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エリザヴェータ・バーム/気狂い狼 オベリウ・アンソロジー
¥3,300
ダニイル・ハルムスの原点、伝説のグループ「オベリウ」の全貌がついに明らかになる──。 100年前、無名の若者たちによって結成された「オベリウ」(ОБЭРИУ)は、20世紀前半のロシアにおける文学的実験の極致をきわめた。ダニイル・ハルムスの「エリザヴェータ・バーム」「出来事」新訳、これまで未邦訳だったニコライ・ザボロツキー「気狂い狼」、コンスタンチン・ヴァーギノフ「スヴィストーノフの仕事と日々」、レオニード・リパフスキー「水論」など、この伝説のグループ周辺12名の代表作を網羅した世界初のアンソロジー。 「本書に訳出するのは、「オベリウ」と「チナリ」に縁の深い者たちの作品である。どちらのグループにも所属したハルムスとヴヴェジェンスキーは、その反伝統的な作風がロシア国内外で比較的早くから注目され、著作集や全集が刊行されてきた。しかしふたり以外の作品は、ザボロツキーを除き紹介が遅れた。 「オベリウ」アンソロジーは、すでに1991年にロシアで、2006年にアメリカで刊行されているが、どちらも「オベリウ」のメンバー(オベリウ派)を網羅しているわけではなく、必ずしも代表作を採っているわけでもない。そこで本書には、レーヴィンやウラジーミロフといった、ロシアでさえほとんど知られていないマイナーなオベリウ派に、「チナリ」のメンバーも加え、それぞれの代表作をなるべく多く収録した。したがって、現時点では本書が世界で最も包括的な「オベリウ」アンソロジーといってよい」——「はじめに」より オベリウとは? 20世紀前半のロシアにおいて、「ロシア・アヴァンギャルド」と後に称される前衛芸術運動が興隆する。その寿命は短かったが、落日の間際、未来をも貫く鋭い光芒を放つ。それが「オベリウ」である。 1927年に若者たちの手で結成されたこのグループは、「反革命的」と批判され数年で瓦解するものの、メンバー(オベリウ派)は創作をつづけ、ロシア文学史上きわめてユニークな作品を残した。また一部のオベリウ派は「チナリ」にも属していた。これは「オベリウ」と異なり閉じられたグループで、仲間たちは頻繁に集まりさまざまなテーマについて話し合った。そこでの会話がしばしば創作のヒントになっている。 「オベリウ」も「チナリ」も長く忘却されていたが、20世紀後半から、ロシア文学史におけるミッシング・リンクとして世界的な注目を集めだす。両グループのメンバー全12人の創作を1冊に纏めた本書によって、その全貌がいま初めて一望のもとに置かれる。 [出版社より] 「オベリウ派――彼らはそう名乗っている。この言葉は、リアルな芸術の結社のことだと理解されている。この嘘くさい大仰な名前は、レニングラードのちっぽけな詩人グループが勝手に詐称しているものである。連中はほんの僅かだ。片手で指折り数えることができる。その創作ときたら……」——オベリウに対する批判記事「反動的曲芸」より 著 者|ダニイル・ハルムス、アレクサンドル・ヴヴェジェンスキー、ニコライ・ザボロツキーほか 編訳者|小澤裕之 出版社|書肆侃侃房 定 価|3,000円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|496 ISBN|978-4-86385-681-3 発 行|2025年09月 Contents はじめに 「オベリウ」とは何か━━人と成り立ち 「オベリウ」と「チナリ」略年譜 Ⅰ オベリウ ダニイル・ハルムス 出来事 エリザヴェータ・バーム ヴヴェジェンスキーへ ザボロツキーを訪ねて オレイニコフへ 〈リパフスキーが苦しみだしたのは……〉 どのように使者が私のもとを訪れたか 男が家を出ました ばあさん アレクサンドル・ヴヴェジェンスキー 〈三七〇人のこどもたち〉 はる こもりうた イワーノフ家のクリスマス ニコライ・ザボロツキー 気狂い狼 運動 不死 さらば友よ みにくい女の子 コンスタンチン・ヴァーギノフ スヴィストーノフの仕事と日々(抄) イーゴリ・バーフチェレフ 取るに足らない隣人のたとえ 「曲がった胃」での出来事 冬の散歩 ドイヴベル・レーヴィン ドゥームコプフ氏、空を飛ぶ ユーリイ・ウラジーミロフ 変な人たち スポーツマン アレクサンドル・ラズモフスキー 追憶のハルムス クリメンチー・ミンツ オベリウ派(抄) オベリウ宣言 Ⅱ チナリ ニコライ・オレイニコフ 発明家に誉れあれ チャールズ・ダーウィン ハエ ゴキブリ 〈ごく頑丈なガラス越しに……〉 ノミの師範 レオニード・リパフスキー 〈太陽が異国に沈んだ〉 水論 ヤコフ・ドゥルースキン 窓 補遺 〈どのように使者が私のもとを去ったか〉 夢 チナリ 訳者解説━━十二人の「変な人たち」 訳者あとがき 底本一覧 Author ダニイル・ハルムス(Даниил Хармс) 詩人・作家・劇作家。ペテルブルク生まれ。27年には詩人仲間と共に前衛的な芸術家グループ「オベリウ」を結成。30年代は主に児童文学の分野で活躍。スターリン政権下で弾圧に遭い、41年に逮捕。翌42年に監獄病院で餓死した。代表作に『エリザヴェータ・バーム』『出来事』『ばあさん』など。 アレクサンドル・ヴヴェジェンスキー(Александр Введенский) 詩人・劇作家。31年に逮捕、翌年釈放されるが、流刑地を転々としたのちレニングラードに帰還。36年にハリコフへ移住。41年に再び逮捕、カザンへ移送される途中に肋膜炎で死去。代表作に『イワーノフ家のクリスマス』『灰色ノート』『挽歌』など。 ニコライ・ザボロツキー(Николай Заболоцкий) 詩人・翻訳家。ハルムスやヴヴェジェンスキーたちと共に「オベリウ」立ち上げに参加。「オベリウ宣言」の主要部分を執筆する。代表作に『気狂い狼』『農業の勝利』など。 コンスタンチン・ヴァーギノフ(Константин Вагинов) 詩人・作家。21年に「島民」グループを結成。その作品集において初めて詩が活字となる。20年代末から4つの長篇小説を次々と執筆。創作意欲は旺盛だったが、34年に結核で死去。代表作に『山羊の歌』『スヴィストーノフの仕事と日々』など。 イーゴリ・バーフチェレフ(Игорь Бахтерев) 詩人・作家・劇作家。詩の夕べでハルムスに出会う。26年、仲間と共に演劇グループ「ラジクス」を結成。やがて解散するが、このグループが母体のひとつとなり、27年に「オベリウ」が誕生。代表作に、ザボロツキーを始めとするオベリウ派の回顧録『私たちの若かった頃』、戯曲『冬の散歩』など。 ドイヴベル・レーヴィン(Дойвбер Левин) 作家・脚本家。27年、「オベリウ」立ち上げに参加。「左翼の三時間」のパフォーマンスを考え、戯曲『エリザヴェータ・バーム』の演出をハルムスおよびバーフチェレフと共に担当した。代表作に長篇小説『十車両』『リホヴォ』など。 ユーリイ・ウラジーミロフ(Юрий Владимиров) 詩人・作家。創作は全部で10篇程しか現存せず、本書収録の『スポーツマン』は唯一の大人向け作品。 