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時給はいつも最低賃金、これって私のせいですか? 国会議員に聞いてみた。
¥1,870
50代、単身、フリーランス、お金なし。さらにコロナ禍でバイトをクビに──。 ライターと国会議員・小川淳也さんが繰り広げた“政治問答365日”。 息が詰まるほど不安で苦しい生活が続くのは、「私のせい」? まったく分からない“不安”の正体を知るべく降り立ったのは、永田町・衆議院第二議員会館。この「分からない」を解決するために、国会議員の小川さんに直接聞いてみることにしたーー。 映画『なぜ君は総理大臣になれないのか』で話題の国会議員・小川淳也に、相撲・音楽ライターとして活動する和田靜香が、生きづらさの原因を直接ぶつけた汗と涙の激論の数々! お金、住まい、税金、働き方、ジェンダーなど、人それぞれが抱える悩みを政治の力を使って解決へ導く一冊。 [出版社より] 著 者|和田靜香 取材協力|小川淳也 出版社|左右社 定 価|1,700円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|280 ISBN|978-4-86528-045-6 初 版|2021年09月 Contents はじめに コロナ禍の前から私はずっと不安だった ▼第1章 生きづらいのは自分のせい? 応援する候補者が当選したためしがない 政治が分からないまま大人になった コラム 赤えんぴつで殴り書きした不安 ▼第2章 耳タコの人口問題が生活苦の根源 ポストコロナの最重要課題は「人口問題」 「コロナから国民を守ります」ぐらい言えないのか 賃金が上がった、景気が良くなった、と言ってたけれど コラム 分断はそれぞれの心の中にある コラム 税金が高くて払いたくありません ▼第3章 「なんか高い」では済まされない税金の話 仕方なく払っている税金の行方 ゆくゆくは消費税100%!? ベーシックインカムで安心できるか? 住む場所さえも確保できない コラム 分からないことは恥ずかしいことじゃない コラム 「国民」は使ってはいけない言葉 ▼第4章 歳をとると就職できない理由 働く人の年齢差別 この賃金でこの社会保険料はおかしい 女性たちは競争させられている 待ったナシの移民問題 コラム 小川さんが100%正解ではない ▼第5章 見て見ぬふりをしてきた 環境、エネルギー、原発問題 「私たちの家は火事になっている」 エネルギーは私たちの力で作れる 分かり合えない原発の話 コラム 私が政治を語っていいのか コラム 小川さん号泣 ▼第6章 自分を考える=政治を考える 私も沖縄に基地を押し付けている 「安心・安全なオリンピックを目指します」? 間違えてもいい民主主義 不安をそのままにしないための政治 おわりに 私の不安は日本の不安だった 政治問答ブックリスト Author 和田 靜香 Shizuka Wada 相撲・音楽ライター。千葉県生まれ。著書に『世界のおすもうさん』、『コロナ禍の東京を駆ける――緊急事態宣言下の困窮者支援日記』(共に共著、岩波書店)、『東京ロック・バー物語』(シンコーミュージック)などがある。猫とカステラときつねうどんが好き。 小川 淳也 Junya Ogawa[取材協力] 国会議員。1971年・香川県生まれ。東京大学法学部卒。1994年自治省に入省し、2003年に民主党より衆議院議員選挙に初挑戦するも惜敗。2005年に初当選。現・立憲民主党所属の衆議院議員(5期/2021年7月現在)。レンチンした「おあげさん」が好き。
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生きていること——動く、知る、記述する
¥4,950
人類が生きることを取り戻すために——。 ひとが生きるということ、それはこの世界の終わりなき流動のなかに身を置き、世界を変えながら自らも変わり続けてゆくことだ。芸術・哲学・建築などのジャンルと人類学の交わるところに、未知の学問領域を切り拓いてきたインゴルド。その探究を凝縮する主著、待望の邦訳。 [出版社より] 「生きることと知ることは完全にひとつになる。この本を読めばそれがわかる」 ──大澤真幸(社会学者) 「あなたの生に出逢うため、世界という命に己を浸せ。そして「共に」運動せよ」 ──磯野真穂(文化人類学者) 「この本で人類学は、これからのデザインの視座になった」 ──佐藤卓(デザイナー) 著 者|ティム・インゴルド 訳 者|柴田崇・野中哲士・佐古仁志・原島大輔・青山慶・柳澤田実 出版社|左右社 定 価|4,500円+税 判 型|四六判 頁 数|604 ISBN|978-4-86528-037-1 初版|2017年11月 Contents 序文、および謝辞 プロローグ1 生に還る人類学 第一部 地面を切り拓く 2 素材対物質 3 地面の文化 足を通して知覚される世界 4 板を歩く 技術に熟練する過程を考える 第二部 メッシュワーク 5 動くものを再考すること、思考を再び動かすこと 6 点・線・対位法 環境から流動空間へ 7 アントがスパイダーと会うとき 節足動物のための社会理論 第三部 大地と天空 8 大地のかたち 9 大地、天空、風、そして気象 10 ランドスケープか気象世界か 11 サウンドスケープ概念に対する四つの反論 第四部 物語られた世界 12 空間に逆らって 場所、動き、知識 13 分類に逆らう物語 輸送・散歩・知識の統合 14 物語ることとしての名づけ アラスカのコユコン族が動物について話すこと 第五部 線描すること、つくること、書くこと 15 Aという文字の七つのヴァリエーション 16 精神の歩き方 読むこと、書くこと、描くこと 17 つくることのテクスティリティ 18 線を束ねる 行なうこと、観察すること、記述すること エピローグ19 人類学はエスノグラフィーではない 解題|生きている世界へのまなざし(野中哲士) 謝辞 索引/文献一覧 Author ティム・インゴルド Tim Ingold 1948年英国バークシャー州レディング生まれ。社会人類学者。トナカイの狩猟や飼育をめぐるフィンランド北東部のサーミ人の社会と経済の変遷についてフィールドワークを行なう。線という観点からあらゆるものを捉えなおす『ラインズ 線の文化史』(原著2007)、手の仕事を通じて人類学を編みなおす『メイキング 人類学・考古学・芸術・建築』(原著2013)のほか、『ライフ・オブ・ラインズ 線の生態人類学』(原著2015)、『人類学とは何か』(原著2018)、未邦訳の著書としてThe Appropriation of Nature(1986)、アカデミズムにおける進化の概念を俯瞰するEvolution and Social Life(1986)、世界の知覚のあり方を問い直すThe Perception of the Environment(2000)などの著書がある。 Translator 柴田 崇 1969年生まれ。メディア論、技術思想史、生態心理学。北海学園大学人文学部英米文化学科教授。主な著書に、『マクルーハンとメディア論身体論の集合』(勁草書房、2013年)、『サイボーグ技術を理解するための鍵』(東京大学出版会、印刷中)がある。【監訳/第一部】 野中 哲士 1972年生まれ。神戸大学大学院人間発達環境学研究科教授。生態心理学と人類学の学際領域を専門とする。「身体環境系における柔軟な行為制御の研究」で日本学術振興会賞を受賞。著書に『具体の知能』(金子書房、2016年)ほかがある。【訳者解題、監訳序文および謝辞、プロローグ、第五部第17章】 佐古 仁志 1978年生まれ。生態記号論。東京交通短期大学専任講師。主な著書・論文に「生成へと到る旅路:哲学と心理学の〈あいだ〉の人類学者ティム・インゴルド」(『江戸川大学紀要』第30号、2020年)、「批判的常識主義に基づくパースの知覚論」(『叢書セミオトポス15』日本記号学会編、2020年)などがある。【第二部】 原島 大輔 1984年生まれ。基礎情報学、表象文化論。早稲田大学次世代ロボット研究機構研究助手。著書に『AI時代の「自律性」未来の礎となる概念を再構築する』(共著、勁草書房、2019年)、『基礎情報学のフロンティア人工知能は自分の世界を生きられるか?』(共著、東京大学出版会、2018年)などがある。【監訳/第三部】 青山 慶 1979年生まれ。発達心理学、生態心理学。岩手大学教育学部准教授。著書に『知の生態学的転回1身体:環境とのエンカウンター』(共著、東京大学出版会、2013年)、『家庭における活動と学び身体・ことば・モノを通じた対話の観察から』(共著、明石書店、2021年)がある。【監訳/第四部】 柳澤 田実 1973年生まれ。哲学、キリスト教思想。関西学院大学神学部准教授。編著書に『ディスポジション哲学、倫理、生態心理学からアート、建築まで、領域横断的に世界を捉える方法の創出に向けて』(現代企画室、2008年)ほかがある。【第五部第15章、第16章、第18章、第19章】
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私のいない部屋
¥2,640
"マンスプレイニング"を世に広めた新時代のフェミニズムを代表する作家、ソルニットの歩んだストーリー。 「若い女となること。それは数え切れないほどさまざまに姿を変えて出現する自分の消滅に直面することであり、その消滅から逃避し、否認することであり、時にはそのすべてだ。」 父のDVから逃れるように家を離れ、サンフランシスコの安アパートに見つけた自分の部屋。女に向けられる好奇や暴力、理不尽の数々を生き延び、四半世紀暮したその部屋でやがてソルニットは作家になった。生々しい痛みと不安とためらい、手放さない希望を描くはじめての自叙伝。 ー 通りすがりにつばを吐きかけてきた男。元恋人に刺されて死にかけた友人。 アパートの管理人が語ってくれた、追い立てられ続けた黒人の歴史。 歩くことの自由を知ったこと、女性が自由に歩けない理不尽への怒り。 ゲイの友人たちのファッションとおしゃべりがもつケアの優しさ。 バロウズのパーティに潜り込み、美術雑誌に書いた記事。 はじめての本をまるごと葬ろうとしてきた編集者──。 自由と抑圧が交錯するアメリカ西海岸、1981年。 拾い物の家具、ガラクタ市で見つけた年代物のソファとともに始まったのは、女をいないも同然にあしらう男たちに抗い、自分の声を持ち、なるべき私になるまでの物語だった。 [出版社より] 著 者|レベッカ・ソルニット 訳 者|東辻賢治郎 出版社|左右社 定 価|2,400円+税 判 型|四六判/上製 頁 数|304 ISBN|978-4-86528-046-3 初 版|2021年10月 Contents 鏡の中の家 Looking Glass House 霧笛とゴスペル Foghorn and Gospel 戦時下の生活 Life During Wartime 消失の技法 Disappearing Atcs 夜、自由に Freely at Night エッジの効用 Some Uses of Edges 難破船へ潜る Diving into the Wreck 声と信用と重み Audibility, Credibility, Consequence あとがき 生命線 Afterword: Lifelines 謝辞/訳者あとがき Author レベッカ・ソルニット Rebecca Solnit 1961年生まれ。作家、歴史家、アクティヴィスト。カリフォルニアに育ち、環境問題・人権・反戦などの政治運動に参加。1988年より文筆活動を開始する。歩くことがいかに人間の思考と文化に深く根ざしているか広大な人類史を渉猟する『ウォークス 歩くことの精神史』、「マンスプレイニング」の語を広めた『説教したがる男たち』、その続篇ともいえるフェミニズム・エッセイ『わたしたちを沈黙させるいくつかの問い』のほかに、エドワード・マイブリッジ伝River of Shadows(2004、全米批評家協会賞)、旅や移動をめぐる思索『迷うことについて』、ハリケーン・カトリーナを取材したA Paradise Built in Hell(2009、邦訳『災害ユートピア』)など、環境、土地、芸術、アメリカ史など多分野に二十を越す著作がある。美術展カタログや雑誌への寄稿も多数。 Translator 東辻 賢治郎 Kenjiro Totsuji 1978年生まれ。翻訳家、建築・都市史研究。関心領域は西欧初期近代の技術史と建築史、および地図。翻訳書にソルニット『ウォークス 歩くことの精神史』『迷うことについて』がある。
