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あなたのフェミはどこから?
¥1,980
あなたの"フェミ"はいつ、どこから始まりましたか? 個人的でありながらも共通する体験でもあり、連帯する基盤ともなるフェミニズムとの出会いを綴るリレーエッセイ。 文筆家、写真家、彫刻家、翻訳家、編集者、ライター、演出家、イラストレーター、学者、ソーシャルワーカー、精神科医など19人の書き手が、個人的でありながらも共通する体験でもあり、連帯する基盤ともなるフェミニズムとの出会いを綴るリレーエッセイ。「ウェブ平凡」連載に書きおろしも加えて単行本化。 著者は安達茉莉子、石原真衣、上田久美子、小川たまか、長田杏奈、小田原のどか、金井冬樹、鴻巣麻里香、高島鈴、武田砂鉄、長島有里枝、能町みね子、野中モモ、藤高和輝、星野概念、松尾亜紀子、松橋裕一郎(少年アヤ)、水上文、森山至貴の19人。 [出版社より] 出版社|平凡社 定 価|1,800円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|176 ISBN|9784582472349 発 行|2025年04月 Contents 安達茉莉子「自分の岸辺からはじめる」 松尾亜紀子「やばい間違ったかも、と震えてはじまることもある」 森山至貴「ぬるっと出会って、ずっと繫がって」 高島鈴「生まれ変わり」 石原真衣「先住民フェミニストでございます」 藤高和輝「i am a feminist.」 鴻巣麻里香「脱抑圧の三代記 ─ 私たちはなぜフェミニストでなくなるのか」 上田久美子「私のフェミはどこから。」 小川たまか「風が吹く野原が心の中にある」 星野概念「パワーのこと」 野中モモ「聞こえているから自分も言える」 水上文「BLとフェミニズム(のようなもの)」 金井冬樹「The Powerless Do Have Power.」 長田杏奈「シルバニアで遊べない子」 小田原のどか「受け取って、渡していく」 松橋裕一郎(少年アヤ)「わたし、そしてわたしたち」 能町みね子「神はいないが」 長島有里枝「わたしが千なら、フェミニズムはハク。」 武田砂鉄「ハッキリ答える前に」
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失われた賃金を求めて[OUTLET]
¥935
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『私たちにはことばが必要だ フェミニストは黙らない』で日本にも鮮烈な印象を与えたイ・ミンギョン、次は男女の賃金格差に斬り込んだ! 男女賃金格差がOECD加盟国中「不動のワースト1位」の韓国の社会事情は、「不動のワースト2位」の日本でも共感必至。賃金差別は存在する! 解説=西口想。 [出版社より] 著 者|イ・ミンギョン 訳 者|小山内園子・すんみ 出版社|タバブックス 定 価|1,700円+税 判 型|四六変型判/並製 頁 数|216 ISBN|978-4-907053-47-5 初 版|2021年02月 Contents はじめに 1. 昇進 止まっているエスカレーター 2. 考課 「ふりだしに戻る」と「3つ前へ」 3. 同一職級 傾いた床 4. 与えられた条件 ハイヒールと砂袋 5. 雇用安定性 消えていく女性たち 6. 就職 7. 進路選択 8. 達成度評価 9. 資源 終わり-あるいははじまり 解説 日本で、女性がもっと受け取れるはずだった賃金の金額を求めよ 西口想 Author イ・ミンギョン Lee Min-Gyeong 延世大学校仏語仏文学科、社会学科を卒業後、韓国外国語大学校通訳翻訳大学院韓仏科で国際会議通訳専攻修士学位を取得。2016年に起きた江南駅殺人事件をきっかけに『私たちにはことばが必要だ フェミニストは黙らない』を発表。女性が女性であるという理由で人生をあきらめなくてもすむ瞬間のため、ことばを書き訳している。最近はテキストを媒介にして女性たちが出会える場を作ることに力を注いでいる。主な著作に『私たちにはことばが必要だ フェミニストは黙らない』『脱コルセット:到来した想像』、共著に『笛を吹く女たち』『ヨーロッパ堕胎旅行』、訳書に『대리모 같은 소리(原題訳:代理出産、人権侵害)』『임신중지(原題訳:幸せな中絶)』『나, 시몬 베유(原題訳:ある人生)』などがある。現在、延世大学校文化人類学科修士課程で学びながら、女性の人生で手にすることのできるまた別の可能性を模索中である。 Translator 小山内 園子 Sonoko Osanai 東北大学教育学部卒業。社会福祉士。訳書に、ク・ビョンモ『四隣人の食卓』(書肆侃侃房)、キム・ホンビ『女の答えはピッチにある』(白水社)、共訳書に、イ・ミンギョン『私たちにはことばが必要だ』(タバブックス、すんみと共訳)、チョ・ナムジュ『彼女の名前は』(筑摩書房、すんみと共訳)など。 すんみ Seungmi 翻訳家。早稲田大学大学院文学研究科修了。訳書にキム・グミ『あまりにも真昼の恋愛』(晶文社)、チョン・セラン『屋上で会いましょう』(亜紀書房)、共訳書にイ・ミンギョン『私たちにはことばが必要だ フェミニストは黙らない』(タバブックス、小山内園子と共訳)、チョ・ナムジュ『彼女の名前は』(筑摩書房、小山内園子と共訳)など。
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脱コルセット 到来した想像[OUTLET]
¥1,100
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脱コルセット運動は、苦痛や搾取、虐待を今、この場所で経験している女性たちの人生を変える最適のツールだった——。 韓国フェミニズム、最大のムーブメント「脱コルセット」とは何か。『私たちにはことばが必要だ フェミニストは黙らない』『失われた賃金を求めて』に続く、イ・ミンギョン第3弾。 ルックス至上主義、規範的女性性に抵抗する脱コルセット運動。韓国の若い女性たちが化粧品を捨て、髪を短くした写真をSNSにアップ、急速に広まった。女性らしさを「電撃的に打ち切る」強いアプローチを取った背景とは。イ・ミンギョンが「脱コル」実践者たちと対話し、読解を試みた渾身の1冊。 日本版は、多くの女性たちの声からなるこの本の特徴をふまえ複数の訳者が参加。韓国・日本在住の女性8人のチームで翻訳、それぞれのことばで脱コルセットを考えるリレーブログも公開中。 [出版社より] 著 者|イ・ミンギョン 訳 者|生田美保/オ・ヨンア/小山内園子/木下美絵/キム・セヨン/すんみ/朴慶姫/尹怡景 出版社|タバブックス 定 価|2,000円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|336 ISBN|978-4-907053-53-6 初 版|2022年03月 Contents 日本の読者のみなさんへ イ・ミンギョン 0 観念から感覚へ 1 女から人へ 2 する自由からしない自由へ 3 努力から忘却へ 4 美しさから痛みへ 5 平面的な自我イメージから立体的な自分へ 6 美の観点から機能の観点へ 7 男性の他者から、女性として同一視された女性へ 8 画一的な日課から多様な日常へ 9 順応から違反へ 10 分裂から統合へ 11 今、ここから、別の世界へ 12 死から生へ 13 さあ、次の世代へ Author イ・ミンギョン Lee Min-Gyeong 女性が女性だという理由で 人生の何ひとつも あきらめないことを願う 延世大学校仏語仏文学科、社会学科を卒業後、韓国外国語大学校通訳翻訳大学院韓仏科で国際会議通訳専攻修士学位を取得。ENSパリ・サクレー校博士課程在籍中。フェミニストのためのことばを物し、訳す活動を行う。著書に『私たちにはことばが必要だ フェミニストは黙らない』『私たちにも系譜がある』『失われた賃金を求めて』、共著に『ヨーロッパ堕胎旅行』など。訳書に『妊娠中止(임신중지)』『母の国(어머니의 나라)』『国家ではなく女性が決めなければならない(국가가 아닌 여성이 결정해야 합니다)』『私、シモーヌ・ヴェイユ(나, 시몬 베유)』『すべての女性が同じ闘争をしているのではない(모든 여성은 같은 투쟁을 하지 않는다)』『ホイッスルが鳴ったら(휘슬이 울리면)』『主たる敵(주적)』などがある。
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編むことは力
¥2,970
編み物は、フェミニズムや社会運動を支えるツールでもあった。フランス革命時のトリコテウス、アメリカ革命時のスピニング・ビーズ、大戦時のニッティング・スパイ、トランプ政権時のプッシーハット・プロジェクト……。個人と政治、愛と経済を結びつけ、社会を幾度となく編み直してきたパワーの歴史をたどるエッセイ。 [出版社より] 著 者|ロレッタ・ナポリオーニ 訳 者|佐久間裕美子 出版社|岩波書店 定 価|2,700円+税 判 型|四六判/上製 頁 数|206 ISBN|9784000616751 発 行|2024年12月 Contents 著者の言葉 イントロダクション 愛、政治と経済を編む 1 なぜ編み物をするのか 2 糸の檻を開ける 3 革命のために編む 4 フェミニズムと糸の愛憎関係 5 ウール・イズ・クール 6 編み物のネットワークの魔法 7 神経科学時代の編み物 8 ともに編もう──社会を編み直す エピローグ 必要なのは愛だけ 謝 辞 訳者あとがき 佐久間裕美子 パターン 西村知子 訳 注 参考文献 Author ロレッタ・ナポリオーニ Loretta Napoleoni 幼い頃イタリアで祖母から編み物を学ぶ.エコノミスト,コンサルタント,コメンテーター.フルブライト奨学生としてジョンズ・ホプキンス大学ポール・H・ニッツェ高等国際問題研究大学院,ロータリー奨学生としてロンドン・スクール・オブ・エコノミクスに留学.国際関係と経済学の修士号,経済学の博士号を取得.国際金融,テロリズム,9.11以降の社会変動,ヨーロッパや中国,北朝鮮経済に関し執筆.邦訳書に『人質の経済学』(文藝春秋)『「イスラム国」はよみがえる』(文春文庫)など. Translator 佐久間 裕美子 Yumiko Sakuma ライター,アクティビスト.慶應義塾大学卒業,イェール大学大学院修士課程修了.ニューヨーク在住.カルチャー,ファッション,政治,社会問題などに関し執筆.著書に『Weの市民革命』(朝日出版社)『みんなで世界を変える! 小さな革命のすすめ』(偕成社)など.訳書に『テロリストの息子』(朝日出版社).Sakumag Collectiveを通じて勉強会や情報発信などの活動を行っている.
