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ヘリオガバルス
¥3,850
ローマ帝国史上もっともアナーキーな皇帝ヘリオガバルス。彼の愛した男アエギヌス。宮廷に張り巡らされた陰謀によって皇位を追われ、破滅へとむかうふたりの逃避行の行方は…。 長く行方不明だった「幻の原稿」が80年ぶりに発見。『花のノートルダム』で文学を永遠に変えてしまった男が、同時期に獄中で書いたもう一つの代表作。最新の研究成果を踏まえ、本邦初訳として蘇る。21世紀の文学史的事件。 [出版社より] 著 者|ジャン・ジュネ 訳 者|宇野邦一・鈴木創士 出版社|河出書房新社 定 価|3,500円+税 判 型|四六変形判・上製 頁 数|192 ISBN|978-4-309-20926-5 発 行|2025年05月 Author ジャン・ジュネ Jean Genet 1910-86年。孤児として育ち、42年獄中で書いた『花のノートルダム』で注目される。『泥棒日記』『葬儀』などを執筆後、60年代以降は黒人解放運動、パレスチナなどに関わり『恋する虜』に結実させる。 Translator 宇野 邦一 Kuniichi Uno 1948年生まれ。哲学者・フランス文学者。立教大学名誉教授。著書に『土方巽──衰弱体の思想』『ドゥルーズ 流動の哲学』など。訳書に、アルトー『タラウマラ』、ジュネ『薔薇の奇跡』など。 鈴木 創士 Soshi Suzuki 1954年生まれ。著書に『アントナン・アルトーの帰還』『中島らも烈伝』『魔法使いの弟子』。訳書に 神の裁きと訣別するため』(共訳)『狂人の二つの体制』(共訳)『歓待の書』『ロデーズからの手紙』。
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人形のアルファベット
¥2,750
肉片が、聞いている――。 ミシン、人形、缶詰、蜘蛛、そして女たち……。 奪われし者たちの悲鳴がグロテスクに世界を覆う。GRANTA「若手作家ベスト20」選出、英語圏で最も注目を集める作家による、シャーリイ・ジャクスン賞受賞作を含む鮮烈のデビュー作。 [出版社より] 「既成概念を覆す試み」 ――ウォール・ストリート・ジャーナル 「素晴らしい! 印象深く、しかし、すぐに消えてしまいそうなほど儚いイメージ。グルドーヴァは、美しさを描くための最も難しいテクニックを見事に駆使している」 ――デボラ・レヴィ(『ホットミルク』著者) 「ダークで知的で美しく、絶妙にグロテスクな、グルドーヴァの世界を読む喜び。 ――ヘレン・オイェイェミ(『あなたのものじゃないものは、あなたのものじゃない』著者) 「裂けたストッキングと手縫いのベルベットのドレス。知的なバロック小説であり、完璧かつ大胆、巧妙かつ繊細な傑作。アンジェラ・カーターの正統な後継者であるカミラ・グルドーヴァの、飾り気がなく、それでいて魅惑的な文体を、ぜひ読んで、愛してほしい!真似ごとや作り物ではない、真に奇妙に輝く宝石のような作家だから」 ――ニコラ・バーカー(2007年ブッカー賞最終候補作『Darkmans』著者) 「『人形のアルファベット』は、独自の世界を細部に至るまで創り上げている。初めて見る風景なのに、まるでずっとそこにあり、誰かに見つけられることを、そして魅了されることを待っていたかのよう」 ――シーラ・ヘティ(ニューヨーク・マガジン誌2018年ベストブック『Motherhood』著者) 著 者|カミラ・グルドーヴァ 訳 者|上田麻由子 出版社|河出書房新社 定 価|2,500円+税 判 型|四六判・上製 頁 数|224 ISBN|978-4-309-20923-4 発 行|2025年05月 Author カミラ・グルドーヴァ Camilla Grudova 短編集『人形のアルファベット』収録作の「ワクシー」がシャーリイ・ジャクスン賞中編部門を受賞。2023年「GRANTA」発表のBest of Young British Novelists選出。 Translator 上田 麻由子 Mayuko Ueda 訳書にヘレン・オイェイェミ『あなたのものじゃないものは、あなたのものじゃない』、ロクサーヌ・ゲイ『むずかしい女たち』(共訳)。著書に『2/5次元クロニクル』がある。
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いっそあの方が死んで下すったなら 伊澤みゆき作品集
¥3,960
少女小説の黎明期に、『少女画報』を舞台に数々の傑作を残した作家、伊澤みゆき。 その名と作品は長らく埋もれていたが、伊澤の作品が少女小説に与えた影響は大きく、吉屋信子は、「みんなが伊澤みゆきの作品がいいと思うように、自分の作品もそう思われたい」と語り、後に代表作となる『花物語』の第一編を『少女画報』に投稿したという。今あらためて、その文学的価値と独自の世界観が見直されている。 伊澤の作品には、甘く優しいだけではない、どこか影を帯びた「闇のオーラ」を放つ友愛小説が多く見られる。嫉妬や執着、ルッキズム――少女たちの内面に潜む痛みや陰りが、丁寧に、そして烈しく描かれ、百年前の少女たちの叫びは、今もなお私たちの心に鮮烈な衝撃をもたらす。 本書は、伊澤みゆき初の作品集であり、『少女画報』に掲載された全60篇を収録。テーマごとに5章に分け、彼女の多彩な作風を存分に味わえる構成とした。また、女性研究者たちによる詳細な解説も収録し、文学史的な視点からも伊澤の作品を掘り下げる一冊となっている。 [出版社より] 著 者|伊澤みゆき 出版社|国書刊行会 定 価|3,600円+税 判 型|四六判/上製 頁 数|504 ISBN|978-4-336-07764-6 発 行|2025年05月 Contents Ⅰ「いっそあの方が死んで下すったなら──少女同士の愛」 Ⅱ「若く美しくお亡くなりに──追憶の人」 Ⅲ「余計なお世話よ──愛ちゃんのスケッチ」 Ⅳ「どうせわたしも捨てられた身だ──家庭の話」 Ⅴ「我は少女(おとめ )!──少女であること」 解說:永渕朋枝(神戸女子大准教授) /久米依子(日本大学文理学部特任教授 Author 伊澤 みゆき Miyuki Izawa 1890年宮城県仙台市生まれ。本名は伊澤英子(旧姓伊澤、のち伊東、須田)。父は医師の伊澤富次郎、伯父は東京師範学校長、東京音楽学校長を務めた伊澤修二。警視総監・台湾総督を歴任した伊澤多喜男は叔父で、劇作家の飯沢匡は従弟にあたる。妹のきみ子は宇野浩二の恋人で、小説『苦の世界』の主人公のモデル。 伊澤みゆきは1912年から16年にかけて、『少女画報』(東京社)に「闇に居て」「春も逝く」など60編もの少女小説を発表し、少女同士の熱い友情を描いた作品が読者から大きな支持を集めた。吉屋信子が同誌に『花物語』を投稿したのは、伊澤作品に魅了されたからだと述べている。『少女画報』の他にも、『青鞜』『赤い鳥』『処女地』『若草』に濱野雪・伊東英子の名で小説や童話を発表した。近年その作品は学術論文や研究誌でも取り上げられ、文学的な影響とその独自性が新たに評価されている。1973年没。