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響映する日本文学史
¥1,980
SOLD OUT
『古今和歌集』から夏目漱石まで、つながりを知れば文学はもっと楽しい! 古典から近代に至るまで、ひとつの文学作品はまた別の作家を産み、作家たちはまた新たな作品を作り続けてきた。 たとえば、『源氏物語』に引用される古歌は在原行平が須磨を訪れたときに詠んだ和歌を踏まえているのは有名な話だが、さらに、謡曲を愛した夏目漱石は「涼しさの闇を来るなり須磨の浦」という俳句を残している。 またその夏目漱石が執筆した『草枕』は、刊行から六十年近い歳月が経ってから翻訳され、カナダのピアニスト、グレン・グールドの座右の書となったという。その後、日本では、グールドと『草枕』の研究が進展している。 それぞれの関連性を軸に、「響映」=「響き合い、映じ合う」という視点から史実をひもとくことで、新たな日本文学の姿を明らかにする。 まるで物語のように読み進められる、ドラマティックな文学史入門。 [出版社より] 著 者|島内裕子 出版社|左右社 定 価|1,800円+税 判 型|B6判/並製 頁 数|194 ISBN|978-4-86528-296-2 初 版|2020年10月 Contents はじめに 第一章 『古今和歌集』の影響力 第二章 『源氏物語』と日本文化 第三章 『和泉式部日記』と『更級日記』の近代性 第四章 批評文学の源流、『枕草子』と『徒然草』 第五章 謡曲というスタイル 第六章 松尾芭蕉の旅と人生 第七章 本居宣長の学問 第八章 和漢洋の体現者・森鷗外 第九章 夏目漱石と、近代文学のゆくえ Author 島内裕子 Yuko Shimauchi 東京都に生まれる。1979年 東京大学文学部国文科卒業。1987年 東京大学大学院人文科学研究科国語国文学専門課程博士課程単位取得退学。現在 放送大学教授。博士(文学)(東京大学)。専攻 『徒然草』を中心とする日本文学。 主な著書 『徒然草の変貌』(ぺりかん社)、『兼好─露もわが身も置きどころなし』(ミネルヴァ書房)、『徒然草文化圏の生成と展開』(笠間書院)、『徒然草をどう読むか』(左右社)、『方丈記と住まいの文学』(左右社)、『批評文学としての「枕草子」「徒然草」』(NHK出版)、『校訂・訳 徒然草』(ちくま学芸文庫)、『校訂・訳 枕草子』(上・下、ちくま学芸文庫)
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わたしたちが沈黙させられるいくつかの問い
¥2,420
「ご結婚は?」「ご主人は?」「奥さまは?」「お子さんは?」……。 わたしたちはいつも、無数の問いにさらされ、黙らされてきた。でもいまや、何かが変わりはじめた。近年のフェミニズムの大きな動きのなかで綴られた、沈黙と声をあげることをめぐるエッセイ集。 ー ヴァージニア・ウルフについて講演をしたあとのこと。ある男がこう言った。「ウルフは子どもを産むべきだったと思いますか?」 女性の社会進出が進み、ライフスタイルがどんなに多様化しても、わたしたちは何度でも何度でも脱力するような問いにさらされて生きている。さまざまなかたちの暴力を受け、沈黙することを強いられつづけている。 SNSでは声を封じるためのあらゆる嫌がらせと脅しがぶつけられ、レイプを始めとする性暴力やドメスティック・バイオレンスは一向に減ることがない。人魚姫は地上で暮らすかわりに声を奪われるお話しだし、「STAR WARS」三部作でレイア姫以外の女性が話すシーンはわずか63秒間に過ぎず、女性たちを固定観念に閉じ込める物語は、進化をめぐる科学にまで浸透している——。 男と女をめぐるいびつな権力構造をあばき、辛辣に、ときにユーモラスに、すべてのひとに力を与える傑作エッセイ。 [出版社より] 著 者|レベッカ・ソルニット 訳 者|ハーン小路恭子 出版社|左右社 定 価|2,200円+税 判 型|四六判/上製 頁 数|272 ISBN|978-4-86528-010-4 初 版|2021年01月 Contents イントロダクション マザー・オブ・オール・クエスチョンズ 1 沈黙は破られる 沈黙に関する簡潔な記録 I 群島を囲む海 II 男はみな孤島 男性の沈黙 III 沈黙と檻 IV 洪水に飲まれた都市 反乱の年 フェミニズム 男たちの到来 七つの死の一年後 レイプ・ジョークをめぐる短くも幸福な近況 2 ブレイキング・ザ・ストーリー 五百万年来の郊外から逃れて 鳩が飛び立ったあとの巣箱 女が読むべきでない八十冊 『ロリータ』について説教したがる男たち 加害者が行方不明 女巨人 謝辞と出典 訳者あとがき Author レベッカ・ソルニット Rebecca Solnit 1961年生まれ。作家、歴史家、アクティヴィスト。カリフォルニアに育ち、環境問題・人権・反戦などの政治運動に参加。1988年より文筆活動を開始する。歩くことがいかに人間の思考と文化に深く根ざしているか広大な人類史を渉猟する『ウォークス 歩くことの精神史』(Wanderlust, 2000)、「マンスプレイ ニング」の語を広めた『説教したがる男たち』(Men Explain Things to Me, 2014)エドワード・マイブリッジ伝River of Shadows(2004、全米批評家協会賞)、旅や移動をめぐる思索A Field Guide to Getting Lost(2005)、ハリケーン・カトリーナを取材したA Paradise Built in Hell(2009、邦訳『災害ユートピア』)など、環境、土地、芸術、アメリカ史など多分野に二十を越す著作がある。美術展カタログや雑誌への寄稿も多数。 Translator ハーン 小路 恭子 米文学者。専修大学准教授。専門分野は二十世紀以降のアメリカ文学・文化。危機意識と文学・文化ジャンルの創成の関係に関心を持つ。
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戦前尖端語辞典
¥1,980
戦前の風俗が立ち上がる破天荒で豊潤な285語を解説!! 「ガッカリアイエンコ」が「デスペレート」 でその「エル」が 「羅漢様」で 「ゲシュペンシュテル」……この意味わかるかい? 生活、学生、外来語、思想、女学生、文化、医療、社会、隠語の9つのジャンルからなる新語・流行語を大正8年〜昭和15年までの約30の流行語辞典から収録。言葉が生まれる背景から関係する当時の事件まで、多くの引用とともに書かれた著者オリジナルの解説に加え、同時代の文芸作品から用例を入れ、使い方を示した。当代きっての漫画家・山田参助のイラストもふんだんに使ったダンゼンたのしいモダンな一冊‼ [出版社より] 「「さよなら5分」「モダンジイ」「カネリプルネリ」「ありのすさび組」「高等内侍」どんなおじいちゃんやおばあちゃんにも、ヤンキーやギャルだった時代がある。無知で愚か。生意気で無定形、粗雑。感性を精いっぱい表現する言葉たち。彼ら彼女たち、かつての群衆は、驚くほど前衛的。自由、放埓で無責任。物事を深く見通してしまう直感。堅実な日々の暮らしを続けながら、ゲームなんかなくたって、テレビなんか見なくたって、十分にふしだらで、危険。あまりにも豊饒。この豊かさを私たちはいつ失ったのだろうか。ここに豊かな発想の源泉がある。忘れてはなるまいぞ」 ——金田一秀穂[言語学者] 編著者|平山亜佐子 絵・漫画|山田参助 出版社|左右社 定 価|1,800円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|208 ISBN|978-4-86528-011-1 初 版|2021年02月 Contents 漫画 尖端画報 山田参助 凡例 項目の見方 生活 イージー・マーク/インテリ賤民/円婚/さよなら五分/蜂窩生活/ルビ/あくたもくた/石部金吉/海億山億/方階級/缶詰芸者/寄生聴/今日は帝劇明日は三越/高遠の理想/高等/サイノロジー/薩摩守/散文的/淑徳持ち/新聞電車/すこやけ/銭タク/ダァー/大正芸者/ダンゼン/チェイン葉書/ちっとも/中年の恋/超/通過駅/ツてき/ツンドク/低徊趣味/鉄管ビール/どーま り/にこぽん式/ノー・バット・フィーリング/や/羅漢様/ラムネ ◉ねころびコラム 序文の愉しみ 学生 いびつ学校/音痴/彼女/コンパル/ざくばら/第七天国/赤電車/悪魔煙草/あるとくらしいい主義/アルノン・オルンナノ・シルリルハ・バルカニ・オオキインナル /エス/エス・オー・エス/エックス/エム/エル/閻魔帳/オブラート演説/キュッセン/行進/御座る /滑稽高慢女/麝香の間/受験ボーイ/書生の羊羹/ストーム/せこちゃん/でかる/トリック/何か報い ましょう/のす/フリューリングスエルワッヘン/賄征伐/万年床/寮雨/ルとラ/蠟勉 ◉ねころびコラム『や便』について 外来語 アップ・トゥ・ミニト/インフルエンス/ゲシュペンシュテル/スペボー/チョコマン/フリー・バルーン/アイン・パール/アパッシュ/アミ/ア・ラ・パージュ/アルバイト/ガール/カフェ/ガルソンヌ/シー ク/シャン/ジンゲル/タイラント/チェリオ/テータテート/ノンシャランス/白板自模/ムチャーチャー/レーベ・ダーム ◉ねころびコラム 外来語の傾向 思想 イデオロヒメ/客本主義/テクテクズム/毒皿主義/ナオミズム/マルマル/赤大根/イキアタリバッタリズム/一人一殺主義/一人一党主義/一人一票主義/エガ/厭人主義/黄金万 能主義/オブローモフ主義/コロンタイズム/サーニズム/サンガーイズム/敵本主義/半獣主義/風壊/ 母性中心主義/末人/ムッソゴロ/友愛結婚 ◉ねころびコラム 主義の話 女学生 ありのすさび組/ガッカリアイエン人/スタンバイ/見た/もちコース/もののあわれ/アーブラシツキンキン、テントマタゲ、ハーリノメドクグレ/アイスクリーム/赤い手柄/アマショク/アマちゃん/イミシン/イモキ/インタロゲーションマーク/インハラベビー/ウマタ・ケーキ/ウル/エス /エッチ/オウラヤマブキ/オスースー/おすてーき/お花/オメ/外交家/カット・カット/からたちの花/キス/ギロチン/しょってる/タイガー/タギる/てよだわ語/とてき/ナップン・サラミー/ナフタリン/ハンマ/肥料の分配/埠頭/見たわようね/ルート三/わしゃつらい ◉ねころびコラム 変な辞書 文化 浅草式/ジンタ/セイラー・パンツ/ボッブ/ホンの寝巻/猟奇/あの子/アラシの孤児/イット/ヴァムプ/映画/エスペラント/オール・トーキー/オン・パレイド/ガウチョー/カジノ・フォリ/脚線美/銀ぶら/グロテスク/傾向小説/戦線異状なし/漱石文典/第九芸術/築地型/何がそうさせたか?