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この世の喜びよ
¥660
SOLD OUT
娘たちが幼い頃、よく一緒に過ごした近所のショッピングセンター。その喪服売り場で働く「あなた」は、フードコートの常連の少女と知り合う。言葉にならない感情を呼びさましていく芥川賞受賞作「この世の喜びよ」をはじめとした作品集。 ほかに、ハウスメーカーの建売住宅にひとり体験宿泊する主婦を描く「マイホーム」、 父子連れのキャンプに叔父と参加した少年が主人公の「キャンプ」を収録。 [出版社より] 著 者|井戸川射子 出版社|講談社[講談社文庫] 定 価|600円+税 判 型|文庫判/並製 頁 数|288 ISBN|9784065369593 発 行|2024年10月 Contents この世の喜びよ マイホーム キャンプ Author 井戸川 射子 Iko Idogawa 1987年生まれ。関西学院大学社会学部卒業。2018年、第一詩集『する、されるユートピア』を私家版にて発行。’19 年、同詩集にて第 24 回中原中也賞を受賞。’21 年、『ここはとても速い川』で第 43 回野間文芸新人賞受賞。'23年、本書で第168回芥川賞受賞。著書に『する、されるユートピア』(青土社)、詩集『遠景』(思潮社)、『この世の喜びよ』(講談社)がある。
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物語じゃないただの傷
¥1,892
男の僕が有害な男性性を告発することが僕の大義なのだと、本気で思った。どこで間違った? "ポリコレ系"文化人×"弱者男性"芸人。 自らの"傷"を利用する二人の男。歪な同居生活の行く末は――。 映画化もされた『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』でジェンダー差別に傷つく男性の姿を繊細に描き、話題を呼んだ作家・大前粟生。本作は、「差別への抵抗・告発すらも消費される社会」の闇へも踏み込んだ超渾身作。 [出版社より] 「増幅していく差別と偏見と絶望を受け止めた先に、大前さんは一筋の光を見出す」 ——吉田恵里香(脚本家・NHK連続テレビ小説『虎に翼』アニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』他) 「この物語が届かない時代なら、もう本当に手遅れだ」 ——大島育宙(芸人・YouTuber) 著 者|大前粟生 出版社|河出書房新社 定 価|1,720円+税 判 型|四六判・上製 頁 数|144 ISBN|978-4-309-03950-3 発 行|2025年03月 Author 大前 粟生 Ao Omae 1992年兵庫県生まれ。著書に『回転草』『私と鰐と妹の部屋』『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』『おもろい以外いらんねん』『きみだからさびしい』『死んでいる私と、私みたいな人たちの声』等がある。
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移動そのもの
¥1,980
言葉が奔り、物語が跳ねる。 一文ごと一語ごとに世界が相貌を変えていく――めくるめく体験に満ちた9つの小宇宙。 語りは未知なる情景を相手に伝えるためのものだが、一方で言葉はそれ自身次の言葉を求めて自在に繁茂していく。そのふたつが合わさったとき、小説は一文一文、一語一語、圧倒的な速度で跳躍しながら、読む者を〈現在〉の強度へと誘いつづける。 2019年『する、されるユートピア』で中原中也賞、2023年『この世の喜びよ』で芥川賞に輝く、詩人・作家が放つ、言葉を読む原初的な快楽に溢れる最新短編集! [出版社より] 「この小説は迷うための地図。一文ずつ小さく折り畳まれたそれをひらけば、言葉を読むんじゃなくて、言葉に読まれているよう」 ――尾崎世界観[ミュージシャン・小説家] 著 者|井戸川射子 出版社|筑摩書房 定 価|1,800円+税 判 型|四六判/上製 頁 数|160 ISBN|978-4-480-80523-2 発 行|2025年03月 Contents 移動そのもの 花瓶 市場 本汚し皿割り 軽薄 老いる彼女は家で 人々の大いなる口 通い路 旅は育ての親 Author 井戸川 射子 Iko Idogawa 1987年生まれ。関西学院大学社会学部卒業。2018年、第一詩集『する、されるユートピア』を私家版にて発行。2019 年、同詩集にて第24回中原中也賞を受賞。2021年に小説集『ここはとても速い川』で第43回野間文芸新人賞を、2023年に『この世の喜びよ』で第168回芥川龍之介賞を受賞。他の著作として、詩集に『遠景』、小説に『共に明るい』『無形』がある。
