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ヱクリヲ Vol.13 鬱の時代へ/ポストクリティークⅡ
¥2,420
SOLD OUT
◆特集Ⅰ 鬱の時代へ――失調と回復の哲学 抗不安薬、メンタルヘルス、燃え尽き症候群―― 2020年代、その混沌と向き合う思想 世界で2.6億人を超える患者数が推計され、現代に蔓延する「うつ病」。さらに昨年来の世界規模の感染症流行は停滞と孤立を人々にもたらし、自殺率や抗不安薬使用が増加しつつあります。一方、文化に目を向ければジェネレーションZのアーティストたちが向精神薬やメンタルヘルスについて繰り返し歌い、レトロなリメイク作品が亡霊のように回帰し、SNSのタイムラインは煽動とフェイクで埋め尽くされていく――。 精神医療の現在からポピュラーカルチャー(映画、HIPHOP、ゲーム、漫画)を貫通する憂鬱まで、私たちの社会や文化が抱える疲弊や不安の現れを通して「21世紀の時代精神」を問います。 ◆特集Ⅱ ポストクリティークⅡ――来たるべき批評のために 批判理論の「次」を模索するポストクリティーク実践篇。 前号に掲載した特集ではブリュノ・ラトゥール、イヴ・セジウィックらの訳出論考などから、世界で巻き起こりつつあるポストクリティークの理論動向を紹介しました。続く本特集では実践的な論考を掲載、ポストクリティークの可能性を模索します。SNSの普及に伴い、煽動と対立が繰り返される現代の政治あるいはポピュリズムに対して「情動のデモクラシー」を掲げる宮﨑裕助、ポストトゥルース以降に失われた「フィクション」の可能性を村上春樹の作品群を通じて問う勝田悠紀の論考の他、現代日本の批評とポストクリティークの交差点を巡る大澤聡×杉田俊介の対談を収録。 特集の他にも、全世界2000万部突破の劉慈欣『三体』を扱う楊駿驍による「〈三体〉から見る現代中国の想像力」連載も収録。 [編集部より] 発 行|ヱクリヲ編集部 定 価|2,200円+税 判 型|A5判 頁 数|240 初 版|2021年04月 Contents ◆特集 Ⅰ 鬱の時代へ――失調と回復の哲学 Interview ・蔓延するうつ病と精神医療の現在 北中淳子 ・トラウマから遠く離れて――うつ病とケア、その倫理のために 斎藤環 Critique ・2020年代ポップカルチャーとメンタルヘルスの行方 柴那典 ・ヒップホップと鬱――ゲトー・ボーイズからケンドリック・ラマーまで 吉田雅史 ・ゲームと「鬱」――不可能性の経験 横山タスク ・終わるまではすべてが永遠 木澤佐登志 ・物語は傷だらけのまま進む――ジャンプ漫画の「鬼ごっこ化」から考える成長と憂鬱 横山宏介 ・『インサイド・ヘッド』から『ミッドナイト・ゴスペル』へ――「私」さえいなくなれば、きっとこの苦しみも悲しみもなくなる 伊藤元晴 Appendix ・鬱映画50 伊藤元晴、山下研、横山タスク、若林良 ◆Series 〈三体〉から見る現代中国の想像力 第三回 宇宙から遠く離れて――『三体Ⅲ:死神永生』について 楊駿驍 ◆特集Ⅱ ポストクリティークⅡ――来たるべき批評のために Critique ・情動の退隠――フロイトと現代ポピュリズムの問い 宮﨑裕助 ・距離、あるいはフィクションの恥ずかしさについて 勝田悠紀 Interview ・ポストクリティークと現代・日本・批評 大澤聡×杉田俊介
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ヱクリヲ Vol.12 ポストクリティーク/“異物”としての3DCG
¥2,530
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Ⅰ ポストクリティーク——いま批評には何ができるのか ラトゥール、セジウィック、フェルスキ――。 批評の「その先」を示すポストクリティークへの招待。 「ポストクリティーク」はこれまでの批評にあった世界の見方や思想の限界をとらえ直し、これからの道を模索する議論だ。わたしたちが慣れ親しんできたクリティーク=批評には、表面に書かれている/写っているものを疑い、その内奥や深層に隠された欲望や無意識を暴き出すような手つきを備えたものが決して少なくない。しかし、果たしていま「批評」は機能しているだろうか? ポストトゥルース時代において「批評」は一般に認められている事実や常識を疑ってみせ、「もう一つの真実」という名の陰謀論を補強することに使われている。