

緑地と文化——社会的共通資本としての杜
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明治神宮外苑において百年の星霜を重ねた樹木の伐採が強行された。これは決して一地域の問題にとどまらない、持続可能な社会の根幹に関わる事態だ。なぜこのような事態が起きてしまったのか。人間と自然の未来はどうなっていくのか。都市と緑地の持続可能性を歴史的パースペクティブと国際比較の視点から問い直す。
[出版社より]
著 者|石川幹子
出版社|岩波書店[岩波新書]
定 価|940円+税
判 型|新書判/並製
頁 数|252
ISBN|9784004320609
発 行|2025年04月
Contents
はじめに
序 章 問題の根源はどこにあるのか
1 神宮外苑で強行された都市の杜の伐採
2 何のための再開発か
3 水資源の枯渇による内苑の杜の危機
4 市民との対話の拒否
第一章 社会的共通資本としての緑地とは何か
1 社会的共通資本としての緑地(グリーンインフラ)
2 時空を超えた社会的イノヴェーション
第二章 林泉都市・東京の歴史的パースペクティヴ
1 東京の基層としての「林泉都市」
2 太政官布達による「公園」の誕生
3 林泉都市の消長
4 東京市区改正設計における公園
5 幻の日本大博覧会
6 世紀のプロジェクトの始動
第三章 歴史の重層する杜──明治神宮内苑
1 井伊家下屋敷・共楽の林泉
2 難問を解く
3 百年の杜の実験と現在
第四章 別天地をつくる
1 別天地
2 代々木野の美の発見
3 水の枯渇による小川の消滅
4 杜を創り出した人びと
第五章 民衆がつくった杜──明治神宮外苑
1 林泉をつくる
2 都市美運動・イチョウ並木・パークシステム
3 ナンジャモンジャ物語
4 近代スポーツ揺籃の地
5 外苑を襲う荒波
第六章 不都合な真実──怒涛の規制緩和
1 外苑再開発事業の構図
2 「公園まちづくり制度」
3 外苑に適用された規制緩和の段階的検証
4 環境影響評価の検証
5 都市計画関連「手続き」の検証
6 再開発に伴うイチョウ並木のサステイナビリティの危機
7 失われていく文化資産――外苑を彩る歴史的樹木
第七章 文化を支える緑地
1 手渡された文化資産
2 杜の都・仙台の四百年
3 水と緑の回廊を創る
4 復興まちづくりと文化の再生
5 北の大地・帯広の森
6 鎮魂の杜・広島
展 望 未来へと手渡していく社会の冨
1 市民的自由の場
2 挫折することのなかった東京の杜
3 伊勢神宮・千三百年の杜
4 「千年の杜・東京」へ
5 杜の思想
6 「社会的共通資本」のサステイナビリティ
あとがき
参考文献・出典
Author
石川 幹子 Mikiko Ishikawa
1948年宮城県生まれ.東京大学農学部卒業,ハーバード大学デザイン学部大学院修了.環境計画・設計.農学博士,技術士.計画・設計に,「21世紀の公園」(EU環境基金最優秀賞),「学びの森」(土木学会デザイン賞最優秀賞),「水と緑の回廊計画」(みどりの学術賞),「四川汶川大地震・農耕文明遺産地設計」(都江堰市文化功労栄誉賞),「東日本大震災復興・宮城県岩沼市」(日本都市計画学会石川賞),「ブータン王国ロイヤルパーク設計」など.東京都都市計画審議会委員,公園審議会委員などを歴任.
現在─中央大学研究開発機構・機構教授.東京大学名誉教授, 著書─『都市と緑地』(岩波書店,日本都市計画学会論文賞),『グリーンインフラ』(中央大学出版部,日本造園学会学会賞)など.
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