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曇りなく常に良く
¥1,980
SOLD OUT
私たちの声はよく似ているのでどれも混ざる、来年も私たちは五人でいるだろう――。 母の再婚で「姉」になったハルア、恋愛に打ち込みたいスポーツ少女ナノパ、鼻の低さがコンプレックスのダユカ、「空気の読めなさ」を自覚するシイシイ、家計のためバイトに明け暮れるウガトワ。 高校二年生の仲良し五人組。同じ時を過ごしていても、見据える景色が同じとは限らない。芥川賞作家が描く、澄みわたる青春群像劇。 [出版社より] 著 者|井戸川射子 出版社|中央公論新社 定 価|1,800円+税 判 型|四六判/上製 頁 数|160 ISBN|978-4-12-005899-8 発 行|2025年03月 Author 井戸川 射子 Iko Idogawa 1987年、兵庫県生まれ。作家、詩人。2018年、第一詩集『する、されるユートピア』を私家版にて発行。19年、同詩集にて第24回中原中也賞、21年、小説集『ここはとても速い川』で第43回野間文芸新人賞、22年『この世の喜びよ』で第168回芥川龍之介賞をそれぞれ受賞。
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水の流れ
¥2,640
SOLD OUT
これは本ではない。本はこんなふうに書くものではないから——。 「ブラジルのヴァージニア・ウルフ」と評される、日本翻訳大賞受賞『星の時』の著者による、世界文学の極点。 「わたしが呼吸する空気のなかで流れてゆくこの瞬間たち、それらは花火のように空間のなかで弾じけて消える。わたしは時間の原子を自分のものにしたい。そして、本性からしてわたしには禁じられている現在を、捉えてみたい。現在は逃れてゆき、わたしは今の瞬間においてつねに現在である」——本文より 〈わたし〉から〈あなた〉へ、思考の背後に潜むものを求める言葉の奇蹟。いまこの瞬間の生を描くという不可能な試みが生み出した、比類なきイメージの奔流。ウルフ、マンスフィールドと並ぶ世界文学の巨匠リスペクトルの極北にして頂点となる作品が、ついに刊行。 [出版社より] 著 者|クラリッセ・リスペクトル 訳 者|福嶋伸洋 出版社|河出書房新社 定 価|2,400円+税 判 型|四六変型判/上製 頁 数|180 ISBN|978-4-309-20921-0 発 行|2025年03月 Author クラリッセ・リスペクトル Lispector Clarice 1920-1977年。ブラジルの作家。代表作に『星の時』『G・Hの受難』『水の流れ』等。他の邦訳書に『ソフィアの災難』がある。 Translator 福嶋 伸洋 Nobuhiro Fukushima 共立女子大学文芸学部教授。訳書にリスペクトル『星の時』(日本翻訳大賞受賞)、『ソフィアの災難』(共訳)等。著書に『魔法使いの国の掟』『リオデジャネイロに降る雪』がある。
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美女と拳銃[OUTLET]
¥1,100
50%OFF
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カトリーヌ・ドヌーヴ主演 ジャン=リュック・ゴダール監督。カンヌを舞台に、フランス映画界の超セレブ総登場で撮影敢行——。 リュック・ベッソンに映画とは何たるかを教えられ、ジェラール・ドパルデューにのせられ、あおられ、スマホ以外は何も持っていない兄弟が、映画をつくり始めた。彼らは若きサギ師なのか? 天才なのか? カンヌを舞台にした、虚実入り交じる撮影現場を実況中継。奇想天外、妄想力大爆発のフランス文学の新しい波。 ー 2人の兄弟、アリョーシャとディミトリには、1つの望みがあった。映画を作ることだ。彼らは映画学校の学生で、一文なしで、ちょっとしたワルだった。どん底で生まれて、そこに戻る気はなかった。2人はスマホと大胆さだけを武器に、カンヌ映画祭に乗りこみ、大ばくちを打つ。共犯に引きずりこまれたのは、2大国際スターのカトリーヌ・ドヌーヴとジェラール・ドバルデュー。それに謎の監督ジャン=リュック・ゴダール。2人の兄弟がただのサギ師に終わるか、それとも若き天才になるか?この物語が教えてくれる。 [出版社より] 著 者|オリヴィエ・プリオル 訳 者|中条省平・中条志穂 出版社|TAC出版 定 価|2,000円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|312 ISBN|978-4813271574 発 行|2018年10月 Author オリヴィエ・プリオル Ollivier Pourriol 1971年生まれ。