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歴史が後ずさりするとき——熱い戦争とメディア

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歴史が後ずさりしはじめたかに見える二十一世紀初めの政治・社会の現実を鋭く批判したエーコの発言集。

グローバル化された世界の中での軍事衝突、ポピュリズムや原理主義の台頭、娯楽化するメディア……。歴史があたかも進歩をやめて後ずさりしはじめたかに見える二十一世紀初めの政治・社会の現実に鋭い批判の矢を放ち、異文化への理解や教育のあり方、知識人の使命について独特のアイロニーに富む文体で深い洞察を巡らす。
[出版社より]


著 者|ウンベルト・エーコ
訳 者|リッカルド・アマディ
出版社|岩波書店[岩波現代文庫]
定 価|1,740円+税
判 型|文庫判
頁 数|474

ISBN|9784006004378
初 版|2021年05月


Contents
訳者まえがき

エビの歩き方――歴史の後ずさり

Ⅰ 戦争、平和、その他のこと
 戦争と平和をめぐるいくつかの考察
 アメリカを愛し、平和行進には参加
 ヨーロッパの展望
 狼と羊――濫用の修辞学
 ノルベルト・ボッビョ――学者の使命についての再考察
 啓蒙主義と常識
 遊びからカーニヴァルへ
 プライヴァシーの喪失
 ポリティカリー・コレクトについて
 私立学校とは何か
 科学、技術、魔術

Ⅱ グレート・ゲームへの逆戻り
 ワトソンとアラビアのロレンスとの間で
  この話はどこかで聞いたことがある
  まず資料をそろえる
  戦うには文化を要する
  正義の側に立たなくても勝てる
  グレート・ゲームの記録
 言葉は石のようなものだ
  言葉の戦争
  ビン・ラディンを「理解している」人たち
  原理主義、十全主義(インテグラリズム)、人種差別主義
  内戦、レジスタンス、テロリズム
  カミカゼと暗殺者

Ⅲ 十字軍への逆戻り
  聖戦、感情、理性
  多民族社会における交渉のしかた
  エルサレム陥落――生中継
  ミス、原理主義者、ハンセン病患者
  アダム以前の人間の存在をどう取り扱うか

Ⅳ 『神学大全』その他
 ヨーロッパの根源
 キリストの十字架像、風俗と習慣
 胎芽の霊魂について
 偶然と知的設計論
 わしの息子から手を引け
 神を信じなくなった人間は何でも信じる
  ゼロ年を信じる
  錬金術を信じる
  アーモルト神父を信じる
  超能力者を信じる
  テンプル騎士団を信じる
  ダン・ブラウンを信じる
  伝統を信じる
  トリスメギストスを信じる
  第三の秘密を信じる
 PACSとルイーニ枢機卿
 相対主義なのか?

Ⅴ 人種の防衛
 イタリア人は反ユダヤか?
 陰 謀
 私の最も親しい友人の何人かは
 彼の最も親しい友人の何人かは

Ⅵ 第三千年紀初めの黄昏
 ある夢
 死の短所と長所について

訳者あとがき
岩波現代文庫版 訳者あとがき

Author
ウンベルト・エーコ Umberto Eco
1932‒2016年。北イタリア・アレッサンドリャ生まれ。ボローニャ大学教授、同大高等人文学研究所所長を歴任。中世美学、記号学、メディア論、小説など幅広い分野で活躍。著書・編著書に『記号論』『薔薇の名前』『開かれた作品』『フーコーの振り子』『バウドリーノ』『永遠のファシズム』『美の歴史』『醜の歴史』など。

Translator
リッカルド・アマデイ Riccardo Amadei
1945年、北イタリア・トリーノ生まれ。翻訳者・同時通訳者。訳書にジャンナ・スケロット『誰もがみんな噓をついている』など。

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