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焼死体たちの革命の夜
¥3,256
病に倒れる直前までに書かれた短篇を集成。馬に乗って新宿を彷徨う「あの農場には二度と」など、時代の危機を先取りする崩壊感覚と、生のあり方を問う真摯さに貫かれた世界水準の傑作。 [出版社より] 著 者|中原昌也 出版社|河出書房新社 定 価|2,960円+税 判 型|四六判・上製 頁 数|224 ISBN|978-4-309-03960-2 発 行|2025年04月 Author 中原 昌也 Masaya Nakahara 1970年東京都生まれ。「暴力温泉芸者」名義で音楽活動の後、「HAIR STYLISTICS」として活動を続ける。著書に『マリ&フィフィの虐殺ソングブック』『知的生き方教室』ほか多数。
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水脈を聴く男
¥2,200
井戸で発見された溺死体のお腹から取り出された胎児。彼には大地の「水脈を聴く」能力が宿っていた──。 ひどい頭痛に悩まされるマリアムは井戸の深淵からの「おいで、おいで」という囁きに導かれ、ついには溺死体として発見される。しかし、その体には胎児が宿っていた。無事(サーレム)に救われたことでサーレムと名付けられた息子は、耳を澄ませると地中を流れる水の音が聴こえるようになる。その噂はあっという間に広がり、避けられ孤立するようになるが、水源を探し当て村を襲った干ばつから救うことで必要とされるようになる。その評判は遠方まで轟き、15歳の少年は「水追い師」として各地で引く手あまたになるのだが──。 アラビア半島に位置し、雨のほとんど降らない小国オマーン。地下水路(ファラジュ)による独自の灌漑システムは、峻険な岩山や荒涼とした砂漠の地を潤してきた。『バグダードのフランケンシュタイン』などが過去に受賞したアラビア語圏最高の文学賞「アラブ小説国際賞」に輝いた、水をめぐる傑作長編。 「気候変動や水資源の枯渇が世界的な課題となっている今日、この小説が描く「水に囚われる人間の姿」は、過去の物語ではなく、今まさに現代社会が直面する現実の縮図として読み解くことができる」——本書解説より。 [出版社より] 著 者|ザフラーン・アルカースィミー 訳 者|山本薫、マイサラ・アフィーフィー 出版社|書肆侃侃房 定 価|2,000円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|216 ISBN|978-4-86385-674-5 発 行|2025年05月 Author ザフラーン・アルカースィミー Zahran Alqasmi 1974年オマーン生まれの小説家・詩人。これまでに4冊の小説と10冊の詩集を刊行している。4作目となる『水脈を聴く男』(2022年)が、2023年度のアラブ小説国際賞(International Prize for Arabic Fiction)を受賞し、一躍注目を集める。 Translator ⼭本薫 Kaoru Yamamoto 慶應義塾⼤学総合政策学部准教授。東京外国語⼤学外国語学部アラビア語学科卒業、東京外国語⼤学博⼠(⽂学)。専⾨はアラブ⽂学。訳書にエミール・ハビービー『悲楽観屋サイードの失踪にまつわる奇妙な出来事』(作品社、2006年)、アダニーヤ・シブリー『とるに⾜りない細部』(河出書房新社、2024年)など。 マイサラ・アフィーフィー Maisara Afifi エジプト出⾝。カイロ⼤学卒業後、1996年に来⽇。通訳者として働きながら、平野啓⼀郎『⽇蝕』、村上春樹『騎⼠団⻑殺し』ほか、森鴎外、太宰治、三島由紀夫らの⽇本語⼩説をこれまでに約20冊、アラビア語に翻訳している。
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水棲生物——水の底のアフリカ
¥2,970
SOLD OUT
アカデミー・フランセーズ賞フランス語文学賞、全アフリカ文学賞、アマドゥ・クルマ文学賞……カメルーン出身のドキュメンタリー監督による、賞総なめの衝撃作。 ジェンダーをめぐる差別が根強く抑圧的な社会で「自分」を生きるために闘う人を映しとる。 貧富の格差、女性差別、性的マイノリティへの弾圧。 家父長制と因習に縛られ、権力闘争が渦巻く国ザンブエナ。かつて教師として働いていたカトメは、野心的な政治家の妻として夫を支えるかたわら、親友のアーティスト、サミーの創作活動を支援していた。反体制的な表現者、そして同性愛者であるサミーの個展の幕開け、それは二人の運命の新たな扉でもあった。 私たちは皆、水の底で生きている。 [出版社より] 著 者|オズヴァルド・ルワット 訳 者|大林薫 出版社|講談社 定 価|2,700円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|368 ISBN|9784065342114 発 行|2025年04月 Author オズヴァルド・ルワット Osvalde Lewat 1976年カメルーン生まれ。母親の影響で、少女時代は映画観賞や写真撮影に熱中する。パリ政治学院卒業後はカメルーンでジャーナリズムを学び、新聞社で働くが、職業上の制約や言論の不自由にぶつかる。その後、パリの国立映画学校(FEMIS)とモントリオールの国立映像音響学院(INIS)で映像制作を学び、在学中に初のショートフィルム(北米先住民を扱ったドキュメンタリー)を撮る。以降、次々とドキュメンタリー作品を制作。そのうちのいくつかは国際映画祭などで高く評価され、賞を獲得した。フォトグラファーとしても精力的に活動し、パリ、ニューヨーク、キンシャサなどの都市で写真展を開催する。 Translator 大林 薫 Kaori Obayashi フランス語翻訳家。青山学院大学フランス文学科卒業。主な訳書にジャコメッティ&ラヴェンヌ『ナチスの聖杯』『邪神の覚醒』『亡国の鉤十字』(以上、竹書房文庫、監訳)、ラウィック『わたしの町は戦場になった シリア内戦下を生きた少女の四年間』(東京創元社)、ヴィスコリオージ『モンブラン』(エディション・エフ)がある。
