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韓国ナショナリズムの起源

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韓国の歴史認識がいかにナショナリズムに傾いたかを1990年代以降の状況を追いながら、嫌韓でもなく反日でもなく一方的な親日でもない立場で冷静に論理的に分析する名著。



「日本」を通してナショナリズムが本格的に台頭し始めた1990年代の韓国を冷静に鋭く分析した作品。反日や嫌韓の論議が騒がしい近年、ベストセラー『帝国の慰安婦』の著者が、20年前に韓国で刊行した原本に「今」を問いなおす日本語版序文を新たに入れて文庫化。日韓問題を、「他者との出会い方」という視点から考え直す画期的な一冊。

日韓問題にうんざりしている読者のために、そして日韓問題の深みにはまらないために、私たちは『反日種族主義』のような本質主義を乗り超えて「他者との出会い方」をもっと真剣に考えたい。解説=高橋源一郎。
[出版社より]


著 者|朴裕河
訳 者|安宇植
出版社|河出書房新社[河出文庫]
定 価|980円+税
判 型|文庫判/並製
頁 数|352

ISBN|978-4-309-46716-0
初 版|2020年04月


Contents
二〇年後の長い序文(2020年)
韓国語版 序文(2000年)

第1章 うたうナショナリズム
  1 「鉄杭」事件を考える
    「名山の脳天」に鉄杭
    事実と史実、そして真実と伝説
    帝国主義の本質を見失った「民族の精気抹殺」論
    「正される」歴史とつくられる歴史
  2 破壊と喪失の間——旧朝鮮総督府庁舎の取り壊し
    抑圧される身体イメージ
    取り壊しが物語るもの
    未来をゆがめる過去の隠蔽
    真の自尊心と「民族の精気」のために
  3 「歴史」か「小説」か——李寧煕『うたう歴史』
    「わが民族の優秀さを立証する」論理
    「日鮮同祖論」——親日から反日へ
    「他者」不在の他者論
  4 「日本には学ぶべきものが何もない」という言説
    フェミニストの女性差別
    異なることは罪ではない
    屈折した被害者意識としての怒り
    「正常」という考え方
    大工になりたい子供たち
    日本糾弾と一九九〇年代
 5 韓国人の「必読の小説」——金辰明の反日小説
    『ムクゲノ花ガ咲キマシタ』の侵略性
    あおられた怒り
    醜い日本人と格好いい韓国人
    行方不明の「精神文化」——旧朝鮮総督府庁舎を取り壊して三年
    韓国人必読の書
    想像力の解放と想像力の貧しさ
 6 教授たちの日韓方程式
    「生まれつき」侵略的という日本観
    農耕民族と騎馬民族
 7 慎教授の反日レトリック
    収奪か近代化か
    独島(竹島)問題——「日本は喜び勇んで」のレトリック
    漁業協定担当者の話

第2章 侵略する日本と利己的な日本人
 1 「日本文化は卑しい」
    「卑しい」文化からの侵略
    日本映画の解禁と韓国映画の躍進
    遠い国としての日本
    文明の本質——移動と交流
 2 「日本の謝罪」をめぐって
    会談のたびに反省と謝罪があった
    「妄言が飛び出すと元の木阿弥」
    韓国は謝罪したのか
 3 「日本は南北統一を望んでいない」という言説
    「国家」という求心体
    野望と歪曲

第3章 表象としての日本人
 1 日本人と創造性
    再創造としての模倣
 2 日本は「刀の国」か
    「刀=暴力=性」という図式
    武の国と文の国
 3 「技術」をめぐる考え方
   技術移転をめぐって
 4 「日本人は残忍」という言説
    残忍さは日本に限らない
    「いじめ」は日本から輸入されたのか
    「冷たい」日本人
 5 「裏表」と「狡猾」
    韓国人も中国人も狡猾だった一〇〇年前
    「島国」日本をどう見るべきか
 6 日本観の原型『菊と刀』を批判する
 7 日本文学を語る——『雪国』から大江健三郎まで
    経済は時に文化を引っ張る
    大江健三郎の「想像力」
    「他者」「暴力」との向き合い方
    『雪国』の二〇年後
 8 日本文学を語る——「世界文学」の条件
    「韓国文学は日本に立ち遅れていない」という主張
    安部公房の衝撃
    韓国文学が世界的レベルに遅れているとしたら

第4章 ナショナリズムとは何か
 1 拡張主義のナショナリズム
    「進出」なのか「侵略」なのか
    民族主義が守るもの
    排他性の起源
    心の傷から回復するために
 2 文学とナショナリズム
    母国語を支える文学
    金芝河の「民族精神」回復運動
    民族の「固有性」について
    檀君神話を考える
 3 アイデンティティとは何か
    民族意識の起源とアイデンティティ
    個人として生きる
    愛国心とは何か
 4 歴史とは何か
    美化される歴史
    箕子朝鮮の歴史と天皇の歴史
    理由を考えない教育
 5 誇りとは何か
    民族意識とハングル
    選ばれるべき伝統
    伝統になるまで
    つくられる「文化」
    自尊心について
 6 過去であり続ける日本
    開かれた心を求めて
    「強大国」でなく「お隣さん」の日本と

エピローグ 243

解説 朴裕河さんの声  高橋源一郎


Author
朴 裕河 パク・ユハ
ソウル生まれ。世宗大学日本文学科教授。慶応大学文学部卒、早大大学院で日本近代文学を専攻。韓国で漱石や大江の翻訳紹介をする。著書に『和解のために』、ベストセラー『帝国の慰安婦』など多数。

Translator
安 宇植 アン・ウシク
1931-2015年。東京生まれ。桜美林大学名誉教授。著書に『評伝 金史良』、『天皇制と朝鮮人』など、訳書に尹興吉『エミ』、『黄昏の家』、李文烈『ひとの子 神に挑む者』、申京淑『離れ部屋』など。

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