アレクサンドル・ラズモフスキー(Александр Разумовский) 作家・劇作家・脚本家・映画評論家。「オベリウ」時代の友人バーフチェレフと共同で多くの作品を執筆したことでも知られ、とりわけ戯曲『スヴォーロフ元帥』は大成功を収めた。 クリメンチー・ミンツ(Климентий Минц) 映画監督・脚本家。国立芸術史研究所附属芸術学高等コース映画科でラズモフスキーと出会い、27年、共に「オベリウ」に加入。脚本や監督を務めたコメディ映画は大成功を収めた。代表作に、映画『虎使いの女』、ラジオ番組『有名船長クラブ』など。 ニコライ・オレイニコフ(Николай Олейников) 詩人・作家・編集者。25年からレニングラードの国立出版局児童書部門にて、マルシャークやシュワルツと共に編集者・作家として働く。編集を務めた児童雑誌『ハリネズミ』と『マヒワ』には「オベリウ」のメンバーも寄稿し、親しく交遊した。しかし37年に逮捕、銃殺される。代表作に『ゴキブリ』『ハエ』。 レオニード・リパフスキー(Леонид Липавский) 哲学者・児童文学作家。20年代から30年代にかけ、「チナリ」のメンバーたちを自宅に集め親しく交遊。41年にレニングラードの港湾都市ペテルゴフにて戦死。代表作に『水論』『恐怖の研究』『言葉の理論』。 ヤコフ・ドゥルースキン(Яков Друскин) 哲学者・数学者・音楽研究家。独ソ戦が始まりレニングラードが封鎖されると、ハルムスの妻から夫の原稿の入ったトランクを託される。20年にわたりそのトランクを大切に保管しつづけたが、ハルムスの死が明らかになると、原稿を地下出版で広めはじめる。代表作にエッセイ『チナリ』、ヴヴェジェンスキー論『無意味の星』など。 Translator 小澤裕之 Hiroyuki Ozawa 東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。現在、東京大学ほか非常勤講師。専門はロシア文学。著書に『理知のむこう――ダニイル・ハルムスの手法と詩学』(未知谷)、訳書にダニイル・ハルムス『言語機械――ハルムス選集』(未知谷)、サムイル・マルシャーク『森は生きている~12の月のおとぎ話~』(小学館)、最近の論文に「ゴーゴリ「査察官」の忘れられた初邦訳:底本・文体・受容」(『ロシア語ロシア文学研究』56号)がある。
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涙の箱
¥1,650
SOLD OUT
ノーベル文学賞作家ハン・ガンがえがく、大人のための童話 この世で最も美しく、すべての人のこころを濡らすという「純粋な涙」を探して 「過去のトラウマに向き合い、人間の命のもろさを浮き彫りにする強烈な詩的散文」が評価され、2024年にノーベル文学賞を受賞したハン・ガン。本書は童話と銘打ちながらも、深い絶望や痛みを描き、そこを通過して見える光を描くハン・ガンの作品世界を色濃く感じられる作品です。 幸せな出会いが実現し、日本語版の絵はハン・ガン自身、長年ファンだったというjunaidaさんが担当。ハン・ガンが、「読者それぞれのなかにある希望の存在」としてえがいた主人公や、どこともいつとも特定しない本作の世界を美しく描き、物語とわたしたちをつないでくれます。 2008年、韓国で発売され、本国では子どもから大人まで幅広い年齢層に愛されている本作。ハン・ガン作品との出会いにもおすすめの一冊です。 「きみの涙には、むしろもっと多くの色彩が必要じゃないかな。特に強さがね。怒りや恥ずかしさや汚さも、避けたり恐れたりしない強さ。……そうやって、涙にただよう色がさらに複雑になったとき、ある瞬間、きみの涙は純粋な涙になるだろう。いろんな絵の具を混ぜると黒い色になるけど、いろんな色彩の光を混ぜると、透明な色になるように」——本文より 涙をめぐる、あたたかな希望のものがたり。 [出版社より] 著 者|ハン・ガン 訳 者|きむ ふな 出版社|評論社 定 価|1,500円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|88 ISBN|9784566024892 発 行|2025年08月 Author ハン・ガン 한강 / Han Kang 1970年、韓国・光州生まれ。延世大学国文学科を卒業。1994年、ソウル新聞新春文芸に短編「赤い碇」が当選し、作家デビュー。2005年、『菜食主義者』(クオン)で李箱文学賞を、また同作で2016年にアジア人初の国際ブッカー賞を受賞。2017年、『少年が来る』(クオン)でイタリアのマラパルテ賞、2023年、『別れを告げない』(白水社)でフランスのメディシス賞(外国小説部門)、また同作で2024年、フランスのエミール・ギメ アジア文学賞を受賞。2024年、「過去のトラウマに向き合い、人間の命のもろさを浮き彫りにする強烈な詩的散文」が評価され、ノーベル文学賞を受賞。他に『引き出しに夕方をしまっておいた』『そっと 静かに』(以上クオン)、『ギリシャ語の時間』(晶文社)、『すべての、白いものたちの』(河出書房新社)、『回復する人間』(白水社)などが邦訳されている。 Translator きむ ふな 韓国生まれ。韓国の誠信女子大学、同大学院を卒業し、専修大学大学院日本文学科で博士号を取得。日韓の文学作品の紹介と翻訳に携わる。訳書にハン・ガン『菜食主義者』、キム・エラン『どきどき僕の人生』、キム・ヨンス『ワンダーボーイ』、ピョン・ヘヨン『アオイガーデン』、シン・ギョンスク『オルガンのあった場所』(以上クオン)、孔枝泳『愛のあとにくるもの』(幻冬舎)など。共訳書にハン・ガン『引き出しに夕方をしまっておいた』(クオン)など。著書に『在日朝鮮人女性文学論』(作品社)がある。韓国語訳書の津島佑子『笑いオオカミ』にて板雨翻訳賞を受賞。
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ギリシャ語の時間
¥1,980
祝 ノーベル文学賞受賞。アジア人初の英国ブッカー国際賞受賞作家、ハン・ガンによる心ふるわす長編小説 ある日突然言葉を話せなくなった女は、失われた言葉を取り戻すために古典ギリシャ語を習い始める。ギリシャ語講師の男は次第に視力を失っていく。ふたりの出会いと対話を通じて、人間が失った本質とは何かを問いかけていく。韓国の若い作家を紹介するシリーズ〈韓国文学のオクリモノ〉第1回配本。 「この本は、生きていくということに対する、私の最も明るい答え」――ハン・ガン [出版社より] 著 者|ハン・ガン 訳 者|斎藤真理子 出版社|晶文社[韓国文学のオクリモノ] 定 価|1,800円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|240 ISBN|978-4-7949-6977-4 発 行|2017年10月 Author ハン・ガン 한강 / Han Kang 1970年、韓国・光州生まれ。延世大学国文科卒業。1994年、短編小説「赤い碇」でデビュー。2007年に発表した『菜食主義者』で、韓国で最も権威のある文学賞李箱文学賞を受賞。また同作で2016年にアジア人作家として初めて英国のブッカー国際賞を受賞した。小説のほか、詩、絵本、童話など多岐にわたって創作活動を続けて、受賞作が多数ある。現在、ソウル芸術大学の文芸創作科教授を務めている。邦訳された作品に『菜食主義者』『少年が来る』(ともにクオン)がある。 Translator 斎藤 真理子 Mariko Saito 翻訳家。訳書にパク・ミンギュの『カステラ』(クレイン)、『ピンポン』(白水社)、チョ・セヒ『こびとが打ち上げた小さなボール』(河出書房新社)などがある。『カステラ』で第一回日本翻訳大賞を受賞した。
