本書は、主に美術をめぐって著者がここ数年、考えたり書いてきたりしたものを一冊にまとめたものである。絵画が思考と、イメージがロゴスといかなる関係を結びうるのかを問う「絵画論」、「間メディア性(インターメディアリティ)」に焦点を当てた「光、色、音」、美学の本来の問題、「感性(アイステーシス)」に立ち返った「美学=感性論」と、イメージの世界に分け入りながらその根源に鋭く迫る。
[出版社より]
著 者|岡田温司
出版社|人文書院
定 価|2,800円+税
判 型|四六判/上製
頁 数|288
ISBN|9784409100349
初 版|2014年12月
Contents
はじめに
Ⅰ 絵画論
イメージの根源、根源のイメージ
思考するイメージ、イメージする思考----セザンヌと解釈者たち
「天使が何かするときのように行動せよ」-----クレー論の余白に
喪としての絵画-----モランディの芸術
灰色の魅惑、あるいは色の震え
「作者を捜せ!---ボルケーゼ美術館とふたりの目利き」
Ⅱ 光、色、音
光のエクリチュール、あるいは破壊と誕生の詩学
「すべての芸術は音楽の状態を憧れる」再考
愛のチューニング---「調律の図像学」のためのスケッチ
ニュートンと画家たち----科学と芸術が出会うとき
ムーサとセイレーン----声の魔力
Ⅲ 美学論=感性論
バロックとネオバロック----モダンとポストモダンの狭間で
「醜」と「崇高」----モダンとポストモダンを横断する美学的カテゴリー
「メディウム」の行方
メランコリーの星座-----パノフスキー、ベンヤミン、アガンベン
「昇華」とは何の謂いか?
あとがき
Author
岡田 温司 Atsushi Okada
1954年広島県生まれ。京都大学人間・環境学研究科教授。西洋美術史、思想史。著書に『モランディとその時代』(人文書院、2003年、吉田秀和賞)、『フロイトのイタリア』(平凡社、2008年、讀賣文学賞)、訳書にロベルト・ロンギ『芸術論叢』(中央公論美術出版、1999年、ピーコ・デッラ・ミランドラ賞)など多数。
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