦痛への共感の効果 第一五節 悲劇の効果について 第一六節 模倣 第一七節 野心 第一八節 総括 第一九節 結論 第二部 第一節 崇高によって引き起こされる情念について 第二節 恐怖 第三節 曖昧さ 第四節 情念に関する明晰さと曖昧さの違いについて (第四節) 同じ主題のつづき 第五節 力 第六節 欠如 第七節 広大さ 第八節 無限 第九節 連続性と画一性 第一〇節 建築物の大きさについて 第一一節 快適な対象における無限 第一二節 困難さ 第一三節 壮麗さ 第一四節 光 第一五節 建築物の中の光 第一六節 崇高を生み出すものとしての色彩 第一七節 音と音量 第一八節 唐突さ 第一九節 中断 第二〇節 動物の叫び声 第二一節 臭いと味──苦みと悪臭 第二二節 触覚と苦 第三部 第一節 美について 第二節 均整は植物の美の原因ではない 第三節 均整は動物の美の原因ではない 第四節 人間の種において均整は美の原因ではない 第五節 均整に関するさらなる考察 第六節 合目的性は美の原因ではない 第七節 合目的性の本当の効果 第八節 要約 第九節 完全性は美の原因ではないということ 第一〇節 美の観念はどの程度まで精神の性質に適用できるのか 第一一節 美の観念はどの程度まで徳に適用できるのか 第一二節 美の本当の原因 第一三節 美しい対象は小さい 第一四節 滑らかさ 第一五節 漸進的変化 第一六節 繊細さ 第一七節 色彩における美 第一八節 要約 第一九節 顔立ち 第二〇節 目 第二一節 醜さ 第二二節 優雅さ 第二三節 気品ともっともらしさ 第二四節 触覚における美 第二五節 音の美 第二六節 味覚と臭覚 第二七節 崇高と美の比較 第四部 第一節 崇高と美の作用因について 第二節 観念連合 第三節 苦と恐怖の原因 第四節 同じ主題のつづき 第五節 いかに崇高が生み出されるのか 第六節 いかにして苦は悦びの原因となりうるのか 第七節 より精妙な器官に必要な運動 第八節 なぜ危険でないものが恐怖に似た情念を生み出すのか 第九節 なぜ巨大な視覚対象は崇高であるのか 第一〇節 巨大さにはなぜ統一性が必要なのか 第一一節 人為的無限 第一二節 振動は似かよっていなければならない 第一三節 視覚対象における連続の効果の説明 第一四節 暗闇に関するロックの見解についての考察 第一五節 暗闇はそれ自身の性質によって恐ろしい 第一六節 なぜ暗闇は恐ろしいのか 第一七節 黒色の効果 第一八節 黒の効果の緩和 第一九節 愛の身体的原因 第二〇節 滑らかさはなぜ美しいのか 第二一節 甘さ、その性質 第二二節 甘さは弛緩をもたらす 第二三節 変化はなぜ美しいのか 第二四節 小ささについて 第二五節 色彩について 第五部 第一節 言葉について 第二節 詩の一般的な効果は事物の観念を喚起することによるのではない 第三節 観念に先立つ一般語 第四節 言葉の効果 第五節 イメージを喚起することなく言葉が作用するいくつかの例 第六節 詩は厳密には模倣芸術ではない 第七節 いかにして言葉は情念に作用するのか 初版への序文 第二版への序文 訳者解題 大河内昌 平凡社ライブラリー版 訳者あとがき 解説 井奥陽子
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ロシア・アヴァンギャルド——未完の芸術革命
¥1,760
SOLD OUT
現代芸術はどこから始まったのか。 抽象絵画という意味でカンディンスキーや、それ以前の予兆的存在としてセザンヌを名指しする方法もあるが、時代全体のうねりとシンクロして発生から消滅までを歩んだ初の現代芸術運動といえは、ロシア・アヴァンギャルド運動ということになるだろう。 旧い価値観への死刑宣告であるかのごとく誕生し、社会主義革命と協調してそのプロパガンダを担い、やがてスターリン主義のなかで弾圧・粛清の対象となっていく。もっとも激しく展開したこの芸術運動を追うことで、現代史そのものを読むことができる。マヤコフスキー、メイエルホリド、マレーヴィチなどの芸術家たちの活動を年代史的に描き出し、広く読まれた名著(Parco出版 1985年1刊)。 [出版社より] 著 者|水野忠夫 出版社|筑摩書房[ちくま学芸文庫] 定 価|1,600円+税 判 型|文庫版/並製 頁 数|432 ISBN|978-4-480-51189-8 発 行|2023年06月 Contents 1 “革命”まで―ロシア未来主義とフォルマリズムの成立 ロシア未来主義の出発 立体未来派グループの登場 「絵画そのもの」の探求へ 詩的言語と絵画の冒険 “モスクワ言語学サークル”と“オポヤズ” 方法としての芸術 2 十月革命と芸術 ロシアの赤い宴 3 “革命”以後―レフは何を目指したか 「レフ」のプログラム 「生産主義者」の理論 十月革命後の“オポヤズ” “レフ”の実践 4 “革命”と“芸術”の死―メイエルホリドと演劇の十月 演劇の十月 ビオメハニカ メイエルホリド劇場の命運 5 結び 未完の芸術革命 Author 水野 忠夫 Tadao Mizuno 1937-2009年。中国吉林市生まれ。早稲田大学文学部露文科卒業、早稲田大学文学部教授を経て、同名誉教授。専攻、20世紀ロシア文学・ロシア文化。著書に『マヤコフスキイ・ノート』『囚われのロシア文学』、訳書に『ロシア・フォルマリズム文学論集1・2』、ショーロホフ『静かなドン』、シクロフスキー『散文の理論』などがある。
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[増補改定]境界の美術史——「美術」形成史ノート
¥1,870
国家、制度、性、ジャンル、主体……。外在的な近代化から内在的なモダニズムへ。日本における「美術」概念の成立に迫った画期的論集。解説=中嶋泉。 現在の美術を作り出した「境界」が引かれ、社会に浸透していく過程を、制度史的視点から捉えた画期的論集。近代において「美術」概念や日本画をはじめとする諸ジャンルは、いかにして形づくられ、純化へと向かっていったか。 衝突や動揺を引き起こしつつも、五感の秩序における視覚の優位、工業社会の到来、固有の造型芸術への意志、これら三つが推進力となって「美術」は成立した。だが、その境界は画定し切ったわけではない。裂け目を孕みながら、未完の運動体として今もわれわれの目の前にある。『眼の神殿』と対をなす本書は、新たな作品創造と歴史記述の可能性へと読者を導く。 [出版社より] 著 者|北澤憲昭 出版社|筑摩書房[ちくま学芸文庫] 定 価|1,700円+税 判 型|文庫版/並製 頁 数|560 ISBN|978-4-480-51198-0 刊 行|2023年09月 Contents 序章 「美術」概念の形成とリアリズムの転位 1 国家と美術 「日本美術史」という枠組み 文展の創設 国家という天蓋―「美術」の明治二〇年代 美術における「日本」、日本における「美術」―国境とジャンル 2 性と国家 裸体と美術―違式〓(かい)違条例を軸に 美術における政治表現と性表現の限界 3 美術の境界―ジャンルの形成 「日本画」概念の形成に関する試論 「工芸」概念の成り立ち 「彫刻」ジャンルの形成 4 制度から主体へ 工業・ナショナリズム・美術 印象と表現―日本印象主義のアポリア 終章 「分類の時代」の終わりに Author 北澤 憲昭 Noriaki Kitazawa 1951年生まれ。美術評論家、美術史家。女子美術大学名誉教授。著書に、『眼の神殿』(ちくま学芸文庫)、『岸田劉生と大正アヴァンギャルド』(岩波書店)、『「日本画」の転位』『〈列島〉の絵画』『逆光の明治』(いずれも、ブリュッケ)、『アヴァンギャルド以後の工芸』(美学出版)、『美術のポリティクス』(ゆまに書房)、『反覆する岡本太郎』(水声社)など。
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而今而後——批評のあとさき 岡﨑乾二郎批評選集 vol.2
¥4,290
この世界の外、この時間の先で、世界は起こりつづける。 而今而後(=いまから後、ずっと先も)の世界を見通し、芸術・社会の変革を予見する。稀代の造形作家の思想の軌跡を辿り、その現在地を明らかにする、比類なき批評集。毎日出版文化賞受賞のシリーズ、完結巻。 「〈世界(そしてこのわたしもこの社会も)が終わっても、世界は終わらないことをわたしたちはもう知っている。いまの歴史、いや時間そのものが終わっても、その先に世界があること、すでにあったことを知っている。(……)わたしが終わっても、そのわたしを生成させた世界は終わらない。世界は世界を生成させる力を持ちつづける。たえず時間、空間つまり世界は生起している。この世界の外、この時間の先で、世界は起こりつづける」 [出版社より] 「岡﨑乾二郎は稀有な存在である。彼にあっては、芸術制作と哲学的認識、自身の生活と社会運動が一つになっている。」 ——柄谷行人 著 者|岡﨑乾二郎 出版社|亜紀書房 定 価|3,900円+税 判 型|A5判/上製 頁 数|516 ISBN|978-4-7505-1838-1 初 版|2024年07月 Contents Ⅰ 而今而後:あとさきへの思慮 而今而後 数万年後の「いまでも」 333からトビウツレ 一人のなかの妖怪たち 礼楽の問題 用がすんだら、片づける 認識の三重苦 第Ⅰ章 著者解題 Ⅱ 非同期性:一致しえないものが一致することの意味 無関係性あるいは非同期性を考察するための差し当たっての注意 非同期性について 現代美術とセンチメント センチメントと形態 でもの哲学 Before And After Article 9:そして誰もいなくなる ドアはいつも開いている。 ディランの頭蓋を開ける。:ディランの思想、夢を覗く 愚かな風 第Ⅱ章 著者解題 Ⅲ 何事のおはしますかはしらねども 雨の中に流れる涙。:“PUBLIC ART” の「領域」 日々の諍い、あるいは法外な経験 to be continued :ビリー・クルーヴァーとE.A.T 美術館における現在 メモ 一億年前の森の中で 第Ⅲ章 著者解題 Ⅳ 配景的対応 弱い身体/強い身体 クール 助動詞的空間 天国と地獄 形態の黴 「ウォッチタワー」から「ウォッチマン」へ:二〇年ぶりのジャスパー・ジョーンズ展 絵画の上の「うわの空」:追悼リキテンスタイン 別の美術館:ラウシェンバーグ回顧展 知覚のカルタ:「没後20年 熊谷守一」展 起源なき夢:建築家アルド・ロッシの死 富士山の曲げごこち:描写の限界 空間の捻挫:描写の限界2 藤森照信《秋野不矩美術館》 落ち葉の気持ち:「近代日本美術の軌跡」展 吉田五十八の呪縛:あらかじめ解かれていた問い デジタルな感傷:モボ・モガとクラフトワーク 二〇世紀の通常建築:「建築の20世紀」展 蝿をくっつけた蝿取り紙:「ポップ・アート 20世紀の大衆芸術革命」展 返景:「クロード・ロランと理想風景」展 配景的対応:現在望みうる最高のブラック展 菱田春草を見る 第Ⅳ章 編集部解題 Ⅴ アトピーな報せ 彫刻の支持体 ホームレスについて カテゴリー:移行する記述の運動、としての批評 「芸術」をいかに使うか 放射能/芸術:どこにも帰属しえないメディアとしての 倫理‐植物の報せ まえがき/あとがき(誰か に教わったこと) 第Ⅴ章 著者解題 あとがき 図版引用・出典一覧 Author 岡﨑 乾二郎 Kenjiro Okazaki 一九五五年東京生まれ。造形作家、批評家。絵画、彫刻、映像、建築など、ジャンルを超えて作品を創造するとともに、美術批評を中心に執筆を続けてきた。一九八二年のパリ・ビエンナーレに招聘されて以来、数多くの国際展に出品し、二〇〇二年にはセゾン現代美術館にて大規模な個展を開催。また、同年に開催された「ヴェネツィア・ビエンナーレ第8回建築展」の日本館にディレクターとして参加するなど幅広い活動を行っている。 主な著書に『近代芸術の解析 抽象の力』(亜紀書房)『ルネサンス 経験の条件』(文春学藝ライブラリー)、『芸術の設計』(編著、フィルムアート社)、『れろれろくん』(ぱくきょんみとの共著、小学館)、『ぽぱーぺ ぽぴぱっぷ』(谷川俊太郎との共著、クレヨンハウス)、『絵画の準備を!』(松浦寿夫との共著、朝日出版社)、『白井晟一の原爆堂 四つの対話』(共著、晶文社)。作品集に『TOPICA PICTUS とぴか ぴくたす』(urizen)、『視覚のカイソウ』(ナナロク社)、『Kenjiro OKAZAKI』(BankART1929)など。
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性と芸術
¥1,760
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日本の現代美術史上、最大の問題作、『犬』は、なぜ描かれたのか? 作者自らによる全解説。これは「ほぼ遺書」である——。 「もちろん分かっている――美術作品の解説なんて作者本人はしない方がいいことは。だからこんな悪趣味は一生にこれ一度きりとする。本来無言の佇まいが良しとされる美術作品に言葉を喋らせたら――いったんそれを許可してしまったら――たった一作でもこれくらい饒舌になるという、最悪のサンプルをお見せしよう。ついてこれる人だけついてきてくれればいい」(本文より)。 日本を代表する現代美術家会田誠の23歳の作品『犬』は、2012年の森美術館展覧会での撤去抗議はじめ、これまでさまざまに波紋を呼んできた。その存在の理由を自らの言葉で率直に綴る。人間と表現をめぐる真摯な問い。 [出版社より] 著 者|会田誠 出版社|幻冬舎 定 価|1,600円+税 判 型|四六判/上製 頁 数|216 ISBN|978-4344039834 初 版|2022年07月 Contents I 芸術 『犬』全解説 II 性 「色ざんげ」が書けなくて Author 会田 誠 Makoto Aida 美術家。1965年新潟県生まれ。91年東京藝術大学大学院美術研究科修了。93年、レントゲン藝術研究所で開催された展覧会『フォーチューンズ』でデビュー。美少女から戦争画までさまざまな主題を、日本社会への痛烈な批評性とともに提示する。表現領域は、絵画、写真、立体、パフォーマンス、インスタレーション、小説やエッセイ、マンガなど多岐にわたる。国内外の展覧会に多数参加。小説『青春と変態』(ちくま文庫)、『げいさい』(文藝春秋)、エッセイ『カリコリせんとや生まれけむ』『美しすぎる少女の乳房はなぜ大理石でできていないのか』(ともに幻冬舎文庫)などの著書がある。
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森村泰昌 / ワタシの迷宮劇場展 図録
¥6,050
SOLD OUT
展覧会「森村泰昌:ワタシの迷宮劇場」の公式図録。 これまでほとんど発表されることのなかった、1984年から撮りためている秘蔵のインスタント写真。森村自身が「ポラは私にとって、鏡を超えた鏡だとさえ言えるだろう」と言い表す、作品制作の過程で生まれたこれらのインスタント写真を作品集として纏め上げました。272ページのボリュームで、出品されている約800枚ものインスタント写真を全て収録した充実の一冊となります。 [出版社より] 著 者|森村泰昌 出版社|torch press 定 価|5,500円+税 判 型|307 × 227 mm 頁 数|272 ISBN|978-4-907562-21-2 初 版|2022年04月
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ユリイカ 2022年06月号 ゲルハルト・リヒター
¥1,980
「ゲルハルト・リヒター展」開催記念特集。 90歳を迎えるゲルハルト・リヒターという画家にどれほどの美術史が収められているのか、そこに問われている制作の思考/試行とはいかなるものであるのか、触知的なマチエールによる透徹した画面が世界を茫洋としたリアリズムに読み替える、歴史と記憶の思考、あるいは戦争……、ドイツの巨匠はなにを問いかけるのか。 [編集部より] 出版社|青土社 定 価|1,800円+税 判 型|A5変型判/並製 頁 数|349 ISBN|978-4-7917-0417-0 初 版|2022年05月 Contents 特集*ゲルハルト・リヒター――生誕90年記念特集 ■翻訳 音楽を聴くと、イメージが浮かぶ / ゲルハルト・リヒター×マルコ・ブラウ 訳=西野路代 ■塗り尽くされるもの/塗り替えられるもの/塗り込められるもの ビルケナウの鏡――ゲルハルト・リヒターの《ビルケナウ》インスタレーション / 清水穣 写真に似たもの――ゲルハルト・リヒターの〈記憶絵画〉と女性イメージ / 香川檀 《ビルケナウ》の白いページ――ゲルハルト・リヒター『93のディテール』試論 / 西野路代 戦争の記録と野蛮の起源、そして恐怖と哀悼 / 飯田高誉 ■社会主義‐資本主義リアリズム 二つの体制 / 沢山遼 ドイツの戦争トラウマを作品のテーマとすることは可能か?――ヨーゼフ・ボイスがゲルハルト・リヒターに与えた影響 / 渡辺真也 ゲルハルト・リヒターの「わかりにくさ」とドイツの歴史 / 長谷川晴生 リヒター、イデオロギー、政治――ゲルハルト・リヒター再読 / 菅原伸也 ■対談 懐中のリヒター――ある画家の営為とともに / 蔡忠浩(bonobos)×柳智之 ■エッセイ 写真はイメージです / 畠山直哉 カーテン越しの光 / 田幡浩一 絵画と写真、リアリティと距離 / 前田エマ ■抽象は伏在する アブストラクト・ペインティングを真剣に受け止める――ゲルハルト・リヒター『一枚の絵の一二八枚の写真、ハリファックス一九七八年』 / 平倉圭 分割と接合――ゲルハルト・リヒター《リラ》 / 池田剛介 イデオロギーとの別れ――T・J・クラーク「グレイ・パニック」を手がかりに / 関貴尚 ■散文 硝子絵画の居住者たち――ゲルハルト・リヒター《カードの家(5枚)》にて / 河野咲子 ■コスモスとコンステレーション 