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アントカインド
¥15,400
SOLD OUT
トランプ復活&暴走を予言!? 制作期間90年・上映時間90日の「究極の映画」の謎をめぐり、記憶の深淵へ……。奇想天外で危険な〈読むカルト映画〉。 『マルコヴィッチの穴』『エターナル・サンシャイン』のアカデミー賞天才作家カウフマンの初小説が、ついに日本上陸。 [出版社より] 「異常な映画愛と懐かしきポストモダンの饒舌思考で、アメリカ合衆国の〈今〉を走査(スキャン)する。奇妙かつ壮大な旅」 ——佐藤究 「やりやがったな、カウフマン! 超絶クレイジーで最高にクール!! 押し寄せる不条理の洪水に脳がバグって昇天寸前!! これ、世に出したらまずくない?!」 ——ふかわりょう 「人が世に生きることの惨めさ切なさ情けなさ。そして映画という芸術に対する愛以上の強い感情。それをこんな奇想天外な物語にするなんて、チャーリー・カウフマンにしかできない。物語の情報量もギャグも彼の映画以上の圧縮バージョン!」 ——山崎まどか 「人生観を変えてくれる、ユニークで大胆な傑作。“人生”に対して幻想と矛盾を抱える、すべての迷える人におすすめしたい」 ——フランシス・フォード・コッポラ 著 者|チャーリー・カウフマン 訳 者|木原善彦 出版社|河出書房新社 定 価|14,000円+税 判 型|A5判・上製・函入 頁 数|640 ISBN|978-4-309-03980-0 発 行|2025年08月 Contents ◎あらすじ 冴えない映画評論家のB・ローゼンバーガー・ローゼンバーグは、インゴという引きこもりの老人が90年かけて制作した、上映時間90日の映画を見る。空前絶後の傑作だと確信したが、上映中にインゴは急死し、フィルムも火事で失われる。 失われたフィルムを復元しようと催眠療法に励むローゼンバーグのもとに、未来人を名乗る女性アビサがある依頼とともに、映像技術「ブレイニオ」を携え訪れる。ブレイニオにより映画の裏側の「不可視の世界」へ入り込めるようになり、夢・映画・現実の境界が徐々に崩壊しはじめる。 やがて自律型ドナルド・トランク(プ)・ロボットが出現すると、暗殺未遂を乗り越えて政権を掌握。大量増殖と暴走の末、巨大ファストフードチェーンと内戦を始め、終末戦争へと突入する。未来の地球で生き残った超天才アリまでもが登場し、全てが混沌の極限へと向かっていく…… ◎原書について *世界14カ国刊行のベストセラー *ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポスト、カーカス・レビュー、パブリッシャーズ・ウィークリー他各紙誌絶賛 *NPR年間ベストブック選出(2020) *『メンズヘルス』誌年間ベストブック選出(2020) *センター・フォー・フィクション・ファーストノベル賞ロングリストノミネート(2020) ◎文学・映像的影響 本作は、ホルヘ・ルイス・ボルヘス、フランツ・カフカ、フィリップ・K・ディック、カート・ヴォネガット、スタニスワフ・レム、トマス・ピンチョン、サミュエル・ベケット、デイヴィッド・リンチらの、SF的な小説・映像作品の系譜に連なる。 ◎造本仕様 装丁=川名潤 本体A5判上製・レインボー箔押クロス装、多色UV印刷特装函入 虚構と現実のあわいが溶融し、映画をめぐる謎、記憶という神秘の深淵へと向かう、奇想天外な本作のエッセンスを豪華造本に落とし込んだ、究極のブックデザイン。 Author チャーリー・カウフマン Charlie Kaufman 1958年、アメリカ合衆国生まれ。脚本家・映画監督。『マルコヴィッチの穴』で英アカデミー脚本賞、『エターナル・サンシャイン』でアカデミー脚本賞受賞。2020年、初小説『アントカインド』で作家デビュー。 Translator 木原 善彦 Yoshihiko Kihara 1967年生まれ。京都大学大学院修了。大阪大学大学院人文学研究科教授。著書に『アイロニーはなぜ伝わるのか?』ほか。訳書にウィンターソン『フランキスシュタイン』、ダーラ『失われたスクラップブック』など。
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7
¥5,280
ドラッグの売人、元ロック・スター、トップモデル、革命家、UFO研究者、分断世界の監察官、そして不滅の男ーー7つの物語が交叉する。仏哲学界の新スターによる驚異的建築物のごとき傑作。 「鼻血が出ない。とても孤独だ」——本文より [出版社より] 「よくできた短編集ではなく、特異かつ驚異的な建築作品」――テレラマ 「本作をもって、トリスタン・ガルシアは短編と長編の中間にある物語集(という新たなジャンル)の作者となった。真実はときとして危険なほど超自然に接近する」――ゾーン・クリティック 「信仰と美と歴史と時間をめぐる7つの精神的な寓話。今年の避けては通れない10冊のうちの1冊――レクスプレス 「一見多様な小説の寄せ集めにみえるこの作品は首尾一貫した構造を持っている。だが、その一貫性は見出すべきものなのである。それは読者に差し出された大いなる喜びでもある。トリスタン・ガルシアの最高の作品である」――ル・ヌヴェル・オプス 著 者|トリスタン・ガルシア 訳 者|高橋啓 出版社|河出書房新社 定 価|4,800円+税 判 型|四六変型判・上製 頁 数|528 ISBN|978-4-309-20929-6 発 行|2025年08月 Author トリスタン・ガルシア Tristan Garcia 1981年生まれ。フランスの作家・哲学者。アラン・バディウやカンタン・メイヤスーらに哲学を学ぶ。2013年に『7』でアンテル文学賞を受賞。他の著書に『激しい生』など。 Translator 高橋 啓 Kei Takahashi 1953年、北海道生まれ。翻訳家。訳書に、パスカル・キニャール『アマリアの別荘』、フィリップ・クローデル『ブロデックの報告書』、ローラン・ビネ『HHhH』(本屋大賞翻訳小説部門2014年第1位)など。
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アサイラム・ピース
¥946