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石の扉 キャリントン中・短篇集
¥4,180
シュルレアリスム×メキシコ魔術。 エルンストと出会いシュルレアリストになり、メキシコに渡り独自のシュルレアリスムを発展させたキャリントン。「〈石の扉〉よ、私を通して、外に出して」とリフレインする少女――。占星術・錬金術・魔術が渾然となり、死者の国からハンガリー王を探す魂の遍歴の壮大なメタフィクション「石の扉」ほか、不気味で、残酷で、夢、ブラック・ユーモアの奇妙な世界20篇。 短篇集『七頭目の馬』の戯曲を除く全篇に、「砂の駱駝」「グレゴリー氏の蝿」「ジェミマと狼」を付加し、抄録の「石の扉」を完全版とした日本版オリジナル編集。13篇は本邦初紹介。読み応えある詳細解説65頁、キャリントンの挿絵5葉添え。 [出版社より] 著 者|レオノーラ・キャリントン 訳 者|野中雅代 出版社|国書刊行会[シュルレアリスム叢書] 定 価|3,800円+税 判 型|四六判/上製・筒函入 頁 数|448 ISBN|978-4-336-07706-6 発 行|2025年04月 Contents 彼らが丘の斜面を駆けたとき 三人の猟師 鳩よ、飛べ! シリル・ド・ガンドル氏 悲しみにうちひしがれて 姉妹 白兎たち 待ちながら 七頭目の馬 中性の男 私の母は牛です 私のフランネルのニッカーズ 製薬業創始法 エト・イン・ベリクス・ルナルム・メディアリス 幸福な死体の物語 メキシコのお伽噺 グレゴリー氏の蠅 砂の駱駝 ジェミマと狼 石の扉 解説「作家レオノーラ・キャリントン」野中雅代 Author レオノーラ・キャリントン Leonora Carrington 1917-2011。イングランド生まれ。パリ、メキシコで活躍した画家、彫刻家、小説家。マックス・エルンストとの出会いからシュルレアリスム運動に参加。アンドレ・ブルトン編『黒いユーモア集』にも短篇(コント)が収録される。エルンストとの別れに精神的危機を迎えるが、メキシコ移住後はシュルレアリスムに魔術的な世界が融合し、独自の世界を展開。絵画はもちろん、不気味で、残酷で、ブラック・ユーモアに満ちた短篇・小説の人気も高い。小説の邦訳に『「美妙な死体」の物語』(月刊ペン社)、『恐怖の館』『耳ラッパ』(工作舎)がある。 Translator 野中雅代 Masayo Nonaka 比較文学・文化研究者。美術史家。「レオノーラ・キャリントン展」(東京ステーション・ギャラリー他)、「レメディオス・バロ展」(神奈川県立美術館他)、「フリーダ・カ―ロとその時代」展(Bunkamuraザ・ミュージアム他)立案・監修。メキシコ国立近代美術館招聘キュレーター。著書に『レオノーラ・キャリントン』(彩樹社)、Alan Glass (Turner)、Remedios Varo: The Mexican Years (Editorial RM)、共著にFrida Kahlo: Her Photos (Editorial RM)他、翻訳書に『恐怖の館』『耳ラッパ』(工作舎)、『夢魔のレシピ』(工作舎)、『アステカの歌』(編訳、青土社)、詩画集『クリスマスの歌』(共訳、GCプレス)がある。
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パリの最後の夜
¥4,180
『ナジャ』と並ぶ、謎めいたファムファタル。 1920年代の夜のパリ。謎の女ジョルジェットにいざなわれた語り手は、セーヌ河岸で犯罪を目撃する……。ジュルジェットはパリだ、パリの夜そのもの。幻想・神秘・偶然は、この娼婦のファムファタルの圏内でうごめく——。 『ニック・カーター』を愛読していたスーポーが綴る犯罪小説は、読者を闇の迷宮へと誘う。『ナジャ』と比べて味わいたい、パリとパリの女の驚異を描いたシュルレアリスム小説。初訳短篇『オラス・ピルエルの旅』『ニック・カーターの死』を併録。読み応えある詳細解説111頁添え。 [出版社より] 著 者|フィリップ・スーポー 訳 者|谷昌親 出版社|国書刊行会[シュルレアリスム叢書] 定 価|3,800円+税 判 型|四六判/上製・筒函入 頁 数|400 ISBN|978-4-336-07703-5 発 行|2025年04月 Contents オラス・ピルエルの旅 ニック・カーターの死 パリの最後の夜 訳者解説「シュルレアリストであり小説家であるということ」谷 昌親 Author フィリップ・スーポー Philippe Soupault 1897年パリ郊外のシャヴィルで生まれ、1990年にパリで死去。フランスの詩人・作家・ジャーナリスト。アンドレ・ブルトンやルイ・アラゴンとともにダダの冒険に参加。1919年ブルトンと自動記述の実験をおこなって『磁場』を執筆し、1924年ブルトンが発表する『シュルレアリスム宣言』を待たずに、シュルレアリスムを事実上誕生させた。1926年シュルレアリスム運動から離反。1938年ファシズムの放送局に対抗する「ラジオ・チュニス」を創設。その後、アルジェリアを経由してアメリカ大陸に亡命しつつも、対独レジスタンス運動に加担する。1945年フランスに帰国。文学のみならず、美術・映画評論を手がけ、世界中を旅して紀行文を書くなど、幅広い活動をおこなった一生だった。邦訳に『磁場』(ブルトン共著、『アンドレ・ブルトン集成 第3巻』所収、人文書院)、『流れのままに』(白水社)など。 Translator 谷昌親 Masachika Tani 1955年東京生まれ。早稲田大学教授。専攻はフランス現代文学・イメージ論。1987年レーモン・ルーセルについての博士論文でパリ第三大学第三期課程博士号を取得。主著に『詩人とボクサー――アルチュール・クラヴァン伝』(青土社)、『ロジェ・ジルベール=ルコント―虚無へ誘う風』(水声社)、共著に『シュルレアリスムの射程』(せりか書房)、『クレオールの想像力――ネグリチュードから群島的思考へ』(水声社)、訳書にミシェル・レリス『オランピアの頸のリボン』(人文書院)、同『ゲームの規則IV 囁音』(平凡社)、共訳にアンリ・ベアール『アンドレ・ブルトン伝』(思潮社)、ジル・ドゥルーズ『批評と臨床』(河出書房新社)など。
