SOLD OUT
中東から西サハラヘ、さらにヴェトナムへ——。瓦礫のなかで女性たちの人生を見つめ、歴史の証言者たろうとしたドキュメンタリスト、ジョスリーン・サアブ。
骨髄を癌で犯され余命いくばくもない彼女から、わたしは最後の作品への協力を依頼される。それは元日本赤軍幹部・重信房子と娘メイの、母娘の絆の物語だった。だが、そんなことがはたして可能なのだろうか……。
歴史は無慈悲に進行し、記憶は両手から零れ落ちる砂のように消えていく。死の直前まで彼女が見つめていたものは何だったのか? 知られざる女性映画作家の足跡をベイルートに辿り、その生涯を凝視する珠玉のノンフィクション。
[出版社より]
「遠い鏡に映った他人を映画に撮ろうとするのは、死が目の前まできているから――。ここ数年読みたかった本が実際に存在した」
――多和田葉子(作家)
「永遠を横切りながら、切り裂きながら撮る女。移動の情熱、零れ落ちる命、そしてフィルムは生き延びる」
――斎藤真理子(翻訳家)
著 者|四方田犬彦
出版社|河出書房新社
定 価|2,720円+税
判 型|四六判/上製
頁 数|240
ISBN|978-4-309-03039-5
初 版|2022年05月
Author
四方田 犬彦 Inuhiko Yomota
1953年生まれ。あらゆるジャンルを横断する批評家。著書『ルイス・ブニュエル』『親鸞への接近』『大島渚と日本』『詩の約束』など。
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