終わりの時を待つ孤独な精神の叫び。 城の地下牢に囚われた女、名前も顔も知らないがこの世界のどこかに存在する絶対の敵、いつ終わるとも知れぬ裁判、頭の中の機械、精神療養所のテラスで人形劇じみた場面を演じる人々…。自身の入院体験にもとづく表題作をはじめ、出口なしの閉塞感と絶対の孤独、謎と不条理に満ちた世界を先鋭的なスタイルで描き、作家アンナ・カヴァンの誕生を告げた最初の傑作。解説=皆川博子。 [出版社より] 著 者|アンナ・カヴァン 訳 者|山田和子 出版社|筑摩書房[ちくま文庫] 定 価|860円+税 判 型|文庫判/並製 頁 数|240 ISBN|978-4-480-43603-0 発 行|2019年07月 Author アンナ・カヴァン Anna Kavan イギリスの作家。1901年、フランスのカンヌ生まれ。ヘレン・ファーガソン名義で長篇数作を発表後、『アサイラム・ピース』(40)からアンナ・カヴァンと改名。不安定な精神状態を抱え、ヘロインを常用しながら、不穏な緊迫感に満ちた先鋭的作品を書き続ける。世界の終末を描いた傑作『氷』(67)で注目を集めたが、翌68年に死去。宙年代記は読書界に衝撃を与えた。他の代表作に『オッド・ジョン』『火炎人類』などがある。 Translator 山田 和子 Kazuko Yamada 1951年生まれ。翻訳家・編集者。訳書にアンナ・カヴァン『氷』(ちくま文庫)、ポール・コリンズ『バンヴァードの阿房宮』(白水社)、P・K・ディック『時は乱れて』『シミュラクラ』(ハヤカワ文庫)、J・G・バラード『太陽の帝国』(創元SF文庫)などがある。
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氷
¥1,056
「見たこともないような美しく冷酷なものに、からめとられる」 ——川上弘美 異常な寒波のなか、私は少女の家へと車を走らせた。地球規模の気候変動により、氷が全世界を覆いつくそうとしていた。やがて姿を消した少女を追って某国に潜入した私は、要塞のような“高い館”で絶対的な力を振るう長官と対峙するが…。迫り来る氷の壁、地上に蔓延する略奪と殺戮。恐ろしくも美しい終末のヴィジョンで、世界中に冷たい熱狂を引き起こした伝説的名作。 [出版社より] 著 者|アンナ・カヴァン 訳 者|山田和子 出版社|筑摩書房[ちくま文庫] 定 価|960円+税 判 型|文庫判/並製 頁 数|288 ISBN|978-4-480-43250-6 発 行|2015年03月 Author アンナ・カヴァン Anna Kavan イギリスの作家。1901年、フランスのカンヌ生まれ。ヘレン・ファーガソン名義で長篇数作を発表後、『アサイラム・ピース』(40)からアンナ・カヴァンと改名。不安定な精神状態を抱え、ヘロインを常用しながら、不穏な緊迫感に満ちた先鋭的作品を書き続ける。世界の終末を描いた傑作『氷』(67)で注目を集めたが、翌68年に死去。宙年代記は読書界に衝撃を与えた。他の代表作に『オッド・ジョン』『火炎人類』などがある。 Translator 山田 和子 Kazuko Yamada 1951年生まれ。翻訳家・編集者。訳書にアンナ・カヴァン『氷』(ちくま文庫)、ポール・コリンズ『バンヴァードの阿房宮』(白水社)、P・K・ディック『時は乱れて』『シミュラクラ』(ハヤカワ文庫)、J・G・バラード『太陽の帝国』(創元SF文庫)などがある。
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イワンの馬鹿
¥1,980
SOLD OUT
140年以上前に誕生した、ロシアの文豪トルストイの名作。強欲な兄や悪魔の誘惑に負けずに、自らの体と手を使ってひょうひょうと生活するイワンの物語。ハンス・フィッシャーの挿絵、翻訳家・小宮由氏の新訳で現代に贈る、子どもにも大人にも読んでほしい名作です。 読んであげるなら何歳からでも、自分で読むならば小学校中・高学年から読める内容です(高学年以上の学習漢字にはルビがふってあります)。 [出版社より] 「賢い大人は、結局、何事も成し得ないのだ。愚直に信じるところを貫いて働く者だけが世界を変えるのだ」 ——出口治明 著 者|レフ・トルストイ[作]、ハンス・フィッシャー[絵] 訳 者|小宮由 出版社|アノニマ・スタジオ 定 価|1,800円+税 判 型|四六変型判・上製 頁 数|122 ISBN|978-4-87758-811-3 発 行|2020年10月 Author レフ・トルストイ Лев Толстой 1820−1910。19世紀のロシアを代表する小説家、思想家。ロシア・ヤースナヤ・ポリャーナに伯爵家の四男として生まれる。非暴力主義の思想のもと、文学のみならず、政治や社会にも大きな影響を与え、また、自ら教科書を執筆・編集し、教育にも力を注いだ。代表作に『戦争と平和』『アンナ・カレーニナ』『復活』など。『イワンの馬鹿』は、1876年(トルストイ56歳)の作品。 ハンス・フィッシャー 1909−1958。絵本作家、画家。スイス・ベルンに生まれる。美術学校で装飾画・版画を学んだ後、パウル・クレーに師事。舞台美術や壁画を手掛けるなど、画家として活躍しながら、自分の子どもたちと向き合い、絵本の創作もはじめる。代表作に『ブレーメンのおんがくたい』(福音館書店)『こねこのぴっち』(岩波書店)など。 小宮 由 翻訳家。東京・国立市に生まれる。2004年より阿佐ヶ谷で家庭文庫「このあの文庫」を主宰。祖父は、トルストイ文学の翻訳家であり、良心的兵役拒否者である故・北御門二郎。主な訳書に『さかさ町』(F.エマーソン・アンドリュース作/岩波書店)、『モミの木』(アンデルセン作)、『台所のメアリー・ポピンズ』(T.L.トラヴァース作)、『どうぶつたちのナンセンス絵本』(マリー・ホール・エッツ作)(以上、アノニマ・スタジオ)など多数。
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最後にして最初の人類
¥1,650
20億年後の〈最後の人類〉が現在の人類に語る未来の歴史。壮大な人類進化の年代記を驚異の想像力と神話的ビジョンで描く伝説的名作、改訳文庫化。 20億年後の〈最後の人類〉からのメッセージ。世界滅亡の危機、火星人の侵略、超人類の誕生……。神話的想像力で描く幻想の人類史。『2001年宇宙の旅』のアーサー・C・クラークに衝撃を与えた至高のSF。 [出版社より] 著 者|オラフ・ステープルドン 訳 者|濱口稔 出版社|筑摩書房[ちくま文庫] 定 価|1,500円+税 判 型|文庫判/並製 頁 数|528 ISBN|978-4-480-43954-3 発 行|2024年06月 Contents まえがき――アメリカ版初版に寄せて はしがき――イギリス版に寄せて 序――〈最後の人類〉のひとりより 年代記 第 一 章 バルカン・ヨーロッパ 第 二 章 ヨーロッパの没落 第 三 章 アメリカと中国 第 四 章 アメリカと化した惑星 第 五 章 〈第一期人類〉の凋落 第 六 章 過渡期 第 七 章 〈第二期人類〉の興隆 第 八 章 火星人類種 第 九 章 地球と火星 第 十 章 荒野の〈第三期人類〉 第十一章 人間の自己改造 第十二章 最後の地球人類 第十三章 金星の人類種 第十四章 海王星 第十五章 〈最後の人類〉 第十六章 人間の最期 訳者あとがき Author オラフ・ステープルドン Olaf Stapledon 1886-1950年。イギリスの作家、哲学者。初の著作『現代の倫理学』を発表した翌年、20億年もの人類の未来史を描いた『最後にして最初の人類』(1930)で注目を集め、『スターメイカー』(1937)など、独自の哲学的思弁とヴィジョンに満ちた壮大な宇宙年代記は読書界に衝撃を与えた。他の代表作に『オッド・ジョン』『火炎人類』などがある。 Translator 浜口 稔 Minoru Hamaguchi 1953年沖縄県生まれ。明治大学名誉教授。著書に『言語機械の普遍幻想』(ひつじ書房)。訳書にO・ステープルドン『スターメイカー』(ちくま文庫)、J・ノウルソン『英仏普遍言語計画』(工作舎)、M・H・ニコルソン『ピープスの日記と新科学』(白水社)、P・ルンダ『大図鑑 コードの秘密』(明石書店)などがある。
