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すべてのひかりのために
¥2,200
第一歌集『永遠でないほうの火』から8年。ひかりを纏う生の讃歌 無垢な声で紡ぐ、待望の第二歌集。 《水際はもうこわくない 踏み込んで、おいで すべてのひかりのために》 《さみどりにさやぐさざなみ 風は火を、火は運命をおそれず生きて》 [出版社より] 「――歌だけがある。発した〈人〉を離れた〈声〉は、あわく、きらめき、たゆたいながら、私でもあなたでもある誰かの心に着床し、ただ〈歌〉として生きつづける」 ——小野正嗣(作家) 「隠れて見えない世界の横顔を火花のように一瞬だけ照らし出す。井上の歌はいわば火花のための火打石なのではないか」 ――服部真里子 「井上の歌は常に光の明滅を意味する。世界と人はその一瞬一瞬に交わり歌が生まれる」 ――石松佳 著 者|井上法子 出版社|書肆侃侃房 定 価|2,000円+税 判 型|四六判・上製 頁 数|144 ISBN|978-4-86385-651-6 発 行|2024年12月 Author 井上 法子 Noriko Inoue 1990年生まれ。福島県いわき市出身。著書に『永遠でないほうの火』(書肆侃侃房)。
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大江満雄セレクション
¥2,200
ぼくらを感激さすものは ぼくら自身がつくらねばならぬ (「雪の中で」より) ハンセン病療養所の入所者による合同詩集『いのちの芽』を編んだ詩人大江満雄の代表的な仕事を精選した作品集。 プロレタリア詩運動の中心で活躍した後、戦争詩の時代を経て、戦後の激動期を生き抜いた大江満雄。常に混交のなかに身を置き、社会の片隅で生きる人たちへのあたたかいまなざしにあふれた作品群を残した。単行本初収録作品を含む詩63篇と散文8篇を収録する。 「大江満雄は、多様で異質な人たちが、どうすれば互いに理解し合うことができるかを探究した詩人だ。他者との相互理解に至るために、独自の詩の世界を切り拓き、新たな対話思想を展開した。その詩学の輝きは、現在も魅力を失っていない」——編者解説より [出版社より] 著 者|大江満雄 編 者|木村哲也 出版社|書肆侃侃房 定 価|2,000円+税 判 型|四六判・並製 頁 数|264 ISBN|978-4-86385-662-2 発 行|2025年03月 Contents 詩(「日本海流」「四万十川」「四方海」「癩者の憲章」ほか63篇) 散文(「詩の絶壁」「ライ文学の新生面」「日本思想への転向者フェレイラ」ほか8篇) 編者解説 編者あとがき 大江満雄年譜 Author 大江 満雄 Mitsuo Oe 1906年高知県生まれ。詩人。10代で父とともに上京。原宿同胞教会にて受洗。詩を書き始める。プロレタリア文学運動の中心で活躍。そのため治安維持法違反で検挙、転向。以後、戦争詩を書く。戦後はヒューマニズムを基調とする思想的抒情詩を多数発表した。詩集に『血の花が開くとき』(1928年)、『日本海流』(1943年)、『海峡』(1954年)、『機械の呼吸』(1955年)、『自選詩集 地球民のうた』(1987年)。その他、ハンセン病療養所入所者の合同詩集『いのちの芽』編集、解説。多くの評論、児童文学の作品ものこした。1991 年心不全により死去。享年85。没後、『大江満雄集―詩と評論』(思想の科学社、1996年)が刊行された。 Editor 木村 哲也 Tetsuya Kimura 1971年生まれ。国立ハンセン病資料館学芸員。2023年に企画展「ハンセン病文学の新生面 「いのちの芽」の詩人たち」担当。『詩集 いのちの芽』(岩波文庫、2024年)解説を執筆。著書に『『忘れられた日本人』の舞台を旅する──宮本常一の軌跡』(河出文庫、2024年)、『来者の群像──大江満雄とハンセン病療養所の詩人たち』(編集室水平線、2017年)、編著に『内にある声と遠い声──鶴見俊輔ハンセン病論集』(青土社、2024年)など。
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石川信雄全歌集
¥3,080
ポオリイのはじめてのてがみは夏のころ今日はあついわと書き出されあり(『シネマ』) モダニズム短歌の頂きをなす伝説の歌集『シネマ』で颯爽とデビューし、エスプリに満ちた瑞々しい歌で時代を駆け抜けた稀代のポエジイ・タンキスト、石川信雄。没後60年の節目についに明らかになる孤独なマイナーポエットの全貌。 モダニズム短歌を代表する伝説の歌集『シネマ』、トラブルのため50部しか刊行されず幻となった『太白光』のほか、退色した原稿用紙として発見され、今回初めて世に出る『紅貝抄』と歌集未収録歌をおさめる。 「短歌史の中で石川信雄は砂に埋もれていたコーナーストーンのような存在かもしれない。この礎石を発掘することにより、同時代の地層から煌めく鉱石が次々と姿を現すだろう。それらの群像に光が注がれるなら、現代短歌に至る道程の失われた断片が見つかるにちがいない」——編者あとがきより [出版社より] 「今読んでも、というか、今読むからこそ強く感じる新鮮さは、作者の個性であると同時に、時代そのものの若さに根ざしたものでもあるのだろう。(略)新時代のポエジーへの強い希求が感じられる。現在の読者である私の目には、それ自体が眩しく映る」 ──穂村弘(栞より) 「定型に呼吸が寄りそうように置かれた言葉はとても自然で、現代の口語短歌の中に混じっていても違和感はあまりないだろう。(略)多数の歌集未収録作品も収載され、石川信雄が積み上げてきた作品世界が一望できる。その貴重さを喜びたい」 ──東直子(栞より) 「石川信雄の歌世界は知的遊戯を超えた詩的格闘の結露として、昭和の詩精神に輝きを添えている。