フランスのエリート校、リコール・ノルマル・シュペリユール(高等師範学校)を卒業。専攻は哲学、哲学の教師として教壇に立ったこともある。作家としては2001年に『メフィスト・ワルツ』を発表し成功をおさめ、2005年には『ナイフを持った画家』、2006年には共著『ポラロイド』などを発表。また、映画会社MK2とパリ・フィルハーモニー・ホールによる映画講演会の創始者でもある。 2015年には『スターウォーズ』シリーズに関する本『ヨーダかく語りき』を上梓した。 Translator 中条 省平 Shohei Chujo 1954年生まれ。学習院大学文学部フランス語圏文化学科教授。東京大学大学院博士課程修了。パリ大学文学博士。主な著書に『反=近代文学史』(文藝春秋/中公文庫)、『クリント・イーストウッド-アメリカ映画史を再生する男』(朝日新聞社/ちくま文庫)、『フランス映画史の誘惑』(集英社新書)、『小説家になる!』(メタローグ/ちくま文庫)、『マンガの教養-読んでおきたい常識・必修の名作100』(幻冬舎新書)、訳書にジュネ『花のノートルダム』、バタイユ『マダム・エドワルダ/目玉の話』(ともに光文社古典新訳文庫)など。 中条 志穂 Shiho Chujo 1970年生まれ。翻訳家。学習院大学フランス文学科卒。映画制作会社勤務を経て、パリ大学へ留学。雑誌「ふらんす」にて新作フランス映画の紹介・解説を10年以上続けている。共訳書に『フェリーニ・オン・フェリーニ』(キネマ旬報社)、フロマン『ロベルト・スッコ』(太田出版)、ロメール『四季の愛の物語』(愛育社)、フィエロ『パリ歴史事典』(白水社)など。
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23000 氷三部作3[OUTLET]
¥1,430
50%OFF
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「原初の光」を目指す教団は、二万三千の金髪碧眼の仲間を捜索し、ある少年を得る。対する肉機械(=人間)達は教団を揺さぶる。二〇世紀初頭ツングース隕石に始まる驚異の氷三部作、完結。 [出版社より] 著 者|ウラジーミル・ソローキン 訳 者|松下隆志 出版社|河出書房新社 定 価|2,600円+税 判 型|四六判/上製 頁 数|292 ISBN|978-4-309-20712-4 初 版|2016年07月 Author ウラジーミル・ソローキン Владимир Сорокин 1955年ロシア生まれ。83年『行列』でデビュー。「現代ロシアのモンスター」と呼ばれる。2010年『氷』でゴーリキー賞受賞。主な著書に『青い脂』『マリーナの三十番目の恋』『氷三部作』『テルリア』など。 Translator 松下 隆志 Takashi Matsushita 1984年大阪生まれ。北海道大学大学院文学研究科博士課程修了。岩手大学准教授。著書に『ナショナルな欲望のゆくえ』、訳書に、ソローキン『氷三部作』、『青い脂』(共訳)、ザミャーチン『われら』など。
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ハイファに戻って/太陽の男たち
¥1,078
二十年ぶりに再会した息子は別の家族に育てられていた――。 時代の苦悩を凝縮させた「ハイファに戻って」、密入国を試みる難民たちのおそるべき末路を描いた「太陽の男たち」など、不滅の光を放つ名作群。 [出版社より] 著 者|ガッサーン・カナファーニー 訳 者|黒田寿郎 ・奴田原睦明 出版社|河出書房新社[河出文庫] 定 価|980円+税 判 型|文庫判/並製 頁 数|296 ISBN|978-4-309-46446-6 発 行|2017年06月 Author ガッサーン・カナファーニー غسان كنفاني Ghassān Kanafānī 1936年パレスチナ生まれ。12歳のときデイルヤーシン村虐殺事件が起こり難民となる。パレスチナ解放運動で重要な役割を果たすかたわら、小説、戯曲を執筆。72年、自動車に仕掛けられた爆弾により暗殺される。
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死んでから俺にはいろんなことがあった
¥2,310
