政治・経済・社会を貫くネオリベラリズムの生成過程を規律社会から管理社会へ移行する権力の編成としてダイナミックに描き出し、フーコー以降の政治社会論を根底から刷新する歴史的名著、待望の文庫化。
このくり返しの地獄から、抜け出ることができるのか?――1980年代から現在まで、全世界の政治・経済・社会を貫く「ネオリベラリズム」の生成過程を、規律社会から管理社会へと移行する権力の編成としてダイナミックに描き出し、フーコー以降の政治社会論を根底から更新した名著、待望の文庫化。
2000年以降の危機的状況を、「威主義的リベラリズム」として読み解く斬新な状況/思想論を大幅に増補した決定版。
[出版社より]
著 者|酒井隆史
出版社|河出書房新社[河出文庫]
定 価|1,800円+税
判 型|文庫判
頁 数|624
ISBN|9784309417042
初 版|2019年8月
Contents
はじめに
序章 新しい権力地図が生まれるとき――〈運動〉以降
1 〈運動〉以降/2 労働の拒否と一般的知性/3 市民社会の衰退と新しい権力のテクノロジー/4 非物質的労働と大衆知性/5 multitudes(群集=多数性)のエクソダス
Ⅰ フーコーと自由の現在
第一章 リベラリズムの差異と反復――統治論
1 権力のマクロ物理学/2 アンチ・ポリツァイとしての古典リベラリズム/3 リベラリズムの回帰
第二章 生に折り畳まれる死――権力論
1 処罰とはなにか?/2 危険性の転位?/3 生命の空間への死の折り畳み/4 セキュリティの上昇/5 行為、快楽、欲望
第三章 敵対の転位――法・ノルム論
1 敵対の転位――社会体の解体と近代/i パノプティコンは近代社会の特権的形象たりうるのか?/ⅱ 社会体の解体と〈社会〉の誕生/2 アンチ・ポリツァイの思考――行為、快楽、欲望
Ⅱ セキュリティと自由
第四章 〈セキュリティ〉の上昇――現代都市隔離論
1 セキュリティと分解する「市民社会」/2 コミュニティの「自発的ゲットー化」/3 「アンダークラス」とその〈隔離〉/4 ポスト・ノワールの時代?
第五章 恐怖と秘密の政治学
1 A Scanner Darkly/2 〈コントロール管理支配の収益率の低下〉/3 秘密と欺瞞――アンダーカヴアー・コップ秘密捜査員/4 「捏造の世界化と世界の捏造化」――内-植民地化と統合されたスペクタクル/5 パノプティシズム再考――人工衛星と恐怖のエコロジー
最終章 現在性の系譜学へむけて――「犬」と例外状態
1 幽霊犬/2 ゼロトレランス政策/3 〈法と秩序〉――危機と批判/4 イヌの例外状態/5 「あなた方は現在を軽蔑する権利はない」――批判と自由/6 自由の新しい地平へ
補章
『自由論』韓国語版の序文
補論1 鋳造と転調
補論2 「しがみつく者たち」に
権力と内戦――『自由論』への一八年後の自注
単行本あとがき
文庫版あとがき
参考文献
解説 人工知能資本主義時代の統治技術――酒井隆史『自由論』に寄せて(李珍景/影本剛=訳)
Author
酒井隆史 Takashi Sakai
1965年生まれ。社会思想。『通天閣 新・日本資本主義発達史』でサントリー学芸賞受賞。
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