植民地下の韓国映画界は、日本と朝鮮総督府の厳しい検閲をかわしながら次々と新作を公開した。検閲との闘い、美男美女スターの登場と恋愛スキャンダル、大スター羅雲奎をめぐる数々のエピソードと臨終記など、韓国映画の制作者たちを生き生きと描く裏面史。
[出版社より]
著 者|安鍾和
訳 者|長沢雅春
出版社|青弓社
定 価|3,000円+税
判 型|A5判/並製
頁 数|287
ISBN|978-4-7872-7341-3
初 版|2013年10月
Contents
はじめに
第1章 活動写真と連鎖劇――開化期
1 活動写真の登場
2 朴承弼の光武台
3 劇場の設立
4 活躍する弁士たち
5 連鎖劇の発生
6 連鎖劇の消滅と活動写真
第2章 無声映画の誕生
1 朝鮮総督府制作の貯蓄啓蒙映画
2 朝鮮キネマ株式会社誕生
3 羅雲奎の登場と『雲英伝』
4 悲運の女優李彩田
5 女優李月華の哀路
6 白南プロダクション
7 鶏林映画協会の設立
第3章 『アリラン』の民族意識と抵抗――本格期
1 羅雲奎の華麗な名声
2 女優申一仙の悲恋
3 沈薫監督『夜明け』
4 羅雲奎の本格的な台頭
5 羅雲奎の快進撃
6 朝鮮映画芸術協会の顛末
7 孤独か絶望か――消えたスターたち
8 羅雲奎プロダクション前後
第4章 朝鮮映画の爛熟期
1 羅雲奎の黄金時代
2 斜陽の王者羅雲奎
3 映画とは何か
4 新鋭李圭煥の登場
5 朝鮮映画の“銀河に流れる情熱”
6 ああ、映画王が夭逝!
第5章 トーキーの全盛時代――躍進期
1 映画史に見る革命の風
2 最後の無声映画
3 弁士徐相昊の凄絶な人生
4 飛躍する朝鮮映画
5 朝鮮映画界の黄金期
第6章 統制と国策映画への道のり――受難期
1 内鮮一体と朝鮮映画の抹殺
2 国策映画の増産
3 統制映画社創設への筋書き
4 屈服と協力、そして解放
朝鮮映画作品一覧 1903-45年
訳者解題 安鍾和とその時代 長沢雅春
Author
安 鍾和
本名:安龍熙。1902年、ソウル生まれ。20年代、革新団の連鎖劇『長恨夢』で女役として俳優デビューの後、尹白南の民衆劇団で幹部として活躍。22年、会寧で劇団芸林会を組織し、そこで無名の羅雲奎と出会う。24年、朝鮮キネマ第1回作品『海の秘曲』で主役として映画デビュー。27年、李慶孫・金乙漢らと朝鮮映画芸術協会を発足させ、28年に朝鮮文芸映画協会を組織した。『故郷』で監督デビューし、併合下では『花商売』『歌う季節』『青春の十字路』『銀河に流れる情熱』『人生航路』など、解放後は『愁雨』『千秋の恨』などの監督作品がある。著書に『新劇史物語』がある。1966年に没。
Translator
長沢 雅春 Masaharu Nagasawa
1958年、静岡県生まれ。中央大学大学院文学研究科国文学専攻博士後期課程修了。日本映画学校講師、仁済大学日語日文学科専任講師(韓国)。佐賀女子短期大学キャリアデザイン学科教授、佐賀大学兼任講師。論文「橋川文三論」(「白」第2号)、「日本浪曼派と景山正治」(「国文学解釈と鑑賞」2002年5月号)、「寺田透と戦後派文学」(「国文学解釈と鑑賞」2005年11月号)、「日韓併合下における朝鮮教育の同化思想について」(「佐賀女子短期大学研究紀要」第41号)ほか。
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