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ガザとは何か——パレスチナを知るための緊急講義
¥1,540
ガザで何が、なぜ起きているのか。歴史的文脈とポイントを平易に解説する「まずここから」の一冊。 2023年10月7日、ハマース主導の越境奇襲攻撃に端を発し、イスラエルによるガザ地区への攻撃が激化しました。長年パレスチナ問題に取り組んできた、パレスチナ問題と現代アラブ文学を専門とする著者が、平易な語り口、そして強靭な言葉の力によってさまざまな疑問、その本質を明らかにします。 今起きていることは何か? パレスチナ問題の根本は何なのか? イスラエルはどのようにして作られた国? シオニズムとは? ガザは、どんな地域か? ハマースとは、どのような組織なのか? いま、私たちができることは何なのか? 今を知るための最良の案内でありながら、「これから私たちが何を学び、何をすべきか」、その足掛かりともなる、いま、まず手に取りたい一冊です。 *本書は、10月20日京都大学、10月23日早稲田大学で開催された緊急セミナーに加筆修正を加えたものです。 [出版社より] 著 者|岡真理 出版社|大和書房 定 価|1,400円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|208 ISBN|9784479394204 発 行|2023年12月 Contents ■第1部 ガザとは何か 4つの要点/イスラエルによるジェノサイド/繰り返されるガザへの攻撃/イスラエルの情報戦/ガザとは何か/イスラエルはどう建国されたか/シオニズムの誕生/シオニズムは人気がなかった/なぜパレスチナだったのか/パレスチナの分割案/パレスチナを襲った民族浄化「ナクバ」/イスラエル国内での動き/ガザはどれほど人口過密か/ハマースの誕生/オスロ合意からの7年間/民主的選挙で勝利したハマース/抵抗権の行使としての攻撃/「封鎖」とはどういうことか/ガザで起きていること/生きながらの死/帰還の大行進/ガザで増加する自殺/「国際法を適用してくれるだけでいい」 ■第2部 ガザ、人間の恥としての 今、目の前で起きている/何度も繰り返されてきた/忘却の集積の果てに/不均衡な攻撃/平和的デモへの攻撃/恥知らずの忘却/巨大な実験場/ガザの動物園/世界は何もしない/言葉とヒューマニティ/「憎しみの連鎖」で語ってはいけない/西岸で起きていること/10月7日の攻撃が意味するもの/明らかになってきた事実/問うべきは「イスラエルとは何か」/シオニズムとパレスチナ分割案/イスラエルのアパルトヘイト/人道問題ではなく、政治的問題 ■質疑応答 ガザに対して、今私たちができることは?/無関心な人にはどう働きかければいい?/パレスチナ問題をどう学んでいけばいい?/アメリカはなぜイスラエルを支援し続けるのか?/BDS運動とは何? ■付録 もっと知るためのガイド(書籍、映画・ドキュメンタリー、ニュース・情報サイト) パレスチナ問題 関連年表 Author 岡 真理 Mari Oka 1960年生まれ。東京外国語大学大学院修士課程修了。在モロッコ日本国大使館専門調査員、大阪女子大学人文社会学部講師、京都大学大学院人間・環境学研究科教授を経て、早稲田大学文学学術院教授。専攻は現代アラブ文学・第三世界フェミニズム思想。
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持続可能な魂の利用
¥836
会社に追いつめられ、無職になった三十女が、女性アイドルに恋して日本の絶望を粉砕!? 現実を生き抜くための最高エネルギーチャージ小説。解説=松尾亜紀子。 [出版社より] 著 者|松田青子 出版社|中央公論新社[中公文庫] 定 価|760円+税 判 型|文庫判・並製 頁 数|280 ISBN|978-4-12-207369-2 初 版|2023年05月 Author 松田 青子 Aoko Matsuda 1979年、兵庫県生まれ。同志社大学文学部英文学科卒業。2013年、デビュー作『スタッキング可能』が三島由紀夫賞及び野間文芸新人賞候補に、14年にTwitter文学賞第1位となり、19年には『ワイルドフラワーの見えない一年』収録の「女が死ぬ」(英訳:ポリー・バートン)がアメリカのシャーリィ・ジャクスン賞短編部門の候補となった。
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男の子になりたかった女の子になりたかった女の子
¥814
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あなたを救う“非常口”はここ。 『おばちゃんたちのいるところ』が海外で大反響の著者が贈る、はりつめた毎日に魔法をかける最新短篇集。解説=小林エリカ。 [出版社より] 著 者|松田青子 出版社|中央公論新社[中公文庫] 定 価|740円+税 判 型|文庫判/並製 頁 数|264 ISBN|978-4-12-207511-5 発 行|2024年04月 Contents 天使と電子 ゼリーのエース クレペリン検査はクレペリン検査の夢を見る 桑原さんの赤色 この世で一番退屈な赤 許さない日 向かい合わせの二つの部屋 誰のものでもない帽子 物語 斧語り 男の子になりたかった女の子になりたかった女の子 解説 小林エリカ Author 松田 青子 Aoko Matsuda 1979年、兵庫県生まれ。同志社大学文学部英文学科卒業。2013年、デビュー作『スタッキング可能』が三島由紀夫賞及び野間文芸新人賞候補に、14年にTwitter文学賞第一位となり、19年には『ワイルドフラワーの見えない一年』収録の「女が死ぬ」(英訳:ポリー・バートン)がアメリカのシャーリィ・ジャクスン賞短編部門の候補となった。
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差別と資本主義
¥2,970
SOLD OUT
人種やジェンダーをめぐる差別・不平等は、グローバル資本主義の構造と深くかかわって、全世界的な社会分断を生んでいる。差別問題に正面から切り込んだトマ・ピケティの論考をはじめ、国際的な識者たちが問題の深淵と解決への道筋を語る、最先端の論集。 [出版社より] 著 者|トマ・ピケティ、ロール・ミュラ、セシル・アルデュイ、リュディヴィーヌ・バンティニ 訳 者|尾上修悟、伊東未来、眞下弘子、北垣徹 出版社|明石書店 定 価|2,700円+税 判 型|四六判・上製 頁 数|216 ISBN|9784750356037 発 行|2023年06月 Contents 訳者序文[尾上修悟] 第一章 人種差別の測定と差別の解消[トマ・ピケティ] 第二章 キャンセルカルチャー――誰が何をキャンセルするのか[ロール・ミュラ] 第三章 ゼムールの言語[セシル・アルデュイ] 第四章 資本の野蛮化[リュディヴィーヌ・バンティニ] 訳者解説[尾上修悟] Author トマ・ピケティ Thomas Piketty フランス国立社会科学高等研究院の研究所長、パリ経済学校の教授、ならびにグローバル不平等研究所の共同主宰者。 ロール・ミュラ Laure Murat カリフォルニア大学ロサンゼルス校ヨーロッパ言語・越境文化学科教授。 セシル・アルデュイ Alduy C'ecile スタンフォード大学(米国)フランス文学・文明学の教授、パリ政治学院政治学研究センターCEVIPOFの准研究員。 リュディヴィーヌ・バンティニ Ludivine Bantigny 歴史家、教員・研究者、ルーアン大学GRHisラボメンバー。社会参加、社会運動・反乱・革命の歴史を研究
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韓国、男子——その困難さの感情史
¥3,300