俺はただ家に帰りたいだけなのに、それがそんなにおかしいか? ポルトガルの作家が移民の置かれた立場の悲哀を不条理かつユーモラスに描く傑作長編。 郵便配達をしていた俺は故郷の「くに」から逃げてきた。妻のカルラと幼い息子とともに「島」で不法滞在している。買い物をした帰りに乗っていた地下鉄が故障で止まってしまい、右も左もわからない場所で降ろされてしまった一家。なんとか家にたどり着こうとあれこれ画策するが、やることなすことすべてが裏目に出て——。周囲から存在を認められず、無視され続ける移民の親子は、果たしてどうなるのか? SNSにて大反響。 [出版社より] 著 者|リカルド・アドルフォ 訳 者|木下眞穂 出版社|書肆侃侃房 定 価|2,100円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|256 ISBN|978-4-86385-603-5 発 行|2024年02月 Author リカルド・アドルフォ Ricardo Adolfo 1974年にアンゴラに生まれるが、アンゴラの独立により幼少時にポルトガルに帰国。2003年に短編集『すべてのチョリソーは焼くためにある』でデビュー。初長編『ミゼー』はポルトガルでベストセラーとなる。『東京は地球より遠く』(2015年)では日本で働く外国人のサラリーマンの目から見たおかしな日本の日常を描いた。同書からは2019年刊の『ポルトガル短篇小説傑作選 よみがえるルーススの声』(現代企画室)に3篇が収録されている。ドラマや映画の脚本の執筆や絵本も発表するほか、広告界でも国際的に活躍している。2012年より東京に在住。 Translator 木下 眞穂 Maho Kinoshita 上智大学ポルトガル語学科卒。ポルトガル語翻訳家。訳書に『ブリーダ』(パウロ・コエーリョ)、『忘却についての一般論』(ジョゼ・エドゥアルド・アグアルーザ)、『エルサレム』(ゴンサロ・M・タヴァレス)、『象の旅』(ジョゼ・サラマーゴ)など。『ガルヴェイアスの犬』(ジョゼ・ルイス・ペイショット)で2019年に第5回日本翻訳大賞を受賞。
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假面の告白 初版本復刻版
¥3,960
1949(昭和24)年に刊行、日本文学史を揺るがした自伝的書き下ろし小説の初版本を限定復刻。発表当時の「『假面の告白』ノート」「作者の言葉」も収録する。生誕100年記念出版。 本文のみならず、カバー、表紙、扉、帯、そして、三島氏自身による「「假面の告白」ノート」を含む、当時の「書き下ろし長篇小説」シリーズの月報までを再現。三島氏が広告宣伝のために書いたという「作者の言葉」、三島氏の死去の直後に書かれた坂本一亀氏による回想エッセイ「『仮面の告白』のころ」を含む小冊子も封入。 *部数限定復刻につき、重版はいたしません。 [出版社より] 「私は永遠に私でしかない。──絢爛たるペダントリーと華麗な技巧、瑞々しくも官能的な詩情に酔わされながら、読者が最後に向き合うのは、素顔の三島の孤独な自己認識だ。この告白は悲痛だが美しく、そして確かに、天才の開花だ」 ──平野啓一郎 著 者|三島由紀夫 出版社|河出書房新社 定 価|3,600円+税 判 型|四六判・上製本・函入 頁 数|284 ISBN|978-4-309-03945-9 発 行|2025年01月 Author 三島 由紀夫 Yukio Mishima 1925年東京生まれ。東京大学卒業後、大蔵省に入庁した後に退職し、執筆生活に入る。1949年刊行の『仮面の告白』で作家としての地位を確立。1970年自衛隊市ヶ谷駐屯地で割腹自決。
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遠くまで歩く
¥2,090
コロナウィルス感染拡大の中、小説家のヤマネはある講座を担当することになる。PCを通して語られる受講生たちの記憶、忘れられない風景や言葉。人と人との新たな繋がりを描く長篇小説。 [出版社より] 著 者|柴崎友香 出版社|中央公論新社 定 価|1,900円+税 判 型|四六判・上製本 頁 数|376 ISBN|978-4-12-005876-9 発 行|2025年01月 Author 柴崎 友香 Tomoka Shibasaki 1973年大阪府生まれ。『きょうのできごと』で作家デビュー。『寝ても覚めても』で野間文芸新人賞、『春の庭』で芥川賞など受賞歴多数。著書に『その街の今は』『きょうのできごと、十年後』『千の扉』他がある。
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ゲーテはすべてを言った
¥1,760
高明なゲーテ学者、博把統一は、一家団欒のディナーで、彼の知らないゲーテの名言と出会う。 ティー・バッグのタグに書かれたその言葉を求めて、膨大な原典を読み漁り、長年の研究生活の記憶を辿るが……。 ひとつの言葉を巡る統一の旅は、創作とは何か、学問とは何か、という深遠な問いを投げかけながら、読者を思いがけない明るみへ誘う。若き才能が描き出す、アカデミック冒険譚。 [出版社より] 著 者|鈴木結生 出版社|朝日新聞出版 定 価|1,600円+税 判 型|四六判・上製本 頁 数|192 ISBN|9784022520395 発 行|2025年01月 Author 鈴木 結生 Yuui Suzuki 2001年福岡県生まれ。2024年、「人にはどれほどの本がいるか」で第十回林芙美子賞佳作を受賞。本作がデビュー作。