(略)石川信雄の評価を大きく変える作品群であり、昭和モダニズムのひとつの到達であり、そして、新たな研究の出発点である」 ──黒瀬珂瀾(栞より) 著 者|石川信雄 編 者|鈴木ひとみ 出版社|書肆侃侃房 定 価|2,800円+税 判 型|四六判・上製 頁 数|392 ISBN|978-4-86385-648-6 発 行|2024年12月 Contents 『シネマ』 『太白光』 『紅貝抄』 歌集未収録歌 戦地からの手紙 解題 石川信雄年譜 解説 編者あとがき [ 収録歌より ] わが肩によぢのぼつては踊(をど)りゐたミツキイ猿(さる)を沼に投げ込む 『シネマ』 パイプをばピストルのごとく覗(ねら)ふとき白き鳩の一羽地に舞ひおちぬ 『シネマ』 すばらしい詩をつくらうと窓あけてシヤツも下着もいま脫ぎすてる 『シネマ』 人影のまつたく消えた街のなかでピエ・ド・ネエをするピエ・ド・ネエをする 『シネマ』 善よりは惡にかたむける人間(ひと)を載せ我が圓球(えんきゅう)は虚空(こくう)を旅す 『太白光』 磁石持ちて吸はるるごとく分け入ればミサンスロオプと告白すべき 『太白光』 天國のペンキ屋バケツに蹴つまづきニツポンの野山目のさめる秋 『太白光』 貝殻がぼくの胸にはたくさんある恋というはかない音をかなずる 『紅貝抄』 詩才などぼくは生れつき持たなんだ憂鬱(メランコリック)なライナァ・マァリァ・リルケの夢ばかり見き 『紅貝抄』 ひそかにも伝えられ来し言葉なれ我が誕生の夜の灯(ひ)にじむ 『紅貝抄』 [ 栞 ] 穂村弘「ポオリイとリュリュ」 東直子「空想と現実を往来する「まはだか」」 黒瀬珂瀾「「点」から「流れ」へ」 Author 石川 信雄 Nobuo Ishikawa 歌人、翻訳家。埼玉県出身。1908年、石川組製糸分家の長男として出生。第二早稲田高等学院・早稲田大学政経学部在学中に植草甚一らと英語劇に熱中し、文学に傾倒する。30年に筏井嘉一らと「エスプリ」を創刊。続いて「短歌作品」と「日本歌人」の創刊に参画。大学中退後、36年に第一歌集『シネマ』を刊行し注目を集める。同年に父が他界し、文藝春秋社に就職する。39年に応召。第五一連隊から江蘇省に派遣され、翌年支那派遣軍総司令部報道部に転属する。汪兆銘政権下の南京で、草野心平と中日文化誌「黄鳥」を発行。44年に土屋文明・加藤楸邨と中国大陸を横断する。戦後は多くの欧米文学者の小説を翻訳した。50年に第二次「短歌作品」を再刊すると同時に、「日本歌人」復刊に参加。54年に第二歌集『太白光』を発行。61年「宇宙風」短歌会創設。64年死去、享年56。 Editor 鈴木 ひとみ Hitomi Suzuki 京都市出身。石川信雄の姪。同志社女子大学卒業。ミネソタ大学、筑波大学大学院人文社会科学研究科、立命館大学大学院先端総合学術研究科で学ぶ。ヘイルストーン英語俳句サークル同人。共編著に『京都まちかど遺産めぐり』(ナカニシヤ出版)、『石川信雄著作集』(青磁社)、『黄鳥』(三人社)、『I WISH』ヘイルストーン英語俳句アンソロジー(代表編集スティーヴン・ギル)など。
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暗闇に手をひらく
¥1,980
人間の作った小さな場所では 言葉はときどき、信じることが 震えてくるほど難しい。 想像もつかなかった光景を見て 何も持たずに逃げてきたあなたを 下ろした両手は抱きしめる。 ——巻頭詩より 軽やかに言葉と遊び、現実を深く見つめる人気の詩人・大崎清夏。『地面』、『指差すことができない』(中原中也賞受賞)、『新しい住みか』、『踊る自由』に次ぐ、待望の第五詩集。 自分の手で作ること、描くこと。辞書にない私の言葉を持って生きること。戦争も災害もある今を生きている私たちが口ずさむと力になる、歌のような詩。 (私の生活はこっちだ、)と標になる31篇。 [出版社より] 著 者|大崎清夏 出版社|リトルモア 定 価|1,800円+税 判 型|四六変形判/並製 頁 数|136 ISBN|978-4-89815-599-8 発 行|2025年01月 Author 大崎 清夏 Sayaka Osaki 1982年、神奈川県生まれ。2011年、ユリイカの新人としてデビュー。詩集『指差すことができない』で中原中也賞受賞。詩集に『地面』(アナグマ社)、『新しい住みか』(青土社)、『踊る自由』(左右社)、初期詩集三作をまとめた『大崎清夏詩集』(青土社)など。その他の著書に『目をあけてごらん、離陸するから』(リトルモア)、『私運転日記』(twililight)などがある。協働制作の仕事に、奥能登国際芸術祭パフォーミングアーツ「さいはての朗読劇」(2022,23年)の脚本・作詞、舞台版『未来少年コナン』(24年)の劇中歌歌詞、オペラ『ローエングリン』(24年)の日本語訳修辞など。山の暮らしに憧れながら、海辺に暮らしている。
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パレスチナ詩集
¥1,540
パレスチナに生まれ、入獄と亡命を生きた大詩人。 惨事と野蛮に抗して、詩は可能か。 「世界の果てに辿り着いたとき、われらはどこへ行けばよいのか。/最後の空が終わったとき、鳥はどこで飛べばよいのか。」 詩を喪失したとき、敗北した国はさらに敗北する。ホメロスに始まる西洋文学がつねに勝者の側から語られてきたとするならば、今こそ敗者の声を詩に結実させなければならない。本書はパレスチナの亡命詩人の、生涯を懸けた絶唱である。 [出版社より] 著 者|マフムード・ダルウィーシュ 訳 者|四方田犬彦 出版社|筑摩書房[ちくま文庫] 定 価|1,400円+税 判 型|文庫判/並製 頁 数|208 ISBN|978-4-480-43953-6 発 行|2024年07月 Author マフムード・ダルウィーシュ Mahmoud Darwish 1941-2008。パレスチナに生まれ、イスラエル建国後は入獄と亡命の生を生きる。アラブ現代詩におけるもっとも重要な詩人の一人。ベイルートにてPLOに参加するが、オスロ合意に疑念を抱き、自治政府の組閣に参加せず。1969年にロータス賞を、83年にレーニン平和賞を受ける。サイードの著作に霊感を与え、ゴダール映画に出演する。 Translator 四方田 犬彦 Inuhiko Yomota 1953年生まれ。批評家・エッセイスト・詩人。著作に『見ることの塩』(河出文庫)、翻訳に『パゾリーニ詩集』(みすず書房)がある。
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サイレンと犀
¥1,870
