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ヱクリヲ Vol.12 ポストクリティーク/“異物”としての3DCG

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Ⅰ ポストクリティーク——いま批評には何ができるのか

ラトゥール、セジウィック、フェルスキ――。
批評の「その先」を示すポストクリティークへの招待。

「ポストクリティーク」はこれまでの批評にあった世界の見方や思想の限界をとらえ直し、これからの道を模索する議論だ。わたしたちが慣れ親しんできたクリティーク=批評には、表面に書かれている/写っているものを疑い、その内奥や深層に隠された欲望や無意識を暴き出すような手つきを備えたものが決して少なくない。しかし、果たしていま「批評」は機能しているだろうか? ポストトゥルース時代において「批評」は一般に認められている事実や常識を疑ってみせ、「もう一つの真実」という名の陰謀論を補強することに使われている。本特集では、ポストクリティークを牽引するリタ・フェルスキやイヴ・セジウィック、ブリュノ・ラトゥールの本邦初訳となる論考を掲載、大橋完太郎、勝田悠紀両氏の論考とあわせ、日本へポストクリティークを本格的に紹介する。

Ⅱ “異物(オーパーツ)”としての3DCG

最前線に立つ4人の証言と年表、作品集コレクション、論考による3DCGの荒野へのロードマップ。

わずか半世紀の間に飛躍的な進展を遂げた3DCG。それは単に現実を高い精度で再生産するだけではなく、私たちが見る景色を異質なものに変える「異物オーパーツ」としての側面と共に進化してきた。本特集の狙いは、従来注目に値しないとされていたこの「異物オーパーツ」的側面から3DCG 技術の可能性を掘り下げることにある。本特集では、デジタルアートの祭典、アルス・エレクトロニカでコンペティション部門長を務める小川絵美子氏、および実験的な表現を実践するクリエイター、山形一生氏、谷口暁彦氏、ニキータ・ディアクル氏へのインタビュー、共時的/通時的に3DCG表現を捉える4つのテーマのコラムと年表、アニメーション研究者・田中大裕氏によるVTuber 論と批評家・横山タスク氏による日本3DCGアニメーション論を掲載した。
[編集部より]


編集・発行|ヱクリヲ編集部
発売|送り絵
定価|2,300円+税
判型|A5判
ページ数|260
初版|2020年5月


Contents
Ⅰ ポストクリティーク いま批評には何ができるのか

《Critique》
批判の行方:勝田 悠紀

《Interview》
石田 英敬  いま批評はいかにして可能か――サイバネティクス・フーコー・情報資本主義

《Critique》
『クリティークの限界』序論  リタ・フェルスキ(勝田 悠紀訳)
パラノイア的読解と修復的読解、あるいは、とってもパラノイアなあなたのことだからこのエッセイも自分のことだと思ってるでしょ  イヴ・コソフスキー・セジウィック(岸 まどか訳)
批判はなぜ力を失ったのか――〈厳然たる事実〉から〈議論を呼ぶ事実〉へ  ブリュノ・ラトゥール(伊藤 嘉高訳)
批評の消息――消極的合法性からの脱出  大橋 完太郎

Ⅱ “異物(オーパーツ)”としての3DCG
《Interview》
小川 絵美子  メディウムとしての3DCGと、これからのアート・アニメーションについて

クリエイターインタビュー
山形 一生『窓から見える』
谷口 暁彦『Art Speed : the contemporary art racing simulator』
Nikita Diakur『Ugly』

《Appendix》
“異物”としてのCG年表:福田 正知
異物(ルビ:オーパーツ)・コレクション:高井 くらら、横山 タスク、福田 正知

《Critique》
アニメーションの歴史からみたVTuber――アニメーションとみなすことの意義:田中 大裕
運動する「けもの」たち――日本3DCGアニメの遺物としての『けものフレンズ』:横山 タスク

[ etc. ]
連載 〈三体〉から見る現代中国の想像力 第二回
未来は否定から生まれる――『三体2:暗黒森林』について:楊 駿驍

批評書レビュー
赤坂太輔著『フレームの外へ――現代映画のメディア批判』(選・伊藤元晴)
平倉圭著『かたちは思考する――芸術制作の分析』(選・佐久間義貴)

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