「位置価(Stellenwert)」を問う科学と芸術へ――G・リヒターとW・オストヴァルトの《アトラス》 / 前田富士男 フォト・ペインティングと神経系イメージ学 / 坂本泰宏 ディストーション・偽色・スペクトログラム――リヒターの音響 / 荒川徹 ■画家の杣道 マローヤの蛇――シルス、リヒター、アンネ / 杉田敦 ゲルハルト・リヒターの余白に…… / 丹生谷貴志 視差のリアリズムへ――リヒターのクールベ / 新藤淳 ■写真から遠く離れて リヒターを通して考える「写真とは何か」 / 大山顕 フォトリアルとはなにか――リヒターから遡行する / 江本紫織 ゲルハルト・リヒターとグラフィックデザイン――デザイン的視点から読み解く初期フォト・ペインティング / 三橋光太郎 機械化された沈黙と、資本主義リアリズム / 布施琳太郎 ■リヒターに向かって ゲルハルト・リヒター 鏡としての絵画 / 浅沼敬子 ー ■忘れられぬ人々*8 故旧哀傷・粕谷一希 / 中村稔 ■物語を食べる*17 臓器提供者のいまわの恋 / 赤坂憲雄 ■追悼*菊地信義 菊地さんをたどる / 伊藤比呂美 菊地信義について、ほんの少しのことを / 稲川方人 菊地氏について / 鈴木成一 余白のうらがわ――菊地信義を追悼する / 鈴木一誌 菊地さんのこと / 蜂飼耳 ■詩 ある映像作家の死 / 松本圭二 ■今月の作品 たかすかまさゆき・江田つばき・内田颯太・牛島敦子 / 選=大崎清夏 ■われ発見せり スラヴ語のタペストリー / 豊島美波 表紙・目次・扉=北岡誠吾 表紙図版=ゲルハルト・リヒター《エラ(903-1)》 2007年 作家蔵 油彩、キャンバス 40×31cm © Gerhard Richter 2022(07062022) 「ゲルハルト・リヒター展」出品作品より 2022年6月7日(火)―2022年10月2日(日) 東京国立近代美術館 2022年10月15日(土)―2023年1月29日(日) 豊田市美術館
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裸婦の中の裸婦[OUTLET]
¥390
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「裸婦の中のもっともすぐれた裸婦、えらび抜かれた裸婦」をめぐって交わされる十二の対話。作品にまつわる伝説や隠された意味が自由に語られる中で、次第に「見る」という行為の意味が明らかになってくる。バルチュス、ベラスケス、ブロンツィーノ、ヴァロットン、クラナッハ、百武兼行、デルヴォーなど、古今東西の芸術作品を独自のスタイルで読み解く美術講義。 [出版社より] 著 者|澁澤龍彦・巖谷國士 出版社|河出書房新社[河出文庫] 定 価|780円+税 判 型|文庫判/並製 頁 数|200 ISBN|978-4-309-40842-2 初 版|2007年04月 Contents 幼虫としての女―バルチュス スカーフを持つ裸婦 エレガントな女―ルーカス・クラナッハ ウェヌスとアモル 臈たけた女―ブロンツィーノ 愛と時のアレゴリー 水浴する女―フェリックス・ヴァロットン 女と海 うしろ向きの女―ベラスケス 鏡を見るウェヌス 痩せっぽちの女―百武兼行 裸婦 ロココの女―ワットー パリスの審判 デカダンな女―ヘルムート・ニュートン 裸婦 両性具有の女―眠るヘルマフロディトス 夢のなかの女―デルヴォー 民衆の声 美少年としての女―四谷シモン 少女の人形 さまざまな女たち―アングル トルコ風呂 Author 澁澤 龍彦 Tatsuhiko Shibusawa 1928~87年。東京生まれ。東大仏文科卒。マルキ・ド・サドの著作を紹介する一方、人間精神や文明の暗黒面に光をあてる多彩なエッセイを数多く発表。晩年は『高丘親王航海記』など小説に独自の世界を展開した。 巖谷 國士 Kunio Iwaya 1942年東京生まれ。東大大学院修了。仏文学者、批評家、エッセイスト。明治学院大学名誉教授。著者に『シュルレアリスムと芸術』他、『澁澤龍彦の時空』など、訳書にブルトン、ドーマル、エルンストなど多数
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現代美術史——欧米、日本、トランスナショナル
¥1,056
