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これはわたしの犬《むすめ》。
もし何かしたら、殺してやる。
この世から忘れ去られた海辺の寒村。子どもをあきらめたひとりの女が、もらい受けた一匹の雌犬を娘の代わりに溺愛することから、奇妙で濃密な愛憎劇《トロピカル・ゴシック》が幕を開ける……。
人間と自然の愛と暴力を無駄のない文体で容赦なく描き切り、世界15か国以上で翻訳され物議をかもしたスペイン語圏屈指の実力派作家による問題作が、ついに邦訳。
☆2018年コロンビア・ビブリオテカ小説賞受賞
☆2019年英国PEN翻訳賞受賞
☆2020年全米図書賞翻訳部門最終候補
☆RT Features制作による映画化決定!
[出版社より]
「全篇に乾いた〈距離〉が満ちる。人が愛に渇いて、世界中が愛の雨を枯渇させて、乾いて。物語はまさに〈断崖〉の上に立つ」
ーー古川日出男
「『雌犬』は、真の暴力を描いた小説だ。作者キンタナは、私たちが知らないうちに負っていた傷口を暴き、その美しさを示して、それからそこに一握りの塩を擦り込んでくる」
――ユリ・エレーラ
著 者|ピラール・キンタナ
訳 者|村岡直子
出版社|国書刊行会
定 価|2,400円+税
判 型|四六判/上製
頁 数|176
ISBN|978-4-336-07317-4
初 版|2022年04月
Author
ピラール・キンタナ Pliar Quintana
1972年コロンビア・カリ生まれ。教皇庁立ハベリアナ大学卒業後、2003年に長編『舌のこそばゆさ』でデビュー。国内外で文学的力量が高く評価され、2007年にはヘイ・フェスティバルの「39歳以下の傑出したラテンアメリカ作家39人」の一人に選出。代表作『雌犬』は、世界15か国語以上に翻訳され、2018年コロンビア・ビブリオテカ小説賞、2019年英国PEN翻訳賞を受賞、2020年には全米図書賞翻訳部門最終候補にノミネートされた。
その他の作品に、長編『珍奇な埃の蒐集家たち』(2007、ラ・マル・デ・レトラス小説賞受賞)、『イグアナの陰謀』(2009)、短編集『赤ずきんはオオカミを食べる』(2012)がある。最新長編『深淵』(2021)で、スペイン語圏最高の文学賞の一つであるアルファグアラ賞を受賞。暗く複雑な人間の側面を、簡潔かつ濃密に描くスタイルを特徴とし、現在、世界的に大きな注目を集める実力派作家である。
村岡直子 Naoko Muraoka
スペイン語翻訳者、(有)イスパニカ翻訳講座講師、校正者。兵庫県出身、同志社大学文学部卒業。グラナダ大学セントロ・デ・レングアス・モデルナス留学。訳書にマイク・ライトウッド『ぼくを燃やす炎』(サウザンブックス)、フェデリコ・アシャット『ラスト・ウェイ・アウト』(早川書房)、トニ・ヒル『ガラスの虎たち』(小学館)、共訳書にペドロ・バーニョス『地政学の思考法』(講談社)、マリア・ピラール・ケラルト・デル・イエロ『ヴィジュアル版スペイン王家の歴史』(原書房、青砥直子名義)などがある。
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