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僕たちは世界を盗み合うように互いの眼鏡をかけて笑った(「空を集める」より)
第9回塔新人賞受賞、故郷の石巻市で石巻若手短歌集団「短歌部カプカプ」を率いる歌人・近江瞬による待望の第一歌集。
みずみずしい青春のシーンから東日本大震災以降の自身と故郷の関係を描いた「狭間に揺れる」まで、今ここにしかない「瞬間」は三十一音で鮮やかに切り取られ、未来へと続いてゆく。新人賞受賞作・候補作を含む全365首を収録。
[出版社より]
「きっとずっと、心の味方になってくれるしなやかな歌たち」
——東直子
「「物語」ではなく、「瞬間の積み重ね」として、人生は変わりながら続いてゆく」
——山田航
著 者|近江瞬
装 幀|北野亜弓(calamar)
出版社|左右社
定 価|1,800円+税
判 型|四六変型判/並製
頁 数|152
ISBN|978-4-86528-274-0
初 版|2020年5月
Contents
Ⅰ 空を集める/輪郭線/グリコ/交わる角度求めては/机を埋める/夕暮れの色鬼
Ⅱ 英語の海に/無作為/微かに揺れる/きえる、きこえる/半分の月/夏のひとかけ/小指の先/地図から消える/この道を渡る/窓をひらく/カメラロール/ここからが二丁目
Ⅲ 句読点/1日と1分/狭間に揺れる
解説 虹は消えゆく 山田航
あとがき
[ 収録作品抜粋 ]
何度でも夏は眩しい僕たちのすべてが書き出しの一行目
ベランダで黒板消しを叩いてる君が風にも色を付けつつ
まだ割れることを知らない空中の瓶だよ僕らの今は例えば
立入りを禁止されてる屋上に上あがれば広がる空も同罪
三月十二日の午後二時四十六分に合わせて一人目を閉じている
Author
近江 瞬 Shun Omi
1989年、宮城県石巻市生まれ・在住。早稲田大学文化構想学部文化構想学科卒業。塔短歌会所属。宮城県歌人協会会員。短歌部カプカプ代表。第9回塔新人賞受賞。第31回歌壇賞最終候補作。第1回笹井宏之賞最終選考通過。第61回短歌研究新人賞佳作。ラジオ石巻「短歌部カプカプのたんたか短歌」パーソナリティ。Twitter:@sun0690
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