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割れたグラス
¥2,860
現代アフリカ文学の最前線を紹介する、新海外文学シリーズ《アフリカ文学の愉楽》創刊。第1回配本は、現代アフリカ文学随一のヒップスター、コンゴ共和国出身のアラン・マバンクによる代表作。 コンゴ共和国の港湾都市ポワント=ノワールの下町にあるバー"ツケ払いお断り"。バーの主人《頑固なカタツムリ》からの依頼で、《割れたグラス》はバーとその常連客たちとの日々を思いのまま1冊のノートに書き留めていくことになる。 何枚ものオムツを穿いた《パンパース男》、フランスかぶれの寝取られ《印刷屋》、誰よりも長く放尿できると豪語する《蛇口女》など、いずれ劣らぬ酔客たちの奇怪な逸話が次々とノートに綴られていく。やがて、《割れたグラス》は自身についても書きはじめるのだが……。 作家としてはじめてコレージュ・ド・フランスの招聘教授に着任、また国際ブッカー賞の選考委員を務めるなど、現代アフリカ文学の最重要作家のひとりとして活躍の場を世界的なものへと広げている、アラン・マバンクが放つ驚異の傑作がいまここに。 フランコフォニー五大陸賞をはじめ数々の文学賞を受賞、ルノドー賞最終候補作にして、英国ガーディアン紙が選ぶ「21世紀の100冊」にも選出された、酔いどれたちのめくるめく狂想曲。 [出版社より] 著 者|アラン・マバンク 訳 者|桑田光平 出版社|国書刊行会 定 価|2,600円+税 判 型|四六変型判/上製 頁 数|288 ISBN|978-4-336-07694-6 発 行|2025年04月 Author アラン・マバンク Alain Mabanckou 1966年コンゴ共和国ポワント=ノワール生まれ。首都ブラザヴィルの大学で学んだのち渡仏、法学を修める。その後は法律コンサルタントとして働く傍ら、詩人として出発する。最初の小説『赤―青―白』(1998年)はブラック・アフリカ文学大賞を受賞し、一躍注目を集める。2005年に発表した本書『割れたグラス』ではフランコフォニー五大陸賞をはじめ数々の文学賞を受賞、 翌年発表の『ヤマアラシの回想』(本シリーズで刊行予定)ではフランスでもっとも権威ある文学賞のひとつルノドー賞を受賞する。以降、現代アフリカ文学の最重要作家のひとりとして、その作品は20以上の言語に翻訳され、活躍の幅を世界的なものへと広げていく。 2006年よりカリフォルニア大学ロサンゼルス校の教授としてフランス語圏文学とクリエイティヴ・ライティングを教える。2015年には 国際ブッカー賞のファイナリストに選出、さらには作家としてはじめてコレージュ・ド・フランスの招聘教授に着任する。2022年の国際ブッカー賞では選考委員を務める。邦訳書に上述のコレージュ・ド・フランスでの講義録『アフリカ文学講義』(みすず書房)と自伝的作品『もうすぐ二〇歳』(晶文社)がある。 Translator 桑田光平 Kohei Kuwada 1974年広島県生まれ。東京大学教養学部・大学院総合文化研究科教授。専門は20世紀フランス文学・芸術。東京大学文学部で英米文学を学んだ後、同大学院でフランス文学を専攻。修士号取得後、リヨン高等師範学校、リヨン第2大学、パリ第4大学、パリ第8大学でフランス文学ならびに現代美術を学ぶ。2009年、パリ第4大学でロラン・バルトに関する博士号取得。2022年より現職。 主な著書に『ロラン・バルト 偶発事へのまなざし』(水声社)、『世界の8大文学賞 受賞作から読み解く現代小説の今』(共著・立東舎)、『東京時影 1964/202X』(共編著、羽鳥書店)など。訳書にロラン・バルト『ロラン・バルト 中国旅行ノート』(筑摩書房)、バルテュス/セミール・ゼキ『芸術と脳科学の対話』(青土社)、ジェラール・マセ『つれづれ草』、パスカル・キニャール『もっとも猥雑なもの』(水声社)、ティフェーヌ・サモワイヨ『評伝ロラン・バルト』、ジョルジュ・ディディ=ユベルマン『われわれが見るもの、われわれを見つめるもの』(ともに共訳、水声社)など多数。
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内なるゲットー[OUTLET]
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ホロコーストに消えた母、僕は沈黙することしかできなかった。――第2次世界大戦時、ポーランドに母を残し、アルゼンチンに移住した息子の苦悩を静謐な筆致で描いた仏ベストセラー。 [出版社より] 著 者|サンティアゴ・ H・アミゴレナ 訳 者|齋藤可津子 出版社|河出書房新社 定 価|2,000円+税 判 型|四六判・上製 頁 数|184 ISBN|978-4-309-20802-2 発 行|2020年08月 Author サンティアゴ・ H・アミゴレナ Santiago H. Amigorena フランスの映画監督、シナリオライター、作家。1962年ブエノスアイレス生まれ。73年にパリに亡命。25年にわたり作家活動を続け、 本書は10作目となる。 Translator 齋藤可津子 Katsuko Saito 翻訳家。一橋大学大学院言語社会研究科博士課程中退。訳書に、L・コロンバニ『三つ編み』『彼女たちの部屋』、V・デパント『アポカリプス・ベイビー』、E・アベカシス『30年目の待ち合わせ』など。
