丸いもののもつ慰め
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丸いもののもつ慰め

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第一次世界大戦に参加したアルザス地方の兵士は、夜空を眺めるうちに「大少年座」を発見するが、その光景にひどくぞっとしてしまい、だれにも話せずにいる。盲目のアンヤに恋をした青年は、彼女のアパートの部屋じゅうあちこちに罵詈雑言が書きつけられていることに気づいてしまう。ショイヒ家にある日、むかし自分が育った家を見たいという男性が、レンタルスーツの下にスタンガンをひそませて訪ねてくる。ある女性は、太陽の昇らない極夜のノルウェー、クバレイ島を旅する、謎の生物ORとともに。

——人生に突如として降りかかってくるまったく予期せぬ出来事、日常生活にみられる秘密めいた深淵。奈落へと通じる隠し扉のような仕掛けから垣間見える、人を惑わす鬼火や二重底に満ちたそこで、読者は、人間の共同生活の不条理とグロテスクさ、死者の亡霊、思わず舌打ちしたくなるような言葉たちに出会うことになる。現代文学の鬼才クレメンス・J・ゼッツの、過激な語りで細部に至るまで刺激的な最新短篇集。
[出版社より]


著 者|クレメンス・J・ゼッツ
訳 者|犬飼彩乃
出版社|国書刊行会
定 価|3,000円+税
判 型|四六変型判/上製
頁 数|384

ISBN|978-4-336-07828-5
発 行|2026年02月


Contents
南ラツァレットフェルト通り
むかしの家
クバレイ島
痛みも分かちあえば
二つの死
エレベーターの鏡に映るいくつもの顔
そのネコはラランドの天空に住む
迷惑メール
先に進む
クラス写真
オコジョオコジョオコジョ
マジシャン
エルペノール
トリークラーさん
湖は俺たちより地球が丸いことをよく知っている
クリストキント
おんな
生者たち
スージー
若いころ

訳者あとがき




Author
クレメンス・J・ゼッツ Clemens J. Setz
1982年、オーストリア、グラーツ市生まれ。子供のころはゲームをして過ごしていたが、16歳ごろにエルンスト・ヤンドルの詩に衝撃を受け文学に興味を持つ。グラーツ大学では数学とドイツ文学を専攻。在学中より文学活動をはじめ、2011年ライプツィヒ・ブックフェア賞、2019年ベルリン文学賞、2020年クライスト賞、2021年ゲオルク・ビューヒナー賞、2023年オーストリア文学賞など数々の主要な文学賞を受賞。小説や短篇集、詩集のほか、演劇や映画の脚本、英米文学やエスペラント語文学の翻訳など多方面で活躍している。現在は妻子と共にウィーンに在住。

Translator
犬飼 彩乃 Ayano Inukai
愛知県生まれ。学習院大学文学部准教授。専門はドイツ語圏文学。訳書に、クレメンス・J・ゼッツ『インディゴ』(国書刊行会)、共訳書に、ライナー・エアリンガー『なぜウソをついちゃいけないの?』(KKベストセラーズ)、アフマド・マンスール『アラー世代』(晶文社)。
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