「男」は理不尽な観念だ。ジェンダー間の格差・分断・差別の歴史の中で、男性は「男」であるがゆえに抑圧する主体だった。他方、「男なら……」という期待は、当事者に「失敗と挫折でがんじがらめ」の内的経験をもたらしてもきた。日本においても然り。だが韓国では、この問題を感情史的アプローチで探究する試みがいち早く登場した。 韓国ドラマの男たちが“おんな子どもを守る強い男”の類型を引きずり続けるのはなぜだろう? フェミニズムへの関心の高い国で、なぜ若者がバックラッシュの政策を支持するのか? その背景にある男性性の問題、すなわち「韓国男子」のこじれの源を、本書は近現代史上の事象や流行語を手がかりに辿る。 「男子(ナムジャ)」の苦難や煩悶が、非‐男性への抑圧と表裏をなしながら、いかにして社会を構成する人々全体の生きづらさに与ってきたか。朝鮮王朝時代、植民地化、南北分断と軍政、民主化、新自由主義化といった局面に応じて、男性性をめぐる新たな困難と、そこから噴き出る抑圧と暴力の構図が繰り返し出現した。終盤では、兵役が生む軋轢や、オンラインで拡散する苛烈なミソジニーとバックラッシュに揺れる2000年以降の社会の様相を見る。 「このような作業が必要な理由は、まず理解するためだ。」今日の韓国の人々の心性を理解するための重要な知見と示唆に溢れた論考であるとともに、日本における同じ問題を合わせ鏡で見るような書だ。 [出版社より] 原 書|한국, 남자 귀남이부터 군무새까지 그 곤란함의 사회사 著 者|チェ・テソプ 訳 者|小山内園子・すんみ 解 説|趙慶喜 出版社|みすず書房 定 価|3,000円+税 判 型|四六判/上製 頁 数|312 ISBN|978-4-622-09745-7 初 版|2024年12月 Contents ■序 いま、韓国の男たち■ ソン・ジェギと男性「連帯」 仁義なき戦い ボタンを押した男たち 韓(国)男(子)の起源と現在 ■1 問題になる男■ ──「貴男[グィナム]」たちが招いた危機 跡を継ぐ息子 戸主制と女性の再植民化 「貴男」たち 削除された女児たち 人口抑制計画 没落する男たち 男の終末 in 韓国 溜まりつづける男たち ■2 “真の男”を探して■ ──「ヘゲモニックな男性性」の起源 トレードマークは“真の男” 男らしさの身体的起源 「男」対「野生」 作られた男 ヘゲモニックな男性性 支配のコスト ■3 韓国男子の憂鬱な起源■ ちゃっかりした無能力者たち 輸入された男──植民地男性の不遇な誕生 反共戦士を作る 朝鮮戦争──男性性の墓 傷痍軍人、兵役忌避者、そして女たち 軍靴をはいた継父──徴兵制と産業の担い手 「いい暮らしをしよう」──仲むつまじい中産層を目指して 男性性の極限──80年光州の空挺部隊 光州の息子たち──不正な父に立ち向かって ■4 変化と没落■ ──1990年代と韓国、男子 Xな新時代の男たち うなだれている男──IMF通貨危機と「男性性の危機」 ■4.5 ピンクの服をまとった男たち■ メトロセクシュアルと新たな男性性? ■5 悔しい男たち■ 軍オウム[グンムセ]の歌と悔しい男たちの誕生 女性嫌悪の年代記1──味噌女の誕生 女性嫌悪の年代記2──キムチ女からメガルまで 出口のない循環──遊び文化と女性嫌悪 でっち上げられた嫌悪 「代替現実」としての女 ■結び 韓国男子に未来はあるか■ 謝辞 日本語版へのあとがき──2023、依然として、“韓国、男子”たち 解説──フェミニズムへの応答としての韓国男子論(趙慶喜) 訳者あとがき 参考文献 索引 Author チェ・テソプ 최태섭 1984年生まれ。文化評論家、社会学研究者。聖公会大学校社会学科にて博士課程修了。ジェンダー、政治、労働問題に重点を置いて執筆活動をしている。2011年の共著書『열정은 어떻게 노동이 되는가〔情熱はいかにして労働になるのか〕』(ウンジン知識ハウス)では、韓国社会の若者世代に「情熱」という形態をとって強要される不合理な労働について論じた。2013年、世代論だけでは説明できない搾取と疎外を「余剰」をキーワードに考察する単著『잉여사회〔余剰社会〕』(ウンジン知識ハウス)を発表。2018年に本書の原書『한국, 남자〔韓国、男子〕』(ウネンナム)、2021年にはゲーム産業・文化について考察した『모두를 위한 게임 취급 설명서─게임에 대해 궁금하지만 게이머들은 답해줄 수 없는 것들〔みんなのためのゲーム取扱説明書──ゲームについて疑問に思うが、ゲーマーは答えることができないもの〕』(ハンギョレ出版)を上梓した。ほかの著書に、『억울한 사람들의 나라〔やりきれない者たちの国〕』(ウィズダムハウス、2018)など。 Translator 小山内 園子 Sonoko Osnai 1969年生まれ。韓日翻訳者、社会福祉士。訳書に、ク・ビョンモ『破果』(岩波書店、2022)など。すんみとの共訳書にイ・ミンギョン『私たちにはことばが必要だ フェミニストは黙らない』(タバブックス、2018)。 すんみ 1986年生まれ。韓日、日韓翻訳者。訳書に、チェ・ジニョン『ディア・マイ・シスター』(亜紀書房、2024)、ウン・ソホル他『5番レーン』(鈴木出版、2022)など。小山内園子との共訳書にイ・ミンギョン『失われた賃金を求めて』(タバブックス、2021)。 Commentary 趙 慶喜 1973年生まれ。韓国・聖公会大学東アジア研究所教員。主な共著書に『残余の声を聴く──沖縄・韓国・パレスチナ』(明石書店、2021)、『주권의 야만─밀항・수용소・재일조선인〔主権の野蛮──密航・収容所・在日朝鮮人〕』(ハンウル、2017)。
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妾と愛人のフェミニズム——近・現代の一夫一婦の裏面史
¥3,080
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一夫一婦制度が確立した明治期から2010年代までの新聞・雑誌や文学を精読し、ときに「純粋な恋愛の遂行者」として知識人に称賛され、ときに「眉をひそめられる不道徳な存在」として排除された女性たちの存在に光を当てるフェミニズム研究の裏面史。 ー 夫婦関係に不和を生じさせる存在、倫理にもとるものとして現在ではタブー視されている「愛人」や、かつて「妾」と呼ばれた人たちは、どのような女性だったのか。 フェミニズムの分野で「妾」や「愛人」が議論の対象にされてこなかったことに疑問をもった著者が、明治期から2010年代までの「妾」と「愛人」にまつわる「読売新聞」や「週刊文春」の記事分析と文学作品の読解を通して、時代ごとに形作られた社会的イメージの変遷をたどっていく。 森鴎外や尾崎紅葉の小説に描かれる近代男性の妾囲い、有島武郎と波多野秋子などの大正期に新聞紙上をにぎわせた知識人の愛人関係、太宰治「斜陽」で「道徳革命」を成就させる戦後の愛人、「嫉妬する妻」による刃傷沙汰事件、「おいしい生活」を望む女性たちの間で流行した愛人バンク、政治家の「女房役」やハイクラス男性のビジネスパートナーとしての愛人、2000年代以降の政治家のスキャンダルのなかで性的に消費される愛人像などを取り上げ、近・現代日本に現れる「妾」と「愛人」像と、その評価を詳細に検討する。 一夫一婦制度が確立した明治期以降、ときに「純粋な恋愛の遂行者」として近代知識人に称賛され、ときに「眉をひそめられる不道徳な存在」として排除された女性たちの存在に光を当てるフェミニズム研究の裏面史。 [出版社より] 著 者|石島亜由美 出版社|青弓社 定 価|2,800円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|280 ISBN|978-4-7872-3517-6 発 行|2023年03月 Contents はじめに 第1章 明治の妾――一夫一婦の裏面の妾という存在 1 法制度からみる妾の位置づけ 2 妾の近代文化 3 文学に描かれた妾 第2章 戦前の愛人――恋愛をする人 1 近代日本フェミニズムの出発点――恋愛/一夫一婦/妾の否定 2 愛人の登場――一九一〇年代まで 3 一九二〇年代の愛人像――文学作品・婦人雑誌・新聞から 第3章 一九三〇年代の妻と妾――妻の嫉妬と閉塞感 1 「嫉妬する妻」の構築 2 一九三〇年代の「妻」「妾」の身の上相談 第4章 戦後の愛人――働く女性、性的存在、不道徳な存在 1 戦後愛人の原型――一九四〇年代後半から五〇年代 2 週刊誌のなかの愛人 初出一覧 おわりに Author 石島 亜由美 Ayumi Ishijima 1980年、栃木県生まれ。城西国際大学大学院人文科学研究科女性学専攻(修士課程)修了、比較文化専攻(博士課程)単位取得満期退学。博士(比較文化)。専攻は女性学、東洋医学。はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師。共著に『ジェンダーの視点からみる日韓近現代史』(梨の木舎)、『韓流サブカルチュアと女性』(至文堂)、論文に「私にとっての「女性学」という場――水田宗子の女性学と草創期の議論を再考して」(「WAN女性学ジャーナル」2019年)、「近代日本における「妾」に関する新聞記事のジェンダー分析――「嫉妬」の社会的構築と「妻」の危機・「妾」の排除」(「女性学」第25号)、「「夫」「妻」「妾」近代的主体とジェンダー文化の構築」(「女性・戦争・人権」第14号)など。
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顔のない遭難者たち――地中海に沈む移民・難民の「尊厳」
¥2,200