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苦悩[OUTLET]
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ナチス占領下のパリで強制収容所からの夫の帰りを待つ苛烈な日々を綴った、文学の限界を超えた作品。デュラスが“私の生涯で最も重要なもの”と告白する、自伝的記録。表題作の他5篇。 [出版社より] 著 者|マルグリット・デュラス 訳 者|田中倫郎 出版社|河出書房新社 定 価|3,200円+税 判 型|四六判・上製 頁 数|288 ISBN|978-4-309-20764-3 発 行|2019年01月 Contents Ⅰ 苦悩 Ⅱ ムッシュウX 仮称ピエール・ラビエ アルベール・デ・キャピタール/親独義勇隊員テル 手折られた刺草 オーレリア・パリ 解説 参考文献/年表 Author マルグリット・デュラス Marguerite Duras 1936年、ペルー生まれ。58年、リマのサン・マルコス大学卒業後スペインに留学、マドリード・コンプルテンセ大学で博士号を取得する。59年、短篇集『ボスたち』で作家デビュー、63年には初長篇『都会と犬ども』を発表し、一躍脚光を浴びる。その後、長篇を次々に発表、ラテンアメリカを代表する作家として確固たる地位を築く。74年、ペルーに帰国してからは作家活動の傍ら政治活動も積極的に行い、90年にはペルー大統領選に出馬するがアルベルト・フジモリに敗れる。その後も長篇小説を精力的に発表しつづけている。評論や戯曲も多数。2010年、ノーベル文学賞受賞。 Translator 田中倫郎 Michio Tanaka 1930年、広島県生まれ。東京大学文学部美学科卒業。訳書に、デュラス『モデラート・カンタービレ』『インディア・ソング』、ヴィルコンドレほか『デュラス[愛の生涯]』、フェルミーヌ『蜜蜂職人』など。
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シンコ・エスキーナス街の罠[OUTLET]
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テロが吹き荒れるフジモリ政権時代のペルー、リマ。戒厳令下、同性愛をひそかに楽しむ富裕層の妻たち、乱交パーティの隠し撮りでゆすられるその夫、ゴシップ誌に命をかけ闇を背負う編集長、彼を崇める記者、職を奪われ孤独の中で恨みを溜める老人……。 腐敗し退廃した街の人間模様の背後には、国家の恐るべき罠が隠されていた。ノーベル賞作家が放つ官能的かつサスペンスフルな最新作。 [出版社より] 著 者|マリオ・バルガス=リョサ 訳 者|田村さと子 出版社|河出書房新社 定 価|2,500円+税 判 型|四六判・上製 頁 数|280 ISBN|9784309207827 発 行|2019年09月 Author マリオ・バルガス=リョサ Jorge Mario Pedro Vargas Llosa 1936年、ペルー生まれ。58年、リマのサン・マルコス大学卒業後スペインに留学、マドリード・コンプルテンセ大学で博士号を取得する。59年、短篇集『ボスたち』で作家デビュー、63年には初長篇『都会と犬ども』を発表し、一躍脚光を浴びる。その後、長篇を次々に発表、ラテンアメリカを代表する作家として確固たる地位を築く。74年、ペルーに帰国してからは作家活動の傍ら政治活動も積極的に行い、90年にはペルー大統領選に出馬するがアルベルト・フジモリに敗れる。その後も長篇小説を精力的に発表しつづけている。評論や戯曲も多数。2010年、ノーベル文学賞受賞。 Translator 田村 さと子 Satoko Tamura 1947年、和歌山県新宮市生まれ。お茶の水女子大学卒業後、メキシコ国立自治大学でラテンアメリカ文学を、スペイン国立マドリード大学で詩論を学ぶ。帰国後、お茶の水女子大学大学院博士課程中退。1991年、同大学にて学術博士号(Ph. D)取得。
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ぼくのゾンビ・ライフ[OUTLET]
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どうやらぼくはゾンビになったらしいーー。 ゾンビだって悩む。笑う。恋もする。全米もびっくりの一人称ゾンビ文学!! ゾンビの掟: ・人間を混乱させてはいけない。 ・門限を過ぎたら外出してはいけない。 ・隣人の肉を切望してはいけない。 交通事故から目覚めたアンディは、自分がゾンビになっていることに気づく。妻、娘と離れ、そのまま両親と同居することになったアンディは、他のゾンビたちと出会い、仲間になり、ゾンビになった自分を受け入れはじめる。なんとか人間たちとも共存しようとするが......。全編ゾンビ主観で綴られる、"脳のあるリビング・デッド"たちの「人生」と戦い、そして恋。現在世界同時多発中の「人間性を持つゾンビ」小説の究極型、とうとう邦訳。 [出版社より] 著 者|S・G・ブラウン 訳 者|小林真里 出版社|太田出版 定 価|2,000円+税 判 型|四六判・並製 頁 数|362 ISBN|9784778312619 発 行|2011年06月 Author S. G. ブラウン Brown, S. G. 1965年アメリカ、アリゾナ州生まれ。パシフィック大学卒業。1993年に初の短編小説Wish You Were Hereがレッドキャット・マガジンに掲載される Translator 小林 真里 Masato Kobayashi 1973年三重県生まれ。映画批評家・翻訳家・音楽ライター。
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この世の喜びよ
¥660