「死にたいが、生きたい。同じ命をみても、言葉にせざるをえない。忘れないために」 ——長谷川健一[シンガーソングライター] 「本音の祈り。書かずにいられなかった"今"が、鼓動を打ちはじめる」 ——東 直子 著 者|岡野大嗣 出版社|書肆侃侃房[新鋭短歌シリーズ] 定 価|1,700円+税 判 型|四六変型判 頁 数|144 ISBN|978-4-86385-166-5 発 行|2014年12月 Contents [5首] もういやだ死にたい そしてほとぼりが冷めたあたりで生き返りたい ともだちはみんな雑巾ぼくだけが父の肌着で窓を拭いてる 河川敷が朝にまみれてその朝が電車の中の僕にまで来る そうだとは知らずに乗った地下鉄が外へ出てゆく瞬間がすき つよすぎる西日を浴びてポケットというポケットに鍵を探す手 [新鋭短歌シリーズ] 今、若い歌人たちは、どこにいるのだろう。どんな歌が詠まれているのだろう。今、実に多くの若者が現代短歌に集まっている。同人誌、学生短歌、さらにはTwitterまで短歌の場は、爆発的に広がっている。文学フリマのブースには、若者が溢れている。そればかりではない。伝統的な短歌結社も動き始めている。現代短歌は実におもしろい。表現の現在がここにある。「新鋭短歌シリーズ」は、今を詠う歌人のエッセンスを届ける。 Author 岡野 大嗣 Daiji Okano 1980年大阪生まれ。2011 年に短歌を始める。まもなく木下龍也の作品に出会い、刺激を受けて作歌を続ける。2012 年、結成当日解散型不定形ユニット「何らかの歌詠みたち」を始動、短歌朗読をしたり作品集をつくる。2013年、田中ましろの企画・制作による「短歌男子」に参加。2014年、連作『選択と削除』で第57回短歌研究新人賞次席。
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引き出しに夕方をしまっておいた
¥2,420
回復に導く詩の言葉。 ハン・ガンが20年余りにわたり書き続けてきた60篇を収めた詩集『引き出しに夕方をしまっておいた』を、著者の小説を手掛けてきた翻訳家きむ ふなと斎藤真理子の共訳により刊行致します。 巻末に収録した翻訳家対談では、韓国における詩の受容や詩人としてのハン・ガンなど、広く深みのある話が繰り広げられており読者を韓国の詩の世界へ誘う格好のガイドとなっています。 [出版社より] 「ハン・ガンの小説は美しく、同時に力がある。繊細さだけではなく強さがある。その元にあるものがこの詩にあらわれている」 ――斎藤真理子 「ハン・ガンにとって詩は内密な自分自身の声に正直なもの。詩を書くことで、心身のバランスや問いを直視し続ける力を回復していく」 ――きむ ふな 著 者|ハン・ガン 訳 者|きむ ふな・斎藤真理子 出版社|クオン[セレクション韓・詩] 定 価|2,200円+税 判 型|四六変形判/仮フランス装 頁 数|304 ISBN|978-4-910214-28-3 初 版|2022年06月 Contents 一部 明け方に聞いた歌 二部 解剖劇場 三部 夜の葉 四部 鏡のむこうの冬 五部 真っ暗なともしびの家 対談 回復の過程に導く詩の言葉──訳者あとがきにかえて Author ハン・ガン 한강 / Han Kang 1970年、韓国・光州生まれ。延世大学国文学科卒業。1993年、季刊『文学と社会』に詩を発表し、翌年ソウル新聞の新春文芸に短編小説「赤い碇」が当選し作家としてデビューする。2005年、中編「蒙古斑」で韓国最高峰の文学賞である李箱文学賞を受賞、同作を含む3つの中編小説をまとめた『菜食主義者』で2016年にアジア人初のマン・ブッカー国際賞を受賞する。邦訳に『菜食主義者』(きむ ふな訳)、『少年が来る』(井手俊作訳)、『そっと 静かに』(古川綾子訳、以上クオン)、『ギリシャ語の時間』(斎藤真理子訳、晶文社)、『すべての、白いものたちの』(斎藤真理子訳、河出書房新社)、『回復する人間』(斎藤真理子訳、白水社)などがある。 Translator きむ ふな 韓国生まれ。訳書にハン・ガン『菜食主義者』、キム・エラン『どきどき僕の人生』、キム・ヨンス『ワンダーボーイ』、ピョン・ヘヨン『アオイガーデン』、シン・ギョンスク『オルガンのあった場所』(以上クオン)、孔枝泳『愛のあとにくるもの』(幻冬舎)など。著書に『在日朝鮮人女性文学論』(作品社)がある。韓国語訳書の津島佑子『笑いオオカミ』にて板雨翻訳賞を受賞。 斎藤 真理子 Mariko Saito 新潟生まれ。訳書にパク・ミンギュ『カステラ』(ヒョン・ジェフンとの共訳、クレイン)、チョ・セヒ『こびとが打ち上げた小さなボール』(河出書房新社)、チョン・セラン『フィフティ・ピープル』(亜紀書房)、チョ・ナムジュ『82年生まれ、キム・ジヨン』(筑摩書房)、ハン・ガン『ギリシャ語の時間』(晶文社)、同『すべての、白いものたちの』(河出書房新社)、同『回復する人間』(白水社)、チョ・ナムジュ他『ヒョンナムオッパへ』(白水社)など。『カステラ』で第1回日本翻訳大賞、『ヒョンナムオッパへ』で韓国文学翻訳賞(韓国文学翻訳院主催)を受賞。
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砂丘律/千種創一歌集
¥880
SOLD OUT
中東と日本を舞台に清冽な抒情を巧みな韻律で織りなして大いに話題を呼んだ千種創一の第一歌集が待望の文庫化。解説=市川春子。 [出版社より] 著 者|千種創一 出版社|筑摩書房[ちくま文庫] 定 価|800円+税 判 型|文庫判/並製 頁 数|272 ISBN|978-4-480-43836-2 刊 行|2022年11月 Author 千種 創一 Soichi Chigusa 1988年名古屋生。2005年頃、作歌開始。2009年、三井修の授業「短歌創作論」の受講生らと「外大短歌会」創立。2010年、短歌同人誌「dagger」参加。2011年、韻文と散文の同人誌「ami.me」創刊に参加。2013年、短歌同人誌「中東短歌」創刊。同年、連作「keep right」で塔新人賞。2014年、評論同人誌「ネヲ」参加。2015年、連作「ザ・ナイト・ビフォア」で歌壇賞次席。同年『砂丘律』上梓。2016年、日本歌人クラブ新人賞、日本一行詩大賞新人賞。2020年、『千夜曳獏』上梓。2021年「ユリイカの新人」を受賞。2022年、詩集『イギ』上梓。
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葛原妙子歌集
¥2,200