身元不明の遺体のアイデンティティを求めて——。 ガリレオ文学賞受賞作。 「あの人たち」の権利を守り、「私たち」と「あの人たち」の死を同じように扱うことが、私たちの挑戦だったーー(本文より) いまも昔も、世界中のあらゆる国々で、「身元不明の遺体」が発見されてるが、その多くの身元を特定されない。身元不明者が移民・難民である場合、その遺体を「放っておけ」と言う人々がいる。それはなぜか? イタリア(ヨーロッパ諸国)には、領海内で遭難した外国人の身元特定にかかわる法律が存在しなかったが、法医学者である著者は仲間たちと協力し、ヨーロッパではじめて移民遭難者向けデータバンクの創設に取り組む。 近しい人の身元がわからず、藁にもすがる思いでときには親族のDNA(髪の毛や爪、唾液など)を携え、著者のもとへ訪れる人々たちの怒り、慟哭、悲痛。そして「ここに来てよかった」という言葉。数字としてまとめられる身元不明の遺体、「顔のない遭難者たち」の背後にも、それぞれの名前と物語がある。遺された人が死と向き合うため尽力し続ける人々の法医学ノンフィクション。 [出版社より] 著 者|クリスティーナ・カッターネオ 訳 者|栗原俊秀 監 修|岩瀬博太郎 出版社|晶文社 定 価|2,000円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|258 ISBN|978-4-7949-7336-8 初 版|2022年11月 Contents 第1章 二〇一三年十月 死者に名前を与えること 第2章 「あの人たち」の死を、「私たち」の死と同じように 第3章 ランペドゥーザの挑戦 見いだすには、まず求めよ 第4章 最初の同定 「ここに来てよかった」 第5章 「故郷の土を、肌身離さずもっているんです」 第6章 メリッリ 海辺の霊安室 第7章 バルコーネ 死者は生者よりも雄弁である 最8章 最終幕 あるいは、第一幕の終わり 訳者あとがき 文献案内 Author クリスティーナ・カッターネオ Cristina Cattaneo 一九六四年、ピエモンテ州に生まれる。ミラノ大学教授、ラバノフ(犯罪人類学歯科医学研究所)所長。専門は法医学。二〇一四年より、地中海で命を落とした移民・難民の遺体の同定作業に従事している。その体験を綴った本書『顔のない遭難者たち』(Naufraghi senza volto: Dare un nome alle vittime del Mediterraneo, Raffaello Cortina Editore, 2018)で、ガリレオ文学賞を受賞。「犯罪と蝶々 自然科学が解き明かす謎」(Monica Maldarellaとの共著、二〇〇六年)、「体、骸骨、犯罪:ラバノフの物語」(二〇一九年)などの著作を通じて、法医学の魅力を一般読者にもわかりやすく伝えている。 Translator 栗原俊秀 Toshihide Kurihara 一九八三年生まれ。翻訳家。主な訳書にアンドレア・バイヤーニ『家の本』(白水社)、アントニオ・スクラーティ『小説ムッソリーニ 世紀の落とし子』(河出書房新社)、イゴルト『ウクライナ・ノート』(花伝社)、ジョン・ファンテ『ロサンゼルスへの道』(未知谷)など。カルミネ・アバーテ『偉大なる時のモザイク』(未知谷)の翻訳で、須賀敦子翻訳賞、イタリア文化財文化活動省翻訳賞を受賞。 Supervisor 岩瀬博太郎 Hirotaro Iwase 解剖医、千葉大学大学院医学研究院法医学教室教授。東京大学医学部医学科卒業。同大学法医学教室を経て二〇〇三年より現職。二〇一四年より東京大学大学院医学系研究科法医学教室教授併任、千葉大学附属法医学教育研究センター設立に伴いセンター長併任。著書に『焼かれる前に語れ』、『法医学者、死者と語る』(いずれもWAVE 出版)、『死体は今日も泣いている―日本の「死因」はウソだらけ』(光文社新書)。
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トランスジェンダー問題――議論は正義のために
¥2,200
SOLD OUT
トランス女性である著者が、トランス嫌悪的な社会で生きるトランスジェンダーの現実を幅広い調査や分析によって明らかにする。これまで自伝や研究書に偏っていたトランスジェンダーを扱った書籍の中で、事実に基づき社会変革に向けて開かれた議論を展開する画期的な一冊である。トランスジェンダーの実態を何ら顧みない、排除のための偏見に満ちた言説が拡大される中、日本における「トランスジェンダー問題」を考える上でも必読の書。 [出版社より] 「議論は知識を踏まえ、事実に基づき、正義のために行われなければならない。「女が消される」「性犯罪が増える」「多くの人が性別移行を後悔する」――「トランスジェンダー問題」にまつわる数々の虚偽(デマ)から解放される時が来た。これは全身全霊で推薦すべき、正義の書だ」 ――李琴峰[芥川賞作家] 「トランス女性はどちらのトイレを使うべきかというような、反対派によってでっち上げられた「問題」ではなく、当事者の経験する本当の「問題」を論じている。20年以上コミュニティに関わるわたしから見て、ひろく一般の読者にお勧めできるはじめてのトランスジェンダーについての本」 ――小山エミ[シアトル在住活動家、脱植民地化のための日米フェミニストネットワーク共同創設者、性労働者の権利と安全のための連帯代表] 著 者|ショーン・フェイ 訳 者|高井ゆと里 解 説|清水晶子 出版社|明石書店 定 価|2,000円+税 判 型|四六判・並製 頁 数|436 ISBN|9784750354637 初 版|2022年10月 Contents プロローグ イントロダクション 見られるが聞かれない 第1章 トランスの生は、いま 第2章 正しい身体、間違った身体 第3章 階級闘争 第4章 セックスワーク 第5章 国家 第6章 遠い親戚――LGBTのT 第7章 醜い姉妹――フェミニズムの中のトランスたち 結論 変容(トランスフォーム)された未来 謝辞 解説 スーパー・グルーによる一点共闘――反ジェンダー運動とトランス排除[清水晶子] 訳者解題 日本で『トランスジェンダー問題』を読むために 訳者あとがき 原注 Author ショーン・フェイ Shon Faye イギリス・ブリストル出身。現在はロンドンを拠点に活動。弁護士としての訓練を受けた後、執筆活動やキャンペーン活動を行うために退職し、慈善団体Amnesty InternationalやStonewallで働いている。Dazedの編集長を務めたほか、Guardian、Independent、Viceなどで執筆活動を行っている。最近、LGBTQの先駆者たちにインタビューするポッドキャストシリーズ「Call Me Mother」を立ち上げ、高い評価を得ている。本作は初の著書。 Translator 高井 ゆと里 Yutori Takai 群馬大学情報学部准教授。石川県立看護大学講師などを経て現職。東京大学大学院人文社会系研究科・倫理学研究室博士課程修了。博士(文学)。専門は倫理学、主専攻はハイデガー哲学と研究倫理。単著に『極限の思想 ハイデガー 世界内存在を生きる』(講談社選書メチエ)。 Commentary 清水 晶子 Akiko Shimizu 東京大学大学院人文科学研究科英語英米文学博士課程修了。ウェールズ大学カーディフ校批評文化理論センターで博士号を取得し、現在東京大学大学院総合文化研究科教授。専門はフェミニズム/クィア理論。著書に『読むことのクィア――続 愛の技法』(共著、中央大学出版部)、『Lying Bodies:Survival and Subversion in the Field of Vision』(Peer Lang Publishing)など。
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女性のいない民主主義
¥902
政治権力が男性に集中する日本は,民主主義国と呼ぶに値するのか.男性支配からの脱却に挑む新たな政治学. 日本では男性に政治権力が集中している.何が女性を政治から締め出してきたのか.そもそも女性が極端に少ない日本の政治は,民主主義と呼べるのか.客観性や中立性をうたってきた政治学は,実は男性にとって重要な問題を扱う「男性の政治学」に過ぎなかったのではないか.気鋭の政治学者が,男性支配からの脱却を模索する. [出版社より] 著 者|前田健太郎 出版社|岩波書店[岩波新書] 定 価|820円+税 判 型|新書判 頁 数|238 ISBN|9784004317944 初 版|2019年09月 Contents はじめに 第1章 「政治」とは何か 1 話し合いとしての政治 2 政治における権力 3 マンスプレイニングの罠 4 政治の争点 5 多数決と争点 第2章 「民主主義」の定義を考え直す 1 女性のいない民主主義 2 代表とは何か 3 民主化の歴史を振り返る 4 民主化の理論と女性 第3章 「政策」は誰のためのものか 1 男性のための福祉国家 2 政策は誰の利益を反映するのか 3 福祉国家が変わりにくいのはなぜか 4 政策の変化はどのようにして生じるか 第4章 誰が,どのように「政治家」になるのか 1 日本政治の二つの見方 2 有権者は誰に票を投じるか 3 政党と政治家の行動原理 4 選挙制度の影響 おわりに あとがき 主な参考文献・データベース Author 前田健太郎 Kentaro Maeda 1980年,東京都生まれ.2003年,東京大学文学部卒業.2011年,東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了,博士(法学).首都大学東京大学院社会科学研究科准教授を経て,現在東京大学大学院法学政治学研究科准教授. 専攻―行政学・政治学. 著書に『市民を雇わない国家――日本が公務員の少ない国へと至った道』(東京大学出版会,第37回サントリー学芸賞〔政治・経済部門〕).
