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2015年6月17日、アメリカ南部・チャールストンの由緒ある教会で事件は起きた。
「チャールストン教会銃乱射事件」である。
その日の夜、男は、毎週水曜日恒例の聖書勉強会に参加していた黒人信徒に向け銃を乱射。参加者12人のうち9人が死亡した。――それはインターネットで仕入れた差別思想に影響を受けての凶行だった。
だが、事件後早々、生存者と遺族は犯人に対し「あなたを赦します」と発言。全米を震撼させた理不尽な動機による大量殺人事件は、この発言によってさらに注目を集めることになった。
克明にあぶり出される事件の一部始終、耳を疑うほどの犯行動機の論理破綻、ネットをきっかけにヘイトスクラム(憎悪犯罪)が生まれる過程、そして、残された人々の尽きせぬ悲しみの軌跡……。ピュリッツァー賞を受賞した地元紙の記者が生々しく描き出した、第一級のノンフィクション。
[出版社より]
「77発の銃弾が9人を殺戮。戦慄の果てに希望は見えるか」
――保坂展人(『相模原事件とヘイトスクラム』著者、世田谷区長)
「家族を殺した男をあなたは赦せますか?」
――高橋ユキ(『つけびの村』著者)
著 者|ジェニファー・ベリー・ホーズ
訳 者|仁木めぐみ
出版社|亜紀書房
定 価|2,500円+税
判 型|四六判・上製
頁 数|184
ISBN|978-4-7505-1653-0
初版|2019年07月
Contents
プロローグ
第一部 邪悪な存在と目が合った
第二部 癒しを求めて
第三部 真相が明るみに出る
エピローグ
弔辞――クレメンタ・ピンクニー師に宛てたアメリカ合衆国大統領による追悼演説
謝辞
訳者あとがき
Author
ジェニファー・ベリー・ホーズ Jennifer Berry Hawes
米国サウスカロライナ州チャールストン在住。ルーズベルト大学シカゴ校卒業。ピュリッツァー賞受賞の地元紙「ポスト・アンド・クーリエ」で十年以上記事を執筆。現在は同紙調査報道のプロジェクトチームに所属。1994年に死刑となったアフリカ系アメリカ人少年の冤罪と真犯人が裕福な白人男性であることを示唆する記事で、自身も2019年にピュリッツァー賞最終候補にノミネートされる。他にジョージ・ボルク賞、ナショナル・ヘッドライナー賞、トラウマに関する優良な報道に贈られるダート賞など受賞多数。本書は2020年J・アンソニー・ルーカス書籍賞の候補となった。
Translator
仁木 めぐみ Megumi Niki
翻訳家。東京都出身。訳書にスー・クレボルド『息子が殺人犯になった』、デヴィッド・コンクリン『コンクリンさん、大江戸を食べつくす』(以上、亜紀書房)、オスカー・ワイルド『ドリアン・グレイの肖像』(光文社古典新訳文庫)、ヘレン・トムスン『9つの脳の不思議な物語』(文藝春秋)、ブロニー・ウェア『死ぬ瞬間の5つの後悔』(新潮社)、マーガレット・ヘファーナン『見て見ぬふりをする社会』(河出書房新社)など。
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