「紙の本」の危機は「民主主義」の危機だ——。
氾濫するヘイト本、ブックフェア中止問題など、いま本を作り、売る者には覚悟が問われている。書店界の名物店長による現場からのレポート、緊急出版。政治的「中立」を装うのは、単なる傍観である。
「縮小する市場とともに低下し続ける数値を元に、それに合わせた仕事をしている限り、出版業界のシュリンク傾向に歯止めをかけることは出来ないだろう。必要なのは信念であり、矜持であり、そして勇気なのである。」(本書より)。
[出版社より]
著 者|福嶋聡
出版社|人文書院
定 価|1,600円+税
判 型|四六判/並製
頁 数|188
ISBN|9784409241097
初 版|2016年06月
Contents
序 憎悪・排除・批判――闘技場(アリーナ)としての書店は、今
第Ⅰ部
書店のコンシェルジュ
ヘイト本と書店1
ヘイト本と書店2
出版文化を守るもの
本の宛て先
本を売る自由
出版の大衆化
赦しはどこに――『絶歌』について
シニシズムとリアリズム
コミュニケーションを駆動させるもの
本の生命
返品率抑制は正しいやり方なのか
書店に生活提案は可能か1
書店に生活提案は可能か2
パッケージこそが商品だ
第Ⅱ部
一九六○年代憲法論の瑞々しさ――上山春平『憲法第九条 大東亜戦争の遺産』
これが戦争のリアルだ!――『戦争と性』にみる「道徳的頽廃」
戦争の終わり方――『永続敗戦論』『1945 予定された敗戦』
民主主義とカオス――『民主主義って本当に最良のルールなのか、世界をまわって考えた』
「君が代」を強制した瞬間に崩壊する推進派の論拠
「物語」を売る
出版の量的なシュリンク――返品抑制策、総量規制
安保法案の成立を受けて改めて出版の役割を考える
クレームはチャンスだ――ブックフェア中止問題を考える1
「中立の立場」などそもそもない――ブックフェア中止問題を考える2
跋 民主主義と出版、書店――その「一つの場所」
Author
福嶋 聡 Akira Fukushima
1959年、兵庫県生まれ。京都大学文学部哲学科卒業。1982年ジュンク堂書店入社。神戸サンパル店(6年)、京都店(10年)、仙台店(店長)、池袋本店(副店長)、大阪本店(店長)を経て、2009年7月より難波店店長。1975年から1987年まで、劇団神戸にて俳優・演出家として活躍。1988年から2000年まで、神戸市高等学校演劇研究会秋期コンクールの講師を務める。日本出版学会会員。主な著書に、『書店人のしごと』(三一書房、1991年)、『書店人のこころ』(三一書房、1997年)、『劇場としての書店』(新評論、2002年) 『希望の書店論』(人文書院、2007年)、『紙の本は、滅びない』(ポプラ新書、2014年)など。
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