-
ベルリン・オリンピック反対運動[OUTLET]
¥1,430
50%OFF
50%OFF
ナチスが大々的に関与して国際政治の抗争の場になった1936年のベルリン・オリンピックについては、ドイツの政治・外交との関係や宣伝・映像・芸術の実態など、様々な角度から論じられてきた。 このオリンピックに対してイギリスは反対運動を展開したが、その実像は明らかにされてこなかった。そこで本書では、まず反対運動でイニシアチブを握ったイギリス労働者スポーツ協会の活動を史料から掘り起こす。さらに、フィリップ・ノエル=ベーカーとウォルター・シトリーンの2人に焦点を当てて、彼らの理念や抱えた矛盾も踏まえて反対運動の内実を照らし出す。 バルセロナ人民オリンピアードとの距離感、オリンピック憲章擁護の闘い、ナチ・スポーツ独裁批判――オリンピックという巨大イベントにそれぞれの立場から反対運動を展開した歴史のアクターを追尾し、現代のオリンピックの問題点をも浮き彫りにする。 [出版社より] 著 者|青沼裕之 出版社|青弓社 定 価|2,600円+税 判 型|四六判/上製 頁 数|224 ISBN|978-4-7872-2089-9 発 行|2020年05月 Contents 序 章 なぜベルリン・オリンピック反対運動を研究するのか 1 国家プロジェクトとしてのオリンピックとパラリンピック 2 ベルリン・オリンピック研究の蓄積 3 本書の課題 第1章 イギリスのベルリン・オリンピック反対運動 1 国際的なベルリン・オリンピック反対運動の開始 2 イギリスのベルリン・オリンピック反対運動の起点 3 イギリス・ドイツ対抗フットボール・マッチへの反対とベルリン・オリンピック・ボイコットの提案 4 赤色スポーツインター国際協議会(プラハ)へのイギリス代表参加 5 国際フェアプレー委員会パリ国際会議へのイギリス代表参加 6 バルセロナ人民オリンピアードへの参加準備とスペイン内戦による中止 7 その後の祭典とスペイン支援 第2章 ノエル=ベーカーによるオリンピック憲章擁護の闘い 1 ノエル=ベーカーによる最初の問い合わせ(一九三三年五月) 2 ノエル=ベーカーとハロルド・エイブラハムズの往復書簡 3 ノエル=ベーカーへの反対運動援助の要請 4 ノエル=ベーカーが投書を「タイムズ」に公表しなかった理由 5 エイブラハムズの主張とイギリス・オリンピック協議会の決定 6 ノエル=ベーカーの二通の投書 7 「マンチェスター・ガーディアン」に掲載されたモンタギューの論説 8 ノエル=ベーカーの投書に対する国内外の反響 9 一九三六年前半のベルリン・オリンピック参加をめぐる動向 10 ノエル=ベーカーの決断の歴史的意義 補 論 ノエル=ベーカー文書に収められた亡命者によるナチ・スポーツ情報 1 亡命ドイツ人の活動とナチ・スポーツ情報の発信 2 亡命者によるナチ・スポーツ情報の要点と特徴 3 ノエル=ベーカーの論述の論拠となった亡命者によるナチ・スポーツ情報 第3章 ウォルター・シトリーンのナチ・スポーツ独裁批判 1 イギリス・ドイツ対抗フットボール・マッチとシトリーン 2 シトリーンのパンフレット『ヒトラーの支配下に』 3 国際フェアプレー委員会とシトリーン 4 バルセロナ人民オリンピアードとシトリーン 5 国際労働運動の指導者としてのシトリーンの判断 終 章 イギリスのベルリン・オリンピック反対運動の思想と行動 主要参考文献 あとがき Author 青沼 裕之 Hiroyuki Aonuma 1958年、長野県生まれ。武蔵野美術大学教授。専攻はイギリススポーツ史。著書に『イギリス労働者スポーツ運動史――一九二三―五八年』(青弓社)、共著に『体育・スポーツの近現代――歴史からの問いかけ』(不昧堂出版)、『幻の東京オリンピックとその時代――戦時期のスポーツ・都市・身体』(青弓社)など。
-
アニメオタクとビデオの文化社会学
¥3,080
1980年代に拡大したビデオというメディアは、オタク文化の代表とも見なされるアニメの視聴経験をどのように変えていったのか。アニメオタクはビデオを利用することを通じて、どのような映像文化を形成し、そこにはいかなる社会的な意味があったのか。 1970年代後半から80年代のアニメブームと呼ばれる時期に焦点を当て、「ビデオジャーナル」「アニメージュ」「Animec」「アニメV」などの雑誌を読み込んで、アニメファンのビデオ利用によってアニメが個人の趣味として立ち現れるようになったプロセスを描き出す。 ビデオがアニメの保存や操作を可能にしたことでファンの交流を促して、「趣味としてのアニメ」の新たな流通経路を作り出し、それが個人の収集(コレクション)やレンタル市場の形成につながっていった。ファン・産業・技術が絡み合いながらアニメ独自の市場を形成した1980年代のうねりを照らし出し、ビデオが切り開いた映像経験の文化的なポテンシャルを明らかにする。 [出版社より] 著 者|永田大輔 出版社|青弓社 定 価|2,800円+税 判 型|A5判/並製 頁 数|280 ISBN|978-4-7872-3545-9 発 行|2024年09月 Contents 序 章 映像を趣味にする経験とビデオ技術 1 オタクとビデオの結び付き 2 アニメというファン領域 3 本書の分析資料 4 本書の構成 第1部 アニメを趣味にする条件とビデオ技術 第1章 ビデオのファン利用とオタクという主体 1 本書の問いをめぐる議論の配置 2 オタクとビデオの関連性について 3 ビデオを取り扱うことの意義づけ 4 ビデオをめぐるメディア論的視点 5 アニメという対象 第2章 ビデオにおける「教育の場」と「家庭普及」――一九六〇年代後半―七〇年代の業界紙「ビデオジャーナル」にみる普及戦略 1 ビデオ受容をめぐる諸議論 2 資料の特性 3 教育の場とビデオ 4 「教育」と「家庭」の間 5 結論 第3章 「テレビを保存する」ことと読者共同体の形成――アニメ雑誌「アニメージュ」を事例として 1 「テレビを保存するという実践の成立」と「新たなアニメファン」 2 「テレビを保存する」ことの前提条件 3 「テレビを録る」ということを軸とした読者共同体の形成 第2部 アニメが「独自の趣味」になる過程とビデオ技術 第4章 アニメ雑誌における「第三のメディア」としてのOVA――一九八〇年代のアニメ産業の構造的条件に着目して 1 本章で取り扱う分析資料 2 OVAをめぐる構造的条件 3 「第一のメディア」と「第二のメディア」 4 「第三のメディア」としてのOVA 5 結論 第5章 コンテンツ消費における「オタク文化の独自性」の形成過程――一九八〇年代のビデオテープのコマ送り・編集をめぐる語りから 1 「オタク文化の独自性」をめぐる先行研究・分析視角・分析対象 2 ビデオデッキの普及環境に関して 3 コマ送りが可能とする視聴実践 4 形成される相互循環 5 結論 第6章 アニメの制度化のインフラとしてのアニメ制作者の形成――一九七〇―八〇年代の労働規範に着目して 1 アニメーターの職務概要 2 分析枠組みと資料の分析上の位置づけ 3 アニメブーム期の労働を読み解く視点 4 制作者の労働規範の変容 5 結論 第3部 ビデオを通じて再定式化される「オタク」経験とアニメ文化 第7章 ビデオをめぐるメディア経験の多層性――「コレクション」とオタクのカテゴリー運用をめぐって 1 「オタクの代表」の宮﨑勤 2 一九八九年時点のビデオの社会的配置と有徴性 3 「真のオタク」ではない宮﨑勤 4 変容するコレクションの意味論 5 結論――オタクが語られだす論理 第8章 ビデオ受容空間の経験史――「趣味の地理学」と一九八〇年代のアニメファンの経験の関係から 1 先行研究 2 コンテンツ受容空間と経験史 3 有徴な空間としてのビデオ店 4 レンタルビデオ店経験の両義性 5 ビデオ店利用の個別性 終 章 映像視聴の文化社会学に向けて 1 ビデオが開いた映像視聴経験とアニメファン 2 メディア文化にビデオ技術がもたらしたもの 3 コレクションのメディア論 4 子どもの民主主義とオタク文化――「共同視聴」の文化社会学に向けて 引用・参考文献 あとがき Author 永田 大輔 Daisuke Nagata 1985年、栃木県生まれ。明星大学など非常勤講師。専攻はメディア論、文化社会学、映像文化論、労働社会学。共編著に『アニメと場所の社会学――文化産業における共通文化の可能性』『アニメの社会学――アニメファンとアニメ制作者たちの文化産業論』『消費と労働の文化社会学――やりがい搾取以降の「批判」を考える』(いずれもナカニシヤ出版)、共著に『産業変動の労働社会学――アニメーターの経験史』(晃洋書房)、『ビデオのメディア論』(青弓社)、論文に「「二次創作」はいかなる意味で「消費」であるのか――大塚英志の消費論を中心に」(「日本研究」第65号)など。
-
妾と愛人のフェミニズム——近・現代の一夫一婦の裏面史
¥3,080
SOLD OUT
一夫一婦制度が確立した明治期から2010年代までの新聞・雑誌や文学を精読し、ときに「純粋な恋愛の遂行者」として知識人に称賛され、ときに「眉をひそめられる不道徳な存在」として排除された女性たちの存在に光を当てるフェミニズム研究の裏面史。 ー 夫婦関係に不和を生じさせる存在、倫理にもとるものとして現在ではタブー視されている「愛人」や、かつて「妾」と呼ばれた人たちは、どのような女性だったのか。 フェミニズムの分野で「妾」や「愛人」が議論の対象にされてこなかったことに疑問をもった著者が、明治期から2010年代までの「妾」と「愛人」にまつわる「読売新聞」や「週刊文春」の記事分析と文学作品の読解を通して、時代ごとに形作られた社会的イメージの変遷をたどっていく。 森鴎外や尾崎紅葉の小説に描かれる近代男性の妾囲い、有島武郎と波多野秋子などの大正期に新聞紙上をにぎわせた知識人の愛人関係、太宰治「斜陽」で「道徳革命」を成就させる戦後の愛人、「嫉妬する妻」による刃傷沙汰事件、「おいしい生活」を望む女性たちの間で流行した愛人バンク、政治家の「女房役」やハイクラス男性のビジネスパートナーとしての愛人、2000年代以降の政治家のスキャンダルのなかで性的に消費される愛人像などを取り上げ、近・現代日本に現れる「妾」と「愛人」像と、その評価を詳細に検討する。 一夫一婦制度が確立した明治期以降、ときに「純粋な恋愛の遂行者」として近代知識人に称賛され、ときに「眉をひそめられる不道徳な存在」として排除された女性たちの存在に光を当てるフェミニズム研究の裏面史。 [出版社より] 著 者|石島亜由美 出版社|青弓社 定 価|2,800円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|280 ISBN|978-4-7872-3517-6 発 行|2023年03月 Contents はじめに 第1章 明治の妾――一夫一婦の裏面の妾という存在 1 法制度からみる妾の位置づけ 2 妾の近代文化 3 文学に描かれた妾 第2章 戦前の愛人――恋愛をする人 1 近代日本フェミニズムの出発点――恋愛/一夫一婦/妾の否定 2 愛人の登場――一九一〇年代まで 3 一九二〇年代の愛人像――文学作品・婦人雑誌・新聞から 第3章 一九三〇年代の妻と妾――妻の嫉妬と閉塞感 1 「嫉妬する妻」の構築 2 一九三〇年代の「妻」「妾」の身の上相談 第4章 戦後の愛人――働く女性、性的存在、不道徳な存在 1 戦後愛人の原型――一九四〇年代後半から五〇年代 2 週刊誌のなかの愛人 初出一覧 おわりに Author 石島 亜由美 Ayumi Ishijima 1980年、栃木県生まれ。城西国際大学大学院人文科学研究科女性学専攻(修士課程)修了、比較文化専攻(博士課程)単位取得満期退学。博士(比較文化)。専攻は女性学、東洋医学。はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師。共著に『ジェンダーの視点からみる日韓近現代史』(梨の木舎)、『韓流サブカルチュアと女性』(至文堂)、論文に「私にとっての「女性学」という場――水田宗子の女性学と草創期の議論を再考して」(「WAN女性学ジャーナル」2019年)、「近代日本における「妾」に関する新聞記事のジェンダー分析――「嫉妬」の社会的構築と「妻」の危機・「妾」の排除」(「女性学」第25号)、「「夫」「妻」「妾」近代的主体とジェンダー文化の構築」(「女性・戦争・人権」第14号)など。