戦後短歌史に燦然と輝く歌人・葛原妙子。 すべての歌集から1500首を厳選、葛原の壮大な短歌世界が堪能できる一冊。 読売新聞「読書委員が選ぶ2021年の3冊」に選出。 「先人の仕事を伝える労作」——尾崎真理子 [出版社より] 著 者|葛原妙子 編 者|葛原妙子・川野里子 出版社|書肆侃侃房 定 価|2,000円+税 判 型|四六判・仮フランス装 頁 数|296 ISBN|978-4-86385-491-8 初 版|2021年11月 Contents 『橙黃』/『繩文』/『飛行』/『薔薇窓』/『原牛』/『葡萄木立』/『朱靈』(完本)/『鷹の井戶』/『をがたま』/『をがたま』補遺/異本『橙黃』 解説(川野里子) 葛原妙子年譜 [ 栞 ] 大森静佳「えぐる、えぐられる」 川野芽生「幻視者の瞼」 平岡直子「この世界で、電気仕掛けの身体で」 [ 収録歌より ] 早春のレモンに深くナイフ立つるをとめよ素睛らしき人生を得よ(『橙黃』) わがうたにわれの紋章のいまだあらずたそがれのごとくかなしみきたる(『橙黃』) 黑峠とふ峠ありにし あるひは日本の地圖にはあらぬ(『原牛』) 他界より眺めてあらばしづかなる的となるべきゆふぐれの水(『朱靈』) 疾風はうたごゑを攫ふきれぎれに さんた、ま、りぁ、りぁ、りぁ(『朱靈』) Author 葛原 妙子 Taeko Kuzuhara 1907(明治40)年東京都文京区に生まれる。1939年「潮音」に入社。四賀光子の選を受ける。第二次大戦後本格的に作歌活動を始め、1949年「女人短歌会」創立メンバーとなる。1981年には歌誌「をがたま」創刊。1985年没(洗礼名マリア・フランシスカ)。歌集に『橙黄』『縄文』『飛行』『薔薇窓』『原牛』『葡萄木立』『朱靈』『鷹の井戸』。遺歌集として『をがたま』がある。『葡萄木立』により日本歌人クラブ賞、『朱靈』により第五回迢空賞を受賞。随筆集に『孤宴』がある。 Editor 川野 里子 Satoko Kawano 1959(昭和34)年大分県生まれ。千葉大学文学部日本文化研究科修士課程修了。東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学。歌誌「かりん」編集委員。歌集に『太陽の壺』(第13回河野愛子賞)『王者の道』(第15回若山牧水賞)『硝子の島』(第10回小野市詩歌文学賞)『歓待』(第71回読売文学賞)『天窓紀行』など。評論に『新装版 幻想の重量──葛原妙子の戦後短歌』(第6回葛原妙子賞)『七十年の孤独──戦後短歌からの問い』『鑑賞 葛原妙子』など。
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山中智恵子歌集
¥2,310
「私は言葉だつた。」 短歌の韻律に乗せて人間存在を徹底的に問うた歌人・山中智恵子。代表歌集『紡錘』『みずかありなむ』『夢之記』を完本で収録。山中智恵子の全貌を見渡せる1600首を収める。『葛原妙子歌集』(川野里子編)に続く新編シリーズの第2弾。 [出版社より] 著 者|山中智恵子 編 者|水原紫苑 出版社|書肆侃侃房 定 価|2,100円+税 判 型|四六判・仮フランス装 頁 数|296 ISBN|978-4-86385-531-1 初 版|2022年08月 Contents 『空間格子』/『紡錘』(完本)/『みずかありなむ』(完本)/『虚空日月』/『青章』/『短歌行』/『星醒記』/『星肆』/『神末』/『喝食天』/『鶺鴒界』/『夢之記』(完本)/『黒翁』/『風騒思女集』/『玉蜻』/『玉菨鎮石』/『玲瓏之記』/解説(水原紫苑)/山中智恵子年譜 [ 収録歌より ] うつしみに何の矜恃ぞあかあかと蠍座は西に尾をしづめゆく(『空間格子』) わが生みて渡れる鳥と思ふまで昼澄みゆきぬ訪ひがたきかも(『紡錘』) 行きて負ふかなしみぞここ鳥髪に雪降るさらば明日も降りなむ(『みずかありなむ』) その問ひを負へよ夕日は降ちゆき幻日のごと青旗なびく(『みずかありなむ』) さくらびと夢になせとや亡命の夜に降る雪をわれも歩めり(『虚空日月』) Author 山中 智恵子 Chieko Yamanaka 1925(大正14)年愛知県名古屋市生まれ。前川佐美雄に師事。1946年秋「日本歌人」入会。1955年第1回「短歌研究」新人賞応募(佳作)。1960年塚本邦雄らの同人誌「極」に、1964年村上一郎の同人誌「無名鬼」に参加。歌集に『紡錘』『みずかありなむ』『青章』(現代短歌女流賞)『星肆』(迢空賞)『夢之記』『黒翁』『玉蜻』など。他にライフワーク『斎宮志』に代表される斎宮制度解明の史書がある。没後、『山中智恵子全歌集』『玉すだれ 山中智恵子句集』。鈴鹿市寺家町正因寺の山中家の墓に眠る。 Editor 水原 紫苑 Shion Mizuhara 1959年神奈川県横浜市生まれ。早稲田大学大学院文学研究科仏文学専攻修士課程修了。86年、「中部短歌会」に入会。以後春日井建に師事、師の没後は単独で活動。歌集に『びあんか』(第34回現代歌人協会賞)『客人』(第1回駿河梅花文学賞)『くわんおん』(第10回河野愛子賞)『あかるたへ』(第5回山本健吉賞・第10回若山牧水賞)『えぴすとれー』(第28回紫式部文学賞)『如何なる花束にも無き花を』(第62回毎日芸術賞)などがある。
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ダダ・カンスケという詩人がいた 評伝陀田勘助
¥4,070
「ダダ」を自分の名とした唯一のアナーキスト詩人、陀田勘助(1902-1931)。アヴァンギャルドの担い手として鮮烈にデビューしながら、やがてその筆名と詩を捨てて、本名の山本忠平として共産主義者に転向。非合法共産党の中央委員候補として検挙されると、謎の獄死を遂げる。享年29。 細井和喜蔵、岡本潤、萩原恭次郎らとの交流から、当局による自殺との発表に対して、いまなお小林多喜二に先立つ虐殺説が根強いその死にいたるまで、謎に包まれた詩人の影を追いかけた初の伝記。定価3700円+悪税。 [出版社より] 著 者|吉田美和子 出版社|共和国 定 価|3,700円+税 判 型|四六変型判/並製 頁 数|378 ISBN|978-4-907986-59-9 発 行|2022年06月 Contents 島に居る岡本潤と俺の肖像 -- 第1章 「同志山忠」とは誰か -- 発端―1枚の絵 「モダン東京―一九三〇年代の夢」 栃木―蔵の町の少年 本所―忠平は隅田川を渡る 荒井町の洋服屋 大手町―内務省の給仕 -- 第2章 陀田勘助の出発と雑誌『種蒔く人』 -- 開成中学自主退学事件 「啄木会」―渋民歌碑建立募金文芸講演会 1921年第2回メーデー 忠平、村松正俊と出会う 『種蒔く人』創刊 幻の二人詩誌『ELEUTHERIA』とペンネーム・ダダのこと -- 第3章 詩誌『鎖』創刊 -- 『鎖』をめぐるさまざま 『鎖』創刊号―1923年6月 『鎖』第2号へ―1923年7月 『女工哀史』細井和喜蔵の登場 -- 第4章 関東大震災──亀戸事件と陀田勘助 -- 印半纏で走るカンスケ 亀戸事件とは何か 南葛労働協会には「支部」もあった―佐藤欣治のこと 亀戸警察署長、戒厳司令官はこう語った -- 第5章 震災後を生きる -- 『鎖』第3号からの再出発 「日本無産派詩人連盟展」と詩誌『無産詩人』 松本淳三の詩誌『詩を生む人』への寄稿 -- 第6章 岡本潤と陀田勘助──『マヴォ』における呼応 -- 『赤と黒』と『鎖』 小野十三郎の勘助評 『マヴォ』に呼応する岡本潤と陀田勘助 細井和喜蔵の死、渋谷定輔のこと -- 第7章 ギロチン社事件と『黒旗』──アナキスト山本勘助の模索 -- 江東に自由労働者の組合を 労働運動社、大杉栄、岩佐作太郎 ギロチン社のテロリストたち 黒旗社結成と『黒旗』創刊―1925年11月 黒旗社パンフレット ギロチン社事件の余波―『文芸戦線』再見 -- 第8章 復興局の土木人夫──『反政党運動』時代 -- 「黒色青年連盟」結成と銀座デモ 黒旗社時代を回想する―松田解子、菊岡久利 復興局の土木人夫 「反政党運動」―純正アナキズムとアナルコ・サンジカリズム 汎太平洋労働組合会議問題と全国自連の分裂 自協派・江西一三の回想 -- 第9章 アナ・ボルのわかれ──詩人たちの訣別 -- 『文芸戦線』の分裂 『文芸解放』創刊―文芸講演会に勘助飛び入る 隅田川のわかれ 暴力のわかれ―壺井繁治の場合 -- 第10章 プロレタリア美術展覧会と《同志山忠の思い出》 -- 東京合同労組へ、入党へ トーマは帰れ―東京駅の騒擾 望月晴朗画《同志山忠の思い出》が描いたもの ビラは天に向かって撒く―武田麟太郎のこと 望月晴朗という画家 プロレタリア美術とは何だったか -- 第11章 検挙のあとさき -- 組織者忠平の「作風」 忠平検挙へ―田中清玄「再建ビューロー」を巡って 松永伍一の「陰謀説」 なお残る不明点―南喜一と「解党派」問題 忠平以後―武装メーデーと「全協刷新同盟」 -- 第12章 獄窓の春、その死 -- 獄中詩編 死の周辺 田中清玄の証言 予審という闇 『戦旗』の在監者名簿―忠平の不在 戦後―「山本勘助追悼とぶらつく詩の会」 -- 参考文献 -- あとがき 別丁カラー図版:《同志山忠の思い出》(望月晴朗・画) Author 吉田 美和子 Miwako Yoshida 1945年、岩手県生まれ。東北大学文学部国文科卒業。著書に、『単独者のあくび―尾形亀之助』(木犀社、2010)、『うらやまし猫の恋―越人と芭蕉』(木犀社、2008)、『吉田一穂の世界』(小沢書店、1998)、『宮沢賢治―天上のジョバンニ・地上のゴーシュ』 (小沢書店、1997、第十三回岩手日報文学賞賢治賞受賞)『一茶無頼』(信濃毎日新聞社、1996)など。
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左川ちか全集
¥3,080
SOLD OUT
詩の極北に屹立する詩人・左川ちかの全貌がついに明らかになる──。 萩原朔太郎や西脇順三郎らに激賞された現代詩の先駆者、初の全集。すべての詩・散文・書簡、翻訳を収録。編者による充実の年譜・解題・解説を付す。 [出版社より] 著 者|左川ちか 編 者|島田龍 出版社|書肆侃侃房 定 価|2,800円+税 判 型|四六判・上製 頁 数|416 ISBN|978-4-86385-517-5 初 版|2022年04月 Author 左川 ちか Chika Sagawa 詩人・翻訳家。本名川崎愛。1911年生まれ。北海道余市町出身、十勝地方の本別町で幼少期を過ごす。庁立小樽高等女学校卒業後に上京。10代で翻訳家としてデビュー。J・ジョイス、V・ウルフ、ミナ・ロイなど、詩・小説・評論の翻訳を残す。1930年に筆名を「左川ちか」と改め詩壇に登場する。同郷の伊藤整を始め、北園克衛・春山行夫・西脇順三郎・萩原朔太郎らに高く評価、詩誌『詩と詩論』『椎の木』『マダム・ブランシュ』などで活躍した。将来を嘱望されたが1936年に死去。享年24。J・ジョイス著/左川ちか訳『室楽』(椎の木社、1932年)、遺稿詩集『左川ちか詩集』(伊藤整編・昭森社、1936年)。本書は初の全集となる。 Editor 島田 龍 Ryu Shimada 東京都中野区出身。立命館大学文学研究科日本史専修博士後期課程単位取得退学。現・立命館大学人文科学研究所研究員。専門は中世~近現代における日本文化史・文学史。関連論考に「左川ちか研究史論―附左川ちか関連文献目録増補版」(『立命館大学人文科学研究所紀要』115号)、「左川ちか翻訳考:1930年代における詩人の翻訳と創作のあいだ―伊藤整、H・クロスビー、J・ジョイス、V・ウルフ、H・リード、ミナ・ロイを中心に」(『立命館文学』677号)など。
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柴犬二匹でサイクロン
¥1,870
お互いにワンパンし合う関係で倒れた場所を花園とせよ 『おもろい以外いらんねん』『きみだからさびしい』の大前粟生、初めての短歌集。短歌ムック「ねむらない樹」vol.7掲載で話題を呼んだ「とびひざげり」など約230首を収録。 [出版社より] 「ひとつ読むごとに 自分の中の知らないスイッチが押され、どこかで知らない窓が開く。この感情、どうすりゃいいの?」 ――岸本佐知子[翻訳家] 著 者|大前粟生 出版社|書肆侃侃房 定 価|1,700円+税 判 型|四六判・並製 頁 数|216 ISBN|978-4-86385-321-8 初版|2019年3月 Contents とびひざげり パフェの降臨 こちらの歌 夏 喫煙・仏具 犬ざんまい 裸足の家 鴨川 生活 [ 収録歌より ] この痣を月に結んで大丈夫とびひざげりの妄想をする 棺桶に詰められるならパフェに似た佇まいでと約束の夏 ポカリスエット突然に目減りして光の代わりに光が入る 晩年はふいに浮上すたとえば鳥たとえば歌の途中で焦げて ほがらかな血液の流れ悲しみは取り除けないからめぐらしてみる Author 大前粟生 Ao Omae 1992年生まれ。著書に小説『回転草』『私と鰐と妹の部屋』(書肆侃侃房)、『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』第38回織田作之助賞候補作『おもろい以外いらんねん』(河出書房新社)、宮崎夏次系氏との共作絵本『ハルにははねがはえてるから』(亜紀書房)など。最新刊に初の長編小説『きみだからさびしい』(文藝春秋)、児童書『まるみちゃんとうさぎくん』(絵・板垣巴留、ポプラ社)がある。
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ショート・ショート・ヘアー
¥1,870