/春や春/ペラごろ ◉ねころびコラム 近代の階層問題 医療 アブノーマル/ガース・コントロール/三等症/トニック/メスメリズム/理想病/与えよ病/左翼小児病/ジャパノフォビア/春的気分/職業病/世紀病/整容外科/潜水病/戦争病/都会病/トッカマン/ヒステリー/変態心理/変態性欲/ホーム・シック ◉ねころびコラム 病気の流行 社会 仰附葉書/学費稼芸者/幻滅の悲哀/面皰連/まからずや/モダン・ジイ/亜米利加後家/ウクライナ芸妓/衛生的美人/絵葉書屋/オブザー婆ア/解放/カネリ・プルネリ/鎌子式/川越チャブ/簡易生活/驚死/サイレン・ラブ/式/自廃/止揚/随喜/とんぼりガール/何番学校/ハガキ運動/罰金葉書/ハンドバック・ボーイ/ビル子/満妻/モダン信号/やとな/淪落の女/ロマンスカー 隠語 赤犬をけし掛ける/馬/金茶湯/コンビーフ/ねこ/ハイダシ/アイス/あましゃり/ありんす国/打込み/艶歌/えんこ/閻魔/置差/おまんじゅうになる/角袖/がせみつ/キング・ポイント/愚連隊/系図屋/警八風/骨/こます/三角法/持参金/実弾射撃/シャッポ/しゅく/すかをくう/すべた/田パル/天保銭/握り/羽織ゴロ/不見転/娘/メリケン ◉ねころびコラム 隠語の世界 おわりに 引用元辞典一覧、図版出典一覧 主な参考文献一覧 項目索引 Author 平山 亜佐子 Asako Hirayama / 編著 文筆家、デザイナー。『20世紀 破天荒セレブ ありえないほど楽しい女の人生カタログ』(国書刊行会)『明治大正昭和 不良少女伝 莫連女と少女ギャング団』(河出書房新社)など。 山田 参助 Sansuke Yamada / 絵・漫画 漫画家。『あれよ星屑』(KADOKAWA/エンターブレイ ン)が2019年に手塚治虫文化賞新生賞、日本漫画家協会賞大賞を受賞。その他『ニッポン夜枕ばなし』(リイド社)など。
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少女マンガのブサイク女子考
¥1,870
SOLD OUT
ヒロインにはなぜ、ブサイクがいないの? ライター・少女マンガ研究者の著者による、前人未到の少女マンガ×ルッキズムエッセイ誕生! 少女マンガのヒロインはたいてい美人。ブサイクという設定でも、「全然ブサイクじゃないじゃん!」と突っ込みたくなるかわいい女の子ばかり……。 と思いきや、少女マンガの「ブサイクヒロイン」は、こんなにたくさん存在していた!! 本書では、萩尾望都、山岸凉子、岡崎京子、安野モヨコなどの大御所から若手、知る人ぞ知る伝説的作家まで、全26作品を収録。各章の終わりには70年代に美内すずえなどの敏腕アシスタントとして活躍した笹生那実による考察マンガ、巻末には能町みね子との特別対談を掲載! [出版社より] 「少女マンガのブサイク女子はモブキャラではない! 多様性そのものである」 ——能町みね子 「魂で会話できない私たちは否が応にも己の美醜と向き合い続けなくちゃならない。その答えは少女マンガにあったんだ」 ——宇垣美里 著 者|トミヤマユキコ 漫 画|笹生那実 装 画|ハギーK 装 幀|いすたえこ+伊藤里織 出版社|左右社 定 価|1,700円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|192 ISBN|978-4-86528-293-1 初 版|2020年10月 Contents はじめに 第一章 ブサイク女子と恋 ・ブサイクでも 「盛れていればOK」だし恋だってできる! あいだ夏波『圏外プリンセス』 ・ぼんやり系王子に愛される幸せ 作楽ロク『ブスに花束を。』 ・天使にとって人間の美しさとは何か? 小森麻実『恋はなに色?』 ・学園のマドンナがまさかの毛むくじゃらに 小夏『野獣彼女』 ・ブサイクなんじゃない、美しさが隠れているだけ! 谷和野『魔法自家発電』 ◆昭和のソレ系少女漫画のお話 ①誰も努力などしない!(漫画:笹生那実/以下同) 第二章 ブサイク女子の生き様 ・ズボラ系ブサイク女子がさなぎになったり蝶になったり 西炯子『なかじまなかじま』 ・「痩せる=キレイになる」は幻想でしかない 安野モヨコ『脂肪と言う名の服を着て [完全版]』 ・美人もブスも「呪い」の前では平等である 坂井恵理『鏡の前で会いましょう』 ・「演技する鼻」から目が離せない わたなべ志穂『王子様はマリッジブルー』 ・生きるためにカワイイを作り続けろ! 岡崎京子『ヘルタースケルター』 ・超絶ブサイク女子の切なすぎる末路 谷口ひとみ『定本 エリノア』 ◆昭和のソレ系少女漫画のお話 ②『エリノア』の衝撃! 第三章 ブサイク女子と「呪い」 ・「違和感」のあるブサイク女子には気をつけよう! 渡千枝『鈴蘭』 ・かわいさよりも強さを取った女の子 今井康絵『肉のヨロイ』 ・ブサイク女子と美少女が入れ替わったらどうなるの? 川端志季『宇宙を駆けるよだか』 ・ブサイク女子を手術する執刀医は一体どんな心境なのか? 高階良子『地獄でメスがひかる』 ◆昭和のソレ系少女漫画のお話 ③ブサイクは退場必須? 第四章 ブサイク女子の血縁関係 ・「小豚ちゃん」のママは売れっ子女優 山岸凉子『鏡よ鏡…』 ・焦れったいブサイクヒロインを愛でよう 吉村明美『薔薇のために』 ・「悪魔に呪われた顔」なのは姉か妹か? まつざきあけみ『魔の顔』 ・「醜さ」の呪いが解けたあとに残るもの 萩尾望都『半神』『イグアナの娘』 ◆昭和のソレ系少女漫画のお話 ④ファンタジーから現実に着地! 第五章 「ブサイク」に左右されない女たち ・『俺物語!!』の猛男が女だったらどんな感じ? アルコ『終電車』 ・幻のブサイク女子マンガはやはり傑作だった 中村有希生『ひなちゃんの恋』 ・サカナ顔のヒロインがカップル幻想をぶっ壊す! 鈴木由美子『アンナさんのおまめ』 ・ブサイク女子のユートピアはここにあった ところはつえ『しこめちゃん』 ・着飾りまくった老女は醜いですか? 松苗あけみ『カトレアな女達』 ・ツネコちゃんは幸福なブサイク女子!? 玖保キリコ『シニカル・ヒステリー・アワー』 ◆昭和のソレ系少女漫画のお話 ⑤ブサイク女子漫画は進化する! 対談 能町みね子×トミヤマユキコ 「少女マンガはなぜブサイク女子を描き、わたしたちはなぜそれを読むのか?」 Author トミヤマユキコ Yukiko Tomiyama 1979年、秋田県生まれ。早稲田大学法学部、同大大学院文学研究科を経て、2019年春から東北芸術工科大学芸術学部講師。ライターとして日本の文学、マンガ、フードカルチャーについて書く一方、大学では少女マンガ研究を中心としたサブカルチャー関連講義を担当。著書に『夫婦ってなんだ?』(筑摩書房)、『40歳までにオシャレになりたい!』(扶桑社)、『大学1年生の歩き方』(共著、左右社)、『パンケーキ・ノート』(リトルモア)がある。
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ハンズ 手の精神史
¥2,420
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ラカン派気鋭の研究者が描く、手をめぐる文化・精神の歴史 アダム・スミスの「神の見えざる手」からディズニー映画「アナと雪の女王」まで、人間の歴史を「手を使って行うことの変化」として読み直す。文化や歴史、心理学や精神分析の理論を横断しながら、自分自身や他者との関係、現代に潜む病理を、ユーモアを交えつつ鋭く描き出していく。 ・ヒトラーや毛沢東の繊細な手仕事 ・手から離れていったフロイト、手へと回帰したラカン ・私たちの手を支配するiPhone ・ゾンビが手を前に突き出して歩いているのはなぜか ・手と自立依存症との関係 ・エイリアンハンド ・手と口の病的な結びつき ・キングコングの大きな手 ・アドベンチャー映画に見られる崖からぶら下がるシーンの意味 ・手放すことは掴むことより難しい ・手を暇にさせておくと悪魔が取り憑くという言い伝え [出版社より] 著 者|ダリアン・リーダー 訳 者|松本卓也・牧瀬英幹 出版社|左右社 定 価|2,200円+税 判 型|四六変型判/上製 頁 数|240 ISBN|978-4-86528-295-5 初 版|2020年11月 Contents 第1章 分裂する手 ─ー自律と自由のパラドックス 第2章 自律する手 ─ー手と口の病的な関係 第3章 掴む手、放す手 ー─愛着と喪失 第4章 社会化される手 ー─手を暇にさせておくことの危険性 第5章 鎮める手 ー─感覚を取り除くための刺激 第6章 暴れる手 ー─暴力行為の効能 第7章 言葉と手 ー─手を使わせるテクノロジーの今昔 訳者解説 原註 Author ダリアン・リーダー Darian Leader ロンドン在住の精神分析家、コラムニスト。ローハンプトン大学名誉客員教授。ケンブリッジ大学にて哲学を学んだ後、パリにて科学史を学ぶ傍ら、精神分析家としての研鑽を積む。Centre for Freudian Analysis and Researchの発起人であり、主要メンバー。著書に『ラカン( FOR BEGINNERSシリーズ)』(共著)、『本当のところ、なぜ人は病気になるのか?─身体と心の「わかりやすくない」関係』(共著)、Why Do Women Write More Letters Than They Post?、Promises Lovers Make When It Gets Late、Stealing the Mona Lisa などがある。芸術愛好家としても知られる。 Translator 松本 卓也 Takuya Matsumoto 1983年高知県生まれ。高知大学医学部卒業、自治医科大学大学院医学研究科修了。博士(医学)。専門は精神病理学。現在、京都大学大学院人間・環境学研究科准教授。著書に『人はみな妄想する ジャック・ラカンと鑑別診断の思想』(青土社、2015年)、『発達障害の時代とラカン派精神分析 〈開かれ〉としての自閉をめぐって』(共著、晃洋書房、2017年)、『創造と狂気の歴史 プラトンからドゥルーズまで』(講談社、2019年)、『心の病気ってなんだろう?』(平凡社、2019年)など。訳書にヤニス・スタヴラカキス『ラカニアン・レフト ラカン派精神分析と政治理論』(共訳、岩波書店、2017年)がある。 牧瀬 英幹 Hidemoto Makise 2010年、京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了。博士(人間・環境学)。専門は、精神分析、精神病理学、描画療法。現在、中部大学生命健康科学部准教授。著書に、『精神分析と描画─「誕生」と「死」をめぐる無意識の構造をとらえる』(誠信書房、2015年)、『発達障害の時代とラカン派精神分析─〈開かれ〉としての自閉をめぐって─』(編著、晃洋書房、2017年)、『描画療法入門』(編著、誠信書房、2018年)がある。