-
選挙との対話
¥1,980
SOLD OUT
「あなたにとって選挙とは?」 「政治参加の手段?」「民主主義の根幹?」、それとも「行っても/行かなくても変わらないもの……?」 近年、国内外を問わず、選挙のあり方そのものが問われる事態が相次いで起こっている。こうした状況のなかで、選挙に関して「科学的に」わかっていることはなんなのか。またそれを知ることは、私たちの生活にどのように関係してくるのだろうか。 2009年以降、自民党の勝利が続く日本の国政選挙について、政治学やデータ分析の専門家たちはどのように見ているのか。国際的にみて女性の社会進出が遅れているといわれている日本の現状は? またそれを取り巻くメディアの状況は? そして、若い世代が感じている日本の選挙のリアルとは? 科学的な分析に加え、杉並区長へのインタビューやお互いの話を聴き合いながら思索を深める哲学対話から、選挙を、そして政治をより身近にたぐり寄せるためのさまざまなヒントをちりばめた、すべての世代に向けた選挙の新しい入門書。 [出版社より] 編著者|荻上チキ 出版社|青弓社 定 価|1,800円+税 判 型|A5判/並製 頁 数|180 ISBN|978-4-7872-3546-6 初 版|2024年10月 Contents まえがき 荻上チキ 第1章 なぜ自民党は強いのか?――政治に不満をもつのに与党に投票する有権者 飯田 健 1 自民党の強さ 2 自民党の強さの原因 3 政治に不満をもつにもかかわらず自民党に投票する有権者 4 自民党が負けるシナリオ? 第2章 選挙制度は日本の政治にどう影響しているのか?――自民党一党優位の背景を説明する 菅原 琢 1 自民党の「強さ」の謎 2 もくろみが外れた衆院選挙制度改革 3 小選挙区比例代表並立制が促す終わらない政界再編 4 並立制の解は政党間の協力 5 自民党一党優位は絶対ではない 第3章 なぜ野党は勝てないのか?――感情温度や政党間イメージについて 秦 正樹 1 「野党はふがいない」と言われ続ける理由 2 世論の野党への認識:1――感情温度を用いた分析 3 世論の野党への認識:2――イデオロギーを用いた分析 4 世論の野党への認識:3――政権担当能力評価 5 野党の今後を考える 第4章 なぜ女性政治家は少ないのか?――政治とジェンダー、政治家のメディア表象について 田中東子 1 新聞はどのように女性政治家を報じてきたのか 2 ポピュラー文化と女性リーダーの表象 3 「すべての女性たち」が政治の場で活躍できる社会とは 第5章 政治家にとって対話とは何か?――杉並区長・岸本聡子インタビュー 岸本聡子(聞き手:永井玲衣/荻上チキ) 第6章 私たちはどうやって投票先を決めているのか?――日本の有権者についてわかっていること、データからわかること 大村華子 1 私たちの投票は何によって決まっているのか 2 日本の有権者の投票は何によって決まっているのか 3 データを使ったら、どんなことがわかるのか 第7章 私たちにとって選挙とは何か?――選挙をめぐる哲学対話 永井玲衣/荻上チキ あとがき 荻上チキ Editor & Author 荻上 チキ Chiki Ogiue 評論家。メディア論を中心に、政治経済、社会問題、文化現象まで幅広く論じる。ストップいじめ!ナビ代表理事。社会調査支援機構チキラボ所長。ラジオ番組「荻上チキ・Session」(TBSラジオ)メインパーソナリティ。「荻上チキ・Session-22」で、2015年度ギャラクシー賞DJパーソナリティ賞、2016年度ギャラクシー賞大賞を受賞。著書に『社会問題のつくり方』(翔泳社)、『いじめを生む教室』(PHP研究所)、『災害支援手帖』(木楽舎)など。
-
ビデオのメディア論
¥1,980
1980年代以降、テレビ番組を録画・再生できるビデオデッキが普及したことでタイムシフト視聴が可能になり、ビデオは私たちの映像経験に大きな変容をもたらした。ビデオはどう受容され、メディアとしてどのような射程をもっていたのか。 放送技術であるビデオがニューメディアとして注目されるプロセス、教育現場での受容から家庭への普及、音楽ファンのエアチェック文化とミュージックビデオ受容の連続性、アニメファンのビデオ受容、レンタルビデオ店の成立とそれを可能にした条件――。録画・編集・流通・所有・交換・視聴・消費など、様々な視点からビデオのメディア史に光を当てて、ビデオの社会的な受容の複数性と映像経験の多層性を明らかにする。 DVDの登場や「Netflix」などの定額制の動画配信サービス、各種の動画共有サービスに目配りしながらも、ビデオというメディアの固有性とかつてあった可能性を歴史から掘り起こす。 [出版社より] 著 者|永田大輔・近藤和都・溝尻真也・飯田豊 出版社|青弓社[青弓社ライブラリー] 定 価|1,800円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|256 ISBN|978-4-7872-3513-8 初 版|2022年10月 Contents 序 章 ビデオのメディア論に向けて 永田大輔/近藤和都/溝尻真也/飯田 豊 1 拡張する映像文化とビデオ 2 映像の文化社会学から、ビデオのメディア論へ 3 拡散するビデオ研究とその体系化の困難 4 ビデオの普及/利用をめぐる歴史社会的文脈 5 本書の視角と限界 6 本書の構成 第1部 ビデオのメディア考古学 第1章 放送技術からニューメディアへ――一九五〇―六〇年代における「ビデオ」概念の拡張 飯田 豊 1 ビデオとはテレビである 2 放送技術としてのビデオテープ――初期の放送用VTRの利用 3 作り手と送り手の分離――番組制作会社の誕生 4 ビデオはテレビではない――コミュニケーションのためのニューメディアへ 5 「ビデオ・パッケージ旋風」――視聴者のためのニューメディアへ 第2章 ビデオにおける「教育の場」と「見ること」――一九六〇年代後半―七〇年代の業界紙「ビデオジャーナル」にみる普及戦略を中心に 永田大輔 1 ビデオ受容をめぐる諸議論 2 資料の特性 3 教育とビデオ 4 「教育」と「家庭」の距離 5 結論 第2部 ビデオの社会的受容 第3章 放送番組の保存と所有をめぐる系譜学――一九七〇―八〇年代の音楽ファンとエアチェック文化 溝尻真也 1 エアチェックの流行と感覚の変容 2 一九六〇―七〇年代のラジオ 3 ラジカセの普及とエアチェックの拡大 4 ミュージックビデオ番組とビデオエアチェック 5 「楽しさ」がもたらすメディア普及 第4章 「ビデオが普及すること」が作り出すファン経験の変容過程――一九七〇―八〇年代のアニメ雑誌を素材として 永田大輔 1 普及を経験するということ 2 一般理論としての「普及理論」 3 ビデオ普及の諸特性 4 アニメファンにとっての普及経験 5 結論 第5章 レンタルビデオ店という文化装置――店舗の大規模化を介した旧作ソフトの価値転換 近藤和都 1 レンタルビデオ店の生成 2 違法店から正規店へ 3 「レンタル生活様式」の形成 4 複合化・大規模化するレンタルビデオ店 終 章 ビデオのその後と現在 溝尻真也 1 「ビデオの時代」の始まりと終わり 2 デジタル化される映像 3 撮る技術としてのビデオカメラの展開 4 「YouTube」とSNSの時代にビデオを問い直す 補 論 ビデオとは何か?――その基本的な特徴と歴史 溝尻真也 1 映像記録装置としてのフィルムとビデオ 2 ビデオの基本的な特徴 3 オープンリール式からカセット式へ 4 規格統一と企業間競争 Author 永田 大輔 Daisuke Nagata 1985年、栃木県生まれ。明星大学など非常勤講師。専攻はメディア論、文化社会学、映像文化論、労働社会学。共編著に『アニメの社会学』『消費と労働の文化社会学』(ともにナカニシヤ出版)、共著に『産業変動の労働社会学』(晃洋書房)、論文に「コンテンツ消費における「オタク文化の独自性」の形成過程」(「ソシオロジ」第59巻第3号)など。 近藤 和都 Kazuto Kondo 1989年、愛知県生まれ。大妻女子大学社会情報学部准教授。専攻はメディア研究。著書に『映画館と観客のメディア論』(青弓社)、共編著に『技術と文化のメディア論』(ナカニシヤ出版)など。 溝尻 真也 Shinya Mizojiri 1979年生まれ、福岡県出身。目白大学メディア学部准教授。専攻はメディア論、文化社会学、ポピュラー音楽研究。共著に『音楽化社会の現在』(新曜社)、『スクリーン・スタディーズ』(東京大学出版会)、『改訂版 メディア技術史』(北樹出版)など。 飯田 豊 Yutaka Iida 1979年、広島県生まれ。立命館大学産業社会学部教授。専攻はメディア論、メディア技術史、文化社会学。著書に『テレビが見世物だったころ』(青弓社)、『メディア論の地層』(勁草書房)、共著に『新版 メディア論』(放送大学教育振興会)など。
-
アイドルについて葛藤しながら考えてみた
¥1,760
「恋愛禁止」と異性愛規範、「卒業」制度に表れるエイジズムなど、アイドルというジャンルは演者に抑圧を強いる構造的な問題を抱え続けている。アイドルの可能性と問題性について、手放しの肯定でも粗雑な否定でもなく、「葛藤しながら考える」ための試論集。 ー 今日、アイドルは広く普遍的な人気を獲得し、多様なスタイルや可能性をもつジャンルとしても注目されている。しかし、同時に多くの難点を抱え込んでいることも見過ごせない。 暗黙の「恋愛禁止」ルールとその背景にある異性愛主義、「年齢いじり」や一定の年齢での「卒業」という慣習に表れるエイジズム、あからさまに可視化されるルッキズム、SNSを通じて四六時中切り売りされるパーソナリティ……。アイドルというジャンルは、現実にアイドルとして生きる人に抑圧を強いる構造的な問題を抱え続けている。スキャンダルやトラブルが発生して、旧態依然ともいえるアイドル界の「常識」のあり方が浮き彫りになるたび、ファンの間では答えが出ない議論が繰り返されている。 その一方で、自らの表現を模索しながら主体的にステージに立ち、ときに演者同士で連帯して目標を達成しようとするアイドルたちの実践は、人々をエンパワーメントするものでもある。そして、ファンのなかでも、アイドル本人に身勝手な欲望や規範を押し付けることと裏表でもある「推す」(≒消費する)ことに対して、後ろめたさを抱く人が増えている。 本書では、「推している」がゆえにジャンルが抱える問題から目をそらすのではなく、かといって、現に日々活動を続ける一人ひとりのアイドルの存在を無視して「アイドル」そのものを「悪しき文化」として非難するのでもなく、「アイドルを好きでいること」と問題点の批判的な検討との両立を目指す。 乃木坂46やAKB48、ハロー!