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娘たちが幼い頃、よく一緒に過ごした近所のショッピングセンター。その喪服売り場で働く「あなた」は、フードコートの常連の少女と知り合う。言葉にならない感情を呼びさましていく芥川賞受賞作「この世の喜びよ」をはじめとした作品集。 ほかに、ハウスメーカーの建売住宅にひとり体験宿泊する主婦を描く「マイホーム」、 父子連れのキャンプに叔父と参加した少年が主人公の「キャンプ」を収録。 [出版社より] 著 者|井戸川射子 出版社|講談社[講談社文庫] 定 価|600円+税 判 型|文庫判/並製 頁 数|288 ISBN|9784065369593 発 行|2024年10月 Contents この世の喜びよ マイホーム キャンプ Author 井戸川 射子 Iko Idogawa 1987年生まれ。関西学院大学社会学部卒業。2018年、第一詩集『する、されるユートピア』を私家版にて発行。’19 年、同詩集にて第 24 回中原中也賞を受賞。’21 年、『ここはとても速い川』で第 43 回野間文芸新人賞受賞。'23年、本書で第168回芥川賞受賞。著書に『する、されるユートピア』(青土社)、詩集『遠景』(思潮社)、『この世の喜びよ』(講談社)がある。
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物語じゃないただの傷
¥1,892
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男の僕が有害な男性性を告発することが僕の大義なのだと、本気で思った。どこで間違った? "ポリコレ系"文化人×"弱者男性"芸人。 自らの"傷"を利用する二人の男。歪な同居生活の行く末は――。 映画化もされた『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』でジェンダー差別に傷つく男性の姿を繊細に描き、話題を呼んだ作家・大前粟生。本作は、「差別への抵抗・告発すらも消費される社会」の闇へも踏み込んだ超渾身作。 [出版社より] 「増幅していく差別と偏見と絶望を受け止めた先に、大前さんは一筋の光を見出す」 ——吉田恵里香(脚本家・NHK連続テレビ小説『虎に翼』アニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』他) 「この物語が届かない時代なら、もう本当に手遅れだ」 ——大島育宙(芸人・YouTuber) 著 者|大前粟生 出版社|河出書房新社 定 価|1,720円+税 判 型|四六判・上製 頁 数|144 ISBN|978-4-309-03950-3 発 行|2025年03月 Author 大前 粟生 Ao Omae 1992年兵庫県生まれ。著書に『回転草』『私と鰐と妹の部屋』『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』『おもろい以外いらんねん』『きみだからさびしい』『死んでいる私と、私みたいな人たちの声』等がある。
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移動そのもの
¥1,980
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言葉が奔り、物語が跳ねる。 一文ごと一語ごとに世界が相貌を変えていく――めくるめく体験に満ちた9つの小宇宙。 語りは未知なる情景を相手に伝えるためのものだが、一方で言葉はそれ自身次の言葉を求めて自在に繁茂していく。そのふたつが合わさったとき、小説は一文一文、一語一語、圧倒的な速度で跳躍しながら、読む者を〈現在〉の強度へと誘いつづける。 2019年『する、されるユートピア』で中原中也賞、2023年『この世の喜びよ』で芥川賞に輝く、詩人・作家が放つ、言葉を読む原初的な快楽に溢れる最新短編集! [出版社より] 「この小説は迷うための地図。一文ずつ小さく折り畳まれたそれをひらけば、言葉を読むんじゃなくて、言葉に読まれているよう」 ――尾崎世界観[ミュージシャン・小説家] 著 者|井戸川射子 出版社|筑摩書房 定 価|1,800円+税 判 型|四六判/上製 頁 数|160 ISBN|978-4-480-80523-2 発 行|2025年03月 Contents 移動そのもの 花瓶 市場 本汚し皿割り 軽薄 老いる彼女は家で 人々の大いなる口 通い路 旅は育ての親 Author 井戸川 射子 Iko Idogawa 1987年生まれ。関西学院大学社会学部卒業。2018年、第一詩集『する、されるユートピア』を私家版にて発行。2019 年、同詩集にて第24回中原中也賞を受賞。2021年に小説集『ここはとても速い川』で第43回野間文芸新人賞を、2023年に『この世の喜びよ』で第168回芥川龍之介賞を受賞。他の著作として、詩集に『遠景』、小説に『共に明るい』『無形』がある。
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曇りなく常に良く
¥1,980
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私たちの声はよく似ているのでどれも混ざる、来年も私たちは五人でいるだろう――。 母の再婚で「姉」になったハルア、恋愛に打ち込みたいスポーツ少女ナノパ、鼻の低さがコンプレックスのダユカ、「空気の読めなさ」を自覚するシイシイ、家計のためバイトに明け暮れるウガトワ。 高校二年生の仲良し五人組。同じ時を過ごしていても、見据える景色が同じとは限らない。芥川賞作家が描く、澄みわたる青春群像劇。 [出版社より] 著 者|井戸川射子 出版社|中央公論新社 定 価|1,800円+税 判 型|四六判/上製 頁 数|160 ISBN|978-4-12-005899-8 発 行|2025年03月 Author 井戸川 射子 Iko Idogawa 1987年、兵庫県生まれ。作家、詩人。2018年、第一詩集『する、されるユートピア』を私家版にて発行。19年、同詩集にて第24回中原中也賞、21年、小説集『ここはとても速い川』で第43回野間文芸新人賞、22年『この世の喜びよ』で第168回芥川龍之介賞をそれぞれ受賞。