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ホロコーストから届く声 非常事態と人のこころ
¥3,080
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コロナ禍の現在とホロコーストに行き着いた1930年代。私たちの心は同じような危うさに触れている。 誰にも自分を晒したくない引きこもりの心性と、四六時中つながっていたい気持ち。引き裂かれている私たちの心の病理をコロナ禍はまざまざと示すことになった。そしてその心性は、先の見通せない息苦しさのなかで狂おしく未来を希求した末、強制収容所に行き着いた1930年代と深く通底している。 ザクセンハウゼン強制収容所を訪問し、記念碑や博物館のあり方に触れ、生還者プリーモ・レーヴィの見続けた夢を分析。スティーブ・ライヒやピナ・バウシュの作品に時代の心性を聴き取る臨床心理学者たちのホロコースト試論。 [出版社より] 編著者|猪股剛 著 者|植田静、鹿野友章、小杉哲平、古川真由美、宮澤淳滋、W・ギーゲリッヒ、西山葉子、清水めぐみ、山本民惠 出版社|左右社 定 価|2,800円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|320 ISBN|978-4-86528-002-9 初 版|2020年11月 Contents はじめに 一九三六年と二〇二〇年 猪股剛 第一章 ホロコーストのかなしみ 小杉哲平 第二章 ホロコーストの語られ方 猪股剛 第三章 語りに耳を傾けること 植田静 第四章 遊び、演劇、異界とのかかわり 鹿野友章 第五章 プリーモ・レーヴィの生きた夢 宮澤淳滋 第六章 死者と共に在ること 古川真由美 第七章 抑圧された忘却 ヴォルフガング・ギーゲリッヒ [ コラム ] ・ホロコースト読書案内(鹿野友章) ・プリーモ・レーヴィ(宮澤淳滋) ・ユングとは?(鹿野友章) ・ホロコーストとアート(山本民惠) ・ホロコーストと日本(西山葉子) ・ホロコーストと映画(清水めぐみ) ・ホロコーストと関連都市(清水めぐみ) ・ヴォルフガング・ギーゲリッヒ(猪股剛) おわりに 愚かな人間の一人として 山本民惠 Editor & Author 猪股剛 Tsuyoshi Inomata 1969年生まれ。ユング派分析家、臨床心理士/公認心理師。帝塚山学院大学准教授。精神科や学校臨床において実践に携わるとともに、表現やパフォーマンスの精神性や、現代人の心理の深層を思索することを専門としている。著書に『心理学の時間』(単著、日本評論社)、『遠野物語、遭遇と鎮魂』(共著、岩波書店)、訳書に『近代心理学の歴史』『分析心理学セミナー1925 ユング心理学のはじまり』(いずれもC・G・ユング著、創元社)などがある。 Author ヴォルフガング・ギーゲリッヒW olfgang Giegerich 1942年生まれ。ニュージャージー州立大学ドイツ文学の教授職を辞して心理学へ転じ、1976年よりユング派分析家。→本文268頁コラム参照 植田 静 Shizuka Ueda 臨床心理士/公認心理師。獨協医科大学病院小児科・とちぎ子ども医療センター在。山王教育研究所スタッフ。難病サバイバーの心理療法をはじめ、さまざまな小児臨床に携わる。音楽家としても作詞・作曲を行い、現在ファースト・アルバム製作中。 鹿野 友章 Tomoaki Kano 臨床心理士/公認心理師。横浜西口カウンセリングルーム在籍。文京学院大学非常勤講師。子どもとのプレイセラピー、大人との心理療法を専門とし、描画療法である風景構成法の実践・研究も行う。訳書に『近代心理学の歴史』『分析心理学セミナー1925 ユング心理学のはじまり』(いずれもC・G・ユング著、創元社、共訳)などがある。 小杉 哲平 Teppei Kosugi 精神科医。特定医療法人群馬会群馬病院精神科、慶應義塾大学大学院医学研究科博士課程在籍。精神科病院において、心理療法的アプローチに軸足を置いた臨床を実践している。訳書に『組織と個人を同時に助けるコンサルテーション 企業や学校、対人援助サービスで使えるシステムズセンタード・アプローチ』(共訳、金剛出版)がある。 古川 真由美 Mayumi Furukawa 臨床心理士/公認心理師。現在、東京大学相談支援研究開発センター及び開業施設などにおいて臨床実践を行っている。夢やイメージ、表現にあらわれる心の深層を探究することに関心がある。著書に『発達の非定型化と心理療法』(創元社、共著)などがある。 宮澤 淳滋 Junji Miyazawa 臨床心理士/公認心理師。カウンセリングオフィスクローバーリーフ在籍、相模女子大学非常勤講師。主に精神科領域において夢を主体とした心理療法を実践し、心を通して開けてくる世界を探究している。訳書に『近代心理学の歴史』『分析心理学セミナー1925 ユング心理学のはじまり』(いずれもC・G・ユング著、創元社、共訳)などがある。 西山 葉子 Yoko Nishiyama 臨床心理士/公認心理師。現在、医療法人社団碧水会長谷川病院心理療法科にて心理臨床に携わっている。夢や箱庭、描画、遊び、身体を通したイメージとその表現と心の変容について探求している。神田久男編『心理援助アプローチのエッセンス』(樹村房)第一部第四章「子どもの心理援助 箱庭療法の効果的な適応」を担当。 清水 めぐみ Megumi Shimizu 臨床心理士/公認心理師。東北福祉大学総合福祉学部福祉心理学科准教授。遊びや夢を媒介にした心理臨床に携わっている。共訳書にP・ペリー『まんがサイコセラピーのお話』(金剛出版)、M・カーン『ベイシック・フロイト』(岩崎学術出版社)がある。 山本 民惠 Tamie Yamamoto 臨床心理士/公認心理師。目白大学心理カウンセリングセンター、天王町心理臨床オフィスにて勤務。人の生と死の本質に興味を持っており、現代における個の心のありよう、感情という機能の理や暴力の本性を探究しつつ臨床を実践している。
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わが中国 革命・戦争・建国
¥3,520
清朝の滅亡、反帝国主義戦争と共産主義革命、文化大革命の混乱。激動の20世紀中国史をつぶさに目撃し、生きたジャーナリストの貴重で稀有な回想記。 天津租界で育ち、ロシア革命に憧れたひとりのポーランド人少年。やがてジャーナリストとなった彼は、武漢で南京で砲弾飛び交う戦場を取材し、日本軍の香港外国人収容所を脱走し、馬の背に揺られて毛沢東に会いに行く。文化大革命に際しては獄中生活も経験した生涯を自ら描く波乱万丈の物語。 [出版社より] 著 者|イスラエル・エプスタイン 訳 者|王唯斯 出版社|左右社 定 価|3,200円+税 判 型|四六判/上製 頁 数|430 ISBN|978-4-86528-004-3 初 版|2020年10月 Contents 第一章 十字路 西へ、東へ 第二章 家系 第三章 邱茉莉の出身家庭と生い立ち 第四章 ハルピンでの子供時代 第五章 天津 少年から青年へ 第六章 駆け出しの記者だった頃 第七章 戦場記者(一) 南京 第八章 戦場記者(二) 武漢・台児庄 第九章 戦場記者(三) 広州 第十章 香港、宋慶齢と 第十一章 内陸の旅 第十二章 重慶へ 第十三章 香港の日本収容所から逃れて 第十四章 ヴァンダ号の旅 第十五章 再びの重慶 第十六章 重慶から延安へ 第十七章 延安訪問(一) 新中国の胎動 第十八章 延安訪問(二) 中国共産党指導者への取材 第十九章 延安訪問(三) 敵後にて 第二十章 インドを経由する 第二十一章 イギリス 一九四四年 第二十二章 アメリカでの五年 逆境下の新中国誕生と奮闘 第二十三章 ポーランド見聞 第二十四章 帰還 新しい中国へ 第二十五章 1950年代 第二十六章 四度に渡るチベット訪問 第二十七章 「文化大革命」の中で 第二十八章 獄中の歳月 第二十九章 再びの自由 第三十章 邱茉莉との別れ 第三十一章 夕陽の歌 年表 Author イスラエル・エプスタイン Israel Epstein/中国名 伊斯雷爾・愛溌斯坦 ジャーナリスト。1915年ワルシャワ生まれ。幼少時に両親と共に中国に移住、15歳で天津の新聞「京津泰晤士報」編集部に入って以来、一貫して現代中国の姿を報じ続けた。宋慶齢の招きにより1951年にアメリカから中国に帰国、英語誌「China Reconstructs」(現在の「China Today」)創刊に参画、57年に中国国籍取得、64年中国共産党入党。文化大革命期には5年間にわたって投獄されていたがのちに名誉回復。『毛沢東選集』『鄧小平文選』などの英文原稿の検討にも加わっている。2005年、北京で死去。 Translator 王 唯斯 Wang Weisi 1984年9月北京生まれ。文学博士。北京大学修士号取得後、2016年来日。2017年文教大学大学院博士後期課程に進学、2020年修了、博士号取得。 (中国通訳翻訳専門試験)日本語通訳一級、翻訳一級、司法試験などの資格を有する。現在文教大学非常勤講師。訳書に『設計的風骨』(北京大学出版社、山中俊治『デザインの骨格』)、『戦地厨師』(新星出版社、深緑野分『戦場のコックたち』東京創元社)、『迷失:你是互聯網的支配者還是附庸』(鷺江出版社、藤原智美『スマホ断食 ネット時代に異議があります』潮出版社)、『日本最漫長的一天』(新世界出版社、半藤一利『日本のいちばん長い日』文藝春秋)などがある。
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マル農のひと
¥1,870