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DTOPIA
¥1,760
恋愛リアリティショー「DTOPIA」新シリーズの舞台はボラ・ボラ島。ミスユニバースを巡ってMr.LA、Mr.ロンドン等十人の男たちが争う──時代を象徴する圧倒的傑作、誕生。第172回芥川賞受賞作。 [出版社より] 「安堂ホセは、物語の磁石を持っている。現実世界で排除された不都合で不穏でヤバい砂つぶてのような言葉を、暴力と倫理の磁石で吸い寄せ、反発させ、交渉させ、渦巻かせる。あらゆる倫理が覆され、暴力が吹き荒れている今、「暴力から暴を取りはずす旅」の物語が出現したことは、一つの事件だ。読もう! 旅立とう! 旅によって運ばれるのは、あなた自身だ」 ──柳美里 「いくつもの物語が交じり合い、壮大な展開が繰り広げられ、「失われた歴史」が復元されるラストに感動した」 ──高橋源一郎 「強烈な皮肉とクールな文体。私たちの眼差しを切り開く手術(オペ)のような小説。どこへ連れていかれるのかわからず、ひと晩で読み終えた」 ──佐藤究 「語りと構造、ストーリーの面白さの中に、資本主義や植民地主義、ウクライナ戦争やガザでの虐殺についての鋭い批判が、当然のように滑り込む。極めて刺激的かつ、開放的。国境を越えて、世界にリコメンドしたい」 ──須藤輝彦 「この小説を読むことは自らの感性を問い直すことである。異性愛主義や人種という不適切なカテゴライズにあらがうための、必読の一作」 ──渡邉英理 「典型的な物語に閉じ込められないための強烈な意志、ねじ伏せられない悪意と復讐がこれほどまでに徹底された作品はなかなかない」 ──水上文 著 者|安堂ホセ 出版社|河出書房新社 定 価|1,600円+税 判 型|四六判・上製本 頁 数|160 ISBN|978-4-309-03928-2 初 版|2024年11月 Author 安堂 ホセ Jose Ando 1994年、東京都生まれ。『ジャクソンひとり』で第59回文藝賞を受賞しデビュー、同作で第168回芥川賞候補。
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迷彩色の男
¥1,760
ブラックボックス化した小さな事件がトリガーとなり、混沌を増す日常、醸成される屈折した怒り。快楽、恐怖、差別、暴力。折り重なる感情と衝動が色鮮やかに疾走する圧巻のクライム・スリラー。デビュー作『ジャクソンひとり』が芥川賞候補となった、いま最注目の作家による、才気ほとばしる第二作。 [出版社より] 「あまりにも他人事ではなく、渦巻いた怒りが読者の脳天に突き刺さる」 ――山﨑修平(週刊読書人8月11日号) 著 者|安堂ホセ 出版社|河出書房新社 定 価|1,600円+税 判 型|四六判・上製本 頁 数|168 ISBN|978-4-309-03141-5 発 行|2023年09月 Author 安堂 ホセ Jose Ando 1994年、東京都生まれ。『ジャクソンひとり』で第59回文藝賞を受賞しデビュー、同作で第168回芥川賞候補。
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石灰工場
¥3,245
操業停止の石灰工場でコンラートはなぜ妻を射殺したのか。人間の最も暗い深みへ読者を導く衝撃作。81年にベルンハルト初訳書として刊行された伝説的な作品を40年を経て気鋭が新訳。 [出版社より] 著 者|トーマス・ベルンハルト 訳 者|飯島雄太郎 出版社|河出書房新社 定 価|2,950円+税 判 型|四六判/上製 頁 数|256 ISBN|978-4-309-20912-8 発 行|2024年09月 Author トーマス・ベルンハルト Thomas Bernhard 1931年オーストリア生まれ。最も重要なドイツ語文学者のひとり。『消去』『凍』『破滅者』『アムラス』『地下』『昏乱』『推敲』『樵る』など。ゲオルク・ビューヒナー賞など国際的な受賞多数。1989年没。 Translator 飯島 雄太郎 Yutaro Ijima 1987年生まれ。ドイツ語圏文学。訳書、ベルンハルト『推敲』『アムラス』(共訳)、共著『モルブス・アウストリアクス オーストリア文学をめぐる16章』ほか。
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光をえがく人