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[ 新鋭短歌シリーズ ] 今、若い歌人たちは、どこにいるのだろう。どんな歌が詠まれているのだろう。今、実に多くの若者が現代短歌に集まっている。同人誌、学生短歌、さらにはTwitterまで短歌の場は、爆発的に広がっている。文学フリマのブースには、若者が溢れている。そればかりではない。伝統的な短歌結社も動き始めている。現代短歌は実におもしろい。表現の現在がここにある。「新鋭短歌シリーズ」は、今を詠う歌人のエッセンスを届ける。 [出版社より] 「生まれたての感情を奏でる。かけがえのない瞬間を軽やかに閉じ込めた歌の数々。日常と非日常と切なさと幸福が、渾然一体となって輝く」 ——東 直子 著 者|水野葵以 監 修|東直子 出版社|書肆侃侃房[新鋭短歌シリーズ] 定 価|1,700円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|144 ISBN|978-4-86385-505-2 発 行|2022年02月 [ 収録歌より ] ・旅客機の窓はきらめくそれぞれのパーパス・オブ・ユア・ヴィジットをのせ ・君の背にロールシャッハが咲いていてそれでも好きと思えたら夏 ・スーパーで出くわすような気まずさと夜の校舎のような嬉しさ ・日々のバカ 開きっぱなしの踏切でほとぼりが過ぎ去るのを待って ・サササドリと母が呼んでる鳥がいてたぶんこれだな、サササと走る Author 水野 葵以 Aoi Mizuno 1993年4月30日、東京都生まれ。2018年より作歌を始める。「タクトをふるう」で第62回短歌研究新人賞候補作、「三人家族」で第3回笹井宏之賞最終選考候補作。短歌ネットプリント「ウゾームゾーム」を不定期配信中。著作に、短歌と写真のZINE「あいもかわらず」。 Twitter / Instagram:@TomAoi_24
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老人ホームで死ぬほどモテたい
¥1,870
[ 新鋭短歌シリーズ ] 今、若い歌人たちは、どこにいるのだろう。どんな歌が詠まれているのだろう。今、実に多くの若者が現代短歌に集まっている。同人誌、学生短歌、さらにはTwitterまで短歌の場は、爆発的に広がっている。文学フリマのブースには、若者が溢れている。そればかりではない。伝統的な短歌結社も動き始めている。現代短歌は実におもしろい。表現の現在がここにある。「新鋭短歌シリーズ」は、今を詠う歌人のエッセンスを届ける。 [出版社より] 「思わぬ場所から矢が飛んでくる。自分の魂を守りながら生きていくための短歌は、パンチ力抜群。絶望を嚙みしめたあとの諦念とおおらかさが同居している 」 ——東 直子 著 者|上坂あゆ美 出版社|書肆侃侃房[新鋭短歌シリーズ] 定 価|1,700円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|144 ISBN|978-4-86385-506-9 発 行|2022年02月 [ 収録歌より ] ・母は鳥 姉には獅子と羽根がありわたしは刺青(タトゥー)がないという刺青(タトゥー) ・風呂の水が凍らなくなり猫が啼き東京行きの切符を買った ・故郷の母と重なりしメスライオン 深夜のナショナル・ジオグラフィック ・沼津という街でxの値を求めていた頃会っていればな ・シロナガスクジラのお腹でわたしたち溶けるのを待つみたいに始発 Author 上坂 あゆ美 Ayumi Uesaka 1991年8月2日、静岡県生まれ。東京都在住。2017年から短歌をつくり始める。銭湯、漫画、ファミレスが好きです。 Twitter:@aymusk
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イマジナシオン
¥1,870
SOLD OUT
[ 新鋭短歌シリーズ ] 今、若い歌人たちは、どこにいるのだろう。どんな歌が詠まれているのだろう。今、実に多くの若者が現代短歌に集まっている。同人誌、学生短歌、さらにはTwitterまで短歌の場は、爆発的に広がっている。文学フリマのブースには、若者が溢れている。そればかりではない。伝統的な短歌結社も動き始めている。現代短歌は実におもしろい。表現の現在がここにある。「新鋭短歌シリーズ」は、今を詠う歌人のエッセンスを届ける。 [出版社より] 「言葉で世界が変形する。不思議な日常なのか、リアルな非日常なのか、穏やかな刺激がどこまでも続いてゆく。短歌が魔法だったことを思い出してしまう」 ——山田航 著 者|toron* 出版社|書肆侃侃房[新鋭短歌シリーズ] 定 価|1,700円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|144 ISBN|978-4-86385-507-6 発 行|2022年02月 [ 収録歌より ] ・いずれ夜に還る予約のようである生まれついての痣すみれ色 ・花びらがひとつ車内に落ちていて誰を乗せたの始発のメトロ ・手のひらの川をなぞれば思い出すきみと溺れたのはこのあたり ・おふたり様ですかとピースで告げられてピースで返す、世界が好きだ ・海の日の一万年後は海の日と未来を信じ続けるiPhone Author toron* 大阪府豊中市出身。現在は大阪市在住。Twitterで短歌に出会い、2018年4月からウェブサイト「うたの日」に投稿をはじめる。新聞歌壇、雑誌などへの投稿をしつつ、現在は塔短歌会、短歌ユニットたんたん拍子、Orion所属。
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小松川叙景
¥2,640
詩集『でらしね』(思潮社、2013)で鮮烈にデビューした詩人の最新作品集。2020年~21年に『アナキズム』紙などに連作として掲載され、大きな反響を呼んだ表題作に、書き下ろし詩篇および著者撮影の写真を加えて、待望の単行本化。見慣れた町のひずみを切り裂き、言語によって一変させる黒の詩群。 [出版社より] 著 者|小林坩堝 出版社|共和国 定 価|2,400円+税 判 型|A5変型判/上製 頁 数|104 ISBN|978-4-907986-82-7 発 行|2021年11月 Contents HOMEBODY 五月 六月 七月 八月 九月 NOWHERE 十月 十一月 十二月 一月 二月 NOWHERE 三月 四月 Author 小林 坩堝 Kanka Kobayashi 1990年生まれ。詩作者。詩集『でらしね』(思潮社、2013)のほか、小詩集に『風船』(企画カニエ・ナハ、2015)、『エンド・ロール』(archaeopteryx、2017)がある。