20世紀以降、芸術概念は溶解し、定義や可能性を拡張した新しい潮流が続々と生まれている。アーティストは、差別や貧困のような現実、震災などの破局的出来事とどう格闘しているのか。美術は現代をいかに映し、何を投げかけたか。本書は難解と思われがちな現代美術を、特に第二次世界大戦後の社会との関わりから解説、意義づける。世界中の多くの作家による立体、映像、パフォーマンスなど様々な作品で紡ぐ、現代アート入門。 [出版社より] 著 者|山本浩貴 出版社|中央公論新社[中公新書] 定 価|960円+税 判 型|新書判 頁 数|336 ISBN|978-4-12-102562-3 初 版|2019年10月 Contents 前史―社会的芸術運動の萌芽 第1部 欧米編 拡大された芸術の概念/一九六〇年代~八〇年代 芸術における関係性をめぐって/一九九〇年代~現在 第2部 日本編 ひしめき合う前衛美術/一九六〇年代~八〇年代 「大きな物語の終焉」後の芸術/一九九〇年代~現在 第3部 トランスナショナルな美術史 越境する芸術——戦後ブリティッシュ・ブラック・アート 脱帝国の技法——東アジア現代美術と植民地主義の遺産 美術と戦争―豊かな可能性の裏面として Author 山本浩貴 Hiroki Yamamoto 1986年千葉県生まれ。2010年一橋大学社会学部卒業。2018年ロンドン芸術大学博士課程修了(PhD)。2013年から2018年までロンドン芸術大学TrAIN研究センターに博士研究員として在籍。韓国・光州のアジア・カルチャー・センター(ACC)でのリサーチ・フェローを経て、現在は香港理工大学デザイン学部ポストドクトラル・フェロー。
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彫刻 2——彫刻、死後/新しい彫刻
¥3,630
SOLD OUT
1940年代後半の、イタリアとアメリカ。〈死語としての彫刻〉と、〈新しい彫刻〉。 彫刻の言説はなぜ二分したのか──。 「彫刻」をめぐる叢書、最新巻刊行。 知られざるイタリアの彫刻家アルトゥーロ・マルティーニ(1889ー1947年)の著作『彫刻、死語』(1945年)と、いまなお影響力を持つアメリカの芸術評論家クレメント・グリーンバーグ(1909ー1994年)の論考「新しい彫刻」(1949年)の全訳と、6名の論者による解説論考を収録。 「彫刻、死語」と「新しい彫刻」。これら彫刻をめぐるふたつの特集に加え、「あいちトリエンナーレ2019」における公共と彫刻についての鼎談記事(小松理虔+津田大介+小田原のどか)、インタビュー、詩、特別寄稿を収録。 なぜ彫刻は破壊され続け、なぜつくり続けられるのか。時代との関わりから探る。 [出版社より] 編 者|小田原のどか 出版社|書肆九十九 定 価|3,300円+税 判 型|B6判/上製 頁 数|608 ISBN|978-4-9912265-1-9 初 版|2022年02月 Contents 巻頭言 小田原のどか [詩]鈴木一平 「忘れる碑」 【特集1】 [翻訳]アルトゥーロ・マルティーニ「彫刻、死語」[翻訳 森佳三] [解説]森佳三「『彫刻、死語』解題」 [論考]金井直「「死語」の隣景:アルトゥーロ・マルティーニ 『彫刻、死語』と 『対談集』の照合」 [論考]池野絢子「彫刻の二重の起源:一九二〇年代のアルトゥーロ・マルティーニ」 【特集2】 [翻訳]クレメント・グリーンバーグ「新しい彫刻」[翻訳 坂井剛史] [論考]坂井剛史「虚構の奥行きの空間から現実の空間へ:「新しい彫刻」をめぐるグリーンバーグの理論的変化について」 [論考]近藤学「絵画の危機、彫刻の優位:一九四〇年代末のクレメント・グリーンバーグ」 [論考]筒井宏樹「クレメント・グリーンバーグの「ゴシック」」 [鼎談]小松理虔+ 津田大介+ 小田原のどか「情の時代の「公共」「彫刻」をめぐって」 [特別寄稿]大槻とも恵「核災害後の 「未来」の表象と子ども救世主:福島に現れた《サン・チャイルド》像を再考する」 [インタビュー]七搦綾乃「彫刻でなければならない」 Editor 小田原 のどか Nodoka Odawara 1985年生。彫刻家、評論家、出版社代表。芸術学博士(筑波大学)。著作に『近代を彫刻/超克する』(講談社、2021年)。主な展覧会に「あいちトリエンナーレ2019」など。
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アヴァンギャルドのオリジナリティ モダニズムの神話
¥4,950