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シリウス
¥1,430
人類と同等の知性と感性をもつ超犬シリウスの愛と孤独。 実験により人工的に創造された高い知能を持つ超犬シリウスは、科学者トレローンの末娘プラクシーと共に育てられる。人間と同等の知性を獲得し、プラクシーとは強い愛情で結びつくが、噴出する野性が時に彼を悩ませた。やがて人々の異質な存在への敵意がシリウスに向けられていく。孤高の精神を宿した超犬の成長の軌跡と、それゆえの苦悩と葛藤を描く感動の名作SF。解説=ヤマザキマリ。 [出版社より] 著 者|オラフ・ステープルドン 訳 者|中村能三 出版社|筑摩書房[ちくま文庫] 定 価|1,300円+税 判 型|文庫判/並製 頁 数|384 ISBN|978-4-480-44038-9 発 行|2025年07月 Author オラフ・ステープルドン Olaf Stapledon 1886-1950年。イギリスの作家、哲学者。初の著作『現代の倫理学』を発表した翌年、20億年もの人類の未来史を描いた『最後にして最初の人類』(1930)で注目を集め、『スターメイカー』(1937)など、独自の哲学的思弁とヴィジョンに満ちた壮大な宇宙年代記は読書界に衝撃を与えた。他の代表作に『オッド・ジョン』『火炎人類』などがある。 Translator 中村 能三 Yoshimi Nakamura 1903-81年。福岡県生まれ。翻訳家。モーム、サキ、クローニンなどの文学作品からミステリ、SF、児童文学まで多くの訳書がある。主な訳書にクローニン『城砦』、モーム『要約すると』、『サキ短編集』、コリンズ『月長石』、クリスティー『カーテン』など。
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領土
¥1,430
甘美、恍惚、陶酔…… 。魔術的な、文字と音律との夜宴。 哀れな四肢欠損の少女らの蠢く闇夜の花電車(「市民薄暮」)、宝石の光沢を帯びる少年期の記憶の腫瘍(「真珠譚」)、途方もない全長で人を行き惑わせる冥府的地下街(「中央駅地底街」)……。 目も眩むような幻覚的イメージ、言葉の形象と韻律がいざなう迷宮的幻想小説集。現実と夢、記憶と幻視、揺籃期の故郷と見も知らぬ異国とが、鮮烈に錯綜し切り結ぶ、一度読んだら忘れられぬ10の麻薬的桃源郷を、山下陽子のコラージュ作品とともに。 [出版社より] 著 者|諏訪哲史 出版社|筑摩書房[ちくま文庫] 定 価|1,300円+税 判 型|文庫判/並製 頁 数|384 ISBN|978-4-480-44035-8 発 行|2025年07月 Contents シャトー・ドゥ・ノワゼにて 尿 意 市民薄暮 真珠譚 百貨店残影 聖家族学園 甘露経 湖中天 中央駅地底街 先カンブリア あとがき 文庫版あとがき 解説 来るべき小説――『領土』の衝撃 富岡幸一郎 解説 『領土』復権の義 山尾悠子 Author 諏訪 哲史 Tetsushi Suwa 小説家・批評家・随筆家。1969年名古屋市生まれ。國學院大學文学部哲学科卒業。独文学者の種村季弘、美学者の谷川渥に師事。2007年に小説『アサッテの人』で群像新人文学賞・芥川賞を受賞。他の小説に『りすん』『ロンバルディア遠景』『岩塩の女王』『昏色の都』。また文学批評集に『偏愛蔵書室』『紋章と時間──諏訪哲史文学芸術論集』、エッセー集に『スワ氏文集』『うたかたの日々』『スットン経』、編著に『驚異の函──種村季弘コレクション』などがある。
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優しい暴力の時代
¥1,210
「人間には人間が必要だ。恨むために、欲望するために、打ち明けるために」(「アンナ」より)。何かに傷つき誰かを傷つける時代の、奥底に流れる痛みと、新たな歩みをまっすぐに描き出した『優しい暴力の時代』に、現代文学賞を受賞した「三豊百貨店」を加えた日本オリジナル編集版。希望も絶望も消費する時代の、生活の鎮魂歌。 いま韓国で「時代の記録者」といわれる屈指の作家による、代表作となる短篇集。絶望も希望も消費するいまを生きる人々の、生活の鎮魂歌。解説=西加奈子。 [出版社より] 著 者|チョン・イヒョン 訳 者|斎藤真理子 出版社|河出書房新社[河出文庫] 定 価|1,100円+税 判 型|文庫判/並製 頁 数|312 ISBN|978-4-309-46795-5 発 行|2024年02月 Author チョン・イヒョン 1972年ソウル生まれ。2006年「三豊百貨店」で現代文学賞を受賞。卓越した観察眼と巧みなストーリーで「私たちの都市の記録者」の異名をとる。他の作品に『マイ スウィート ソウル』『きみは知らない』等。 Translator 斎藤 真理子 Mariko Saito 翻訳家。パク・ミンギュ『カステラ』(共訳)で日本翻訳大賞、チョ・ナムジュ他『ヒョンナムオッパへ』で韓国文学翻訳院大賞、ハン・ガン『別れを告げない』で読売文学賞を受賞。ほか、著訳書多数。
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コンパートメントNo.6
¥3,630
ソ連崩壊直前のある春の朝、モスクワからウランバートルへ向かうシベリア鉄道が出発する。憧れのソ連に留学してきたフィンランド人の寡黙な少女と、家族をのこして建設現場へ向かうロシア人の饒舌な出稼ぎ夫。寝台列車の同じ部屋(コンパートメント)に偶然乗りあわせた二人の旅を描く。 共通点のない二人は食事や酒をともにし、無数の集落や町や工場地帯を通過し、ときに途中下車をして各地に住まう人びとや動物と出会いながら、針葉樹林と雪に覆われた巨大な大陸を横断しつづける。 そこでは「すべてが動いている――雪、水、空気、木、雲、風、町、村、人、思いが」。車窓をみながら少女が祖国の家族やロシアの小説、モスクワにいる親しい人びとのことを考えるうち、列車は目的地に近づき、二人の下車も迫る……。 著者はフィンランドでその年最高の文学に贈られるフィンランディア賞を本書で受賞した。13ヶ国語に翻訳されたロードノベルの、待望の邦訳。 [出版社より] 原 書|HYTTI NRO 6 著 者|ロサ・リクソム 訳 者|末延弘子 出版社|みすず書房 定 価|3,300円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|224 ISBN|978-4-622-09795-2 発 行|2025年07月 Author ロサ・リクソム Rosa Liksom 1958年フィンランドのラップランド州ウリトルニオ生まれ。ヘルシンキ、コペンハーゲン、モスクワで人類学を学ぶ。デビュー作『一夜の停留所』でJ・H・エルッコ新人賞を受賞。のちのシベリア鉄道の旅が結実した『コンパートメントNo. 6』でフィンランディア賞を受賞。小説のほかに漫画や絵本も執筆し、これまでに二十数ヶ国語に翻訳されている。 Translator 末延弘子 Hiroko Suenobu 1975年北九州生まれ。フィンランド国立タンペレ大学フィンランド文学専攻修士課程修了。フィンランド人作家レーナ・クルーンと出会い、翻訳の仕事を始める。『清少納言を求めて、フィンランドから京都へ』、『ムーミン谷のしあわせレシピ』など、フィンランド現代文学、児童書の訳書多数。2007年度フィンランド政府外国人翻訳家賞受賞。