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水の流れ
¥2,640
これは本ではない。本はこんなふうに書くものではないから——。 「ブラジルのヴァージニア・ウルフ」と評される、日本翻訳大賞受賞『星の時』の著者による、世界文学の極点。 「わたしが呼吸する空気のなかで流れてゆくこの瞬間たち、それらは花火のように空間のなかで弾じけて消える。わたしは時間の原子を自分のものにしたい。そして、本性からしてわたしには禁じられている現在を、捉えてみたい。現在は逃れてゆき、わたしは今の瞬間においてつねに現在である」——本文より 〈わたし〉から〈あなた〉へ、思考の背後に潜むものを求める言葉の奇蹟。いまこの瞬間の生を描くという不可能な試みが生み出した、比類なきイメージの奔流。ウルフ、マンスフィールドと並ぶ世界文学の巨匠リスペクトルの極北にして頂点となる作品が、ついに刊行。 [出版社より] 著 者|クラリッセ・リスペクトル 訳 者|福嶋伸洋 出版社|河出書房新社 定 価|2,400円+税 判 型|四六変型判/上製 頁 数|180 ISBN|978-4-309-20921-0 発 行|2025年03月 Author クラリッセ・リスペクトル Lispector Clarice 1920-1977年。ブラジルの作家。代表作に『星の時』『G・Hの受難』『水の流れ』等。他の邦訳書に『ソフィアの災難』がある。 Translator 福嶋 伸洋 Nobuhiro Fukushima 共立女子大学文芸学部教授。訳書にリスペクトル『星の時』(日本翻訳大賞受賞)、『ソフィアの災難』(共訳)等。著書に『魔法使いの国の掟』『リオデジャネイロに降る雪』がある。
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美女と拳銃[OUTLET]
¥1,100
50%OFF
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カトリーヌ・ドヌーヴ主演 ジャン=リュック・ゴダール監督。カンヌを舞台に、フランス映画界の超セレブ総登場で撮影敢行——。 リュック・ベッソンに映画とは何たるかを教えられ、ジェラール・ドパルデューにのせられ、あおられ、スマホ以外は何も持っていない兄弟が、映画をつくり始めた。彼らは若きサギ師なのか? 天才なのか? カンヌを舞台にした、虚実入り交じる撮影現場を実況中継。奇想天外、妄想力大爆発のフランス文学の新しい波。 ー 2人の兄弟、アリョーシャとディミトリには、1つの望みがあった。映画を作ることだ。彼らは映画学校の学生で、一文なしで、ちょっとしたワルだった。どん底で生まれて、そこに戻る気はなかった。2人はスマホと大胆さだけを武器に、カンヌ映画祭に乗りこみ、大ばくちを打つ。共犯に引きずりこまれたのは、2大国際スターのカトリーヌ・ドヌーヴとジェラール・ドバルデュー。それに謎の監督ジャン=リュック・ゴダール。2人の兄弟がただのサギ師に終わるか、それとも若き天才になるか?この物語が教えてくれる。 [出版社より] 著 者|オリヴィエ・プリオル 訳 者|中条省平・中条志穂 出版社|TAC出版 定 価|2,000円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|312 ISBN|978-4813271574 発 行|2018年10月 Author オリヴィエ・プリオル Ollivier Pourriol 1971年生まれ。フランスのエリート校、リコール・ノルマル・シュペリユール(高等師範学校)を卒業。専攻は哲学、哲学の教師として教壇に立ったこともある。作家としては2001年に『メフィスト・ワルツ』を発表し成功をおさめ、2005年には『ナイフを持った画家』、2006年には共著『ポラロイド』などを発表。また、映画会社MK2とパリ・フィルハーモニー・ホールによる映画講演会の創始者でもある。 2015年には『スターウォーズ』シリーズに関する本『ヨーダかく語りき』を上梓した。 Translator 中条 省平 Shohei Chujo 1954年生まれ。学習院大学文学部フランス語圏文化学科教授。東京大学大学院博士課程修了。パリ大学文学博士。主な著書に『反=近代文学史』(文藝春秋/中公文庫)、『クリント・イーストウッド-アメリカ映画史を再生する男』(朝日新聞社/ちくま文庫)、『フランス映画史の誘惑』(集英社新書)、『小説家になる!』(メタローグ/ちくま文庫)、『マンガの教養-読んでおきたい常識・必修の名作100』(幻冬舎新書)、訳書にジュネ『花のノートルダム』、バタイユ『マダム・エドワルダ/目玉の話』(ともに光文社古典新訳文庫)など。 中条 志穂 Shiho Chujo 1970年生まれ。翻訳家。学習院大学フランス文学科卒。映画制作会社勤務を経て、パリ大学へ留学。雑誌「ふらんす」にて新作フランス映画の紹介・解説を10年以上続けている。共訳書に『フェリーニ・オン・フェリーニ』(キネマ旬報社)、フロマン『ロベルト・スッコ』(太田出版)、ロメール『四季の愛の物語』(愛育社)、フィエロ『パリ歴史事典』(白水社)など。
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23000 氷三部作3[OUTLET]
¥1,430
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「原初の光」を目指す教団は、二万三千の金髪碧眼の仲間を捜索し、ある少年を得る。対する肉機械(=人間)達は教団を揺さぶる。二〇世紀初頭ツングース隕石に始まる驚異の氷三部作、完結。 [出版社より] 著 者|ウラジーミル・ソローキン 訳 者|松下隆志 出版社|河出書房新社 定 価|2,600円+税 判 型|四六判/上製 頁 数|292 ISBN|978-4-309-20712-4 初 版|2016年07月 Author ウラジーミル・ソローキン Владимир Сорокин 1955年ロシア生まれ。83年『行列』でデビュー。「現代ロシアのモンスター」と呼ばれる。2010年『氷』でゴーリキー賞受賞。主な著書に『青い脂』『マリーナの三十番目の恋』『氷三部作』『テルリア』など。 Translator 松下 隆志 Takashi Matsushita 1984年大阪生まれ。北海道大学大学院文学研究科博士課程修了。岩手大学准教授。著書に『ナショナルな欲望のゆくえ』、訳書に、ソローキン『氷三部作』、『青い脂』(共訳)、ザミャーチン『われら』など。