¥770
SOLD OUT
東アジアのアートが照らし出す五つの物語。その一つ一つが大切な人との繋がりを浮かび上がらせる。世界の「今」を感じさせる小説集。 「ハングルを追って」 ハングルが書き込まれたアドレス帳を拾った美大事務職の江里子は、油画科の親友に相談し、ソフィ・カルにちなんで韓国へ行ってアドレス帳の持ち主を探すことに……。 「人形師とひそかな祈り」 伝統の御所人形を作り続ける正風は子どもにも弟子にも恵まれず、そろそろ工房を畳もうと考えていた。そんな折、フィリピンからの留学生を紹介され心を開いていく……。 「香港山水」 現代水墨画家の成龍は、コレクターたちのパーティに駆り出される。そこで本土の実業家の夫人・彩華と出会い、デモ隊と警察が衝突する混乱のさなかに二人は再会し……。 「写真家」 有名な写真家だった父が、記憶をなくして海外から帰国。娘は世話をしながら、母から写真家としての父の話を聞き、生涯を辿ることになる。知らなかった真実がそこに……。 「光をえがく人」 ミャンマー料理店の店主に、自国の政治犯についての話を聞くことになった。学生のころ反政府運動に加わって投獄され、劣悪な監獄生活のなかでの奇妙な体験とは……。 [出版社より] 著 者|一色さゆり 出版社|講談社[講談社文庫] 定 価|700円+税 判 型|文庫判 頁 数|300 ISBN|978-4-06-532065-5 初 版|2023年06月 Author 一色 さゆり Sayuri Isshiki 1988年、京都府生まれ。東京藝術大学美術学部芸術学科卒。香港中文大学大学院修了。2015年、『神の値段』で第14回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞して作家デビューを果たす。主な著書に『ピカソになれない私たち』、『コンサバター 大英博物館の天才修復士』からつづく「コンサバター」シリーズ、『飛石を渡れば』など。近著に『カンヴァスの恋人たち』がある。
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メメントラブドール
¥1,540
第40回太宰治賞受賞作&第46回野間文芸新人賞候補作。 私には幾つか顔がある。裏アカ男子、男の娘キャスト、院卒若手正社員――ペルソナたちがハレーションする新宿区在住20代♂の令和五年。第40回太宰治賞受賞。 ー なにもかも守れていないから私のところに来るんじゃないの。 「私」にはいくつか顔がある。マッチングアプリでノンケの男を釣って喰っては「たいちょー」として行為シーンを裏アカに上げ、平日昼間はSIer企業の院卒若手正社員「忠岡」として労働しながら、新宿区住まいの家賃のために「うたちょ」の姿で男の娘コンカフェのキャストとして立つ元“高専の姫”ポジション――ペルソナたちがハレーションする、どうしようもない人間のどうしようもない梅雨明けまでの一ヶ月。 [出版社より] 「形のない「私」を言葉で照らし出す著者の狂いのなさに、読む者は狂い出しそうになるだろう。事件は起こらない。しかしこの小説の誕生は事件だ」 ――金原ひとみ 著 者|市街地ギャオ 出版社|筑摩書房 定 価|1,400円+税 判 型|四六判/上製 頁 数|144 ISBN|978-4-480-80521-8 発 行|2024年10月 Author 市街地 ギャオ Gyao Shigaichi 1993年、大阪府生まれ。大阪府在住。2024年、「メメントラブドール」で第40回太宰治賞受賞。
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孤独への道は愛で敷き詰められている
¥1,760
SOLD OUT
闇雲な愛が孤独を暴走させ、人生の迷路が深まっていく。 アラフォーの柳田譲の前に現れた三人の女との出会いと別れ。愛を求め、また与えようとして却って孤独へと突き進んでしまう魂の悲哀を描く太宰治賞受賞後第一作。 ー 「二年半付き合った方とはどうして別れたんですか? 結婚は考えなかったんですか?」 青春なんて私にはなかった。人が当たり前にできることが何ひとつできなくて、いくつもの後悔を重ねるだけだった。ずっと何かに抑え込まれているみたいに、人の目ばかりを気にして生きていた。そんな自分を解放してくれたのが夕子さんだった。こわばった心をほぐしてくれ、自分に生きる楽しさを教えてくれた唯一人の人。そんな大切な人を、自分は手放した。(本書より) [出版社より] 「隠しておきたい心の部分を、苦しいって叫びながら、でも書くしかなかった。そんな物語だった」 ――高瀬隼子(小説家) 著 者|西村亨 出版社|筑摩書房 定 価|1,600円+税 判 型|四六判/上製 頁 数|160 ISBN|978-4-480-80520-1 発 行|2024年08月 Author 西村 亨 Ryo Nishimura 1977年鹿児島県生まれ。東京都在住。鹿児島県立鹿児島水産高等学校卒業。2023年、「自分以外全員他人」で第39回太宰治賞受賞。同年、南日本文化賞奨励賞を受賞。