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まぶしい便り
¥2,200
悲しみのトンネルの先にあふれる明るい光のように。 長い時間を経て届いた切ない和解の挨拶。 美しい文章とあたたかなまなざしで描くペク・スリンの初長編にして最高傑作。 派遣看護師としてドイツに渡っていた伯母を頼り、母と幼い妹とともに西ドイツに移り住んだヘミ。悲劇的な事故により心に傷を負ったまま、孤独な日々を過ごすヘミだったが、伯母と同じ派遣看護師のおばさんたちの子どもであるレナ、ハンスと過ごすうち、徐々に日常を取り戻していく。ある日ハンスから、再発の可能性がある大病を抱える母親・ソンジャの初恋の相手を探してほしいと頼まれる。ソンジャおばさんの日記を手がかりに捜索を始めたヘミだったが、急遽家族で帰国することに。 大人になったヘミは、ある日、大学時代にほのかな恋愛感情を抱いていたウジェと偶然再会する。彼との会話をきっかけに、ヘミは再び、ソンジャおばさんの初恋の相手探しを再開する。 [出版社より] 「遠い国や長い歴史を超えて、封印していた恋の秘密が解き明かされるとき、私たちはきっと前よりも少し成長している」 ――島本理生(小説家) 「孤独はそのほかの透明な感情とどれだけ似ているのか、または似ていないのか、噓と物語がどこで絡み合い、また解きほぐれていくのか。美しくも強烈な発信である本書が、着信と返信によって次なる物語を生むことだろう」 ――チョン・セラン(小説家) 著 者|ペク・スリン 訳 者|カン・バンファ 出版社|書肆侃侃房[韓国女性文学シリーズ] 定 価|2,000円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|280 ISBN|978-4-86385-683-7 発 行|2025年07月 Author ペク・スリン 白秀麟/백수린 短編小説「嘘の練習」(2011年京郷新聞新春文藝)でデビュー。2015年、2017年、2019年若い作家賞、2018年文知文学賞、李海朝文学賞、2020年現代文学賞、韓国日報文学賞。著書に短編集『惨憺たる光』『夏のヴィラ』(書肆侃侃房刊)『フォーリング・イン・ポール』、掌編小説『今夜は消えないで』、中編小説『親愛なる、親愛なる』、エッセー『やさしい毎日毎日』『とても久しぶりに幸せだとい Translator カン・バンファ 姜芳華/강방화 岡山県倉敷市生まれ。岡山商科大学法律学科、梨花女子大学通訳翻訳大学院卒、高麗大学文芸創作科博士課程修了。梨花女子大学通訳翻訳大学院、韓国文学翻訳院翻訳アカデミー、同院アトリエなどで教える。韓国文学翻訳院翻訳新人賞受賞。和訳書にペク・スリン『惨憺たる光』『夏のヴィラ』、チョン・ユジョン『七年の夜』『種の起源』、キム・チョヨプ『地球の果ての温室で』『派遣者たち』『惑星語書店』など。児童書の韓訳も手掛ける。著書に『일본어 번역 스킬(日本語翻訳スキル)』(共著)。
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十六夜橋 新版
¥1,100
うつつとまぼろし、生と死、恋の道行き――。 石牟礼道子、名著復刊。 南九州・不知火(しらぬい)の海辺の地「葦野」で土木事業を営む萩原家。うつつとまぼろしを行き来する当主の妻・志乃を中心に、人びとの営み、恋、自然が叙情豊かに描かれる傑作長編。作者の見事な筆致で、死者と生者、過去と現在、歓びと哀しみが重なり、豊饒な物語世界が現れる。第三回紫式部文学賞受賞作品。解説=米本浩二。 [出版社より] 著 者|石牟礼道子 出版社|筑摩書房[ちくま文庫] 定 価|1,000円+税 判 型|文庫判/並製 頁 数|432 ISBN|978-4-480-43860-7 発 行|2023年01月 Author 石牟礼 道子 Michiko Ishimure 1927-2018年。作家。熊本県天草郡に生まれ水俣市に育つ。69年『苦海浄土――わが水俣病』を刊行。73年マグサイサイ賞、86年西日本文化賞を受賞。93年に本作『十六夜橋』で紫式部文学賞受賞。2001年度朝日賞受賞。02年『はにかみの国――石牟礼道子全詩集』で芸術選奨文部科学大臣賞受賞。他の著書に『アニマの鳥』『椿の海の記』『石牟礼道子全集 不知火』などがある。
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帰れない探偵
¥2,035
『続きと始まり』『百年と一日』が話題の柴崎友香による全く新しい「探偵小説」。 「世界探偵委員会連盟」に所属する「わたし」は、ある日突然、探偵事務所兼自宅の部屋に帰れなくなった。急な坂ばかりの街、雨でも傘を差さない街、夜にならない夏の街、太陽と砂の街、雨季の始まりの暑い街、そして「あの街」の空港で……。「帰れない探偵」が激動する世界を駆け巡る。 [出版社より] 「最高。何度も何度も読んだ。この小説を読み直すためにだけでも、十年先まできっと生きていたい」 ——斎藤真理子 著 者|柴崎友香 出版社|講談社 定 価|1,850円+税 判 型|四六変型判・上製本 頁 数|304 ISBN|9784065397107 発 行|2025年06月 Author 柴崎 友香 Tomoka Shibasaki 1973年、大阪府生まれ。99年「レッド、イエロー、オレンジ、オレンジ、ブルー」が文藝別冊に掲載されデビュー。2007年『その街の今は』で芸術選奨文部科学大臣新人賞、織田作之助賞大賞、咲くやこの花賞、10年『寝ても覚めても』で野間文芸新人賞、14年「春の庭」で芥川賞、24年『続きと始まり』で芸術選奨文部科学大臣賞、谷崎潤一郎賞を受賞。その他の小説に『パノララ』『かわうそ堀怪談見習い』『百年と一日』など、エッセイに『よう知らんけど日記』ほか、著書多数。
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洪水[OUTLET]
¥1,788
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SOLD OUT
