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資本主義の下では資本の蓄積が自己目的化し、大企業は利益拡大にひた走る。結果、富める者だけが富み続け、雇用は不安定になり、格差が拡大する。成長の果実のおこぼれが一般庶民にもたらされないことは、ここ数十年の現実が証明済だ。であるならば政府が目指すべきは経済成長ではなく、国民の暮らしの質を上げることなのではないのか。
著者らはその実現のために、余暇を生む労働時間の短縮、一定水準の暮らしを保障するベーシックインカムの導入、際限なき人間の欲望を抑えるための広告課税等の法整備を提案する。成長神話が叫ばれ続ける日本でこそ読まれるべき提言。 解説=諸富徹。
[出版社より]
「富の使い先を変える根源的な資本主義批判の書」
――諸富 徹
著 者|ロバート・スキデルスキー & エドワード・スキデルスキー
訳 者|村井章子
出版社|筑摩書房[ちくま学芸文庫]
定 価|1,400円+税
判 型|文庫判
頁 数|413
ISBN|978-4480511119
発 行|2022年03月
Contents
はじめに
序論
第1章 ケインズの誤算
第2章 ファウストの取引
第3章 富とは―東西の思想を訪ねて
第4章 幸福という幻想
第5章 成長の限界
第6章 よい暮らしを形成する七つの要素
第7章 終わりなき競争からの脱却
原注
索引
訳者あとがき
解説 「善き人生」を支える資本主義のあり方を考える(諸富徹)
Author
ロバート・スキデルスキー Robert Skidelsky
経済史家。ウォーリック大学名誉教授、英国学士院会員、貴族院議員。ケインズ研究の世界的権威。著書に『ケインズ』(岩波モダンクラシックス)、『なにがケインズを復活させたのか?』(日本経済新聞出版社)などがある。
エドワード・スキデルスキー Edward Skidelsky
哲学者。エクセター大学講師。専門は道徳・政治哲学。ロバート・スキデルスキーの子息。著書にErnst Cassirer: ¬e Last Philosopher of Culture, Princeton University Pressなどがある。
Translator
村井 章子 Akiko Murai
翻訳家。上智大学文学部卒業。経済学の古典新訳を多数手がける。
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