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キングコング・セオリー
¥1,870
「私はケイト・モスというより、キングコングみたいな女だ。誰も妻にしたり、一緒に子どもをつくったりしないタイプの女。常に自分自身でありすぎる女。そういう立場から私は話している」。 #MeToo運動をきっかけに再注目され、フランスで20万部のベストセラーとなったフェミニズムの名著がついに邦訳。 人気女性作家が17歳の時に経験したレイプ被害と、その後の個人売春の経験をもとに、性暴力、セックスワーク、ポルノグラフィについての独自の理論を展開するフェミニズム・エッセイ。自分自身を、男性でも女性でもないカオスな存在としての「キングコング」にかさね、ジェンダー規範にとらわれない女性の在り方を、力強く、小気味いい文体で模索していく。 [出版社より] 著 者|ヴィルジニー・デパント 訳 者|相川千尋 出版社|柏書房 定 価|1,700円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|222 ISBN|9784760152483 初 版|2020年11月 Contents 第1章__ バッド・ガールズ 「私はブスの側から書いている。ブスのために、ババアのために、男みたいな女のために、不感症の女、欲求不満の女、セックスの対象にならない女、ヒステリーの女、バカな女、「いい女」市場から排除されたすべての女たちのために。」(本書10頁) 第2章__ やるか、やられるか 「全能の国家は、私たちのためだといって、私たちを幼稚化し、ありとあらゆる意思決定に干渉する。そして私たちを守るという名目で、私たちを無知な子供の状態、制裁や排除を恐れる状態にとどめようとする。女を孤立させ、受け身にさせ、消極的にさせるすぐれた道具である〈恥〉を利用して。」(37頁) 第3章__ 堕落しきった女をレイプすることはできない 「あの夜、私は私の性別におしつけられている規範から外に出て、やつらの喉をひとりずつ掻き切ってやりたかった。女だから、暴力は女のやることじゃないから、男の体が無傷であることは女の体がそうであることよりも重要だからという理由で抵抗しない人間として生きるよりも。」(61頁) 第4章__ 敵と寝る 「女が合意し、きちんとした報酬が支払われる場合、男の性欲それ自体は女に対する暴力にならない。暴力的なのは私たちに対しておこなわれる管理の方だ。つまり、私たちのかわりに私たちにとって、なにがふさわしく、なにがそうでないのかを決める権力の方である。」(115頁) 第5章__ ポルノは暴く 「私の性欲は複雑だ。性欲が私に教えてくれることは、必ずしも私の気に入るわけでなく、私がそうありたいと願うあり方と常に一致するわけでもない。それでも私は、私の性欲について知りたい。安全な社会的イメージを保つために目を背け、自分について知っていることを否定するかわりに。」(125頁) 第6章__ キングコング・ガール 「キングコングはオスともメスともつかない、人間と子ども、善と悪、原始と文明、白と黒のあわいの存在を体現している。男女の性別二分法が義務づけられる前のハイブリッド。映画の[髑髏]島は多様な、きわめて強力なセクシュアリティの可能性を示している。」(152頁) 第7章__ 女の子たち、さようなら。よい旅を 「フェミニズムは女性、男性、それ以外の人々がみんなでする冒険だ。現在進行形の革命。世界の見方、選択。女性のちっぽけな特権を男性のちっぽけな既得権と対立させるものではなく、それらすべてを捨て去ることなのだ。」(198頁) Author ヴィルジニー・デパント Virginie Despentes 1969年、フランス・ナンシー生まれ。現代フランスを代表する女性作家。小説、エッセイの執筆や映画製作、翻訳、歌手活動など多方面で活躍する。パンクロックのライブに通い10代を過ごす。15歳の時に精神病院に入院。1994年に『バカなヤツらは皆殺し』(原書房 刊)で作家デビュー。本書『キングコング・セオリー』でラムダ文学賞(LGBTを扱った優れた文学作品に与えられる賞)、『ヴェルノン・クロニクル』(早川書房)でアナイス・ニン賞など、これまでに10あまりの文学賞を受賞。俗語を多用した口語に近い文体で、社会から排除された人々や、現代に生きる女性たちの姿を描く。シャルリー・エブド襲撃事件や性的暴行で有罪となったロマン・ポランスキーのセザール賞受賞、BLM運動にいち早く反応し、メディアに寄稿文を投稿するなど、現実社会に向けて常に発信を続ける作家でもある。35歳の時に女性に恋をしたことをきっかけに、レズビアンになったことを公表している。 Translator 相川千尋 Chihiro Aikawa 1982年生まれ。フランス語翻訳者。お茶の水女子大学大学院人間文化研究科修了。主な訳書にリーヴ・ストロームヴィスト『禁断の果実 女性の身体と性のタブー』、リリ・ソン『私のおっぱい戦争 29歳フランス女子の乳がん日記』(ともに花伝社)。フェミニズム入門ブック『シモーヌ』やエトセトラブックスのウェブマガジンなどに翻訳やコラムを寄稿している。
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フェミニスト・シティ
¥2,200
男性基準で計画された都市で、女性たちはどう生きのびてきたか——。 なぜ、ベビーカーは交通機関に乗せづらいのか? 暗い夜道を避け、遠回りして家に帰らなければならないのはどうしてか? 女性が当たり前に感じてきたこれらの困難は、じつは男性中心の都市計画のせいかもしれません。 これからの都市は、男だけでなくあらゆるジェンダーに向けて作られなければならない。 近代都市は男性による男性のための計画によって形作られてきた。多くの公共スペースは女性のために設計されておらず、母親、労働者、介護者として生活する女性たちに不自由を強いてきた。ヨーロッパでは街を歩くだけで売春婦と思われた時代があり、現代においても危険な夜道は解決されない問題として残っている。フェミニズムを建築的に展開させた本書が、世界を作り出す新しい力(パワー)になるだろう。 [出版社より] 著 者|レスリー・カーン 訳 者|東辻賢治郎 出版社|晶文社 定 価|2,000円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|282 ISBN|978-4-7949-7329-0 初 版|2022年09月 Contents イントロダクション:男の街 女は厄介者 都市について書いているのは誰か? 自由と恐怖 フェミニズム地理学について 一章:母の街 フラヌーズ パブリックなからだ 女性の場所 都市という難所 母親業のジェントリフィケーション 性差別のない街とは 二章:友達の街 友情に生きる ガールズ・タウン 友情と自由 クィア女性の空間 死ぬまで友達 三章:ひとりの街 パーソナルスペース おひとりさま ひとりでいる権利 公共空間の女 尾籠な話 女が場をもつこと 四章:街で声を上げること 都市への権利 安全をDIYする アクティヴィズムにおけるジェンダー アクティヴィストの旅 行動が教えてくれるもの 五章:恐怖の街 恐怖心の正体 危険の地理 恐怖のコスト 押し戻す方法 女の大胆さ 交差性と暴力 あとがき:可能性の街 Author レスリー・カーン Leslie Kern マウント・アリソン大学地理・環境学准教授。女性・ジェンダー研究ディレクター。専門は、ジェンダー、ジェントリフィケーション、フェミニズム。著書に『Sex and the Revitalized City: Gender, Condominium Development, and Urban Citizenship』(2010)がある。 Translator 東辻 賢治郎 Kenjiro Totsuji 1978年生まれ。翻訳家、建築・都市史研究。関心領域は西欧初期近代の技術史と建築史、および地図。訳書にレベッカ・ソルニット『迷うことについて』『私のいない部屋』などがある。
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「女の痛み」はなぜ無視されるのか?