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爆笑必至。パワーワード満載で描く、超パンクな「農のひとびと」ノンフィクション!! 瀬戶内海に浮かぶ島の農協で仕事をしながら道法正徳さんがたどり着いた魔法のような農法ができるまで。ギュッと縛って砂利を撒く驚きの農法はどうやって確立されたのか。2部では農法実践者のはなしを聞く。隠れキリシタン、水俣、原発…変なおっちゃんに連なるやっぱり変な農のひとたちのはなしから、色とりどりの人生が見えてくる。 [出版社より] 文と絵|金井真紀 取材協力|道法正徳ほか 出版社|左右社 定 価|1,700円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|248 ISBN|978-4-86528-288-7 初 版|2020年08月 Contents はじめに 登場人物 第1部 農の伝道師、道法正徳さんのはなしシンプルでまったく新しい農法ができるまで 農法を伝えるために、東へ西へ え? 縛るだけでいいの? チャラ男、技術指導員になる すべては、ひとつの疑問から始まった ひとを見ないで、ミカンを見る 大切なのは石ころじゃった ちょっといっぷく1 改めてミカンについて考える かっこいい先輩、現る 「禁断の縛り」との出会い その栽培方法はデマですよ あっと驚く植物ホルモン! いままでのせん定はまちがっていました ガリレオになった日 そしてついに、本格的な左遷…… 手抜きして、いいミカンをつくる くだものも野菜も仕組みは同じ 道法スタイルの伝道師となる 第2部 それぞれの農の挑戦 道法スタイルの実践者たち ゲルに住み、リンゴを育てる 林貴士さん 父親に隠れて道法スタイルを実践する ヘイさん ちょっといっぷく2 肥料はいいやつか、悪いやつか 自然栽培を研究する科学者 矢野美紀さん 酪農から転身し、無肥料リンゴを模索する 松村暁生さん 震災後の福島で、電力およびワインをつくる 山田純さん ちょっといっぷく3 自然農法とか有機農業とか 兵庫・丹波に住まう農の達人 橋本慎司さん 走り続ける公務員と水俣病のはなし 福田大作さん おわりに DOHO STYLE 応援隊 Author 金井 真紀 Maki Kanai 文と絵 1974年生まれ。テレビ番組の構成作家、酒場のママ見習いなどを経て、2015年より文筆家、イラストレーター。著書に『世界はフムフムで満ちている』『酒場學校の日々』(いずれも皓星社)、『はたらく動物と』(ころから)、『パリのすてきなおじさん』(柏書房)、『サッカーことばランド』(ころから)、『虫ぎらいはなおるかな? 』(理論社)など。農業経験は、田植えの手伝いをわずかに5回ほど。 道法 正徳 Masanori Doho 取材協力 1953年広島県呉市豊浜町豊島生まれ。肥料・農薬を施さない安全でおいしい果樹・野菜づくりの提案、地球環境に重要な地下水を守る農業技術の普及に努めている。国内外で指導、講演を行う。株式会社グリーングラス代表。著書に川田健次名義で『高糖度連産のミカンづくり』(農山漁村文化協会)、監修した本に『道法スタイル 野菜の垂直仕立て栽培』(学研プラス)など。
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ビギナーズラック
¥1,980
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ワールドイズファイン、センキュー膜っぽい空気をゆけば休診日かよ 塔短歌新人賞・笹井宏之賞永井祐賞を受賞した著者による待望の第一歌集。鴨川沿いをiPhone片手に歩く「ぼく」の暮らしは、変わりながら、歌のなかでみずみずしく輝きつづける。 [出版社より] 「もう一人の自分が勝手に喋りだして「旅に出よう」と誘ってきた」 ——小山田壮平[ミュージシャン] 「もしあなたがいま本屋で、本文より先に解説を立ち読みしてしまっているならば、わたしの能書きはきれいに忘れ、とっととレジに行くべきなのだ」 ——斉藤斎藤[歌人] 著 者|阿波野巧也 出版社|左右社 定 価|1,800円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|172 ISBN|978-4-86528-280-1 初 版|2020年7月 Contents I ワールドイズファイン/シティトライアル/cube/モード/Singin’ in the rain/スペシャルサンクス/雨が降ったら/冬の炭酸 II 寿司以降のcolor space/犬とヨットの風景/たくさんのココアと加加速度/生活の修辞学/さらに音楽は鳴り続ける/大技/かまわない/暗算/手紙 III 緑のベンチと三匹の犬/自然/こしあんと思案/Sit in the sun/盆暗/凸凹/レモン 解説 すれ違うとき、ぼくはもらう 斉藤斎藤 あとがき [ 収録歌より ] だいなしの雨の花見のだいなしな景色のいまも愛なのかなあ フードコートはほぼ家族連れ、この中の誰かが罪人でもかまわない 夜の居酒屋はじけるような暗算を見せつけられてうれしくなった 父親とラッパの写真 父親は若くなりラッパを吹いている 解き方を忘れ去られたルービックキューブがこの町にいくつある? きみの書くきみの名前は書き順がすこしちがっている秋の花 Author 阿波野 巧也 Takuya Awano 一九九三年大阪府生まれ。二〇一二年、「京大短歌会」、「塔」に入会。二〇一七年、「京大短歌会」卒業。二〇一九年、「塔」退会。現在は同人誌「羽根と根」に所属。二〇一五年、第五回塔新人賞。二〇一九年、第一回笹井宏之賞にて永井祐賞。
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歌集 飛び散れ、水たち
¥1,980
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僕たちは世界を盗み合うように互いの眼鏡をかけて笑った(「空を集める」より) 第9回塔新人賞受賞、故郷の石巻市で石巻若手短歌集団「短歌部カプカプ」を率いる歌人・近江瞬による待望の第一歌集。 みずみずしい青春のシーンから東日本大震災以降の自身と故郷の関係を描いた「狭間に揺れる」まで、今ここにしかない「瞬間」は三十一音で鮮やかに切り取られ、未来へと続いてゆく。新人賞受賞作・候補作を含む全365首を収録。 [出版社より] 「きっとずっと、心の味方になってくれるしなやかな歌たち」 ——東直子 「「物語」ではなく、「瞬間の積み重ね」として、人生は変わりながら続いてゆく」 ——山田航 著 者|近江瞬 装 幀|北野亜弓(calamar) 出版社|左右社 定 価|1,800円+税 判 型|四六変型判/並製 頁 数|152 ISBN|978-4-86528-274-0 初 版|2020年5月 Contents Ⅰ 空を集める/輪郭線/グリコ/交わる角度求めては/机を埋める/夕暮れの色鬼 Ⅱ 英語の海に/無作為/微かに揺れる/きえる、きこえる/半分の月/夏のひとかけ/小指の先/地図から消える/この道を渡る/窓をひらく/カメラロール/ここからが二丁目 Ⅲ 句読点/1日と1分/狭間に揺れる 解説 虹は消えゆく 山田航 あとがき [ 収録作品抜粋 ] 何度でも夏は眩しい僕たちのすべてが書き出しの一行目 ベランダで黒板消しを叩いてる君が風にも色を付けつつ まだ割れることを知らない空中の瓶だよ僕らの今は例えば 立入りを禁止されてる屋上に上あがれば広がる空も同罪 三月十二日の午後二時四十六分に合わせて一人目を閉じている Author 近江 瞬 Shun Omi 1989年、宮城県石巻市生まれ・在住。早稲田大学文化構想学部文化構想学科卒業。塔短歌会所属。宮城県歌人協会会員。短歌部カプカプ代表。第9回塔新人賞受賞。第31回歌壇賞最終候補作。第1回笹井宏之賞最終選考通過。第61回短歌研究新人賞佳作。ラジオ石巻「短歌部カプカプのたんたか短歌」パーソナリティ。Twitter:@sun0690
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句集 また明日
¥2,530
俳句を作ることと服を着ることは似ている。(「あとがき」より) 飄々とした詠みぶりに定評のある太田うさぎが四半世紀の句歴を経て刊行する、待望の第一句集!〈葉生姜や雨は都を洗ひ上げ〉から〈ラグビーの主に尻見てゐる感じ〉まで、厳選300句を収録。 [出版社より] 著 者|太田うさぎ 出版社|左右社 定 価|2,300円+税 判 型|四六変形判/並製 頁 数|176 ISBN|978-4-86528-276-4 初 版|2020年5月 Contents Ⅰ 来々軒/霞みませう/フラダンス II 雨傘/鹿の恋/レモンティー/春は曲者 III なまはげ/乳腺図/とある日の 解説 俳句の場面(シーン)をめぐって 仁平勝 あとがき [ 収録句より ] もう春が終はつてしまふ来々軒 彼が下げ夕張メロン上京す また明日コートひらりとすたすたと うしろより浪が浪抱く西鶴忌 星ごつたがへす寒天干場かな レモンティー雨の向うに雨の海 春は曲者老人を鶴に変へ ラグビーの主に尻見てゐる感じ いくたびも銀河の岸に呼ぶ名前 風光りをり断水の昼下り Author 太田うさぎ Usagi Ota 一九六三年 東京生まれ 一九九七年 俳句同人誌「や」入会(二〇〇五年退会) 二〇〇〇年 「豆の木」同人 二〇〇六年 「雷魚」同人(二〇一四年終刊) 二〇一五年 「なんぢや」同人 二〇一九年 「街」入会 二〇一〇年、二〇一四年「豆の木」賞受賞 現代俳句協会会員
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句集 符籙
¥2,200
心と言葉の こちらとあちら 俳人・俳句研究者として活躍する著者による第一句集。ときにユーモラスに、ときにシャープに切り取られる293句。 [出版社より] 「知的でワイルドでスマートだけれど、どこかに下世話な優しさの漂う「中年」句にしばし耽溺してもらいたい」 ーー阪西敦子 「『符籙』の一句一句には、思わぬ枠取りの魅力があり、それらは、根底にあるクールなまなざしによって、そのつど切り取られている」 ーー鴇田智哉 著 者|橋本直 出版社|左右社 定 価|2,000円+税 判 型|四六変形判/上製 頁 数|164 ISBN|978-4-86528-281-8 初 版|2020年6月 Contents 符籙二九三句 自跋 栞:鴇田智哉「フレームのクール」/阪西敦子「強くなければ生きられない、優しくなければ生きる資格がない」 [ 収録句より ] 貂の眼を得て雪野より起き上がる 生牡蠣をまの口で待つ人妻よ コーヒーが冷めてワインが来て朧 幾らでもバナナの積めるオートバイ 南洋に虹じやんけんの一万年 文学にデスマスクある涼しさよ 死角よりふつと狼あらはるる Author 橋本直 Sunao Hashimoto 一九六七年愛媛県生。「豈」同人。現代俳句協会会員。「楓」(邑久光明園)俳句欄選者。神奈川大学高校生俳句大賞予選選者。合同句集『水の星』(二〇一一年)、『鬼』(二〇一六)いずれも私家版。共著『諸注評釈 新芭蕉俳句大成』明治書院(二〇一四)、『新興俳句アンソロジー 何が新しかったのか』ふらんす堂(二〇一八)他。
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コロナ時代の哲学/THINKING「O」16号
¥1,430