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春原さんのリコーダー
¥770
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人気歌人で、作家としても活躍している東直子のデビュー歌集。代表歌「廃村を告げる活字に桃の皮ふれればにじみゆくばかり 来て」ほか、シンプルな言葉ながら一筋縄ではいかない独特の世界観が広がる347首。小林恭二、穂村弘、高野公彦らによる単行本刊行時の栞文に、新たに花山周子による解説、川上弘美との対談も収録。 [出版社より] 著 者|東直子 出版社|筑摩書房[ちくま文庫] 定 価|700円+税 判 型|文庫版/並製 頁 数|224 ISBN|:978-4-480-43620-7 初 版|2019年10月 Contents 1 ひやしんす 草かんむりの訪問者 ひんやり風の吹く朝に ほか 2 へるめす歌会 et al. つゆのてふてふ ほか 3 アプリコット・カラム ピンク・スノウ ふりこ ほか Author 東 直子 Naoko Higashi 1963年、広島生まれ。歌人、小説家。絵本や童話、イラストレーションも手がける。歌壇、角川短歌賞選考委員。東京新聞歌壇選者。「草かんむりの訪問者」で第7回歌壇賞、『いとも森の家』で第31回坪田譲治文学賞を受賞。歌集に『十階』、小説に『水銀灯が消えるまで』『とりつくしま』『さようなら窓』、エッセイ集に『短歌の不思議』、穂村弘との共著『回転ドアは、順番に』『しびれる短歌』がある。
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休息のとり方
¥2,200
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新型コロナウイルスの猛威が深刻化し、人と会わなくなった日々にこの先に待つ変化を思いながら構想された詩集。59篇収録。 [出版社より] 著 者|福間健二 出版社|而立書房 定 価|2,000円+税 判 型|四六判/上製 頁 数|184 ISBN|9784880594200 初 版|2020年07月 Contents 1 階段の魔物 アメリカの緑茶 父をおいた場所 鉛筆で書く ほか 2 この世の空 きみのママに聞いてみなさい! 兄弟 九月十一日の夢 ほか 3 休息のとり方 眉毛の置き場 休息のとり方 天国の駅 ほか Author 福間 健二 Kenji Fukuma 1949年新潟県生まれ。詩人・映画監督、東京都立大学名誉教授。2011年、詩集『青い家』(思潮社)で萩原朔太郎賞、藤村記念歴程賞受賞。
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黒いユーモア選集 1[OUTLET]
¥475
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スウィフト、サド侯爵、ポー、ボードレール、キャロル、ロートレアモン…詩人アンドレ・ブルトンが選んだシュルレアリスムの先駆者たち。「他のすべての価値を制圧し、それらの多くについて、あまねく人々の評価を失わせてしまうことさえできる」(「避雷針」)言葉に満ち満ちた幻のアンソロジー。 [出版社より] 著 者|アンドレ・ブルトン 訳 者|山中散生・窪田般彌・小海永二 出版社|河出書房新社[河出文庫] 定 価|950円+税 判 型|文庫判/並製 頁 数|368 ISBN|978-4-309-46290-5 初 版|2007年08月 Author アンドレ・ブルトン André Breton 1896‐1966年。フランスの詩人・作家。20世紀最大の文学芸術運動であるシュルレアリスムの主導者。精神分析学を手がかりに、意識下に潜む言葉を詩的に昇華させた作品は、後世に多大な影響を与えた Translator 山中 散生 Chiru Yamanaka 1905‐1977年。詩人 窪田 般彌 Hanya Kubota 1926‐2003年。詩人・フランス文学者・早稲田大学名誉教授 小海 永二 Eiji Kokai 1931年、東京生まれ。詩人・フランス文学者
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ボリス・ヴィアン シャンソン全集
¥3,850
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『日々の泡』や『北京の秋』など多数の世界的名作を執筆した小説家にして、クロード・アバディ楽団のトランペッターでもあったボリス・ヴィアン。そのヴィアンが作詞を手がけた『脱走兵』『俺はスノッブ』など400曲以上ものシャンソンを全訳する、本邦初のシャンソン全集 セルジュ・ゲンズブール、ジュリエット・グレコ、マガリ・ノエル、アンリ・サルヴァドールらに愛された奇才が遺した、全シャンソンをことごとく網羅。戦後のパリを駆け抜けた早逝のマルチアーティスト、ボリス・ヴィアンによるシャンソン万華鏡。 [出版社より] 著 者|ボリス・ヴィアン 訳 者|浜本正文 出版社|国書刊行会 定 価|3,500円+税 判 型|菊判/並製 頁 数|600 ISBN|978-4-336-07204-7 初 版|2021年04月 Author ボリス・ヴィアン Boris Vian 小説家、音楽家、作詞家。代表作に「日々の泡」ほか。 Translator 浜本 正文 Masafumi Hamamoto 京都大学仏文卒。愛知大学教授。訳書にオーギュスト・ブランキ『天体による永遠』(雁思社、1985年)、フロラ・トリスタン『ロンドン散策』(共訳、法政大学出版局、1987年)、ノエル・アルノー『ボリス・ヴィアン--その平行的人生』(書肆山田、1992年)、ボリス・ヴィアン『サン=ジェルマン=デ=プレ入門』(リブロポート、1995年/文遊社、2005年)、フィリップ・ボッジオ『ボリス・ヴィアン伝』(国書刊行会、2009年)がある。
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不安の書[増補版]
¥5,720