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ハイファに戻って/太陽の男たち
¥1,078
二十年ぶりに再会した息子は別の家族に育てられていた――。 時代の苦悩を凝縮させた「ハイファに戻って」、密入国を試みる難民たちのおそるべき末路を描いた「太陽の男たち」など、不滅の光を放つ名作群。 [出版社より] 著 者|ガッサーン・カナファーニー 訳 者|黒田寿郎 ・奴田原睦明 出版社|河出書房新社[河出文庫] 定 価|980円+税 判 型|文庫判/並製 頁 数|296 ISBN|978-4-309-46446-6 発 行|2017年06月 Author ガッサーン・カナファーニー غسان كنفاني Ghassān Kanafānī 1936年パレスチナ生まれ。12歳のときデイルヤーシン村虐殺事件が起こり難民となる。パレスチナ解放運動で重要な役割を果たすかたわら、小説、戯曲を執筆。72年、自動車に仕掛けられた爆弾により暗殺される。
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死んでから俺にはいろんなことがあった
¥2,310
俺はただ家に帰りたいだけなのに、それがそんなにおかしいか? ポルトガルの作家が移民の置かれた立場の悲哀を不条理かつユーモラスに描く傑作長編。 郵便配達をしていた俺は故郷の「くに」から逃げてきた。妻のカルラと幼い息子とともに「島」で不法滞在している。買い物をした帰りに乗っていた地下鉄が故障で止まってしまい、右も左もわからない場所で降ろされてしまった一家。なんとか家にたどり着こうとあれこれ画策するが、やることなすことすべてが裏目に出て——。周囲から存在を認められず、無視され続ける移民の親子は、果たしてどうなるのか? SNSにて大反響。 [出版社より] 著 者|リカルド・アドルフォ 訳 者|木下眞穂 出版社|書肆侃侃房 定 価|2,100円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|256 ISBN|978-4-86385-603-5 発 行|2024年02月 Author リカルド・アドルフォ Ricardo Adolfo 1974年にアンゴラに生まれるが、アンゴラの独立により幼少時にポルトガルに帰国。2003年に短編集『すべてのチョリソーは焼くためにある』でデビュー。初長編『ミゼー』はポルトガルでベストセラーとなる。『東京は地球より遠く』(2015年)では日本で働く外国人のサラリーマンの目から見たおかしな日本の日常を描いた。同書からは2019年刊の『ポルトガル短篇小説傑作選 よみがえるルーススの声』(現代企画室)に3篇が収録されている。ドラマや映画の脚本の執筆や絵本も発表するほか、広告界でも国際的に活躍している。2012年より東京に在住。 Translator 木下 眞穂 Maho Kinoshita 上智大学ポルトガル語学科卒。ポルトガル語翻訳家。訳書に『ブリーダ』(パウロ・コエーリョ)、『忘却についての一般論』(ジョゼ・エドゥアルド・アグアルーザ)、『エルサレム』(ゴンサロ・M・タヴァレス)、『象の旅』(ジョゼ・サラマーゴ)など。『ガルヴェイアスの犬』(ジョゼ・ルイス・ペイショット)で2019年に第5回日本翻訳大賞を受賞。
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假面の告白 初版本復刻版
¥3,960
1949(昭和24)年に刊行、日本文学史を揺るがした自伝的書き下ろし小説の初版本を限定復刻。発表当時の「『假面の告白』ノート」「作者の言葉」も収録する。生誕100年記念出版。 本文のみならず、カバー、表紙、扉、帯、そして、三島氏自身による「「假面の告白」ノート」を含む、当時の「書き下ろし長篇小説」シリーズの月報までを再現。三島氏が広告宣伝のために書いたという「作者の言葉」、三島氏の死去の直後に書かれた坂本一亀氏による回想エッセイ「『仮面の告白』のころ」を含む小冊子も封入。 *部数限定復刻につき、重版はいたしません。 [出版社より] 「私は永遠に私でしかない。──絢爛たるペダントリーと華麗な技巧、瑞々しくも官能的な詩情に酔わされながら、読者が最後に向き合うのは、素顔の三島の孤独な自己認識だ。この告白は悲痛だが美しく、そして確かに、天才の開花だ」 ──平野啓一郎 著 者|三島由紀夫 出版社|河出書房新社 定 価|3,600円+税 判 型|四六判・上製本・函入 頁 数|284 ISBN|978-4-309-03945-9 発 行|2025年01月 Author 三島 由紀夫 Yukio Mishima 1925年東京生まれ。東京大学卒業後、大蔵省に入庁した後に退職し、執筆生活に入る。1949年刊行の『仮面の告白』で作家としての地位を確立。1970年自衛隊市ヶ谷駐屯地で割腹自決。
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遠くまで歩く
¥2,090
コロナウィルス感染拡大の中、小説家のヤマネはある講座を担当することになる。PCを通して語られる受講生たちの記憶、忘れられない風景や言葉。人と人との新たな繋がりを描く長篇小説。 [出版社より] 著 者|柴崎友香 出版社|中央公論新社 定 価|1,900円+税 判 型|四六判・上製本 頁 数|376 ISBN|978-4-12-005876-9 発 行|2025年01月 Author 柴崎 友香 Tomoka Shibasaki 1973年大阪府生まれ。『きょうのできごと』で作家デビュー。『寝ても覚めても』で野間文芸新人賞、『春の庭』で芥川賞など受賞歴多数。著書に『その街の今は』『きょうのできごと、十年後』『千の扉』他がある。