20世紀美術批評の最重要論集。モダニズム芸術の中核概念である「特異性」「オリジナル」「唯一性」「原作者」「自発性」などを神話として分析し、それらによって覆い隠されている「反復」「コピー」「差異」「パスティッシュ」「展示空間」といった現実を顕わにする論争の書。美術をめぐる言説に、時代を超えて刺激を与え続けている現代の古典、改訳にてついに再刊。原著1985年刊。『オリジナリティと反復』リブロポート、1994年刊を全面的に改訳した新版。 [出版社より] 原 書|The Originality of the Avant-Garde and Other Modernist Myths 著 者|ロザリンド・E・クラウス 訳 者|谷川渥/小西信之 出版社|月曜社 定 価|4,500円+税 判 型|四六判/上製 頁 数|480 ISBN|978-4-86503-109-6 初 版|2021年03月 Contents 謝辞 序 I モダニズムの神話 グリッド ピカソの名において ノー・モア・プレイ シュルレアリスムの写真的条件 この新たな芸術――空間に描くこと 写真の言説的空間 アヴァンギャルドのオリジナリティ 敬具(シンシアリー・ユアーズ) II ポストモダニズムへ向けて 指標論 パート1 指標論 パート2 ジャクソン・ポロックを読む、抽象的に ルウィット・イン・プログレス リチャード・セラを訳す 展開された場における彫刻 ポスト構造主義と準文学的なもの 訳者解説 クレジット 人名索引 事項索引 Author ロザリンド・E・クラウス Rosalind E. Krauss 1940年生まれ。コロンビア大学教授。美術史・美術批評。著作に1985年『オリジナリティと反復』(リブロポート、1994年)、1993年『視覚的無意識』(本書)、1997年『アンフォルム――無形なるものの事典』(イヴ=アラン・ボワとの共著、月曜社、2011年)、1998年『ピカソ論』(青土社、2000年)、1999年『独身者たち』(平凡社、2018年)など。 Translator 谷川 渥 Atsushi Tanigawa 1948年生まれ。美学者。東京大学大学院博士課程修了。文学博士。著書に、『鏡と皮膚――芸術のミュトロギア』(ちくま学芸文庫、2001年)、『シュルレアリスムのアメリカ』(みすず書房、2009年)、『新編 芸術をめぐる言葉』(美術出版社、2012年)、『肉体の迷宮』(ちくま学芸文庫、2013年)、『芸術表層論』(論創社、2017年)など。 小西信之 Nobuyuki Konishi 1960年生まれ。美術評論。東京藝術大学大学院美術研究科修了。愛知県立芸術大学教授。共著に、藤枝晃雄/谷川渥編著『芸術論の現在』(東信堂、1999年)、多木浩二/藤枝晃雄監修『日本近現代美術史事典』(東京書籍、2007年)など。
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視覚的無意識
¥4,950
モダニズムの眼が抑圧している欲望とはなにか? エルンスト、デュシャン、ジャコメッティ、ベルメール、ピカソ、ポロックらの作品のなかに近代の視を土台から蝕むものたち(『レディメイド」、「肉体的なもの」、「不定形」、「脈動」、「低さ」、「水平性」、「重力」、「痕跡」……)を、フロイト、ラカン、バタイユらの理論を援用しながら見出す試み。モダニズムの中核をなす「視覚性」概念を、主体の精神分析を採り入れつつ批判的に分析する、現代最重要の美術批評家の主著、待望の日本語全訳。 [出版社より] 原 書|The Optical Unconscious 著 者|ロザリンド・E・クラウス 訳 者|谷川渥/小西信之 出版社|月曜社 定 価|4,500円+税 判 型|四六判/上製 頁 数|528 ISBN|978-4-86503-073-0 初 版|2019年03月 Contents one two twoマイナスone two再び three four five six six再び 訳者あとがき(谷川渥) 訳者あとがき+(小西信之) 図版一覧 参考文献一覧 索引 Author ロザリンド・E・クラウス Rosalind E. Krauss 1940年生まれ。コロンビア大学教授。美術史・美術批評。著作に1985年『オリジナリティと反復』(リブロポート、1994年)、1993年『視覚的無意識』(本書)、1997年『アンフォルム――無形なるものの事典』(イヴ=アラン・ボワとの共著、月曜社、2011年)、1998年『ピカソ論』(青土社、2000年)、1999年『独身者たち』(平凡社、2018年)など。 Translator 谷川 渥 Atsushi Tanigawa 1948年生まれ。美学者。