百年前の洪水、第二次大戦、秘密裡に猛威を振るう「伝染病」……ピアニストと恋に落ちた主人公がパリを舞台に綴る美しき消失の物語。 忽然と姿を消した迷い猫、強制収容所に移送された人々、キリストのような風貌の路上生活者、90歳の誕生日を目前に亡くなった母…。ヨーロッパでもっとも古くもっとも大きい都市の場末で暮らす男が、火事現場で不思議な男女と出会う。すべての出来事が環のようにつながっていると語る作家と、魔法使いのようなやり方で「別の音楽」を奏でるピアニスト。やがて3人の奇妙な関係がはじまる。百年前の河の氾濫を通奏低音に、破局の徴に満ちた街で繰り広げられる、美しくも崇高なる消失の物語。 [出版社より] 著 者|フィリップ・フォレスト 訳 者|澤田直・小黒昌文 出版社|河出書房新社 定 価|3,250円+税 判 型|四六判/上製 頁 数|296 ISBN|978-4-309-20805-3 発 行|2020年10月 Author フィリップ・フォレスト Philippe Forest 1962年パリ生まれ。現代フランスを代表する作家のひとり。1997年『永遠の子ども』でフェミナ処女作賞。ほかに、『シュレーディンガーの猫を追って』、『さりながら』(12月賞)、『夢、ゆきかひて』など。 Translator 澤田 直 Nao Sawada 1959年東京生まれ。立教大学文学部教授。著書に『<呼びかけ>の経験』『新・サルトル講義』、訳書にペソア『[新編]不穏の書、断章』、フォレスト『さりながら』『シュレーディンガーの猫を追って』など。 小黒 昌文 Masafumi Oguro 1974年東京生まれ。駒澤大学准教授。著書に『プルースト 芸術と土地』。澤田直との共訳にP・フォレスト『シュレーディンガーの猫を追って』『荒木経惟 つひのはてに』『夢、ゆきかひて』。
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クィア
¥1,100
SOLD OUT
麻薬中毒者リーは「触れあい」を求めて近づいた青年アラートンとともに南米へと旅に出る……笑いにまみれた孤独と喪失感、デビュー直後に執筆されながら長らく封印されてきた告白的純愛小説。 [出版社より] 著 者|ウィリアム・バロウズ 訳 者|山形浩生・柳下毅一郎 出版社|河出書房新社[河出文庫] 定 価|1,000円+税 判 型|文庫判/並製 頁 数|208 ISBN|978-4-309-46813-6 発 行|2025年04月 Author ウィリアム・S・バロウズ William S. Burroughs 1914年、米国ミズーリ州生まれ。作家。53年、麻薬中毒者を描いた『ジャンキー』でデビュー。『裸のランチ』は世界的な反響を呼び、ビートニク文学の代表作となる。著書に『ソフトマシーン』『ノヴァ急報』他。 Translator 山形 浩生 Hiroo Yamagata 1964年東京都生まれ。評論家、翻訳家。訳書にオーウェル『動物農場』、ケインズ『新訳 平和の経済的帰結』、ミルグラム『服従の心理』、ピケティ『21世紀の資本』(共訳)他。著書に『翻訳者の全技術』他。 柳下 毅一郎 Kiichiro Yanashita 1963年大阪府生まれ。特殊翻訳家、映画評論家。訳書に、ウルフ『ケルベロス第五の首』、ラファティ『第四の館』他。監修に『J・G・バラード短編全集』、著書に『皆殺し映画通信』『新世紀読書大全』他。
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ジェイムズ
¥2,750
逃亡奴隷ジェイムズの過酷な旅路の果てに待つものとは──。「ハックルベリー・フィン」を過激な笑いと皮肉でくつがえした、前代未聞の衝撃作。全米図書賞&ピュリツァー賞受賞。 全米図書賞&ピュリツァー賞、驚異のW受賞。 ブリティッシュ・ブック・アワード、カーネギー賞、カーカス賞受賞。 ニューヨーク・タイムス・ベストセラー1位、2024年ベストブック最多選出。 各賞を総なめにした、2024年アメリカ文学最大の話題作。 我が身を売られる運命を知り、生き延びるために逃げ出した黒人奴隷ジェイムズ。しかし少年ハックをともないミシシッピ川をくだる彼を待ち受けるのは、あまりに過酷な旅路だった。奴隷主たちを出し抜き、ペテン師を騙し返し、どこまでも逃げていくジェイムズの逃避行の果てに待つものとは──。 黒人奴隷ジムの目から「ハックルベリー・フィン」を語り、痛烈な笑いと皮肉で全世界に衝撃を与えた怪物的話題作。 [出版社より] 「物語は往々にして誰かの人生を破壊し、利用する。だが、鮮やかなやり方で新たな命を与えることも出来る。この小説のように」 ───西加奈子 「読み始めたが最後、『ハックルベリーの冒険』を愛する私がいかに「白人」であったか、自分を笑い飛ばして痛快になる」 ───星野智幸 「米文学界の巨人、エヴァレット。容赦なくも慈悲深く、美しくも残酷で、悲劇であり茶番劇でもあるこの見事な小説は、文学史を書き換え、長らく抑圧されてきた声を私たちに聞かせてくれる」 ───エルナン・ディアズ 著 者|パーシヴァル・エヴェレット 訳 者|木原善彦 出版社|河出書房新社 定 価|2,500円+税 判 型|四六判・上製 頁 数|416 ISBN|978-4-309-20928-9 発 行|2025年06月 Author パーシヴァル・エヴェレット Percival Everett 1956年生まれ。アフリカ系アメリカ人作家。南カリフォルニア大学卓越教授。これまで20作以上の長編を発表し、高い評価を受ける。"Erasure"が2023年『アメリカン・フィクション』として映画化。 Translator 木原 善彦 Yoshihiko Kihara 1967年生まれ。京都大学大学院修了。大阪大学大学院人文学研究科教授。著書に『アイロニーはなぜ伝わるのか?』ほか。訳書にウィンターソン『フランキスシュタイン』、ダーラ『失われたスクラップブック』など。
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百年の孤独
¥1,375
蜃気楼の村を開墾しながら孤独に生きる一族。目も眩むその宿命を描いた百年の物語。 蜃気楼の村マコンドを開墾しながら、愛なき世界を生きる孤独な一族、その百年の物語。錬金術に魅了される家長。いとこでもある妻とその子供たち。そしてどこからか到来する文明の印……。目も眩むような不思議な出来事が延々と続くが、予言者が羊皮紙に書き残した謎が解読された時、一族の波乱に満ちた歴史は劇的な最後を迎えるのだった。世界的ベストセラーとなった20世紀文学屈指の傑作。 [出版社より] 著 者|ガブリエル・ガルシア=マルケス 訳 者|鼓直 出版社|新潮社[新潮文庫] 定 価|1,250円+税 判 型|文庫版/並製 頁 数|672 ISBN|978-4-10-205212-9 発 行|2024年06月 Contents 百年の孤独 注解 訳者あとがき 改訳新装版のための訳者あとがき 解説 筒井康隆 Author ガブリエル・ガルシア=マルケス Marquez,Gabriel Garcia 1927-2014。コロンビア、アラカタカ生まれ。ボゴタ大学法学部を中退し、新聞記者となって欧州各地を転々とした後、1955年に処女作『落葉』を発表。1967年『百年の孤独』によって一躍世界が注目する作家となった。『族長の秋』『予告された殺人の記録』『コレラの時代の愛』『迷宮の将軍』など次々と歴史的傑作を刊行し、1982年にはノーベル文学賞を受賞した。 Translator 鼓 直 Tadashi Tsudumi 1930-2019。旧朝鮮生れ。東京外事専門学校卒業。神戸市外大、神奈川大などでスペイン語を講じながらボルヘス、アストゥリアス、カルペンティエール、コルタサル、ドノソ、ガルシア=マルケスなどの主要作品を翻訳し、ラテンアメリカ文学ブームを牽引した。法政大学教授や日本スペイン協会理事長を歴任。瑞宝中綬章、スペイン民功騎士十字章を受章。