プロジェクト、二丁目の魁カミングアウトなどの具体的なアイドルの実践を取り上げる批評から、「推す」という行為のもつ功罪を問い直す論考、近年K-POPアイドルシーンで盛んな「女性が憧れる女性像」である「ガールクラッシュ」コンセプトの内実を検討するレビューまで、様々な視点から「葛藤しながらアイドルを語る」ことの可能性を浮き彫りにする。 [出版社より] 編 著|香月孝史・上岡磨奈・中村香住 出版社|青弓社 定 価|1,600円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|228 ISBN|978-4-7872-7449-6 初 版|2022年07月 Contents はじめに 香月孝史 序 章 きっかけとしてのフェミニズム 中村香住 第1章 絶えざるまなざしのなかで――アイドルをめぐるメディア環境と日常的営為の意味 香月孝史 1 日常化するドキュメンタリー 2 〈見る/見られる〉の先にあるもの 3 承認と消費の間で葛藤すること 第2章 「推す」ことの倫理を考えるために 筒井晴香 1 問題設定とこれまで論じた事柄について 2 「推し活」の問題とアイドル 3 「推す」ことの倫理を考えるために 第3章 「ハロプロが女の人生を救う」なんてことがある? いなだ易 1 ハロプロの特色とその受容 2 ハロプロの音楽は「女の人生を救う」か 3 アイドルたちの「女の人生」 第4章 コンセプト化した「ガールクラッシュ」はガールクラッシュたりえるか?――「ガールクラッシュ」というコンセプトの再検討 DJ泡沫 1 「ガールクラッシュ」とはそもそも何か 2 韓国での「ガールクラッシュ」コンセプトの誕生と内包されるイメージ 3 K―POPにおける女性アイドルの女性ファンに対するレッテルの歴史 4 女性ファンたちが自ら選んで愛した女性アイドルと楽曲たち 第5章 キミを見つめる私の性的視線が性的消費だとして 金巻ともこ 1 世界はひどくて悲しい暴力に満ちている 2 キミを見つめる目ははたして暴力なのか 第6章 クィアとアイドル試論――二丁目の魁カミングアウトから紡ぎ出される両義性 上岡磨奈 1 「当たり前」に対するわだかまり 2 「異性」としてのアイドル 3 フォロワー/カウンターとしてのゲイアイドル 4 異性愛主義とゲイアイドル 5 ジェンダーに対する無関心 6 アイドルとジェンダー、セクシュアリティ 第7章 「アイドル」を解釈するフレームの「ゆらぎ」をめぐって 田島悠来 1 疑似恋愛の対象としての「アイドル」 2 メディア空間・言説からみる「アイドル/ファン」の姿 第8章 観客は演者の「キラめき」を生み出す存在たりうるのか――『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』を通して「推す」ことの葛藤を考える 中村香住 1 観客が演者のパーソナリティや関係性を「消費」することの功罪 2 『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』における「二・五次元」コンテンツの枠組みの更新 3 舞台少女の「キラめき」を生み出す「燃料」とは何か 4 観客(オーディエンス)が演者(パフォーマー)を舞台に立たせるとはどういうことか 5 キリンはサプライズがお好き? 6 キリンが「舞台少女」と「普通」の「女の子」を執拗に区別することの意味 7 なぜ、それでも「舞台少女」を続けるのか 8 「舞台少女」と「舞台創造科」との共犯関係 第9章 もしもアイドルを観ることが賭博のようなものだとしたら――「よさ」と「よくなさ」の表裏一体 松本友也 1 「アイドルを観る」とはどのような行為なのか 2 賭博の美学性、観ることの賭博性 3 アイドルの「アマチュア性」がもたらす賭博的緊張 4 「わたしたちと同じ身体」による期待の裏切り 5 「賭ける」ことと「推す」こと 6 賭博的な快の裏に隠されるもの 7 「生身」への欲望を制限すること、またその困難 おわりに 上岡磨奈 Editor 香月 孝史 Takashi Katsuki 1980年、東京都生まれ。東京大学大学院学際情報学府博士課程単位取得退学。ポピュラー文化を中心にライティング・批評を手がける。著書に『乃木坂46のドラマトゥルギー』『「アイドル」の読み方』(ともに青弓社)、共著に『社会学用語図鑑』(プレジデント社)など。 上岡 磨奈 Mana Kamioka 1982年、東京都生まれ。慶應義塾大学大学院社会学研究科後期博士課程。専攻は文化社会学、カルチュラルスタディーズ。共著に『「趣味に生きる」の文化論』(ナカニシヤ出版)、論文に「アイドル音楽の実践と強制的異性愛」(「ポピュラー音楽研究」第25号)、「アイドル文化における「チェキ」」(「哲学」第147号)など。 中村 香住 Kasumi Nakamura 1991年、神奈川県生まれ。慶應義塾大学文学部・同大学大学院社会学研究科非常勤講師。専攻はジェンダー・セクシュアリティの社会学。共著に『ガールズ・メディア・スタディーズ』『ふれる社会学』(ともに北樹出版)、『「百合映画」完全ガイド』(星海社)、『私たちの「戦う姫、働く少女」』(堀之内出版)、論文に「クワロマンティック宣言」(「現代思想」2021年9月号)、「「女が女を推す」ことを介してつながる女ヲタコミュニティ」(「ユリイカ」2020年9月号)、「フェミニズムを生活者の手に取り戻すために」(「新社会学研究」第2号)など。
-
葬儀業界の戦後史——葬祭事業から見える死のリアリティ[OUTLET]
¥1,300
50%OFF
50%OFF
SOLD OUT
「人の不幸でお金をとる」と長らく批判され、また遺体を扱う事業として蔑視されてきた葬祭業者たちは、葬儀をサービス業としてどのように成立させたのか。フィールドワークの成果も織り込んで、知られざる葬祭業の戦後史と私たちの死生観の変容を描き出す。 ー エンディングノートや終活への着目は、生前に自身の葬儀などに関心を持つ人々の増加を示しているが、ライフスタイルの変化から「葬儀は不要/シンプルに」という志向も支持を集めている。葬儀は、いつの間にか人々の志向に応じて変えられると見なされるようになった。 いまでこそ葬祭業はサービス業だと思われているが、戦後の葬祭業界は「人の不幸でお金をとる」と長らく批判され、また遺体を扱う事業として蔑視されてきた。葬祭業者たちは、批判に対応して自身の仕事をどう意味づけ、葬儀をサービス業として成立させたのか。 行政との綱引き、消費者・顧客としての遺族との関係、宗教者や地域住民との連携・軋轢――葬儀を商品化した葬祭業者の葛藤の歩みを追い、フィールドワークから葬祭業者自身の職業観も聞き取って、葬祭業の戦後史と私たちの死生観の変容を描き出す。 [出版社より] 著 者|玉川貴子 出版社|青弓社 定 価|2,600円+税 判 型|A5判/並製 頁 数|244 ISBN|978-4-7872-3433-9 初 版|2018年03月 Contents 序章 葬祭事業者にとっての終活ブームとケア 1 終活ブームにおける葬儀 2 職業上、死にかかわること――ケアと商品 3 本書の構成 第1章 葬儀サービスを捉えるために 1 商品化・消費社会での死 2 葬儀サービスでの消費者との相互行為とその特性について 3 死を商業的に扱うことによるジレンマ 4 葬祭業者の感情的不協和と職業イメージ 5 葬祭業から見る近代化 第2章 戦後の葬祭業界の変動要因 1 戦後の経済成長と人口の変化 2 戦後の葬祭業界 3 行政的な主導と葬儀の経済・文化的価値――一九四五―六〇年代 4 マナーの消費と葬儀サービスの開発――一九七〇―八〇年代 5 「心」の時代の葬儀――一九九〇―二〇一〇年代 6 リスク消費としての終活ブーム――二〇一〇年代以降 第3章 商品としての儀礼空間――景観と住空間から排除された死 1 葬儀場所の変化 2 死の排除をめぐる「景観」というレトリック 3 葬儀会館の商品価値 4 人々の視線と行為を意識した死の管理 第4章 葬祭業教育と遺族へのかかわり 1 一九八〇年代の葬祭業者たちが感じた職業イメージ 2 身体の意識化 3 企業教育での利他的側面と商業的側面 4 地域のなかでのグリーフケア 終章 葬祭事業という死のリアリティ 1 商品化された/商品的ではない死 2 生前から死後の準備を推進する――「ライフエンディング」とは 3 「死」から「生」のなかのリスクへ あとがき Author 玉川 貴子 Takako Tamagawa 1971年、富山県生まれ。名古屋学院大学現代社会学部准教授。専攻は死の社会学、家族社会学。共著に『いのちとライフコースの社会学』(弘文堂)、『喪失と生存の社会学――大震災のライフ・ヒストリー』(有信堂高文社)、論文に「死に商業的にかかわる事業の「正当化」の困難さ――戦後日本の葬祭事業をめぐる二つの運動に用いられた語彙」(「年報社会学論集」第22号)など。
-
ライブシーンよ、どこへいく——ライブカルチャーとポピュラー音楽[OUTLET]
¥1,000
50%OFF
50%OFF
SOLD OUT
CDの売り上げ減に苦しむ音楽業界だが、それに反比例してライブコンサートやイベントは市場規模が拡大している。ライブハウス・クラブ・フェスティバル・発表会・インターネット・アキバ系など、各シーンの状況を活写してライブカルチャーの未来を展望する。 [出版社より] 著 者|宮入恭平・佐藤生実 出版社|青弓社 定 価|2,000円+税 判 型|A5判/並製 頁 数|170 ISBN|978-4-7872-7311-6 初 版|2011年10月 Contents まえがき 宮入恭平/佐藤生実 序章 ライブの世界 ライブの可能性への期待 ライブが意味するもの ライブシーンのタイプと特徴 ポピュラー音楽の定義 ライブカルチャーを読み解く 第1章 予定調和のパフォーマンス――エンターテインメントシーン 「文化の殿堂」の終焉 文化施設としてのコンサートホール ライブ・エンターテインメント市場 ライブシーンと有名性 有名性の変容 予定調和のパフォーマンス 第2章 搾取されるミュージシャン――ライブハウスシーン ライブハウスが意味するもの 必然性からの誕生 ライブハウスのシステム化 ノルマ制の弊害 ライブハウス・イデオロギー 多様化するライブハウス 「ペグ」としてのライブハウス 第3章 ディスクとライブのせめぎ合い――クラブシーン クラブとは ディスクカルチャーとライブカルチャー ダンスの時代 フィーバー! ダンスのゆくえ ディスコからクラブへ データベース化するクラブシーン 第4章 日常と非日常のボーダーライン――フェスシーン ライブ・エンターテインメントとしてのフェス クールな資本主義 フェスでの音楽の共有 日常と非日常のボーダーライン 第5章 見せかけのオルタナティブ――ストリートシーン 秋葉原の光と影 歩行者天国でのパフォーマンス 行政主導のライセンス制度 ストリートミュージシャン 記号としてのインディーズ 偶然的な出会い ストリートの政治性 第6章 ヴァーチャルの浸食――インターネットシーン 新しいライブの概念 ライブシーンの民主化 ソーシャル・ネットワークのライブ感 同時性の希求 リアルなライブとヴァーチャルなライブ 第7章 クール・ジャパンの台頭――アキバ系シーン 会いに行けないアイドル 地下アイドルの時代 アニソン・ブーム クールが意味するもの ポピュラー音楽の不在 クール・ジャパンの台頭 第8章 開放されたステージ――発表会シーン ライブシーンへの参加 音楽を身につけること 身につけられた音楽の披露 終章 再び、ライブの世界 ライブ概念の変容 ライブシーンの流動性と相互横断性 二〇〇〇年代のライブシーン ポスト3・11のライブカルチャー ライブの可能性 あとがき 宮入恭平/佐藤生実 Author 宮入 恭平 Kyohei Miyairi 1968年生まれ。大学非常勤講師(東京経済大学、法政大学、国立音楽大学、関東学院大学)。東京経済大学大学院コミュニケーション学研究科博士後期課程単位取得退学。専攻は社会学、ポピュラー文化研究、カルチュラル・スタディーズ。著書に『ライブハウス文化論』(青弓社)、翻訳にスージー・J・タネンバウム『地下鉄のミュージシャン』(朝日新聞出版)、共著に『コミュニケーション・スタディーズ』(世界思想社)がある。 佐藤 生実 Umi Sato 1979年生まれ。ファッショントレンド調査者。東京経済大学大学院コミュニケーション学研究科博士後期課程単位取得退学。専攻はカルチュラル・スタディーズ、身体文化論。共著に『コミュニケーション・スタディーズ』(世界思想社)、共訳にクリス・ロジェク『カルチュラル・スタディーズを学ぶ人のために』(世界思想社)がある。