死者の権利の剥奪、自由の制限、緊急事態下の国家権力--。 國分功一郎・大澤真幸の緊急対談が実現。 現代最も注目される哲学者アガンベンは、国民の自由を制限するイタリア政府のコロナ対策を批判し、各国の哲学者たちから強く非難される。しかし、この発言は「自由をとるか、安全をとるか」という究極の選択を迫られている私たちへの警鐘である。 アガンベンの発言を出発点に、フーコー、アーレント、ベンヤミンなどの思想を横断しながら、コロナ禍に顕在化した、民主主義社会への根本的な問いを考える。 ◉大澤真幸の書き下ろし論文掲載 「新しい生活様式」というディストピア、監視国家に対抗するモニタリング民主主義について、社会学、科学、哲学を横断しながら論じる。 [出版社より] 著 者|大澤真幸 ゲスト|國分功一郎 出版社|左右社 定 価|1,300円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|136 ISBN|978-4-86528-286-3 初 版|2020年7月 Contents まえがき 〈不可能な世界〉の中から [ 論文 ] 大澤真幸「ポストコロナの神的暴力」 一 イエスの墓の前で 二 新しい生活様式? それはディストピアだ 三 監視を超えて 四 神的暴力の現代的活用 [ 対談 ] 國分功一郎×大澤真幸「哲学者からの警鐘例外状態、国家権力、死者の権利」 コロナ禍は「世界共和国」への第一歩 無意識化の革命 副産物としての真実 アガンベンの問題提起と炎上 例外状態への警鐘 「生の形式」とアガンベンの行き詰まり 「生の形式」の乗り越えと、身体性への回帰 国家理性と近代国家の誕生 法の内側と外側の境界線 特別付録対談をより深く理解するための文献・ブックリスト 〈キーワード別〉 [ 追悼 ] 大澤真幸「中村哲さんを悼んで 井戸は地下水脈につながっている」 Author 大澤 真幸 Masachi Osawa 1958年生まれ。社会学。個人思想誌「THINKING「O」」主宰。『ナショナリズムの由来』で毎日出版文化賞を受賞。『自由という牢獄』で河合隼雄学芸賞を受賞。ほかの著書に世界史の謎を読み解いた『〈世界史〉の哲学』「古代篇」「中世篇」「東洋篇」「イスラーム篇」「近世篇」のほか、『不可能性の時代』『〈自由〉の条件』『生権力の思想』『可能なる革命』『憎悪と愛の哲学』『サブカルの想像力は資本主義を超えるか』『三島由紀夫 ふたつの謎』『社会学史』など。共著に『ふしぎなキリスト教』『二千年紀の社会と思想』『ゆかいな仏教』『憲法の条件』『げんきな日本論』など。 國分 功一郎 Koichiro Kokubun 1974年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科・教養学部准教授。主な著書に『暇と退屈の倫理学』(朝日出版社、二〇一一年、紀伊國屋じんぶん大賞受賞/増補版は太田出版、二〇一五年)、『民主主義を直感するために』(晶文社、二〇一六年)、『中動態の世界││意志と責任の考古学』(医学書院、二〇一七年、第十六回小林秀雄賞受賞)『原子力時代における哲学』(晶文社、二〇一九年)などがある。
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仕事本 わたしたちの緊急事態日記
¥2,200
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新型コロナウイルス感染拡大——前代未聞の事態を迎えたわたしたちの文学。 “普通の毎日”が一変した2020年4月、ほかの人はどう過ごしていたんだろう。 パン屋、ミニスーパー店員、専業主婦、タクシー運転手、介護士、留学生、馬の調教師、葬儀社スタッフ……コロナ禍で働く77人の日記アンソロジー!!! ー ミニスーパー店員……「お一人様一点限り」のトイレットペーパーをめぐって 四月七日(火) ピークは過ぎたと思うが、未だタイミングが悪いと入手するのに苦労する品ではある。うちの店も「お一人様一点限り」の制限付きだ。すると一人のお婆さんが、「友達が困っているから友達の分も買って行ってあげたい」とレジに来た。流石にルールを守らないわけには行かず、「申し訳ございません」と丁重にお断りした。お婆さんは12ロール入りのトイレットペーパーを1つだけ買って、店を出た。何だか申し訳なく思っていたのだが、すぐにお婆さんを追いかけた。 馬の調教師……無観客競馬でデビュー戦を迎える馬に寄り添う 四月一七日(金) 川崎競馬開催最終日 この日、自分の厩舎から競走馬としてデビュー戦を迎える仔がおり、オーナーさんも来場はされましたが、今開催は来場出来ても、普段は入れる僕らのゾーンやパドックなどには一切出入り禁止になっています。レース前のジョッキーとオーナーさんとの作戦会議や、レースの回顧など出来ず、仕方ないことですが、そういった楽しみも新型コロナウィルスの影響で奪われています。 専業主婦……退屈そうな息子、不安な日々にピリピリしている夫を力強く支える 四月二二日(水) テレビで人と密にレストランで食事する姿を見て、楽しそうで懐かしくて悲しくなった。夫が帰宅してすぐ手洗いうがいをしないので、注意をしたら逆ギレされた。夫への怒りおさまらず、夕食の用意を放棄しようかと思ったけれど、冷蔵庫の野菜が腐るし予算もない。何よりも夫の個人的外食も避けてコロナ感染のリスクを減らしたい。 ライブハウス店員……「わたしなんかが」という思いに変化が 四月二四日(金) お行儀の良い人間ではないから、おとなしくおうち時間はできないし、そもそも仕事をしないと、いまできることを続けないと、自分の生活どころかうちの店舗、うちの店舗どころか会社、会社どころか文化、エンタメ業界が死ぬらしい。わたしがいないと文化が死ぬことだってもしかしたらありえる気がしてきた。 葬儀社スタッフ……「父がコロナウイルスで亡くなったかもしれないのですが」 四月八日(水) 霊安室の隣の控室で会ったAさんは、背の高いまじめそうな中年の紳士だった。私が名乗ると少し安心した表情を見せた。「こういうの初めてなので……」とすまなさそうに言う。 (ええ、私も伝染病のケースは初めてなんです)と心の中で思ったが、そんな不安は悟られてはいけない。仮にコロナウイルスでなくても、肉親を亡くした遺族は、不安な気持ちで一杯なのだ。まずは安心させることだ。 この“生活"は誰かの“仕事"が支えている! [出版社より] 著 者|尾崎世界観、町田康、花田菜々子、ハイパーミサヲ、瀧波ユカリ、ヤマシタトモコ、大橋裕之、温又柔、浅生鴨、佐藤文香、清田隆之、川本三郎、高草木陽光、星野概念、轡田隆史、山下敦弘、天真みちる、北村明子、立川談四楼、内沼晋太郎、鏡リュウジ他(全60職種、77人) 出版社|左右社 定 価|2,000円+税 判 型|四六判 頁 数|448 ISBN|978-4-86528-283-2 初 版|2020年6月 Contents はじめに Ⅰ 売る パン屋 田中絹子(仮名) ミニスーパー店員 にゃんべ(仮名) 惣菜店店主 ともこ(仮名) 書店員 花田菜々子 製紙会社営業職 T・M(仮名) Ⅱ 運ぶ ごみ清掃員 マシンガンズ滝沢 運送会社配達員 保元誠 タクシー運転手 與那城敬人 Ⅲ 闘う ミュージシャン 尾崎世界観 ライブハウス店員 田中萌 純喫茶店員 僕のマリ 映画館副支配人 坪井篤史 女子プロレスラー ハイパーミサヲ 留学生 伊子 Ⅳ 率いる ホストクラブ経営者 手塚マキ 校長 中野浩 Ⅴ 添う 葬儀社スタッフ 赤城啓昭 馬の調教師 山田質 水族館職員 浅川弘 教師 アポロ( 仮名) 美容師 瀧澤友美子 ピアノ講師 大峰真衣 客室乗務員 小田沙織( 仮名) 介護士 いしあいひでひこ Ⅵ 描く イラストレーター 新井リオ ドイツ在住イラストレーター 高田ゲンキ 画家 長嶋祐成 漫画家 瀧波ユカリ 漫画家 ヤマシタトモコ 漫画家 大橋裕之 Ⅶ 書く 小説家 町田康 小説家 温又柔 校正者 牟田都子 作家・広告制作企画者 浅生鴨 俳句作家 佐藤文香 文筆家 ワクサカソウヘイ ライター 清田隆之 評論家 川本三郎 Ⅷ 聞く 夫婦問題カウンセラー 高草木陽光 精神科医 星野概念 文化人類学者 樫永真佐夫 ジャーナリスト 轡田隆史 Ⅸ 創る 映画監督 山下敦弘 舞台人 天真みちる 劇団 劇団KAKUTA (津吹由美子/多田香織/野澤爽子/森崎健康/吉田紗也美/若狭勝也/細村雄志/酒井晴江/置田浩紳/谷恭輔/異儀田夏葉/高橋乱/桑原裕子/成清正紀) メディアアーティスト 藤幡正樹 美術家 片山真理 振付家 北村明子 写真家 南阿沙美 落語家 立川談四楼 Ⅹ 守る 内科医 榎本祐子( 仮名) 歯科医 かねごん( 仮名) 薬剤師 ベージュのアン( 仮名) 保育士 Yukari(仮名) 専業主婦 浦井裕美( 仮名) ブック・コーディネーター 内沼晋太郎 Ⅺ 繋ぐ 旅行会社社員 青木麦生 イラン観光業 ファルド・ファルズィン 台湾の蕎麦屋経営者 大洞敦史 IT企業社員 かん 美術館館長 住友文彦 Ⅻ 導く 農業指導者 道法正徳 経営学者 中沢孝夫 占星術家 鏡リュウジ コロナ年表 二〇二〇年四月一日〜三〇日
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2020年のさざえ堂 現代の螺旋と100枚の絵[公式図録]
¥2,200
太田市美術館・図書館「2020年のさざえ堂——現代の螺旋と100枚の絵」展公式図録。 「螺旋」と「さざえ堂」がいざなう巡礼の旅。 螺旋構造をもつ仏堂である「さざえ堂」。 異なる手法を用いるアーティスト4名が、「さざえ堂」と「螺旋」を現代の視点から捉え直す。人間の知覚・身体感覚を揺さぶり、現代における信仰の意味、「さざえ堂」の構造・意義に迫っていく壮大な試み。 「百観音巡礼」にならい、100枚の絵の展示に挑む、高橋大輔。 二つの螺旋建造物の差異を、音楽と映像であぶり出す、蓮沼執太。 大規模な絵画によって螺旋空間を構築した、三瀬夏之介。 美術館の中に、物質的な螺旋の迷宮を作りだす持田敦子。 「現代の美術館・展覧会のあり方とは」「他者を受け入れることとは」「美術と信仰の関係性とは」——展覧会のテーマを越え、根源的な問いが立ち現れてゆく。 [出版社より] 編 集|太田市美術館・図書館 出版社|左右社 定 価|2,200円+税 判 型|B5変型判/並製 頁 数|96 ISBN|978-4-86528-269-6 初 版|2020年3月 Contents ごあいさつ [再録] 澁澤龍彦 螺旋について 小金沢 智 「2020年のさざえ堂--現代の螺旋と100枚の絵」序説--太田市美術館・図書館の建築と展覧会 1. 螺旋とさざえ堂を再解釈するふたりの絵画--三瀬夏之介、高橋大輔 2. 「差異」の発見を通して重なり合う、「音楽のような」コンポジション--蓮沼執太 3. 迷宮のような、回転する空間での絵画体験--持田敦子、高橋大輔 4. 100枚の絵のはてに--高橋大輔 高橋大輔の「100枚の絵」 福岡伸一 螺旋は生命のかたち 北澤憲昭 しあわせなバベル--高橋由一の「螺旋展画閣」構想をめぐって インタビュー|高橋大輔 インタビュー|蓮沼執太 インタビュー|三瀬夏之介 インタビュー|持田敦子 作家略歴 作品リスト 展覧会概要・関連イベント 展覧会制作・フォトクレジット・謝辞
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ビジュアルデザイン1.
