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国家、制度、性、ジャンル、主体……。外在的な近代化から内在的なモダニズムへ。日本における「美術」概念の成立に迫った画期的論集。解説=中嶋泉。
現在の美術を作り出した「境界」が引かれ、社会に浸透していく過程を、制度史的視点から捉えた画期的論集。近代において「美術」概念や日本画をはじめとする諸ジャンルは、いかにして形づくられ、純化へと向かっていったか。
衝突や動揺を引き起こしつつも、五感の秩序における視覚の優位、工業社会の到来、固有の造型芸術への意志、これら三つが推進力となって「美術」は成立した。だが、その境界は画定し切ったわけではない。裂け目を孕みながら、未完の運動体として今もわれわれの目の前にある。『眼の神殿』と対をなす本書は、新たな作品創造と歴史記述の可能性へと読者を導く。
[出版社より]
著 者|北澤憲昭
出版社|筑摩書房[ちくま学芸文庫]
定 価|1,700円+税
判 型|文庫版/並製
頁 数|560
ISBN|978-4-480-51198-0
刊 行|2023年09月
Contents
序章 「美術」概念の形成とリアリズムの転位
1 国家と美術
「日本美術史」という枠組み
文展の創設
国家という天蓋―「美術」の明治二〇年代
美術における「日本」、日本における「美術」―国境とジャンル
2 性と国家
裸体と美術―違式〓(かい)違条例を軸に
美術における政治表現と性表現の限界
3 美術の境界―ジャンルの形成
「日本画」概念の形成に関する試論
「工芸」概念の成り立ち
「彫刻」ジャンルの形成
4 制度から主体へ
工業・ナショナリズム・美術
印象と表現―日本印象主義のアポリア
終章 「分類の時代」の終わりに
Author
北澤 憲昭 Noriaki Kitazawa
1951年生まれ。美術評論家、美術史家。女子美術大学名誉教授。著書に、『眼の神殿』(ちくま学芸文庫)、『岸田劉生と大正アヴァンギャルド』(岩波書店)、『「日本画」の転位』『〈列島〉の絵画』『逆光の明治』(いずれも、ブリュッケ)、『アヴァンギャルド以後の工芸』(美学出版)、『美術のポリティクス』(ゆまに書房)、『反覆する岡本太郎』(水声社)など。
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