-
怪異と遊ぶ
¥2,640
SOLD OUT
怪異は、恐怖の対象として忌避されると同時に、好奇心を刺激して多くの人々を魅了してきた。怪談師、心霊術、分身、透明人間、キューピッドさん、「意味が分かると怖い話」――。怪異が娯楽や趣味としても受容されてきたことを、多角的な視点から照らし出す。 ー 日常を逸脱した存在や現象である「怪異」は、恐怖の対象として忌避されてきた。しかし同時に、怪異は好奇心を刺激して多くの人々を魅了してきた。私たちはなぜ「怖いもの見たさ」で怪異をのぞき込み、怪異と戯れてしまうのだろうか。 怪談師、心霊術、分身、透明人間、キューピッドさん、『トワイライトシンドローム』、妖怪と地域文化、「意味が分かると怖い話」――多様なジャンルの事例から、怪異と遊びとの関係性を描き出す。 怪異を自らの手で日常生活へと呼び込む心性に迫り、怪異が単なる恐怖の対象ではなく娯楽や趣味として受容されてきたことを、文学研究や民俗学、社会学、宗教学などの視点から照らし出す。作家・川奈まり子との座談会も所収。 [出版社より] 監 修|怪異怪談研究会 編著者|一柳廣孝・大道晴香 出版社|青弓社 定 価|2,400円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|296 ISBN|978-4-7872-9267-4 初 版|2022年04月 Contents はじめに 大道晴香 第1部 怪異を語る 第1章 幽霊に萌える、怪異で遊ぶ 伊藤龍平 1 落語『お菊の皿』 2 恐怖と笑いの近日点 3 「皿屋敷」は萌えているか 4 創作怪談と実話怪談のベクトル 第2章 語り継がれる狸合戦――阿波における憑依と遊戯 斎藤 喬 1 「金長霊明神」由来譚 2 初発の口走り 3 狸憑きから狸合戦へ 4 合戦を語る遊戯性 第3章 怪談師の時代 一柳廣孝 1 遊びとしての怪談語り 2 明治の怪談師たち 3 そして、現代の怪談師へ 第4章 「意味が分かると怖い話」とは何か――「似ている話」を探して、作って、読み換える、遊び 永島大輝 1 本章で「意味が分かると怖い話」について考えていく道筋 2 「意味怖」の歴史 3 内容から検討するために、「話型(ルビ:わけい)(似ている・同じ)」について考える 4 「意味怖」という場で語られた話が「意味怖」である 5 心理テストは八百屋お七の夢を見るか?――「話群」の置き換えは「意味怖」に限らない 6 「意味怖」から「眼前の事実」を探るための覚書 第2部 怪異を表現する 第5章 分かたれた「己」で、遊ぶ――森鷗外「不思議な鏡」が映し出す分身譚の愉しみ 構 大樹 1 簇出する分身譚 2 お約束からズレようとする「不思議な鏡」 3 「新年のお慰み」という意識 4 分身を自然化する鷗外の語られ方 第6章 大正、〈霊交術事件〉の夏――奇術としての心霊術 今藤晃裕 1 ゼーゲル夫妻来朝す 2 〈霊交術事件〉顚末 3 エンターテインメント化する心霊術 4 奇術としての心霊術 第7章 透明人間現る――隠れる物語から露わにする物語まで 橋本順光 1 透明人間の誕生――ギュゲスと龍樹の逸話からウェルズまで 2 人として見られない透明な存在の語り――労働者・黒人・移民 3 日本におけるウェルズ型の「透明人間」とハーディ型の「見えない男」の混交 4 見えない男から、見えない女、そして見えない子供たちへ 第3部 怪異を操る 第8章 一九八〇年代の「こっくりさん」――降霊の恐怖を払拭する「キューピッドさん」の戦略 大道晴香 1 「こっくりさん」と制御できない神霊の恐怖 2 恐怖を脱色する「キューピッドさん」の戦略 3 「キューピッドさん」は怖い 4 「宗教儀礼」にも「遊び」にもなれない「こっくりさん」 第9章 怪異と「遊ぶ」装置――『トワイライトシンドローム』を手がかりに 橋迫瑞穂 1 『トワイライトシンドローム』の概要 2 『トワイライトシンドローム 禁じられた都市伝説』の概要 3 ゲームとしての「学校の怪談」 4 学校空間と怪異 5 学校・怪異・「遊び」 第10章 怪異に学び戯れる人々――妖怪文化を育む虚構の共同体に着目して 市川寛也 1 「現実」と「虚構」のあいだで 2 地域学における怪異・妖怪――「遊び」と「学び」 3 「四国の秘境 山城・大歩危妖怪村」の前史――秘境と開発 4 大歩危妖怪村における「虚構」と「現実」 特別座談会 怪異を創る楽しみ 川奈まり子/一柳廣孝/大道晴香 1 語りと一人称の関係 2 語りから物語を紡ぐということ 3 体験者の語りをどう聞くのか 4 土地に眠る怪談を呼び起こす 5 怪談を語る 6 怪談ブームと生の実感 7 八王子で考える怪談の可能性 おわりに 一柳廣孝 Author 怪異怪談研究会 2012年に発足。近代に生じた文化規範の劇的な変化を意識しながら、江戸時代から近現代における怪異へのまなざし、怪談に集約された物語の内実を明らかにすることを目的とする。16年、研究会の中間的な成果報告としてシリーズ『怪異の時空』全3巻(青弓社)を刊行。18年、清水潤『鏡花と妖怪』(青弓社)を編纂。21年、『〈怪異〉とナショナリズム』(青弓社)を監修。 一柳 廣孝 Hirotaka Ichiyanagi 1959年、和歌山県生まれ。横浜国立大学教育学部教授。専攻は日本近現代文学・文化史。著書に『怪異の表象空間』(国書刊行会)、『無意識という物語』(名古屋大学出版会)、『〈こっくりさん〉と〈千里眼〉・増補版』『催眠術の日本近代』(ともに青弓社)など。 大道 晴香 Haruka Omichi 1985年、青森県生まれ。國學院大學神道文化学部助教。専攻は宗教学。著書に『「イタコ」の誕生』(弘文堂)、共編著に『怪異を歩く』(青弓社)、共著に『モノとメディアの人類学』(ナカニシヤ出版)、『〈怪異〉とナショナリズム』(青弓社)など。
-
〈怪異〉とナショナリズム
¥4,180
人々を政治的・社会的・文化的に統合し均質化する近代の国民国家は、非合理な他者の一つとして〈怪異〉を排除した。だが〈怪異〉はそのような近代社会と緊張関係をはらみながら様々に表象され、ナショナリズムにときに対抗し、ときに加担してきた。 戦前・戦後の文学作品、怪談、史跡、天皇制、二・二六事件、マルクス主義と陰謀論、オカルトブーム――〈怪異〉にまつわる戦前・戦後の小説や史料、事件、社会的な現象を取り上げて、「戦争」「政治」「モダニズム」という3つの視点からナショナリズムとの関係性を読み解く。 〈怪異〉とナショナリズムが乱反射しながら共存した近代日本の時代性を浮き彫りにして、両者の奇妙な関係を多面的に照らし出す。 [出版社より] 監 修|怪異怪談研究会 編著者|茂木謙之介・小松史生子・副田賢二・松下浩幸 出版社|青弓社 定 価|3,800円+税 判 型|A5判/並製 頁 数|376 ISBN|978-4-7872-9262-9 初 版|2021年11月 Contents はじめに 茂木謙之介 第1部 戦争と教化 第1章 戦意高揚物語への接近と離反――泉鏡花「海戦の余波」における〈人間ならざるものたち〉の役割 鈴木 彩 1 典型的な戦意高揚物語のなかで 2 「海は日本の友達」の妥当性 3 千代太が知らない海の姿 第2章 出征する〈異類〉と〈異端〉のナショナリズム――「軍隊狸」を中心に 乾 英治郎 1 「軍隊狸」と〈不気味なもの〉 2 赤い〈狸〉と白い〈神〉 3 不死身の〈狸〉と血を流す〈神〉 第3章 恋する死者たちの〈戦後〉――『英霊の聲』と文学的なるもの 松下浩幸 1 天皇への「恋」 2 「神」と「人間(ルビ:ひと)」 3 加藤典洋と三島由紀夫 4 主体と〈文学〉的なるもの 第4章 二十世紀前半の史蹟保存事業と史蹟の怪異 齋藤智志 1 近世期における史蹟と怪異 2 近代の史蹟保存事業と怪異の扱われ方 3 怪異の湧出・共存 [コラム]亡霊となる戦死者 川村邦光 第2部 政治と革命 第5章 怪異と迷信のフォークロア――佐藤春夫「魔鳥」「女誡扇綺譚」における〈植民地的不気味なもの〉 堀井一摩 1 台湾原住民のフォークロア――「魔鳥」 2 台湾漢民族のフォークロア――「女誡扇綺譚」 第6章 テロルの女たちはなぜ描かれたのか――宮崎夢柳「鬼啾啾」の虚無党表象をめぐる一考察 倉田容子 1 虚無党の表象と「残虐趣味」 2 「鬼啾啾」におけるイデオロギーの揺らぎ 3 秩序の揺らぎと「おぞましきもの」 第7章 〈怪異〉からみる二・二六事件――北一輝と対馬勝雄におけるオカルト的想像力 茂木謙之介/大道晴香 1 二・二六事件をめぐるオカルト的想像力と『霊告日記』の射程 2 陸上自衛隊弘前駐屯地「対馬勝雄関係資料」と対馬の思想と行動 3 対馬の神霊観 4 「霊界通信」の源泉①――郷里の巫俗 5 「霊界通信」の源泉②――霊術への関心 第8章 マルクス主義的陰謀論の諸相――デリダ・ジェイムソン・太田竜 栗田英彦 1 社会科学と陰謀論――近年の研究動向の概観 2 デリダとアイク 3 ジェイムソンとコールマン 4 太田竜における陰謀論と終末論 第9章 井上円了の妖怪学と天皇神話 井関大介 1 『妖怪学講義』における天皇神話 2 円了の倫理学と日本主義 3 「術」と「方便」の思想 [コラム]戦争と妖怪的なるもの、三題 成田龍一 第3部 合理化とモダニズム 第10章 大佛次郎「銀簪」と近代的怪談――山田風太郎創作メモ「小説腹案集」より「雪女」の記載を手がかりに 谷口 基 1 風太郎の初期傑作「雪女」について 2 「小説腹案集」五九の「雪女」について 3 若き風太郎の怪談観と大佛次郎の「銀簪」 4 「近代的怪談」としての「銀簪」 5 「銀簪」初出テクストから削除されたもの/残されたもの 第11章 中井英夫「虚無への供物」考――〈戦後〉という怪談、中井英夫から寺山修司へ 小松史生子 1 「虚無への供物」と二つの〈戦後〉 2 「お化けの正体」――天皇制と慰霊 3 虚言の後継者――中井英夫から寺山修司へ 第12章 浮遊する「墳墓」と永続性のゆくえ――細野雲外『不滅の墳墓』のナショナリズムと〈怪異〉 副田賢二 1 近代日本における「両墓制」とモニュメント意識の変容 2 散乱する「無縁墓」とその想像力 3 「不滅の墳墓」構想の内実とその背景 4 「墳墓」暴きの〈怪異〉――露出する「白骨」と土地の記憶 5 ページェントとしての「不滅の墳墓」――その「民衆」観と伊藤彦造 第13章 “オカルト天皇(制)”論序説――一九八〇年代雑誌「ムー」の分析から 茂木謙之介 1 「ムー」の編集戦略 2 超古代史言説と天皇 3 天皇をめぐるオカルト的想像力 [コラム]新宗教における怪異とナショナリズム――初期霊友会の歴史観と日本の位置 島薗 進 おわりに 茂木謙之介 Author 怪異怪談研究会 2012年に発足。