¥2,530
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神戸芸術工科大学が発信する新ビジュアルデザイン研究誌、創刊! 特集は『D-ZONE』以降の戸田ツトムのエディトリアルデザインを一望する「Tztom Toda Editorial Design 2001-」。ほか、松岡正剛による「鉄斎と山水」、杉浦康平+宇野亞喜良対談など、デザインという観点から多岐に広がるテーマを収録。 [出版社より] 編著者|寺門孝之 装 幀|佐野裕哉 出版社|左右社 定 価|2,300円+税 判 型|B5判/並製 頁 数|240 ISBN|978-4-86528-254-2 初版|2020年6月 Contents [ 特集;Tztom Toda Editorial Design 2001ー ] TZTOM TODAーEditorial Design-2017.10.31-11.10 Report めにみえぬことのはもうばたまのゆめに 赤崎正一 戸田ツトム モーショングラフィックスの原風景 榮元正博 LIFE STORY 戸田ツトム バージニア・リー・バートンとテキスタイル 村田智 [ 特集;富岡鉄斎とわたし ] はじめまして、鉄斎さん―富岡鉄斎への接近をはかるビジュアルデザイン教育プログラムの試み 神戸芸術工科大学ビジュアルデザイン学科 鉄斎と山水 松岡正剛 鉄斎の作品を読むということ―書庫「魁星閣」をめぐって 柏木知子 VISUAL COLLECTION 1. 石橋鯉城 残像論序説(一)―消える文字のゆくえ 古賀弘幸 新絵画論1 寺門孝之 VISUAL COLLECTION 2. 富岡鉄斎「群僊集会図」 唐組「吸血姫」/「黄金バット」再演と再生、唐十郎劇の継承と創造 藤井由紀+大鶴美仁音+久保井研 娯楽の変容 鈴木一誌 VISUAL COLLECTION 3. 又野一騎 Jun Miyake Japan Tour 2018ー Talk & Listening Session with Takayuki Terakado 三宅純+寺門孝之 没後50年の藤田嗣治―劇場の仕事 芳賀直子 VISUAL COLLECTION 4. 國久真有 写真小説における複数の矛盾―写真、絵、レイアウト 山本忠宏 横尾忠則と西脇幻想 山﨑均 50年、一瞬の閃光/半世紀振りの邂逅 杉浦康平+宇野亞喜良 ヘルムート・シュミットとその教育精神:バーゼル アジア 神戸 室賀清徳 ニコール・シュミット 東山道エンゼル紀行 最終回 町田康 MEMBERS 後記/奥付
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肉食の哲学
¥2,420
肉食は私たちの〈原罪〉なのか? 過激化するベジタリアン(ビーガン)の論理の危うさを暴き、カニバリズムや人工肉の哲学的意味の議論を通じて、「肉食は我々の義務である」と語る刺激的な哲学エッセイ。動物行動学から哲学へと横断する注目の著者ドミニク・レステルの初邦訳。 著者は語る。 「菜食主義とは、我が身を神になぞらえる人間の思い上がりである。そこには動物への愛など存在しない──。」 肉食は残酷だ、タンパク質は動物から摂らなくても十分だ……。食肉加工場の襲撃など、テロリズムにまで過激化するビーガンの主張に、どことなくいかがわしいものを感じるのはなぜだろうか。 人工肉や臓器移植、植物の知性、遺伝子組み換え、動物解放論など、菜食主義をめぐるさまざまなトピックスに触れながら、この世界で私たち人間とはいかなる存在なのか、自在に論じる注目の1冊。 [出版社より] 著 者|ドミニク・レステル 訳 者|大辻都 出版社|左右社 定 価|2,200円+税 判 型|四六判/上製 頁 数|172 ISBN|978-4-86528-279-5 初版|2020年6月 Contents アペリティフに代えて アミューズ 倫理的ベジタリアンをどのように捉えるか オードブル ベジタリアン実践小史 一皿目のメインディッシュ 二皿目のメインディッシュ 肉食者の倫理 デザートに代えて 日本語版へのあとがき 訳者あとがき Author ドミニク・レステル Dominique Lestel 1961年生まれ。哲学者、動物行動学者。動物行動学を起点に人間と動物や機械の関係について論じている。主な著書に『動物性 ヒトという身分に関する試論』(L’Animalité: Essai sur le statut de l’humain, 1996)、『文化の動物的起源』(Les Origines animales de la culture, 2001)、『ヒトは何の役に立つのか』(À quoi sert l’homme?, 2015)などがある。 Translator 大辻 都 Miyako Otsuji 1962年東京生まれ。フランス語圏文学。東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程修了。博士(学術)。京都芸術大学准教授。著書に『渡りの文学 カリブ海のフランス語作家マリーズ・コンデを読む』(法政大学出版局、2013年)、『アートライティング1 アートを書く・文化を編む』(共著、藝術学舎、2019年)などがある。
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お金本
¥2,530
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「キツト、キツト、お返しできます。」 「〆切」の次は「お金」! 累計5万部、話題の文豪アンソロジー最新作。友人に借金し、借りた金で酒を呑み、親の脛を囓り、執筆以外の金儲けを考える。現実と理想の間でもがきながら、今日を力強く生きるのだ。貯金は底をついても才能は枯渇しない。作家、実業家、ミュージシャンまで総勢96人、生きるか死ぬかのお金ばなし100篇。 [出版社より] 著者|渋沢栄一、夏目漱石、国木田独歩、泉鏡花、内田百閒、武者小路実篤、夢野久作、芥川龍之介、江戸川乱歩、宇野千代、坂口安吾、太宰治、田辺聖子、つげ義春、村上春樹、角田光代、村田沙耶香ほか 出版社|左右社 定価|2,300円+税 判型|四六判 ページ数|336 ISBN|978-4-86528-251-1 初版|2019年10月 Contents 渋沢栄一 効力の有無はその人にあり はじめに Ⅰ章 俺たちに金はない! 永井荷風 文士の生活 夏目漱石 文士の生活 内田百閒 貧凍の記 萩原朔太郎 手紙 昭和四年 泉鏡花 処女作談(一) 北原白秋 手紙 大正十四年 国木田独歩 日記 明治三十年 金子光晴 どくろ杯 横光利一 書簡 昭和五年 正岡子規 手紙 明治三十年 種田山頭火 日記 昭和十四年/十五年 小川未明 童話を作つて五十年 辻潤 催眠剤が必要だ/絶筆となった原稿 武者小路実篤 気まぐれ日記 室生犀星 日記 昭和二十三年 芥川龍之介 知己料 三好達治 貧生涯 草野心平 放浪時代 堀辰雄 はがき 大正十四年 高見順 日記 昭和二十一年 森茉莉 事実と空想の周辺 石ノ森章太郎 ぼくの部屋にはベートーベンのデス・マスクがあった 橋本治 男の仕事=作家の巻 有栖川有栖 私の駆け出し時代 Ⅱ章 お金 vs プライド 太宰治 もの思ふ葦(その四) 二葉亭四迷 予が半生の懺悔 夢野久作 古き日記より 加藤謙一 直木三十五 直木三十五 書け、書け、書く 吉川英治 書簡 昭和三十三年 稲垣足穂 わが庵は都のたつみ− やなせたかし 金がもうかる正しい原則 忌野清志郎 歌われていないことは山ほどある 羽仁説子・進 朝日新聞 身上相談 Ⅲ章 マネー、マネー、マネー 川端康成 私の生活 小泉節子 思い出の記 田山花袋 東京の三十年 内田百閒 質屋の暖簾 直木三十五 金儲けの秘伝 井伏鱒二 “本日休筆”にならぬよう 山村暮鳥 書簡 大正十二年 加藤謙一 尾崎士郎 柴田錬三郎 戦後十年 平林たい子 大晦日の夜逃げ 南伸坊 ケタ違いな話 つげ義春 散歩の日々 小松左京 威風堂々うかれ昭和史 戦後篇 赤瀬川原平 一円玉のパワーを調べる 村田沙耶香 算数苦手人間 山田詠美 まだ来ぬ春にソウルフル 町田康 死闘三日 下積みのチンジャオ 穂村弘 金額換算 Ⅳ章 出版社お金物語 野間清治 調査研究 下中弥三郎 平凡社の創立四十周年にあたり思い出を語る 佐藤義亮 出版おもいで話 石川武美 戦場雑話 菊池寛 文藝春秋・編集後記 立原正秋 《早稲田文学》編集後記 北杜夫 どくとるマンボウ青春記 Ⅴ章 借金の作法 石川啄木 ローマ字日記 金田一京助 啄木余響 吉屋信子 上海から帰らぬ人〈田村俊子と私〉 宇野千代 私の文学的回想記 壺井栄 お金のねうち 森敦 酒との出逢い 太宰治 手紙 昭和十一年 山田風太郎 日記 昭和二十六年 幸田文 一日一題 野間清治 借りたものは返す 坂口安吾 手紙 昭和十一年 Ⅵ章 男と女と金 谷崎潤一郎 佐藤春夫に与えて過去半生を語る書 芥川龍之介 書簡 大正五年 江戸川乱歩 妻のこと 小林多喜二 書簡 大正十四年 織田作之助 日記 昭和十三年 遠藤周作 人情物語る家計簿 池波正太郎 チップ 有吉佐和子 作家として、妻として、私の立場から 赤塚不二夫 今をハチャメチャに生きるのだ Ⅶ章 金と共に去りぬ 正宗白鳥 我老いたり 種田山頭火 白い路 葛西善蔵 愚痴とクダと嫌味 宇野千代 わたしの青春物語 白洲正子 自己に忠実であること 鶴見俊輔 苔のある日記 吉行淳之介 金の使い方に関する発想法 野坂昭如 野ダイコ風の流行 石原慎太郎 貧乏の魅力 佐野洋子 死ぬ気まんまん 魔夜峰央 本日も異常ナシ vol.8 北野武 関係の問題 村上春樹 貧乏はどこに行ったのか? 角田光代 一日(1995年の、たとえば11月9日)5964円 お金Q&A 1井伏鱒二 2中島らも 3山田風太郎 4山本周五郎 5石川淳 6田辺聖子 巻末付録 芥川賞・直木賞 賞金 「中央公論」価格表 文壇人所得番付表 当代文士一ケ月製産番付 著者紹介・出典 草野心平 火の車の歌
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深夜ポンコツ
¥1,900
