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民俗学・歴史学という各々の専門分野からの越境を厭わず、知力をふり絞り、引き裂かれながら現実に向き合う二人。同時代を生きてあることの歓びを感じながら、言葉を揉(も)み、解(ほぐ)し、思索を交わした、二〇一九年から二〇年にかけての往復書簡を、銀板写真(ダゲレオタイプ)とともに書籍化。この期に及んでなおも言葉の力を信じて。
[出版社より]
著 者|赤坂憲雄・藤原辰史
写 真|新井卓
出版社|岩波書店
定 価|1,800円+税
判 型|四六判/上製
頁 数|174
ISBN|9784000229753
初 版|2021年02月
Contents
藤原辰史
それでもなお言葉の力を
標準語との距離感について
土壌と人間
引き裂かれつづける
泥の歴史学
あとには戻れないならば
こぼれるということ
もののけのたぐい
次の世代、子孫のために
あとがきにかえて――「言の葉」と「言の場」
赤坂憲雄
深い海の底から
俺の人生を聞きにきたのか
汚れた土のゆくえ
異形の場所からモノへ
傷を記憶すること
見えない政治に抗うために
原発とキツネが対峙するとき
それはだれのものか、と問う声がする
撤退の時代だから、そこに駒を置く
あとがきにかえて――あやしいものたちの連帯のために
作品一覧
Author
赤坂 憲雄 Norio Akasaka
1953年、東京都生まれ。専門は民俗学・日本文化論。学習院大学教授。『岡本太郎の見た日本』(岩波書店)でドゥマゴ文学賞、芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。『異人論序説』『排除の現象学』(ちくま学芸文庫)、『東西/南北考』『武蔵野をよむ』(岩波新書)、『性食考』『ナウシカ考』(岩波書店)など著書多数。
藤原 辰史 Tatsushi Fujihara
1976年、北海道生まれ、島根県出身。専門は農業史。京都大学人文科学研究所准教授。『ナチスのキッチン』(水声社、のちに決定版=共和国)で河合隼雄学芸賞を、『分解の哲学』(青土社)でサントリー学芸賞を受賞。『トラクターの世界史』(中公新書)、『給食の歴史』(岩波新書)、『縁食論』(ミシマ社)など著書多数。
新井 卓 Takashi Arai
1978年、神奈川県生まれ。アーティスト・映画作家。ダゲレオタイプ(銀板写真)の技法で写真を撮る。2016年に第41回木村伊兵衛写真賞を、2018年に映像詩『オシラ鏡』で第72回サレルノ国際映画祭短編映画部門最高賞を受賞。写真集に『MONUMENTS』(PGI)など。
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