近代に生じた文化規範の劇的な変化を意識しながら、江戸時代から近現代における怪異へのまなざし、怪談に集約された物語の内実を明らかにすることを目的とする。16年、研究会の中間的な成果報告としてシリーズ『怪異の時空』全3巻(青弓社)を刊行。18年、清水潤『鏡花と妖怪』(青弓社)を編纂。 茂木 謙之介 Kennosuke Motegi 1985年、埼玉県生まれ。東北大学大学院文学研究科准教授。専攻は表象文化論、日本近代文化史。著書に『表象としての皇族』(吉川弘文館)、『表象天皇制論講義』(白澤社)、編著に『怪異とは誰か』(青弓社)、共編著に『遠隔でつくる人文社会学知』(雷音学術出版)など。 小松 史生子 Shoko Komatsu 1972年、東京都生まれ。金城学院大学文学部教授。専攻は日本近現代文学・文化、比較文学・文化。著書に『探偵小説のペルソナ 奇想と異常心理の言語態』(双文社出版)、編著に『東海の異才・奇人列伝』(風媒社)、共著に『女学生とジェンダー』(笠間書院)など。 副田 賢二 Kenji Soeda 1969年、佐賀県生まれ。防衛大学校人間文化学科教授。専攻は日本近代文学、雑誌メディア研究。著書に『〈獄中〉の文学史』(笠間書院)、共著に『怪異とは誰か』(青弓社)、論文に「戦争テクノロジーとしての「防空」空間と文学」(「日本近代文学」第101集)など。 松下 浩幸 Hiroyuki Matsushita 1960年、大阪府生まれ。明治大学農学部教授。専攻は日本近現代文学。著書に『夏目漱石 Xなる人生』(NHK出版)、共著に『怪異とは誰か』(青弓社)、『『倫敦塔』論集 漱石のみた風景』(和泉書院)など。
-
郊外の記憶--文学とともに東京の縁を歩く
¥3,300
戦後の郊外住宅地の開発は、そこにあった地域生活を大きく変容させ、平板で奥行きがない空間を作り出してきた。一方で、近年では郊外や街の何げない場所に過去の痕跡を探り、その土地の固有性に光を当てる「街歩き」や「聖地巡礼」が注目されてもいる。では、郊外という均質な空間に眠る固有性は、どうすれば掘り起こすことができるのだろうか。 多和田葉子や三浦しをん、北村薫が東京の郊外を舞台に描く小説を読み、その街を実際に訪れ、ありふれた風景のなかを1人でゆっくり歩く。そしてあらためて小説を読み、また街を歩く――。この実践を繰り返すことで、場所・時間・物語の交差点に浮かび上がる「土地の記憶」に光を当てる。 東京の縁を読むことと歩くことを通して、郊外に眠る戦争の残痕や失われた伝統、開発の記憶、人々の生活史をよみがえらせ、「均質な郊外」に別のリアリティーや可能性を浮上させる。 [出版社より] 著 者|鈴木智之 出版社|青弓社 定 価|3,000円+税 判 型|A5判/並製 頁 数|292 ISBN|978-4-7872-3495-7 初 版|2021年09月 Contents まえがき 序 章 土地の記憶と物語の力――「郊外」の文学社会学のために 1 時空間の形象としての小説 2 見えない者がここにいるということ 3 記憶喪失都市? 4 記憶なき場所としての郊外? 5 記憶喪失に抗する身体/都市空間に露出する痕跡 6 土地の記憶を掘り起こす営みとしての「町歩き」――赤瀬川原平からタモリを経て中沢新一まで 7 土地の記憶を創出する装置としての「聖地巡礼」 8 郊外のクロノトポスへ 第1章 記憶の説話的媒介――多和田葉子『犬婿入り』と三浦しをん『むかしのはなし』を読む 1 土地の記憶を呼び起こす営みとしての物語 2 多和田葉子『犬婿入り』 3 三浦しをん「懐かしき川べりの町の物語せよ」 4 説話的記憶と郊外の町の物語 第2章 越境の場所――『犬婿入り』の「町」を歩く 1 現実空間の「写像」としての物語空間 2 物語空間の「原因」としての現実空間 3 「町」を探す――立川・柴崎から矢川・谷保あたりへ 4 「町」の歴史的な成り立ち――その古い地層の露出 5 「町」を歩く 6 「境」――物語を生み出す場所 第3章 「町田」と「まほろ」のあいだ――三浦しをん「まほろ駅前」シリーズの「町」を歩く 1 「まほろ」――町田の表象としての 2 作品の基本的な骨格 3 疑似探偵小説としての「まほろ駅前」シリーズ 4 裏返しの家族小説としての「まほろ駅前」シリーズ 5 「家族の箱(ルビ:ブラックボックス)」の並列空間としての郊外 6 他者の救済による自己の救済という物語 7 トラウマの共鳴体 8 町田を書き写すテクスト 9 「まほろ」のトポグラフィー 10 捉えがたき町としての町田 11 「まほろ」と町田――その照応関係とずれ 12 「ジモト」としての「まほろ」 13 ユートピアとしての「まほろ」 第4章 郊外のアースダイバー――長野まゆみ『野川』における自然史的時空間の発見 1 野川という場所 2 大岡昇平『武蔵野夫人』の地理学的想像力 3 長野まゆみ『野川』 4 自然史的時空間の発見 5 「鳥」の視点 6 地形の発見、記憶の回帰――アースダイバーとしての井上音和 7 「野川」から野川へ 8 音和の視点を探して――『野川』の舞台を歩く 9 複数の時間――『野川』の地理学的想像力 第5章 記憶の伝い――古井由吉『野川』、あるいは死者たちの来たる道 1 「恐怖の始まり」 2 『野川』の作品構成 3 「死者たちの集まり」――井斐の話:1 4 野川から荒川へ――井斐の話:2 5 「父を置き去りにする」――井斐の話:3 6 「境」としての野川 7 野川のほとりを歩く――井斐の視点を探して 8 「郊外」の人としての古井由吉 9 記憶の伝い、あるいは死者への「転移」としての語り 10 「ノーエ節」あるいは不条理にはしゃぐ身体 第6章 この平坦な町で大人になっていくということ――北村薫「円紫さんと私」シリーズの「町」と「路」 1 北村薫「円紫さんと私」シリーズでの郊外の「町」 2 平坦地――「川」と「道」のトポグラフィー 3 郊外都市としての春日部――高度経済成長期の発展 4 過渡の風景 5 「無印の優等生」としての「私」 6 謎解きと成長 7 「町」と「謎」、あるいは社交の形式としての郊外 8 この平坦な「郊外の町」で大人になっていくこと 9 「町」と「路」の関わり 10 成長の条件としての「路」 終 章 記憶の場所としての郊外 あとがき Author 鈴木 智之 Tomoyuki Suzuki 1962年、東京都生まれ。法政大学社会学部教授。専攻は理論社会学、文化社会学。著書に『村上春樹と物語の条件――『ノルウェイの森』から『ねじまき鳥クロニクル』へ』『「心の闇」と動機の語彙――犯罪報道の一九九〇年代』『顔の剥奪――文学から〈他者のあやうさ〉を読む』(いずれも青弓社)、『眼の奥に突き立てられた言葉の銛――目取真俊の〈文学〉と沖縄戦の記憶』(晶文社)、訳書にアーサー・W・フランク『傷ついた物語の語り手――身体・病い・倫理』(ゆみる出版)など。
-
コティングリー妖精事件 イギリス妖精写真の新事実
¥3,080
コティングリー妖精写真は、1917年と20年にイギリスのコティングリー村に住んでいたいとこである2人の少女フランシスとエルシーが野外で出会った妖精の姿を撮影した不思議な写真である。公表されるやいなや真偽が話題になり、「シャーロック・ホームズ」シリーズの作者アーサー・コナン・ドイルなどを巻き込んで、当時のイギリスにセンセーションを巻き起こした。 この事件の調査に関わった神智学者エドワード・L・ガードナーが所有していた鞄が、100年を経て海を渡り、日本にやってきた。その鞄に入っていた貴重な新資料――「2人の少女と妖精」の5枚の写真プリントやネガフィルム、未公開の写真、手書きの手紙・文書などをフルカラーで紹介する。 資料の詳細な解説に加えて、社会的・文化的な背景や心霊写真との比較、写真にだまされる「楽しみ」を論じる論考も所収して、妖精写真から人々の感性や時代性を浮き彫りにする。 [出版社より] 編著者|井村君江・浜野志保 出版社|青弓社 定 価|2,800円+税 判 型|A5判/並製 頁 数|200 ISBN|978-4-7872-7439-7 初 版|2021年06月 Contents まえがき――「コティングリー妖精事件」の存在意義 井村君江 なぜいまになってコティングリー妖精事件か? 吉田孝一 第1部 新資料「エドワード・L・ガードナーの鞄」 第1章 新資料「エドワード・L・ガードナー遺品」紹介 第2章 ガードナーの鞄の意味 井村君江 第3章 新史料に見る「コティングリー妖精写真事件」の再演、再構成の可能性 井沼香保里 第4章 妖精写真奔走記 浜野志保 参考 コティングリー妖精事件の主な関係者 第2部 コティングリーはいま 第5章 現在のコティングリー 写真:谷津 翆 第6章 コティングリーのいま、リーズ大学調査 井村君江 第7章 「コティングリー妖精事件」100周年記念講演/現在のコティングリー村 富田実加子 第8章 ヘイゼル・ゲイナー氏インタビュー 富田実加子 第3部 妖精事件をめぐって 第9章 コティングリー妖精写真と心霊写真 赤井敏夫 第10章 ジョー・クーパー 井村淳一 第11章 妖精写真「ごっこ」の真実 鏡 リュウジ 第12章 ポスト・ファクチャルなフェアリー事件のこと 高山 宏 第13章 写真にだまされる楽しみ 浜野志保 第14章 コティングリー妖精写真の航跡をたどって――エドワード・ガードナーの鞄とガラス乾板の冒険 メリック・バロー On the Trail of the Cottingley Fairies Photographs: Edward Gardner’s Briefcase and the Adventure of the Glass Negatives(Merrick Burrow) 妖精写真ふたたび――あとがきにかえて 浜野志保 あとがき 井村君江 Editor 井村 君江 Kimie Imura 英文学者・比較文学者。明星大学名誉教授。うつのみや妖精ミュージアム名誉館長。金山町妖精美術館館長。著書に『妖精学大全』(東京書籍)、『ケルト妖精学』(筑摩書房)、『帰朝者の日本』(東京創元社、近刊予定)、訳書にW・B・イエイツ編『ケルト妖精物語』(筑摩書房)、ウィリアム・シェイクスピア『新訳 テンペスト』(レベル)、アーサー・コナン・ドイル『妖精の到来――コティングリー村の事件』(アトリエサード)ほか多数。 浜野 志保 Shiho Hamano 千葉工業大学創造工学部教授。専攻は近代ヨーロッパ視覚文化史・周縁科学文化史。著書に『写真のボーダーランド』(青弓社)、訳書にタイラー・コーエン『創造的破壊』(作品社)など。
-
2.5次元文化論——舞台・キャラクター・ファンダム
¥2,200