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月ぬ走いや、馬ぬ走い
¥1,650
第67回群像新人文学賞受賞!新たな戦争の時代に現れた圧倒的才能!21歳の現役大学生、衝撃のデビュー作。先祖の魂が還ってくる盆の中日、幼い少年と少女の前に、78年前に死んだ日本兵の亡霊が現れる――。時空を超えて紡がれる圧巻の「語り」が、歴史と現在を接続する。 「読んだものを茫然とさせ、彼のいままでを氷づけにし、そのうえで、読むことをとおしてあたらしい魂を宿らせる、そんな小説でありたい……テクストでの魂込め(まぶいぐみ)とでも呼ぶべきところが、ぼくの目標です」 ——豊永浩平(受賞のことば) ぼくがここにいて、そしてここはどんな場所で、なによりここでぼくはこうして生きてきた、ってことを歌って欲しいんだ、ほとばしるバースはライク・ア・黄金言葉(くがにくとぅば)、おれらは敗者なんかじゃねえぞ刻まれてんのさこの胸に命こそ宝(ぬちどぅたから)のことばが、月ぬ走いや、馬ぬ走いさ! [出版社より] 「島尾敏雄ほか先人のエコーを随所に響かせながら、沖縄に深く堆積したコトバの地層を掘り返し、数世代にわたる性と暴力の営みを、『フィネガンズ・ウェイク』的な猥雑さで、書きつけた作品。Z世代のパワフルな語部の登場を歓迎する」 ―― 島田雅彦 「十四章の構成で沖縄の近現代史を描き切る、しかも連関と連鎖、いわば「ご先祖大集合、ただし無縁者も多い」的な賑わいとともに描き切る、という意図はものになった、と私には感じられた。/この小説はほぼ全篇、ある意味では作者自身のものではない言葉で綴られていて、だからこそ憑依的な文体を自走させている。つまり、欠点は「長所」なのだ、と私は強弁しうる。要するにこの「月ぬ走いや、馬ぬ走い」は小さな巨篇なのだ」 ―― 古川日出男 著 者|豊永浩平 出版社|講談社 定 価|1,500円+税 判 型|四六判/上製 頁 数|160 ISBN|978-4-06-536372-0 初 版|2024年07月 Author 豊永 浩平 Kohei Toyonaga 2003年、沖縄県那覇市生まれ。現在、琉球大学在学中。本作で第67回群像新人文学賞を受賞。
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そこのみにて光輝く
¥825
危険な夢に賭けた生の痛々しい輝きが北の海にきらめく。 にがさと痛みの彼方に生の輝きをみつめつづけながら生き急いだ作家・佐藤泰志がのこした唯一の長篇小説にして代表作。青春の夢と残酷を結晶させた伝説的名作が二十年をへて甦る。映画化。 [出版社より] 著 者|佐藤泰志 出版社|河出書房新社[河出文庫] 定 価|750円+税 判 型|文庫判/並製 頁 数|256 ISBN|978-4-309-41073-9 初 版|2011年04月 Author 佐藤 泰志 Yasushi Sato 1949年、北海道・函館生まれ。高校時代より小説を書き始める。「きみの鳥はうたえる」で81年下半期芥川賞候補になり、以降4回、同賞候補に。89年『そこのみにて光輝く』で三島賞候補。90年、自死。
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きみの鳥はうたえる
¥715
SOLD OUT
世界に押しつぶされないために真摯に生きる若者たちを描く青春小説の名作。新たな読者の支持によって復活した作家・佐藤泰志の本格的な文壇デビュー作であり、芥川賞の候補となった初期の代表作。 [出版社より] 著 者|佐藤泰志 出版社|河出書房新社[河出文庫] 定 価|650円+税 判 型|文庫判/並製 頁 数|240 ISBN|978-4-309-41079-1 初 版|2011年05月 Author 佐藤 泰志 Yasushi Sato 1949年、北海道・函館生まれ。高校時代より小説を書き始める。「きみの鳥はうたえる」で81年下半期芥川賞候補になり、以降4回、同賞候補に。89年『そこのみにて光輝く』で三島賞候補。90年、自死。
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百年と一日
¥792
SOLD OUT
