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文化大革命[上巻]

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革命に翻弄される人民のあまりにも苛酷な日々。激動の時代、なぜ暴力の連鎖は起こったのか。
飢餓、紅衛兵、粛清、裏切り、恐怖と混乱……。毛沢東の野望と権力闘争の犠牲になった民衆たちの姿を圧倒的筆致で抉り出す!

優れたノンフィクションにおくられるサミュエル・ジョンソン賞受賞の著者が、綿密な聞き取りと圧倒的な史料をもちいて文革の悲惨な歴史を明らかにする! 本書はディケーターの毛沢東三部作の一冊にあたる。

「著者は、一方では上層部指導者の権力闘争とめまぐるしい政策の変化を詳細に跡付け、他方ではそのような暴政に対する民衆一人ひとりの対応やイニシアティブを描くことに力を注いだのではなかろうか。つまり著者は、国家権力・政治指導者側の横暴と歪んだロジックをまず明らかにしたうえで、それに対する民衆一人ひとりの支持、同調、抵抗、逃避、無関心、創意工夫といったいわばサバイバル戦略ともいうべきものを描きたかったのではなかろうか。(…)

これまで文化大革命についての研究成果は、その複雑さ難解さゆえになかなか一般の読者に伝わりにくかったように思える。本書は、最新の研究成果を吸収しつつ、文化大革命の全体像をわかりやすく、また独自の視点も加えて書かれており、関連書の中でも一般の読者にとっては最良の一冊であるといえる。できるだけ多くの読者にお読みいだだき、中国現代史における未曾有の動乱期についての理解を深めていただきたいと切に希望している。」(監訳者解説より)
[出版社より]


著 者|フランク・ディケーター
監訳者|谷川真一
訳 者|今西 康子
出版社|人文書院
定 価|3,000円+税
判 型|四六判/並製
頁 数|280

ISBN|9784409510827
初 版|2020年03月


Contents
口絵
序文
年表
地図

第一部 大飢饉後(1962-1966)
第1章 二人の独裁者
第2章 階級闘争を決して忘れるな
第3章 文化戦線
第4章 四人の反革命集団

第二部 紅色の年代(1966-1968)
第5章 大字報闘争
第6章 赤い八月
第7章 旧社会の破壊
第8章 毛沢東崇拝
第9章 経験大交流
第10章 造反派と保皇派
第11章 軍隊の出動
第12章 武装競争
第13章 鎮火



Author
フランク・ディケーター Frank Dikotter
香港大学人文学院講座教授。檔案館(党公文書館)資料を利用した研究の先駆者で、名著『The Discourse of Race in Modern China』(1992)、サミュエル・ ジョンソン賞受賞作『Mao’s Great Famine』(2010)(『毛沢東の大飢饉』(2011年,草思社))、最新著書『The Tragedy of Liberation』(2013) をはじめとする10冊の著書は、歴史学者の中国に対する見方や認識を変えた。

Translator
谷川 真一 Shinichi Tanigawa [監訳]
スタンフォード大学大学院社会学研究科博士課程修了(Ph.D.)。現在、神戸大学大学院国際文化学研究科教授。専門は現代中国の政治と社会、国際関係。主な著書・論文に、『中国文化大革命のダイナミクス』(御茶ノ水書房、2011年)、“The Policy of the Military ‘Supporting the Left’ and the Spread of Factional Warfare in China’s Countryside: Shaanxi, 1967-1968,” Modern China 44 (Jan. 2018), pp. 35-67、訳書に、アンドリュー・ウォルダー『毛沢東時代の中国――脱線した革命』(ミネルヴァ書房、近刊)がある。

今西 康子 Yasuko Imanishi
神奈川県生まれ。訳書に、ジョセフ・ヘンリック『文化がヒトを進化させた』(白揚社)、ジャスティン・シュミット『蟻と蜂に刺されてみた』(白揚社)、カール・ジンマー『ウイルス・プラネット』(飛鳥新社)、エイミィ・ステュワート『ミミズの話』(飛鳥新社)、キャロル・S・ドゥエック『マインドセット』(草思社)、アンドリュー・パーカー『眼の誕生』(共訳、草思社)、エドワード・ホフマン『カバラー心理学』(共訳、人文書院)など。

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