本特集では、ポストクリティークを牽引するリタ・フェルスキやイヴ・セジウィック、ブリュノ・ラトゥールの本邦初訳となる論考を掲載、大橋完太郎、勝田悠紀両氏の論考とあわせ、日本へポストクリティークを本格的に紹介する。 Ⅱ “異物(オーパーツ)”としての3DCG 最前線に立つ4人の証言と年表、作品集コレクション、論考による3DCGの荒野へのロードマップ。 わずか半世紀の間に飛躍的な進展を遂げた3DCG。それは単に現実を高い精度で再生産するだけではなく、私たちが見る景色を異質なものに変える「異物オーパーツ」としての側面と共に進化してきた。本特集の狙いは、従来注目に値しないとされていたこの「異物オーパーツ」的側面から3DCG 技術の可能性を掘り下げることにある。本特集では、デジタルアートの祭典、アルス・エレクトロニカでコンペティション部門長を務める小川絵美子氏、および実験的な表現を実践するクリエイター、山形一生氏、谷口暁彦氏、ニキータ・ディアクル氏へのインタビュー、共時的/通時的に3DCG表現を捉える4つのテーマのコラムと年表、アニメーション研究者・田中大裕氏によるVTuber 論と批評家・横山タスク氏による日本3DCGアニメーション論を掲載した。 [編集部より] 編集・発行|ヱクリヲ編集部 発売|送り絵 定価|2,300円+税 判型|A5判 ページ数|260 初版|2020年5月 Contents Ⅰ ポストクリティーク いま批評には何ができるのか 《Critique》 批判の行方:勝田 悠紀 《Interview》 石田 英敬 いま批評はいかにして可能か――サイバネティクス・フーコー・情報資本主義 《Critique》 『クリティークの限界』序論 リタ・フェルスキ(勝田 悠紀訳) パラノイア的読解と修復的読解、あるいは、とってもパラノイアなあなたのことだからこのエッセイも自分のことだと思ってるでしょ イヴ・コソフスキー・セジウィック(岸 まどか訳) 批判はなぜ力を失ったのか――〈厳然たる事実〉から〈議論を呼ぶ事実〉へ ブリュノ・ラトゥール(伊藤 嘉高訳) 批評の消息――消極的合法性からの脱出 大橋 完太郎 Ⅱ “異物(オーパーツ)”としての3DCG 《Interview》 小川 絵美子 メディウムとしての3DCGと、これからのアート・アニメーションについて クリエイターインタビュー 山形 一生『窓から見える』 谷口 暁彦『Art Speed : the contemporary art racing simulator』 Nikita Diakur『Ugly』 《Appendix》 “異物”としてのCG年表:福田 正知 異物(ルビ:オーパーツ)・コレクション:高井 くらら、横山 タスク、福田 正知 《Critique》 アニメーションの歴史からみたVTuber――アニメーションとみなすことの意義:田中 大裕 運動する「けもの」たち――日本3DCGアニメの遺物としての『けものフレンズ』:横山 タスク [ etc. ] 連載 〈三体〉から見る現代中国の想像力 第二回 未来は否定から生まれる――『三体2:暗黒森林』について:楊 駿驍 批評書レビュー 赤坂太輔著『フレームの外へ――現代映画のメディア批判』(選・伊藤元晴) 平倉圭著『かたちは思考する――芸術制作の分析』(選・佐久間義貴)
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ヱクリヲ Vol.11 ミュージック×ヴィデオ/インディーゲームと動詞
¥2,310
「聴覚と視覚の実験制作 ミュージック×ヴィデオ」特集では、宇多田ヒカルやSuchmos、けやき坂46らのMV制作でも知られる映像作家/VJの山田健人(yayel)インタビューほか、「ミュージックヴィデオ史 1920–2010s」、MV技法集を収録。 幅広いアーティストのMVを制作する山田健人氏( yayhel )のインタビューをはじめ、MVの歴史の流れが一望できる年表、MVの技法を解説したコラムほか、5つの本格的なMV論を掲載。 「インディーゲームと動詞」特集では、5名の気鋭のゲームクリエイターへのインタビューほか、インディーゲーム60作を紹介する付録を掲載。 [編集部より] 編集・発行|ヱクリヲ編集部 発売|送り絵 定価|2,100円+税 判型|A5判 ページ数|264 初版|2019年12月 Contents 【特集 I 聴覚と視覚の実験制作——ミュージック×ヴィデオ】 《Interview》 山田健人 音楽と映像の蜜月——MVが表現しうるもの 《Critique》 ミュージックヴィデオには何が表現されているのか——レンズ・オブジェクト・霊 荒川 徹 《Appendix》 ミュージックヴィデオ史 1920-2010s——聴覚と視覚をめぐる試み歴史 MVエフェクティヴ 《Critique》 アニメーテッドMV、第三の黄金時代アニメーテッドMV、第三の黄金時代——マイケル・パターソン『a-ha “Take On Me”』からAC部『Powder “New Tribe”』:松 房子 映画音響理論はどこまでミュージック・ヴィデオを語れるか――宇多田ヒカル『Goodbye Happiness』を例に:長門 洋平 誰のためのパフォーマンスなのか?——ミュージックヴィデオの現在:小林 雅明 なる身体になる―メシュガーMV論―:吉田 雅史 《Series》〈三体〉から見る現代中国の想像力 第一回 『三体』における閉域(ルビ:ヴァーチャル・リアリティ)と文脈(ルビ:コンテクスト)主義:楊 駿驍 【特集 II インディゲームと動詞】 《Interview》 『ALTER EGO』大野真樹 『Baba Is You』Arvi Teikari 『KIDS』Mario von Rickenbach & Michael Frei 『The Stanley Parable』/『The Beginner’s Guide』Davey Wreden 『The Tearoom』Robert Yang 《Appendix》 インディーゲーム 動詞リスト 《Critique》 ルーカス・ホープと「楽しむ」ことの終わりに:横山 祐 動詞とパターン――ゲームとシミュレーションの関係をめぐって:松永 伸司 《Special Text》 ヴァーチャルなカメラとそれが写すもの:谷口 暁彦 《Critique book Review》 『vanitas』No.006 石橋英敬×東浩紀『新記号論』 バックナンバー 編集長後記
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ヱクリヲ Vol.10 一〇年代ポピュラー文化
¥1,760
さやわか×西兼志対談「アイドル〈の/と〉歴史」、付録「コンテンツ-コミュニケーション発展史」収録の特集I「一〇年代ポピュラー文化――〈作者〉と〈キャラクター〉のはざまで」。 『ムーンライト』『へレディタリー/継承』『A GHOST STORY / ア・ゴースト・ストーリー』など話題作を連発する、現在再注目のインディペンデント映画会社「A24」を日本で初めて本格的に紹介/分析する特集II「A24 インディペンデント映画スタジオの最先端」。 堀潤之によるゴダール最新作『イメージの本』論、批評誌レビューほか掲載。 [出版社より] 出版社|ヱクリヲ編集部 定価|1600円+税 判型|A5判 ページ数|191 ISBN|978-4990973735 Contents ★特集I「一〇年代ポピュラー文化」 さやわか×西 兼志「アイドル〈の/と〉歴史」 高井くらら「コンテンツ-コミュニケーション発展史 〈会いにいける〉から〈反逆される〉まで」 難波 優輝「バーチャルYouTuberエンゲージメントの美学――配信のシステムとデザイン」 楊 駿驍「あなたは今、わたしを操っている。――「選択分岐型」フィクションの新たな展開」 得地弘基(劇団・お布団主宰)インタビュー「破壊する倫理と破壊される権利、その表現と葛藤」 横山宏介「ユビキタスとデミウルゴス」 ★ジャン=リュック・ゴダール『イメージの本』特別論考 堀 潤之「ピクチャレスク・ゴダール――『イメージの本』における「絵本」の論理」 ★特集II「A24 インディペンデント映画スタジオの最先端」 横山タスク「A24と失われた共同体たちーー部屋と家から見る映画」 伊藤元晴「A24と二つのゴースト」 ★etc. 批評誌レビュー 『アンドレ・バザン研究』第二号[特集]存在論的リアリズム 『LOCUST』vol.01 伊藤弘了によるエッセイほか
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ヱクリヲ vol.9 写真のメタモルフォーゼ/アダム・ドライバー
¥1,980