2.5次元文化は、アニメ・マンガ・ゲームの虚構世界を現実世界に再現して、虚構と現実のあいまいな境界を楽しむ文化実践である。コスプレ、アニメ聖地巡礼、声優/キャラコンサート、応援上映、2.5次元舞台・ミュージカル、Vチューバーなど、2.5次元文化は裾野を広げながら日々深化している。 本書ではまず、2.5次元の言葉の定義や歴史を押さえたうえで、舞台・ミュージカルに焦点を当てて、声優との関係、宝塚歌劇や特撮ものとの差異を考察する。さらに、前史として重要な舞台作品『聖闘士星矢』『HUNTER×HUNTER』『サクラ大戦』を解説し、転換点になったミュージカル『テニスの王子様』『美少女戦士セーラームーン』、人気の『刀剣乱舞』『ハイキュー!!』の詳細な読解を通じて2.5次元舞台の特徴や魅力を明らかにする。 劇場に足を運び、舞台関係者やファンへの取材や海外を含む多面的な調査を重ねてきた著者が、2.5次元の世界を熱量あふれる筆致で描く初の研究書。 [出版社より] 著 者|須川亜紀子 出版社|青弓社 定 価|2,000円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|280 ISBN|978-4-7872-3480-3 初 版|2021年01月 Contents はじめに 第1章 「二・五次元文化」の隆盛 1 「二・五次元」の意味の変容 二・五次元としての声優(または“中の人”) マンガ、アニメベースの舞台としての二・五次元 2 二・五次元文化隆盛の背景 キャラクターとその共有、消費、利用 リアリティ認識とコミュニケーション様態の変容 参加型文化――パフォーマンスとしての二・五次元文化実践 3 本書の構成 第2章 二・五次元舞台とは何か――虚構的身体性とファンの相互作用 1 「二・五次元舞台」の歴史と社会文化的背景 「二・五次元舞台」の歴史とマンガ、アニメ、ゲーム文化 声優、特撮ヒーローなどの若手イケメン俳優 2 キャラクター/キャストの「虚構的身体性(virtual corporality)」 英語圏のマンガ、アニメ原作ミュージカル 虚構的身体性(virtual corporality)とメディアとしての身体 3 相互参照的メディア横断ナラティブ(クロスレファレンシャル・トランスメディア・ナラティブ)と「虚構的身体性」 第3章 二・五次元舞台の成立と展開 1 アニメミュージカル――“二・五次元的(傍点)舞台”から二・五次元舞台へ ミュージカル『聖闘士星矢(ルビ:セイントセイヤ)』(一九九一年)と少女マンガ原作ミュージカル 『サクラ大戦』歌謡ショウシリーズ(一九九七―二〇〇六年) 『HUNTER×HUNTER』シリーズ(二〇〇〇―〇四年) 2 “二・五次元”舞台の誕生へ ミュージカル『テニスの王子様』シリーズ――二・五次元舞台ブームへ ミュージカル『美少女戦士セーラームーン』――戦略的「チーム女子」 舞台/ミュージカル『刀剣乱舞』シリーズ――歴史ブームとゲーム原案コンテンツ ハイパープロジェクション演劇『ハイキュー!!』――言葉、映像、音楽、虚構的身体性 [インタビュー]海外での二・五次元舞台の広がり 第4章 二・五次元舞台ファンと「嗜好の共同体」としてのファンダム 1 「嗜好の共同体」としてのファンダムの可能性と課題 趣味、趣味縁、アニメ・マンガファンダム “ハッシュタグ・コネクション”と「弱いつながり」 2 量的調査 3 質的調査 フォーカスグループ討論――『テニミュ』の女性ファン 日本人ファンへの個別インタビュー 海外ファンへの個別インタビュー おわりに 引用文献一覧 二・五次元文化年表 あとがき Author 須川 亜紀子 Akiko Sugawa 横浜国立大学大学院都市イノベーション研究院教授。専攻はポピュラー文化研究、オーディエンス/ファン研究。著書に『少女と魔法――ガールヒーローはいかに受容されたのか』(NTT出版)、共編著に『アニメーション文化 55のキーワード』(ミネルヴァ書房)、『アニメ研究入門[応用編]――アニメを究める11のコツ』(現代書館)、共著に『小説の生存戦略――ライトノベル・メディア・ジェンダー』(青弓社)など。
-
石ノ森章太郎論[バーゲンブック]
¥1,000
50%OFF
50%OFF
SOLD OUT
平成『仮面ライダー』シリーズが人気を博し、11月に公開予定の映画『サイボーグ009』も話題――作品がいまも愛され続けるマンガ家・石ノ森章太郎。 「二級天使」「龍神沼」「幽霊少女」「サイボーグ009」「マンガ家入門」はもちろん、後期の「仮面ライダー」「HOTEL」「マンガ 日本の歴史」なども含めて石ノ森作品を緻密に読み込み、手塚治虫との関係や当時のマンガ界の状況も補足しながらその魅力を抽出する。 天才と謳われる一方、1970年代以降の作品は「つまらなくなった」とも言われるこれまでの一面的な評価をくつがえし、マンガという表現形式の多様性とその可能性を晩年まで追求した意義を再評価する。今日も拡大し続ける石ノ森作品のポテンシャルの高さを指し示すマンガ評論。 作品図版を多数所収。 [出版社より] 著 者|山田 夏樹 出版社|青弓社 定 価|2,000円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|256 ISBN|978-4-7872-9239-1 初 版|2016年11月 Contents はじめに――いまなぜ石ノ森章太郎か 序章 マンガとは何か――その表現形式と身体性 1 近代芸術、「モダン」の産物としてのマンガ 2 手塚治虫と石ノ森章太郎 3 身体性という概念――〈記号の身体〉と〈生身の身体〉? 4 二〇〇〇年代以降のマンガ批評、研究――「データベース消費」の呪縛 第1章 流動的身体のせめぎ合い――「リボンの騎士」と「二級天使」 1 手塚治虫、藤子不二雄、石ノ森章太郎――天使をめぐる表象 2 手塚治虫「リボンの騎士」――流動的身体の内実とその隠蔽 3 石ノ森章太郎「二級天使」――流動的身体と神の提示 第2章 マンガの制度――初期作品での「内面の発見」と「風景の発見」 1 「個性」とは何か 2 東京進出――「漫画少年」廃刊と「少女クラブ」 3 「龍神沼」『マンガ家入門』――「体系化」と制度への意識 4 「幽霊少女」――「内面の発見」と「風景の発見」① 5 U・MIA作品、「龍神沼」『マンガ家入門』――「実験」と「体系化」と認識の変容 6 「ジュン」「佐武と市捕物控」――「内面の発見」と「風景の発見」② 第3章 創る者/創られる者――「サイボーグ009」における「神々」との闘い 1 創る者(=「完全」)/創られる者(=「不完全」)という枠組みの呪縛 2 前史①――「LIFE」 3 前史②――姉・小野寺由恵 4 前史③――サイボーグを描く意義 5 「誕生編」①――ロボットとの差異とは 6 「誕生編」②――「ロボット」から「サイボーグ」へ 7 「暗殺者編」「放浪編」「ベトナム編」――被差別者としてのサイボーグ 8 「ミュートス・サイボーグ編」「地下帝国“ヨミ”編」――結論① 9 「天使編」「神々との闘い編」「完結編」――結論② 第4章 個から集団へ――後期作品における多様性と可能性の拡大 1 「モダン」(近代)/「ポストモダン」(ポスト近代)の乗り越え 2 トキワ荘、新漫画党の影響 3 「仮面ライダー」①――匿名的ヒーローの誕生 4 「仮面ライダー」②――形式と様式の浸透と表現の拡大 5 「HOTEL」『マンガ日本の歴史』――ヒーロー不在の時間と空間 終章 「歴史」の解体と「可能性」――サブカルチャーの戦後日本 1 「手塚さん」とは 2 手塚治虫の死――呼称の変容 3 「萬画宣言」――その意味 4 戦後日本とサブカルチャー――おわりに代えて あとがき 図版クレジット一覧 Author 山田 夏樹 Natsuki Yamada 1978年、東京都生まれ。法政大学文学部助教。専攻は日本近現代文学・文化。著書に『ロボットと〈日本〉』(立教大学出版会)、共著に『村上春樹と二十一世紀』(おうふう)、論文に「三島由紀夫「鏡子の家」における現在性」(「文学・語学」第216号)など。
-
〈こっくりさん〉と〈千里眼〉 増補版 —— 日本近代と心霊学
¥3,080
明治半ば以降、一気に広まった不思議な遊び「こっくりさん」、人々を熱狂させた催眠術、透視をめぐる論争を巻き起こした千里眼事件を掘り起こし、それらに通底していた心霊学と科学の相克を描き出す。明治期のオカルト現象から日本の近代化の一側面を照らす。 1970年代のオカルトブームによって広く知られるようになった心霊現象の数々。現在では多様なメディアがこれらのアイテムを物語に取り込み、消費している。では、これらを束ねる「心霊」という解釈格子は、はたしてどこからやってきたのだろうか。 明治半ば以降、一気に広まった不思議な遊び「こっくりさん」、人々を熱狂させた催眠術、透視をめぐる論争を巻き起こした千里眼事件を掘り起こし、それらに通底していた心霊学と科学の相克を描き出す。 ー 「信仰」「迷信」「心」と「科学」のあわいに発生して、多くの人々の耳目を引いた明治期のオカルト現象から、日本の近代化の一側面を照らす怪異研究の古典を復刊。千里眼事件の再検討や大正期の催眠術の受容、「こっくりさん」の戦後を扱った論考を増補し、東雅夫氏による解説も所収する。 [出版社より] 著 者|一柳 廣孝 出版社|青弓社 定 価|2,800円+税 判 型|A5判/上製 頁 数|266 ISBN|978-4-7872-9257-5 初 版|2020年11月 Contents 第1部 〈こっくりさん〉と〈千里眼〉 はじめに 第1章 明治のこっくりさん 1 「こっくりさん」の流行 2 近代心霊学の誕生 第2章 催眠術と「煩悶の時代」 1 催眠術の流行 2 「煩悶の時代」 3 明治というカオス 第3章 千里眼と科学 1 最初の千里眼 2 心霊学の流行 3 長尾郁子と「丸亀事件」 4 葛藤――千里眼と科学 5 「迷信」という封印 第4章 科学のゆくえ・心霊学のゆくえ 1 大正期以降の心霊学 2 ニュー・サイエンス 3 おわりに 参考文献 第2部 その後の〈こっくりさん〉と〈千里眼〉 第1章 千里眼は科学の分析対象たりうるか はじめに 1 今村新吉「透視に就て」の問題機制 2 千鶴子の透視実験と各学問ジャンルの対応の諸相 3 念写の登場と京大光線の発見 4 千里眼は科学の分析対象たりうるか おわりに 第2章 催眠術と霊術のあいだ はじめに 1 雑誌「心理研究」の位置 2 「心理研究」応答欄と催眠術 3 隆盛する霊術へのまなざし 4 噴出する福来批判 おわりに 第3章 「こっくりさん」の変容 はじめに 1 「こっくりさん」の生成――一九七〇年代のブームまで 2 「こっくりさん」の変容 3 少女文化としての「こっくりさん」 おわりに――筆仙・碟仙・「こっくりさん」 初出一覧 増補版あとがき 解説 いま蘇る「一柳世界」の原点 東 雅夫 Author 一柳 廣孝 Hirotaka Ichiyanagi 1959年、和歌山県生まれ。横浜国立大学教育学部教授。専攻は日本近現代文学・文化史。著書に『怪異の表象空間――メディア・オカルト・サブカルチャー』(国書刊行会)、『無意識という物語――近代日本と「心」の行方』(名古屋大学出版会)、『催眠術の日本近代』(青弓社)、監修に「怪異の時空」全3巻、編著に『オカルトの帝国――1970年代の日本を読む』『「学校の怪談」はささやく』『心霊写真は語る』(いずれも青弓社)など。
-
ニッポン男性アイドル史 一九六〇―二〇一〇年代
¥1,760
