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ラカン派気鋭の研究者が描く、手をめぐる文化・精神の歴史
アダム・スミスの「神の見えざる手」からディズニー映画「アナと雪の女王」まで、人間の歴史を「手を使って行うことの変化」として読み直す。文化や歴史、心理学や精神分析の理論を横断しながら、自分自身や他者との関係、現代に潜む病理を、ユーモアを交えつつ鋭く描き出していく。
・ヒトラーや毛沢東の繊細な手仕事
・手から離れていったフロイト、手へと回帰したラカン
・私たちの手を支配するiPhone
・ゾンビが手を前に突き出して歩いているのはなぜか
・手と自立依存症との関係
・エイリアンハンド
・手と口の病的な結びつき
・キングコングの大きな手
・アドベンチャー映画に見られる崖からぶら下がるシーンの意味
・手放すことは掴むことより難しい
・手を暇にさせておくと悪魔が取り憑くという言い伝え
[出版社より]
著 者|ダリアン・リーダー
訳 者|松本卓也・牧瀬英幹
出版社|左右社
定 価|2,200円+税
判 型|四六変型判/上製
頁 数|240
ISBN|978-4-86528-295-5
初 版|2020年11月
Contents
第1章 分裂する手 ─ー自律と自由のパラドックス
第2章 自律する手 ─ー手と口の病的な関係
第3章 掴む手、放す手 ー─愛着と喪失
第4章 社会化される手 ー─手を暇にさせておくことの危険性
第5章 鎮める手 ー─感覚を取り除くための刺激
第6章 暴れる手 ー─暴力行為の効能
第7章 言葉と手 ー─手を使わせるテクノロジーの今昔
訳者解説
原註
Author
ダリアン・リーダー Darian Leader
ロンドン在住の精神分析家、コラムニスト。ローハンプトン大学名誉客員教授。ケンブリッジ大学にて哲学を学んだ後、パリにて科学史を学ぶ傍ら、精神分析家としての研鑽を積む。Centre for Freudian Analysis and Researchの発起人であり、主要メンバー。著書に『ラカン( FOR BEGINNERSシリーズ)』(共著)、『本当のところ、なぜ人は病気になるのか?─身体と心の「わかりやすくない」関係』(共著)、Why Do Women Write More Letters Than They Post?、Promises Lovers Make When It Gets Late、Stealing the Mona Lisa などがある。芸術愛好家としても知られる。
Translator
松本 卓也 Takuya Matsumoto
1983年高知県生まれ。高知大学医学部卒業、自治医科大学大学院医学研究科修了。博士(医学)。専門は精神病理学。現在、京都大学大学院人間・環境学研究科准教授。著書に『人はみな妄想する ジャック・ラカンと鑑別診断の思想』(青土社、2015年)、『発達障害の時代とラカン派精神分析 〈開かれ〉としての自閉をめぐって』(共著、晃洋書房、2017年)、『創造と狂気の歴史 プラトンからドゥルーズまで』(講談社、2019年)、『心の病気ってなんだろう?』(平凡社、2019年)など。訳書にヤニス・スタヴラカキス『ラカニアン・レフト ラカン派精神分析と政治理論』(共訳、岩波書店、2017年)がある。
牧瀬 英幹 Hidemoto Makise
2010年、京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了。博士(人間・環境学)。専門は、精神分析、精神病理学、描画療法。現在、中部大学生命健康科学部准教授。著書に、『精神分析と描画─「誕生」と「死」をめぐる無意識の構造をとらえる』(誠信書房、2015年)、『発達障害の時代とラカン派精神分析─〈開かれ〉としての自閉をめぐって─』(編著、晃洋書房、2017年)、『描画療法入門』(編著、誠信書房、2018年)がある。
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