¥2,200
SOLD OUT
臨床試験で女性が排除される、コロナ禍でマイノリティの人々が受ける影響。 アメリカで中絶の権利が争点になる理由は。 著者がアメリカで出産したとき、彼女は死にかけた。痛み止めが効いていないと訴えても無視された。痛みを証明するために手術台まで歩くように言われた。彼女はこの医療トラウマ体験をきっかけに、女性の痛み、特に有色人種の訴えがまともに受け止められない事実を、あらゆるデータ・記事・証言をもとに執筆した。さらにコロナ禍で女性、マイノリティの人々が受けた甚大な影響も考察する。 初期設定が男性になっている現状は、医療ケアにおいても例外ではない。「女の痛み」が軽視されている事実と、医療ケアにおける性差別・人種差別に切り込むノンフィクション。 [出版社より] 著 者|アヌシェイ・フセイン 訳 者|堀越英美 出版社|晶文社 定 価|2,000円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|282 ISBN|978-4-7949-7334-4 初 版|2022年10月 Contents 日本の読者へ 本書に寄せて——ジェシカ・ヴァレンティ はじめに 第1章 私が出会った最初のフェミニスト 第2章 バングラデシュ女子、キャピトル・ヒルに立つ——アメリカでの中絶の権利をめぐる混沌 第3章 気のせいにされる有色人種の女性の痛み 第4章 見えない症状 第5章 知られざる女性の身体 第6章 コロナ禍で妊娠するということ 第7章 代替手段の模索 第8章 自分の体の声の一番の代弁者になるには 第9章 自分の声を届ける おわりに 謝辞 訳者あとがき 出典 Author アヌシェイ・フセイン Anushay Hossain 著述家、女性の健康関連の法律に重点的に取り組むフェミニスト政策アナリスト。CNN、MSNBC、PBSにレギュラー出演し、Forbes、CNN.com、Daily Beast、Mediumに政治・ジェンダー・人種に関する寄稿を行う。また、ポッドキャスト「Spilling Chai」のホストも務める。本書が初の著書となる。 Translator 堀越 英美 Hidemi Horikoshi 1973年生まれ。文筆家。早稲田大学第一文学部卒。著書に『エモい古語辞典』(朝日出版社)、『女の子は本当にピンクが好きなのか』(河出文庫)、『不道徳お母さん講座』(河出書房新社)、『スゴ母列伝』(大和書房)など、訳書に『自閉スペクトラム症の女の子が出会う世界』(河出書房新社)、『だからわたしはここにいる』(フィルムアート社)、『ギタンジャリ・ラオ STEMで未来は変えられる』(くもん出版)、 『ガール・コード』(Pヴァイン) など。
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戦争日記——鉛筆1本で描いたウクライナのある家族の日々
¥1,595
SOLD OUT
侵攻前夜から始まる地下室での避難生活、ハリコフ(ハルキウ)からリヴォフ(リヴィウ)、ポーランドを経てブルガリアへ逃れる過程を絵と文章で綴った、鉛筆で描かれた ドキュメンタリー。 [出版社より] 著 者|オリガ・グレベンニク 監 修|奈倉有里 訳 者|渡辺麻土香/チョン・ソウン 出版社|河出書房新社 定 価|1,450円+税 判 型|四六変型判/仮フランス装 頁 数|136 ISBN|978-4-309-20863-3 初 版|2022年09月 Author オリガ・グレベンニク 1986年ウクライナのハリコフ(ハルキウ)生まれ。絵本作家。9歳の息子と4歳の娘の母。『ママ、怒らないで』などの絵本を出版。挿絵を描いたすべての本はベストセラーとなり、イラスト作品も世界各国で人気。 監修 奈倉 有里 Yuri Nagura 82年東京生まれ。ロシア国立ゴーリキー文学大学卒業、東京大学大学院博士課程満期退学。著書に『夕暮れに夜明けの歌を』『アレクサンドル・ブローク 詩学と生涯』、訳書に『手紙』『陽気なお葬式』など。 Translator 渡辺 麻土香 Madoka Watanabe 東京女子大学現代文化学部卒業。書籍やウェブ小説、テレビ番組の字幕など幅広いジャンルの翻訳に携わる。訳書に『アンコンタクト非接触の経済学』『マンガで学ぶ恐竜の生態』『韓国の「街の本屋」の生存探究』など。 チョン・ソウン ロシア文化の専門家でおもに執筆や通訳・翻訳を行っている。
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シモーヌ VOL.1 シモーヌ・ド・ボーヴォワール
¥1,430
SOLD OUT
「女である」とは、どういうこと? 想像しよう。 姉たちが「女である」ことをどう受けとめ、その扱われかたにどう抗ってきたか。 考えよう。どんな性であっても、どんな立場であっても、どんな世代であっても、そこに弱者がつくられないように何ができるか。 語ろう。 美味しいごはん、ファッション、アイドル、恋……、私たちのこれからのこと。 雑誌感覚で読めるフェミニズム入門ブック。若者に芽吹いた意識とフェミニズムをつなぐ新媒体の登場! [編集部より] 出版社|現代書館 定 価|1,300円+税 判 型|A5判・並製 頁 数|132 ISBN|978-4-7684-9101-0 初 版|2019年11月 Contents <巻頭グラビア連載>インベカヲリ★ Renaitre――女は生まれなおしている No1 石川優実 <特集>シモーヌ・ド・ボーヴォワール「女であること」:70年後の《第二の性》 木村信子 シモーヌ・ド・ボーヴォワール『第二の性』 棚沢直子 『第二の性』から七〇年後、日本から問う新たな女性思想 佐野泰之 哲学的問題を生きるということボーヴォワールの小説作品の魅力 中村彩 「育ちの良い娘」はどうやって知識人になったのかボーヴォワール『娘時代』と女性解放 藤高和輝(「なる」ものとしてのジェンダー ボーヴォワール・ストーリー はじめてのボーヴォワール <エッセイ・コラム寄稿> 斎藤美奈子 「冬の時代」に関するちょっとしたお話 北村紗衣 シモーヌのBB、スタイネムのマリリン――フェミニストが愛したセックスシンボルたち 鈴木みのり 好きなリップを塗る自由――ハロプロの新しい魅力を模索するアイドルたち 福田和香子 乾いた喉、土砂降りの夜。 上間常正 ファッションとジェンダー、フェミニズム 坂井セシル 日仏間の女性の眼差し 山下恒男 「かわいい」と「怖い」 小林美香 身体の見方を学ぶために 玖保樹鈴 裸のかかとを踏み鳴らし、彼女は今日も声をあげる――女優・石川優実のこと なとせ #0727 #その後 想田和弘 夫婦別姓訴訟の原告になる 新行内美和 魔女たちのスープ 小野春 マンガ・女同士で子育てしたら 和田靜香 「第1回わんぱく相撲女子全国大会」を観に行く <連載> ふみがわのフェミ短歌塾 二三川練 パリのシモーヌたち Les Simones a Paris アトランさやか シモーヌ シネマレビュー 中野理惠 シモーヌ ブックレビュー 書店からはじまるフェミニズム 西荻窪・今野書店/水越麻由子 ずるこのおんな食べ物帖 江戸川ずるこ 未来のシモーヌ Les Simones du futur 岩瀬日大高校3年・相野谷叶乃さん
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シモーヌ VOL.2 メアリー・カサット
¥1,430