1960年代のグループサウンズとジャニーズのライバル関係に始まり、70年代の新御三家、学園ドラマの俳優、80年代のたのきんトリオ、チェッカーズなど、多岐にわたる男性アイドルの足跡を、「王子様」「不良」「普通の男の子」というキーワードをもとにたどる。 さらに、アイドルの定義を変えたSMAP、国民的アイドルになった嵐、その一方で独自のスタイルを構築したDA PUMPやEXILE、菅田将暉ら特撮ドラマ出身の俳優、K-POPアーティストなど1990年代から現在に至る多彩な男性アイドルの魅力と特質を明らかにする。 またテレビ、映画、舞台、SNSや「YouTube」などアイドルの多メディア展開も射程に収め、未完成の存在であるがゆえの成長する魅力で私たちを引き付けてやまない男性アイドルの歴史を、日本社会やメディア文化との関係から描き出す。 [出版社より] 著 者|太田省一 出版社|青弓社 定 価|1,600円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|216 ISBN|978-4-7872-3484-1 初 版|2021年03月 Contents 序 章 男性アイドルは、どのように変わってきたか 1 男性アイドルの二大タイプ、「王子様」と「不良」 2 「普通」を男性アイドルの常識にしたSMAP、そして嵐 3 テレビが男性アイドルを生んだ 4 変革期を迎えた男性アイドル 第1章 GSとジャニーズ――一九六〇年代、男性アイドルの幕開け 1 ビートルズからGSへ――ジャニーズの好敵手登場 2 「不良」だったGS、「夢」を追ったジャニーズ 3 「王子様」フォーリーブスとジャニー喜多川の哲学 第2章 「新御三家」の時代――一九七〇年代の本格的な拡大 1 「新御三家」の登場と『夜のヒットスタジオ』 2 野口五郎と西城秀樹――対照的だった二人のアイドル 3 郷ひろみ、そして「新御三家」のアイドル史的意味 第3章 学園ドラマと「ロック御三家」――一九七〇年代の多様化 1 森田健作と学園ドラマのアイドル化 2 中村雅俊の登場と〝終わらない青春〟 3 クイーン、BCRから「ロック御三家」へ 4 Charと原田真二、それぞれの軌跡 5 世良公則&ツイスト、そして一九八〇年代へ 第4章 ジャニーズの復活とロックアイドルの人気――一九八〇年代の全盛期 1 たのきんトリオの誕生――ジャニーズの復活 2 田原俊彦と近藤真彦――それぞれの軌跡と魅力 3 野村義男、たのきんトリオのジャニーズ史的意義 4 チェッカーズと吉川晃司――一九八〇年代ロックアイドルの軌跡 5 シブがき隊、少年隊、そして光GENJIブーム 第5章 SMAPとダンスアイドルの台頭――一九九〇年代の新たな男性アイドル像 1 SMAPの登場、そのブレークへの道のり 2 SMAPはアイドルの定義を変えた 3 DA PUMP、沖縄から生まれたダンスアイドル 4 DA PUMPからEXILEへ――新しい「不良」アイドルのかたち 第6章 嵐の登場と「ジャニーズ一強時代」の意味――二〇〇〇年代以降の「国民的アイドル」のかたち 1 TOKIO、V6、KinKi Kids、ジャニーズの群雄割拠時代へ 2 「ジャニーズJr.黄金期」の歴史的意味、そして嵐のデビュー 3 国民的アイドルになった嵐、そのジャニーズ史的意味 4 NEWS、関ジャニ∞、KAT-TUN、二〇〇〇年代以降のジャニーズ 5 「ジャニーズ一強時代」が意味するもの――Hey! Say! JUMPから二〇一〇年代へ 第7章 ジャニーズのネット進出、菅田将暉とBTSが示すもの――二〇一〇年代という新たな変革期 1 ジャニーズのネット進出、新たなジャニーズJr.の時代 2 新しいソロアイドル、菅田将暉ら若手俳優の台頭 3 グローバル化のなかの男性アイドル、そしてボーダーレス化へ 終 章 男性アイドルとはどのような存在なのか 1 男性アイドルが「終わらない」理由 2 アイドルが社会のフロントランナーになるとき 3 「普通」の時代を超えて 4 もうひとつ先の世界へ あとがき Author 太田 省一 Shoichi Ota 1960年生まれ。社会学者・文筆家。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得満期退学。テレビと戦後日本、お笑い、アイドル、ネット動画など、メディアと社会・文化の関係をテーマに執筆活動を続ける。著書に『平成アイドル水滸伝――宮沢りえから欅坂46まで』(双葉社)、『攻めてるテレ東、愛されるテレ東――「番外地」テレビ局の生存戦略』(東京大学出版会)、『テレビ社会ニッポン――自作自演と視聴者』(せりか書房)、『紅白歌合戦と日本人』(筑摩書房)、『中居正広という生き方』『社会は笑う・増補版――ボケとツッコミの人間関係』(ともに青弓社)など多数。
-
破壊のあとの都市空間 ポスト・カタストロフィーの記憶[OUTLET]
¥1,700
50%OFF
50%OFF
フランス革命、世界大戦後のヨーロッパとヒロシマ・ナガサキ、関東大震災、9・11と3・11……。加害と被害、騒乱と破壊、壊滅と再生の現場としての都市空間は、「あの日のあと」=ポスト・カタストロフィーに何を残したのかを問い直す10人の論考と聞き書き。 フランス革命後のパリ、南北戦争後のアトランタ、第1次世界大戦後のベルリン、第2次世界大戦後のローマ、関東大震災後の東京、天安門事件後の香港、ワッツ暴動後のロサンゼルス、ヒロシマ・ナガサキの原爆体験、そして3・11東日本大震災による壊滅的な被害……。 革命と内戦、蜂起と襲撃、国家間の戦争と自然の荒ぶる力にのぞんで、加害と被害、騒乱と破壊、壊滅と再生の現場としての都市空間は、「あの日のあと」=ポスト・カタストロフィーに何を残したのかを、10人の論考とアーティストたちへのインタビューを通して描き出す。 災害がたえず起こり、分断が世界中に亀裂を走らせるいま、破壊の「あと」を具体的な都市表象から考察し、「都市を生きること」を問う新しい都市論。 [出版社より] 編 者|神奈川大学人文学研究所・熊谷謙介 出版社|青弓社 定 価|3,400円+税 判 型|A5判/上製 頁 数|370 ISBN|978-4-7872-3412-4 初 版|2017年03月 Contents はじめに 熊谷謙介 序章 ポスト・カタストロフィーの都市とは何か――パリ、ニューヨーク、ヒロシマ、ナガサキ 熊谷謙介 1 意味が重層する場――パリ、共和国広場 2 「不在の反映」――ニューヨーク、グラウンド・ゼロ 3 モニュメント、メモリアル、遺構、墓――ヒロシマ、平和記念公園 4 現在進行形の廃墟――ナガサキ、旧浦上天主堂 第1章 禁域の効能――欲望喚起装置としての「内裏」と、古代都市平安京の消長 深沢 徹 1 はじまり(傍点4字)としての遷都――『平家物語』の場合 2 移動する都市の中心軸――『池亭記』の場合 3 空洞化する平安内裏――『新猿楽記』の場合 4 禁域としての私秘空間――『方丈記』の場合 第2章 瞬間と持続、暴力と審美化の間で――リスボン大震災からフランス革命に至る時期の廃墟イメージ 小澤京子 1 崩落の光景 2 永続と瞬間――廃墟をめぐる二つの時間性 3 瞬間性と仮設性 第3章 「古きパリ」の誕生――フランス革命後のもう一つの都市再生 泉 美知子 1 革命期のパリの破壊 2 景観への新たな眼差し 3 「古きパリ」の誕生へ 第4章 カタストロフィーを生き抜く――『風と共に去りぬ』スカーレットとアトランタ 山口ヨシ子 1 スカーレットはアトランタと同い年 2 鉄道から生まれ、鉄道とともに発達した町 3 アトランタ陥落 4 「フェニックス・シティ」とその人種問題 5 『クランズマン』『国の創生』から『風と共に去りぬ』へ 第5章 パリは燃えているか?――パリ・コミューンの廃墟をめぐって 熊谷謙介 1 火災とイコノクラスム 2 「語られる」廃墟――文学者たちのコミューン 3 「撮られる」廃墟、「売られる」廃墟 4 都市の再生?――チュイルリー宮殿とサクレ・クール寺院 第6章 グロテスク・フォトモンタージュ・ニュービジョン――第一次世界大戦後ベルリンの視覚文化に見る都市と身体 小松原由理 1 スペクタクルとしての第一次世界大戦 2 都市情報紙からリトファス柱へ――ベルリン一九二〇年代視覚文化層を形成する十九世紀的土壌 3 グロテスクという手法――ジョージ・グロスとオットー・ディックス 4 フォトモンタージュという手法――都市と身体の部分化と再編成 5 ニュービジョンという手法――都市の身体に内蔵されたカメラ・アイ 6 再び消えゆく都市と人間の身体 第7章 〈関東大震災〉の記号学――秋田雨雀「骸骨の舞跳」をめぐって 日高昭二 1 あなたも然んなことを信じてゐるんですか 2 この顔を見て呉れ給へ 3 何も知らされてゐない。また何も知ろうと思つてゐない 4 骸骨よ、跳り出せ! 第8章 二十世紀ローマの二つのカタストロフィー(?)――モラヴィアが見たファシズムの崩壊とアントニオーニが見た「奇跡の経済成長」 鳥越輝昭 1 Il conformistaと「正常さ」の問題 2 『情事』と「奇跡の経済成長」 第9章 〈廃品(ルビ:ジャンク)〉からの創造――S・ロディアのワッツ・タワーとブラック・ロスアンジェルス 土屋和代 1 サバト(あるいはサミュエル、サム、サイモン)・ロディアの生涯 2 ワッツ・タワーを救え!――愛国者のアートとして 3 舞台としてのワッツ 4 ワッツ蜂起後――〈廃品(ルビ:ジャンク)〉からの創造 第10章 カタストロフィーを超えて立つ武術家の表象――天安門事件後の徐克(ルビ:ツイ・ハーク)と映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ』シリーズ 村井寛志 1 天安門事件と徐克 2 地域的英雄(ルビ:ローカル・ヒーロー)と国民的英雄(ルビ:ナショナル・ヒーロー)の間――『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ』 3 去りゆく者たちへの愛惜――『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ天地大乱』 4 国家の中枢へ――『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ天地争覇』 第11章 三・一一後の記録・物語――小森はるか+瀬尾夏美インタビュー 聞き手:熊谷謙介 Editor 熊谷 謙介 Kensuke Kumagai 神奈川大学外国語学部准教授。専攻はフランス文学・文化、表象文化論。著書にLa Fête selon Mallarmé. République, catholicisme et simulacre(L'Harmattan)、共著に『〈68年〉の性』『〈悪女〉と〈良女〉の身体表象』(ともに青弓社)、共訳書に『古典BL小説集』(平凡社)など。
-
唐十郎がいる唐組がある二十一世紀[OUTLET]
¥1,000
50%OFF
50%OFF
状況劇場の輝かしい成果を懐かしむすべての期待を裏切って、螺旋的に上昇しつづける唐十郎と唐組の個性的な役者たち。ますます新しく、よりいっそう激しく疾駆する彼/彼女たちの現在形を、演劇評論を超えた精神誌の地平で熱く深く語る。舞台写真を多数所収。 [出版社より] 編 者|堀切直人 出版社|青弓社 定 価|2,000円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|220 ISBN|978-4-7872-7190-7 初 版|2004年11月 Contents 坪内祐三 唐十郎がいる唐組がある二十一世紀 伊東静雄と伊藤静雄の間に──唐十郎『泥人魚』 永原孝道 ポスト・オウムの唐十郎──『裏切りの街』と『人さらい』をめぐって 室井尚 「糸」を張る中年男 オリンピアの誘惑 唐版サイバーパンク 夢の胎内へ 『泥人魚』に寄せて 唐十郎のこと 浦野興治 フェティシズムの量子力学──『裏切りの街』から『夜壺』まで 稲荷・藤井コンビを観る 「雄飛」の季節──藤井由紀インタビュー 堀切直人 唐組役者礼賛 バブルに馴れ合わなかった唐十郎 『泥人魚』の方へ 唐組島の進化史 唐組役者八人衆 唐十郎 ケータイを身体の一部にしている人のアタマに楔を打ち込む演劇はどこにあるのか?──インタビュー:聞き手・八角聡仁 唐組上演略記 初出一覧 あとがき Editor 堀切 直人 Naoto Horikiri 1948年、神奈川県生まれ。文芸評論家。著書『唐十郎ギャラクシー』(青弓社)、『浅草』(栞文庫)、『明治の精神史』(J&Jコーポレーション)、『本との出会い、人との遭遇』(右文書院)など。