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外道の細道
¥1,320
SOLD OUT
ドキュメンタリー製作のため、敬愛する作家ブコウスキーの足跡をたどる旅に出る作家「マーチダ」。プロデューサー・蟇目ヒシャゴ、笑福亭鶴瓶然としたディレクター・稲村チャルベなど、メディア界隈に棲息する外道どもに導かれる珍道中は、次第に地獄めぐりの様相を呈していく。最高にくだらなく、オフビートな実録ロード小説。『真説・外道の潮騒』を文庫化。 [出版社より] 著 者|町田康 出版社|河出書房新社[河出文庫] 定 価|1,200円+税 判 型|文庫判/並製 頁 数|368 ISBN|978-4-309-42167-4 発 行|2025年02月 Author 町田 康 Ko Machida 1962年大阪生まれ。「きれぎれ」で芥川賞、『告白』で谷崎潤一郎賞、『宿屋めぐり』で野間文芸賞など、受賞多数。他の著書に『くっすん大黒』『ホサナ』『ギケイキ』『口訳 古事記』『宇治拾遺物語』など。
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インドラネット
¥946
SOLD OUT
おまえのために死んでもいい。危険な目に逢い続ける男が最後に見たものは。 平凡な顔、運動神経は鈍く、勉強も得意ではない――何の取り柄もないことに強いコンプレックスを抱いて生きてきた八目晃は、非正規雇用で給与も安く、ゲームしか夢中になれない無為な生活を送っていた。唯一の誇りは、高校の同級生で、カリスマ性を持つ野々宮空知と、美貌の姉妹と親しく付き合ったこと。だがその空知が、カンボジアで消息を絶ったという。空知の行方を追い、東南アジアの混沌の中に飛び込んだ晃。そこで待っていたのは、美貌の三きょうだいの凄絶な過去だった……。 [出版社より] 著 者|桐野夏生 出版社|KADOKAWA[角川文庫] 定 価|860円+税 判 型|文庫判/並製 頁 数|432 ISBN|9784041143209 発 行|2024年07月 Contents 第一章 野々宮父の死 第二章 シェムリアップの夜の闇 第三章 ニェットさんの青唐辛子粥 第四章 さらば青春 第五章 冷たい石の下には 第六章 インドラの網 解説 高野秀行 Author 桐野 夏生 Natsuo Kirino 1951年生まれ。93年『顔に降りかかる雨』で江戸川乱歩賞を受賞。99年『柔らかな頬』で直木賞、2003年『グロテスク』で泉鏡花文学賞、04年『残虐記』で柴田錬三郎賞、05年『魂萌え!』で婦人公論文芸賞、08年『東京島』で谷崎潤一郎賞、09年『女神記』で紫式部文学賞、10年、11年に『ナニカアル』で島清恋愛文学賞と読売文学賞の二賞を受賞。1998年に日本推理作家協会賞を受賞した『OUT』は04年エドガー賞候補となる。15年紫綬褒章を受章。
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裸のランチ 完全版
¥1,540
麻薬中毒のエージェント、リーは捜査の手を逃れてニューヨークを脱出、ついには魑魅魍魎の跋扈するインターゾーンへ……。猥褻な描写、入り乱れる時系列、発表時に大論争を巻き起こしながら、二十世紀アメリカ文学史上、不動の地位を獲得したビートニク文学の最高傑作。最新テキストを元に全面的に訳文が見直された完全版。 [出版社より] 著 者|ウィリアム・バロウズ 訳 者|鮎川信夫 改 訂|山形浩生 出版社|河出書房新社[河出文庫] 定 価|1,400円+税 判 型|文庫判/並製 頁 数|392 ISBN|978-4-309-46815-0 発 行|2025年05月 Author ウィリアム・S・バロウズ William S. Burroughs 1914年、米国ミズーリ州生まれ。作家。53年、麻薬中毒者を描いた『ジャンキー』でデビュー。『裸のランチ』は世界的な反響を呼び、ビートニク文学の代表作となる。著書に『ソフトマシーン』『ノヴァ急報』他。 Translator 鮎川 信夫 Nobuo Ayukawa 1920年、東京生まれ。詩人、評論家、翻訳家。早稲田大学英文科中退。詩誌「荒地」創刊に参加。作詩と詩論の両面にわたり、戦後詩の代表者の一人となる。86年逝去。代表作に「死んだ男」「現代詩とは何か」他。 山形 浩生 Hiroo Yamagata 1964年東京都生まれ。評論家、翻訳家。訳書にオーウェル『動物農場』、ケインズ『新訳 平和の経済的帰結』、ミルグラム『服従の心理』、ピケティ『21世紀の資本』(共訳)他。著書に『翻訳者の全技術』他。
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ジャンキー 完全版
¥1,320
SOLD OUT
麻薬中毒者=ジャンキーのリーはニューヨークからメキシコシティまで各地を転々としながら、麻薬漬けの日々を送る…『裸のランチ』で驚異的な反響を巻き起こしたバロウズのデビュー作にして、戦後アメリカのアンダーグラウンド文化が色濃く反映された自伝的小説。最新テキストを元に全面的に訳文が見直された完全版。 [出版社より] 著 者|ウィリアム・バロウズ 訳 者|鮎川信夫 改 訂|山形浩生 出版社|河出書房新社[河出文庫] 定 価|1,200円+税 判 型|文庫判/並製 頁 数|296 ISBN|978-4-309-46816-7 発 行|2025年05月 Author ウィリアム・S・バロウズ William S. Burroughs 1914年、米国ミズーリ州生まれ。作家。53年、麻薬中毒者を描いた『ジャンキー』でデビュー。『裸のランチ』は世界的な反響を呼び、ビートニク文学の代表作となる。著書に『ソフトマシーン』『ノヴァ急報』他。 Translator 鮎川 信夫 Nobuo Ayukawa 1920年、東京生まれ。詩人、評論家、翻訳家。早稲田大学英文科中退。詩誌「荒地」創刊に参加。作詩と詩論の両面にわたり、戦後詩の代表者の一人となる。86年逝去。代表作に「死んだ男」「現代詩とは何か」他。 山形 浩生 Hiroo Yamagata 1964年東京都生まれ。評論家、翻訳家。訳書にオーウェル『動物農場』、ケインズ『新訳 平和の経済的帰結』、ミルグラム『服従の心理』、ピケティ『21世紀の資本』(共訳)他。著書に『翻訳者の全技術』他。