編集・発行|ヱクリヲ編集部 定価|1,800円+税 判型|A5判 ページ数|326 ISBN|978-4-9909737-2-8 初版|2018年11月 Contents ★特集I 写真のメタモルフォーゼ 写真研究の第一人者・清水穣(同志社大学教授)ロングインタビューほか、古典技術からInstagramまで写真性からその多様性を総覧する「写真の『可能態』を思考するためのアルケオロジー」収録。セス・ギディングス(サウサンプトン大学准教授)による「ゲーム内写真」をあつかう先駆的論文「光なきドローイング――ビデオゲームにおける写真のシミュレーション」、「写真論ノート from ボードレール to バッチェン」ほか論考を多数掲載。 Interview:清水 穣 メディウム・スペシフィシティの新しい幽霊 写真の「可能態」を思考するためのアルケオロジー 写真論ノート from ボードレール to バッチェン Critique セス・ギディングス/増田 展大 訳:光なきドローイング――ビデオゲームにおける写真のシミュレーション 大山 顕:自撮りの写真論 久保 友香:浮世絵・プリクラ・Instagram――日本の女の子の「盛り」文化と技術 楊 駿驍:もう一つの宇宙を夢見る写真――中国における「写真コミュニケーション」について 水野 勝仁:ジェスチャーとともに写真のフレームを無効化する「写真」――ピンチイン/アウトによる「写真」の拡大縮小 松 房子:Googleマップの無人 山下 研:無数の「窓」――写真と絵画、あるいはその界面に 中村 紀彦:映画は静止を求める――「停滞の映画」についての覚書 ★特集Ⅱ アダム・ドライバー――〈受難〉と〈受動〉の俳優 アダムドライバーの魅力を海外各紙の未邦訳インタビューから凝縮して紹介する「エッセンシャルアンドフラグメンツ」収録。「スター・ウォーズ」シリーズのカイロ・レンや『パターソン』の記憶も新しい、俳優アダムドライバーの魅力を俳優批評の先鋒として多角的に紹介する。 コラム アダム・ドライバー――エッセンシャル・アンド・フラグメンツ アクトグラフィ Critique 伊藤 元晴:弱い男・壊れる塔・小さな幸せ――アダム・ドライバー論 横山 タスク:アダム・ドライバーとロバ 沼本 奈々:午前四時のクラブでジンライムを持ったアダム・ドライバーに会いたい 《Review》 批評誌レビュー 『分析美学からアニメ評論へ――フィクションは重なり合う』 『アニメクリティーク 』 『MLJ』 vol.1「特集 - 異文化コミュニケーション」 《Critique》 勝田 悠紀:今村夏子とポスト・クリティーク――新たなリアリズムと批評の声を求めて 高井 くらら:韻(ライム)で書き換えるヴィジョン――『ヒプノシスマイク』における言葉と暴力についての試論 太田 充胤:幽体の群れはいかにして踊るか――肉体・幽体二元論 『ヱクリヲ8』刊行イベント:「ニコラス・ウィンディング・レフン――拡張するノワール特集」を拡張する 登壇/伊藤 弘了、後藤 護、數藤 友亮、山下 研
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ヱクリヲ vol.7 音楽批評のオルタナティヴ/僕たちのジャンプ
¥1,540
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編集・発行|ヱクリヲ編集部 定価|1,400円+税 判型|A5判 ページ数|256 ISBN|978-4-9909737-0-4 初版|2017年11月 Contents ★特集Ⅰ 音楽批評のオルタナティヴ interview:佐々木敦 「音楽批評のジレンマ」 音楽批評の現在(リアル)を捉える――「音楽」批評家チャート 2000-2017 音楽批評のアルシーヴ――オルタナティヴな音楽批評の書評20 論考ほか 「鉄(メタル)と鋼(ヘヴィ)、響きと空間」/吉田雅史 「レア・グルーヴ、平岡正明――「ジャズ的」から「ヒップホップ的」へ」/後藤護 「即興音楽の諸相――ジャンル、イデオロギー、美学、方法論、情況論、原理論に向けて」/細田成嗣 「記号の夢、夢の記号――A.I.と未来のポップ・ミュージックをめぐる『非現実』」/大西常雨 来るべき音楽批評を思考するためのライブラリー ★特集Ⅱ 僕たちのジャンプ ジャンプ・ディケイド 1968-2017 「僕はただの少年――『ヒーロー』なき時代のヒーロー漫画」/横山宏介 「サイキックなオペレーターたち」/楊駿驍 「ドラゴンボールに見る、少年マンガとカンフー的身体」/横山祐 「ジャンプという共同体――ジャンプコードと『幕張』」/松房子 「1990年代の『ジャンプ系マンガ』と中国商業コミック市場」/謝天 批評 「歪んだ顔写真、または顔認証技術をめぐる試論」/増田展大 「ファウンド・フッテージ・フィルムに回帰するもの」/山下研