-
韓国映画を作った男たち 一九〇五ー四五年[OUTLET]
¥1,500
50%OFF
50%OFF
植民地下の韓国映画界は、日本と朝鮮総督府の厳しい検閲をかわしながら次々と新作を公開した。検閲との闘い、美男美女スターの登場と恋愛スキャンダル、大スター羅雲奎をめぐる数々のエピソードと臨終記など、韓国映画の制作者たちを生き生きと描く裏面史。 [出版社より] 著 者|安鍾和 訳 者|長沢雅春 出版社|青弓社 定 価|3,000円+税 判 型|A5判/並製 頁 数|287 ISBN|978-4-7872-7341-3 初 版|2013年10月 Contents はじめに 第1章 活動写真と連鎖劇――開化期 1 活動写真の登場 2 朴承弼の光武台 3 劇場の設立 4 活躍する弁士たち 5 連鎖劇の発生 6 連鎖劇の消滅と活動写真 第2章 無声映画の誕生 1 朝鮮総督府制作の貯蓄啓蒙映画 2 朝鮮キネマ株式会社誕生 3 羅雲奎の登場と『雲英伝』 4 悲運の女優李彩田 5 女優李月華の哀路 6 白南プロダクション 7 鶏林映画協会の設立 第3章 『アリラン』の民族意識と抵抗――本格期 1 羅雲奎の華麗な名声 2 女優申一仙の悲恋 3 沈薫監督『夜明け』 4 羅雲奎の本格的な台頭 5 羅雲奎の快進撃 6 朝鮮映画芸術協会の顛末 7 孤独か絶望か――消えたスターたち 8 羅雲奎プロダクション前後 第4章 朝鮮映画の爛熟期 1 羅雲奎の黄金時代 2 斜陽の王者羅雲奎 3 映画とは何か 4 新鋭李圭煥の登場 5 朝鮮映画の“銀河に流れる情熱” 6 ああ、映画王が夭逝! 第5章 トーキーの全盛時代――躍進期 1 映画史に見る革命の風 2 最後の無声映画 3 弁士徐相昊の凄絶な人生 4 飛躍する朝鮮映画 5 朝鮮映画界の黄金期 第6章 統制と国策映画への道のり――受難期 1 内鮮一体と朝鮮映画の抹殺 2 国策映画の増産 3 統制映画社創設への筋書き 4 屈服と協力、そして解放 朝鮮映画作品一覧 1903-45年 訳者解題 安鍾和とその時代 長沢雅春 Author 安 鍾和 本名:安龍熙。1902年、ソウル生まれ。20年代、革新団の連鎖劇『長恨夢』で女役として俳優デビューの後、尹白南の民衆劇団で幹部として活躍。22年、会寧で劇団芸林会を組織し、そこで無名の羅雲奎と出会う。24年、朝鮮キネマ第1回作品『海の秘曲』で主役として映画デビュー。27年、李慶孫・金乙漢らと朝鮮映画芸術協会を発足させ、28年に朝鮮文芸映画協会を組織した。『故郷』で監督デビューし、併合下では『花商売』『歌う季節』『青春の十字路』『銀河に流れる情熱』『人生航路』など、解放後は『愁雨』『千秋の恨』などの監督作品がある。著書に『新劇史物語』がある。1966年に没。 Translator 長沢 雅春 Masaharu Nagasawa 1958年、静岡県生まれ。中央大学大学院文学研究科国文学専攻博士後期課程修了。日本映画学校講師、仁済大学日語日文学科専任講師(韓国)。佐賀女子短期大学キャリアデザイン学科教授、佐賀大学兼任講師。論文「橋川文三論」(「白」第2号)、「日本浪曼派と景山正治」(「国文学解釈と鑑賞」2002年5月号)、「寺田透と戦後派文学」(「国文学解釈と鑑賞」2005年11月号)、「日韓併合下における朝鮮教育の同化思想について」(「佐賀女子短期大学研究紀要」第41号)ほか。
-
陶酔とテクノロジーの美学 ドイツ文化の諸相1900―1933[OUTLET]
¥2,000
50%OFF
50%OFF
新たな技術・メディアが驚異的な発展を遂げて人々に圧倒的な支持を得た19世紀末から20世紀初頭に、冷めた合理性に裏打ちされる新たな技術と祝祭性を伴う熱狂の狭間で揺れ動いたドイツ文化の諸相を、当時の社会思想や社会状況も織り交ぜながらあぶり出す。 [出版社より] 編著者|鍛治哲郎・竹峰義和 出版社|青弓社 定 価|4,000円+税 判 型|A5判/並製 頁 数|288 ISBN|978-4-7872-7349-9 初 版|2014年6月 Contents 陶酔の美学、あるいは個の解消とテクノロジーのなかの陶酔――序にかえて 鍛治哲郎 第1部 陶酔のテクノロジー 第1章 機械の陶酔のなかで ベルント・シュティーグラー[柳橋大輔訳] 1 坩堝のなかで 2 速度とリズム 3 より高次の秩序 4 新しい技術的人間とファシズム的大衆 第2章 「おまえはカリガリにならなければならない!」――ヴァイマール映画における陶酔と越境の契機をめぐる一考察 竹峰義和 1 カリグラフィーとしてのカリガリ 2 アトラクションとしてのカリガリ 3 越境するカリガリ 第3章 陶酔と制御――アルフレート・デーブリーン『山と海と巨人』における技術 ガブリエーレ・シュトゥンプ[長谷川晴生訳] 第2部 陶酔のディスクール 第4章 海の誘惑 身体の夢――G・ベンとS・フェレンツィにおける生物学と陶酔 鍛治哲郎 1 消滅と一体化――ホーフマンスタール 2 海と陶酔――ベン 3 海と母胎――フェレンツィ 4 海の干拓――フロイト 第5章 エルンスト・ブロッホ『この時代の遺産』における陶酔の弁証法 森田 團 1 『この時代の遺産』における陶酔 2 生きられた瞬間の暗闇 3 暗闇の絶対的な先行性 4 陶酔の弁証法 第6章 陶酔のなかで共に生きる――ベンヤミンの麻薬実験と恍惚の集団性 カイ・ファン・アイケルス[羽根礼華訳] 1 ベンヤミンvs.クラーゲス――社会的陶酔と非社会的陶酔 2 いかにして陶酔を組織するか 3 私たちの弱さの政治的作用 第7章 陶酔と無調――奏でられ、歌われ、酔われる四重奏に向けて 長木誠司 1 歌われる四重奏――ベルクの『抒情組曲』 2 ほかの遊星の陶酔――シェーンベルクの『弦楽四重奏曲第二番』 第3部 陶酔の演出 第8章 第一次世界大戦中のパウル・ベッカーの思想と「世界観音楽」の終焉 岡田暁生 1 世紀転換期と巨大管弦楽の夢 2 第一次世界大戦と世界観音楽の破綻 3 パウル・ベッカー『ドイツの音楽生活』と音楽の「新しい公共性」 4 共同体的熱狂への幻滅 第9章 アビ・ヴァールブルクにおける陶酔とメランコリーの認識法――ニンフとアトラスをめぐる「ムネモシュネ・アトラス」拡張の試み 田中 純 1 「ニンフ=グラディーヴァ」の系譜 2 「アトラス=せむし」の系譜 第10章 技術と陶酔、演劇と祝祭――マックス・ラインハルトの場合 高橋宗五 第11章 方法としての陶酔、材料としての人間、芸術家としての総統――ヴァイマール共和国における国家社会主義と「政治の美学化」 ヘルマン・ゴチェフスキ 1 指導者原理と国家社会主義の魅力 2 方法としての陶酔 3 材料としての人間、芸術家としての総統 インターフェースとしての陶酔体験――むすびにかえて 竹峰義和 Editor 鍛治 哲郎 Tetsuro Kaji 1950年生まれ。鎌倉女子大学教授。専攻はドイツ文学。著書に『ツェラーン 言葉の身ぶりと記憶』(鳥影社)、共著に『批評理論』(講談社)、共訳書に『グリム ドイツ伝説集』上・下(人文書院)など。 竹峰 義和 Yoshikazu Takemine 1974年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科准教授。専攻は表象文化論、ドイツ思想史、映像メディア論。著書に『アドルノ、複製技術へのまなざし』(青弓社)、共著に『美のポリティクス』(御茶の水書房)、共訳書にヴィンフリート・メニングハウス『吐き気』(法政大学出版局)など。
-
芸能人寛容論[OUTLET]
¥640
60%OFF
60%OFF
「cakes」の人気連載、芸能人批評「ワダアキ考」がついに書籍化。約50人を厳選し、増補。新たに「堂本剛」「宮崎あおい」ほか5人の書き下ろしを追加。回り道を重ねて芸能人の生態を観察、テレビの向こう側に私たちが感じるわだかまりを力の限りで受け止める。現代社会の「空気」をつかみ取り、テレビと私たちの緊張関係を取り戻す。2015年話題の1冊『紋切型社会』の著者が、放牧された芸能人を苛烈に問い直す1冊。 [出版社より] 著 者|武田砂鉄 出版社|青弓社 定 価|1,600円+税 判 型|四六判 頁 数|256 ISBN|978-4-7872-7391-8 初 版|2016年8月 Contents まえがき やっぱりEXILEと向き合えないアナタへ ファシズム化する石原さとみの唇 紗栄子が生き急いでいる 軽部アナの蝶ネクタイが教えてくれること フィギュア・八木沼純子の味気ない解説の味わい SEKAI NO OWARIは「中二病」ではなく「高三病」 水原希子は巨大仏である 堂本剛と向き合いたい気持ちはあるけれど 能年玲奈民営化問題 池上彰依存社会 これからの「ピケティ」の話をしよう メディアに消費されない宮間あや選手 森高千里が管理している若さについて 堀北真希の国語力に圧倒されたよ ファンキー加藤とニッポンの労働 島崎和歌子論 マツコ・デラックスは毒舌ではないのだし 吹石一恵をブラトップだけで語るな 神木隆之介の好印象が果てしない 上戸彩の話をします 与沢翼は見た目が九割 YUKIのことを考えましたが、わかりませんでした 西島秀俊の結婚に失望する一体感 ウイスキーを作るべきは華原朋美 高橋ジョージのリーゼント・ハラスメント 夏目三久アナは「間」を統率する 僕たちは神田うのを更新しながら生きてきた 松本人志と時事問題 黒柳徹子は若者に苦言を呈さない ざわちんは板野友美をやめてはいけない 女子力高い織田信成だけが男らしかった 大江麻理子アナは誰にも嫌われないはずだった ネプチューン名倉潤を終電まで語り尽くす必要性 森三中の「女」の在り処について 柳沢慎吾のことが大好き ベッキーの元気を直視できないボクらが悪い 「ゲスの極み乙女。」で大喜利しない勇気 沢尻エリカはいつまで不機嫌を待望されるのか 中山秀征はテレビ離れを食い止める aikoの魅力がわからないんです 前園真聖の話術が阿川佐和子に近づいていく 吉田羊を「ミステリアス」と評するミステイク なぜ小堺一機は語られないのか やっぱりまだ、aikoの魅力がわからないんです 広瀬すずに謝らせようとする仕組み 唐突ですが、TRFのSAMについて考える 西野カナの話をすると人はつまらなくなる 安手のセクシーを引き受ける斎藤工は巧みだ いつの間にかPerfumeの理解者になってる感じ 狂犬と強権を選択する加藤浩次 私は浅田舞に飽きてきたが皆様はどうか 「宮崎あおいとかが好き」の正体 星野源が嫌われない理由を探しに あとがき Author 武田 砂鉄 Satetsu Takeda 1982年生まれ。ライター。東京都出身。大学卒業後、出版社で主に時事問題・ノンフィクション本の編集に携わり、2014年からフリー。15年、『紋切型社会――言葉で固まる現代を解きほぐす』(朝日出版社)で、第25回「Bunkamuraドゥマゴ文学賞」を受賞。16年、第9回「(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞」を受賞。「cakes」「文學界」「NEWSWEEK」「VERY」「SPUR」「Quick Japan」「暮しの手帖」「SPA!」などで連載を持ち、インタヴュー、書籍構成なども手がけている。