東京大学大学院博士課程修了。文学博士。著書に、『鏡と皮膚――芸術のミュトロギア』(ちくま学芸文庫、2001年)、『シュルレアリスムのアメリカ』(みすず書房、2009年)、『新編 芸術をめぐる言葉』(美術出版社、2012年)、『肉体の迷宮』(ちくま学芸文庫、2013年)、『芸術表層論』(論創社、2017年)など。 小西信之 Nobuyuki Konishi 1960年生まれ。美術評論。東京藝術大学大学院美術研究科修了。愛知県立芸術大学教授。共著に、藤枝晃雄/谷川渥編著『芸術論の現在』(東信堂、1999年)、多木浩二/藤枝晃雄監修『日本近現代美術史事典』(東京書籍、2007年)など。
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虚像培養芸術論 アートとテレビジョンの想像力
¥3,850
SOLD OUT
1960年代、テレビジョンの想像力=「虚像」がアートを起動した。 磯崎新は都市デザインを虚業と称し、横尾忠則は虚像となり、高松次郎は影を演じた。今野勉はテレビの日常性を主張し、東野芳明は「テレビ環境論」を書いた。マスメディアの想像力を分母に、現代を逆照射する戦後日本芸術論。 本書の目的は、現代芸術がマスメディアを分母とした表現活動を再配置し、テレビジョン=「虚像」が想像力とされた時代の作家像、作品概念を、現代の視点で分析することである。 マスメディア(放送文化と出版文化)を介してはかられる領域横断は、芸術家相互の新たなネットワークを生成し、旧来の制度化された芸術諸分野を解体していた。「虚像の時代」を問い直すこと、つまりオールド・メディア成熟期をテーマにすることは、ニュー・メディア成熟期を迎える現在の批判理論に繋がる。 本書では、東野芳明・磯崎新・今野勉の思考を軸にマスメディアの中の芸術家像を検証しながら、現代美術、現代思想、現代メディア論を縦横無尽に横断し、メディア芸術の歴史的な視座を編み直していく。現代芸術は、抵抗文化としてのラディカルな戦略をいかに設計してきたのかを分析する。 [出版社より] 著 者|松井茂 出版社|フィルムアート社 定 価|3,500円+税 判 型|四六判/上製 頁 数|312 ISBN|978-4-8459-2030-3 初 版|2021年03月 Contents プロローグ:テレビをつける 第一部 虚像培養国誌 第一章 知覚のボディ・ビルディング──その日常性への上昇 第二章 東野芳明と横尾忠則──ポップ・アートから遠く離れて 第三章 戦後日本におけるマスメディア受容と現代芸術の文化学──高松次郎の場合 第二部 磯崎新論──出来事(ハプニング)の編纂(アーキテクチヤ) 第四章 出来事(ハプニング)の編纂(アーキテクチヤ)──都市デザインとしての《SOMETHING HAPPENS》 第五章 イソ、サム、トーノの《建築空間》──福岡相互銀行大分支店にみる建築と美術の協働 第六章 「かいわい」に「まれびと」が出現するまで──「お祭り広場」一九七〇年 第七章 繰り返し語り、騙られる《コンピューター・エイディド・シティ》をめぐって──一九六八年のテレヴィジョンと幻視者(ヴイジヨナリー) 第三部 アートとテレビジョンの想像力 第八章 マスメディア空間における芸術表現と情報流通──雑誌『現代詩』を事例に 第九章 テレビ環境論 その2──《あなたは…》と《ヴォイセス・カミング》と 第一〇章 流通するイメージとメディアの中の風景 エピローグ:ゼロ地点から向かいます──放蕩娘たちのストリーク あとがき Author 松井 茂 Shigeru Matsui 1975年東京生まれ。詩人、情報科学芸術大学院大学[IAMAS]准教授。共編に『虚像の時代 東野芳明美術批評選』(河出書房新社、2013)、『日本の電子音楽 続 インタビュー編』(engine books、2013)等。共著に『FABに何が可能か 「つくりながら生きる」21世紀の野性の思考』(フィルムアート社、2013)、『キュレーションの現在 アートが「世界」を問い直す』(フィルムアート社、2015)、『テレビ・ドキュメンタリーを創った人々』(NHK出版、2016)等。監修に『美術手帖』の特集「坂本龍一」(2017)、「平成の日本美術史 30年総覧」(2019)、『現代思想』「磯崎新」(2020)等。キュレーションに「磯崎新12×5=60」(ワタリウム美術館、2014)、「磯崎新の謎」(大分市美術館、2019)等。詩集に『二●二●』(engine books、2020)等。