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「指は曲がっていても
天をさすには少しの不自由も感じない」(志樹逸馬)
隔離の中で生まれた詩(ことば)と失われゆく記憶を残すために——。
明治以降、約90年続いた隔離の歴史。全国に13ある国立ハンセン病療養所には、その記憶を色濃く残した「風景」とその中でしか生まれえなかった「言葉」がある。8×10や35mmのフィルムカメラを携え、3年を掛けて全国の療養所を訪れた石井正則は
そこで感じた「空気」を写真に収めてきた。
カラーフィルムで撮影した約100点の写真に、入所者の方々の力強い詩 23篇を掲載。木村哲也氏(国立ハンセン病資料館学芸員)による、ハンセン病政策と療養所の歴史についての解説も収録する。
[出版社より]
著 者|石井正則
出版社|トランスビュー
定 価|2,900円+税
判 型|B6変型判
頁 数|176
ISBN|978-4-7987-0177-6
初版|2020年4月
[掲載詩]
国本昭夫「妹の手紙を見て」
久保瑛二「心のたより」
水野きよし「母」
塔和子「金魚」
厚木叡「伝説」
森春樹「微笑まなかった男」
秋田穂月「島の火葬場にて」
中石としお「石女」
北浜知代「解剖」
島村静雨「海と断層」
C・トロチェフ「びよういんのさくら」
越一人「栗生望学園」
近藤宏一「舌読」
西羽四郎「癩憲章」
森中正光「指」
戸田次郎「解剖室の感想」
福寿美津男「特別病室」
藤本とし「呼吸のおくで」
島田等「橋」
谺雄二「ライは長い旅だから」
堂崎しげる「ひかりについて」
志樹逸馬「曲った手で」
島比呂志「病める樹よ」
Author
石井正則 Masanori Ishii
1973年、神奈川県生まれ。94年、お笑いコンビ「アリtoキリギリス」としてデビュー。ドラマ『古畑任三郎』への出演をきっかけに、コンビ解散後も俳優として数々のドラマ、映画、舞台などの作品に出演。『Mr.サンデー』のナレーターなども務める。自転車や喫茶店めぐり(全国2400件以上)など、多彩な趣味を持つことでも知られる。著書に『駄カメラ大百科』(徳間書店)がある。
中古の二眼レフを購入したことをきっかけに、フィルムカメラの世界に魅せられ本格的に写真を始めた。本写真集に掲載の作品は、プライベートの時間に全国13カ所の国立ハンセン病療養所を訪れ、8×10大判カメラや35mmフィルムカメラで撮影したもの。2020年2~5月、国立ハンセン病資料館にて写真展「13~ハンセン病療養所の現在を撮る~」を開催。
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