映画館、喫茶店、地下街の噴水広場、島、空港……様々な場所の人間と時間の不思議を描き話題となった新感覚の物語集。一篇を増補。解説=深緑野分。 [出版社より] 著 者|柴崎友香 出版社|筑摩書房[ちくま文庫] 定 価|720円+税 判 型|文庫判/並製 頁 数|240 ISBN|978-4-480-43943-7 発 行|2024年03月 Author 柴崎 友香 Tomoka Shibasaki 1973年大阪生まれ。2000年に初の単行本『きょうのできごと』を上梓(03年に映画化)。07年に『その街の今は』で芸術選奨文部科学大臣新人賞、織田作之助賞大賞、咲くやこの花賞、10年に『寝ても覚めても』で野間文芸新人賞(18年に映画化)、14年に『春の庭』で芥川賞を受賞。他の小説作品に『続きと始まり』『待ち遠しい』『千の扉』『パノララ』『わたしがいなかった街で』『虹色と幸運』『ビリジアン』、エッセイに『大阪』(岸政彦との共著)『よう知らんけど日記』などがある。
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物語ることの反撃——パレスチナ・ガザ作品集
¥2,992
現代パレスチナを代表する詩人が編み遺した、ガザの若き作家たちによる23篇。過酷な「日常」を書き留め、暴力と占領に物語ることで抵抗する、魂の作品集。 2023年12月、イスラエル軍の空爆によって命を落としたパレスチナの詩人、リフアト・アルアライール。忘却に抗うため、そして想像力によってあたらしい現実を立ち上げるため、彼が私たちに届けた、23の反撃の物語。 [出版社より] 編 者|リフアト・アルアライール 訳 者|藤井光 監修・解説|岡真理 出版社|河出書房新社 定 価|2,720円+税 判 型|四六判・上製 頁 数|268 ISBN|978-4-309-20911-1 初版|2024年12月 Contents わたしが死なねばならないとしても リフアト・アルアライール アリー・アブーニァマによる序文 編者による序文 用語解説 Lは生命(ライフ)のL ハナーン・ハバシー 戦争のある一日 ムハンマド・スリーマーン 助かって ラワーン・ヤーギー カナリア ヌール・アル= スースィ 土地の物語 サーラ・アリー ガザで歯が痛い サミーハ・エルワーン 僕は果たして出られるのか? ヌール・アル=スースィ ある壁 ラワーン・ヤーギー 不眠症への願い ヌール・エル・ボルノ 包み ムハンマド・スリーマーン ひと粒の雨のこと リフアト・アルアライール 撃つときはちゃんと殺して ジーハーン・アルファッラ オマル・X ユーセフ・アルジャマール 我々は帰還する ムハンマド・スリーマーン 下から ラワーン・ヤーギー 十五分だけ ワファー・アブー・アル= コンボズ 家 リフアト・アルアライール ネバーランド タスニーム・ハンムーダ あっというまに失って イルハーム・ヒッリース ぼくのパンなんだ タスニーム・ハンムーダ かつて、夜明けに シャフド・アワダッラー 老人と石 リフアト・アルアライール 傷痕 アーヤ・ラバフ 作者たち 謝辞 訳者あとがき 解説 岡真理 Author リフアト・アルアライール رفعت العرعير Refaat Alareer パレスチナの詩人・文学研究者・活動家。ガザ・イスラーム大学卒業後、ロンドン大学にて比較文学の修士号を取得。その後ガザ・イスラーム大学にて世界文学、比較文学を教えた。2023年、空爆により殺害された。 Translator 藤井 光 Hikaru Fujii 1980年生まれ。英文学者、翻訳家。東京大学文学部・人文社会系研究科現代文芸論研究室准教授。訳書にアンソニー・ドーア『すべての見えない光』、コルソン・ホワイトヘッド『ニッケル・ボーイズ』ほか多数。 Commentary 岡 真理 Mari Oka 1960 年生まれ。東京外国語大学大学院修士課程修了。エジプト・カイロ大学留学。早稲田大学文学学術院教授、京都大学名誉教授。専門は現代アラブ文学、パレスチナ問題。著書に『ガザとは何か』などがある。
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持続可能な魂の利用
¥836
会社に追いつめられ、無職になった三十女が、女性アイドルに恋して日本の絶望を粉砕!? 現実を生き抜くための最高エネルギーチャージ小説。解説=松尾亜紀子。 [出版社より] 著 者|松田青子 出版社|中央公論新社[中公文庫] 定 価|760円+税 判 型|文庫判・並製 頁 数|280 ISBN|978-4-12-207369-2 初 版|2023年05月 Author 松田 青子 Aoko Matsuda 1979年、兵庫県生まれ。同志社大学文学部英文学科卒業。2013年、デビュー作『スタッキング可能』が三島由紀夫賞及び野間文芸新人賞候補に、14年にTwitter文学賞第1位となり、19年には『ワイルドフラワーの見えない一年』収録の「女が死ぬ」(英訳:ポリー・バートン)がアメリカのシャーリィ・ジャクスン賞短編部門の候補となった。