雑誌感覚で読めるフェミニズム入門ブック『シモーヌ』VOL.2の特集はアメリカ人印象派画家のメアリー・カサット(1844-1926)。 「なぜ女性の大芸術家は現れないのか?」 1971年に提示されたリンダ・ノックリンのこの問いは、現代でもあらゆる事柄に当てはまります。なぜ女性の名医が少ないのか、なぜ女性の指揮者が珍しいのか、なぜ女性のシェフが注目されるのか、そして、なぜ女性の首相が誕生しないのか。 女性が画家になることがまだまだ困難だった時代にパリで活躍した彼女の軌跡をたどることは、今日のアクチュアルな女性問題を考えることにつながっています。 [編集部より] 出版社|現代書館 定 価|1,300円+税 判 型|A5判・並製 頁 数|132 ISBN|978-4-7684-9102-7 初 版|2020年05月 Contents 特集:メアリー・カサット――女性であり、画家であること ・和田彩花「une《femme》peintre et une idole――“女性”画家とアイドルが表現すること」 聞き手 沼田英子(横浜美術館首席学芸員) ・沼田英子「画家メアリー・カサット――人生と作品」 ・坂上桂子「メアリー・カサットにみる 新しい女性イメージの創造」 ・味岡京子「一九世紀末の《モダン・ウーマン》が未来に繋ごうとしたこととは?――メアリー・カサット、シカゴ万博「女性館」壁画」 ・小林美香「メアリー・カサットの時代と写真」 ・カサット・ストーリー エッセイ寄稿 ・木下千花「私(たち)はなぜストリッパー映画に魅せられるのか」 ・太田啓子「揶揄、嘲笑を怖れない」 ・相川千尋「ロッキングチェア・フェミニスト」 ・大友良英「ジェイミー・ブランチのこと」 ・鈴木みのり「みんなの憧れや恋愛観の器になるアイドルについて」 ・永田千奈「女と学校」 ・荒井裕樹「押し込められた声を「聞く」ことができるか」 ・伊是名夏子「ペーパー離婚せざるをえなかった私」 ・みっつん「日本とスウェーデンの時差は50年」 ・玖保樹鈴「女性議員が増えることは、政治の質を変えること――打越さく良参議院議員インタビュー」 連載 ・インベカヲリ★ 巻頭グラビア「Renaitre――女は生まれなおしている」 ・高島鈴「シスター、狂っているのか?」 ・栗田隆子「手さぐりフェミニズム入門」 ・アトランさやか「パリのシモーヌたち」 ・二三川練「ふみがわのフェミ短歌塾」 ・小野春「女同士で子育てしたら」 ・江戸川ずるこ「ずるこのおんな食べ物帖」 ・なとせさん&万次郎「SAW & LAW 往復書簡」 ・猫がいるカフェでフェミニズムを研究する会 #猫研 ・シモーヌ シネマレヴュー(石川優実/『金子文子と朴烈』) ・書店からはじまるフェミニズム(大塚真祐子/三省堂書店成城店) ・羊毛でつくるフェミニスト(倉島章江)
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シモーヌ VOL.3 オランプ・ドゥ・グージュ
¥1,430
1791年に「女性および女性市民の権利宣言」を書きあげ、社会から女性が排除されている事実を告発した18世紀の劇作家オランプ・ドゥ・グージュ(1748-1793)。革命家の暴力性を指摘し、女性に不利な法律を批判し、黒人奴隷問題を演劇で訴えたグージュの提言は200年以上たったフランスでも女性たちを鼓舞し続けており、遠い日本の問題とも地続きである。 ー 「女よ、めざめよ。あなたが持つ権利を認識せよ」 オランプ・ドゥ・グージュ(1748-1793)は1791年に「女性および女性市民の権利宣言」を書きあげ、社会から女性が排除されている事実をパロディによって告発。 「人=白人男性」という構造のなかで、現代で言うパリテ(男女対等)を主張し、BLMを謳った18世紀の劇作家。特権階級の搾取を指摘した女性議員が極めて少なく、弱者が何かと後回しにされ続けるこの日本で闘うために、彼女の理想に思いをめぐらすことは有効だ。 [編集部より] 出版社|現代書館 定 価|1,300円+税 判 型|A5判・並製 頁 数|132 ISBN|978-4-7684-9103-4 初 版|2020年11月 Contents 【特集 オランプ・ドゥ・グージュ――18世紀の女による「異議申し立て」を引き受ける】 ・マンガ オランプ・ドゥ・グージュヒストリー ジュリ・ブランシャン・フジタ ・オランプ・ドゥ・グージュ著『女性の諸権利』(1791年)全訳 永田千奈訳「王妃への手紙」「女性の権利」 辻村みよ子訳「女性および女性市民の権利宣言 前文」、「女権宣言」 相川千尋訳「女性および女性市民の権利宣言 後文」、「男女間の社会契約の形式について」 ・寄稿 辻村みよ子、太原孝英、高瀬智子 【新型コロナ禍での抗い】 ・布施えり子(フリーター全般労働組合/キャバクラユニオン 組合員) 【SISTERHOOD IS TIMELESS】 ・人民解放の闘いと黒人女性――アンジェラからエリカへの手紙(アンジェラ・デイヴィス/1971年) 【エッセイ寄稿】 ・飛幡祐規 ・竹信三恵子 ・吉良智子 ・玖保樹鈴 【連載】 ・アトランさやか ・インベカヲリ★ ・小野春 ・栗田隆子 ・SAW & LAW(漫才コンビ) ・高島鈴 ・二三川練 ・書店からはじまるフェミニズム(神保町ブックハウスカフェ/茅野由紀さん) 18世紀末のフランス、絶対王政が崩壊し、市民が貴族から主権を奪ったと思われたが、権利を手中に収めたのは男性のみ。劇作家オランプ・ド・グージュは1791年「女性および女性市民の権利宣言」を書き、社会から女性が排除されている事実をパロディによって告発した。革命家の暴力性や女性に不利な法律を批判し、黒人奴隷問題を演劇で訴えた。パリテ(男女対等)を主張し、BLMを謳ったグージュのメッセージは200年後のフランスでも女性たちを鼓舞し、現代日本の問題とも地続きだ。王の死刑に反対したため反革命派とみなされ断頭台に消えた彼女の理想に思いをめぐらす。
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シモーヌ VOL.4 アニエス・ヴァルダ
¥1,540
1954年の第一作から2019 年の遺作まで、フランスを代表する映画監督として、生涯現役で数多くの作品を撮り続けたアニエス・ヴァルダ(1928-2019)の映画人生と哲学をフェミニズム視点で学び直す一冊。 2015 年にカンヌ国際映画祭でパルムドール名誉賞、2017年にはアカデミー名誉賞を受賞(どちらも女性の映画監督としては初)した、ヌーヴェル・ヴァーグ唯一の女性映画作家。2018年のカンヌでは、映画に携わる82名の女性たちとレッドカーペットを歩き、業界の男女格差是正を訴える抗議声明を読み上げた。「ジャック・ドゥミの妻」、「ヌーヴェル・ヴァーグの祖母」だけではない、ヴァルダ独自のフェミニスト美学をさまざまな作品を通して追究する。 [編集部より] 出版社|現代書館 定 価|1,400円+税 判 型|A5判・並製 頁 数|140 ISBN|978-4-7684-9104-1 初 版|2019年11月 Contents 【特集 アニエス・ヴァルダ】 ・楠本まき アニエス・ヴァルダへの手紙 ・アニエス・ヴァルダ/相川千尋訳 トロントについての覚え書き(1974年) ・斉藤綾子 女が流離うとき:ヴァルダのシネエクリチュールと抵抗の意味 ・林瑞絵 アニエス・ヴァルダと二つのフェミニズム映画 ・菅野優香 最愛の夫 ヴァルダの「ドゥミ映画」を読む ・園山水郷 アニエス・ヴァルダ 変革の時代を生きた証として ・小林美香 写真の目線で読み解くアニエス・ヴァルダの映画作品 ・飛幡祐規 小さき存在を拾う映像詩人 ・ミニコラム寄稿 松田青子、福岡南央子、野中モモ ・ヴァルダをめぐる旅 ・ヴァルダ・ストーリー ・フィルモグラフィー 【特集2 映画界のハラスメントを考える】 UPLINK Workers' Voices Against Harassment 多様で公正な世界を映し出すために 【オンラインイベントレポート】 荒井裕樹×石川優実×伊是名夏子×松波めぐみ 障害者の声はワガママなの? 【寄稿】 ・中村桃子 世界の女性は『女ことば』を話す ・井谷聡子 オリンピック問題からジェンダーを考える 【連載】 ・アトランさやか ・インベカヲリ★ ・江戸川ずるこ ・小野春 ・栗田隆子 ・SAW & LAW(漫才コンビ) ・高島鈴 ・二三川練 ・書店からはじまるフェミニズム(沖縄くじらブックス/渡慶次美帆) ・フェミニズム勉強会#猫研 ・シネマレビュー(浅野百衣) ・シモーヌブックガイド
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シモーヌ VOL.5 「私」と日記
¥1,430
雑誌感覚で読めるフェミニズム入門ブック『シモーヌ』VOL.5 特集:「私」と日記:生の記録を読む。 田辺聖子、アンネ・フランク、アストリッド・リンドグレーン、藤原道綱母、シモーヌ・ド・ボーヴォワール、メイ・サートン、アナイス・ニン、ヴァージニア・ウルフ、ジョルジュ・サンド、トランスジェンダーとブログ、部落女性と識字運動、遊女の日記……。 それぞれの「私的」生の記録をさまざまな視点で読みとく。 [編集部より] 出版社|現代書館 定 価|1,300円+税 判 型|A5判・並製 頁 数|132 ISBN|978-4-7684-9105-8 初 版|2021年11月 Contents 【特集】「私」と日記:生の記録を読む [戦争と日記]斎藤美奈子・小林エリカ・よこのなな [女と日記]木村朗子・中村 彩・栩木玲子 [くらしと日記]北村紗衣・もろさわようこ [ジェンダーと日記]高井ゆと里・矢口裕子 [病と日記]小川公代 [食と日記]アトランさやか [論考]熊本理抄 日記作品ガイド、日記にまつわるアンケート、他 【寄稿】 ・相川千尋 フランスのオンラインハラスメント規制とフェミニストの闘い 【連載】 インベカヲリ★、高島鈴、栗田隆子、アトランさやか、二三川練、小野春、なとせ&万次郎、江戸川ずるこ、フェミニズム勉強会#猫研、 書店からはじまるフェミニズム(熊本・橙書店/田尻久子)、他 コロナ禍、貧困格差、高齢化社会、フェミサイド…いやでも「生」に向き合わなければならない日々、私たちは他者への想像力をより求められる時代に生きています。さまざまな「生」の記録を読むことで、私たちはもっと多くの小さき声を聴けるようになるかもしれません。