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ポルトガルの詩人、ペソア最大の傑作『不安の書』の完訳。長年にわたり構想を練り、書きためた多くの断章的なテクストからなる魂の書。旧版の新思索社版より断章6篇、巻末に「断章集」を増補し、装いも新たに、待望の復刊! [出版社より] 著 者|フェルナンド・ペソア 訳 者|高橋都彦 出版社|彩流社 定 価|5,200円+税 判 型|四六判/上製 頁 数|688 ISBN|978-4-7791-2604-8 初 版|2019年08月 Contents 紹介者フェルナンド・ペソアの序 第1部 ベルナルド・ソアレスの序論(断章) 第2部 告白 1 生前ペソアにより刊行されたか、あるいは そのために準備されたテクスト 2 予め準備されたのではないが 年代順に配置されたテクスト 3 日付のないテクスト 第3部 題名のある文学的なテクスト 1 生前に詩人の発表したもの 2 年代順のもの 3 日付のないもの 【増補】 結婚に失敗した女性への助言(1) 結婚に失敗した女性への助言(2) 結婚に失敗した女性たちへの助言(3) 効果的に夢見る方法(1) 効果的に夢見る方法(3) 形而上学に従って効果的に夢見る方法 フェルナンド・ペソアと『不安の書』(高橋都彦) 訳者あとがき 断章集 Author フェルナンド・ペソア Fernando Pessoa 20世紀前半のヨーロッパを代表するポルトガルの詩人・作家。 本名のフェルナンド・ペソアだけでなく 別人格の異名カエイロ、レイス、カンポスなどでも創作をおこなった。 邦訳に上記4名の詩選『ポルトガルの海』(彩流社、1985年/増補版1997年)、 『アナーキストの銀行家 フェルナンド・ペソア短編集』(彩流社、2019年)ほか。 散文集『不安の書』は、ペソア自身に近い男ソアレスの魂の書。 Translator 高橋 都彦 Kunihiko Takahashi 拓殖大学名誉教授。著書に『ブラジルポルトガル語の基 礎』(白水社、2009年)、『現代ポルトガル語辞典 3訂版』(共編、白水社、2014年)ほか。訳書にジョルジ・アマード『老練な船乗りたち──バイーアの波止場の二つの物語』(水声社、2017年)、ジョアン・ギマランイス・ホーザ『最初の物語』(水声社、2018年)ほか。
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リバー・ワールド
¥1,980
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トマト屋がトマトを売っている 泣けよ ポスト現代川柳を牽引する川柳人による、怒涛の1001句。『はじめまして現代川柳』でも注目される著者の第二句集。 [出版社より] 「川合大祐が溢れんばかりに繰り出す作品によって僕は「現代川柳」を知った。ここで歌われているのは距離だ、と僕は思う。異質なものを距離を超えてつなげるのではなく、距離そのものを結晶にし、つながらないものたちがそれでも一個の出来事になるのだ」 ——千葉雅也 著 者|川合大祐 出版社|書肆侃侃房 定 価|1,800円+税 判 型|四六判/並製 頁 数|368 ISBN|978-4-86385-453-6 発 行|2021年04月 Contents 第一章 零頭の象 第二章 プレパラート再生法 第三章 川を渡る [ 収録句より ] ゴリラ撃つ人びとばかり船の上 世界なりサンダーバード糸切れて エスパーが社史を編纂しない初夏 羊歯積んで電車のようなものに乗る 美大生ポップコーンのーのなかに 道長をあまりシベリアだと言うな 文集に埼の字がない養成所 カタルシス濡れせんべいが濡れてから 無をおそれつつ学研に出す葉書 零のまえ火とかぞえたる老賢馬 Author 川合大祐 Daisuke Kawai 川柳作家。1974年長野県生まれ。「川柳の仲間 旬」同人を経て、「川柳スパイラル」同人。ブログ「川柳スープレックス」共同執筆者。著書『川柳句集 スロー・リバー』(あざみエージェント、2016年)、共著『はじめまして現代川柳』(書肆侃侃房、2020年)。
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サークル・ゲーム
¥2,420
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現代カナダ文学を代表する作家、アトウッドの知られざるデビュー作、本邦初訳。不穏な空気に包まれた28篇には、フェミニズム、環境問題等、その後の全作品に共通するテーマがすでに現われている。作家・松田青子さん推薦。 [出版社より] 著 者|マーガレット・アトウッド 訳 者|出口菜摘 出版社|彩流社 定 価|2,200円+税 判 型|四六判/上製 頁 数|182 ISBN|978-4-7791-2683-3 初 版|2020年05月 Contents これはわたしの写真 洪水のあと、わたしたちは メッセンジャー 夕暮の駅、出発まえの チェス・プロブレムを解こうとして わたしの峡谷で カーペットに潜る トランプ遊び フックの男 都市設計者 路のうえの、愛 プロテウスのなれの果て 食事 サークル・ゲーム カメラ 冬に眠る者 スプリング・イン・イグルー 女預言者 移住──カナダ太平洋鉄道で 内面への旅 木と石からなるもの 前─両生類 静かな生活に逆らって 島々 手紙、よせてかえす ある場所──断片 探検家たち 入植者たち Author マーガレット・アトウッド Margaret Atwood 1939年、カナダ、オタワ生まれ。1966年に本作『サークル・ゲーム』でデビューし、カナダ総督文学賞を受賞。『侍女の物語』(1985)でカナダ総督文学賞とアーサー・C・クラーク賞、『寝盗る女』(1994)でコモンウェルス作家賞、『昏き目の暗殺者』(2000)でブッカー賞とダシール・ハメット賞を受賞。また『侍女の物語』の続編であるThe Testamentsは2019年にアトウッドにとって2度目となるブッカー賞を受賞。 Translator 出口 菜摘 Natsumi Deguchi 京都府立大学文学部教授、専門は英米詩。共著に『反知性の帝国──アメリカ・文学・精神史』(南雲堂、2008年)や『モダンにしてアンチモダン──T. S. エリオットの肖像』(研究社、2010年)など。アトウッドの作品については、論文「被写体からの呼びかけ──Margaret Atwoodの写真の詩学」(日本カナダ文学会、2019年)。