涙なんかじゃ終わらない!! フラワーカンパニーズ鈴木圭介の自意識爆発エッセイ集! 代表曲「深夜高速」誕生の日々や、結成からメジャーデビューまでを綴ったフラカン版「スタンド・バイ・ミー」などの長篇描き下ろしエッセイに加え、革ジャンが似合わないなで肩男子の苦悩など、笑えて泣けて時々ポンコツな傑作コラムを収録! 付録も全開 ・終わらない自問自答!➡ひとりインタビュー「革ジャン問題」「居酒屋問題」「スマホ問題」 ・描き下ろしイラスト掲載!➡童話「月と太陽」 ・スペシャル対談➡尾崎世界観「歌い続けるために」、角田光代「言葉が生まれる時」 ・The Birthdayクハラカズユキ、怒髪天 増子直純、SA TAISEIとの革ジャンをめぐるトークセッション!➡ガラ圭新聞 ・言葉と記憶の引き出し➡鈴木圭介脳内辞書 鈴木圭介、魂の叫び! 「尻の穴は、出口であって入り口ではない!」 「一回ぐらい職質しろよ! 見抜けよ! 俺のバイオレンス!」 「自分はロックバンドのボーカリストという肩書以外、過剰なところなどひとつもない」 「正直な話、フラワーカンパニーズって長過ぎる!」 「過去も未来も本当は引き剝がすことなんてできないんだけど、ライブの瞬間だけはありえるかもしれないって思いたいじゃん」 「たとえ今が冬だったとしても、季節は巡る。春はまた来るのだ!」 他 [出版社より] 「なんだか全力で生きたくなった、生きててよかったって言える日を僕も探したくなった」 ――山里亮太[お笑い芸人] 「ライブにも行きたくないぐらいに絶望していたあの頃、どうしてもフラカンを生で見たくて、なけなしのお金でチケットを取った」(対談より) ――尾崎世界観[ミュージシャン] 暗さが明るさに、汚さが美しさになるような。この世界はなんと生きるに値するものなか説得されてしまう。(対談より) ――角田光代[小説家] 著 者|鈴木圭介 出版社|左右社 定 価|1,727円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|360 ISBN|978-4-86528-275-7 初版|2020年5月 Contents 深夜高速の頃 *コラム くねくね事件の巻 自転車おばさんの巻 省略の巻 素朴な疑問の巻 腸内百景の巻 便所ノックの巻 どん兵衛の巻 犬と猫の巻 血液型診断の巻 効くCMの巻 なで肩男子の巻 老〜いの巻 バイオレンスの巻 海の男の巻 SA-YOUの巻 心のユートピアの巻 エンケンさんの巻 助六寿司の巻 切り替えの巻 自然と私の巻 自意識過剰の巻 ひとりインタビュー革ジャン問題 ガラ形新聞 第1号 総力特集「The Birthday クハラカズユキくんの赤い革ジャン」 ひとりインタビュー居酒屋問題 ガラ形新聞 第2号 総力特集「怒髪天 増子直純さんの馬皮の革ジャン」 ひとりインタビュースマホ問題 ガラ形新聞 第3号 総力特集「SA TAISEIさん、王道の革ジャン」 *童話 月と太陽 誰も弾かないピアノ 13歳のカセットテープ スタンド・バイ・ミー *対談 尾崎世界観 歌い続けるために 角田光代 言葉はどこから生まれる *付録 鈴木圭介脳内辞書 父の鼻歌 50歳の巻 ハイエースの轍 おわりに Author 鈴木 圭介 Keisuke Suzuki ロックバンド、フラワーカンパニーズのボーカル。1969年4月30日札幌生まれ、名古屋育ち。1989年、フラワーカンパニーズを結成。全国を機材車で駆け巡り、年間100本近いライブ活動を展開。楽曲「深夜高速」が多数のミュージシャンにカヴァーされ話題に。著書に『三十代の爆走』、『イッツオンリーロッキュンロール―鈴木圭介全歌詞集』、フラワーカンパニーズ『消えぞこない 〜メンバーチェンジなし! 活動休止なし! ヒット曲なし!のバンドが結成26年で日本武道館ワンマンライブにたどりつく話〜』がある。
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ウェブスター辞書あるいは英語をめぐる冒険
¥2,970
池澤夏樹氏、阿部公彦氏、推薦! 知られざる英語辞書の世界とその秘密。 アメリカの伝統ある辞書出版社メリアム・ウェブスター社の編纂者が、「英語とは何か」にさまざまな角度から光を当てる14章。 “it's”は文法的に「正しい」のか? “nude”は「白人の肌の色」? “marriage”は同性婚を含むのか? “bitch”は女性蔑視か? “OMG”は英語の退化?…… など、辞書編纂を通じて見えてくる英語の謎を、英語にまつわるトリビアや逸話も織り交ぜながら、専門的かつ軽やかな筆致で描き出す。言葉の常識をひっくり返し、言葉と社会の繋がりを再発見する、普遍的なヒントがちりばめられた一冊。 [出版社より] 辞書の側から見た英語がこんなにおもしろいとは! 言語は子どもである。行儀よくと願って育ててもどんどんワイルドになってゆく。 --池澤夏樹[作家・詩人] 言葉は単なる道具? いえいえ。辞書は魔界への入り口。 もう外には出られません。 --阿部公彦[英文学者] 著 者|コーリー・スタンパー 訳 者|鴻巣友季子・竹内要江・木下眞穂・ラッシャー貴子・手嶋由美子・井口富美子 出版社|左右社 定 価|2,700円+税 判 型|四六判/上製 頁 数|360 ISBN|978-4-86528-256-6 初版|2020年4月 Contents Hrafnkell 辞書編纂者の偏愛 But 「文法」の誤解 It’s 繁茂する英語 Irregardless まともじゃない言葉 Corpus 骨を拾い集める Surfboard 語釈の宿命 Pragmatic 無感情で実用的な用例 Take 小さくも厄介な言葉 Bitch よろしくない言葉 Posh 語源をめぐる妄言 American Dream 初出という旅 Nuclear 発音と教養 Nude 肌色は何色か Marriage 権威と辞書 エピローグ とてつもないこと Author コーリー・スタンパー Kory Stamper メリアム・ウェブスター社で辞書を執筆・編集している辞書編纂者(原書刊行時。翻訳書刊行時点では退職)。ビデオ・シリーズ「アスク・ジ・エディター」に出演している。自身のブログ(www.korystamper.com)には言語や辞書学について定期的に投稿しており、『ガーディアン』紙、『ニューヨーク・タイムズ』紙、「Slate.com.」に執筆している。本と家族と共にニュージャージーに在住。 Translator 鴻巣 友季子 Yukiko Konosu 英語翻訳家、文芸評論家。古典新訳にマーガレット・ミッチェル『風と共に去りぬ』、シャーロット・ブロンテ『嵐が丘』、他訳書に、J・M・クッツェー『恥辱』など多数。著書に『翻訳ってなんだろう?』、共著に『翻訳問答』など。 竹内 要江 Toshie Takeuchi 英語翻訳家。南山大学外国語学部英米科卒業(在学中米東部片田舎のカレッジに留学)、東京大学大学院総合文化研究科比較文学比較文化修士課程修了(修士論文はアメリカの日本趣味小説について)。訳書にゲイル・サルツ『脳の配線と才能の偏り』、梅若マドレーヌ『レバノンから来た能楽師の妻』など。 木下 眞穂 Maho Kinoshita ポルトガル語翻訳家。上智大学ポルトガル語学科卒業。訳書にジビア・ガスパレット『永遠の絆』、パウロ・コエーリョ『ブリーダ』『ザ・スパイ』など。2019年、ジョゼ・ルイス・ペイショット『ガルヴェイアスの犬』で第5回日本翻訳大賞受賞。 ラッシャー 貴子 Takako Rusher 英語翻訳家。上智大学外国語学部比較文化学科卒業。訳書にエハン・デラヴィ『Why on Earh アイスランド縦断記 彼は「問い」を抱いて旅立ち、そして「答え」に到達した』、翻訳協力にスティーブン E. ルーカス『アメリカの大学生が学んでいる「伝え方」の教科書』(狩野みき監訳)など。現在英国ロンドン在住。 手嶋 由美子 Yumiko Teshima 英語翻訳家。津田塾大学英文学科卒。マサチューセッツ州立大学大学院修士課程修了。訳書にブルース・クック『トランボ』、エドワード・セント・オービン『パトリック・メルローズ』シリーズなど。 井口 富美子 Fumiko Iguchi ドイツ語翻訳家。立教大学文学部日本文学科卒。ベルリン・フンボルト大学で翻訳学を学ぶ。長年にわたり実務翻訳に携わる。訳書に、エルンスト・ヴルチェク『宇宙英雄ローダン・シリーズ 深淵の騎士たち』など。
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迷うことについて
¥2,640
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わたしたちはいつだって迷っている。夜明け前が一番暗いと知っているけど、その暗さに耐えられるときばかりじゃない。失われたもの、時間、そして人びと。個人史と世界史の両方に分け入りながら、迷いと痛みの深みのなかに光を見つける心揺さぶる哲学的エッセイ。 「全世界を見失うがよい、迷いながら自分の魂を見出だすのだ」 ーーH・デヴィッド・ソロー いにしえの哲学者は「それがどんなものであるかまったく知らないものを、どうやって探求しようというのか」と問うた。一見、この問いはもっともだ。でも、いつだってわたしたちが探しているのは、どんなものかまったくわからないものだ。 進むべき道に迷い、〈死の谷〉で帰り道を見失い、愛の物語はガラスのように砕け散る。 脚本はついに一文字も書かれず、囚われ人は帰ってこない……。 旧大陸からやってきて、いつしかアメリカ西部のどこかに姿を消した曽祖母。 たどり着いた新大陸を10年にもわたってさまよった最初期の入植者カサ・デ・バカの一行。 嵐のような10代の冒険をともに過ごし、ドラッグで命を落とした親友。 ルネサンス以来描かれるようになった〈隔たりの青〉。 かつて愛した砂漠のような男。 父との確執。 ソルニット自身の人生と、アメリカを中心とした歴史と文化史に視線を向けて、メノンとソクラテス、ベンヤミンやヴァージニア・ウルフらとともに、迷うことの意味と恵みを探る傑作。 まったく迷わないのは生きているとはいえないし、迷い方を知らないでいるといつか身を滅ぼす。 [出版社より] 著 者|レベッカ・ソルニット 訳 者|東辻賢治郎 出版社|左右社 定 価|2,400円+税 判 型|四六判/上製 頁 数|236 ISBN|978-4-86528-234-4 初版|2019年5月 Contents 第1章 開け放たれた扉 Open Door 第2章 隔たりの青 The Blue of Distance 第3章 ヒナギクの鎖 Daisy Chains 第4章 隔たりの青 The Blue of Distance 第5章 手放すこと Abandon 第6章 隔たりの青 The Blue of Distance 第7章 二つの鏃 Two Arrowheads 第8章 隔たりの青 The Blue of Distance 第9章 平屋の家 One-Story House Author レベッカ・ソルニット Rebecca Solnit 1961年生まれ。作家、歴史家、アクティヴィスト。カリフォルニアに育ち、環境問題・人権・反戦などの政治運動に参加。1988年より文筆活動を開始する。歩くことがいかに人間の思考と文化に深く根ざしているか広大な人類史を渉猟する『ウォークス 歩くことの精神史』(Wanderlust, 2000)、エドワード・マイブリッジ伝River of Shadows(2004、全米批評家協会賞)、ハリケーン・カトリーナを取材したA Paradise Built in Hell(2009、邦訳『災害ユートピア』)、#MeToo運動のうねりの予兆となった話題作『説教したがる男たち』など、環境、土地、芸術、アメリカ史など多分野に二十を越す著作がある。美術展カタログや雑誌への寄稿も多数。 Translator 東辻賢治郎 Kenjiro Totsuji 1978年生まれ。翻訳家、建築・都市史研究。関心領域は西欧初期近代の技術史と建築史、および地図。翻訳書にソルニット『ウォークス 歩くことの精神史』がある。