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シモーヌ VOL.6 インターネットとフェミニズム
¥1,650
雑誌感覚で読めるフェミニズム入門ブック『シモーヌ』VOL.6 特集:インターネットとフェミニズム:私たちの空間を守る。 出版社|現代書館 定 価|1,500円+税 判 型|A5判・並製 頁 数|164 ISBN|978-4-7684-9106-5 初 版|2022年06月 Contents 【特集】インターネットとフェミニズム:私たちの空間を守る [ICTとジェンダー] 浅井亮子「ジェンダーの視点で振り返るコンピューター史」 隠岐さや香「STEM教育とジェンダーバイアス」 [インターネットとカルチャー] ・守如子「インターネット時代のファンカルチャー」 ・シオリーヌ「YouTuberとして性教育をすること」 ・リポート「ウィキギャップを知っていますか?」 ・笛美「フェミニストの日常とインターネット」 [インターネットと表象] ・北村紗衣「1990年代のインターネット映画と女性:『ユー・ガット・メール』と『ザ・インターネット』」 ・小林美香「ICT業界は「デキる男」たちのもの?:メディアが作り出すジェンダー規範から脱却するために」 [インターネットと恋愛] ・りぃな「あなたのペースと、あなたのサイズの愛を」 ・河上りさ「狭き恋の門:トランスジェンダーの恋愛事情」 ・鈴木アユミ「Tinderでの股の開き方」 ・太田啓子「SNSとグルーミング:「真摯な恋愛」という名の予備加害」 [インターネットと女性運動] ・石川優実「私のインターネット運動史」 ・皆本夏樹「countergaze」 ・申きよん「前進するフェミニズム:韓国と日本におけるソーシャルメディアとアクティヴィズム」 [インターネットとバックラッシュ] ・座談会「バックラッシュに負けない! 生きるためのSNS利用」 ・山口智美「日本軍「慰安婦」問題へのバックラッシュとネット右翼」 [インターネットとハラスメント] ・堀あきこ「だって、ネットの話でしょ?:インターネットの差別に抗う」 ・宮下萌「インターネット上のヘイトスピーチとオンラインハラスメントの法規制を考える」 ・相川千尋「オンラインハラスメント:フランスの実態調査の結果を読み解く」 [インターネットとインターセクショナリティ] ・ふぇみ・ゼミ「オンラインでジェンダーと多様性をつなぐ:ふぇみ・ゼミの取り組み」 ・伊是名夏子「パンダになるためのインターネットラジオ」 [論考] ・斉藤正美「インターネットにおけるフェミニストのメディア利用を考える」 [特別寄稿] ・李琴峰「差別に加担しないためのインターネット・リテラシー:笙野頼子さんエッセイへの応答を兼ねて」 [年表] ・フェミニズムから見たインターネットの歴史 【アクチュアリテ(時事問題)】 元橋利恵「母性と体制:自己犠牲とロマンチシズムをこえて」 【連載】 Renaitre?女は生まれなおしている 〈№ 6 〉 インベカヲリ★ ・#猫研 ④フェミ曲? 非フェミ曲? ・パリのシモーヌたち 6 アトランさやか ・手さぐりフェミニズム入門(第5回) 栗田隆子 ・シスター、狂っているのか? ⑤ 高島 鈴 ・ふみがわのフェミ短歌塾(第六回) 二三川 練 ・SAW & LAW 往復書簡(第5回) 芋ポテト&万次郎 ・ずるこのおんな食べ物帖⑥ 江戸川ずるこ ・女同士で子育てしたら 小野 春 ・書店からはじまるフェミニズム⑥ 奥村千織[1003] ・シモーヌ シネマレヴュー 鄭優希 ・シモーヌ ブックガイド ・羊毛でつくるフェミニスト
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エトセトラ VOL.7 くぐりぬけて見つけた場所
¥1,540
生きる場所を奪われないために。 くぐりぬけて安心できる場所を見つけるために。 公園のブルーテントに長年住み、女性ホームレスグループを主宰するいちむらみさこを責任編集に、今それぞれの地点から考える、場所、ケア、抵抗、そしてフェミニズム。女性ホームレス「小山さん」が遺したノート、海外スクウォットへのインタビュー、エッセイなどで構成。 [編集部より] 責任編集|いちむらみさこ 出版社|エトセトラブックス 定 価|1,400円+税 判 型|A5判・並製 頁 数|128 ISBN|978-4-909910-14-1 初 版|2022年05月 Contents 特集:くぐりぬけて見つけた場所 はじめに ノートの中に見つけた場所 「小山さんノート」ワークショップ 扉テキスト 登久希子 「小山さんが生きようとしたこと」いちむらみさこ 「一年後の追悼展覧会」ナガノハル 小山さんのノートから 「小山さんとの長い長い対話」吉田亜矢子 「けっして自分を明け渡さない小山さん」まさこ 「生き延びるための想像力」花崎攝 「沈黙しているとみなされる者たちの秘密の共通語──共に聴き-翻訳すること」申 知瑛/翻訳:金 友子 「自由意志の領地」ナガノハル 「ノートという場所」藤本なほ子 【エッセイ】 栗田隆子「私の居場所、あるいは『外』で一人でいられる場所」 堅田香緒里「二つの『庭=運動(アヴァン・ガーデニング)』」 沢部ひとみ「女と生きる女の声を聴く『場』を求めて」 井谷聡子「クィアの『居場所』」 李杏理「濁酒が編み出すもの」 大嶋栄子「くぐり抜けたはずなのに――たどり着いてしまった場所」 黒田節子「あてどなくさまようフクシマから女たちへ」 【スクウォット・インタビュー】 マウア(サンパウロ)イバネッチ・アラウージョ「住まいを持たないひとりがいれば、その周りにたくさんの強い運動が生まれる」 (コラム:下郷さとみ) カナル(ベルリン)「移動しながら、自分らしく生きる場所」 【読者投稿】 あなたが見つけた「場所」 【インタビュー】 上岡陽江「生き延びるための場を守っていく」 笛美「インターネットしか居場所がない誰かとつながるために」 【私たちのコレクティブ】 フェミニスト手芸グループ山姥「政治的な手芸部とは」 フェミZINEコレクティブ「場としてのZINEをつくる」 ひととひと「皿を割るため、女は集う」 特集のおわりに ー 【寄稿】 高柳聡子「誰に戦争は必要か――問いかけるロシアのフェミニストたち」 長山智香子「ベル・フックスに捧げる」 京極紀子「五輪礼賛、女性活躍? ダイバーシティ?――『レガシー』はこうしてねつ造される」 大橋由香子「『なまじっか』という困った事態――日本で中絶薬が承認されず、同『姓』婚が強要される理由を考える」 吉野靫「ままならぬ人生に、女友だちはいかが」 福田和子「世界一の女性議員比率、ルワンダ」 【連載】 編集長フェミ日記 2022年3月〜4月/いちむらみさこ ここは女を入れない国:第5回 山と女人禁制(後編)/伊藤春奈(花束書房) ふぇみで大丈夫 vol.3 Twitterという居場所/ナガノハル LAST TIME WE MET 彼女たちが見ていた風景 vol.7/宇壽山貴久子 私のフェミアイテム 07 円香 NOW THIS ACTIVIST vol.6 石田郁子 etcbookshop通信(拡大版) Chief Editor いちむらみさこ 2003年から東京の公園のブルーテント村に住み始め、同じテント村住人と一緒に物々交換カフェ・エノアールを開いている。2007年にホームレスの女性たちのグループ「ノラ」を発足。国内外でフェミニズムや反ジェントリフィケーションについての発表や展示、路上キッチンを行っている。おしゃれ商業主義から距離を置いた表現や場作りをコレクティブで実践。コンフリクトが生じた際、話し合いを持つことの重要性やその難しさなども痛感しつつ、変容しながら継続中。著書に『Dear キクチさん、ブルーテント村とチョコレート』(キョートット出版)がある。